説明

癌を処置するための化合物および方法

本発明は、有機ヒ素剤を合成するための方法を提供する。これら化合物の多くは、多くのヒト腫瘍細胞系統(固形起源および血液起源の両方)に対して、ならびに白血病を有する患者由来の悪性血球に対して強力なインビトロ細胞傷害性活性を有する。一局面において、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を合成する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の式(II)の構造を有する化合物と、本明細書に記載の式(III)の構造を有する化合物とを、水性溶媒もしくはアルコール性溶媒中で、かつピリジンの非存在下で反応させる工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
この出願は、2007年12月12日に出願された米国仮出願第61/007,371号(この明細書は、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
S−ジメチルアルシノグルタチオン(SGLU−1)は、癌の処置のために現在製造されている有機ヒ素剤である。SGLU−1の合成のための方法は、今日まで、2工程合成であった。ここで第1の工程は、カコジル酸をホスフィン酸で還元する工程を包含した。不運なことには、ホスフィン酸の使用は、ホスフィンガスを副生成物として生じ、上記ホスフィンガスは、大量では、危険であり得る。上記合成の第2の工程は、塩基としてピリジンの使用を要する。ピリジンは、最終生成物から完全に除去するのは困難である。さらに、ピリジンの高沸点および上記薬物物質への親和性は、SGLU−1を乾燥させるために必要とされる時間を増大させた。必要とされるのは、大スケール生成のための安全かつ効率的方法を提供する、SGLU−1の合成のための方法である。さらに、より高い純度を有するSGLU−1の合成のための方法が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
本発明の一局面は、式(I)の化合物:
【0004】
【化1】

の合成のための方法に関し、ここで
Xは、SもしくはSeであり、好ましくは、Sであり;
Wは、O、S、もしくは(R)(R)であり、ここでRの各存在は、独立して、HもしくはC1−2アルキルであり、好ましくは、Oもしくは(R)(R)であり;
nは、0もしくは1であり、好ましくは、1であり;
およびRは、独立して、C1−20アルキルであり、好ましくは、RおよびRは、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルから独立して選択され;
は、−HもしくはC0−6アルキル−COORであり;
3’は、H、アミノ、シアノ、ハロゲン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシル、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、もしくはC1−10アルキニルであり、好ましくは、Hであり;
は、−OH、−H、−CH、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、もしくはグルタミンであり;
は、−OH、シアノ、C1−10アルコキシ、アミノ、O−アラルキル、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、もしくはグリシン置換基であり;そして
は、HもしくはC1−10アルキルであり、好ましくは、Hであり、
ここで該方法は、
式(II)の構造:
【0005】
【化2】

を有する化合物と、式(III)の構造:
【0006】
【化3】

を有する化合物とを、水性溶媒もしくはアルコール性溶媒中で、かつピリジンの非存在下で反応させて、式(I)の化合物を提供する工程を包含する。
【0007】
本発明の別の局面は、例えば、上記の方法を行った後に、式(I)の化合物を精製するための方法に関する。上記精製方法は、
(a)上記式(I)の化合物の溶解度を低下させるエタノールおよび水の両方と混和性の、アルコール性溶媒および/もしくは極性非プロトン性溶媒(好ましくは、アセトンのようなジアルキルケトン)を、例えば、攪拌しながら、上記反応混合物に添加する工程;ならびに
(b)上記得られたスラリーを濾過する工程、
を包含する。
【0008】
特定の実施形態において、上記精製方法は、
(a)上記式(I)の化合物の溶液を水中に調製する工程;
(b)上記溶液を濾過する工程;
(c)水の量を(例えば、減圧下でおよび/もしくは共沸蒸留によって)減少させる工程;
(d)上記化合物の溶解度を低下させる水混和性の極性非プロトン性溶媒(例えば、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、もしくはテトラヒドロフラン)、好ましくは、ジアルキルケトン(例えば、アセトン)を添加して、スラリーを形成する工程;ならびに
(e)上記得られたスラリーを濾過する工程、
をさらに包含する。
【0009】
本発明の一局面は、SGLU−1の純度を決定もしくはモニターするための方法である。より具体的には、このようなアッセイは、SGLU−1の製造から得られた有機ヒ素剤純度の存在を決定もしくはモニターするためである。このような方法としては、質量分析法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、および核磁気共鳴法(NMR)、およびこのような技術の組み合わせ(例えば、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS))が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0010】
本発明の一局面は、SGLU−1のサンプル中の、式VIIIの化合物:
【0011】
【化4】

もしくはその塩の存在および/もしくは量を決定またはモニターするための方法に関する。
【0012】
本発明の一局面は、SGLU−1の薬学的処方物を製造するための方法に関し、上記方法は、SGLU−1のサンプル中に存在する式VIIIの化合物もしくはその塩の量を決定する工程、および式VIIIの化合物もしくはその塩が約5%(w/w)未満の量で存在すれば、薬学的に受容可能な希釈剤、キャリア、もしくは賦形剤を添加する工程、
を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明の一局面は、式(I)の化合物:
【0014】
【化5】

の合成のための方法に関し、ここで
Xは、SもしくはSeであり、好ましくは、Sであり;
Wは、O、S、もしくは(R)(R)であり、ここでRの各存在は、独立して、HもしくはC1−2アルキルであり、好ましくは、Oもしくは(R)(R)であり;
nは、0もしくは1であり、好ましくは、1であり;
およびRは、独立して、C1−20アルキルであり、好ましくは、RおよびRは、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルから独立して選択され;
は、−HもしくはC0−6アルキル−COORであり;
3’は、H、アミノ、シアノ、ハロゲン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシル、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、もしくはC1−10アルキニルであり、好ましくは、Hであり;
は、−OH、−H、−CH、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、もしくはグルタミンであり;
は、−OH、シアノ、C1−10アルコキシ、アミノ、O−アラルキル、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、もしくはグリシン置換基であり;そして
は、HもしくはC1−10アルキルであり、好ましくは、Hであり、
ここで上記方法は、式(II)の構造:
【0015】
【化6】

を有する化合物と、式(III)の構造:
【0016】
【化7】

を有する化合物とを、水性溶媒もしくはアルコール性溶媒中で、かつピリジンの非存在下で反応させて、式(I)の化合物を提供する工程、を包含する。
【0017】
特定の実施形態において、上記反応は、非芳香族アミン塩基の存在下で行われる。特定のこのような実施形態において、上記非芳香族アミン塩基は、トリエチルアミンおよびジイソピロピルエチレンアミン、好ましくは、トリエチルアミンから選択される。
【0018】
特定の実施形態において、上記式(II)の化合物 対 上記非芳香族アミン塩基のモル比は、約0.5:1〜約1.5:1の間である。特定のこのような実施形態において、上記モル比は、約0.7:1〜約1.3:1であるか、またはさらに約1:1〜約1.1:1である。特定のこのような実施形態において、上記モル比は、約1:1もしくはさらに約1.1:1である。
【0019】
特定の実施形態において、上記非芳香族アミン塩基 対 上記式(III)の化合物のモル比は、約1:1〜約2:1の間である。特定のこのような実施形態において、上記モル比は、約1.1:1〜約1.5:1、もしくはさらに約1:1〜約1.3:1の間である。特定のこのような実施形態において、上記モル比は、約1.1:1、1.2:1、もしくはさらに約1.3:1である。
【0020】
特定の好ましいこのような実施形態において、上記溶媒系は、水およびエタノールを含む。特定の実施形態において、上記水 対 エタノール(v/v)の比は、約4:1〜1:4の間、好ましくは、約2:1〜約1:2の間である。特定の好ましいこのような実施形態において、上記水 対 エタノール(v/v)の比は、約1:1である。
【0021】
特定の実施形態において、このような方法は、式(I)の化合物の収率が、少なくとも約50%、約60%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%もしくはさらなる量であるように行われる。
【0022】
特定の実施形態において、上記式(I)の化合物は、HPLCによって測定した場合に、少なくとも約97%純粋であり、ピリジンを含まない。特定の好ましい実施形態において、上記化合物は、少なくとも約99.5%純粋である。
【0023】
特定の実施形態において、上記方法は、
(a)上記式(I)の化合物の溶解度を低下させるエタノールおよび水の両方と混和性の、アルコール性溶媒および/もしくは極性非プロトン性溶媒(好ましくは、ジアルキルケトン(例えば、アセトン))を、攪拌しながら、上記反応系に添加する工程;ならびに
(b)上記得られたスラリーを濾過する工程、
をさらに包含する。
【0024】
特定の実施形態において、上記溶媒は、約30分間にわたって、約60分間にわたって、約90分間にわたって、もしくはさらに約120分間にわたって、好ましくは、約60分間にわたって、添加される。
【0025】
特定の実施形態において、上記溶媒は、上記反応系の温度が、約−10〜約10℃、約−5〜約5℃、もしくはさらに約0〜約5℃の範囲で維持される間に添加される。
【0026】
特定の実施形態において、上記スラリーは、約1〜約24時間にわたって攪拌される。特定の好ましい実施形態において、上記スラリーは、約2〜約10時間、より好ましくは、約3〜約5時間(例えば、約4時間)にわたって攪拌される。
【0027】
特定の実施形態において、上記反応を、ピリジンの非存在下で行う工程は、式(I)の化合物を乾燥させるために必要とされる時間を短縮し得る。
【0028】
特定の実施形態において、攪拌している間の上記反応系への溶媒の添加は、上記式(I)の化合物の沈澱を達成するために行われる。さらに、上記溶媒(例えば、アセトン)の使用は、最終的には、溶媒および液体不純物の除去を促進することによって、減圧下で式(I)の化合物を乾燥させるために必要とされる時間を短縮し得る。
【0029】
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、約24〜約48時間で乾燥され得る。特定の実施形態において、式(I)の化合物は、減圧下で乾燥され得る。
【0030】
本発明の別の局面は、例えば、上記方法の後に、式(I)の化合物を精製するための方法に関し、上記精製方法は、
(a)上記式(I)の化合物の溶解度を低下させるエタノールおよび水の両方と混和性の、アルコール性溶媒および/もしくは極性非プロトン性溶媒(好ましくは、ジアルキルケトン(例えば、アセトン)を、攪拌しながら、上記化合物の水性溶液もしくはアルコール溶液に添加する工程;ならびに
(b)上記得られたスラリーを濾過する工程、
を包含する。
【0031】
特定の実施形態において、上記溶媒は、約30分間にわたって、約60分間にわたって、約90分間にわたって、もしくはさらに約120分間にわたって、好ましくは、約60分間にわたって、添加される。
【0032】
特定の実施形態において、上記溶媒は、上記溶液の温度が、約−10〜約10℃、約−5〜約5℃、またはさらに約0〜約5℃の範囲で維持される間に添加される。
【0033】
特定の実施形態において、上記スラリーは、約1〜約24時間にわたって攪拌される。特定の好ましい実施形態において、上記スラリーは、約2〜約10時間、より好ましくは、約3〜約5時間(例えば、約4時間)にわたって攪拌される。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「攪拌する(agitate)」としては、攪拌(stirring)(磁性スターラーバー、機械式攪拌装置、もしくは任意の他の適切な攪拌手段で)および振盪が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
特定の実施形態において、上記精製方法は、
(a)上記式(I)の化合物の溶液を水中に調製する工程;
(b)上記溶液を濾過する工程;
(c)水の量を(例えば、減圧下でおよび/もしくは共沸蒸留によって)減少させる工程;
(d)上記化合物の溶解度を低下させる、水混和性の極性非プロトン性溶媒(例えば、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、もしくはテトラヒドロフラン(好ましくは、ジアルキルケトン(例えば、アセトン)))を添加して、スラリーを形成する工程;ならびに
(e)上記得られたスラリーを濾過する工程、
をさらに包含する。
【0036】
特定の実施形態において、上記式(I)の化合物は、以下に示されるように、SGLU−1:
【0037】
【化8】

である。
【0038】
本発明の別の局面は、式(IV)の化合物:
【0039】
【化9】

の合成のための方法に関し、上記方法は、式(V)の構造:
【0040】
【化10】

を有する化合物と、式(VI)の構造:
【0041】
【化11】

を有する化合物とを、水性溶媒もしくはアルコール性溶媒中で、かつピリジンの非存在下で反応させて、式(IV)の化合物を提供する工程、
を包含する。
【0042】
特定の実施形態において、上記方法は、
(a)上記式(I)の化合物の溶解度を低下させるエタノールおよび水の両方と混和性の、アルコール性溶媒および/もしくは極性非プロトン性溶媒(好ましくは、ジアルキルケトン(例えば、アセトン))を攪拌しながら、上記反応系に添加する工程;ならびに
(b)上記得られたスラリーを濾過する工程、
をさらに包含する。
【0043】
特定の実施形態において、上記溶媒は、約30分間にわたって、約60分間にわたって、約90分間にわたって、もしくはさらに約120分間にわたって、好ましくは、約60分間にわたって、添加される。
【0044】
特定の実施形態において、上記溶媒は、上記反応系の温度が、約−10〜約10℃、約−5〜約5℃、もしくはさらに約0〜約5℃の範囲で維持される間に添加される。
【0045】
特定の実施形態において、上記スラリーは、約1〜約24時間にわたって攪拌される。特定の好ましい実施形態において、上記スラリーは、約2〜約10時間、より好ましくは、約3〜約5時間(例えば、約4時間)にわたって攪拌される。
【0046】
本発明の別の局面は、例えば、上記方法の後に、式(IV)の化合物を精製するための方法に関し、上記精製方法は、
(a)式(I)の化合物の溶解度を低下させるエタノールおよび水の両方と混和性の、アルコール性溶媒および/もしくは極性非プロトン性溶媒(好ましくは、ジアルキルケトン(例えば、アセトン))を、攪拌しながら、上記化合物の水性溶液もしくはアルコール溶液に添加する工程;ならびに
(b)上記得られたスラリーを濾過する工程、
を包含する。
【0047】
特定の実施形態において、上記溶媒は、約30分間にわたって、約60分間にわたって、約90分間にわたって、もしくはさらに約120分間にわたって、好ましくは、約60分間にわたって、添加される。
【0048】
特定の実施形態において、上記溶媒は、上記溶液の温度が、約−10〜約10℃、約−5〜約5℃、もしくはさらに約0〜約5℃の範囲で維持される間に添加される。
【0049】
特定の実施形態において、上記スラリーは、約1〜約24時間にわたって攪拌される。特定の好ましい実施形態において、上記スラリーは、約2〜約10時間にわたって、より好ましくは、約3〜約5時間にわたって(例えば、約4時間にわたって)攪拌される。
【0050】
特定の実施形態において、上記精製方法は、
(a)上記式(IV)の化合物の溶液を水中で調製する工程;
(b)上記溶液を濾過する工程;
(c)水の量を(例えば、減圧下でおよび/もしくは共沸蒸留によって)減らす工程;
(d)上記化合物の溶解度を低下させる水混和性の極性非プロトン性溶媒(例えば、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、もしくはテトラヒドロフラン(好ましくは、ジアルキルケトン(例えば、アセトン)))を添加して、スラリーを形成する工程;
(e)上記得られたスラリーを濾過する工程、
をさらに包含する。
【0051】
本発明の別の局面は、式(I)の化合物もしくは式(IV)の化合物の結晶化のための方法に関し、上記方法は、
(a)上記化合物を、水性溶媒もしくはアルコール性溶媒中に溶解する工程;
(b)式(I)の化合物の溶解度を低下させるエタノールおよび水の両方と混和性の、アルコール性溶媒および/もしくは極性非プロトン性溶媒(好ましくは、ジアルキルケトン(例えば、アセトン))を、攪拌しながら、上記得られた溶液に添加する工程;ならびに
(b)上記得られたスラリーを濾過する工程、
を包含する。
【0052】
特定の実施形態において、上記溶媒は、約30分間にわたって、約60分間にわたって、約90分間にわたって、もしくはさらに約120分間にわたって、好ましくは、約60分間にわたって、添加される。
【0053】
特定の実施形態において、上記溶媒は、上記溶液の温度が約−10〜約10℃、約−5〜約5℃、もしくはさらに約0〜約5℃の範囲で維持される間に添加される。
【0054】
特定の実施形態において、上記スラリーは、約1〜約24時間にわたって攪拌される。特定の好ましい実施形態において、上記スラリーは、約2〜約10時間にわたって、より好ましくは、約3〜約5時間にわたって(例えば、約4時間にわたって)攪拌される。
【0055】
特定の実施形態において、このような方法は、式(IV)の化合物の収率が、少なくとも約50%、約60%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%もしくはさらにさらなる量であるように、行われる。
【0056】
特定の実施形態において、上記式(IV)の化合物は、HPLCによって測定される場合、少なくとも約97%純粋であり、ピリジンを含まない。特定の好ましい実施形態において、上記化合物は、少なくとも約99.5%純粋である。
【0057】
本発明の別の局面は、式(II)の化合物:
【0058】
【化12】

の合成のための方法に関し、ここで
およびRは、独立して、C1−20アルキルであり、好ましくは、RおよびRは、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルから独立して選択され;
ここで構造(VII):
【0059】
【化13】

を有する化合物は、塩化スズ(II)で還元される。
【0060】
特定の実施形態において、上記還元は、実施例1に記載されるように行われ、ここでRおよびRは、両方ともメチルである。
【0061】
以前は、この変換は、濃塩酸中でホスフィン酸を使用して達成され得る;しかし、このことは、ホスフィンガス(有害物質)の放出を生じた。本明細書で記載される、式(VII)の化合物の、塩化スズ(II)での還元は、ホスフィンガスの生成を回避する。
【0062】
本発明の一局面は、例えば、WO 2007/027344(この開示は、その全体が本明細書で参考として援用される)で開示されるように製造されたSGLU−1のバッチにおいて、式VIIIの化合物:
【0063】
【化14】

もしくはその塩の存在を検出するための方法に関する。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「バッチ」とは、生成されるSGLU−1の量が、少なくとも1kg、好ましくは、少なくとも10kgであるように、SGLU−1製造プロセスの製品を含むことを意味する。代表的には、バッチは、少なくとも90%純粋なSGLU−1であるが、上記SGLU−1が、試験する前に、他の化合物(例えば、賦形剤、溶媒など)と混合された場合、代表的には、上記サンプル中のヒ素含有物質のうちの少なくとも90%が、SGLU−1である。特定の実施形態において、このようなSGLU−1のバッチは、ヒ素トリグルタチオン(arsenic triglutathione)を実質的に含まない。その結果、上記SGLU−1のバッチにおいて、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、もしくはさらに約0.25%未満のトリグルタチオンが存在する。特定の実施形態において、SGLU−1のこのようなバッチは、生物学的夾雑物を実質的に含まず、これら夾雑物としては、細胞およびタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
特定の実施形態において、このような方法は、HPLCを使用した検出を包含し得る。特定の代替の実施形態において、上記方法は、質量分析法を使用した検出を包含し得る。特定の代替の実施形態において、上記方法は、NMRによる検出を包含し得る。
【0066】
特定の実施形態において、本発明は、有機ヒ素剤のサンプルの純度を評価するための方法に関し、上記方法において、上記サンプル中の上記有機ヒ素剤の少なくとも90%は、式(IV)の化合物:
【0067】
【化15】

もしくはその塩であり、上記方法は、上記サンプル中の式VIIIの化合物:
【0068】
【化16】

もしくはその塩の存在を検出する工程を包含する。特定のこのような実施形態において、検出する工程は、HPLCを使用して、上記サンプルを分析する工程を包含する。特定の代替の実施形態において、検出する工程は、質量分析法を使用して上記サンプルを分析する工程を包含する。特定の代替の実施形態において、検出する工程は、NMRを使用して上記サンプルを分析する工程を包含する。
【0069】
検出される上記式VIIIの化合物の量が、約5%(HPLCによって測定される場合の総面積)、約4%、約3%、2%、もしくはさらに約1%より高い特定の実施形態において、上記サンプルは、上記式VIIIの化合物のいくらかもしくは全てを除去するために精製され得、次いで、必要に応じて、再試験され得る。このような精製は、任意の適切な手段(例えば、再結晶もしくはHPLC精製)によってであり得る。精製が現実的ではない環境(例えば、上記サンプルが、上記式(IV)の化合物を含む多成分の薬学的組成物である場合)において、上記サンプルが採取された物質は、ヒトの消費に不適切として廃棄され得る。
【0070】
特定の実施形態において、本発明は、SGLU−1のバッチにおいて式VIIIの化合物の存在をモニターするための方法に関し、上記方法は、式VIIIの化合物の量を数分、数時間、数日、数週間、もしくはさらに数年の期間にわたって周期的に検出する工程を包含する。特定の実施形態において、上記方法は、式VIIIの化合物の量を、少なくとも1日に1回、1週間に1回、1ヶ月に1回、もしくはさらに1年に少なくとも1回を検出する工程を包含する。
【0071】
評価もしくはモニターするための方法が、式(II)の化合物のHPLC検出を包含する特定の実施形態において、上記HPLC分析は、約0〜約20℃、好ましくは、約4〜約10℃の範囲における温度で行われる。特定のこのような実施形態において、上記HPLCは、約4〜約6℃の温度において行われる。
【0072】
上記評価もしくはモニターするための方法が、式VIIIの化合物のHPLC検出を包含する特定の実施形態において、上記溶離剤は、少なくとも1種の有機溶媒を含む単一の均一溶液を含み得る。このような溶液は、必要に応じて、水をさらに含み得る。
【0073】
特定の実施形態において、上記溶離剤は、2種以上の溶液を含み得、これらの各々は、少なくとも1種の有機溶媒を含み得る。このような溶液は、必要に応じて、水をさらに含み得る。2種以上の溶液が、勾配とともに上記溶離剤を変化させるために変化した割合で使用される特定のこのような実施形態において、上記第1の溶液は、アミン塩基および有機酸を含み得る。特定のこのような実施形態において、上記溶液は、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミン、好ましくは、トリエチルアミンから選択されるアミン塩基を含み得る。特定のこのような実施形態において、上記溶液は、有機酸(例えば、ギ酸)を含み得る。特定のこのような実施形態において、上記溶液は、トリエチルアミン、ギ酸、および水を含み得る。
【0074】
上記第1の溶液が水、ギ酸およびトリエチルアミンを含む特定の実施形態において、上記溶液は、好ましくは、約95%より高い、約98%より高い、またはさらに約99%より高い水を含み得る。特定のこのような実施形態において、上記溶液は、99.85% 水、0.1% ギ酸、および0.05% トリエチルアミン(v:v:v)を含む。
【0075】
2種の溶液が存在する特定の実施形態において、上記第2の溶液は、アミン塩基および有機酸を含み得る。特定のこのような実施形態において、上記溶液は、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミン、好ましくは、トリエチルアミンから選択されるアミン塩基を含み得る。特定のこのような実施形態において、上記溶液は、有機酸(例えば、ギ酸)を含み得る。特定のこのような実施形態において、上記溶液は、水溶性有機溶媒をさらに含み得る。特定のこのような実施形態において、上記水溶液有機溶媒は、アセトニトリルである。特定のこのような実施形態において、上記溶液は、約98%より高い、もしくはさらに約99%より高いアセトニトリルを含む。特定の実施形態において、上記溶液は、99.85% アセトニトリル、0.1% ギ酸、および0.05% トリエチルアミン(v:v:v)を含む。
【0076】
本発明の一局面は、SGLU−1の薬学的処方物を製造するための方法に関し、上記方法は、存在する式VIIIの化合物の量を決定する工程、および上記SGLU−1が、約5%未満(HPLCによって測定される場合の総面積)の量で式VIIIの化合物を含む場合、薬学的に受容可能な希釈剤、キャリア、もしくは賦形剤を添加する工程を包含する。特定のこのような実施形態において、上記SGLU−1は、約4%未満、約3%未満、2%未満、もしくはさらに約1%未満の量で、式VIIIの化合物を含む。特定の実施形態において、上記薬学的処方物は、ヒ素トリグルタチオンを実質的に含まず、その結果、上記SGLU−1のバッチにおいて、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、もしくはさらに約0.25%未満のトリグルタチオンが存在する。特定の実施形態において、上記薬学的処方物は、生物学的夾雑物を実質的に含まず、上記夾雑物としては、細胞およびタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
特定のこのような実施形態において、このような薬学的処方物は、経口投与形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤などが挙げられるが、これらに限定されない)の製造において使用され得る。
【0078】
あるいは、このような薬学的処方物は、静脈内投与に適した溶液の製造において使用され得る。
【0079】
本発明の一局面は、本明細書に記載されるように、薬学的処方物、経口投与形態、もしくは静脈内投与に適した溶液において、式VIIIの化合物もしくはその塩の存在を検出もしくはモニターするための方法に関する。
【0080】
上記方法が、検出するための方法である特定の実施形態において、このような方法は、HPLCを使用する検出を包含し得る。特定の代替の実施形態において、上記方法は、質量分析法を使用する検出を包含し得る。特定の代替の実施形態において、上記方法は、NMRによる検出を包含し得る。
【0081】
上記方法が、薬学的処方物、経口投与形態、もしくは静脈内投与に適した溶液において、式VIIIの化合物の存在をモニターするための方法である特定の実施形態において、上記方法は、式VIIIの化合物の量を、数分、数時間、数日、数週間、もしくはさらに数年の期間にわたって周期的に検出する工程を包含する。特定の実施形態において、上記方法は、式VIIIの化合物の量を、少なくとも1日に1回、1週間に1回、1ヶ月に1回、もしくはさらに少なくとも1年に1回を検出する工程を包含する。
【0082】
語句「薬学的に受容可能な」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なくして、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適切な、妥当な利益/リスク比と釣り合っている、それらリガンド、物質、組成物および/もしくは投与形態に言及するために、本明細書で使用される。
【0083】
語句「薬学的に受容可能なキャリア」とは、本明細書で使用される場合、薬学的に受容可能な物質、組成物、もしくはビヒクル(例えば、液体もしくは個体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒もしくは被包剤(encapsulating material))を意味する。各キャリアは、上記処方物の他の成分と適合性でありかつ上記患者に有害でないという意味において「受容可能な」であるはずである。薬学的に受容可能なキャリアとして働き得る物質のいくつかの例としては、以下が挙げられる:(1)糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);(2)デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、および置換されたもしくは置換されていないβ−シクロデキストリン);(3)セルロース、およびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース);(4)粉末化トラガカントガム;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤(例えば、カカオ脂および坐剤用ワックス);(9)油(例えば、落花生油、綿実油、紅花油、ごま油、オリーブ油、コーン油、および大豆油);(10)グリコール(例えば、プロピレングリコール);(11)ポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール);(12)エステル(例えば、オレイン酸エチル、およびラウリン酸エチル);(13)寒天;(14)緩衝化剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);(15)アルギン酸;(16)発熱物質非含有水;(17)等張性生理食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;ならびに(21)薬学的処方物において使用される他の非毒性の適合性物質。特定の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、非発熱性である(すなわち、患者に投与された場合に、顕著な体温上昇を誘導しない)。
【0084】
湿潤剤(wetting agent)、乳化剤、および滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤、保存剤および抗酸化剤はまた、上記組成物中に存在し得る。
【0085】
薬学的に受容可能な抗酸化剤の例としては、以下が挙げられる:(1)水溶性抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、システインヒドロクロリド、重硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど);(2)油溶性抗酸化剤(例えば、アスコルビルパルミテート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど);および(3)金属キレート化剤(例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など)。
【0086】
経口投与に適切な処方物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(風味付けした基剤(flavored basis)、通常は、スクロースおよびアカシアガムもしくはトラガカントガムを使用する)、散剤、顆粒剤の形態において、または水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁物として、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、またはトローチ剤(pastille)(不活性マトリクス(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、もしくはスクロースおよびアカシアガムを使用する)ならびに/あるいはマウスウォッシュなどとして存在し得、各々は、活性成分として所定の量のインヒビターを含む。組成物はまた、ボーラス、舐剤、もしくはパスタ剤としても投与され得る。
【0087】
経口投与のための固体投与形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)において、上記活性成分は、1種以上の薬学的に受容可能なキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/もしくは以下のうちのいずれかと混合される:(1)充填剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、シクロデキストリン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/もしくはケイ酸);(2)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/もしくはアカシアガム);(3)保湿剤(humectant)(例えば、グリセロール);(4)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウム);(5)溶解遅延剤(solution retarding agent)(例えば、パラフィン);(6)吸収促進剤(例えば、4級アンモニウム化合物);(7)湿潤剤(例えば、アセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート);(8)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ);(9)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物);ならびに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、上記薬学的組成物はまた、緩衝化剤を含み得る。類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースもしくは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質充填ゼラチンカプセルおよび硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として使用され得る。
【0088】
錠剤は、必要に応じて、1種以上の補助成分と圧縮もしくは成形によって作製され得る。圧縮された錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、グリコール酸ナトリウムデンプンもしくは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤もしくは分散剤を使用して調製され得る。成形された錠剤は、適切な機械中で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化インヒビターの混合物を成形することによって作製され得る。
【0089】
錠剤、および他の固体投与形態(例えば、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤)は、必要に応じて刻み目が入れられていてもよいし(score)、コーティングおよび殻(例えば、腸溶性コーティングおよび医薬処方分野で周知の他のコーティング)とともに調製されてもよい。それらはまた、例えば、種々の割合においてヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、上記活性成分の遅延放出もしくは制御された放出を提供して、所望の放出プロフィール、他のポリマーマトリクス、リポソームおよび/もしくはミクロスフェアを提供するように、処方され得る。それらは、例えば、細菌保持フィルタを介する濾過によって、または使用直前に、滅菌水、もしくはいくつかの他の滅菌注射用媒体中に溶解され得る滅菌固体組成物の形態で、滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。これら組成物はまた、必要に応じて、不透明化剤(opacifying agent)を含み得、組成物の一部(of a composition)であり得、これらは、上記活性成分のみを、または優先的には、胃腸管の特定の部分において、必要に応じて、遅延した様式において放出する。使用され得る埋め込み組成物(embedding composition)の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。上記活性成分はまた、適切な場合、上記賦形剤のうちの1種以上とともに、微小被包形態(micro−encapsulated form)であり得る。
【0090】
経口投与用の液体投与形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁物、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。上記活性化合物に加えて、上記液体投与形態は、当該分野で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水もしくは他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール)、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、およびごま油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含み得る。
【0091】
不活性希釈剤の他に、上記経口用組成物は、補助剤(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、芳香剤および保存剤)を含み得る。
【0092】
懸濁物は、上記活性インヒビターに加えて、懸濁剤(例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカントガム、ならびにこれらの混合物を含み得る。
【0093】
非経口投与に適した本発明の薬学的組成物は、1種以上のインヒビターを、1種以上の薬学的に受容可能な滅菌水性もしくは非水性溶液、分散物、懸濁物もしくはエマルジョン(これらは、抗酸化剤、緩衝化剤、静菌剤、意図されたレシピエントの血液と等張である処方物にする溶質、または懸濁剤もしくは濃化剤を含み得る)、または使用直前に滅菌注射用溶液もしくは懸濁物に再構成され得る滅菌散剤と組み合わせて含み得る。
【0094】
本発明の薬学的組成物において使用され得る適切な水性および非水性キャリアの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびこれらの適切な混合物、植物性油(例えば、オリーブ油)、および注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられる。適切な流動性は、例えば、コーティング物質(例えば、レシチン)の使用によって、分散物の場合には必要とされる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。
【0095】
これら組成物はまた、補助物質(例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤)を含み得る。微生物活動の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)を含めることによって確実にされ得る。張度調節剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を上記組成物に含めることもまた、望ましいかもしれない。さらに、上記注射用薬学的形態の長期の吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含めることによってもたらされ得る。
【0096】
いくつかの場合では、薬物の効果を長期化するために、皮下注射もしくは筋肉内注射からの上記薬物の吸収を遅らせることは望ましい。例えば、非経口投与された薬物の遅延された吸収は、上記薬物を油性ビヒクルに溶解もしくは懸濁することによって達成される。
【0097】
注射用デポー形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中にインヒビターの微小被包マトリクスを形成することによって作製される。薬物 対 ポリマーの比および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出速度は、制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用処方物はまた、上記薬物を、身体組織と適合性であるリポソームもしくはマイクロエマルジョン中に捕捉することによって調製される。
【0098】
語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」とは、本明細書で使用される場合、腸管投与および局所投与以外の投与様式(通常、注射による)を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、包内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管(transtracheal)、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内の注射、および注入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
患者への本発明の治療用組成物の投与は、あるとすれば、毒性を考慮に入れて、化学療法剤の投与のための一般的プロトコルに従う。上記処置サイクルは、必要に応じて反復されることが予測される。種々の標準的治療もしくは補助的癌治療、ならびに外科手術的介入は、上記記載されるヒ素剤と組み合わせて適用され得ることもまた予期される。
【0100】
選択された投与経路に拘わらず、上記インヒビター(これは適切な水和形態において使用され得る)、および/もしくは本発明の薬学的組成物は、当業者に公知の従来の方法によって、薬学的に受容可能な投与形態へと処方される。
【0101】
本発明の薬学的組成物中の上記活性成分の実際の投与レベルは、上記患者に対して毒性でないように、特定の患者に対して所望の治療的応答、組成、および投与様式を達成するに有効な、上記活性成分の量を得るように変動し得る。
【0102】
本明細書で引用される全ての刊行物および特許は、それらの全体が本明細書に参考として援用される。
【0103】
当業者は、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または慣用的な実験のみを使用して、これらを確認し得る。このような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【実施例】
【0104】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含められる。以下の実施例において開示される技術が、本発明者によって本発明の実施において十分に機能することを発見した技術を実証し、従って、その実施のための好ましい態様を継続すると見なされ得ることは、当業者によって認識されるべきである。しかし、当業者は、本開示に鑑みて、多くの変化が、開示される特定の実施形態においてなされ得、そして本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく同様もしくは類似の結果をなお得られ得ることを認識する。
【0105】
(実施例1:ジメチルクロロアルシン(DMCA)の調製)
機械的攪拌装置、窒素入り口、温度計、およびアイスバスを装備した三口丸底フラスコ(500mL)に、カコジル酸(33g,0.23mol)および濃塩酸(67mL)を添加した。別個のフラスコにおいて、濃塩酸(10mL)中のSnCl・2HO(54g,0.239mol)の溶液を調製した。上記SnCl・2HO溶液を、窒素下で、5℃〜10℃の間の温度を維持しながら、HCl溶液中の上記カコジル酸に添加した。上記添加が完了した後、上記アイスバスを外し、上記反応混合物を、周囲温度で1時間にわたって攪拌した。上記反応混合物を分離漏斗に移し、その上の層(有機性)を集めた。その下の層を、ジクロロメタン(DCM)で抽出した(2×25mL)。その合わせた有機抽出物を、1N HCl(2×10mL)および水(2×20mL)で洗浄した。その有機抽出物を、MgSOで乾燥させ、DCMを回転蒸発(rotary evaporation)によって除去した(バス温度80℃、窒素下、大気圧)。その残渣を、窒素下でさらに蒸留した。DMCAの2つの画分を集めた。第1の画分は、いくらかのDCMを含み、第1の画分は、適切な質であった(8.5g,26%収率)。上記GC分析によって、生成物の正体および純度を確認した。
【0106】
(実施例2:S−ジメチルアルシノグルタチオン(SGLU−1)の調製)
水/エタノール 1:1 v/v(180mL)の混合物中のグルタチオンの懸濁物(18g,59mmol)を、5℃未満に冷却し、不活性雰囲気下で、一度にトリエチルアミン(10mL,74mmol)で処理した。上記混合物を0〜5℃へと冷却し、DMCA(11g,78.6mmol)を、その温度を5℃未満に維持しながら、10分間かけて滴下した。上記反応混合物を、0〜5℃で4時間にわたって攪拌し、その得られた固体を、濾過によって単離した。上記生成物を、エタノール(2×50mL)およびアセトン(2×50mL)で洗浄し、室温において一晩真空中で乾燥させて、11g(46%)のSGLU−1を得た。HPLC純度は、97.6面積%(3回の注入の平均)であった。C1222AsNSについての分析計算値:C,35.04;H,5.39;N,10.12, S,7.8。実測値:C,34.92;H,5.31;N,10.27, S,7.68。Hおよび13C−NMRは、上記構造と一致していた。その濾液を、アセトンで希釈し(150mL)、冷蔵庫中に2日間静置した。さらに5.1g(21%)のSGLU−1を、第2の収穫物として単離し、HPLC純度は、97.7面積%であった(3回の注入の平均)。
【0107】
(実施例3:S−ジメチルアルシノグルタチオン(SGLU−1)の調製)
不活性雰囲気下に機械式攪拌装置、滴下漏斗および温度計を装備した3Lの三つ口フラスコにおいて、水/エタノールの1:1(v/v)混合物(1140mL)中にグルタチオン(114.5g,0.37mol)の懸濁物を調製し、5℃未満に冷却した。上記混合物を、上記温度を20℃未満に維持しながら、トリエチルアミン(63.6mL,0.46mol)でゆっくりと(15分間にわたって)処理した。上記混合物を、4℃へと冷却し、15分間にわたって攪拌し、次いで、微量の溶解していない物質を、濾過によって除去した。その濾液を、機械式攪拌装置、滴下漏斗、窒素入り口、および温度計を装備したきれいな3Lの三つ口フラスコに移し、DMCA(70g,0.49mol)(ロット番号543−07−01−44)を、3〜4℃において温度を維持しながらゆっくりと添加した。上記反応混合物は、1〜4Cで4時間にわたって攪拌し、アセトン(1.2L)を、1時間にわたって添加した。上記混合物を、2〜3Cの間で90分間にわたって攪拌し、その得られた固体を、濾過によって単離した。上記生成物を、エタノール(2×250mL)およびアセトン(2×250mL)で洗浄し、その濡れた固体を、エタノール200プルーフ(2000mL)中に懸濁した。上記生成物を、濾過によって単離し、エタノール(2×250mL)およびアセトン(2×250mL)で洗浄し、室温において2日間にわたって真空中で乾燥させて、115g(75%)のSGLU−1を得た(HPLC純度>99.5%(プロセス試験において)。
【0108】
(実施例4:SGLU−1の精製)
適切な反応器に、SGLU−1(6.0kg)および水(72kg)を充填した。上記スラリーを、溶液を形成するまで、30〜40℃へと加熱し、上記得られた溶液を、1.2μmインライン(in line)フィルタを通じてポンプ輸送して、上記溶液中に存在する任意の粒子物質を除去した。次いで、その透明にした溶液を、減圧下でロータリーエバポレーターを使用して濃縮した。上記ウォーターバスを、40℃以下で維持した。合計の水溶液の体積の約85%が除去されたとき、エタノール(30L,200プルーフ,USP)を上記濃縮液に添加し、40℃において蒸留を継続して、スラリーが形成しはじめるまで、残りの水を共沸的に除去した。次いで、上記スラリーを、アセトン(24L)で希釈し、その時点で溶液を形成した。上記溶媒を、スラリーが形成されるまで、減圧下で除去した。上記得られたスラリーを適切な反応器に移し、アセトン(6L)で希釈した。上記混合物を、0〜5℃へと冷却し、1時間にわたって静置した。次いで、上記SGLU−1を濾過し、アセトン(3L)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、SGLU−1(5.1kg,85%収率)を得た。
【0109】
(実施例5:ZIO−101の純度のHPLC測定)
以下の条件を、サンプルの純度を決定するために、SGLU−1の面積%を決定するために使用し得る:
カラム:C8もしくはC18
移動相: A: pH2〜5;B: アセトニトリル
注入容積:1〜10μl
温度:0〜25℃
波長:210〜250nm
サンプル調製物:10〜30mg
特定の実施形態において、以下の条件を使用し得る:
【0110】
【表1】

(実施例6)
上記式VIIIの化合物を、以下のHPLC条件を使用して、SGLU−1から分離した:
【0111】
【表2】

勾配を、以下のパラメーターに従って実施した:
【0112】
【表3】

クロマトグラフィー分離を、上記式VIIIの化合物は、総ピーク面積の1.5〜2.0%の量で存在することを示した。
【0113】
上記式VIIIの化合物についての単離されたピークの質量分析法を、予測された質量を確認するために行った。上記式VIIIの化合物の合成は、文献中に報告されてきており、入手可能なMSデータ(JAAS 2004;19:183;J.Biol.Chem.275(43):33404)を、本明細書で観察されたデータと一致した。
【0114】
(等価物)
当業者は、本明細書に記載される化合物およびその使用方法に対する多くの等価物を認識するか、または慣用的な実験のみを使用して、これらを確認し得る。このような等価物は、本発明の範囲内にあるとみなされ、以下の特許請求の範囲によって網羅される。当業者は、本明細書に記載される実施形態の全ての組み合わせが、本発明の範囲内にあることもまた認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化17】

の合成のための方法であって、ここで
Xは、SもしくはSeであり;
Wは、O、S、もしくは(R)(R)であり、ここでRの各存在は、独立して、HもしくはC1−2アルキルであり;
nは、0もしくは1であり;
およびRは、独立して、C1−20アルキルであり;
は、−HもしくはC0−6アルキル−COORであり;
3’は、H、アミノ、シアノ、ハロゲン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシル、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、もしくはC1−10アルキニルであり;
は、−OH、−H、−CH、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、もしくはグルタミンであり;
は、−OH、シアノ、C1−10アルコキシ、アミノ、O−アラルキル、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、もしくはグリシン置換基であり;そして
は、HもしくはC1−10アルキルであり、
該方法は、式(II)の構造:
【化18】

を有する化合物と、式(III)の構造
【化19】

を有する化合物とを、水性溶媒もしくはアルコール性溶媒中で、かつピリジンの非存在下で反応させて、式(I)の化合物を提供する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記式(III)の化合物は、以下の構造:
【化20】

を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応は、非芳香族アミン塩基の存在下で行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記非芳香族アミン塩基は、トリエチルアミンである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒系は、エタノールおよび水を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記水 対 エタノール(v/v)の比は、約2:1〜約1:2の間である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記水 対 エタノール(v/v)の比は、約1:1である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(I)の化合物:
【化21】

を精製するための方法であって、ここで
Xは、SもしくはSeであり;
Wは、O、S、もしくは(R)(R)であり、ここでRの各存在は、独立して、HもしくはC1−2アルキルであり;
nは、0もしくは1であり;
およびRは、独立して、C1−20アルキルであり;
は、−HもしくはC0−6アルキル−COORであり;
3’は、H、アミノ、シアノ、ハロゲン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシル、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、もしくはC1−10アルキニルであり;
は、−OH、−H、−CH、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、もしくはグルタミンであり;
は、−OH、シアノ、C1−10アルコキシ、アミノ、O−アラルキル、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、もしくはグリシン置換基であり;そして
は、HもしくはC1−10アルキルであり、
該方法は、
(a)該式(I)の化合物の溶解度を低下させるエタノールおよび水の両方と混和性の、アルコール性溶媒もしくは極性非プロトン性溶媒を、攪拌しながら、該化合物の水性溶液もしくはアルコール溶液に添加する工程;ならびに
(b)得られたスラリーを濾過する工程、
を包含する、方法。
【請求項9】
前記式(I)の化合物が、
【化22】

またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アルコール性溶媒もしくは非プロトン性溶媒は、アセトンである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(a)前記式(I)の化合物の溶液を水中に調製する工程;
(b)該溶液を濾過する工程;
(c)水の量を減少させる工程;
(d)該化合物の溶解度を低下させる水混和性の極性非プロトン性溶媒を添加して、スラリーを形成する工程;ならびに
(e)得られたスラリーを濾過する工程、
をさらに包含する、請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
式(II)の構造:
【化23】

を有する化合物の合成のための方法であって、ここで
およびRは、独立して、C1−20アルキルであり、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルから独立して選択され;
該方法は、構造(VII):
【化24】

を有する化合物を、塩化スズ(II)で還元する工程、
を包含する、方法。
【請求項13】
およびRは、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルから独立して選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
およびRはともにメチルである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
式(IV)の化合物:
【化25】

であって、ここで該化合物は、HPLCによって測定される場合に少なくとも97%純粋であり;そして
該化合物は、ピリジンを含まない、化合物。
【請求項16】
有機ヒ素剤のサンプルの純度を評価するための方法であって、ここで該サンプル中の該有機ヒ素剤の少なくとも90%は、式IVの化合物:
【化26】

もしくはその塩であり、ここで該方法は、該サンプル中において、式VIIIの化合物:
【化27】

もしくはその塩の存在を検出する工程、
を包含する、方法。
【請求項17】
検出する工程は、前記サンプルを、HPLCを使用して分析する工程を包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
検出する工程は、前記サンプルを、質量分析法を使用して分析する工程を包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
検出する工程は、前記サンプルを、NMRを使用して分析する工程を包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
式VIIIの化合物:
【化28】

もしくはその塩の存在についてサンプルをモニターするための方法であって、該方法は、請求項1〜4のいずれか1項に従って、1ヶ月にわたって、1週間に1回、式VIIIの化合物もしくはその塩の量を、該サンプルにおいて検出する工程、
を包含する、方法。
【請求項21】
式IVの化合物:
【化29】

もしくはその塩の薬学的処方物を製造するための方法であって、該方法は、該式IVの化合物のサンプル中に存在する式VIIIの化合物:
【化30】

もしくはその塩の量を検出する工程、ならびに該式VIIIの化合物の量が式IVの化合物に対して約5%(w/w)未満であれば、薬学的に受容可能な希釈剤、キャリアもしくは賦形剤を添加する工程を包含する、方法。
【請求項22】
前記式VIIIの化合物は、前記式IVの化合物に対して約2%未満の量で存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記式VIIIの化合物は、前記式IVの化合物に対して約1%未満の量で存在する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法に従って製造された、薬学的処方物。
【請求項25】
請求項24に記載の薬学的組成物を含む経口投与形態。

【公表番号】特表2011−506443(P2011−506443A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537963(P2010−537963)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/013620
【国際公開番号】WO2009/075870
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(507348805)ジオファーム オンコロジー, インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】ZIOPHARM ONCOLOGY,INC.
【住所又は居所原語表記】One First Avenue,Paris Building #34,Navy Yard Plaza,Boston,MA 02129,United States of America
【Fターム(参考)】