説明

発光ダイオード光源

【課題】 R、G、Bの3原色の発光ダイオードチップを含んで構成される発光ドットを用いた、色再現性に優れ、色ムラが少なく、しかも液晶パネルとの間の間隔を狭くできる液晶ディスプレイ用バックライト光源として最適な発光ダイオード光源を提供すること。
【解決手段】 本発明の発光ダイオード光源10は、配線基板上13に少なくとも赤色R、緑色G、青色Bの各発光ダイオードチップを1素子以上含んで構成される発光ドット12が複数配置されており、前記発光ドット12は透明樹脂、又は拡散材を含む透明樹脂11によって実質的に半球状に形成されると共に、前記複数の発光ドット12の発光色はそれぞれ実質的に白色になるように調整されている。
この配線基板13上に駆動用IC14も一体化することができ、また、前記駆動用IC14に温度補償回路を設け、温度変化に対する発光光度及び色度の変化を少なくするようにすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色の発光ダイオード(LED)チップを使用した光源に関し、特にR、G、Bの3原色の発光ダイオードチップを含んで構成される発光ドットを用いた、色再現性に優れ、色ムラが少なく、しかも液晶パネルとの間の間隔を小さくできる液晶ディスプレイ用バックライト光源として最適な発光ダイオード光源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光ダイオードとその発光色の補色の光を発する蛍光体との組み合わせによって、疑似的に白色光を発光可能な発光素子が特許文献1に開示されている。この場合、一般的に、発光ダイオードとして青色発光するものを使用し、蛍光体として青色光を吸収して黄色発光するものを組み合わせ、擬似的に人間の目に白色光と感じられるようにするものが多用されている。しかしながら、このような組合せでは特定の色成分が少ないため、すなわち前述のような青色と黄色の混色による場合には赤色成分が少ないことにより、LCD用バックライトとして使用する場合には色再現範囲が狭いという問題があり、さらには、演色性に欠けるという問題もある。
【0003】
また、白色光を発光させる別の方式として、R、G、Bの各光を発光する発光ダイオードを用いた3原色の混色を用いる例も知られており、近年、液晶カラーTV(又はモニター)の色再現性(NTSC比)改善のため、R、G、Bの発光ダイオードをバックライト光源に使用するものが開発、生産されている(下記非特許文献1参照)。
【0004】
このようなバックライト光源としては、R、G、Bの個別発光ダイオード素子を配線基板上に複数個配置して発光ダイオード光源モジュールを形成し、この発光ダイオード光源モジュールをさらに別の配線基板上に複数配置することにより面状の光源を構成している。すなわち、面状の光源100は、図16(a)及び図16(b)に示すように、パッケージ、発光ダイオードチップ、樹脂、透明レンズなどにより構成されているR、G、Bの各発光ダイオード素子を用い、このR、G、Bの各発光ダイオード素子のそれぞれ複数個を配線基板101上に配置して互いに半田接続したLED光源モジュール102を構成し、このLED光源モジュール102を複数個組み合わせて別の配線基板103上に配置することにより構成されている。
【0005】
また、このようなLED光源モジュールを組み込んだ液晶表示装置110の断面図の一例を図17に示す。この液晶表示装置110は、液晶パネル111、各種光学シート112、拡散板113、透明樹脂基板114、LED光源モジュール115、反射シート116、冷却手段117、ピン118を備えている。このうち、透明樹脂基板114は、発光ダイオードが配置されている室内に洩れてくる不要な光を吸収あるいは反射させるためのパターンを作り込んだものであり、拡散板113と透明樹脂基板114の距離は、ピン118を嵌め込むことにより維持されている。また、冷却手段117は、各発光ダイオード自体の発熱による輝度や色度の変化を抑えるために設けられているものであり、ヒートパイプとヒートシンクとからなり、LED光源モジュール115の裏側に設けられている。
【0006】
また、この液晶表示装置110の駆動回路120としては、図18に示したように、LED光源モジュール121、ドライバ回路122、マイクロコントローラ部123、温度センサ部124、カラーセンサ部125、TV用マイコン126とを備えている。この駆動回路120は、LED光源モジュール121からなるバックライトシステムが発する白色の色温度を一定に保つため、温度センサ部124やカラーセンサ部125を組み合わせて使用しており、R、G、Bの3種類の発光ダイオードの特徴に合わせながら、各色別々に駆動制御するようになっている。各発光ダイオードの制御にはパルス幅変調(PWM)制御が使用されている。なお、図18においては緑Gの駆動回路の制御回路が示されているが、青B及び赤Rについても同様の構成を備えている。
【0007】
なお、ここで、R、G、Bの各発光ダイオードの温度変化に関連した特性及び指向特性について図19〜図21を用いて説明する。なお、図19はR、G、Bそれぞれの発光ダイオードの分光分布を示す図であり、図20はR、G、Bそれぞれの発光ダイオードの相対光強度と順電流の例を示す図であり、図21は周囲温度変化に伴う発光光度(発光強度)の変化と色度の変化を示す図であり、また、図22は一般的なランプタイプの発光ダイオード素子の指向特性を示す図である。
【0008】
図21の発光強度−周囲温度特性を見ると明らかなとおり、R、G、Bの各発光ダイオードは周囲温度の上昇に伴って発光光度(発光強度)が低下する特性を持っており、この特性は発光色毎に異なり、GとBは、ほぼ同等であるものの、Rの変化が大きく、従って、混合光は、温度上昇に伴って赤色が減少したものになってしまう。温度上昇の発生原因としては、周囲の環境温度が変化する場合もあるが、発光ダイオードからの発熱による変化が非常に大きい。
【0009】
また、一般的なランプタイプの発光ダイオード素子の指向特性は、図22に示すとおり、約80°程度と狭いため、ランプタイプのR、G、Bの3原色の発光ダイオード素子を用いて面状光源を形成する場合には、各発光ダイオード素子からの発光を十分に混合させて色ムラを少なくするためにはある程度の長さの光路が必要とされる。
【特許文献1】特開2001−217463号公報
【特許文献2】特開2002−369506号公報
【特許文献3】特表平10−508984号公報
【非特許文献1】「日経エレクトロニクス」2004年12月20日号、第61頁、第128〜129頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、上述のような従来例のLED光源モジュールを使用したバックライト光源は、以下の(1)〜(6)に示したような課題が存在している。
(1)LED光源モジュールの構成が複雑であり、高価になりやすい。
(2)R、G、Bの各単色発光ダイオード素子を配置しているため、液晶パネルまでの光路を長くする必要が有り、得られる液晶表示装置の厚さが約50mm以上と厚くなってしまう。
(3)(1)及び(2)の理由などから、得られる液晶表示装置が大きく、重くなる。
(4)マイコン経由で温度センサ、カラーセンサの情報をフィードバックするため、色度、輝度の制御が極めて複雑になる。
(5)同様に、温度変化に対する補償制御が複雑になる。
(6)大型TVなどではよいが、パソコン用、カーナビ用などの中型又は小型の液晶表示装置への適用を考えると最適な構成とは言えない。
【0011】
本願の発明者は、従来のLED光源モジュールを使用したバックライト光源に係る上記(1)〜(6)に示した課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、R、G、Bの3原色の発光ダイオードチップを含んで構成される発光ドットを使用すること及びR、G、Bの各発光ダイオードの温度特性の差異を考慮した温度補償を行うことにより上述の問題点を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0012】
すなわち、本発明は、R、G、Bの3原色の発光ダイオードチップを含んで構成される発光ドットを用いた、色再現性に優れ、色ムラが少なく、しかも液晶パネルとの間の間隔を狭くできる液晶ディスプレイ用バックライト光源として最適な発光ダイオード光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の上記目的は以下の構成により達成し得る。すなわち、請求項1に記載の発光ダイオード光源の発明は、配線基板上に少なくとも赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各発光ダイオードチップを1素子以上含んで構成される発光ドットが複数配置されており、前記発光ドットは透明樹脂、又は拡散材を含む透明樹脂によって実質的に半球状に形成されると共に、前記複数の発光ドットの発光色はそれぞれ実質的に白色になるように調整されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発光ダイオード光源において、前記配線基板は、前記複数の発光ダイオードチップ及びこれらの発光ダイオードチップを駆動する駆動用ICが一体化されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発光ダイオード光源において、前記駆動用ICは、前記複数の発光ダイオードチップ毎の電流値もしくは前記複数の発光ダイオーチップ毎の電流比率を一定に制御することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発光ダイオード光源において、前記駆動用ICは、温度補償回路を有し、温度変化に対する発光光度及び色度の変化を少なくするようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発光ダイオード光源において、前記温度補償回路は、R用と、G及びB用の2種類の温度補償回路からなることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発光ダイオード光源において、前記温度補償回路は、R用、G用、B用の3種類の温度補償回路からなることを特徴とする。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の発光ダイオード光源において、前記駆動用ICは、前記配線基板上の前記複数の発光ダイオードチップによる複数の発光ドット形成面とは反対の面に配置されていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の発光ダイオード光源において、前記駆動用ICは、前記配線基板上の前記複数の発光ダイオードチップによる複数の発光ドット形成面と同一面に配置され、かつ、白色系樹脂にて封止されていることを特徴とする。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項2に記載の発光ダイオード光源において、前記駆動用ICは、温度補償回路、電流供給回路、複数ビットドライバ回路、補正制御回路、補正用メモリを含むことを特徴とする。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発光ダイオード光源において、前記補正用メモリは、不揮発性メモリよりなることを特徴とする。
【0023】
また、請求項11に記載の発明は、請求項2に記載の発光ダイオード光源において、前記駆動用ICは、温度補償回路、電流供給回路、複数ビットドライバ回路、補正制御回路、データラッチ、シフトレジスタ、補正用メモリ、バスデコーダ、バスエンコーダを含むことを特徴とする。
【0024】
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発光ダイオード光源前記補正用メモリは、不揮発性メモリよりなることを特徴とする。
【0025】
さらに、請求項13に記載の発光ダイオード光源の発明は、少なくとも赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各発光ダイオードチップが1個以上により構成される複数の発光ドットと駆動用ICとを同一の配線基板上に有する光源であり、前記の発光ドットは、透明樹脂、又は拡散材を含む透明樹脂によって、実質的に半球状に形成されると共に、前記複数の発光ドットは、それぞれ実質的に白色になるように前記駆動用ICにより各発光ドット毎に調整されていることを特徴とする。
【0026】
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発光ダイオード光源の発明において、前記駆動用ICは、温度補償回路、電流供給回路、複数ビットドライバ回路、補正制御回路、補正用メモリを含むことを特徴とする。
【0027】
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発光ダイオード光源において、前記補正用メモリは、不揮発性メモリよりなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、上記構成を備えることにより、以下に述べるとおりの優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、配線基板上にR、G、Bの各発光ダイオードチップを少なくとも各1個以上実装したものを、透明樹脂、又は、拡散材を含む透明樹脂により、実質的に半球状に封止し、これを1ドット単位として、配線基板上に複数の発光ドットを配置したので、極めて簡単な構成の光源が得られる。また、各発光ドット単位で、R、G、Bの発光を含んでいるから、混合光として白色を得ることが可能であり、しかも、液晶パネルまでの光路長を短くすることができる。また、半球形状の樹脂封止とすることにより、従来のランプタイプの発光ダイオードの指向性は約80°であるのに対し、約160°もの広い指向性を得ることが可能となるため、前記光路長をさらに短くできる。さらに、光源の薄型化、軽量化、低価格化が可能となり、大型のみならず、中型、小型の液晶ディスプレイへの適用が可能となる。
【0029】
また、請求項2の発明によれば、複数の発光ダイオードチップだけでなくこれらの発光ダイオードチップを駆動する駆動用ICも一体化されているため、配線が極めて短く簡単な構成の光源とすることができる。
【0030】
また、請求項3の発明によれば、所定の合成された色の光を得るための各発光ダイオードに流れる電流値を制御できるため、各発光ドット毎の発光強度や発光色のバラツキを簡便に精度良く制御できる均一な品質の光源を得ることができるようになり、しかも、カラーセンサ、マイコンによる複雑な制御などを使用しなくても実使用可能な精度のバックライト光源として最適な光源が得られる。
【0031】
また、請求項4の発明によれば、各発光ダイオードチップは、周囲温度、発光色や駆動信号の性質等によって各発光ダイオードチップの温度が変化するが、駆動用ICが温度補償のための構成を備えているので、外部の温度センサやマイコン等の複雑な制御を使用しなくても、発光ダイオードチップの発光強度及び色度特性が安定化された光源を得ることができる。さらに、同一配線基板上に駆動用ICと各発光ダイオードチップが配置され、しかも駆動用ICには温度補償回路が含まれているため、各発光ダイオードチップと駆動用ICの温度が均一になりやすいので、比較的簡便に温度補償を精度良く行うことができる。
【0032】
また、請求項5の発明によれば、赤の発光ダイオードチップは温度変化による発光強度の変化が最も大きいので、この赤の発光ダイオードチップに対して温度補償を行うのみで温度変化による各発光ドット毎の発光強度及び色度特性を安定化させることができるようになる。
【0033】
また、請求項6の発明よれば、複数の発光ダイオードチップ間には温度変化による発光強度の変化特性が類似するものが存在するにしても、温度変化による発光強度の変化は、必ずしも直線的ではなく、しかもそれぞれの発光ダイオードの発光波長(発光色)毎に異なっているが、このような場合についても各発光ダイオードチップの発光波長(発光色)毎に温度変化による発光強度の変化特性を考慮して正確に温度補償を行うことができるようになる。
【0034】
また、請求項7の発明によれば、各駆動用ICが複数の発光ダイオードチップによる複数の発光ドット形成面とは反対の面に配置されているため、各駆動用ICに発光が吸収されることがないため、均一な品質の光源を得ることができるようになる。
【0035】
また、請求項8の発明によれば、各駆動用ICが複数の発光ダイオードチップによる複数の発光ドット形成面と同じ面に配置されているが、白色系樹脂にて封止されているため、各駆動用ICに発光が吸収されることがないので、均一な品質の光源を得ることができるようになるとともに、光源の厚さを駆動用ICの厚さ分だけ薄くすることができるようになる。
【0036】
また、請求項9の発明によれば、簡単な構成の駆動用ICでそれぞれの発光ダイオードチップへ供給される電流値を制御できるため、簡便に色度精度が良く、均一な品質の光源を得ることができるようになる。
【0037】
また、請求項10の発明によれば、特に補正用メモリとして不揮発性メモリを使用しているので、請求項9の発明の効果に加えて、不揮発性メモリは電源を切断しても記憶したデータが消失しないため、一度補正データを不揮発性メモリに記憶させた後は電源切断後に再度電源を投入した場合でも改めて補正データを記憶させることが不要となる。
【0038】
また、請求項11の発明によれば、駆動用ICがバスデコーダ及びバスエンコーダを含んでいるので、外部回路との接続性が改善され、しかも簡単な構成の駆動用ICでありながらそれぞれの発光ダイオードチップへ供給される電流値を制御できるため、簡便に色度精度が良く、均一な品質の光源を得ることができるようになる。
【0039】
また、請求項12の発明によれば、特に補正用メモリとして不揮発性メモリを使用しているので、請求項11の発明の効果に加えて、不揮発性メモリは電源を切断しても記憶したデータが消失しないため、一度補正データを不揮発性メモリに記憶させた後は電源切断後に再度電源を投入した場合でも改めて補正データを記憶させることが不要となる。
【0040】
さらにまた、請求項13の発明によれば、配線基板上にR、G、Bの各発光ダイオードチップを少なくとも各1個以上実装したものを、透明樹脂、又は、拡散材を含む透明樹脂により、実質的に半球状に封止し、これを1ドット単位として、配線基板上に複数の発光ドットを配置したので、極めて簡単な構成の光源が得られる。また、各発光ドット単位で、R、G、Bの発光を含んでいるから、混合光として白色を得ることが可能であり、しかも、液晶パネルまでの光路長を短くすることができるので、厚さの薄い液晶表示装置用の光源として最適となる。さらに、半球形状の樹脂封止とすることにより、従来のランプタイプの発光ダイオードの指向性は約80°であるのに対し、約160°もの広い指向性を得ることが可能となるため、前記光路長をさらに短くできる。加えて、配線基板上に、複数の発光ダイオードチップだけでなくこれらの発光ダイオードチップを駆動する駆動用ICも設けられているため、配線が極めて短く簡単な構成の光源とすることができる。
【0041】
また、請求項14の発明によれば、簡単な構成の駆動用ICでそれぞれの発光ダイオードチップへ供給される電流値を制御できるため、簡便に色度精度が良く、均一な品質の光源を得ることができるようになる。
【0042】
また、請求項15の発明によれば、特に補正用メモリとして不揮発性メモリを使用しているので、請求項14の発明の効果に加えて、不揮発性メモリは電源を切断しても記憶したデータが消失しないため、一度補正データを不揮発性メモリに記憶させた後は電源切断後に再度電源を投入した場合でも改めて補正データを記憶させることが不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのR、G、Bの3原色の発光ダイオードチップを備える発光ダイオード光源の例を説明するものである。しかしながら、本発明は、R、G、Bの3原色以外に例えば橙色(O)及び黄色(Y)の少なくとも一方を発光し得る発光ダイオードチップと組み合わせた発光ダイオード光源の場合にも、あるいはその他の色を発光し得る複数個の発光ダイオードチップを備える発光ダイオード光源の場合にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0044】
実施例1の発光ダイオード光源について、図1〜図6を使用して説明する。なお、図1は3×5ドットの直下型LEDバックライト光源を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は右側面図、図1(c)は図1(a)のA部分の拡大図、図1(d)は図1(b)のB部分の拡大図である。また、図2は実施例1の直下型LEDバックライト光源の指向特性を示す図であり、図3は実施例1の直下型LEDバックライト光源の回路ブロック図であり、図4は実施例1の直下型LEDバックライト光源で使用されている駆動用ICの具体的回路構成を示す図であり、図5は実施例1の直下型LEDバックライト光源の点灯動作を説明するための点灯タイミングチャートであり、さらに図6は実施例1の直下型LEDバックライト光源の点灯動作を説明するための別の点灯タイミングチャートである。
【0045】
実施例1の直下型LEDバックライト光源10は、図1に示すように、R、G、Bの各発光ダイオードチップをそれぞれ1個ずつ組み合わせて1ドットとし、封止用樹脂11により封止した発光ドット12を複数個(図1では3×5=15個)配線基板13上に形成し、駆動用IC14をR、G、Bの各発光ダイオードチップと同一面に配置している。R、G、Bの各発光ダイオードチップは、配線基板13上の配線に合わせて配置され、ダイボンド、ワイヤボンドを行なった後、透明樹脂ないしは多少の拡散材を含有させた透明な封止用樹脂11によって半球状に封止されている。ここで、透明な封止用樹脂内に拡散材を含有させると、R、G、Bの発光が混ざり易くなり、図2に示したように、約160°もの広い指向性を得ることが可能となるため、光路長をさらに短くでき、しかもより良く混合した白色光を得ることができるようになる。なお、本願明細書及び図面においては、全てのダイオードチップを個別に区別する必要がある場合は、例えば、1−R、1−G、1−B、2−R、・・・N−Bのように、属するドット番号とR、G、Bを組み合わせた参照符号を付与することとし、単にR、G、Bの何れかの1個のチップを示す場合は、R、G又はBの参照符号で示すこととする。
【0046】
また、駆動用IC14は、同様にダイボンド、ワイヤボンドの後、白色の封止用樹脂15などの光を反射しやすい樹脂にて封止されている。このような構成を採用すると、各発光ドット12からの光は、駆動用IC14に吸収されることが少なくなるため、効率良くまた均一に液晶パネルに導くことが可能となる。
【0047】
この駆動用IC14は、図3の回路ブロック図に示したとおり、R、G、Bの各発光ダイオードチップの発光制御のために、電流供給回路21、温度補償回路22、ドライバ回路23、(補正)制御回路24及び補正用メモリ25を備えている。
【0048】
この温度補償回路22は、駆動用IC14の温度変化に伴い発生する基準電圧の値をある一定の比率で変化させて各発光ダイオードチップR、G、Bの作動温度に対応した補償電流を供給するように電流供給回路21を制御する回路であり、温度補償用基準電圧発生回路と言い換えてもよく、例えば上記特許文献2ないし3に例示されているように、周知のものである。また、電流供給回路21は、温度補償回路22から供給される基準電圧に従って基準となる電流をドライバ回路側に供給する回路であり、この電流値は温度変化に伴って変化することになる。このような構成とすることによって、温度が変化(上昇)した結果、発光ダイオードの発光効率が変化(低下)することを補償する。温度が上昇して、発光ダイオードの発光効率が低下した状態では、発光ダイオードに供給される電流が増加するため、結果的に発光光度の変化を抑制することができる。
【0049】
R、G、Bの各発光ダイオードの相対光強度−順電流曲線は、図20に示した相対光強度−順電流曲線から明らかなように、明確に異なっている。したがって、R、G、Bの各発光ダイオードに対して正確な温度補償を行うためには、全て別々に温度補償を行うことが好ましい。
【0050】
この場合、Rの発光ダイオードに対して約2.4%/℃の割合で温度補償を行い、Gの発光ダイオードに対して、順電流10mA程度で使用する場合は約0.4%/℃よりも強めの約0.5%/℃の温度補償を行い、また、順電流40mA程度で使用する場合はさらに強い温度補償、例えば約1%/℃の温度補償を行い、さらに、Bの発光ダイオードに対しては約0.5%の強めの温度補償を行う構成となせばよい。
【0051】
しかしながら、発光ダイオードの温度変化による発光強度の変化は、図20の記載から明らかなようにRの発光ダイオードが最も大きく、約2.4%/℃の変化率で変化しているから、少なくともRの発光ダイオードに対してのみ約2.4%/℃の変化率で供給する電流値を変化させれば、各発光ダイオードチップの発光強度変化は少なくなる。この場合、電流供給回路21及び温度補償回路22は一つずつ1組用いればよい。
【0052】
また、G、Bの発光ダイオードの温度変化による発光強度の変化は、図21に示したとおり、Rの発光ダイオードのものよりも小さく、約0.4%/℃であり、しかも、互いに類似した特性を有しているから、Gの発光ダイオード及びBの発光ダイオードの両者には同じ温度補償を行うことができる。この場合、電流供給回路21及び温度補償回路22は一つずつ2組用いて、一方の電流供給回路と温度補償回路とによりRの発光ダイオードに対して温度補償を行うようになすとともに、他方の電流供給回路と温度補償回路とによりG、Bの発光ダイオードに対して同時に温度補償を行う構成となせばよい。
【0053】
この実施例1で使用した駆動用IC14の具体的回路構成は図4に示したとおりになる。すなわち、この駆動用IC14は、各発光ダイオードチップに対応して電流供給回路21及び温度補償回路22をそれぞれ一つずつ3組備えており、R用の電流供給回路の出力が赤の発光ダイオードチップ1−R〜N−R用のドライバ回路に接続され、G用の電流供給回路の出力が緑の発光ダイオードチップ1−G〜N−G用のドライバ回路に接続され、B用の電流供給回路の出力が青の発光ダイオードチップ1−B〜N−B用のドライバ回路に接続されて、全ての発光ダイオードチップ1−R、1−G、1−B、2−G・・・N−Bに対してそれぞれ温度補償された電流が供給されるようになっている。
【0054】
また、補正用メモリ25は、例えば不揮発性メモリによって、全ての発光ダイオードチップ毎に3ビット分、すなわち8段階の補正レベルを記憶するようになっており、選択された補正レベルに対応する出力を制御回路24を経てドライバ回路23に送出し、全ての発光ダイオードチップに対して所定の補正された電流を供給するようになっている。なお、ここでは3ビット分の補正レベルを記憶するようにしたが、発光ダイオードチップの特性により2ビット分ないしは4ビット分以上の複数ビット分の補正レベルを記憶するようにしてもよい。
【0055】
制御回路24は全ての発光ダイオードチップ1−R、1−G、1−B、2−G・・・N−Bのそれぞれに対応する出力を備えており、またドライバ回路23も全ての発光ダイオードチップのそれぞれに対応する出力を備えている。
【0056】
ここで、緑の発光ダイオードチップ1−G駆動用の制御回路24G及びドライバ回路23Gを例にとって、制御回路24及びドライバ回路23の具体的構成及び動作原理について説明する。制御回路24Gは、2つの反転回路を直列接続した波形成形回路24G1と、補正用メモリ25からの出力と外部入力端子CGからの駆動信号とのアンド出力をとる3つのアンド回路24G2〜24G4からなり、それぞれの出力はドライバ回路23Gの対応するドライバ回路23G1〜23G4に入力され、それぞれのドライバ回路23G1〜23G4の出力は並列に接続されて対応する緑の発光ダイオードチップ1−Gに発光電流として供給されるようになっている。
【0057】
この緑の発光ダイオードチップ1−Gの発光色の調整は次のとおりの方法により行われる。まず、1ドットを構成する複数の発光ダイオードチップR、G、Bのそれぞれの発光強度−順電流特性から白色光を得るための平均的な電流値TYPを求め、この値を中心とし、各発光ダイオードの製品毎のバラツキを考慮して所定の電流間隔、例えば、5%分ごとに、+20%、+15%、+10%、+5%、TYP、−5%、−10%、−15%の8レベルの電流値を定める。
【0058】
そして、ドライバ回路23Gは、外部からの駆動信号CGによってのみ駆動されるドライバ回路23G1の出力電流として前記−15%に対応する電流値を供給するようにし、他の3つのドライバ回路23G2〜23G4はそれぞれ前記の所定の電流間隔に対応する+5%分、+10%分及び+20%分の電流を供給するようにする。
【0059】
そうすると、発光ダイオードチップ1−Gには、外部から入力信号CGが入力されると、常にドライバ回路23G1から前記の−15%に対応する電流が供給されるとともに、補正用メモリ25に記憶されたデータに基づく出力に応じて他の3つのドライバ回路23G2〜23G4からの出力電流が同時に供給されるため、緑の発光ダイオードチップ1−Gに供給される電流値は−15%を最低値として、−10%、−5%、TYP、+5%、+10%、+15%、+20%の8レベルに変えることができる。
【0060】
なお、他の発光ダイオードチップ1−R、1−B、2−R・・・N−B用の制御回路及びドライバ回路も緑の発光ダイオードチップ1−G用の制御回路24G及びドライバ回路23Gと同様の構成を備えているが、その詳細な説明及び一部の図示は省略する。
【0061】
このような構成を採用することにより、実施例1の直下型LEDバックライト光源10の組立時ないしは完成させた段階で、各発光ドットの輝度、色度を測定し、これを所定の値に均一化するため、補正データを計算作成し、このデータを駆動用IC14の補正用メモリ25に書込むことにより、各発光ドット点灯時に各発光ドットの輝度と色度を各発光ダイオードに流す電流値、又は、電流比率の制御を行って調整することが可能となるため、輝度、色度が制御され、均一な輝度、色度で発光させることが可能となる。なお、補正メモリ25は、揮発性メモリでも使用可能であるが、電源を切った後でもデータを保持する不揮発性メモリの方がより好適である。また、これらの補正用データは、光源10完成時点で書込む外に、液晶ディスプレイなどの製品の電源入力毎に毎回書換えても良く、使用状況などにより、適時書換えを行なってもよい。
【0062】
そして、全ての発光ダイオードチップ1−R、1−G、1−B、2−G・・・N−Bは、外部からそれぞれ入力される駆動信号CR、CG、CBにより発光制御が行われる。
【0063】
この実施例1の直下型LEDバックライト光源10においては、全ての発光ダイオードチップ1−R、1−G、1−B、2−G・・・N−Bに供給される電流値は温度補償されており、しかも、駆動用IC14と全ての発光ダイオード1−R、1−G、1−B、2−G・・・N−Bとは配線基板13(図1参照)上に一体化されているために両者の温度は実質的に等しくなるから、別途外部に温度検出器を設けることなく駆動用IC14を利用して温度を検出できるため、精度良く温度補償を行うことができる。
【0064】
なお、図4に示した駆動用14は、温度補償回路を3個用いて同色の発光ダイオードR、G、B毎に個別に温度補償を行う構成のものであるが、既に上述したように、温度補償回路を1個のみ用いて赤色の発光ダイオードRについてのみ温度補償を行う構成としても、あるいは温度補償回路を2個用いて、緑の発光ダイオードGと青の発光ダイオードBに対しては同じ温度補償するとともに、赤の発光ダイオードRに対して温度補償を行う構成としてもよい。
【0065】
この実施例1の直下型LEDバックライト光源10の駆動用IC14の動作の一例を、図5のタイミングチャートに示す。すなわち、図5の点灯タイミングチャートでは、左側半分の領域では全点灯の白色発光状態を示しており、CR、CG、CBの各端子を全てH状態(ON)にすることにより、バックライト用の白色発光させることができる。また、右側の領域では、CR、CG、CB端子をそれぞれパルス幅制御し、それぞれのパルス幅を微調整して、On、Offを繰返すことにより、発光色度と発光輝度の微調整を行なうことが可能である。
【0066】
すなわち、駆動用IC14に、電源電圧が供給され、外部から駆動信号CR、CG、CBが供給されると、赤の発光ダイオード用駆動信号CRに基づき赤の発光ダイオードチップRに対して発光用出力電流(R)が供給され、同様に、緑の発光ダイオード用駆動信号CGに基づき緑の発光ダイオードチップGに対して発光用出力電流(G)が供給され、同じく青の発光ダイオード用駆動信号CBに基づき青の発光ダイオードチップBに対して発光用出力電流(B)が供給される。したがって、全ての発光ダイオードチップ1−R、1−G、1−B、2−G・・・N−Bの駆動回路は独立しているから、駆動信号CR、CG及びCBの任意の複数の信号が同時に入力された場合には、合成光は予定される色度及び光度の光となり、駆動信号CR、CG及びCBの全てが同時に駆動用IC14に入力された場合には、全ての発光成分が合成された所望の白色光を得ることができる。
【0067】
この場合、駆動信号CR、CG及びCBをパルス幅制御してそれぞれのパルス幅PWR、PWG、PWBを微調整することにより所望の発光色度の白色光Wを得ることができる。例えば、図5には、波線丸印で囲んだ部分にCR信号の幅を他の信号よりも広くした例を誇張して示してあるが、この場合は、R、G、Bの各発光ダイオードチップが同時に発光して白色光Wが得られている前後に短時間Rの発光ダイオードチップが発色しているため、人の目には赤みがかった白色光として感じられる。
【0068】
この実施例1の直下型LEDバックライト光源10の駆動用IC14の動作の他の例を、図6の点灯タイミングチャートに示す。この図6に示した点灯タイミングチャートでは、左側半分は、上記の場合と同様に全点灯の白色発光状態を示しているが、右側半分では、R、G、Bの順番で点滅を繰返すことによりカラーフィルタを使用しないフィールドシーケンシャル方式の液晶パネル対応のバックライトとして使用した場合の点滅タイミングを示している。
【0069】
なお、図3及び図4におけるSET端子は、通常の点灯モードと補正データの格納モードの切り換え用として設けられているものであり、一旦補正用データを補正用メモリ25の不揮発性メモリに格納した後は補正用データを変更できないようにするために削除することもできる。
【実施例2】
【0070】
次に、実施例2の発光ダイオード光源を図7を使用して説明するが、実施例1と同一の構成部分には同じ参照符号を付与してその詳細な説明は省略する(以下、他の図面においても同じ)。なお、図7は、実施例2に係る駆動用ICを配線基板の裏側に配置した直下型LEDバックライト光源を示す図であり、図7(a)は5×9ドットのLEDバックライト光源10Aの平面図、図7(b)は図7(a)右側面図であり、また、図7(c)は5×4ドットのLEDバックライト光源10Bの平面図、図7(d)は図7(c)右側面図である。このLEDバックライト光源10A及び10Bは、実施例1のLEDバックライト光源10よりも多数の発光ドット12を配線基板13上に配置した例であり、ディスプレイの輝度を上げたい場合に有効である。また、この実施例2のLEDバックライト光源10Aでは、駆動用IC14を配線基板13の発光ダイオードチップ実装面と反対の面に配置しており、このような構成とすることで、駆動用IC14とその封止材料による光反射などによる輝度ムラを防止することが可能となる。
【実施例3】
【0071】
次に、実施例3の発光ダイオード光源を図8及び図9を使用して説明する。なお、図8は、実施例3に係る5×4ドットの直下型LEDバックライト光源10Cを示す図であり、図8(a)は平面図、図8(b)は右側面図、図8(c)は図8(a)のA部分の拡大図、図8(d)は図8(b)のB部分の拡大図である。また、図9は図8のLEDバックライト光源10Cの回路ブロック図である。このLEDバックライト光源10Cは、実施例1のLEDバックライト光源10から発光ドット12の配置と数量を変更し、駆動用IC14を配線基板13の裏面に実装したものであり、各ドットの発光ダイオードは、R、G、Bの各発光ダイオードの発光効率の比率を考慮の上で、R;2チップ、G;2チップ、B;1チップにて構成してある。このLEDバックライト光源10Cの回路ブロック図は、図9に示したとおりとなり、1ドット分の5個の発光ダイオードチップがそれぞれ個別に温度補償されて駆動されるようになっている。これらの各ドットの発光ダイオードは、RGBの発光効率の比率などにより各種の構成に変えることが可能である。
【実施例4】
【0072】
実施例4の発光ダイオード光源を図10を使用して説明する。実施例4の直下型LEDバックライト光源10D及び10Eは、実施例1〜3の面状のLEDバックライト光源10、10A〜10Cとは異なり、発光ドット12を配線基板13の表面に2列×9ドット(LEDバックライト光源10D)又は1列×14ドット(LEDバックライト光源10E)に配置して線状光源とし、配線基板13の中央裏面に駆動用IC14を配置させたものである。使用に際してはこの直下型LEDバックライト光源10Dないし10Eを複数個配置して面状のバックライト光源を形成して使用される。また、このような線状LED光源を用いてサイド(側面)入力型バックライト光源として使用することも可能である。この線状LED光源10Eを使用したサイド入力型バックライトの模式図を図10(e)に示す。なお、符号17は導光板であり、符号18は反射板を示す。
【実施例5】
【0073】
実施例5の発光ダイオード光源を図11及び図12を使用して説明する。実施例5の直下型LEDバックライト光源10F及び10Gは、実施例4の一列線状のLEDバックライト光源10Eの場合よりも実装密度を上げて、発光ドット12を配線基板13の表面に1列×27個とするとともに、駆動用IC14を配線基板13の表面(LEDバックライト光源10F)又は裏面(LEDバックライト光源10G)に配置したものである。なお、発光ドット12としては、LEDバックライト光源10FのようにR、G、Bのそれぞれを1チップずつ用いたものでも、LEDバックライト光源10GのようにR;2チップ、G;2チップ、B;1チップにて構成したものでも適宜選択して使用し得る。この実施例5のLEDバックライト光源10F及び10Gの駆動回路としては、それぞれ図3及び図9の回路ブロック図に示したものを使用し得る。このLEDバックライト光源10F及び10Gも、使用に際しては複数個配置して面状のバックライト光源を形成して使用される。また、このような線状LED光源を用いてサイド入力型バックライト光源として使用することも可能である。
【実施例6】
【0074】
次に、回路構成を変えた実施例6の発光ダイオード光源10H〜10Kを図13〜図15を使用して説明する。このうち、図13の回路ブロック図に示した直下型LEDバックライト光源10Hは図3に示した実施例1のLEDバックライト光源10の駆動方法を変更したものであり、また、図14の回路ブロック図に示した直下型LEDバックライト光源10Jは図9に示した実施例3のLEDバックライト光源10Cの駆動方法を変更したものであり、それぞれ5個の発光ドット分ずつ各発光ダイオードチップをR、G、Bの発光色毎に直列接続したものである。このような構成とすると、実施例1ないし3のLEDバックライト光源10、10Cよりも各発光ドット毎の白色の色度制御精度は低下するが、駆動用IC14の数を減らすことができるため、低価格化及び低消費電力化を達成することができる。
【0075】
また、図15に示した直下型バックライト光源10Kは、図3に示した実施例1のLEDバックライト光源10の駆動方法を変更したものであり、補正用メモリ(EEPROMなどの不揮発性メモリ)25と制御回路24と外部回路との接続性を改善したものである。外部回路との接続は、データバスのバスデコーダ26とバスエンコーダ27を使用するとともに、補正用メモリ25からのデータは、バスエンコーダ27、シフトレジスタ28、データラッチ29を経由して、制御回路24を経てドライバ回路23を制御する構成としている。このようにそれぞれの機能を分担させる構成とすることにより、補正用メモリ25へのデータの書込み、読取りなどデータのやり取りに自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1の直下型LEDバックライト光源を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は右側面図、図1(c)は図1(a)のA部分の拡大図、図1(d)は図1(b)のB部分に拡大図である。
【図2】実施例1の直下型LEDバックライト光源の指向特性を示す図である。
【図3】実施例1の直下型LEDバックライト光源の回路ブロック図である。
【図4】実施例1の直下型LEDバックライト光源で使用されている駆動用ICの具体的回路構成を示す図である。
【図5】実施例1の直下型LEDバックライト光源の点灯動作を説明するための点灯タイミングチャートである。
【図6】実施例1の直下型LEDバックライト光源の点灯動作を説明するための別の点灯タイミングチャートである。
【図7】実施例2に係る駆動用ICを配線基板の裏側に配置した直下型LEDバックライト光源を示す図であり、図7(a)は5×9ドットのLEDバックライト光源の平面図、図7(b)は図7(a)の右側面図であり、また、図7(c)は5×4ドットのLEDバックライト光源の平面図、図7(d)は図7(c)の右側面図である。
【図8】実施例3に係る5×4ドットの直下型LEDバックライト光源を示す図であり、図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)の右側面図、図8(c)は図8(a)のA部分の拡大図、図8(d)は図8(b)のB部分の拡大図である。
【図9】図8の直下型LEDバックライト光源の回路ブロック図である。
【図10】実施例4のLEDバックライト光源を示す図であり、図10(a)は2×9ドットのLEDバックライト光源の平面図、図10(b)は図10(a)の右側面図、図10(c)は1×14ドットのLEDバックライト光源の平面図、図10(d)は図10(c)の右側面図であり、また、図10(e)は図10(c)のLEDバックライト光源を使用したサイド入力型バックライトの模式図である。
【図11】実施例5のLEDバックライト光源を示す図である。
【図12】実施例5の別のLEDバックライト光源を示す図である。
【図13】実施例6の直下型LEDバックライト光源の回路ブロック図である。
【図14】実施例6の別の直下型LEDバックライト光源の回路ブロック図である。
【図15】実施例6のさらに別の直下型LEDバックライト光源の回路ブロック図である。
【図16】従来の面状光源の構成を示す図であり、図16(a)はLED光源モジュールを示す図、図16(b)はこれを組み合わせた面状光源を示す図である。
【図17】従来のLED光源モジュールを組み込んだ液晶表示装置の断面図である。
【図18】従来のLED光源モジュールの駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図19】R、G、Bそれぞれの発光ダイオードの分光分布を示す図である。
【図20】R、G、Bそれぞれの発光ダイオードの相対光強度と順電流の例を示す図である。
【図21】図21は周囲温度変化に伴う発光光度(発光強度)の変化と色度の変化を示す図である。
【図22】一般的なランプタイプの発光ダイオード素子の指向特性を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
10、10A〜10K LEDバックライト光源
11 封止用樹脂
12 発光ドット
13 配線基板
14 駆動用IC
15 白色の封止用樹脂
21 電流供給回路
22 温度補償回路
23 ドライバ
24 制御回路
25 補正用メモリ
26 バスデコーダ
27 バスエンコーダ
28 シフトレジスタ
29 データラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板上に少なくとも赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各発光ダイオードチップを1素子以上含んで構成される発光ドットが複数配置されており、前記発光ドットは透明樹脂、又は拡散材を含む透明樹脂によって実質的に半球状に形成されると共に、前記複数の発光ドットの発光色はそれぞれ実質的に白色になるように調整されていることを特徴とする発光ダイオード光源。
【請求項2】
前記配線基板は、前記複数の発光ダイオードチップ及びこれらの発光ダイオードチップを駆動する駆動用ICが一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード光源。
【請求項3】
前記駆動用ICは、前記複数の発光ダイオードチップ毎の電流値もしくは前記複数の発光ダイオードチップ毎の電流比率を一定に制御することを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード光源。
【請求項4】
前記駆動用ICは、温度補償回路を有し、温度変化に対する発光光度及び色度の変化を少なくするようにしたことを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード光源。
【請求項5】
前記温度補償回路は、R用と、G及びB用の2種類の温度補償回路からなることを特徴とする請求項4に記載の発光ダイオード光源。
【請求項6】
前記温度補償回路は、R用、G用、B用の3種類の温度補償回路からなることを特徴とする請求項4に記載の発光ダイオード光源。
【請求項7】
前記駆動用ICは、前記配線基板上の前記複数の発光ダイオードチップによる複数の発光ドット形成面とは反対の面に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード光源。
【請求項8】
前記駆動用ICは、前記配線基板上の前記複数の発光ダイオードチップによる複数の発光ドット形成面と同一面に配置され、かつ、白色系樹脂にて封止されていることを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード光源。
【請求項9】
前記駆動用ICは、温度補償回路、電流供給回路、複数ビットドライバ回路、補正制御回路、補正用メモリを含むことを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード光源。
【請求項10】
前記補正用メモリは、不揮発性メモリよりなることを特徴とする請求項9に記載の発光ダイオード光源。
【請求項11】
前記駆動用ICは、温度補償回路、電流供給回路、複数ビットドライバ回路、補正制御回路、データラッチ、シフトレジスタ、補正用メモリ、バスデコーダ、バスエンコーダを含むことを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード光源。
【請求項12】
前記補正用メモリは、不揮発性メモリよりなることを特徴とする請求項11に記載の発光ダイオード光源。
【請求項13】
少なくとも赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各発光ダイオードチップが1個以上により構成される複数の発光ドットと駆動用ICとを同一の配線基板上に有する発光ダイオード光源であり、前記の発光ドットは、透明樹脂、又は拡散材を含む透明樹脂によって、実質的に半球状に形成されると共に、前記複数の発光ドットは、それぞれ実質的に白色になるように前記駆動用ICにより各発光ドット毎に調整されていることを特徴とする発光ダイオード光源。
【請求項14】
前記駆動用ICは、温度補償回路、電流供給回路、複数ビットドライバ回路、補正制御回路、補正用メモリを含むことを特徴とする請求項13に記載の発光ダイオード光源。
【請求項15】
前記補正用メモリは、不揮発性メモリよりなることを特徴とする請求項14に記載の発光ダイオード光源。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−237282(P2006−237282A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−49926(P2005−49926)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】