説明

発光分光分析方法及び分析装置

【課題】 スパーク放電発光分光分析法によって金属試料を分析するに際し、切断して得た金属試料が平滑度の低い金属試料であっても精度良く分析する。
【解決手段】 試料支持台10に装着された金属試料3と、当該金属試料に対向して配置される対電極4との間で、多数回のスパーク放電を不活性ガス雰囲気中で発生させ、スパーク放電毎の発光を分光して金属試料中の元素を定量する発光分光分析方法において、前記金属試料を前記試料支持台に設けた突起部11の上に装着してスパーク放電させる。金属試料は突起部と接触するので、金属試料に凹凸が存在しても、凹凸の影響を受けることなく分析することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光分光分析方法及び分析装置に関し、詳しくは、金属試料の切断面端部に形成される切断バリのような部分的に平滑度の低い部位を有する金属試料であっても精度良く分析することのできる発光分光分析方法及び分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼業においては、転炉及び真空脱ガス炉などの精錬炉で精錬されている溶鋼から金属試料を採取して分析し、その金属試料の分析値に基づいて合金元素の添加量或いは必要処理時間などを決定し、溶鋼の成分調整が行われている。従って、これらの精錬を迅速に行うためには、精錬中に採取された金属試料を極めて短時間で分析することが必要になる。
【0003】
このため、この分析には、迅速性に優れたスパーク放電発光分光分析法が主に用いられているが、生産量の増加、コスト削減などにより、更なる高速な精錬が求められており、そのため分析処理においても一層の時間短縮が求められている。
【0004】
しかしながら、現状のスパーク放電発光分光分析法では、例えば特許文献1に示されるように、分析精度を維持する上で金属試料表面を研磨し平坦にする必要があり、この研磨に10秒間〜20秒間を費やしていた。分析時間短縮のためにこの研磨工程を省略し、切断したままの金属試料を分析しようとすると、金属試料表面の平滑度が低いので発光分光分析装置の試料支持台に金属試料を装着したときに試料支持台に対して分析面が傾斜し、金属試料と対電極との距離が検量線を作成した状態とは変化してしまうので、分析精度が低下するという問題が発生した。
【0005】
この問題は、特に、金属試料の切断面端部にバリなどの凹凸が存在する場合に顕著であり、このような凹凸が存在する場合には、切断したままの金属試料の定量分析は実質的に不可能であった。
【特許文献1】特開2004−61501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
切断面の端部にバリなどの凹凸の存在する金属試料であっても、この凹凸を研磨或いは研削によって除去することなく、精度良く分析する手段が切望されているにも拘わらず、従来、有効な手段はなく、やむなく、分析精度を確保するために、測定前の処理として切断した金属試料を研磨或いは研削して分析する面の全体を平滑にしており、従来に比べて更なる分析時間の短縮は不可能であった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スパーク放電発光分光分析法によって金属試料を分析するに際し、切断して得た金属試料が平滑度の低い金属試料であっても、特に、金属試料の切断面端部にバリなどの凹凸が存在する金属試料であっても、精度良く分析することのできる発光分光分析方法及び分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究・検討を行った。以下に研究・検討結果を説明する。
【0009】
図6に、従来のスパーク放電発光分光分析装置において用いられている試料支持台の概略断面図を示すように、通常、従来のスパーク放電発光分光分析装置においては、分析用の金属試料3を装着するための試料支持台10は平坦で、その一部に円状の孔10aが開いており、この孔10a、即ち開口部10aを覆うようにして金属試料3を装着し、対電極4と金属試料3との間で開口部10aを介して放電が行われている。このとき、金属試料3における試料支持台10との接触領域は、開口部10aを覆う部分を除いた金属試料3の分析面全面であり、金属試料3の接触領域に凹凸が存在すると凸部が試料支持台10と接触することによって、金属試料3は試料支持台10と密着することができず、金属試料3の分析面と対電極4との距離が設定値と異なったものとなり、分析精度が低下する。また、接触面の間隙からの大気の進入なども分析精度の低下をもたらす原因となる。ここで、距離の設定値とは、金属試料3が試料支持台10と密着したときの距離であり、発光分光分析法における検量線は通常この設定値で作成される。
【0010】
このため、スパーク放電発光分光分析装置における定量分析の際には、金属試料を研磨或いは研削して分析面全面を平滑にしてから金属試料3を試料支持台10に装着することが必須であった。
【0011】
しかしながら、分析用の金属試料3を得る際に広く使用されている高速切断機(丸鋸切断機)で切断された金属試料切断面の観察の結果、金属試料切断面の全面において凹凸が発生するものではなく、凹凸は主に切断面の端部で発生しており、切断面の大部分は放電可能な平坦領域であり、この平坦領域は研磨或いは研削しなくても十分に定量分析可能であるとの知見を得た。
【0012】
そこで、この平坦領域を利用することを検討した結果、金属試料切断面の凹凸部が試料支持台10に接触しないようにして金属試料3を試料支持台10に装着すれば定量分析可能であるとの知見を得た。換言すれば、試料支持台に突起部を設け、切断面の一部に形成される平坦領域のみを突起部に接触させることで、切断面の凹凸部の影響を受けることなく、十分に定量分析が可能であるとの知見を得た。
【0013】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る発光分光分析方法は、試料支持台に装着された金属試料と、当該金属試料に対向して配置される対電極との間で、多数回のスパーク放電を不活性ガス雰囲気中で発生させ、スパーク放電毎の発光を分光して金属試料中の元素を定量する発光分光分析方法において、前記金属試料を前記試料支持台に設けた突起部の上に装着してスパーク放電させることを特徴とするものである。
【0014】
第2の発明に係る発光分光分析方法は、第1の発明において、前記突起部は、前記試料支持台の開口部を囲んで環状に設けられ、且つ、高さが0.5mm以上で、金属試料を装着する面の幅が0.5mm以上3mm以下であることを特徴とするものである。
【0015】
第3の発明に係る発光分光分析方法は、第1または第2の発明において、前記金属試料と前記対電極との距離を1mm以上3mm以下とすることを特徴とするものである。
【0016】
第4の発明に係る発光分光分析方法は、第1または第2の発明において、前記金属試料におけるスパーク放電の領域を直径4mm以下とすることを特徴とするものである。
【0017】
第5の発明に係る発光分光分析装置は、試料支持台の開口部を覆うようにして試料支持台に装着された金属試料と、当該金属試料に対向して配置される対電極との間で、多数回のスパーク放電を不活性ガス雰囲気中で発生させ、スパーク放電毎の発光を分光して金属試料中の元素を定量する発光分光分析装置において、前記試料支持台には前記開口部を囲んで環状の突起部が設けられており、金属試料は当該突起部の先端部位に接触して試料支持台に装着されることを特徴とするものである。
【0018】
第6の発明に係る発光分光分析装置は、第6の発明において、前記突起部は、高さが0.5mm以上で、金属試料と接触する面の幅が0.5mm以上3mm以下であることを特徴とするものである。
【0019】
第7の発明に係る発光分光分析装置は、第5または第6の発明において、前記金属試料と前記対電極との距離が1mm以上3mm以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、金属試料を装着するための試料支持台に突起部を設けて、分析用の金属試料を突起部の先端部位で支持するので、切断したままの金属試料に切断バリなどの凹凸が存在しても、これらの凹凸以外の比較的平滑な部分を突起部と接触させることで、金属試料の凸部は試料支持台に接触せず、試料支持台の所定の位置に金属試料を装着することができる。その結果、金属試料と対電極との間の距離は常に一定に保たれ、予め作成した検量線に基づいて精度良く金属試料の定量分析を行うことが可能となる。また、分析面の研磨・研削を行っていた定量分析において、この研磨・研削工程を省略することが可能になり、従来に比べて大幅な分析所用時間の短縮並びに分析作業負荷の低減が達成されるのみならず、転炉及び真空脱ガス炉などの精錬時間も短縮され、工業上有益な効果がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に係るスパーク放電発光分光分析装置の全体構成の1例を示す概略図、図2は、本発明に係るスパーク放電発光分光分析装置において用いられている試料支持台の1例を示す概略断面図である。
【0022】
図1に示すように、スパーク放電発光分光分析装置1は、放電装置2、分析用金属試料(電極でもある)3及び対電極4からなり、Arガスなどの不活性ガス雰囲気下で放電装置2からの信号に応じて金属試料3と対電極4との間でスパーク放電を発生する発光部と、スリット5、回折格子6及び検出器7からなり、発光部で発光した光を分光するための分光部と、分光部の検出器7によって検出されたスペクトル線を処理するための測光装置8と、測光装置8から入力されるスペクトル線強度に基づいて金属試料3の元素の含有量を求めるデータ処理装置9と、で構成されている。
【0023】
このスパーク放電発光分光分析装置1において金属試料3を装着するための試料支持台10には、図2に示すように、試料支持台10に設けられた開口部10aの周囲に沿って平面形状が円形である環状の突起部11が設けられており、金属試料3は突起部11の上に乗った状態で試料支持台10に装着されている。即ち、金属試料3は突起部11の先端部位とのみ接触するようにして試料支持台10に装着されている。そして、金属試料3は、この状態のままで対電極4との間でスパーク放電する構成になっている。対電極4の周囲はArガスなどの不活性ガス雰囲気となっている。尚、図1では試料支持台10を省略している。
【0024】
このように、金属試料3と試料支持台10との接触面は、突起部11の先端部位のみの極狭い範囲に限られるため、切断して切り出されたままの金属試料3であっても、切断バリなどの凹凸を研磨或いは研削などによって除去することなく、切断面の平坦な部分を突起部11に接触させることで、金属試料3の分析面の一部に凹凸が存在しても、この凹凸の影響を受けることなく金属試料3の分析面と対電極4との距離は設定値と等しくなり、且つ、金属試料3の分析面と試料支持台10とが間隙なく密着することから、研磨或いは研削された分析面と同等の精度で定量分析することが可能となる。
【0025】
この場合、切断バリなどの凹凸の影響をできるだけ少なくするために、突起部11の高さを0.5mm以上とし、突起部11の先端部位の幅を0.5mm以上3mm以下とすることが好ましい。高さが0.5mm未満になると、金属試料3の凸部が突起部11の周囲の試料支持台10と接触して金属試料3と突起部11とが密着せず、分析精度が低下する恐れが発生する。突起部11の高さの上限は特に限定する必要はないが、金属試料3での凹凸の発生状況から判断すれば、5mm程度で十分である。また、突起部11の幅が0.5mm未満では金属試料3を保持した際に突起部11が変形する恐れがあると同時に、変形によって形成される間隙から空気が混入して分析精度が低下する恐れがあり、一方、突起部11の幅が3mmを超えると金属試料3の分析面と突起部11との接触面積が大きくなり、金属試料3の凹凸の影響を受けやすくなり分析精度が低下する恐れがある。
【0026】
切断したままの金属試料3を分析するに当たり、分析面となる切断面の平滑度は高い方が望ましく、従って、本発明を実施する場合には、比較的高い切断面の平滑度を得ることができる、外形が円形の回転刃を有する高速切断機で切断することが好ましい。
【0027】
しかしながら、金属試料3は切断したままであるので、分析面には微小な凹凸部が存在する。この微小な凹凸部の影響を回避するためには、金属試料3と対電極4との距離を1mm以上3mm以下とすることが好ましい。この微小の凹凸部の影響は、金属試料3の分析面における放電領域を狭くすることによって、効率良く回避することができる。図4(図4の詳細説明は実施例の欄で後述)は、金属試料3と対電極4との距離を変化させ、そのときの金属試料3における放電領域を調査した結果である。金属試料3と対電極4との距離を1mm以上3mm以下とすることにより、放電領域の直径を5mm程度以下にすることが可能となる。つまり、金属試料3と対電極4との距離を1mm以上3mm以下とすることで、分析面の微小の凹凸部の影響を回避して、微小な領域の分析を高い精度で実施することが可能となる。
【0028】
特に、金属試料3における放電領域を直径4mm以下とすることで、従来の放電領域に比べて1/4から1/10の微小な領域の分析が可能となり、分析面の微小の凹凸部の影響をより一層回避することができる。この場合、試料支持台10に設けられた開口部10aの直径は7mm以下で十分である。
【0029】
尚、本発明は上記に説明した範囲に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができる。例えば、上記説明では環状の突起物11が開口部10aの周囲に沿って設置されているが、開口部10aを囲むようにして設置される限り、開口部10aから離れた位置に設置してもよい。又、環状の突起部11は平面形状が円形であるのみならず、四角形や多角形、或いは楕円形など、循環する形状である限りどのような形状であっても構わない。本発明でいう「環状」とは、「循環する形状である」という意味である。
【実施例1】
【0030】
図3に示すスパーク放電発光分光分析装置を用い、金属試料3の位置及び対電極4の位置を変更して、金属試料3における放電領域並びに各元素のバックグランド相当濃度に及ぼす金属試料と対電極との距離(L)の影響を調査した。ここでは、突起部に代わって厚みを変更可能なスペーサー12を使用して、金属試料3の設置位置を変更した。また、試料支持台10の厚みを極力薄くして、距離(L)が1mm程度まで可能な構造とした。対電極4の位置は、対電極4の先端が試料支持台10の上面から1mmとなる位置を基準としたが、対電極4の位置も上下に調整可能であり、一部試験では下方向に移動させた。金属試料3の位置及び対電極4の位置は、図3に示すように、試料支持台10の上面の位置を基準位置とした。
【0031】
図4に、放電の電気的な条件を一定として、金属試料と対電極との距離(L)を変化させたときの金属試料3における放電領域を調査した結果を示す。図4から明らかなように、放電領域は、距離(L)を小さくするほど小さくなり、金属試料3と対電極4との距離を1mm以上3mm以下とすることにより、放電領域の直径を5mm程度以下にできることが分かった。つまり、金属試料3と対電極4との距離を1mm以上3mm以下とすることで、金属試料3の分析面の微小の凹凸部の影響を回避して、微小な領域の分析を高い精度で実施することが可能であることが分かった。
【0032】
図5は、金属試料3の位置と距離(L)とを変えてC、Si、P、Sのバックグランド相当濃度に及ぼす影響を調査した結果を示す図である。図5で試料位置が0mmとは、スペーサー12を用いず、金属試料3を試料支持台10に直接載せた状態を示しており、試料位置が1mm、2mm、3mmとはスペーサー12の厚みがそれぞれ1mm、2mm、3mmの場合を示している。また、従来(2mm)とは、従来の厚みの厚い試料支持台10を用いた場合であり、この場合には、図3に示す金属試料3の位置関係で金属試料の位置を表すと2mmの位置に相当するという意味である。
【0033】
バックグランド相当濃度は低いほうが一般に精度上有利であり、図5からも明らかなように、距離(L)を1mm以上3mm以下とすることにより、放電領域の微小化を達成しつつ高精度な分析が可能であることが分かった。特に、スペーサー12の厚みを1mmとし、且つ、距離(L)を3mm以下とすることによって、高精度な分析が可能であることが分かった。
【実施例2】
【0034】
湿式定量分析法などによって元素濃度を予め測定した、元素濃度が既知の低合金鋼から高速切断機を用いて分析用金属試料を切り出し、切断面を研磨・研削することなく発光分光分析用試料に供した。用いた発光分光分析装置は、図2に示す突起部を有する試料支持台を備えた本発明による発光分光分析装置と、図6に示す試料支持台を備えた従来の発光分光分析装置との2種類を用いた。金属試料の同一切断面についてそれぞれ3回ずつ分析を行った。本発明による発光分光分析装置を用いて分析した場合を本発明例と称し、一方、従来の発光分光分析装置を用いて分析した場合を比較例と称す。表1にそれぞれ3回行った分析結果を示す。本発明例では金属試料と対電極との距離は2mmとした。比較例では、金属試料と対電極との距離は4mmである。
【0035】
【表1】

【0036】
表1に示すように、比較例では3回の分析結果にばらつきが生じ、しかも、濃度の絶対値が予め定量分析した濃度から大幅に逸脱しているのに対し、本発明例では3回の分析結果のばらつきが少なく、且つ濃度の絶対値も予め定量分析した濃度と良く一致していた。この結果から、切断したままの金属試料であっても本発明を適用することで精度よく定量分析することが可能であることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るスパーク放電発光分光分析装置の全体構成の1例を示す概略図である。
【図2】本発明に係るスパーク放電発光分光分析装置において用いられている試料支持台の1例を示す概略断面図である。
【図3】実施例1で使用したスパーク放電発光分光分析装置の試料支持台部分の概略断面図である。
【図4】金属試料と対電極との距離を変化させ、そのときの金属試料における放電領域を調査した結果を示す図である。
【図5】金属試料の位置及び金属試料と対電極との距離を変化させ、C、Si、P、Sのバックグランド相当濃度に及ぼす影響を調査した結果を示す図である。
【図6】従来のスパーク放電発光分光分析装置において用いられている試料支持台の概略断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 スパーク放電発光分光分析装置
2 放電装置
3 金属試料
4 対電極
5 スリット
6 回折格子
7 検出器
8 測光装置
9 データ処理装置
10 試料支持台
10a 開口部
11 突起部
12 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料支持台に装着された金属試料と、当該金属試料に対向して配置される対電極との間で、多数回のスパーク放電を不活性ガス雰囲気中で発生させ、スパーク放電毎の発光を分光して金属試料中の元素を定量する発光分光分析方法において、前記金属試料を前記試料支持台に設けた突起部の上に装着してスパーク放電させることを特徴とする発光分光分析方法。
【請求項2】
前記突起部は、前記試料支持台の開口部を囲んで環状に設けられ、且つ、高さが0.5mm以上で、金属試料を装着する面の幅が0.5mm以上3mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の発光分光分析方法。
【請求項3】
前記金属試料と前記対電極との距離を1mm以上3mm以下とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の発光分光分析方法。
【請求項4】
前記金属試料におけるスパーク放電の領域を直径4mm以下とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の発光分光分析方法。
【請求項5】
試料支持台の開口部を覆うようにして試料支持台に装着された金属試料と、当該金属試料に対向して配置される対電極との間で、多数回のスパーク放電を不活性ガス雰囲気中で発生させ、スパーク放電毎の発光を分光して金属試料中の元素を定量する発光分光分析装置において、前記試料支持台には前記開口部を囲んで環状の突起部が設けられており、金属試料は当該突起部の先端部位に接触して試料支持台に装着されることを特徴とする発光分光分析装置。
【請求項6】
前記突起部は、高さが0.5mm以上で、金属試料と接触する面の幅が0.5mm以上3mm以下であることを特徴とする、請求項3に記載の発光分光分析装置。
【請求項7】
前記金属試料と前記対電極との距離が1mm以上3mm以下であることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の発光分光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−177922(P2006−177922A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98467(P2005−98467)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】