説明

発光木材及びそれを用いたバリケード

【課題】木材が腐朽した場合でも、発光ダイオードや太陽電池パネルを容易に再利用が可能で、しかも柔らかな光で発光可能な発光木材及びそれを用いたバリケードを提供する。
【解決手段】外周部に長さ方向に沿って延びる縦溝25を形成するとともに、内端部が縦溝25に開口する複数の導孔26を長さ方向に間隔をあけて形成した棒状木材20と、縦溝25に着脱自在に内嵌するケーシング30と、導孔26の内端部に対面するように、ケーシング30に取り付けた複数の発光ダイオード31とを有する発光ユニット21とを備え、導孔26を通じて発光ダイオード31からの光を外部へ導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードにより発光する発光木材及びそれを用いたバリケードに関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場等で用いるバリケードとして、木製の標識板にLED挿入穴を複数個適当間隔で前後方向に貫通し、標識板の裏面からLED挿入穴にLEDを挿入し、LEDを接続するリード線を標識板の裏面に設けたリード線溝に没入させ、標識板の裏面上部に受光面を上に向けて太陽電池ユニットを取着し、LEDの端子部とLED挿入穴との隙間及びリード線とリード線溝との隙間に接着剤を充填してなる工事用バリケードが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3036078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1記載の工事用バリケードでは、木製の標識板を用いているので、屋外での使用により風雨にさらされると、標識板が3〜4年という比較的短期間で腐朽して、バリケードを新しいものと交換する必要がある。しかし、発光ダイオードや太陽電池パネルは、標識板に接着剤で一体化されていることから、取り外して再利用することが困難で、まだ使用できる発光ダイオードや太陽電池パネルを標識板とともに廃棄する必要があり、無駄の多いものであった。
【0005】
また、特許文献1記載の工事用バリケードでは、発光ダイオードの先端部が標識板から外部に露出しているが、発光ダイオードからの光は機械的な尖った感のある光なので、工事用バリケードの印象を悪くする原因の1つになっている。
【0006】
本発明の目的は、木材が腐朽した場合でも、発光ダイオードや太陽電池パネルを容易に再利用が可能で、しかも柔らかな光で発光可能な発光木材及びそれを用いたバリケードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発光木材は、外周部に長さ方向に沿って延びる縦溝を形成するとともに、内端部が縦溝に開口する複数の導孔を長さ方向に間隔をあけて形成した棒状木材と、前記縦溝に着脱自在に内嵌するケーシングと、前記導孔の内端部に対面するように、前記ケーシングに取り付けた複数の発光ダイオードとを有する発光ユニットとを備え、前記導孔を通じて発光ダイオードからの光を外部へ導出するものである。
【0008】
この発光木材は、棒状木材の縦溝に発光ユニットを組み付けたものなので、屋外での使用により風雨にさらされると、棒状木材が比較的短期間に腐朽することになるが、棒状木材が腐朽した場合には、該棒状木材から発光ユニットを取り外し、これを新しい棒状木材に組み付けてリサイクルできるので、資源の無駄な消費を極力少なくできる。また、発光ダイオードからの光が、棒状木材に形成した導孔を通じて外部へ誘導される間に、導孔の内面で反射して、ソフトな光に調整されることになる。このため、この発光木材は、工事現場における柵やバリケードの横棒以外に、意匠性を重視する一般住宅やログハウスの手摺、車道や歩道の縁石として用いることもできる。
【0009】
前記導孔を棒状木材の周方向に複数形成することもできる。導孔は、周方向に1箇所だけ設けることも可能であるが、周方向に複数形成すると、例えばこの発光木材を工事用バリケードとして利用したときに、大人と子供のように背丈の異なる歩行者等に対しても、導孔の開口部から導出される光を無理なく目視することが可能となる。
【0010】
前記発光ユニットに、前記発光ダイオードへの給電手段として、前記ケーシングの上面に配置される太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルからの電力を蓄電するバッテリと、前記発光ダイオードへの給電回路とを備えさせることもできる。このように構成すると、発光ダイオードへの給電設備を別途用意する必要がないので、電源設備のない設置場所に対しても、この発光ユニットをそのまま設置することができる。また、この場合には、発光ダイオードへの給電手段についても、発光ダイオードと同様に、棒状木材が腐朽した際には、これを再利用できるので、資源を有効活用する上で、一層好ましい。
【0011】
前記発光ダイオードの先端部と導孔の開口部間の長さを5mm〜40mmに設定することが好ましい実施の形態である。発光ダイオードの先端部と導孔の開口部間の長さは、5mm未満の場合には、発光ダイオードからの光を導孔の内面で十分に反射させることができず、発光ダイオードからの光に機械的な尖った感じが残存してしまい、40mmを超えると、導孔から導出される光が弱くなりすぎるので、5mm〜40mmに設定することが好ましい。
【0012】
本発明に係るバリケードは、間隔をあけて配置した脚部材と、両脚部材の上部間に架設した横棒とを有する木製のバリケードであって、前記横棒として、前記発光木材を用いたものである。
【0013】
このバリケードでは、前記発光木材を用いているので、前記と同様の作用効果が得られる。また、脚部材と、横棒とを木材で構成しているので、バリケードに対して、温もりのある木の雰囲気を付与できるし、棒状木材は間伐材を用いて製作できるので、森林資源を有効活用して製作コストを安くできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る発光木材によれば、棒状木材の縦溝に発光ユニットを組み付けたものなので、屋外での使用により風雨にさらされると、棒状木材が比較的短期間に腐朽することになるが、棒状木材が腐朽した場合には、該棒状木材から発光ユニットを取り外し、これを新しい棒状木材に組み付けてリサイクルできるので、資源の無駄な消費を極力少なくできる。また、発光ダイオードからの光が、棒状木材に形成した導孔を通じて外部へ誘導される間に、導孔の内面で反射して、ソフトな光に調整されることになる。このため、この発光木材は、工事現場における柵やバリケードの横棒以外に、意匠性を重視する一般住宅やログハウスの手摺、車道や歩道の縁石として用いることもできる。
【0015】
本発明に係るバリケードによれば、前記発光木材を用いているので、前記と同様の作用効果が得られる。また、脚部材と、横棒とを木材で構成しているので、バリケードに対して、温もりのある木の雰囲気を付与できるし、棒状木材は間伐材を用いて製作できるので、森林資源を有効活用して製作コストを安くできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】バリケードの斜視図
【図2】バリケードの正面図
【図3】バリケードの平面図
【図4】バリケードの側面図
【図5】図1のV-V線断面図
【図6】図1のVI-VI線断面図
【図7】発光ダイオードへの給電系のブロック図
【図8】(a)(b)は他の構成の上部横棒の縦断面図
【図9】他の構成の上部横棒の要部斜視図
【図10】同上部横棒の要部分解斜視図
【図11】ウッドデッキの要部斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1〜図6に示すように、バリケード1は、間隔をあけて配置した1対の脚部材2と、両脚部材2の上部間に架設した発光木材からなる上部横棒3と、両脚部材2の下部間に架設した下部横棒4とを備えている。
【0018】
脚部材2は、倒立V字状に結合される細長い板状の1対の脚本体10と、両脚本体10の上端部を連結する上部連結板11と、両脚本体10の高さ方向の途中部を連結する下部連結板12とを備え、木製の板材からなる脚本体10及び上下の連結板11、12を、接着剤や釘や木ネジ等を介して略A字状に結合したものである。脚部材2の上部には上部横棒3が挿通可能な上部支持孔13が形成され、上部横棒3は、両脚部材2の上部支持孔13に両端部を挿通させて、両脚部材2の上部間に架設状に支持され、下部連結板12の途中部には下部横棒4が挿通可能な下部支持孔14が形成され、下部横棒4は、両脚部材2の下部支持孔14に両端部を挿通させて、両脚部材2の下部間に架設状に支持されている。ただし、脚部材2としては、横棒を挟持可能なパイプクランプを上端部に有する、合成樹脂製の略A字状の周知構成のものを用いてもよい。
【0019】
上部横棒3は、細長い丸太を加工してなる棒状木材20と、棒状木材20に着脱可能に組み付けられる発光ユニット21と、上部横棒3の両端部を閉鎖する蓋体22とを備え、棒状木材20の両端部には両端へ行くにしたがって深溝となるテーパ溝23が形成されている。また、下部横棒4は細長い丸太で構成され、下部横棒4の両端部には両端へ行くにしたがって深溝となるテーパ溝40が形成され、下部横棒4の下部には割れ防止溝41が下部横棒4の長手方向の全長にわたって形成されている。
【0020】
上部横棒3は、その両端部を脚部材2の上部支持孔13にそれぞれ挿通させて、楔部材24をテーパ溝23に差し込むことで、両脚部材2に架設状に固定され、下部横棒4は、その両端部を両脚部材2の下部支持孔14にそれぞれ挿通させて、楔部材42をテーパ溝40に差し込むことで、両脚部材2に架設状に固定され、両脚部材2と上下の横棒3、4とは楔部材24、42とにより一体的に結合されている。なお、棒状木材20と下部横棒4とは、角材で構成することも可能である。また、棒状木材20と下部横棒4とを間伐材で構成すると、安価に実施できるとともに、森林資源を有効活用できるので好ましい。更に、下部横棒4を上部横棒3と同様に発光木材で構成することも可能である。
【0021】
棒状木材20の上部にはその全長にわたって長さ方向に沿って延びる縦溝25が形成されている。縦溝25は、棒状木材20の加工が容易なことから、棒状木材20の全長にわたって設けることが好ましいが、両端部を除く途中部にのみ形成することも可能である。なお、この上部横棒3では、縦溝25が、棒状木材20の乾燥による割れを防止する割れ防止溝としても機能する。
【0022】
棒状木材20の前後両側部には内端部を縦溝25に開口させた導孔26が棒状木材20の長さ方向に設定間隔をあけて設けられている。導孔26は略水平に設けたが、外周端側を上側又は下側へ向けて傾斜状に形成することも可能で、下側へ向けて傾斜状に設けると、雨水等が導孔26に入り難くなるので好ましく、また上側へ向けて傾斜状に形成すると、歩行者等が光を目視し易くなるので好ましい。また、導孔26は、上部横棒3の任意の高さ位置に設けることができるが、上部横棒3の中心よりもやや高い位置に配置すると、導孔26の外周端の発光部分を斜め上から容易に目視できるので好ましい。
【0023】
導孔26の個数は任意に設定可能であるが、少なすぎると十分に注意喚起することができず、多すぎるとそれに応じて後述する発光ダイオード31の個数が増え、太陽電池パネル32として大型なものを用いたり、バッテリ33として大容量のものを用いたりする必要があるので、片面に5個〜20個/m程度に設定することが好ましい。また発光ダイオード31の先端部と導孔26の開口部間の長さは、5mm未満の場合には、発光ダイオード31からの光を導孔26の内面で十分に反射させることができず、発光ダイオード31からの光に機械的な尖った感じが残ってしまい、40mmを超えると、導孔26から導出される光が弱くなりすぎるので、5mm〜40mmに設定することが好ましい。導孔26は、同一内径の貫通孔で構成することもできるし、長さ方向の途中部から外部側へ行くにしたがって内径を大きく設定した円錐状の孔に形成することも好ましい。
【0024】
棒状木材20の下部には縦溝25内に開口する排水孔27が棒状木材20の長さ方向に間隔をあけて形成され、縦溝25内に浸入した雨水等は排水孔27を通じて外部へ排出されるように構成されている。ただし、縦溝25の底面を排水孔27に向けて下り傾斜に構成して排水性を向上したり、縦溝25の底面を長手方向の中央部から両端部側へ向けて下り傾斜に構成して排水性を向上したりすることも可能である。
【0025】
発光ユニット21は、図1〜図7に示すように、縦溝25の全長にわたって縦溝25に着脱自在に内嵌保持されるケーシング30と、導孔26の内端部に対面するように、ケーシング30に取り付けた複数の発光ダイオード31と、ケーシング30の上面に固定した太陽電池パネル32と、太陽電池パネル32にて発電した電力を充電するバッテリ33と、外光を検出する光センサー34と、バッテリ33への充電回路や発光ダイオード31への給電回路を含む制御手段35とを備えている。なお、太陽電池パネル32とバッテリ33と光センサー34と制御手段35とで、発光ダイオード31への給電手段が構成される。ただし、発光ダイオード31への給電設備は、別途設けることも可能である。
【0026】
ケーシング30は、断面略U字状のケース本体36と、ケース本体36の上部に略水密に嵌合する蓋部材37とを備え、蓋部材37をケース本体36の上部に嵌合した状態で、ケーシング30内が液密に保持されるように構成され、雨水等がケーシング30内に浸入して制御手段35の回路が短絡しないように構成されている。ケーシング30内には制御手段35とバッテリ33とが内装され、ケース本体36の下部には導孔26の形成位置に対応させて取付孔38が形成され、取付孔38には発光ダイオード31が端部を導孔26側へ突出させて液密状に取付けられている。なお、ケーシング30としては、バッテリ33や制御手段35を液密状に収容可能なものであれば、任意の構成のものを採用することができる。
【0027】
バッテリ33としては、ニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛電池などの2次電池を採用できる。単三型のバッテリ33を複数個直列状に接続したものを好適に採用できるが、単4型や単2型など、寸法の異なるバッテリ33を採用することもできる。バッテリ33の接続個数は、発光ダイオード31の作動電圧などに応じて適宜に設定できる。
【0028】
光センサー34としては、CdSセル、フォトダイオード、フォトトランジスタなど、外光を検出可能な周知の構成の光センサー34を採用できる。本実施の形態では、光センサー34として、CdSセルからなるものを蓋体22の外面側に設けたが、上部横棒3の上面や側面など、外光を検出可能な任意の位置に設けることもできる。
【0029】
発光ダイオード31としては、周知の構成のものを採用できる。太陽電池パネル32としては、結晶シリコン系やアモルファスシリコン系などの周知の構成の太陽電池からなるものを採用できる。太陽電池パネル32として、非晶質シリコン太陽電池を用いる場合には、太陽電池パネル32の底面側に断熱材や蓄熱材を配置させて、太陽電池パネル32の温度上昇を促進して、光劣化による発電効率の低下を防止するように構成することもできる。
【0030】
制御手段35では、太陽電池パネル32で発電した電力をバッテリ33で充電するように制御し、光センサー34からの検出信号に基づいて、日没や雨天により外光が設定値以下になったときに、バッテリ33に充填した電気で、発光ダイオード31を点灯或いは点滅させるとともに、日の出などにより外光が設定値を超えたときに、発光ダイオード31を消灯するように、発光ダイオード31への通電を制御する。発光ダイオード31の発光形態は任意に設定でき、例えば全ての発光ダイオード31を連続点灯させることも可能であるし、上部横棒3の一端から他端へ光が順番に流れるように、発光ダイオード31を順番に点灯させてもよいし、全ての発光ダイオード31を点滅させてもよい。また、人などの移動物体を検出するセンサーを設けて、バリケード1に対して人が接近したときには、点灯状態から点滅状態などに発光形態を切換えたり、点滅速度を早く設定したりして、バリケード1に接近した人の注意を喚起するように構成してもよい。
【0031】
このバリケード1では、上部横棒3として、棒状木材20の縦溝25に発光ユニット21を組み付けた発光木材を用いているので、棒状木材20が腐朽した場合でも、発光ユニット21を該棒状木材20から取り外し、これを新しい棒状木材20に組み付けてリサイクルできるので、発光ユニット21を構成する、太陽電池パネル32や発光ダイオード31や制御手段35やバッテリ33を有効活用して、資源の無駄な消費を極力少なくできる。また、上部横棒3を構成する棒状木材20、下部横棒4、左右の脚部材2が、視覚的に温もりや和みを感じさせる木材で構成され、しかも発光ダイオード31からの光が、棒状木材20に形成した導孔26を通じて外部へ誘導される間に、導孔26の内面で反射して、ソフトな光に調整されるので、町並みに対して違和感のある工事現場周辺の雰囲気などをバリケード1で和らげることができる。更に、太陽電池パネル32で発電してバッテリ33に蓄電した電気を利用して発光ダイオード31を発光させるので、発光ダイオード31への給電設備を別途用意する必要がなく、電源設備のない設置場所に対しても、このバリケード1をそのまま設置することができる。
【0032】
次に、発光木材からなる下部横棒の構成を部分的に変更した他の実施の形態について説明する。なお、前記実施の形態と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
(1)導孔26として、水平面に対する傾斜角度の異なる複数種類の導孔を形成した棒状木材を用いることも好ましい実施の形態である。具体的には図8(a)に示す上部横棒3Aのように、棒状木材20に代えて、斜め上側へ向けて傾斜する導孔26Aと、略水平な導孔26を形成した棒状木材20Aを用い、背の高い人と背の低い人の双方が、発光ダイオード31からの光を容易に目視できるように構成することが好ましい実施の形態である。なお、導孔26A、26のそれぞれに対面させて発光ダイオード31を配置させることもできる。
【0033】
(2)図8(b)に示す上部横棒3Bのように、棒状木材20のストレート状の導孔26に代えて、略L字状の導孔26Bを形成した棒状木材20Bを用いることもできる。この場合には、発光ダイオード31からの光の全てを、導孔26Bの内面で反射した柔らかな印象を与える間接光で構成することができる。
【0034】
(3)図9、図10に示す上部横棒50のように、上部横棒3に代えて、ヒンジ部材51を介して直列状に連設される複数本の上部横棒3Cを設け、棒状部材20に代えて、隣接して配置される上部横棒3Cの端部に上下方向のスリット52を形成した棒状部材20Cを設け、棒状部材20Cのスリット52にヒンジ部材51のヒンジ板53を装着してボルト54及びナット55でヒンジ部材51を棒状部材20Cに固定し、上部横棒50の使用時には、上部横棒3Cを長尺な棒状に展開させ、輸送時や保管時には、上部横棒3Cをコンパクトに折り畳めるように構成することもできる。ヒンジ部材51としては、ステンレス板などからなる金属製のヒンジ構成板56を複数枚積層して連結ピン57で連結した1対のヒンジ板53を用い、ヒンジ板53の1枚毎のヒンジ構成板56に枢支部56aを突出形成して、両ヒンジ板53の枢支部56aを嵌合させてヒンジピン58で一体的に連結したものを好適に採用できる。このようなヒンジ部材51を用いることで、ヒンジ部材51の耐久性及び強度剛性を十分に確保することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、バリケード1の上部横棒3に、本発明の発光木材を適用した場合について説明したが、バリケード1の下部横棒4に対しても、上部横棒3と同様に発光木材を適用できる。また、バリケード1以外の構造物、例えば、図11に示すようなウッドデッキ60における手摺61を発光木材からなる上部横棒3で構成することも可能である。更に、本発明の発光木材は、工事現場における柵やバリケードの横棒以外に、意匠性を重視する一般住宅やログハウスの手摺や柵、車道や歩道の路側に設置される縁石に適用することも可能である。ただし、手摺などに使用する場合には、光を必要とする側だけが発光するように、発光ユニット21の片側にのみ発光ダイオード31を配置させ、それに対面させて導孔26を形成することも可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 バリケード 2 脚部材
3 上部横棒 4 下部横棒
10 脚本体 11 上部連結板
12 下部連結板 13 上部支持孔
14 下部支持孔
20 棒状木材 21 発光ユニット
22 蓋体 23 テーパ溝
24 楔部材 25 縦溝
26 導孔 27 排水孔
30 ケーシング 31 発光ダイオード
32 太陽電池パネル 33 バッテリ
34 光センサー 35 制御手段
36 ケース本体 37 蓋部材
38 取付孔
40 テーパ溝 41 割れ防止溝
42 楔部材
3A 上部横棒 20A 棒状木材
26A 導孔
3B 上部横棒 20B 棒状木材
26B 導孔
3C 上部横棒 20C 棒状部材
50 上部横棒 51 ヒンジ部材
52 スリット 53 ヒンジ板
54 ボルト 55 ナット
56 ヒンジ構成板 56a 枢支部
57 連結ピン 58 ヒンジピン
60 ウッドデッキ 61 手摺


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部に長さ方向に沿って延びる縦溝を形成するとともに、内端部が縦溝に開口する複数の導孔を長さ方向に間隔をあけて形成した棒状木材と、
前記縦溝に着脱自在に内嵌するケーシングと、前記導孔の内端部に対面するように、前記ケーシングに取り付けた複数の発光ダイオードとを有する発光ユニットと、
を備え、前記導孔を通じて発光ダイオードからの光を外部へ導出する、
ことを特徴とする発光木材。
【請求項2】
前記導孔を棒状木材の周方向に複数形成した請求項1記載の発光木材。
【請求項3】
前記発光ユニットに、前記発光ダイオードへの給電手段として、前記ケーシングの上面に配置される太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルからの電力を蓄電する蓄電池と、前記発光ダイオードへの給電回路とを備えさせた請求項1又は2記載の発光木材。
【請求項4】
前記発光ダイオードの先端部と導孔の開口部間の長さを5mm〜40mmに設定した請求項1〜3のいずれか1項記載の発光木材。
【請求項5】
間隔をあけて配置した脚部材と、両脚部材の上部間に架設した横棒とを有する木製のバリケードであって、
前記横棒として、前記請求項1〜4のいずれか1項記載の発光木材を用いた、
ことを特徴とするバリケード。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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