説明

発光素子パッケージ及びその製造方法

【課題】本発明は発光素子パッケージに関する。
【解決手段】本発明によると、少なくとも一面に回路パターンが形成され、開口部を有する基板と、上記開口部の少なくとも一部を充填するように形成される波長変換層と、上記波長変換層の一面に配置され、上記回路パターンと電気的に連結される少なくとも1つの発光素子とを含む発光素子パッケージを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板の開口部に波長変換層を形成し、光均一度が改善した発光素子パッケージ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、発光ダイオード(Light Emiting Diode:LED)のような発光素子の輝度が次第に増加し、ディスプレイ用光源、照明/自動車光源として用いられており、蛍光物質を利用したり、色を組み合わせることで、効率の良い白色光の具現も可能である。このような目的でLEDを応用するためには、素子の動作電圧が低く、発光効率と輝度が高くなければならない。
【0003】
白色発光ダイオードを具現する最も一般的な方法は、青色発光ダイオードに黄色蛍光体を利用して波長変換を図り、青色光と黄色光を組み合わせて白色光源を具現することである。しかし、このような方法における蛍光体層の波長変換効率は、白色光の具現に大きな影響を与える。
【0004】
一般的な蛍光体層を利用する白色発光ダイオードの構造は、パッケージを成して製作され、導電性金属からなるリードフレーム(Lead Frame)構造物に、接合樹脂を利用してLEDをダイボンディングし、LEDの上側をシリコーン、エポキシなどの複合樹脂からなる充填材でモールディングするものである。このとき、白色を具現するために蛍光体粉末をモールディング用充填材に混合し、LEDが接合されたリードフレームパッケージにモールディングする。
【0005】
このような白色発光ダイオードパッケージは、青色LEDから放射された一部の青色光は透過し、残りの光は充填材に含まれた蛍光体と衝突し蛍光体を励起(excitation)して黄色光を放射し、青色と黄色の光は混合されて白色光を出す。このような構造には、光がパッケージの外部表面に到逹する時経路差が生じ、均一な光が得られないという短所があり、充填材内に含まれた蛍光体の不均一に因り色再現性が低下することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板の開口部に波長変換層を形成し、光均一度が改善された発光素子パッケージ及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、少なくとも一面に回路パターンが形成され、開口部を有する基板と、上記開口部の少なくとも一部を充填するように形成される波長変換層と、上記波長変換層の一面に配置され、上記回路パターンと電気的に連結される少なくとも1つの発光素子とを提供する。
【0008】
本発明の一実施例における上記発光素子は、上記基板の回路パターンが形成された面と同側に配置されることができる。
【0009】
本発明の一実施例において、上記基板と上記波長変換層の表面のうち少なくとも1つは共面を成すことができる。
【0010】
この場合、上記基板と上記波長変換層は同じ厚さを有することができる。
【0011】
本発明の一実施例における上記波長変換層は、上記開口部の全体を充填するように形成され、上記波長変換層の厚さ及び形状は上記開口部により定義されることができる。
【0012】
本発明の一実施例における上記波長変換層は蛍光体粒子を含む透光性材料からなることができる。
【0013】
本発明の一実施例において、上記発光素子と直接接触するように配置されたヒートシンクをさらに含むことができる。
【0014】
本発明の一実施例において、上記基板の回路パターンに付着されたバンプをさらに含むことができる。
【0015】
本発明の一実施例における上記開口部の大きさは上記発光素子の大きさより大きいか、または同じであることができる。
【0016】
本発明の一実施例における上記開口部の内側の少なくとも一部は傾斜面であることができる。
【0017】
本発明の一実施例における上記発光素子の少なくとも一部は上記開口部内に配置されることができる。
【0018】
本発明の一実施例における上記基板は印刷回路基板であることができる。
【0019】
本発明の一実施例において、上記基板に形成された回路パターンと上記発光素子はワイヤボンディングされることができる。
【0020】
この場合、上記ワイヤは高反射性の白色樹脂で封止されることができる。
【0021】
本発明の一実施例において、上記発光素子は複数個であり、上記複数の発光素子のそれぞれは上記回路パターンから独立的に電気信号の印加を受けることができる。
【0022】
本発明の一実施例において、上記波長変換層上に形成された透光性レンズをさらに含むことができる。
【0023】
この場合、上記透光性レンズは上記波長変換層の表面を完全に覆うことができる。
【0024】
また、上記透光性レンズの表面に凹凸が形成されることができる。
【0025】
本発明の一実施例において、上記発光素子は複数個であり、上記基板の開口部に形成された波長変換層の一面に上記複数個の発光素子が配置されることができる。
【0026】
本発明の他の側面は、少なくとも一面に回路パターンが形成され、開口部を有する基板を設ける段階と、上記開口部内に波長変換層を充填する段階と、上記基板の回路パターンが形成された面と同側の波長変換層の一面に発光素子を配置する段階と、上記発光素子と上記基板の回路パターンを電気的に連結する段階とを含む発光素子パッケージの製造方法を提供する。
【0027】
本発明の一実施例における上記発光素子と上記基板の回路パターンを電気的に連結する段階は、上記発光素子と上記基板の回路パターンをワイヤボンディングするものであることができる。
【0028】
本発明の一実施例において、上記ワイヤを高反射性の白色樹脂で封止する段階をさらに含むことができる。
【0029】
本発明の一実施例において、上記発光素子と直接接触するように上記発光素子の上面にヒートシンクを配置する段階をさらに含むことができる。
【0030】
本発明の一実施例において、上記波長変換層の上面に透光性レンズを配置する段階をさらに含むことができる。
【0031】
本発明の一実施例において、上記基板の回路パターン上に外部から電気信号の印加を受けるためのバンプを付着する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明による発光素子パッケージ及びその製造方法は、波長変換層が基板の開口部の少なくとも一部を充填するように形成されるため、波長変換層の厚さ及び位置の制御が容易で、波長変換された光の散布が改善され、光均一度が向上して色むらが減少する効果が得られる。
【0033】
また、ワイヤは通常の透明なエポキシまたはシリコーン高分子により封止さるが、本発明は機械的物性に優れた材料により封止されるため、ワイヤの接合信頼性が向上することができる。
【0034】
また、基板の下部に複数の電極を配置して電気信号を伝達するため、単一パッケージ内に複数個のチップが配列された場合、それぞれ独立的に電気信号を制御することができ、多様な光演出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態による発光素子パッケージの断面を概略的に示した図面である。
【図2】本発明の第1実施形態による発光素子パッケージを下部及び上部からみた図面である。
【図3】本発明の第2実施形態による発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。
【図4】本発明の第3実施形態による発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。
【図5】本発明の第4実施形態による半導体発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。
【図6】本発明の第5実施形態による発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。
【図7】本実施形態による発光素子パッケージを上部及び下部からみた概略的な図面である。
【図8】本発明の一実施形態による発光素子パッケージの製造方法を示すための図面である。
【図9】本発明の一実施形態による発光素子パッケージの製造方法を示すための図面である。
【図10】本発明の一実施形態による発光素子パッケージの製造方法を示すための図面である。
【図11】本発明の一実施形態による発光素子パッケージの製造方法を示すための図面である。
【図12】本発明の一実施形態による発光素子パッケージの製造方法を示すための図面である。
【図13】本発明の一実施形態による発光素子パッケージの製造方法を示すための図面である。
【図14】本発明の一実施形態による発光素子パッケージの製造方法を示すための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0037】
しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさなどは明確な説明のために誇張されることがあり、図面上に同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0038】
図1は本発明の第1実施形態による発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。また、図2は本発明の第1実施形態による発光素子パッケージを下部及び上部からみた図面である。図1を参照すると、本発明の第1実施形態による発光素子パッケージ100は開口部10aを含む基板10、上記開口部10aの少なくとも一部を充填するように形成される波長変換層30、上記波長変換層30の一面上に配置された発光素子20を含む。上記発光素子20の一面には放熱のためのヒートシンク40をさらに配置することができ、上記発光素子20は上記基板10に形成されたボンディングパッド12とワイヤWボンディングされることができる。また、上記ワイヤWは高反射性の白色樹脂で封止されることができ、上記基板10に形成されたバンプパッド13はバンプ11により外部電源と電気的に連結されることができる。上記波長変換層30の上面には指向角を調節するための透光性レンズ50をさらに含むことができる。
【0039】
本実施形態で具体的に図示しなかったが、上記発光素子20は第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む構造からなることができる。上記第1及び第2導電型半導体層はn型及びp型半導体層であることができ、窒化物半導体からなることができる。上記第1及び第2導電型半導体層はAlInGa(1−x−y)N組成式(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1である)を有することができ、例えば、GaN、AlGaN、InGaNなどの物質がこれに該当する。第1及び第2導電型半導体層の間に形成される活性層は、電子と正孔の再結合により所定のエネルギーを有する光を放出し、量子井戸層と量子障壁層が交互に積層された多重量子井戸(MQW)構造からなることができる。多重量子井戸構造には、例えば、InGaN/GaN構造を用いることができる。
【0040】
上記基板10の開口部10aの少なくとも一部を充填するように形成された波長変換層30は、上記発光素子20の活性層から放出された光の波長を変換させる波長変換用蛍光体粒子を含むことができる。上記蛍光体は黄色(yellow)、赤色(red)及び緑色(green)のうち何れか1つに波長を変換させる蛍光体からなるか、または複数の蛍光体が混合して複数の波長に変換させることができる。上記蛍光体の種類は上記発光素子20の活性層から放出される波長により決まることができる。具体的には、上記波長変換層30はYAG系、TAG系、Silicate系、Sulfide系またはNitride系のうち少なくとも1種以上の蛍光物質を含むことができる。例えば、青色発光LEDチップに黄色に波長変換させる蛍光体を適用すると、白色発光半導体発光素子を得ることができる。
【0041】
上記波長変換層30はシリコーン、エポキシなどの透明樹脂に上記蛍光体及び無機充填剤が混合されて形成されることができる。無機充填剤は波長変換層の工程方法により適する粘度を確保するための手段であり、通常、Al、SiOなどの数〜数百ナノメートルの大きさが適切である。また、上記波長変換層30内に光透過性に優れた有機系・無機系スペーサーを追加することで、上記波長変換層30の厚さを一定に維持させて光散布を改善することができる。上記波長変換層30は上記基板10の下部にキャリアテープ(carrier tape)を付着した後、ディスペンシング(dispecing)、プリンティング(printing)、MOCVD(metal organic chemical vapor deposition)、ALD(atomic layer deposition)、RF−sputter、e−beam evaporator、thermal evaporatorなど従来の公知の方法を利用して上記基板10の開口部10aの少なくとも一部を充填するように形成されることができる。
【0042】
図1に示したように、上記波長変換層30は上記基板10の開口部10a内に上記基板10と同じ厚さで形成され、上記基板10の表面と共面(coplanar)を成すことができる。即ち、蛍光体粒子を含む波長変換層30は基板10の開口部10a内に形成されるため、その厚さ及び位置の制御が容易である。従って、発光素子20の光放出面において上記波長変換層30は均一な厚さを有するように形成されることができるため、上記波長変換層30で波長変換された光の散布が改善され、これにより、光均一度が向上して色むらが減少する効果が得られる。
【0043】
上記発光素子20は上記波長変換層30の上面に接着されて形成されることができ、上記波長変換層30の接着面が主な光放出面として提供されることができる。従って、上記発光素子20の活性層から放出された光は、上記基板10の開口部10a内に形成された波長変換層30により波長変換された光を放出することができる。上記発光素子20の上記波長変換層30と接触する面の面積は、上記発光素子20から放出される光が全て波長変換層30を通過するように、上記波長変換層30の面積より小さいか、または同一であることができる。
【0044】
上記波長変換層30の一面上に配置された発光素子20の上面にはヒートシンク40をさらに含むことができる。具体的には、上記ヒートシンク40は光放出面として提供されない、上記波長変換層30が形成された面と対向する面に形成されることができる。上記ヒートシンク40は上記発光素子20と直接接触し、上記発光素子20から放出される熱を吸収して外部に放出するためのものである。従って、上記ヒートシンク40は熱伝導率に優れた材質である銅、アルミニウム、ステンレスで製作されることができ、表面積を最大化して放熱機能を高めることで、上記発光素子20の劣化を防止し、信頼性が改善される効果が得られる。
【0045】
上記基板10はPCB(印刷回路基板)であることができ、エポキシ、トリアジン、シリコーン、ポリイミドなどを含む有機樹脂素材及びその他有機樹脂素材で形成されたり、AlN、Alなどのセラミック素材、または金属及び金属化合物を素材として形成されることができ、具体的には、メタルPCBの一種であるMCPCBであることができる。上記基板10の一面には電気配線のための回路パターンが形成されることができ、図1に示したように、発光素子20と電気的に連結されるボンディングパッド12及びバンプ11と連結されて外部から電気的信号の供給を受けるバンプパッド13を含むことができる。
【0046】
このとき、上記発光素子20の第1及び第2導電型半導体層に形成された電極と上記ボンディングパッド12はワイヤWボンディングされることができ、上記ワイヤWは高反射性の白色樹脂で封止されることができる。上記ワイヤWを封止する封止部60は上記発光素子20とワイヤWを保護し、高反射性の白色樹脂からなるため、上発光素子20の側面から放出される光を反射させて上部に誘導し発光効率を増加させることができる。また、上記発光素子20のワイヤボンディング形成面に反射層を含むため、ワイヤボンディング形成面が光放出面として提供されない場合、上記ワイヤWを封止する封止部60は必ずしも白色である必要はなく、機械的物性に優れた材料からなる有色封止材を適用することもできる。
【0047】
上記波長変換層30を含む基板10の上部に形成されたレンズ50は上記発光素子20上に形成された波長変換層30を完全にカバーして発光素子20及び波長変換層30を保護するだけでなく、半球状であるため、境界面でのフレネル反射を減らし、光取り出しを増加させる役割をすることができる。このとき、上記レンズは樹脂からなることができ、上記樹脂はエポキシ、シリコーン、変形シリコーン、ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、アクリル、ポリカーボネート及びポリイミドのうち何れか1つを含むことができる。また、上記レンズの上面に凹凸を形成して光取り出し効率を高め、放出される光の方向を調節することができる。上記波長変換層30及びレンズ50の形状は、必要に応じて多様に変形されることができる。
【0048】
図2は本発明の第1実施形態による発光素子パッケージの底面図及び平面図である。図2の(a)は図1に示した発光素子パッケージを下部からみた概路図であり、図2の(b)は上部からみた概路図である。図2の(a)を参照すると、上記発光素子パッケージ100の底面には熱伝導性に優れた物質からなるヒートシンク40が配置され、発光素子20から発生した熱を効果的に外部に放出することができる。上記ヒートシンク40は外部との接触面積を最大化するように広い面積を有するように形成されることができ、発光素子パッケージ実装用基板(不図示)に実装時、バンプ11及びヒートシンク40が全ての実装用基板に接触することで放熱効率を改善することができる。図2の(b)を参照すると、本実施形態による発光素子パッケージの上部面からは発光素子20の上面に形成された波長変換層30が配置され、上記波長変換層30から波長変換された光の指向角を調節するための光透過性レンズ50が配置されることができる。
【0049】
図3は第2実施形態による発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。図3を参照すると、第1実施形態とは異なって、上記基板10に形成された開口部10a'の内側面の少なくとも一部は傾斜面を含むことができ、上記傾斜した開口部10a'の少なくとも一部を充填するように波長変換層31が形成されることができる。第1実施形態と同様の構成に対しては同じ符号を使用し、以下では異なる構成に対してのみ説明する。上記基板10の開口部10a'の内側が傾斜面を含むことにより、上記基板10の開口部10a'内に形成された波長変換層31から放出された光が上記開口部10a'の傾斜面で反射されて上部に誘導されるため、外部光取り出し効率が向上することができる。また、開口部10a'が傾斜した面を有することで、上記波長変換層31と基板10との接触面積が増加するため、上記波長変換層31と基板10との結合が堅固になり、発光素子パッケージ101の信頼性を改善することができる。
【0050】
図4は本発明の第3実施形態による発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。本実施形態によると、上記発光素子パッケージ102を構成する基板10の開口部10a''は図3に示した第2実施形態による発光素子パッケージ101と同様に、その内側面が傾斜した形態である。但し、発光素子20が上記基板10の開口部10a''の外部に配置されず、上記開口部10a''内に配置されるという点で構造的に差がある。本実施形態では上記発光素子20の全体が上記基板10の開口部10a''内に配置されるが、本実施形態とは異なって、上記発光素子20の一部のみが開口部10a''内に配置されることもできる。本実施形態の場合、上記発光素子20が上記波長変換層32の内部に埋め込まれるため、発光素子20と波長変換層32との接触面積が増加して機械的信頼性が向上することができ、発光素子20が波長変換層32の内部に埋め込まれることで、パッケージの厚さを減少させることができる。また、発光素子20の発光面が波長変換層32に完全に埋め込まれた場合は、封止部60は有色の材料を適用することができる。
【0051】
図4を参照すると、上記レンズ51の一部表面に凹凸が形成されることができる。本実施形態では上記レンズ51の表面に凹状の凹凸が形成されたが、指向角によって表面が凹部または凸部を有するように形成されることができ、複数の凹部及び凸部を含む凹凸構造を有するように形成され、光指向角を調節する上、外部との界面で光取り出し効率を増加させることができる。
【0052】
図5は本発明の第4実施形態による半導体発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。本実施形態による半導体発光素子パッケージ103は開口部10a'''を含む基板10、上記基板10の開口部10a'''に形成された波長変換層33及び上記波長変換層33上に配置された発光素子20を含む。第1から第3実施形態とは異なって、上記波長変換層33の上面にレンズ51及び上記発光素子20上に形成されるヒートシンクを含まないこともできる。本実施形態によると、上記発光素子20は基板10に形成されたボンディングパッド12とワイヤボンディングされ、上記基板10上に形成された回路パターンと電気的に連結されたバンプパッド13に形成されたバンプ11は発光素子パッケージ実装用基板70に形成された回路パターン70a、70bと接続して外部電源から電気信号の印加を受けることができる。上記発光素子パッケージ実装用基板70と上記発光素子20が配置された基板10の間の空間はエポキシ樹脂などからなる封止材で充填し、封止部61を構成することができる。上記封止部61は上記発光素子20とワイヤWを外部から保護し、発光素子パッケージ103をより堅固に構成させ、パッケージの信頼性を向上させることができる。
【0053】
図6は本発明の第5実施形態による発光素子パッケージの断面を概略的に示す図面である。また、図7は本実施形態による発光素子パッケージを上部及び下部からみた概略的な図面である。図6を参照すると、本実施形態による発光素子パッケージ200は第1から第4実施形態とは異なって、上記波長変換層130上に複数の発光素子120を配置してマルチチップ発光素子パッケージを製造することができる。図6を参照すると、上記基板110は開口部110aを含み、上記開口部110aの少なくとも一部を充填するように波長変換層130が形成されることができる。上記波長変換層130上には複数個の発光素子120が配置されることができ、上記複数の発光素子の上面に放熱のためのヒートシンク140が配置されることができる。
【0054】
図7の(a)を参照すると、上記基板110の一面には上記複数の発光素子120が共有できるようにそれぞれの発光素子120の間にボンディングパッド112が形成されることができ、上記発光素子120は上記ボンディングパッド112とワイヤボンディングされることができる。また、ボンディングパッド112は各発光素子120毎に独立的に配置され、各発光素子120に電気信号を独立的に印加することもできる。具体的には、上記複数の発光素子120に対し、1つのヒートシンク140が配置されることができ、上記ヒートシンク140を中心に外郭に沿ってボンディングパッド112を配置することができる。但し、これは電気的配線のための一実施形態に過ぎず、電気配線及び電極パッドの位置は必要に応じて多様に変更されることができる。
【0055】
図8から図14は本発明の一実施形態による発光素子パッケージの製造方法を示すための図面である。具体的には、図1に示した発光素子パッケージ100を製造するための工程別断面図である。図8を参照すると、キャリアフィルム80上に、少なくとも一面に回路パターンが形成された基板10を配置する。上記基板10は基板を貫通する形態の開口部10aを含み、上記回路パターンはボンディングパッド12とバンプパッド13を含むことができる。また、図8に示したように、上記回路パターンは上記基板10の一面に埋め込まれる形態で形成されることができ、これとは異なって、上記基板10の上面に回路パターンが突出した形態で形成されることができる。
【0056】
次に、図9に示したように、上記基板10の開口部10aを充填する形態で波長変換層30を形成する。本実施形態における上記波長変換層30は上記基板10の開口部10aを完全に充填することで、上記基板10の表面と共面(coplanar)を成す形態で示したが、上記開口部10aの一部のみを充填するように形成されることもできる。上記基板10はキャリアフィルム80上に配置され、キャリアフィルム80が配置された状態で上記基板10の開口部10a内に波長変換層30を充填するため、上記基板10とキャリアフィルム80が接触する面と、上記波長変換層30が上記キャリアフィルム80と接触する面の高さは等しくなる。また、開口部10aの大きさ及び位置に従って所望する位置に所望する厚さで波長変換層30を形成することができ、色散布が改善された発光素子パッケージを提供することができる。
【0057】
次に、図10に示したように、上記波長変換層30の一面に発光素子20を配置することができる。上記発光素子20は上記基板10の回路パターン形成面と同じ方向に配置されることができ、上記発光素子20から放出された光は上記波長変換層30により波長変換されて外部に放出されることができる。上述のように、本実施形態では上記波長変換層30が上記基板10の開口部10aを完全に充填するように形成され、上記基板10の上面に発光素子20が配置される構造で示したが、上記発光素子20は上記開口部10a内に配置されることもできる。具体的には、上記波長変換層30が上記基板の開口部10aの一部のみを充填するように形成され、上記開口部10a内に発光素子20の全部または一部が配置されることで、上記発光素子20の一部または全部が上記波長変換層30に埋め込まれる形態で構成されることができる。
【0058】
次に、図11に示したように、上記基板10に形成された回路パターンと上記発光素子20が電気的に連結されることができる。上記回路パターンは、上述のようにボンディングパッド12とバンプパッド13を含むことができ、上記基板10に形成されたボンディングパッド12と発光素子20に形成された電極(不図示)がワイヤWボンディングされることができる。上記発光素子20は、基板10とワイヤボンディングされて外部から電気信号の供給を受けることができる。しかし、上記発光素子20と上記基板10を電気的に連結する方法はこれに制限されず、必要に応じて、公知の方法を利用して電気的に連結することができる。
【0059】
次に、図12に示したように、上記ワイヤWを樹脂で封止することができる。上記ワイヤWを封止する封止部60は上記発光素子20とワイヤWを保護し、高反射性白色樹脂からなることができる。上記封止部60が高反射性白色樹脂からなる場合、発光素子20の側面から放出される光を反射させて上部に誘導し、発光効率を増加させることができる。また、上記発光素子20のワイヤボンディング形成面に反射層を含むことで、ワイヤボンディング形成面が光放出面として提供されない場合、上記ワイヤWを封止する封止部60は必ずしも白色である必要はなく、機械的物性に優れた材料からなる有色封止材を適用することもできる。
【0060】
次に、図13を参照すると、キャリアフィルム80を除去し、上記キャリアフィルム80が除去された面に透光性レンズ50を配置することができる。上記透光性レンズ50は上記発光素子20上に形成された波長変換層30を完全にカバーして発光素子20及び波長変換層30を保護し、半球形状であるため、境界面でのフレネル反射を減らし、光取り出しを増加させる役割をすることができる。このとき、上記透光性レンズ50は樹脂からなることができ、上記樹脂はエポキシ、シリコーン、変形シリコーン、ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、アクリル、ポリカーボネート及びポリイミドのうち何れか1つを含むことができる。本実施形態における上記透光性レンズ50は半球状で示したが、上記透光性レンズ50の形状は必要に応じて多様に変形されることができる。
【0061】
次に、図14に示したように、上記発光素子20と直接接触するようにヒートシンク40を配置し、上記基板10の回路パターンに形成されたバンプパッド13にバンプ11を形成することができる。上記ヒートシンク40は熱伝導度の大きい物質からなり、上記発光素子20の一面と直接接触することで、上記発光素子20から発生された熱を容易に外部に放出することができるため、発光素子20の劣化を防止する。また、上記基板10の回路パターンに形成されたバンプパッド13にはバンプ11が付着され、本実施形態による発光素子パッケージが実装される基板に形成された配線回路と直接連結されて外部から電気信号の供給を受けることができる。また、上記ヒートシンク40も上記バンプ11と同じ高さを有するように形成されて上記発光素子パッケージが実装される基板と直接接触し、放熱機能を向上させることができる。
【0062】
本発明は上述した実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の請求の範囲により限定される。従って、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形及び変更が可能で、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0063】
100、101、102、103、200 発光素子パッケージ
10 基板
10a、10a'、10a''、10a'''、110a 開口部
11、111 バンプ
12、112 ボンディングパッド
13、113 バンプパッド
20、120 発光素子
30、31、32、33、130 波長変換層
40、140 ヒートシンク
50、51 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一面に回路パターンが形成され、開口部を有する基板と、
前記開口部の少なくとも一部を充填するように形成される波長変換層と、
前記波長変換層の一面に配置され、前記回路パターンと電気的に連結される少なくとも1つの発光素子と
を含む発光素子パッケージ。
【請求項2】
前記発光素子は、前記基板の回路パターンが形成された面と同側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の発光素子パッケージ。
【請求項3】
前記基板と前記波長変換層の表面のうち少なくとも1つは、共面を成すことを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子パッケージ。
【請求項4】
前記基板と前記波長変換層は、同じ厚さを有することを特徴とする請求項3に記載の発光素子パッケージ。
【請求項5】
前記波長変換層は前記開口部の全体を充填するように形成され、前記波長変換層の厚さ及び形状は前記開口部により定義されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項6】
前記波長変換層は、蛍光体粒子を含む透光性材料からなることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項7】
前記発光素子と直接接触するように配置されたヒートシンクをさらに含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項8】
前記基板の回路パターンに付着されたバンプをさらに含むことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項9】
前記開口部の大きさは前記発光素子の大きさより大きいか、または同じであることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項10】
前記開口部の内側の少なくとも一部は傾斜面であることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項11】
前記発光素子の少なくとも一部は前記開口部内に配置されることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項12】
前記基板は、印刷回路基板であることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項13】
前記基板に形成された回路パターンと前記発光素子は、ワイヤボンディングされることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項14】
前記ワイヤは、高反射性の白色樹脂で封止されることを特徴とする請求項13に記載の発光素子パッケージ。
【請求項15】
前記発光素子は複数個であり、前記複数の発光素子のそれぞれは前記回路パターンから独立的に電気信号の印加を受けることを特徴とする請求項1から14の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項16】
前記波長変換層上に形成された透光性レンズをさらに含むことを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項17】
前記透光性レンズは、前記波長変換層の表面を完全に覆うことを特徴とする請求項16に記載の発光素子パッケージ。
【請求項18】
前記透光性レンズの表面に凹凸が形成されることを特徴とする請求項16または17に記載の発光素子パッケージ。
【請求項19】
前記発光素子は複数個であり、前記基板の開口部に形成された波長変換層の一面に前記複数個の発光素子が配置されることを特徴とする請求項1から18の何れか1項に記載の半導体発光素子パッケージ。
【請求項20】
少なくとも一面に回路パターンが形成され、開口部を有する基板を設ける段階と、
前記開口部内に波長変換層を充填する段階と、
前記基板の回路パターンが形成された面と同側の波長変換層の一面に発光素子を配置する段階と、
前記発光素子と前記基板の回路パターンを電気的に連結する段階と
を含む発光素子パッケージの製造方法。
【請求項21】
前記発光素子と前記基板の回路パターンを電気的に連結する段階は、前記発光素子と前記基板の回路パターンをワイヤボンディングすることを特徴とする請求項20に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項22】
前記ワイヤを高反射性の白色樹脂で封止する段階をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項23】
前記発光素子と直接接触するように前記発光素子の上面にヒートシンクを配置する段階をさらに含むことを特徴とする請求項20から22の何れか1項に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項24】
前記波長変換層の上面に透光性レンズを配置する段階をさらに含むことを特徴とする請求項20から23の何れか1項に記載の発光素子パッケージの製造方法。
【請求項25】
前記基板の回路パターン上に外部から電気信号の印加を受けるためのバンプを付着する段階をさらに含むことを特徴とする請求項20から24の何れか1項に記載の発光素子パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−124485(P2012−124485A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266016(P2011−266016)
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【出願人】(511292806)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (10)
【Fターム(参考)】