発光表示装置と発光表示装置の駆動方法および信号駆動装置
【課題】 一つの画素駆動部に複数の発光素子を共通に連結して,配線および素子の数を減少させることにより,開口率および収率を向上させ,設計時のパネル空間を有効活用する。
【解決手段】 本発明における表示部の各画素は,1本のデータ線D[m]と,2本の選択走査線S[n],S[n−1]と,第1および第2発光制御信号を伝達する第1および第2発光制御線E1[n],E2[n]とに連結され,第1および第2発光素子を有する。かかる構成により,配線および素子の数を減少させ,されには,画素駆動部を安定に初期化し,複数の光素子を順次発光し得るようにすることができる。
【解決手段】 本発明における表示部の各画素は,1本のデータ線D[m]と,2本の選択走査線S[n],S[n−1]と,第1および第2発光制御信号を伝達する第1および第2発光制御線E1[n],E2[n]とに連結され,第1および第2発光素子を有する。かかる構成により,配線および素子の数を減少させ,されには,画素駆動部を安定に初期化し,複数の光素子を順次発光し得るようにすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,発光表示装置に係り,特に有機物質の電界発光を用いる有機発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に,発光表示装置は,有機物質の電界発光を用いる表示装置であって,行列状に配列されたN×M個の有機発光セルを電圧駆動若しくは電流駆動して,映像を表現する。
【0003】
かかる有機発光セルは,ダイオード特性を有するため有機発光ダイオード(Organic
Light Emission Diode;OLED)とも呼ばれるもので,アノード(ITO),有機薄膜,カソード電極層(金属)の構造を持っている。この有機薄膜は,電子と正孔の均衡をよくして発光効率を向上させるため,発光層(emitting
layer;EML),電子輸送層(electron transport layer;ETL)および正孔輸送層(hole transport layer;HTL)を含む多層構造となり,さらに別途の電子注入層(electron
injecting layer;EIL)と正孔注入層(hole injecting layer;HIL)を含む。このような有機発光セルがN×M個のマトリックス状に配列されて有機発光表示パネルを形成する。
【0004】
このように構成される有機発光セルを駆動する方式には,パッシブマトリックス(passive
matrix)方式と,薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)またはMOSFETを用いるアクティブマトリックス(active matrix)方式とがある。パッシブマトリックス方式は,陽極と陰極を直交するように形成し,ラインを選択して駆動する方式である。これに対し,アクティブマトリックス方式は,薄膜トランジスタを各ITO(Indium
Tin Oxide)画素電極に連結し,薄膜トランジスタのゲートに連結されたキャパシタ容量により維持された電圧を利用して駆動する方式である。
【0005】
以下,一般的なアクティブ有機発光表示装置の画素回路について説明する。
【0006】
図1は,画素回路としてN×M個の画素のなかで,一つ,つまり第1行と第1列に位置する画素を等価的に示すものである。
【0007】
同図に示すように,一つの画素10は三つの副画素10r,10g,10bからなり,副画素10r,10g,10bにはそれぞれ赤色(R),緑色(G),青色(B)の光を発光する有機発光素子OLEDr,OLEDg,OLEDbが設けられている。上記副画素がストライプ状に配列された構造において,副画素10r,10g,10bはそれぞれ別のデータ線D1r,D1g,D1bと共通走査線S1に連結されている。
【0008】
例えば,赤色の副画素10rは,有機発光素子OLEDrを駆動するための二つのトランジスタM1r,M2rとキャパシタC1rを含む。同様に,緑色の副画素10gは,二つのトランジスタM1g,M2gとキャパシタC1gを含み,青色の副画素10bも二つのトランジスタM1b,M2bとキャパシタC1bを含む。これら副画素10r,10g,10bの動作はみんな同一であるので,以下では一つの副画素10rを例として説明する。
【0009】
ここでは,電源電圧VDDと有機発光素子OLEDrのアノードとの間に駆動トランジスタM1rが連結され,有機発光素子OLEDrのカソードは電源電圧VDDより低い電圧VSSに連結されている。かかるトランジスタM1rは発光のための電流を有機発光素子OLEDrに伝達する。駆動トランジスタM1rの電流量は,スイッチングトランジスタM2rを介して印加されるデータ電圧により制御される。このとき,トランジスタM1rのソースとゲート間にキャパシタC1rが連結されており,印加された電圧を一定期間維持する。トランジスタM2rのゲートにはオン/オフ形態の選択信号を伝達する走査線S1が連結され,ソース側には赤色副画素10rに対応するデータ電圧を伝達するデータ線D1rが連結される。
【0010】
このような画素の動作において,スイッチングトランジスタM2rがゲートに印加される選択信号に応じてターンオンされると,データ線D1rからのデータ電圧VDATAがトランジスタM1rのゲートに印加される。すると,キャパシタC1rによりゲートとソース間に充電された電圧VGSに応じてトランジスタM1rに電流IOLEDが流れ,この電流IOLEDに応じて有機発光素子OLEDrが発光する。この際,有機発光素子OLEDrに流れる電流IOLEDは数式1のようである。
【数1】
【0011】
図1に示す画素回路においては,データ電圧に対応する電流が有機発光素子OLEDrに供給され,供給された電流に対応する輝度で有機発光素子OLEDrが発光する。この際,印加されるデータ電圧は,所定の明暗諧調を表現するため,一定の範囲内で多段階の値を有する。
【0012】
前述したように,有機発光表示装置は,一つの画素10が三つの副画素10r,10g,10bからなり,副画素別に有機発光素子を駆動するための駆動トランジスタ,スイッチングトランジスタ,およびキャパシタが形成される。また,副画素別にデータ信号を伝達するためのデータ線,および電源電圧VDDを伝達するための電源線が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のような有機発光表示装置では,画素を駆動するため,上述したように多くの配線が必要になる。このため,画素領域内にこれらを全部配置することは難しく,画素領域において発光する領域に相当する開口率も減少せざるを得ないといった問題点が生じる。したがって,画素を駆動するための配線および素子の数を減少することが可能な画素回路の開発が要求されている。
【0014】
本発明は,従来の有機発光表示装置が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,一つの画素駆動部に複数の発光素子を共通に連結して,配線および素子の数を減少させることにより,開口率および収率を向上させ,設計時のパネル空間を有効活用することが可能な,新規かつ改良された発光表示装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は,画素駆動部を安定に初期化した後,複数の光素子が順次発光し得るようにする信号を出力する信号駆動装置およびその信号駆動装置を含む発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,画像を表すデータ信号を伝達する複数のデータ線と,選択信号を伝達する複数の選択走査線と,第1および第2発光制御信号を伝達する複数の第1および第2発光制御線とがそれぞれ連結され,第1および第2発光素子をそれぞれ有する複数の画素を含む表示部と;第1フィールドおよび第2フィールドのそれぞれにおいて,第1パルスを有する選択信号を第1期間だけシフトしながら順次出力する選択信号駆動部と;上記第1フィールドおよび上記第2フィールドのそれぞれにおいて,上記選択信号の上記第1パルスから,上記第1パルスより幅が小さい第2パルスを有する第1信号を生成し,上記第1フィールドのうちに,上記第2パルスに対応する第3パルスと,上記第3パルスから所定期間遅延した第4パルスとを有する第1発光制御信号を,第1期間だけシフトしながら順次出力し,上記第2フィールドのうちに,上記第3パルスと,上記第3パルスから所定期間遅延した第5パルスとを有する第2発光制御信号を,上記第1期間だけシフトしながら順次出力する発光制御信号駆動部と;を含むことを特徴とする,発光表示装置が提供される。
【0017】
上記第1フィールドにおいて,上記選択信号の第1パルスが印加される間,上記データ線には上記第1発光素子に対応するデータ信号が伝達され,上記第2フィールドにおいて,上記選択信号の第1パルスが印加される間,上記データ線には上記第2発光素子に対応するデータ信号が伝達されるとしても良い。
【0018】
上記選択信号駆動部は,
第6パルスを有する第2信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第1シフトレジスタと;上記第2信号と,上記第2信号が上記第1期間だけシフトされた信号とが共通に第6パルスである期間に上記第1パルスを有する選択信号を出力する第1回路部と;を含むとしても良い。
【0019】
上記第1回路部は,イネーブル信号をさらに受信し,上記第1パルスは,上記第2信号,上記第2信号が上記第1期間だけシフトされた信号,および,イネーブル信号が共通に第6パルスである期間であるとしても良い。
【0020】
上記発光制御信号駆動部は,上記第1フィールドおよび上記第2フィールドの間に,第7パルスと上記第7パルスに対して反転されたレベルの第8パルスを交互に有する第3信号を上記第1期間だけシフトしながら順次生成して出力する第2シフトレジスタと;上記選択信号の上記第1パルスの一部を分割して上記第1信号の上記第2パルスとして出力する第2回路部と;上記第1信号の第2パルス,上記第3信号,および,上記第3信号が上記第1期間だけシフトされた信号を用いて上記第1および第2発光制御信号を生成して出力する第3回路部と;を含むとしても良い。
【0021】
上記第2回路部は,上記第1期間の2倍に相当する周期を有する第1クロック信号と上記選択信号とが共通に上記第1パルスになる期間に,上記第2パルスを出力するとしても良い。
【0022】
上記第1クロック信号は,上記第2シフトレジスタに入力される第2クロック信号が所定期間シフトした信号であるとしても良い。
【0023】
上記第3回路部は,上記第3信号と,上記第3信号が上記第1期間だけシフトされた信号が,共に第7パルスになる期間に上記4パルスを生成し,上記第4パルスと上記第1フィールドの上記第2パルスとから上記第1発光制御信号を出力し,上記第3信号と,上記第3信号が上記第1期間だけシフトされた信号が,共に第8パルスになる期間に上記第5パルスを生成し,上記第5パルスと上記第2フィールドの上記第3パルスとから上記第2発光制御信号を出力するとしても良い。
【0024】
上記第3信号の第7パルスが印加される期間は上記第1フィールドと同一の期間であるとしても良い。
【0025】
上記第1および第2発光制御信号の第3パルスは,上記選択信号が上記第1期間だけシフトされる前の信号の第1パルスが印加される間に印加されるとしても良い。
【0026】
上記複数の画素のそれぞれは,上記第1選択信号の第1レベルに応じてターンオンされ,上記データ信号を伝達する第1トランジスタと;上記第1トランジスタにより伝達された上記データ信号に対応する電圧を貯蔵する第1キャパシタと;上記第2選択信号の第1レベルに応じて上記第1キャパシタに並列に連結される第2トランジスタと;上記第1キャパシタに貯蔵された電圧に対応する電流を出力する第3トランジスタと;上記第3トランジスタのスレショルド電圧に相当する電圧が貯蔵される第2キャパシタと;上記第2選択信号の第1レベルに応じて上記第3トランジスタをダイオード形態に連結する第4トランジスタと;上記電流に応じて第1および第2色相に発光する第1および第2発光素子と;第1および第2発光制御信号の第2レベルに応じてターンオンされて,上記電流を選択的に上記第1および第2発光素子に伝達する第1および第2スイッチング素子と;を含むとしても良い。
【0027】
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,第1選択信号および制御信号に応じて動作する複数の画素を含む発光表示装置の駆動方法において:a)第1レベルの第1パルスを有する上記第1選択信号を印加する段階と;b)第2パルスと,第3パルスとを有する制御信号を印加する段階と;を含み,上記第2パルスは,上記第1選択信号が第1レベルである少なくとも一部の期間に第1レベルであり,上記第3パルスは,上記第1選択信号が上記第1レベルの反転レベルを有する間に第1レベルであることを特徴とする,発光表示装置の駆動方法が提供される。
【0028】
上記複数の画素のそれぞれは,上記第1選択信号の第1レベルに応じてターンオンされ,上記データ信号を伝達する第1トランジスタと;上記第1トランジスタにより伝達された上記データ信号に対応する電圧を貯蔵する第1キャパシタと;上記第2選択信号の第1レベルに応じて上記第1キャパシタに並列に連結される第2トランジスタと;上記第1キャパシタに貯蔵された電圧に対応する電流を出力する第3トランジスタと;上記第3トランジスタのスレショルド電圧に相当する電圧が貯蔵される第2キャパシタと;上記第2選択信号の第1レベルに応じて上記第3トランジスタをダイオード形態に連結する第4トランジスタと;上記電流に応じて第1および第2色相に発光する第1および第2発光素子と;第1および第2発光制御信号の第2レベルに応じてターンオンされて,上記電流を選択的に上記第1および第2発光素子に伝達する第1および第2スイッチング素子と;を含むとしても良い。
【0029】
上記a)段階において,上記第1選択信号の第1レベルに応じて上記第2および第4トランジスタがターンオンされるとしても良い。
【0030】
上記b)段階において,上記制御信号の第1レベルに応じて上記第1および第2スイッチング素子のいずれか一つがターンオンされるとしても良い。
【0031】
上記課題を解決するために,本発明の第3の観点によれば,順次シフトされる信号を生成して出力する信号駆動装置において:第1クロック信号および第1開始信号を用いて,第1レベルの第1パルスを有する第1信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第1シフトレジスタと;上記第1信号および上記第1信号が第1期間だけシフトされた信号を用いて,第2レベルの第2パルスを有する選択信号を順次生成する第1回路部と;第1クロック信号および第2開始信号を用いて,第1レベルの第3パルスを有する第2信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第2シフトレジスタと;上記選択信号および第2クロック信号を用いて,第1レベルの第4パルスを有する第3信号を生成する第2回路部と;上記第2信号,上記第2信号が第1期間だけシフトされた信号および上記第3信号を用いて第1制御信号を生成する第3回路部と;を含むことを特徴とする,信号駆動装置が提供される。
【0032】
上記第1回路部は,上記第1信号および上記第1信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第1レベルである期間に第2レベルの第2パルスを有する選択信号を生成するとしても良い。
【0033】
上記第2クロック信号は上記第1クロック信号が所定期間移動された信号であり,上記第2回路部は,上記選択信号と上記第2クロック信号が同一なレベルの間に第4パルスを有する第3信号を生成するとしても良い。
【0034】
上記第3回路部は,上記第2信号と上記第3信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第4信号を生成し,上記第2信号と上記第2信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第5信号を生成し,上記第4信号および上記第5信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第1制御信号を生成するとしても良い。
【0035】
反転された上記第2信号,上記第2信号が第1期間だけシフトされた信号および上記第3信号を用いて第2制御信号を生成する第4回路部をさらに含むとしても良い。
【0036】
上記第4回路部は,反転された上記第2信号と上記第3信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第6信号,および上記第2信号と上記第2信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第7信号を生成し,上記第6信号および上記第7信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第1制御信号を生成するとしても良い。
【0037】
上記第1レベルはハイレベルであり,上記第2レベルはローレベルであるとしても良い。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように本発明によると,発光制御線にローレベルの発光制御信号が印加されて電流が有機発光素子に供給される発光区間と独立した初期化期間を備えることにより,キャパシタをより安定かつ均一に初期化することができる。このようにして,キャパシタの初期化が画素ごとに相違し,駆動トランジスタの電圧も画層ごとに相違することにより,駆動トランジスタから出力される電流が変化するといったことを防止することができる。
【0039】
また,本発明によると,一つのシフトレジスタのみで安定にキャパシタを初期化し得る時間を含む二つの発光制御信号を生成することができる。したがって,シフトレジスタの数を減らすことが可能となり,選択及び発光制御信号駆動部をより容易に具現することができる。さらにこの選択及び発光制御信号駆動部を構成するトランジスタの数を減らして回路面積を減少させ,トランジスタにより発生し得る不良率も減らすことが可能なので,収率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0041】
本発明の実施形態の説明に先立ち,走査線に関する用語を定義する。現在,選択信号を伝達しようとする走査線を“現在走査線”といい,現在,選択信号が伝達される前,即ち直前に選択信号を伝達した走査線を“直前走査線”という。また,上記現在走査線の選択信号に応じて発光する画素を“現在画素”といい,直前走査線の選択信号に応じて発光する画素を“直前画素”という。
【0042】
図2は本発明の実施形態による有機発光表示装置の構成を概略的に示す図である。
【0043】
同図に示すように,本発明の実施形態による有機発光表示装置は,表示パネル(表示部)100,選択及び発光制御信号駆動部200,データ信号駆動部300を含んで構成される。表示パネル100は,行方向に伸びている複数の選択走査線S[i](選択信号),複数の発光制御線E1[i](第1発光制御信号),E2[1](第2発光制御信号),列方向に伸びている複数のデータ線D[j],複数の電源線VDD,および複数の画素Pijを含む。ここで,“i”は1からnまでの任意の自然数,“j”は1からmまでの任意の自然数である。
【0044】
画素110は,隣り合う任意の二つの選択走査線S[i−1],S[i]と,隣り合う任意の二つのデータ線D[j−1],D[j]とにより形成される画素領域に形成され,赤色(R)有機発光素子,緑色(G)有機発光素子,および青色(B)有機発光素子のいずれか二つの有機発光素子を含んでいる。このように構成された画素110は,現在選択走査線S[i],直前選択走査線S[i−1],発光制御線E1[i],E2[i],およびデータ線D[j]から伝達される信号に応じて,一つのデータ線D[j]から印加されたデータ信号に基づき,二つの有機発光素子が時分割的に発光するように駆動される。一つの画素110において,二つの有機発光素子を時分割的に発光させるため,二つの発光制御線E1[i],E2[i]を含み,各発光制御線E1[i],E2[i]に印加される発光走査信号は,一つの画素に含まれた二つの有機発光素子が選択的(排他的)に発光するように制御される。
【0045】
選択及び発光制御信号駆動部200は,当該ラインの画素にデータ信号が印加されるように,当該ラインを選択するための選択信号を順次選択走査線S[1]〜S[n]に伝達し,有機発光素子OLED1(第1発光素子),OLED2(第2発光素子)の発光を制御するための発光制御信号を順次発光制御線E1[i],E2[i]に伝達する。また,データ信号駆動部300は,データ選択信号が印加されたラインの画素に対応するデータ信号をデータ線D[1]〜D[m]に印加する。
【0046】
そして,選択及び発光制御信号駆動部200とデータ信号駆動部300はそれぞれ表示パネル100が形成された基板に電気的に連結される。これとは異なり,選択及び発光制御信号駆動部200および/またはデータ信号駆動部300を表示パネル100のガラス基板上に直接装着することもでき,表示パネル100の基板に選択走査線,データ線,およびトランジスタと同一層から形成された駆動回路で代替することもできる。そのほかに,選択及び発光制御信号駆動部200および/またはデータ信号駆動部300を,表示パネル100の基板に接着され電気的に連結されるTCP(Tape
Carrier Package),FPC(Flexible Printed Circuit)またはTAB(Tape Automatic Bonding)に,チップなどの形態として装着することもできる。
【0047】
また,本発明の実施形態によると,一つのフレームが二つのフィールドに時分割されて駆動され,二つのフィールドにおいては,それぞれ赤色,緑色および青色のデータのいずれか二つのデータが書き込まれて発光がなされる。このため,選択及び発光制御信号駆動部200は,フィールドごとに選択信号を順次選択走査線S[i]に伝達し,一つの画素に含まれた二つの有機発光素子が当該フィールドの間に発光されるように,発光制御信号を当該発光制御線E1[i],E2[i]に順次印加する。そして,データ信号駆動部300は,フィールドごとにR,G,Bデータ信号を当該データ線D[j]に印加する。
【0048】
つぎに,図3に基づき,本発明の実施形態による画素を詳細に説明する。
【0049】
図3は本発明の実施形態による有機発光表示装置の画素110を示す回路図である。図3においては,有機物質の電界発光を用いる画素を例として示し,説明の便宜上i番目行の走査線S[i]とj番目列のデータ線D[j]に形成される画素領域の画素を代表的に示した(ここで,iは1からnまでの整数,jは1からmまでの整数)。以下の説明においては,説明の便宜上,発光制御線E1[i],E2[i]に印加される発光制御信号の符号も発光制御線と同様に“E1[i],E2[i]”と表示し,選択走査線S[i]に印加される選択信号の符号も同様に“S[i]”と表示する。画素110の有機発光素子OLED1および有機発光素子OLED2は,赤色(R)有機発光素子,緑色(G)有機発光素子および青色(B)有機発光素子のなかでいずれか二つであり,画素110の全てのトランジスタM1(第3トランジスタ),M21(第1スイッチング素子),M22(第2スイッチング素子),M3(第4トランジスタ),M4(第2トランジスタ),M5(第1トランジスタ)はpチャンネルトランジスタとして示した。
【0050】
図3に示すように,画素回路110は,画素駆動部115,二つの有機発光素子OLED1,OLED2,および,二つの有機発光素子OLED1,OLED2がそれぞれ選択的に発光するように制御するトランジスタM21,M22を含む。
【0051】
画素駆動回路部115は選択走査線S[i]およびデータ線D[j]に連結され,データ線D[j]を介して伝達されるデータ信号に応じて,有機発光素子OLED1,OLED2に印加される電流を生成する。この実施形態において,画素駆動回路部115は,四つのトランジスタおよび二つのキャパシタ,つまりトランジスタM1,トランジスタM3,トランジスタM4,トランジスタM5,第2キャパシタとしてのキャパシタCvth,および第1キャパシタとしてのキャパシタCstを含む。しかし,本発明による画素駆動回路部はこのような四つのトランジスタおよび二つのキャパシタに限定されるものでなく,有機発光素子OLED1,OLED2に印加される電流を生成する回路であれば十分である。
【0052】
具体的に,トランジスタM5は,ゲートが現在選択走査線S[i]に連結され,ソースがデータ線D[j]に連結されて,選択走査線S[i]からの選択信号に応答して,データ線D[j]から印加されたデータ電圧をキャパシタCvthのノードBに伝達する。トランジスタM4は,ゲートが現在選択走査線S[i−1]に連結され,直前選択走査線S[i−1]からの選択信号に応答して,キャパシタCvthのノードBを電源VDDに直接連結する。トランジスタM3は,直前走査線S[i−1]からの選択信号に応答して,トランジスタM1をダイオード連結させる。駆動トランジスタM1は有機発光素子OLED1,OLED2を駆動するための駆動トランジスタであって,ゲートがキャパシタCvthのノードAに接続され,ソースが電源VDDに接続され,ゲートに印加される電圧に応じて,有機発光素子OLED1,OLED2に印加される電流を出力する。
【0053】
また,キャパシタCstは,一方の電極が電源VDDに接続され,他方の電極がトランジスタM4のドレイン電極であるノードBに接続され,キャパシタCvthは,一方の電極がキャパシタCstの上記他方の電極に連結されることにより,二つのキャパシタが直列に連結され,他方の電極が駆動トランジスタM1のゲートノードAに連結される。
【0054】
そして,駆動トランジスタM1のドレインには,有機発光素子OLED1,OLED2が選択的に発光するように制御するトランジスタM21,M22のソースがそれぞれ連結され,トランジスタM21,M22のゲートにはそれぞれ発光制御線E1[i],E2[i]が連結される。トランジスタM21,M22のドレインにはそれぞれ有機発光素子OLED1,OLED2のアノードが連結され,有機発光素子OLED1,OLED2のカソードには,電源電圧VDDより低い電源電圧VSSが印加される。このような電源電圧VSSとしては,負の電圧または接地電圧が使用可能である。
【0055】
つぎに,図4および図5に基づき,本発明の実施形態による有機発光表示装置の駆動方法を詳細に説明する。図4は,本発明の実施形態による有機発光表示装置の信号タイミング図,図5は,選択信号S[0],S[1]および発光制御信号E[1]のみを拡大して示す信号タイミング図である。
【0056】
以下においては,説明の便宜上,選択走査線S[i]に印加される選択信号を選択走査線と同様に,S[i]で表示し,発光制御線E1[i],E2[i]に印加される発光制御信号をそれぞれ発光制御線と同様に,E1[i],E2[i]で表示した(ここで,iは1からnまでの整数)。そして,j番目データ線D[j]に印加されるデータ電圧もD[j]で表示した(ここで,jは1からmまでの整数)。
【0057】
図4に示すように,本発明の実施形態による有機発光表示装置は,一フレームが二つのフィールド1F,2Fに分割されて駆動され,各フィールド1F,2Fにおいて選択信号S[0]〜S[n]が順次印加される。駆動回路部115を共有する二つの有機発光素子OLED1,OLED2は,それぞれ一フィールドに相当する期間の間に発光する。そして,フィールド1F,2Fは行毎に独立して定義され,図4では,1番目行の選択走査線S[1]を基準として二つのフィールド1F,2Fを示した。
【0058】
第1フィールド1Fにおいて,直前選択走査線S[0]にローレベルの選択信号が印加される間,トランジスタM3およびトランジスタM4がターンオンされる。トランジスタM3がターンオンされ,トランジスタM1はダイオード連結状態となる。したがって,トランジスタM1のゲートとソース間の電圧差は,トランジスタM1のスレショルド電圧であるVthとなるまで変化する。この際,トランジスタM1のソースが電源VDDに連結されているので,トランジスタM1のゲート,つまりキャパシタCvthのノードAに印加される電圧は電源電圧VDDとスレショルド電圧Vthの和となる。また,トランジスタM4がターンオンされて,キャパシタCvthのノードBには電源VDDが印加され,キャパシタCvthに充電される電圧VCvthは数式2のようになる。
【数2】
ここで,VCvthはキャパシタCvthに充電される電圧を意味し,VCvthAはキャパシタCvthのノードAに印加される電圧,VCvthBはキャパシタCvthのノードBに印加される電圧を意味する。
【0059】
図5に示すように,直前選択走査線S[0]にローレベルの選択信号が印加されるうち,所定時間tdの間,ローレベルの発光制御信号E1[1]が印加される(初期化パルス)。すなわち,所定時間tdの間には,トランジスタM3がターンオンされてトランジスタM1がダイオード連結されるとともに,トランジスタM21は,ローレベルの発光制御信号E1[1]がゲートに印加されてターンオンされる。トランジスタM3およびトランジスタM21がターンオンされることにより,トランジスタM1のゲート,つまりキャパシタCvthの一端(ノードA)からトランジスタM3を介して有機発光素子OLED1のカソードVSSまで初期化電流パスが形成される。この初期化電流パスにより,キャパシタCvthの一端ノードAはVSS−Vthに初期化される。所定時間tdが経過した後,発光制御信号E1[1]がハイレベルとなってトランジスタM21がターンオフされるので,トランジスタM1からの電流が有機発光素子OLED1に流れることが防止される。
【0060】
キャパシタCvthの初期化が画素ごとに異なる場合,画素ごとのトランジスタM1のゲート−ソース電圧Vgsも異なることになるので,トランジスタM1から出力される電流IOLEDが変わることになる。しかし,本発明の実施形態においては,発光制御線E1[1]にローレベルの発光制御信号が印加されて,有機発光素子OLED1に電流IOLEDが供給される発光区間とは別途に初期化期間tdを備えることで,キャパシタCvthをより安定的にかつ均一に初期化することができる。
【0061】
次いで,所定のブランキング期間tbの間に,ハイレベルの直前選択信号S[0]およびハイレベルの現在選択信号S[1]がそれぞれ印加される。このようなブランキング期間tbを備えることで,選択信号の伝達遅延による誤動作を防止することができる。
【0062】
ブランキング期間tbの後,現在選択走査線S[1]にローレベルの選択信号が印加される。ローレベルの現在選択信号S[1]によりトランジスタM5がターンオンされて,データ線D1から印加されたデータ電圧VdataがノードBに印加される。また,キャパシタCvthにはトランジスタM1のスレショルド電圧Vthに相当する電圧が充電されているので,トランジスタM1のゲートには,データ電圧VdataとトランジスタM1のスレショルド電圧Vthの和に相当する電圧が印加される。すなわち,トランジスタM1のゲート−ソース間電圧Vgsはつぎの数式3のようである。
【数3】
【0063】
また,図5に示すように,現在選択走査線S[1]にローレベルの選択信号が印加されるとき,発光制御線E1[1]にローレベルの発光制御信号が印加されトランジスタM21がオンされ,トランジスタM1のゲート−ソース電圧VGSに対応する電流IOLEDが有機発光素子OLED1に供給されるので,有機発光素子OLED1が発光する。この際,電流IOLEDは数式4のようである。
【数4】
ここで,IOLEDは有機発光素子OLED1に流れる電流,VgsはトランジスタM1のソースとゲート間の電圧,VthはトランジスタM1のスレショルド電圧,Vdataはデータ電圧,βは定数を示す。
【0064】
また,第2フィールド2Fにおいて,直前選択走査線S[0]にローレベルの選択信号が印加されるうち,第1フィールド1Fと同様に,キャパシタCvthに電圧VCvthが充電される。その後,現在選択走査線S[1]にローレベルの選択信号が印加されるうち,トランジスタM5がターンオンされ,データ線D1から印加されたデータ電圧VdataがノードBに印加される。
【0065】
直前選択走査線S[0]にローレベルの選択信号が印加される間の所定時間tdの間に,ローレベルの発光制御信号E2[1]が印加される。すなわち,所定時間tdの間には,トランジスタM3がターンオンされてトランジスタM1がダイオード連結されるとともに,トランジスタM22は,ローレベルの発光制御信号E2[1]がゲートに印加されてターンオンされる。トランジスタM3およびトランジスタM22がターンオンされることにより,トランジスタM1のゲート,すなわちキャパシタCvthの一端(ノードA)からトランジスタM3を介して有機発光素子OLED2のカソードVSSまで初期化電流パスが形成される。この初期化電流パスにより,キャパシタCvthの一端(ノードA)はVSS−Vthに初期化される。所定時間tdが経過した後,発光制御信号E2[1]はハイレベルとなり,トランジスタM22がターンオフされることにより,トランジスタM1からの電流が有機発光素子OLED2に流れることが防止される。
【0066】
第2フィールド2Fにおいても,発光制御線E2[1]にローレベルの発光制御信号が印加されて,有機発光素子OLED2に電流IOLEDが供給される発光区間とは別に初期化期間tdを備えることにより,キャパシタCvthをより安定的にかつ均一に初期化することができる。
【0067】
現在選択走査線S[1]にローレベルの信号が印加されるときから,発光制御線E2[1]にローレベルの発光制御信号が印加され,トランジスタM22がオンされ,トランジスタM1のゲート−ソース電圧VGSに対応する電流IOLEDが有機発光素子OLED2に供給されるので,有機発光素子OLED2が発光することになる。
【0068】
このように,第1フィールド1Fにおいて,発光制御信号E1[1]がローレベル,発光制御信号E2[1]が第1フィールの1Fの間ずっとハイレベルとなって,第1行の有機発光素子OLED1が発光する。一方,第2フィールド2Fにおいては,発光制御信号E2[1]がローレベル,発光制御信号E1[1]が第2フィールド2Fの間ずっとハイレベルとなって,第1行の有機発光素子OLED2が発光する。
【0069】
以下では,本発明の実施形態による有機発光表示装置において,選択信号S[i]および発光制御信号E1[i],E2[i]を生成する選択および発光走査駆動部200を図6〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0070】
図6は本発明の実施形態による有機発光表示装置の選択及び発光制御信号駆動部200の構成を示す概略図である。
【0071】
選択及び発光制御信号駆動部200は,選択信号部210および発光制御信号部220を含む。
【0072】
選択信号部210は,開始信号SP,イネーブル信号ENBおよびクロック信号CLKを受信して選択信号S[i]を生成する。発光制御信号部220は,開始信号LSP,クロック信号CLK,第1クロック信号としてのクロック信号SCLKおよび選択信号S[i]を受信して発光制御信号E1[i],E2[i]を生成する。
【0073】
図7は選択信号部210の構成をより具体的に示す図,図8は選択信号部210から出力される信号のタイミング図である。
【0074】
選択信号部210は,複数の第1シフトレジスタとしてのシフトレジスタ2110〜211nおよび複数の第1回路部としてのNANDゲート2130〜213nを含む。図7には,図面の簡略化のため,シフトレジスタ2110〜211nおよびNANDゲート2130〜213nを全て示さなく,シフトレジスタ2110〜2112およびNANDゲート2130〜2132のみを例示的に示した。また,図7にはクロック信号CLKのみを示したが,シフトレジスタ2110〜211nに入力されるクロック信号はクロック信号CLKおよびクロック信号の反転信号(/CLK)を含む。
【0075】
まず,シフトレジスタ2110は,開始信号SPおよびクロック信号CLKを受信し,クロック信号CLKがハイレベルからローレベルに変化するとき開始信号SPをラッチし,その他の期間(ローレベル,ローレベルからハイレベル,ハイレベル)では,ラッチした開始信号SPのレベルを維持する。このようにして信号SR[0]を生成する。そして,シフトレジスタ2111は信号SR[0]およびクロック信号CLKを受信し,クロック信号CLKがローレベルからハイレベルに変化するとき信号SR[0]をラッチし,クロック信号CLKがハイレベル,ハイレベルからローレベル,ローレベルの間,ラッチした開始信号SPのレベルを維持する。このようにして信号SR[1]を生成する。こうして,シフトレジスタ2110〜211nのそれぞれは,図8のように,第2信号としての信号SR[0]〜SR[n]をそれぞれ生成する。
【0076】
NANDゲート2130は,信号SR[0],信号SR[1]およびイネーブル信号ENBを受信し,三つの信号がみんなハイレベルである区間にローレベルを有する選択信号S[0]を生成する。NANDゲート2131は,信号SR[1],信号SR[2]およびイネーブル信号ENBを受信して,図8のように,選択信号S[0]がハイレベルとなった後,ブランキング時間tbが経過した後,ローレベルを有する選択信号S[1]を生成する。こうして,NANDゲート2130〜213nのそれぞれは,図8に示すように,所定時間のブランキング時間tbを有する選択信号S[0]〜S[n]を順次生成する。
【0077】
図9は選択信号部210に入力されるクロック信号CLK,開始信号SP,イネーブル信号ENBの関係を示す図である。
【0078】
同図に示すように,選択信号部210に入力されるクロック信号CLKの半周期を“T1”とすると,開始信号SPはクロック寝具CLKの半周期T1の2倍となる反周期を有する。これに対し,イネーブル信号ENBは,クロック信号CLKの立上がりまたは立下がり区間で所定時間tbの間にローレベルを有する信号である。
【0079】
次に,図10〜図14に基づき,本発明の実施形態による発光制御信号E1[i],E2[i]を生成する発光制御信号部220について詳細に説明する。
【0080】
図10は発光制御信号部220の構成を示す概略図である。
【0081】
発光制御信号部220は,複数の第2シフトレジスタとしてのシフトレジスタ2211〜221n,複数の第3回路部としての論理回路部2231〜223nおよび複数の第2回路部としてのNORゲート2251〜225nを含む。
【0082】
図10にも,図面の簡略化のため,シフトレジスタ2211〜221n,論理回路部2231〜223nおよびNORゲート2251〜225nを全部示さなく,シフトレジスタ2111〜2113,論理回路部2231〜2232およびNORゲート2251〜2253のみを例示的に示した。また,図10にはクロック信号CLKのみを示したが,シフトレジスタ2211〜221nに入力されるクロック信号はクロック信号CLKおよびクロック信号の反転信号(/CLK)を含む。
【0083】
シフトレジスタ2211は開始信号LSPおよびクロック信号CLKを受信して信号ER[1]を生成し,シフトレジスタ2212はシフトレジスタ2211の出力信号およびクロック信号CLKを受信して信号ER[2]を生成する。ここでER[i]は第3信号を示す。
【0084】
NORゲート2251は,選択信号部210から出力された選択信号S[0]およびクロック信号SCLKを受信して,第1信号としての信号CS[1]を出力する。NORゲート2252は選択信号部210から出力された選択信号S[1]および反転クロック信号(/SCLK)を受信して信号CS[2]を出力する。
【0085】
論理回路部2231は,シフトレジスタ2211から出力される信号ER[1],シフトレジスタ2212から出力される信号ER[2]およびNORゲート2251から出力される信号CS[1]を受信して発光制御信号E1[1],E2[1]を出力する。論理回路部2232は,シフトレジスタ2212から出力される信号ER[2],シフトレジスタ2213から出力される信号ER[3],およびNORゲート2252から出力される信号CS[2]を受信して発光制御信号E1[2],E2[2]を出力する。
【0086】
つぎに,図11に基づき,シフトレジスタ2211〜2213の入力信号および出力信号について詳細に説明する。図11はシフトレジスタ2211〜2213の入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【0087】
シフトレジスタ2211は,開始信号LSPおよびクロック信号CLKを受信して開始信号LSPを出力し,第1フィールドの間に維持して信号ER[1]を生成する。また,シフトレジスタ2212は,シフトレジスタ2211の出力信号およびクロック信号CLKを受信し,クロック信号CLKがハイレベルであるとき,ハイレベルの信号ER[1]を出力し,第1フィールドの間に維持して信号ER[2]を生成する。こうして,順次シフトされる信号ER[i]が生成される。
【0088】
つぎに,図12に基づき,NORゲート2251〜2253の入力信号および出力信号について詳細に説明する。図12はNORゲート2251〜2253の入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【0089】
NORゲート2251は,選択信号部210から出力された選択信号S[0]およびクロック信号CLKの半周期の1/4の分,つまり1/4Tだけ遅延したクロック信号SCLKを受信し,二つの入力信号がローレベルである間に,ハイレベルを有する信号CS[1]を出力する。NORゲート2252は,選択信号部210から出力された選択信号S[1]および反転クロック信号(/CLK)を受信し,二つの入力信号がローレベルである間に,ハイレベルを有する信号CS[2]を出力する。こうして,順次シフトされる信号CS[i]が生成される。
【0090】
つぎに,図13に基づき,論理回路部2231〜2233の入力信号および出力信号について詳細に説明する。図13は論理回路部2231〜2233の入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【0091】
論理回路部2231は,シフトレジスタ2211から出力される信号ER[1],シフトレジスタ2212から出力される信号ER[2]およびNORゲート2251から出力される信号CS[1]を受信して発光制御信号E1[1],E2[1]を出力する。論理回路部2232は,シフトレジスタ2212から出力される信号ER[2],シフトレジスタ2213から出力される信号ER[3]およびNORゲート2252から出力される信号CS[2]を受信して発光制御信号E1[2],E2[2]を出力する。
【0092】
図14に基づき,論理回路部2231により発光制御信号E1[1],E2[1]が生成される過程をより具体的に説明する。論理回路部2231は,三つのNANDゲート,三つのNORゲートおよび四つのインバータから具現できる。しかし,論理回路部2231はこれに限定されるものではなく,例えばNANDゲートとインバータが結合された形態を等価論理回路であるANDゲートから具現することもできる。
まず,発光制御信号E1[1]が生成される過程を説明する。
【0093】
図13において,論理回路部2231内の信号Aは,NORゲート2251の出力信号CS[1]とシフトレジスタ2211の出力信号ER[1]の論理積(AND)により生成される。すなわち,図13において,信号CS[1]と信号ER[1]が共にハイレベルである間にだけハイレベルとなる信号Aが図14のように生成される。そして,信号Cは,シフトレジスタ2211の出力信号ER[1]とシフトレジスタ2212の出力信号ER[2]の論理積(AND)により生成される。すなわち,図13において,信号ER[1]と信号ER[2]が共にハイレベルである間にだけハイレベルとなる信号Cが図14のように生成される。この二つの信号A,CのNOR演算により発光制御信号E1[1]が図14のように生成される。
【0094】
つぎに,発光制御信号E2[1]が生成される過程を説明する。
【0095】
図13において,論理回路部2231内の信号BはNORゲート2251の出力信号CS[1]とシフトレジスタ2211の出力信号ER[1]の反転信号/ER[0]の論理積(AND)により生成される。したがって,信号CS[1]と信号(/ER[0])が共にハイレベルである間にだけハイレベルとなる信号Bが図14のように生成される。そして,信号Dは,シフトレジスタ2211の出力信号ER[1]とシフトレジスタ2212の出力信号ER[2]のNOR演算により生成される。したがって,図13において,信号ER[1]と信号ER[2]が共にローレベルである間にだけハイレベルとなる信号Dが図14のように生成される。この二つの信号B,DのNOR演算により発光制御信号E2[1]が図14のように生成される。
【0096】
このように,本発明の実施形態によると,一つのシフトレジスタのみで安定的にキャパシタを初期化し得る時間tdを含む二つの発光制御信号を生成することができる。したがって,シフトレジスタの数を減らすことが可能なので,選択及び発光制御信号駆動部をより容易に具現することができ,さらにこの選択及び発光制御信号駆動部を構成するトランジスタの数を減らして回路面積を減少させ,トランジスタにより発生し得る不良率も減らすことが可能なので,収率が向上できる。
【0097】
以上の本発明の実施形態においては,一つの画素回路が二つの発光素子を含み,五つのトランジスタと二つのキャパシタを含む場合を例として説明したが,本発明はこれに限定されず,発光素子に印加する電流を出力する駆動トランジスタ,駆動トランジスタと発光素子間に電気的に連結された発光走査トランジスタを含む画素回路に適用することができる。また,本発明は,発光表示装置のほかにも,一つのシフトレジスタから生成された信号に応じて二つの信号を生成する装置にも適用することもできる。すなわち,本発明の権利範囲は上記実施形態の構造に限定されるものではなく,請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いる当業者のいろいろの変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は,本発明は,発光表示装置に係り,特に有機物質の電界発光を用いる有機発光表示装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】従来の発光表示パネルの画素回路を示す図である。
【図2】本発明の実施形態による有機発光表示装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態による有機発光表示装置の画素を示す回路図である。
【図4】本発明の実施形態による有機発光表示装置の信号タイミング図である。
【図5】選択信号および発光制御信号のみを拡大して示す信号タイミング図である。
【図6】本発明の実施形態による有機発光表示装置の選択及び発光制御信号駆動部の構成を示す概略図である。
【図7】選択信号部の構成をより具体的に示す図である。
【図8】選択信号部から出力される信号のタイミング図である。
【図9】選択信号部に入力されるクロック信号,開始信号,イネーブル信号の関係を示す図である。
【図10】発光制御信号部の構成を示す概略図である。
【図11】シフトレジスタの入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【図12】NORゲートの入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【図13】論理回路部の入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【図14】論理回路部により発光制御信号が生成される過程を具体的に示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は,発光表示装置に係り,特に有機物質の電界発光を用いる有機発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に,発光表示装置は,有機物質の電界発光を用いる表示装置であって,行列状に配列されたN×M個の有機発光セルを電圧駆動若しくは電流駆動して,映像を表現する。
【0003】
かかる有機発光セルは,ダイオード特性を有するため有機発光ダイオード(Organic
Light Emission Diode;OLED)とも呼ばれるもので,アノード(ITO),有機薄膜,カソード電極層(金属)の構造を持っている。この有機薄膜は,電子と正孔の均衡をよくして発光効率を向上させるため,発光層(emitting
layer;EML),電子輸送層(electron transport layer;ETL)および正孔輸送層(hole transport layer;HTL)を含む多層構造となり,さらに別途の電子注入層(electron
injecting layer;EIL)と正孔注入層(hole injecting layer;HIL)を含む。このような有機発光セルがN×M個のマトリックス状に配列されて有機発光表示パネルを形成する。
【0004】
このように構成される有機発光セルを駆動する方式には,パッシブマトリックス(passive
matrix)方式と,薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)またはMOSFETを用いるアクティブマトリックス(active matrix)方式とがある。パッシブマトリックス方式は,陽極と陰極を直交するように形成し,ラインを選択して駆動する方式である。これに対し,アクティブマトリックス方式は,薄膜トランジスタを各ITO(Indium
Tin Oxide)画素電極に連結し,薄膜トランジスタのゲートに連結されたキャパシタ容量により維持された電圧を利用して駆動する方式である。
【0005】
以下,一般的なアクティブ有機発光表示装置の画素回路について説明する。
【0006】
図1は,画素回路としてN×M個の画素のなかで,一つ,つまり第1行と第1列に位置する画素を等価的に示すものである。
【0007】
同図に示すように,一つの画素10は三つの副画素10r,10g,10bからなり,副画素10r,10g,10bにはそれぞれ赤色(R),緑色(G),青色(B)の光を発光する有機発光素子OLEDr,OLEDg,OLEDbが設けられている。上記副画素がストライプ状に配列された構造において,副画素10r,10g,10bはそれぞれ別のデータ線D1r,D1g,D1bと共通走査線S1に連結されている。
【0008】
例えば,赤色の副画素10rは,有機発光素子OLEDrを駆動するための二つのトランジスタM1r,M2rとキャパシタC1rを含む。同様に,緑色の副画素10gは,二つのトランジスタM1g,M2gとキャパシタC1gを含み,青色の副画素10bも二つのトランジスタM1b,M2bとキャパシタC1bを含む。これら副画素10r,10g,10bの動作はみんな同一であるので,以下では一つの副画素10rを例として説明する。
【0009】
ここでは,電源電圧VDDと有機発光素子OLEDrのアノードとの間に駆動トランジスタM1rが連結され,有機発光素子OLEDrのカソードは電源電圧VDDより低い電圧VSSに連結されている。かかるトランジスタM1rは発光のための電流を有機発光素子OLEDrに伝達する。駆動トランジスタM1rの電流量は,スイッチングトランジスタM2rを介して印加されるデータ電圧により制御される。このとき,トランジスタM1rのソースとゲート間にキャパシタC1rが連結されており,印加された電圧を一定期間維持する。トランジスタM2rのゲートにはオン/オフ形態の選択信号を伝達する走査線S1が連結され,ソース側には赤色副画素10rに対応するデータ電圧を伝達するデータ線D1rが連結される。
【0010】
このような画素の動作において,スイッチングトランジスタM2rがゲートに印加される選択信号に応じてターンオンされると,データ線D1rからのデータ電圧VDATAがトランジスタM1rのゲートに印加される。すると,キャパシタC1rによりゲートとソース間に充電された電圧VGSに応じてトランジスタM1rに電流IOLEDが流れ,この電流IOLEDに応じて有機発光素子OLEDrが発光する。この際,有機発光素子OLEDrに流れる電流IOLEDは数式1のようである。
【数1】
【0011】
図1に示す画素回路においては,データ電圧に対応する電流が有機発光素子OLEDrに供給され,供給された電流に対応する輝度で有機発光素子OLEDrが発光する。この際,印加されるデータ電圧は,所定の明暗諧調を表現するため,一定の範囲内で多段階の値を有する。
【0012】
前述したように,有機発光表示装置は,一つの画素10が三つの副画素10r,10g,10bからなり,副画素別に有機発光素子を駆動するための駆動トランジスタ,スイッチングトランジスタ,およびキャパシタが形成される。また,副画素別にデータ信号を伝達するためのデータ線,および電源電圧VDDを伝達するための電源線が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のような有機発光表示装置では,画素を駆動するため,上述したように多くの配線が必要になる。このため,画素領域内にこれらを全部配置することは難しく,画素領域において発光する領域に相当する開口率も減少せざるを得ないといった問題点が生じる。したがって,画素を駆動するための配線および素子の数を減少することが可能な画素回路の開発が要求されている。
【0014】
本発明は,従来の有機発光表示装置が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,一つの画素駆動部に複数の発光素子を共通に連結して,配線および素子の数を減少させることにより,開口率および収率を向上させ,設計時のパネル空間を有効活用することが可能な,新規かつ改良された発光表示装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は,画素駆動部を安定に初期化した後,複数の光素子が順次発光し得るようにする信号を出力する信号駆動装置およびその信号駆動装置を含む発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,画像を表すデータ信号を伝達する複数のデータ線と,選択信号を伝達する複数の選択走査線と,第1および第2発光制御信号を伝達する複数の第1および第2発光制御線とがそれぞれ連結され,第1および第2発光素子をそれぞれ有する複数の画素を含む表示部と;第1フィールドおよび第2フィールドのそれぞれにおいて,第1パルスを有する選択信号を第1期間だけシフトしながら順次出力する選択信号駆動部と;上記第1フィールドおよび上記第2フィールドのそれぞれにおいて,上記選択信号の上記第1パルスから,上記第1パルスより幅が小さい第2パルスを有する第1信号を生成し,上記第1フィールドのうちに,上記第2パルスに対応する第3パルスと,上記第3パルスから所定期間遅延した第4パルスとを有する第1発光制御信号を,第1期間だけシフトしながら順次出力し,上記第2フィールドのうちに,上記第3パルスと,上記第3パルスから所定期間遅延した第5パルスとを有する第2発光制御信号を,上記第1期間だけシフトしながら順次出力する発光制御信号駆動部と;を含むことを特徴とする,発光表示装置が提供される。
【0017】
上記第1フィールドにおいて,上記選択信号の第1パルスが印加される間,上記データ線には上記第1発光素子に対応するデータ信号が伝達され,上記第2フィールドにおいて,上記選択信号の第1パルスが印加される間,上記データ線には上記第2発光素子に対応するデータ信号が伝達されるとしても良い。
【0018】
上記選択信号駆動部は,
第6パルスを有する第2信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第1シフトレジスタと;上記第2信号と,上記第2信号が上記第1期間だけシフトされた信号とが共通に第6パルスである期間に上記第1パルスを有する選択信号を出力する第1回路部と;を含むとしても良い。
【0019】
上記第1回路部は,イネーブル信号をさらに受信し,上記第1パルスは,上記第2信号,上記第2信号が上記第1期間だけシフトされた信号,および,イネーブル信号が共通に第6パルスである期間であるとしても良い。
【0020】
上記発光制御信号駆動部は,上記第1フィールドおよび上記第2フィールドの間に,第7パルスと上記第7パルスに対して反転されたレベルの第8パルスを交互に有する第3信号を上記第1期間だけシフトしながら順次生成して出力する第2シフトレジスタと;上記選択信号の上記第1パルスの一部を分割して上記第1信号の上記第2パルスとして出力する第2回路部と;上記第1信号の第2パルス,上記第3信号,および,上記第3信号が上記第1期間だけシフトされた信号を用いて上記第1および第2発光制御信号を生成して出力する第3回路部と;を含むとしても良い。
【0021】
上記第2回路部は,上記第1期間の2倍に相当する周期を有する第1クロック信号と上記選択信号とが共通に上記第1パルスになる期間に,上記第2パルスを出力するとしても良い。
【0022】
上記第1クロック信号は,上記第2シフトレジスタに入力される第2クロック信号が所定期間シフトした信号であるとしても良い。
【0023】
上記第3回路部は,上記第3信号と,上記第3信号が上記第1期間だけシフトされた信号が,共に第7パルスになる期間に上記4パルスを生成し,上記第4パルスと上記第1フィールドの上記第2パルスとから上記第1発光制御信号を出力し,上記第3信号と,上記第3信号が上記第1期間だけシフトされた信号が,共に第8パルスになる期間に上記第5パルスを生成し,上記第5パルスと上記第2フィールドの上記第3パルスとから上記第2発光制御信号を出力するとしても良い。
【0024】
上記第3信号の第7パルスが印加される期間は上記第1フィールドと同一の期間であるとしても良い。
【0025】
上記第1および第2発光制御信号の第3パルスは,上記選択信号が上記第1期間だけシフトされる前の信号の第1パルスが印加される間に印加されるとしても良い。
【0026】
上記複数の画素のそれぞれは,上記第1選択信号の第1レベルに応じてターンオンされ,上記データ信号を伝達する第1トランジスタと;上記第1トランジスタにより伝達された上記データ信号に対応する電圧を貯蔵する第1キャパシタと;上記第2選択信号の第1レベルに応じて上記第1キャパシタに並列に連結される第2トランジスタと;上記第1キャパシタに貯蔵された電圧に対応する電流を出力する第3トランジスタと;上記第3トランジスタのスレショルド電圧に相当する電圧が貯蔵される第2キャパシタと;上記第2選択信号の第1レベルに応じて上記第3トランジスタをダイオード形態に連結する第4トランジスタと;上記電流に応じて第1および第2色相に発光する第1および第2発光素子と;第1および第2発光制御信号の第2レベルに応じてターンオンされて,上記電流を選択的に上記第1および第2発光素子に伝達する第1および第2スイッチング素子と;を含むとしても良い。
【0027】
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,第1選択信号および制御信号に応じて動作する複数の画素を含む発光表示装置の駆動方法において:a)第1レベルの第1パルスを有する上記第1選択信号を印加する段階と;b)第2パルスと,第3パルスとを有する制御信号を印加する段階と;を含み,上記第2パルスは,上記第1選択信号が第1レベルである少なくとも一部の期間に第1レベルであり,上記第3パルスは,上記第1選択信号が上記第1レベルの反転レベルを有する間に第1レベルであることを特徴とする,発光表示装置の駆動方法が提供される。
【0028】
上記複数の画素のそれぞれは,上記第1選択信号の第1レベルに応じてターンオンされ,上記データ信号を伝達する第1トランジスタと;上記第1トランジスタにより伝達された上記データ信号に対応する電圧を貯蔵する第1キャパシタと;上記第2選択信号の第1レベルに応じて上記第1キャパシタに並列に連結される第2トランジスタと;上記第1キャパシタに貯蔵された電圧に対応する電流を出力する第3トランジスタと;上記第3トランジスタのスレショルド電圧に相当する電圧が貯蔵される第2キャパシタと;上記第2選択信号の第1レベルに応じて上記第3トランジスタをダイオード形態に連結する第4トランジスタと;上記電流に応じて第1および第2色相に発光する第1および第2発光素子と;第1および第2発光制御信号の第2レベルに応じてターンオンされて,上記電流を選択的に上記第1および第2発光素子に伝達する第1および第2スイッチング素子と;を含むとしても良い。
【0029】
上記a)段階において,上記第1選択信号の第1レベルに応じて上記第2および第4トランジスタがターンオンされるとしても良い。
【0030】
上記b)段階において,上記制御信号の第1レベルに応じて上記第1および第2スイッチング素子のいずれか一つがターンオンされるとしても良い。
【0031】
上記課題を解決するために,本発明の第3の観点によれば,順次シフトされる信号を生成して出力する信号駆動装置において:第1クロック信号および第1開始信号を用いて,第1レベルの第1パルスを有する第1信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第1シフトレジスタと;上記第1信号および上記第1信号が第1期間だけシフトされた信号を用いて,第2レベルの第2パルスを有する選択信号を順次生成する第1回路部と;第1クロック信号および第2開始信号を用いて,第1レベルの第3パルスを有する第2信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第2シフトレジスタと;上記選択信号および第2クロック信号を用いて,第1レベルの第4パルスを有する第3信号を生成する第2回路部と;上記第2信号,上記第2信号が第1期間だけシフトされた信号および上記第3信号を用いて第1制御信号を生成する第3回路部と;を含むことを特徴とする,信号駆動装置が提供される。
【0032】
上記第1回路部は,上記第1信号および上記第1信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第1レベルである期間に第2レベルの第2パルスを有する選択信号を生成するとしても良い。
【0033】
上記第2クロック信号は上記第1クロック信号が所定期間移動された信号であり,上記第2回路部は,上記選択信号と上記第2クロック信号が同一なレベルの間に第4パルスを有する第3信号を生成するとしても良い。
【0034】
上記第3回路部は,上記第2信号と上記第3信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第4信号を生成し,上記第2信号と上記第2信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第5信号を生成し,上記第4信号および上記第5信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第1制御信号を生成するとしても良い。
【0035】
反転された上記第2信号,上記第2信号が第1期間だけシフトされた信号および上記第3信号を用いて第2制御信号を生成する第4回路部をさらに含むとしても良い。
【0036】
上記第4回路部は,反転された上記第2信号と上記第3信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第6信号,および上記第2信号と上記第2信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第7信号を生成し,上記第6信号および上記第7信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第1制御信号を生成するとしても良い。
【0037】
上記第1レベルはハイレベルであり,上記第2レベルはローレベルであるとしても良い。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように本発明によると,発光制御線にローレベルの発光制御信号が印加されて電流が有機発光素子に供給される発光区間と独立した初期化期間を備えることにより,キャパシタをより安定かつ均一に初期化することができる。このようにして,キャパシタの初期化が画素ごとに相違し,駆動トランジスタの電圧も画層ごとに相違することにより,駆動トランジスタから出力される電流が変化するといったことを防止することができる。
【0039】
また,本発明によると,一つのシフトレジスタのみで安定にキャパシタを初期化し得る時間を含む二つの発光制御信号を生成することができる。したがって,シフトレジスタの数を減らすことが可能となり,選択及び発光制御信号駆動部をより容易に具現することができる。さらにこの選択及び発光制御信号駆動部を構成するトランジスタの数を減らして回路面積を減少させ,トランジスタにより発生し得る不良率も減らすことが可能なので,収率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0041】
本発明の実施形態の説明に先立ち,走査線に関する用語を定義する。現在,選択信号を伝達しようとする走査線を“現在走査線”といい,現在,選択信号が伝達される前,即ち直前に選択信号を伝達した走査線を“直前走査線”という。また,上記現在走査線の選択信号に応じて発光する画素を“現在画素”といい,直前走査線の選択信号に応じて発光する画素を“直前画素”という。
【0042】
図2は本発明の実施形態による有機発光表示装置の構成を概略的に示す図である。
【0043】
同図に示すように,本発明の実施形態による有機発光表示装置は,表示パネル(表示部)100,選択及び発光制御信号駆動部200,データ信号駆動部300を含んで構成される。表示パネル100は,行方向に伸びている複数の選択走査線S[i](選択信号),複数の発光制御線E1[i](第1発光制御信号),E2[1](第2発光制御信号),列方向に伸びている複数のデータ線D[j],複数の電源線VDD,および複数の画素Pijを含む。ここで,“i”は1からnまでの任意の自然数,“j”は1からmまでの任意の自然数である。
【0044】
画素110は,隣り合う任意の二つの選択走査線S[i−1],S[i]と,隣り合う任意の二つのデータ線D[j−1],D[j]とにより形成される画素領域に形成され,赤色(R)有機発光素子,緑色(G)有機発光素子,および青色(B)有機発光素子のいずれか二つの有機発光素子を含んでいる。このように構成された画素110は,現在選択走査線S[i],直前選択走査線S[i−1],発光制御線E1[i],E2[i],およびデータ線D[j]から伝達される信号に応じて,一つのデータ線D[j]から印加されたデータ信号に基づき,二つの有機発光素子が時分割的に発光するように駆動される。一つの画素110において,二つの有機発光素子を時分割的に発光させるため,二つの発光制御線E1[i],E2[i]を含み,各発光制御線E1[i],E2[i]に印加される発光走査信号は,一つの画素に含まれた二つの有機発光素子が選択的(排他的)に発光するように制御される。
【0045】
選択及び発光制御信号駆動部200は,当該ラインの画素にデータ信号が印加されるように,当該ラインを選択するための選択信号を順次選択走査線S[1]〜S[n]に伝達し,有機発光素子OLED1(第1発光素子),OLED2(第2発光素子)の発光を制御するための発光制御信号を順次発光制御線E1[i],E2[i]に伝達する。また,データ信号駆動部300は,データ選択信号が印加されたラインの画素に対応するデータ信号をデータ線D[1]〜D[m]に印加する。
【0046】
そして,選択及び発光制御信号駆動部200とデータ信号駆動部300はそれぞれ表示パネル100が形成された基板に電気的に連結される。これとは異なり,選択及び発光制御信号駆動部200および/またはデータ信号駆動部300を表示パネル100のガラス基板上に直接装着することもでき,表示パネル100の基板に選択走査線,データ線,およびトランジスタと同一層から形成された駆動回路で代替することもできる。そのほかに,選択及び発光制御信号駆動部200および/またはデータ信号駆動部300を,表示パネル100の基板に接着され電気的に連結されるTCP(Tape
Carrier Package),FPC(Flexible Printed Circuit)またはTAB(Tape Automatic Bonding)に,チップなどの形態として装着することもできる。
【0047】
また,本発明の実施形態によると,一つのフレームが二つのフィールドに時分割されて駆動され,二つのフィールドにおいては,それぞれ赤色,緑色および青色のデータのいずれか二つのデータが書き込まれて発光がなされる。このため,選択及び発光制御信号駆動部200は,フィールドごとに選択信号を順次選択走査線S[i]に伝達し,一つの画素に含まれた二つの有機発光素子が当該フィールドの間に発光されるように,発光制御信号を当該発光制御線E1[i],E2[i]に順次印加する。そして,データ信号駆動部300は,フィールドごとにR,G,Bデータ信号を当該データ線D[j]に印加する。
【0048】
つぎに,図3に基づき,本発明の実施形態による画素を詳細に説明する。
【0049】
図3は本発明の実施形態による有機発光表示装置の画素110を示す回路図である。図3においては,有機物質の電界発光を用いる画素を例として示し,説明の便宜上i番目行の走査線S[i]とj番目列のデータ線D[j]に形成される画素領域の画素を代表的に示した(ここで,iは1からnまでの整数,jは1からmまでの整数)。以下の説明においては,説明の便宜上,発光制御線E1[i],E2[i]に印加される発光制御信号の符号も発光制御線と同様に“E1[i],E2[i]”と表示し,選択走査線S[i]に印加される選択信号の符号も同様に“S[i]”と表示する。画素110の有機発光素子OLED1および有機発光素子OLED2は,赤色(R)有機発光素子,緑色(G)有機発光素子および青色(B)有機発光素子のなかでいずれか二つであり,画素110の全てのトランジスタM1(第3トランジスタ),M21(第1スイッチング素子),M22(第2スイッチング素子),M3(第4トランジスタ),M4(第2トランジスタ),M5(第1トランジスタ)はpチャンネルトランジスタとして示した。
【0050】
図3に示すように,画素回路110は,画素駆動部115,二つの有機発光素子OLED1,OLED2,および,二つの有機発光素子OLED1,OLED2がそれぞれ選択的に発光するように制御するトランジスタM21,M22を含む。
【0051】
画素駆動回路部115は選択走査線S[i]およびデータ線D[j]に連結され,データ線D[j]を介して伝達されるデータ信号に応じて,有機発光素子OLED1,OLED2に印加される電流を生成する。この実施形態において,画素駆動回路部115は,四つのトランジスタおよび二つのキャパシタ,つまりトランジスタM1,トランジスタM3,トランジスタM4,トランジスタM5,第2キャパシタとしてのキャパシタCvth,および第1キャパシタとしてのキャパシタCstを含む。しかし,本発明による画素駆動回路部はこのような四つのトランジスタおよび二つのキャパシタに限定されるものでなく,有機発光素子OLED1,OLED2に印加される電流を生成する回路であれば十分である。
【0052】
具体的に,トランジスタM5は,ゲートが現在選択走査線S[i]に連結され,ソースがデータ線D[j]に連結されて,選択走査線S[i]からの選択信号に応答して,データ線D[j]から印加されたデータ電圧をキャパシタCvthのノードBに伝達する。トランジスタM4は,ゲートが現在選択走査線S[i−1]に連結され,直前選択走査線S[i−1]からの選択信号に応答して,キャパシタCvthのノードBを電源VDDに直接連結する。トランジスタM3は,直前走査線S[i−1]からの選択信号に応答して,トランジスタM1をダイオード連結させる。駆動トランジスタM1は有機発光素子OLED1,OLED2を駆動するための駆動トランジスタであって,ゲートがキャパシタCvthのノードAに接続され,ソースが電源VDDに接続され,ゲートに印加される電圧に応じて,有機発光素子OLED1,OLED2に印加される電流を出力する。
【0053】
また,キャパシタCstは,一方の電極が電源VDDに接続され,他方の電極がトランジスタM4のドレイン電極であるノードBに接続され,キャパシタCvthは,一方の電極がキャパシタCstの上記他方の電極に連結されることにより,二つのキャパシタが直列に連結され,他方の電極が駆動トランジスタM1のゲートノードAに連結される。
【0054】
そして,駆動トランジスタM1のドレインには,有機発光素子OLED1,OLED2が選択的に発光するように制御するトランジスタM21,M22のソースがそれぞれ連結され,トランジスタM21,M22のゲートにはそれぞれ発光制御線E1[i],E2[i]が連結される。トランジスタM21,M22のドレインにはそれぞれ有機発光素子OLED1,OLED2のアノードが連結され,有機発光素子OLED1,OLED2のカソードには,電源電圧VDDより低い電源電圧VSSが印加される。このような電源電圧VSSとしては,負の電圧または接地電圧が使用可能である。
【0055】
つぎに,図4および図5に基づき,本発明の実施形態による有機発光表示装置の駆動方法を詳細に説明する。図4は,本発明の実施形態による有機発光表示装置の信号タイミング図,図5は,選択信号S[0],S[1]および発光制御信号E[1]のみを拡大して示す信号タイミング図である。
【0056】
以下においては,説明の便宜上,選択走査線S[i]に印加される選択信号を選択走査線と同様に,S[i]で表示し,発光制御線E1[i],E2[i]に印加される発光制御信号をそれぞれ発光制御線と同様に,E1[i],E2[i]で表示した(ここで,iは1からnまでの整数)。そして,j番目データ線D[j]に印加されるデータ電圧もD[j]で表示した(ここで,jは1からmまでの整数)。
【0057】
図4に示すように,本発明の実施形態による有機発光表示装置は,一フレームが二つのフィールド1F,2Fに分割されて駆動され,各フィールド1F,2Fにおいて選択信号S[0]〜S[n]が順次印加される。駆動回路部115を共有する二つの有機発光素子OLED1,OLED2は,それぞれ一フィールドに相当する期間の間に発光する。そして,フィールド1F,2Fは行毎に独立して定義され,図4では,1番目行の選択走査線S[1]を基準として二つのフィールド1F,2Fを示した。
【0058】
第1フィールド1Fにおいて,直前選択走査線S[0]にローレベルの選択信号が印加される間,トランジスタM3およびトランジスタM4がターンオンされる。トランジスタM3がターンオンされ,トランジスタM1はダイオード連結状態となる。したがって,トランジスタM1のゲートとソース間の電圧差は,トランジスタM1のスレショルド電圧であるVthとなるまで変化する。この際,トランジスタM1のソースが電源VDDに連結されているので,トランジスタM1のゲート,つまりキャパシタCvthのノードAに印加される電圧は電源電圧VDDとスレショルド電圧Vthの和となる。また,トランジスタM4がターンオンされて,キャパシタCvthのノードBには電源VDDが印加され,キャパシタCvthに充電される電圧VCvthは数式2のようになる。
【数2】
ここで,VCvthはキャパシタCvthに充電される電圧を意味し,VCvthAはキャパシタCvthのノードAに印加される電圧,VCvthBはキャパシタCvthのノードBに印加される電圧を意味する。
【0059】
図5に示すように,直前選択走査線S[0]にローレベルの選択信号が印加されるうち,所定時間tdの間,ローレベルの発光制御信号E1[1]が印加される(初期化パルス)。すなわち,所定時間tdの間には,トランジスタM3がターンオンされてトランジスタM1がダイオード連結されるとともに,トランジスタM21は,ローレベルの発光制御信号E1[1]がゲートに印加されてターンオンされる。トランジスタM3およびトランジスタM21がターンオンされることにより,トランジスタM1のゲート,つまりキャパシタCvthの一端(ノードA)からトランジスタM3を介して有機発光素子OLED1のカソードVSSまで初期化電流パスが形成される。この初期化電流パスにより,キャパシタCvthの一端ノードAはVSS−Vthに初期化される。所定時間tdが経過した後,発光制御信号E1[1]がハイレベルとなってトランジスタM21がターンオフされるので,トランジスタM1からの電流が有機発光素子OLED1に流れることが防止される。
【0060】
キャパシタCvthの初期化が画素ごとに異なる場合,画素ごとのトランジスタM1のゲート−ソース電圧Vgsも異なることになるので,トランジスタM1から出力される電流IOLEDが変わることになる。しかし,本発明の実施形態においては,発光制御線E1[1]にローレベルの発光制御信号が印加されて,有機発光素子OLED1に電流IOLEDが供給される発光区間とは別途に初期化期間tdを備えることで,キャパシタCvthをより安定的にかつ均一に初期化することができる。
【0061】
次いで,所定のブランキング期間tbの間に,ハイレベルの直前選択信号S[0]およびハイレベルの現在選択信号S[1]がそれぞれ印加される。このようなブランキング期間tbを備えることで,選択信号の伝達遅延による誤動作を防止することができる。
【0062】
ブランキング期間tbの後,現在選択走査線S[1]にローレベルの選択信号が印加される。ローレベルの現在選択信号S[1]によりトランジスタM5がターンオンされて,データ線D1から印加されたデータ電圧VdataがノードBに印加される。また,キャパシタCvthにはトランジスタM1のスレショルド電圧Vthに相当する電圧が充電されているので,トランジスタM1のゲートには,データ電圧VdataとトランジスタM1のスレショルド電圧Vthの和に相当する電圧が印加される。すなわち,トランジスタM1のゲート−ソース間電圧Vgsはつぎの数式3のようである。
【数3】
【0063】
また,図5に示すように,現在選択走査線S[1]にローレベルの選択信号が印加されるとき,発光制御線E1[1]にローレベルの発光制御信号が印加されトランジスタM21がオンされ,トランジスタM1のゲート−ソース電圧VGSに対応する電流IOLEDが有機発光素子OLED1に供給されるので,有機発光素子OLED1が発光する。この際,電流IOLEDは数式4のようである。
【数4】
ここで,IOLEDは有機発光素子OLED1に流れる電流,VgsはトランジスタM1のソースとゲート間の電圧,VthはトランジスタM1のスレショルド電圧,Vdataはデータ電圧,βは定数を示す。
【0064】
また,第2フィールド2Fにおいて,直前選択走査線S[0]にローレベルの選択信号が印加されるうち,第1フィールド1Fと同様に,キャパシタCvthに電圧VCvthが充電される。その後,現在選択走査線S[1]にローレベルの選択信号が印加されるうち,トランジスタM5がターンオンされ,データ線D1から印加されたデータ電圧VdataがノードBに印加される。
【0065】
直前選択走査線S[0]にローレベルの選択信号が印加される間の所定時間tdの間に,ローレベルの発光制御信号E2[1]が印加される。すなわち,所定時間tdの間には,トランジスタM3がターンオンされてトランジスタM1がダイオード連結されるとともに,トランジスタM22は,ローレベルの発光制御信号E2[1]がゲートに印加されてターンオンされる。トランジスタM3およびトランジスタM22がターンオンされることにより,トランジスタM1のゲート,すなわちキャパシタCvthの一端(ノードA)からトランジスタM3を介して有機発光素子OLED2のカソードVSSまで初期化電流パスが形成される。この初期化電流パスにより,キャパシタCvthの一端(ノードA)はVSS−Vthに初期化される。所定時間tdが経過した後,発光制御信号E2[1]はハイレベルとなり,トランジスタM22がターンオフされることにより,トランジスタM1からの電流が有機発光素子OLED2に流れることが防止される。
【0066】
第2フィールド2Fにおいても,発光制御線E2[1]にローレベルの発光制御信号が印加されて,有機発光素子OLED2に電流IOLEDが供給される発光区間とは別に初期化期間tdを備えることにより,キャパシタCvthをより安定的にかつ均一に初期化することができる。
【0067】
現在選択走査線S[1]にローレベルの信号が印加されるときから,発光制御線E2[1]にローレベルの発光制御信号が印加され,トランジスタM22がオンされ,トランジスタM1のゲート−ソース電圧VGSに対応する電流IOLEDが有機発光素子OLED2に供給されるので,有機発光素子OLED2が発光することになる。
【0068】
このように,第1フィールド1Fにおいて,発光制御信号E1[1]がローレベル,発光制御信号E2[1]が第1フィールの1Fの間ずっとハイレベルとなって,第1行の有機発光素子OLED1が発光する。一方,第2フィールド2Fにおいては,発光制御信号E2[1]がローレベル,発光制御信号E1[1]が第2フィールド2Fの間ずっとハイレベルとなって,第1行の有機発光素子OLED2が発光する。
【0069】
以下では,本発明の実施形態による有機発光表示装置において,選択信号S[i]および発光制御信号E1[i],E2[i]を生成する選択および発光走査駆動部200を図6〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0070】
図6は本発明の実施形態による有機発光表示装置の選択及び発光制御信号駆動部200の構成を示す概略図である。
【0071】
選択及び発光制御信号駆動部200は,選択信号部210および発光制御信号部220を含む。
【0072】
選択信号部210は,開始信号SP,イネーブル信号ENBおよびクロック信号CLKを受信して選択信号S[i]を生成する。発光制御信号部220は,開始信号LSP,クロック信号CLK,第1クロック信号としてのクロック信号SCLKおよび選択信号S[i]を受信して発光制御信号E1[i],E2[i]を生成する。
【0073】
図7は選択信号部210の構成をより具体的に示す図,図8は選択信号部210から出力される信号のタイミング図である。
【0074】
選択信号部210は,複数の第1シフトレジスタとしてのシフトレジスタ2110〜211nおよび複数の第1回路部としてのNANDゲート2130〜213nを含む。図7には,図面の簡略化のため,シフトレジスタ2110〜211nおよびNANDゲート2130〜213nを全て示さなく,シフトレジスタ2110〜2112およびNANDゲート2130〜2132のみを例示的に示した。また,図7にはクロック信号CLKのみを示したが,シフトレジスタ2110〜211nに入力されるクロック信号はクロック信号CLKおよびクロック信号の反転信号(/CLK)を含む。
【0075】
まず,シフトレジスタ2110は,開始信号SPおよびクロック信号CLKを受信し,クロック信号CLKがハイレベルからローレベルに変化するとき開始信号SPをラッチし,その他の期間(ローレベル,ローレベルからハイレベル,ハイレベル)では,ラッチした開始信号SPのレベルを維持する。このようにして信号SR[0]を生成する。そして,シフトレジスタ2111は信号SR[0]およびクロック信号CLKを受信し,クロック信号CLKがローレベルからハイレベルに変化するとき信号SR[0]をラッチし,クロック信号CLKがハイレベル,ハイレベルからローレベル,ローレベルの間,ラッチした開始信号SPのレベルを維持する。このようにして信号SR[1]を生成する。こうして,シフトレジスタ2110〜211nのそれぞれは,図8のように,第2信号としての信号SR[0]〜SR[n]をそれぞれ生成する。
【0076】
NANDゲート2130は,信号SR[0],信号SR[1]およびイネーブル信号ENBを受信し,三つの信号がみんなハイレベルである区間にローレベルを有する選択信号S[0]を生成する。NANDゲート2131は,信号SR[1],信号SR[2]およびイネーブル信号ENBを受信して,図8のように,選択信号S[0]がハイレベルとなった後,ブランキング時間tbが経過した後,ローレベルを有する選択信号S[1]を生成する。こうして,NANDゲート2130〜213nのそれぞれは,図8に示すように,所定時間のブランキング時間tbを有する選択信号S[0]〜S[n]を順次生成する。
【0077】
図9は選択信号部210に入力されるクロック信号CLK,開始信号SP,イネーブル信号ENBの関係を示す図である。
【0078】
同図に示すように,選択信号部210に入力されるクロック信号CLKの半周期を“T1”とすると,開始信号SPはクロック寝具CLKの半周期T1の2倍となる反周期を有する。これに対し,イネーブル信号ENBは,クロック信号CLKの立上がりまたは立下がり区間で所定時間tbの間にローレベルを有する信号である。
【0079】
次に,図10〜図14に基づき,本発明の実施形態による発光制御信号E1[i],E2[i]を生成する発光制御信号部220について詳細に説明する。
【0080】
図10は発光制御信号部220の構成を示す概略図である。
【0081】
発光制御信号部220は,複数の第2シフトレジスタとしてのシフトレジスタ2211〜221n,複数の第3回路部としての論理回路部2231〜223nおよび複数の第2回路部としてのNORゲート2251〜225nを含む。
【0082】
図10にも,図面の簡略化のため,シフトレジスタ2211〜221n,論理回路部2231〜223nおよびNORゲート2251〜225nを全部示さなく,シフトレジスタ2111〜2113,論理回路部2231〜2232およびNORゲート2251〜2253のみを例示的に示した。また,図10にはクロック信号CLKのみを示したが,シフトレジスタ2211〜221nに入力されるクロック信号はクロック信号CLKおよびクロック信号の反転信号(/CLK)を含む。
【0083】
シフトレジスタ2211は開始信号LSPおよびクロック信号CLKを受信して信号ER[1]を生成し,シフトレジスタ2212はシフトレジスタ2211の出力信号およびクロック信号CLKを受信して信号ER[2]を生成する。ここでER[i]は第3信号を示す。
【0084】
NORゲート2251は,選択信号部210から出力された選択信号S[0]およびクロック信号SCLKを受信して,第1信号としての信号CS[1]を出力する。NORゲート2252は選択信号部210から出力された選択信号S[1]および反転クロック信号(/SCLK)を受信して信号CS[2]を出力する。
【0085】
論理回路部2231は,シフトレジスタ2211から出力される信号ER[1],シフトレジスタ2212から出力される信号ER[2]およびNORゲート2251から出力される信号CS[1]を受信して発光制御信号E1[1],E2[1]を出力する。論理回路部2232は,シフトレジスタ2212から出力される信号ER[2],シフトレジスタ2213から出力される信号ER[3],およびNORゲート2252から出力される信号CS[2]を受信して発光制御信号E1[2],E2[2]を出力する。
【0086】
つぎに,図11に基づき,シフトレジスタ2211〜2213の入力信号および出力信号について詳細に説明する。図11はシフトレジスタ2211〜2213の入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【0087】
シフトレジスタ2211は,開始信号LSPおよびクロック信号CLKを受信して開始信号LSPを出力し,第1フィールドの間に維持して信号ER[1]を生成する。また,シフトレジスタ2212は,シフトレジスタ2211の出力信号およびクロック信号CLKを受信し,クロック信号CLKがハイレベルであるとき,ハイレベルの信号ER[1]を出力し,第1フィールドの間に維持して信号ER[2]を生成する。こうして,順次シフトされる信号ER[i]が生成される。
【0088】
つぎに,図12に基づき,NORゲート2251〜2253の入力信号および出力信号について詳細に説明する。図12はNORゲート2251〜2253の入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【0089】
NORゲート2251は,選択信号部210から出力された選択信号S[0]およびクロック信号CLKの半周期の1/4の分,つまり1/4Tだけ遅延したクロック信号SCLKを受信し,二つの入力信号がローレベルである間に,ハイレベルを有する信号CS[1]を出力する。NORゲート2252は,選択信号部210から出力された選択信号S[1]および反転クロック信号(/CLK)を受信し,二つの入力信号がローレベルである間に,ハイレベルを有する信号CS[2]を出力する。こうして,順次シフトされる信号CS[i]が生成される。
【0090】
つぎに,図13に基づき,論理回路部2231〜2233の入力信号および出力信号について詳細に説明する。図13は論理回路部2231〜2233の入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【0091】
論理回路部2231は,シフトレジスタ2211から出力される信号ER[1],シフトレジスタ2212から出力される信号ER[2]およびNORゲート2251から出力される信号CS[1]を受信して発光制御信号E1[1],E2[1]を出力する。論理回路部2232は,シフトレジスタ2212から出力される信号ER[2],シフトレジスタ2213から出力される信号ER[3]およびNORゲート2252から出力される信号CS[2]を受信して発光制御信号E1[2],E2[2]を出力する。
【0092】
図14に基づき,論理回路部2231により発光制御信号E1[1],E2[1]が生成される過程をより具体的に説明する。論理回路部2231は,三つのNANDゲート,三つのNORゲートおよび四つのインバータから具現できる。しかし,論理回路部2231はこれに限定されるものではなく,例えばNANDゲートとインバータが結合された形態を等価論理回路であるANDゲートから具現することもできる。
まず,発光制御信号E1[1]が生成される過程を説明する。
【0093】
図13において,論理回路部2231内の信号Aは,NORゲート2251の出力信号CS[1]とシフトレジスタ2211の出力信号ER[1]の論理積(AND)により生成される。すなわち,図13において,信号CS[1]と信号ER[1]が共にハイレベルである間にだけハイレベルとなる信号Aが図14のように生成される。そして,信号Cは,シフトレジスタ2211の出力信号ER[1]とシフトレジスタ2212の出力信号ER[2]の論理積(AND)により生成される。すなわち,図13において,信号ER[1]と信号ER[2]が共にハイレベルである間にだけハイレベルとなる信号Cが図14のように生成される。この二つの信号A,CのNOR演算により発光制御信号E1[1]が図14のように生成される。
【0094】
つぎに,発光制御信号E2[1]が生成される過程を説明する。
【0095】
図13において,論理回路部2231内の信号BはNORゲート2251の出力信号CS[1]とシフトレジスタ2211の出力信号ER[1]の反転信号/ER[0]の論理積(AND)により生成される。したがって,信号CS[1]と信号(/ER[0])が共にハイレベルである間にだけハイレベルとなる信号Bが図14のように生成される。そして,信号Dは,シフトレジスタ2211の出力信号ER[1]とシフトレジスタ2212の出力信号ER[2]のNOR演算により生成される。したがって,図13において,信号ER[1]と信号ER[2]が共にローレベルである間にだけハイレベルとなる信号Dが図14のように生成される。この二つの信号B,DのNOR演算により発光制御信号E2[1]が図14のように生成される。
【0096】
このように,本発明の実施形態によると,一つのシフトレジスタのみで安定的にキャパシタを初期化し得る時間tdを含む二つの発光制御信号を生成することができる。したがって,シフトレジスタの数を減らすことが可能なので,選択及び発光制御信号駆動部をより容易に具現することができ,さらにこの選択及び発光制御信号駆動部を構成するトランジスタの数を減らして回路面積を減少させ,トランジスタにより発生し得る不良率も減らすことが可能なので,収率が向上できる。
【0097】
以上の本発明の実施形態においては,一つの画素回路が二つの発光素子を含み,五つのトランジスタと二つのキャパシタを含む場合を例として説明したが,本発明はこれに限定されず,発光素子に印加する電流を出力する駆動トランジスタ,駆動トランジスタと発光素子間に電気的に連結された発光走査トランジスタを含む画素回路に適用することができる。また,本発明は,発光表示装置のほかにも,一つのシフトレジスタから生成された信号に応じて二つの信号を生成する装置にも適用することもできる。すなわち,本発明の権利範囲は上記実施形態の構造に限定されるものではなく,請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いる当業者のいろいろの変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は,本発明は,発光表示装置に係り,特に有機物質の電界発光を用いる有機発光表示装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】従来の発光表示パネルの画素回路を示す図である。
【図2】本発明の実施形態による有機発光表示装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態による有機発光表示装置の画素を示す回路図である。
【図4】本発明の実施形態による有機発光表示装置の信号タイミング図である。
【図5】選択信号および発光制御信号のみを拡大して示す信号タイミング図である。
【図6】本発明の実施形態による有機発光表示装置の選択及び発光制御信号駆動部の構成を示す概略図である。
【図7】選択信号部の構成をより具体的に示す図である。
【図8】選択信号部から出力される信号のタイミング図である。
【図9】選択信号部に入力されるクロック信号,開始信号,イネーブル信号の関係を示す図である。
【図10】発光制御信号部の構成を示す概略図である。
【図11】シフトレジスタの入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【図12】NORゲートの入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【図13】論理回路部の入力信号および出力信号の波形を示す信号タイミング図である。
【図14】論理回路部により発光制御信号が生成される過程を具体的に示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次シフトされる信号を生成して出力する信号駆動装置において:
第1クロック信号および第1開始信号を用いて,第1レベルの第1パルスを有する第1信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第1シフトレジスタと;
前記第1信号および前記第1信号が第1期間だけシフトされた信号を用いて,第2レベルの第2パルスを有する選択信号を順次生成する第1回路部と;
第1クロック信号および第2開始信号を用いて,第1レベルの第3パルスを有する第2信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第2シフトレジスタと;
前記選択信号および第2クロック信号を用いて,第1レベルの第4パルスを有する第3信号を生成する第2回路部と;
前記第2信号,前記第2信号が第1期間だけシフトされた信号および前記第3信号を用いて第1制御信号を生成する第3回路部と;
を含むことを特徴とする,信号駆動装置。
【請求項2】
前記第1回路部は,前記第1信号および前記第1信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第1レベルである期間に第2レベルの第2パルスを有する選択信号を生成することを特徴とする,請求項1に記載の信号駆動装置。
【請求項3】
前記第2クロック信号は前記第1クロック信号が所定期間移動された信号であり,
前記第2回路部は,前記選択信号と前記第2クロック信号が同一なレベルの間に第4パルスを有する第3信号を生成することを特徴とする,請求項1に記載の信号駆動装置。
【請求項4】
前記第3回路部は,
前記第2信号と前記第3信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第4信号を生成し,前記第2信号と前記第2信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第5信号を生成し,
前記第4信号および前記第5信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第1制御信号を生成することを特徴とする,請求項1に記載の信号駆動装置。
【請求項5】
反転された前記第2信号,前記第2信号が第1期間だけシフトされた信号および前記第3信号を用いて第2制御信号を生成する第4回路部をさらに含むことを特徴とする,請求項1に記載の信号駆動装置。
【請求項6】
前記第4回路部は,
反転された前記第2信号と前記第3信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第6信号,および前記第2信号と前記第2信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第7信号を生成し,
前記第6信号および前記第7信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第1制御信号を生成することを特徴とする,請求項5に記載の信号駆動装置。
【請求項7】
前記第1レベルはハイレベルであり,前記第2レベルはローレベルであることを特徴とする,請求項1〜6のいずれか1項に記載の信号駆動装置。
【請求項1】
順次シフトされる信号を生成して出力する信号駆動装置において:
第1クロック信号および第1開始信号を用いて,第1レベルの第1パルスを有する第1信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第1シフトレジスタと;
前記第1信号および前記第1信号が第1期間だけシフトされた信号を用いて,第2レベルの第2パルスを有する選択信号を順次生成する第1回路部と;
第1クロック信号および第2開始信号を用いて,第1レベルの第3パルスを有する第2信号を第1期間だけシフトしながら順次生成する第2シフトレジスタと;
前記選択信号および第2クロック信号を用いて,第1レベルの第4パルスを有する第3信号を生成する第2回路部と;
前記第2信号,前記第2信号が第1期間だけシフトされた信号および前記第3信号を用いて第1制御信号を生成する第3回路部と;
を含むことを特徴とする,信号駆動装置。
【請求項2】
前記第1回路部は,前記第1信号および前記第1信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第1レベルである期間に第2レベルの第2パルスを有する選択信号を生成することを特徴とする,請求項1に記載の信号駆動装置。
【請求項3】
前記第2クロック信号は前記第1クロック信号が所定期間移動された信号であり,
前記第2回路部は,前記選択信号と前記第2クロック信号が同一なレベルの間に第4パルスを有する第3信号を生成することを特徴とする,請求項1に記載の信号駆動装置。
【請求項4】
前記第3回路部は,
前記第2信号と前記第3信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第4信号を生成し,前記第2信号と前記第2信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第5信号を生成し,
前記第4信号および前記第5信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第1制御信号を生成することを特徴とする,請求項1に記載の信号駆動装置。
【請求項5】
反転された前記第2信号,前記第2信号が第1期間だけシフトされた信号および前記第3信号を用いて第2制御信号を生成する第4回路部をさらに含むことを特徴とする,請求項1に記載の信号駆動装置。
【請求項6】
前記第4回路部は,
反転された前記第2信号と前記第3信号が共に第1レベルである区間に第1レベルを有する第6信号,および前記第2信号と前記第2信号が第1期間だけシフトされた信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第7信号を生成し,
前記第6信号および前記第7信号が共に第2レベルである区間に第1レベルを有する第1制御信号を生成することを特徴とする,請求項5に記載の信号駆動装置。
【請求項7】
前記第1レベルはハイレベルであり,前記第2レベルはローレベルであることを特徴とする,請求項1〜6のいずれか1項に記載の信号駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−223343(P2009−223343A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160944(P2009−160944)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【分割の表示】特願2005−162293(P2005−162293)の分割
【原出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【分割の表示】特願2005−162293(P2005−162293)の分割
【原出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】
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