発光装置、発光モジュールおよび発光装置を備えた電気装置
【課題】封止樹脂の表面を平坦または凸状としても、発光装置の封止樹脂が他の発光装置の封止樹脂と付着するのを抑制する。
【解決手段】発光装置60は、平面状に形成された開口面61cに形成された凹部61aと、同じく開口面61cと連続的に形成された凸部61bと、が一体的に形成された樹脂容器61、樹脂容器61と一体化したリードフレームからなるアノード用リード部62およびカソード用リード部63と、凹部61aの底面70に取り付けられた半導体発光素子64と、凹部61aを覆うように設けられた封止樹脂65とを備えている。ここで、開口面61cから凸部61bの高さhは、封止樹脂65の最頂部の膨らみ量dより大きく設定されている。
【解決手段】発光装置60は、平面状に形成された開口面61cに形成された凹部61aと、同じく開口面61cと連続的に形成された凸部61bと、が一体的に形成された樹脂容器61、樹脂容器61と一体化したリードフレームからなるアノード用リード部62およびカソード用リード部63と、凹部61aの底面70に取り付けられた半導体発光素子64と、凹部61aを覆うように設けられた封止樹脂65とを備えている。ここで、開口面61cから凸部61bの高さhは、封止樹脂65の最頂部の膨らみ量dより大きく設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を用いた発光装置、発光モジュールおよび発光装置を備えた電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイのバックライトに半導体発光素子(LED:Light Emitting Diode)が採用されたことにより、LEDの生産量が飛躍的に拡大している。そして、LEDは、他の照明分野でも採用が検討されている。
ここで、LEDパッケージとは、半導体発光素子(LED)を備えた発光装置のことであって、例えば凹部を有する白色樹脂ケースの凹部内側にリードフレームを露出させるように配置し、凹部の内側に露出するリードフレームに半導体発光素子を取り付けるとともにこれらを電気的に接続し、半導体発光素子を覆うように封止樹脂を形成してなるものである。そして、封止樹脂は、LEDからの光が透過する部分にあたる。
【0003】
特許文献1には、上述したLEDパッケージの構造が記載されている。これには、発光ダイオードの樹脂封止構造物として、発光ダイオード素子(LED素子)取付用の孔が貫通して形成されており、一方側(背面側)から他方側(前面側)に向かって放射状に拡開している光反射ケースの一方の開口を塞ぐようにプリント基板が固着され、プリント基板にダイボンディングされたLED素子をボンディングワイヤを含めてエポキシ樹脂で封止する。
【0004】
しかし、液晶ディスプレイの表示面全体における色のばらつきについては、厳しい規格が存在する。例えばCIEのYxy表色系の色度の範囲として規定すると、x、yそれぞれにおいて±0.008程度のばらつきに抑制することが要求されている。ディスプレイの表示面全体における色のばらつきを前述の範囲内に収めるためには、発光装置(LEDパッケージ)についても、その範囲に入れる必要がある。
【0005】
このため、ハンドラーテスタなどで発光装置を一つ一つ測定し、特性が要求範囲からずれている発光装置を発見した場合は、そのLEDパッケージを取り除くことになる。
【0006】
【特許文献1】特開平6−53553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、発光装置の封止樹脂は、粘着(タック)性に富むため、他の発光装置の封止樹脂と付着しやすく(くっつきやすく)、しかも一旦付着すると離れにくくなる。また、発光装置の封止樹脂は柔らかいため、互いに付着した部分、特に封止樹脂の表面中央部に傷がついてしまう。このような部分に傷のついた発光装置は、輝度が低下するなどにより、使用することができず、この結果、歩留まり低下を招くことになってしまう。
【0008】
一方、ハンドラーテスタでは、発光装置は、ハンドラーテスタに設けられたパーツフィーダに塊として投入される。そして、発光装置は、パーツフィーダに設けられたらせん滑り台を上りながら、整列される。このとき、パーツフィーダは、発光装置を個々に分離するために、振動を加えている。これにより、発光装置が動き回ることになり、ますます発光装置の封止樹脂同士が付着しやすくなる。
そこで、封止樹脂同士が付着することを抑制するため、発光装置の封止樹脂の表面を中心部で20μm〜30μm凹ますようにしてきた。
しかし、封止樹脂の表面を凹ますと、LEDからの出射光が封止樹脂の表面から出た部分で広がることになるため、光取り出し効率が減少するという問題があった。
【0009】
本発明は、封止樹脂の表面を平坦または凸状としても、発光装置(LEDパッケージ)の封止樹脂が他の発光装置の封止樹脂と付着するのを抑制できる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的のもと、本発明が適用される発光装置は、平面状に形成される開口面と、開口面に形成される凹部と、開口面上に形成された凸部とが形成される樹脂容器と、樹脂容器に形成される導体部と、樹脂容器の凹部の内側に設けられ、導体部と電気的に接続される発光素子と、樹脂容器の凹部に、開口面に対して平面状または凸状に形成され、発光素子を封止する封止樹脂とを備え、樹脂容器の開口面から凸部の高さは、開口面から封止樹脂の最頂部までの高さより大きいことを特徴とする。
【0011】
本発明の発光装置では、凸部が開口面から連続的に形成され(凸部が開口面上に形成され)樹脂容器と一体的に形成されたものが好ましい。また、凸部は、開口面を取り囲んで連続的または不連続的に形成された環状突起であることを特徴とすることができる。
さらにまた、凸部は、開口面上に形成された板状突起であることを特徴とすることができる。また、凸部は、開口面上に形成された柱状突起であることを特徴とすることができる。
さらにまた、本発明においては、封止樹脂が、シリコーン樹脂にて構成されることを特徴とすることができる。
【0012】
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される発光モジュールは、基板と、基板に取り付けられる複数の発光装置とを備え、この発光装置は、平面状に形成される開口面と、開口面に形成される凹部と、開口面上に形成された凸部とが形成される樹脂容器と、樹脂容器に形成される導体部と、樹脂容器の凹部の内側に設けられ、導体部と電気的に接続される発光素子と、樹脂容器の凹部に、開口面に対して平面状または凸状に形成され、発光素子を封止する封止樹脂とを備え、樹脂容器の開口面から凸部の高さは、開口面から封止樹脂の最頂部までの高さより大きいことを特徴としている。
さらに、本発明においては前記に記載の発光装置を備えた電気装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光装置の封止樹脂が他の発光装置の封止樹脂と付着するのを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される液晶表示装置の全体構成を示す一例の図である。この液晶表示装置は、液晶表示モジュール50と、この液晶表示モジュール50の背面側(図1では下部側)に設けられるバックライト装置10とを備えている。
【0015】
バックライト装置10は、バックライトフレーム11と、半導体発光素子がそれぞれに配列され、バックライトフレーム11に収容される複数の発光モジュール12とを備えている。また、バックライト装置10は、光学フィルムの積層体として、面全体を均一な明るさとするために光を散乱・拡散させる板(またはフィルム)である拡散板13と、前方への集光効果を持たせたプリズムシート14、15とを備えている。また、輝度を向上させるための拡散・反射型の輝度向上フィルム16が、必要に応じて備えられる。
【0016】
一方、液晶表示モジュール50は、2枚のガラス基板により液晶が挟まれて構成される液晶パネル51と、この液晶パネル51の各々のガラス基板に積層され、光の振動方向をある方向に制限するための偏光板52、53とを備えている。更に、本液晶表示装置には、図示しない駆動用LSIなどの周辺部材も装着される。
【0017】
表示パネルの一例としての液晶パネル51は、図示しない各種構成要素を含んで構成されている。例えば、2枚のガラス基板に、図示しない表示電極、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などのアクティブ素子、液晶、スペーサ、シール剤、配向膜、共通電極、保護膜、カラーフィルタ等を備えている。
【0018】
図2は、バックライト装置10の構造を説明するための一例の図である。ここで、図2(a)は、発光モジュール12が装着されたバックライトフレーム11を、図1に示す液晶表示モジュール50側からみた上面図であり、図2(b)は図2(a)のIIB−IIB断面図である。本実施の形態では、液晶表示モジュール50の背面直下に光源を置く直下型のバックライト構造を採用している。そして、このバックライト構造では、液晶表示モジュール50の背面の全体に対してほぼ均等に、発光素子を有する発光装置60が配列されている。なお、本実施の形態で用いる発光装置60は、一般的にLEDパッケージと呼ばれるものである。
【0019】
バックライトフレーム11は、例えばアルミニウムやマグネシウム、鉄、またはそれらを含む金属合金などで生成される筐体構造を形成している。そして、その筐体構造の内側に、例えば白色高反射の性能を有するポリエステルフィルムなどが貼られ、リフレクタとしても機能するようになっている。この筐体構造としては、液晶表示モジュール50の大きさに対応して設けられる背面部11a、この背面部11aの四隅を囲う側面部11bを備えている。そして、この背面部11a上には放熱シート18を設けることができる。
【0020】
図2に示す例では、発光モジュール12が複数(この例では8枚)設けられている。そして、各発光モジュール12は、それぞれ複数(この例では1枚の発光モジュール12に対して2本)のネジ17により、放熱シート18を介してバックライトフレーム11に固定されている。
【0021】
発光モジュール12は、基板の一例としての配線基板20と、この配線基板20に実装される複数(この例では28個)の発光装置60とを備えている。
【0022】
図3は、本実施の形態で用いられる発光装置60の構成を説明するための一例の図である。ここで、図3(a)は発光装置60の上面図を、図3(b)は図3(a)のIIIB−IIIB断面図を、それぞれ示している。
【0023】
この発光装置60は、平面状に形成された開口面61cに形成された凹部61aと、同じく開口面61cと連続的に形成された凸部61bと、が一体的に形成された樹脂容器61、樹脂容器61と一体化したリードフレームからなるアノード用リード部62およびカソード用リード部63と、凹部61aの底面70に取り付けられた発光素子の一例としての半導体発光素子64と、凹部61aを覆うように設けられた封止樹脂65とを備えている。なお、図3(a)においては、封止樹脂65の記載を省略している。
ここで、樹脂容器61の開口面61cとは、凸部61bを除いた、凹部61aが形成された平面状の面をいう。そして、開口面61cにおける凹部61aの縁で囲まれた内側を開口部71という。そして、樹脂容器61の開口面61c側の表面を樹脂容器61の上面という。
【0024】
樹脂容器61は、アノード用リード部62およびカソード用リード部63を含む金属リード部に、白色顔料が含有された熱可塑性樹脂(以下の説明では白色樹脂と呼ぶ)を射出成型することによって形成されている。
【0025】
また、製造工程でハンダリフローなどの温度がかかる工程が複数あるので、白色樹脂は、耐熱性も十分考慮された材質が選定されている。基材となる樹脂としてはPPA(polyphthalamide)が最も一般的であるが、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリスチレンなどでもよい。中でも、本実施の形態では、PPAとして、ジアミンとイソフタル酸またはテレフタル酸との共重合体であるナイロン4T、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5Tが特に好ましく用いることができる。
【0026】
樹脂容器61に設けられる凹部61aは、円形状を有する底面70と、同じく円形状を有する開口部71と、底面70の周縁から開口部71に向けて拡開するように立ち上がる壁面80と、を備えている。ここで、底面70は、凹部61aに露出するアノード用リード部62およびカソード用リード部63と、アノード用リード部62とカソード用リード部63との間の隙間の樹脂容器61の白色樹脂とによって構成されている。ただし、底面70の半分以上の領域が、アノード用リード部62とカソード用リード部63とによって占められている。一方、壁面80は、樹脂容器61を構成する白色樹脂によって構成されている。なお、底面70の形状については、円形、矩形、楕円形、多角形のいずれでもよい。また、開口部71の形状については、円形、矩形、楕円形、多角形のいずれでもよく、底面形状と同一でもよく、本実施の形態のように異なっていてもよい。
【0027】
樹脂容器61に設けられる凸部61bは、開口面61cから立ち上がって、開口面61cを取り囲むように環状に設けられた環状突起である。そして、凸部61bは、開口面61cから高さhである。また、開口面61cにおける凹部61aの縁B1(開口部71の縁でもある)から、開口面61cからの凸部61bの立ち上がりB2までは距離wである。
さらに、凸部61bは、半導体発光素子64から、開口部71を見上げたとするとき、その視野にはほぼ見えない位置に設けられている。このようにすることで、凸部61bは、発光装置60の光出力などの特性に影響を与えないようにできる。
ここで、半導体発光素子64から凹部61aの縁B1を仰ぎ見た角度を仰角θと呼ぶ。
【0028】
導体部の一例としてのアノード用リード部62およびカソード用リード部63は、それぞれの一部が樹脂容器61内に挟まれて保持されるとともに、他の一部が樹脂容器61の外部に露出されており、半導体発光素子64に電流を印加するための端子となっている。表面実装を前提とするときは、図3に示すように、アノード用リード部62およびカソード用リード部63をそれぞれ樹脂容器61の裏側に折り曲げて樹脂容器61の底部にその先端を配設することが望ましい。
【0029】
また、アノード用リード部62およびカソード用リード部63すなわちリードフレームは、0.1mm〜0.5mm程度の厚みをもつ金属板であり、銅合金等の金属導体をベースとし、その表面には銀メッキが施されることによって銀メッキ層が形成されている。
【0030】
半導体発光素子64は、凹部61aの底面70に配設されたカソード用リード部63上に、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂からなるダイボンド剤で接着され、固定されている。
この半導体発光素子64は、n型電極およびp型電極を有しており、ボンディングワイヤを介して、p型電極がアノード用リード部62に、n型電極がカソード用リード部63に、それぞれ接続されている。なお、本実施の形態で用いた発光装置60では、図3(a)に示すように、半導体発光素子64が、円形状を有する底面70のほぼ中央部に取り付けられている。
【0031】
半導体発光素子64は、430nm以上500nm以下の波長領域に主発光ピークを有する青色光を発するものであり、サファイア基板の上に形成されるAlNからなるシード層と、シード層上に形成される下地層と、GaNを主体とする積層半導体層とを少なくとも備えている。積層半導体層は、基板側から下地層、n型半導体層、発光層、p型半導体層の順に積層されて構成されている。
【0032】
なお、半導体発光素子64は、GaAlAsやGaAlInPからなる赤色光を発するもの、GaPからなる緑色光を発するものであってもよい。また、青色光の発光により、封止樹脂65に混合された蛍光体を発光させて、白色とするものであってもよい。
この場合、例えば、封止樹脂65は、半導体発光素子64が発する青色光を吸収してより長波長の光を発する二種類以上の蛍光体(以下、蛍光体粉体ともいう)と、蛍光体粉体を均一に分散させた状態で含有する透明樹脂とから構成される。この例において、青色光を吸収して緑色光を発する緑色蛍光体と、青色光を吸収して赤色光を発する赤色蛍光体とを含む。緑色蛍光体としては公知なシリケート系蛍光体(BaSiO4:Eu2+)が好適に用いられ、また、赤色蛍光体としては公知な窒化物蛍光体(CaAlSiN3:Eu2+)が用いられる。
赤色蛍光体は、緑色蛍光体が発する光でも励起されるので、色度調節して緑および赤の蛍光体の比率を調整して白色光が出射されるようする。照明用途では、演色性(太陽光の下で見た色と同じに見える度合い)を高めるために、できるだけ太陽光と同じ波長分布になるよう調整する。一方、液晶表示装置のバックライト用途の場合、色再現範囲は青、緑、赤の色度座標上の3点ができるだけ広い必要がある。すなわち色純度ができるだけ高いことが重要である。そのためには、3原色の波長分布をできるだけシャープにするなどの調整を行う。
【0033】
封止樹脂65は、透明樹脂から構成されている。そして、封止樹脂65を構成する透明樹脂としては、可視領域において透明な各種樹脂を適用して差し支えない。
例えば、透明樹脂65としては、凹部を覆うように封止する硬化性樹脂と、これを硬化させる硬化剤と、さらに必要により配合される、例えば酸化防止剤、変色防止剤、光劣化防止剤、反応性希釈剤、無機充填剤、難燃剤、有機溶剤等を含むものがよい。
硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシシリコーン混成樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂が好ましく、特にシリコーン樹脂が特によい。
また、封止樹脂65には、光を出射させる出射面65cが設けられている。この例では、図3(b)に示すように、樹脂容器61の開口部71側に出射面65cが形成されている。
【0034】
さらに、この発光装置60においては、図3(b)に示すように、出射面65cの中央部が樹脂容器61の上面よりも凸状に膨らんでいる。その脹らみ量dは開口面61cから20μm〜100μmとなっている。膨らみ量dは、樹脂容器61の開口部71の縁B1の高さと、出射面65c(封止樹脂65)の最頂部の高さとの差になる。なお、ここでは、樹脂容器61の開口部71の縁B1の高さを基準(0)としたとき、半導体発光素子64を下方側として、半導体発光素子64に近づく側をマイナス(−)としている。したがって、膨らみ量dが開口面61cから20μm〜100μmの範囲とは、樹脂容器61の開口部71の縁B1の高さを0μmとしたときに、出射面65cの最頂部の高さが開口面61cよりも20μm〜100μmの範囲で半導体発光素子64と反対側に位置していることを意味する。
なお、出射面65cの中央部は、膨らみが小さい平面状であってもよい。
【0035】
この膨らみ量dは、樹脂容器61の開口部71の縁の延長面L(開口面61cに一致する)を仮想的に設定し、凹部61a内で硬化した封止樹脂65の中心点をAとし、点Aと延長面Lとの距離から求める。実際の測定は、レーザ変位計(たとえばオムロン製 ZSHLD2)で行うことができる。
なお、出射面65cの中央部は、膨らみが小さい平面状であってもよい。
【0036】
この発光装置60は、リードフレームを含まない横D1が例えば3.2mm、縦D2が例えば2.8mm、高さHが例えば1.9mmである。さらに、仰角θが例えば45°である。そして、開口面61cから凸部61bの高さhが例えば0.2mmである。開口部71の縁B1から凸部61bの立ち上がりB2までの距離wが例えば0.1mmである。
このように、開口面61cから凸部61bの高さhは、封止樹脂65の膨らみ量dより大きく設定している。すなわち、半導体発光素子64を下方側とした場合に、樹脂容器61の開口面61cから凸部61bの高さhは、開口面61cから封止樹脂65の最頂部までの高さdより大きいことになる。
【0037】
では、図3に示す発光装置60の発光動作について説明する。
アノード用リード部62を正極とし、カソード用リード部63を負極として半導体発光素子64に電流を流すと、半導体発光素子64は青色光を出力する。半導体発光素子64から出力された青色光は、封止樹脂65内を進行し、直接あるいは底面70や壁面80で反射した後に出射面65cから外部に出射される。但し、出射面65cに向かう光の一部は、出射面65cで反射し、再び封止樹脂65内を進行する。
【0038】
これらのうち、底面70や壁面80に向かう光は、底面70や壁面80を構成する銀メッキ層や白色樹脂によって反射されることを繰り返して、最終的に出射面65cに抜け出る。
【0039】
本実施の形態では、樹脂容器61を光吸収が少ない白色樹脂で構成し、且つ、リードフレームを構成するアノード用リード部62およびカソード用リード部63の表面に銀メッキ層を形成することで、凹部61a内における可視光の光吸収率を少なくしている。
【0040】
図4は、発光装置60の製造方法を説明するための一例の図である。
まず、アノード用リード部62およびカソード用リード部63を一体化したリードフレームに、白色樹脂を射出成形して、凹部61aおよび凸部61bを有する樹脂容器61を形成する。次いで、樹脂容器61の凹部61aの底面70に露出するカソード用リード部63上に半導体発光素子64を接着固定し、ボンディングワイヤによって半導体発光素子64のp型電極、n型電極と、アノード用リード部62、カソード用リード部63とを、それぞれ接続する。
【0041】
次に、凹部61aに、未硬化状態の透明樹脂Rを充填する。その際、半導体発光素子64およびボンディングワイヤを未硬化状態の透明樹脂Rによって覆う。
このとき、凹部61aに充填された透明樹脂Rの表面は、表面張力により、中央部が膨らんだ凸状になる。
【0042】
樹脂容器61の凹部61aに対する未硬化の透明樹脂Rの充填は、吐出装置を用いたポッディング法で行うとよい。この吐出装置は、透明樹脂Rを吐出する吐出ノズルNと、図示しない制御部とを具備して構成されている。
【0043】
次に、未硬化の透明樹脂Rを硬化させて封止樹脂65を形成する。硬化処理は、例えば、加熱等を行えばよい。その後、リードフレームをアノード用リード部62およびカソード用リード部63に分離する切断およびリードフレームの折り曲げを行って、発光装置60が得られる。
【0044】
では、ここで、本実施の形態の発光装置60が、発光装置60の封止樹脂65同士の付着を抑制できる理由について説明する。
図5は、ハンドラーテスタ100の模式図である。
ハンドラーテスタ100は、発光装置60を整列させるパーツフィーダ110と、発光装置60の特性を測定する発光装置テスタ120と、発光装置60のアノード用リード部62およびカソード用リード部63のそれぞれを発光装置テスタ120の配線に接続するためのテストソケット122と、予め定められた特性範囲の発光装置60をキャリアテープ141にマウントするテーピングマシン140と、発光装置60をパーツフィーダ110からテストソケット122に、またテストソケット122からテーピングマシン140に運ぶための搬送ヘッド130と、を備える。さらに、ハンドラーテスタ100は、予め定められた特性範囲に入らない発光装置60を、廃棄するための破棄ボックス135を備える。
【0045】
ここで、発光装置テスタ120は、例えば発光装置60のI−V特性などの電気的特性および発光波長や配光などの光学的特性を測定する。
【0046】
パーツフィーダ110は、内側にらせん状に設けられた滑り台を備えたボウル部111とボウル部111に振動を与えるコントローラ部112とからなる。
そして、パーツフィーダ110は、塊で投入された発光装置60を、振動を与えながら振り分け、らせん状に設けられた滑り台を下から上に向かって押し上げることで、発光装置60を同方向に整列させる。
【0047】
整列された発光装置60は、搬送ヘッド130により、順にテストソケット122に挿入され、発光装置テスタ120により、電気的特性および光学的特性が測定される。そして、予め定められた範囲の特性の発光装置60のみが、搬送ヘッド130により、テーピングマシン140に送られる。そして、エンボスが設けられたキャリアテープ141にマウントされる。
【0048】
この後、発光装置60のマウントされたテープが、バックライト装置10を製作するアセンブルメーカに出荷される。そして、自動マウンタなどにより、キャリアテープ141にマウントされ、リール142に巻き取られた発光装置60が、キャリアテープ141から取り外されて配線基板20上に実装される。
【0049】
なお、ハンドラーテスタ100は、予め定められた範囲の特性を示さない発光装置60を、廃棄ボックス135に投入する。
ハンドラーテスタ100は、発光装置60の例えば中心となる発光波長を複数設定して、発光装置60をこれらの設定に基づいて複数のグループに分別するようにしてもよい。
【0050】
図6は、本実施の形態において、発光装置60同士の封止樹脂65の付着を抑制できる理由を説明する図である。図6(a)は、凸部61bを設けていない発光装置60の場合を、図6(b)は、凸部61bを設けた発光装置60の場合を示している。
【0051】
まず、図6(a)を参照しつつ、凸部61bを設けていない発光装置60の場合を説明する。
さて、パーツフィーダ110には、発光装置60が、塊で投入されるため、それぞれの発光装置60の向きはランダムになる。このため、発光装置60の封止樹脂65が、他の発光装置60の封止樹脂65と付着することが起こりうる。特に、封止樹脂65が開口面61cから半導体発光素子64と離れる方向に凸状態(d>0)になっていると、発光装置60の封止樹脂65と他の発光装置60の封止樹脂65とは接触しやすい。
【0052】
特に、パーツフィーダ110においては、振動が与えられているため、発光装置60は、絶えず動いている。これにより、ますます、発光装置60の封止樹脂65が他の発光装置60の封止樹脂65と向かい合う可能性が高くなる。
そして、一旦、発光装置60の封止樹脂65同士が付着すると、封止樹脂65自体の高い粘着(タック)性により、容易に分離しなくなってしまう。極端な場合には、人手によって、付着した発光装置60を剥がすことが必要となる。
特に、封止樹脂65がエポキシ樹脂である場合に比べ、柔らかく、かつ、粘着(タック)性が高いシリコーン樹脂の場合にこの傾向が顕著になる。
【0053】
次に、図6(b)に示すように、凸部61bを設けた発光装置60の場合を説明する。
凸部61bがあると、2つの発光装置60が封止樹脂65の側で互いに正対したときは、開口面61cから封止樹脂65の最頂部までの高さが、開口面61cから凸部61bの最頂部までの高さより小さいため、それぞれの発光装置60の封止樹脂65は互いに接触することがない。
【0054】
そして、2つの発光装置60が、正対ではない、多少ずれた位置で、向かい合ったとしても、凸部61bが妨げになって、封止樹脂65同士は接触することがない。このとき、封止樹脂65が接触するとしても、凸部61bとになる。そして、凸部61b(PPA)は粘着性が弱いため、たとえ封止樹脂65と凸部61bとが接触したとしても、容易に離れることができる。このため、封止樹脂65同士が接触する場合に比べ、封止樹脂65の最頂部への傷も少ない効果が得られる。また、封止樹脂65が、樹脂容器61の他の部分、例えば、凸部61b以外の樹脂容器61の側面に接触した場合も同様である。
そして、封止樹脂65が、アノード用リード部62およびカソード用リード部63と接触した場合も同様である。アノード用リード部62およびカソード用リード部63も粘着性が弱いからである。
【0055】
<実施の形態2>
図7は、本実施の形態が適用される発光装置60の構成を説明するための図である。ここで、図7(a)は発光装置60の上面図を、図7(b)は図7(a)のVIIB−VIIB断面図を、それぞれ示している。
【0056】
この発光装置60の基本構成は、実施の形態1で用いたものとほぼ同じである。ただし、凸部61bは、開口面61cに連続的に形成され、樹脂容器61の上面の2辺に開口部71を挟んで、それぞれ発光装置60の縦の縁に沿って設けられた板状突起である。
この発光装置60は、リードフレームを含まない横D1が例えば3.2mm、縦D2が例えば2.8mm、高さHが例えば1.9mmである。さらに、仰角θが例えば45°である。そして、開口面61cから凸部61bの高さhが例えば0.2mmである。開口部71の縁B1から凸部61bの立ち上がりB2までの最短の距離w(図7(a)のVIIB−VIIB断面における距離w)が例えば0.1mmである。
このようにしても、樹脂容器61の封止樹脂65同士が互いに接触することを抑制することができる。
【0057】
<実施の形態3>
図8は、本実施の形態が適用される発光装置60の構成を説明するための一例の図である。ここで、図8(a)は発光装置60の上面図を、図8(b)は図8(a)のVIIIB−VIIIB断面図を、それぞれ示している。
【0058】
この発光装置60の基本構成は、実施の形態1で用いたものとほぼ同じである。ただし、凸部61bは、樹脂容器61の上面の隅の2箇所に設けられた表面が平坦な円柱状の柱状突起である。
この発光装置60は、リードフレームを含まない横D1が例えば3.2mm、縦D2が例えば2.8mm、高さHが例えば1.9mmである。さらに、仰角θが例えば45°である。そして、開口面61cから凸部61bの高さhが例えば0.2mmである。開口部71の縁B1からの凸部61bの立ち上がりB2までの最短の距離w(図8(a)のVIIIB−VIIIB断面における距離w)が例えば0.1mmである。
【0059】
本実施の形態では、実施の形態1または実施の形態2に比べ、凸部61bが樹脂容器61の上面に占める割合が少なくなっているので、発光装置60の封止樹脂65が他の発光装置60の封止樹脂65と接触する可能性が増えると思われる。
しかし、このような形状の凸部61bでも、樹脂容器61の封止樹脂65が互いに接触する機会を減らすことができる。この構造は、樹脂容器61の上面に、凸部61bを設ける面積が少なく、実施の形態1または2のような、凸部61bを設けることができない場合に有効である。
【0060】
<実施の形態4>
図9は、本実施の形態が適用される発光装置60の構成を説明するための一例の図である。ここで、図9(a)は発光装置60の上面図を、図9(b)は図9(a)のIXB−IXB断面図を、それぞれ示している。
【0061】
この発光装置60の基本構成は、実施の形態1で用いたものとほぼ同じである。ただし、本実施の形態における凸部61bは、樹脂容器61の上面の隅の3箇所に設けられた柱状突起である。これらの凸部61bの内側の面は、半導体発光素子64を中心とする円筒状側面に相当する形状に形成され、これらの凸部61bの外側は、樹脂容器61の外壁を延長した形状に形成されている。そして、これらの凸部61bの上面は平坦に形成されている。したがって、本実施の形態における凸部61bは、側面が複雑な形状の柱状突起である。この構造は、樹脂容器61の上面に、凸部61bを設ける面積が少ない場合に有効である。
【0062】
この発光装置60は、リードフレームを含まない横D1が例えば3.2mm、縦D2が例えば2.8mm、高さHが例えば1.9mmである。さらに、仰角θが例えば45°である。そして、開口面61cから凸部61bの高さhが例えば0.2mmである。開口部71の縁B1からの凸部61bの立ち上がりB2までの距離wが例えば0.1mmである。
この場合でも、樹脂容器61の封止樹脂65が互いに接触する機会を減らすことができる。
【0063】
以上説明したように、樹脂容器61に、凸部61bを設けることで、封止樹脂65が互いに接触し、付着することを抑制できる。
なお、本発明においては凸部61bの形状は、実施の形態1〜4で説明した形状に限らない。また、凸部61bを形成する場所は、樹脂容器61の上面の開口部71を除いた部分に適宜設ければよい。
【0064】
そして、実施の形態1〜4では、凸部61bは、半導体発光素子64から開口部71を見上げたとするとき、その視野に見えない位置に設けられている。このようにすることで、凸部61bは、発光装置60の光出力などの特性に影響を与えない。
なお、発光装置60の光出力の低下などが許せる場合には、出力低下などが許せる範囲において、凸部61bの高さhおよび距離wなどを設定してもよい。
【0065】
なお、説明した本実施の形態では、発光装置60を用いて構成した発光モジュール12を、液晶表示装置のバックライト装置10に適用する例について説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば発光モジュール12をシェード等と組み合わせることによって、空間や物体などを照明する照明装置として利用することもできる。
【0066】
また、前記液晶表示装置や照明装置のほか、さらに例えば信号機、スキャナの光源装置、プリンタの露光装置、車載用の照明機器、LEDのドットマトリクスを用いたLEDディスプレイ装置等の電気装置に上述した発光装置60を組み込んで使用することができる。
【0067】
さらに、本実施の形態では、樹脂容器61の内部に、青色光を出力する半導体発光素子64を1つ用いた場合を示した。複数の半導体素子を用いてもよい。
【実施例】
【0068】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
III族窒化物化合物半導体素子64(青色発光素子)は、国際公開WO2008/087930号公報に記載の方法に準じて準備した。また、実施の形態1(図3)、実施の形態2(図7)、実施の形態3(図8)および実施の形態4(図9)に記載のサイズを有する発光装置60は、射出成型機でリードフレームと共にそれぞれのサイズに白色樹脂で一体成型して樹脂容器61とした。
すなわち、アノード用リード部62およびカソード用リード部63を一体化したリードフレームに、白色樹脂を射出成形して、凹部を有する樹脂容器61を形成した。樹脂容器61の凹部の底面70に露出するカソード用リード部63上に半導体発光素子64をダイアタッチペーストを用いてダイボンディングを行い、150℃で2時間加熱して硬化させたのち、金線を用いてワイヤボンディングを行い、半導体発光素子64のp型電極、n型電極と、アノード用リード部62、カソード用リード部63とを、それぞれ接続した。
そして、1つの樹脂容器61に1つの半導体発光素子64を搭載したものを作製した。
【0069】
次に、凹部61aに、蛍光体粉体と未硬化状態の透明樹脂65とを含む混合樹脂ペーストを充填した。その際、半導体発光素子64およびボンディングワイヤを混合樹脂ペーストによって覆うとともに、混合樹脂ペーストの液面を樹脂容器61の上面よりも20μm〜100μmの範囲で凸化した膨らみ面を形成した。なお、樹脂容器61の基体樹脂には、ナイロン9T(クラレ製ジェネスタ(商品名))を用いた。未硬化状態の透明樹脂65の基体樹脂には、硬化性シリコーン樹脂(主剤のビニル基含有ポリジメチルシロキサンと、硬化剤のSiH基含有ポリジメチルシロキサンと、硬化反応促進剤の白金族金属系触媒)を使用した。
【0070】
また、比較例1で用いた発光装置60は、開口面61c上に実施例1ないし4に記載するような凸部61bが形成されていない樹脂容器61を実施例と同様に準備して評価した。
上記の方法で樹脂容器61の凹部61aに封止樹脂(透明樹脂)を発光装置60と他の発光装置60との付着抑制率を調べた。その結果を表1にまとめた。なお、付着抑制率は、ハンドラーテスタ100用のパーツフィーダ110に発光装置60を各100個ずつ投入し、発光装置60の封止樹脂と他の発光装置60の封止樹脂との付着によりパーツフィーダ内に残存した発光装置60の数を数えて算出した。
【0071】
【表1】
【0072】
表1の結果によれば、実施例1〜4では、発光装置60と他の発光装置60が付着することはなく、パーツフィーダ110に投入した発光装置の100%がハンドラーテスタ100内に移送された。しかしながら、比較例1では、殆どの発光装置60が発光装置60同士で付着してしまってハンドラーテスタ100内に移送することができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】液晶表示装置の全体構成を示す一例の図である。
【図2】バックライト装置の構造を説明するための一例の図である。
【図3】実施の形態1の発光装置の構成を説明するための図である。
【図4】発光装置の製造方法を説明するための一例の図である。
【図5】ハンドラーテスタの模式図である。
【図6】封止樹脂の付着を抑制できる理由を説明する図である。
【図7】実施の形態2の発光装置の構成を説明するための図である。
【図8】実施の形態3の発光装置の構成を説明するための図である。
【図9】実施の形態4の発光装置の構成を説明するための図である。
【符号の説明】
【0074】
10…バックライト装置、12…発光モジュール、50…液晶表示モジュール、51…液晶パネル、60…発光装置、61…樹脂容器、61a…凹部、61b…凸部、61c…開口面、62…アノード用リード部、63…カソード用リード部、64…半導体発光素子、65…封止樹脂、65c…出射面、70…底面、80…壁面
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を用いた発光装置、発光モジュールおよび発光装置を備えた電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイのバックライトに半導体発光素子(LED:Light Emitting Diode)が採用されたことにより、LEDの生産量が飛躍的に拡大している。そして、LEDは、他の照明分野でも採用が検討されている。
ここで、LEDパッケージとは、半導体発光素子(LED)を備えた発光装置のことであって、例えば凹部を有する白色樹脂ケースの凹部内側にリードフレームを露出させるように配置し、凹部の内側に露出するリードフレームに半導体発光素子を取り付けるとともにこれらを電気的に接続し、半導体発光素子を覆うように封止樹脂を形成してなるものである。そして、封止樹脂は、LEDからの光が透過する部分にあたる。
【0003】
特許文献1には、上述したLEDパッケージの構造が記載されている。これには、発光ダイオードの樹脂封止構造物として、発光ダイオード素子(LED素子)取付用の孔が貫通して形成されており、一方側(背面側)から他方側(前面側)に向かって放射状に拡開している光反射ケースの一方の開口を塞ぐようにプリント基板が固着され、プリント基板にダイボンディングされたLED素子をボンディングワイヤを含めてエポキシ樹脂で封止する。
【0004】
しかし、液晶ディスプレイの表示面全体における色のばらつきについては、厳しい規格が存在する。例えばCIEのYxy表色系の色度の範囲として規定すると、x、yそれぞれにおいて±0.008程度のばらつきに抑制することが要求されている。ディスプレイの表示面全体における色のばらつきを前述の範囲内に収めるためには、発光装置(LEDパッケージ)についても、その範囲に入れる必要がある。
【0005】
このため、ハンドラーテスタなどで発光装置を一つ一つ測定し、特性が要求範囲からずれている発光装置を発見した場合は、そのLEDパッケージを取り除くことになる。
【0006】
【特許文献1】特開平6−53553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、発光装置の封止樹脂は、粘着(タック)性に富むため、他の発光装置の封止樹脂と付着しやすく(くっつきやすく)、しかも一旦付着すると離れにくくなる。また、発光装置の封止樹脂は柔らかいため、互いに付着した部分、特に封止樹脂の表面中央部に傷がついてしまう。このような部分に傷のついた発光装置は、輝度が低下するなどにより、使用することができず、この結果、歩留まり低下を招くことになってしまう。
【0008】
一方、ハンドラーテスタでは、発光装置は、ハンドラーテスタに設けられたパーツフィーダに塊として投入される。そして、発光装置は、パーツフィーダに設けられたらせん滑り台を上りながら、整列される。このとき、パーツフィーダは、発光装置を個々に分離するために、振動を加えている。これにより、発光装置が動き回ることになり、ますます発光装置の封止樹脂同士が付着しやすくなる。
そこで、封止樹脂同士が付着することを抑制するため、発光装置の封止樹脂の表面を中心部で20μm〜30μm凹ますようにしてきた。
しかし、封止樹脂の表面を凹ますと、LEDからの出射光が封止樹脂の表面から出た部分で広がることになるため、光取り出し効率が減少するという問題があった。
【0009】
本発明は、封止樹脂の表面を平坦または凸状としても、発光装置(LEDパッケージ)の封止樹脂が他の発光装置の封止樹脂と付着するのを抑制できる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的のもと、本発明が適用される発光装置は、平面状に形成される開口面と、開口面に形成される凹部と、開口面上に形成された凸部とが形成される樹脂容器と、樹脂容器に形成される導体部と、樹脂容器の凹部の内側に設けられ、導体部と電気的に接続される発光素子と、樹脂容器の凹部に、開口面に対して平面状または凸状に形成され、発光素子を封止する封止樹脂とを備え、樹脂容器の開口面から凸部の高さは、開口面から封止樹脂の最頂部までの高さより大きいことを特徴とする。
【0011】
本発明の発光装置では、凸部が開口面から連続的に形成され(凸部が開口面上に形成され)樹脂容器と一体的に形成されたものが好ましい。また、凸部は、開口面を取り囲んで連続的または不連続的に形成された環状突起であることを特徴とすることができる。
さらにまた、凸部は、開口面上に形成された板状突起であることを特徴とすることができる。また、凸部は、開口面上に形成された柱状突起であることを特徴とすることができる。
さらにまた、本発明においては、封止樹脂が、シリコーン樹脂にて構成されることを特徴とすることができる。
【0012】
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される発光モジュールは、基板と、基板に取り付けられる複数の発光装置とを備え、この発光装置は、平面状に形成される開口面と、開口面に形成される凹部と、開口面上に形成された凸部とが形成される樹脂容器と、樹脂容器に形成される導体部と、樹脂容器の凹部の内側に設けられ、導体部と電気的に接続される発光素子と、樹脂容器の凹部に、開口面に対して平面状または凸状に形成され、発光素子を封止する封止樹脂とを備え、樹脂容器の開口面から凸部の高さは、開口面から封止樹脂の最頂部までの高さより大きいことを特徴としている。
さらに、本発明においては前記に記載の発光装置を備えた電気装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光装置の封止樹脂が他の発光装置の封止樹脂と付着するのを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される液晶表示装置の全体構成を示す一例の図である。この液晶表示装置は、液晶表示モジュール50と、この液晶表示モジュール50の背面側(図1では下部側)に設けられるバックライト装置10とを備えている。
【0015】
バックライト装置10は、バックライトフレーム11と、半導体発光素子がそれぞれに配列され、バックライトフレーム11に収容される複数の発光モジュール12とを備えている。また、バックライト装置10は、光学フィルムの積層体として、面全体を均一な明るさとするために光を散乱・拡散させる板(またはフィルム)である拡散板13と、前方への集光効果を持たせたプリズムシート14、15とを備えている。また、輝度を向上させるための拡散・反射型の輝度向上フィルム16が、必要に応じて備えられる。
【0016】
一方、液晶表示モジュール50は、2枚のガラス基板により液晶が挟まれて構成される液晶パネル51と、この液晶パネル51の各々のガラス基板に積層され、光の振動方向をある方向に制限するための偏光板52、53とを備えている。更に、本液晶表示装置には、図示しない駆動用LSIなどの周辺部材も装着される。
【0017】
表示パネルの一例としての液晶パネル51は、図示しない各種構成要素を含んで構成されている。例えば、2枚のガラス基板に、図示しない表示電極、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などのアクティブ素子、液晶、スペーサ、シール剤、配向膜、共通電極、保護膜、カラーフィルタ等を備えている。
【0018】
図2は、バックライト装置10の構造を説明するための一例の図である。ここで、図2(a)は、発光モジュール12が装着されたバックライトフレーム11を、図1に示す液晶表示モジュール50側からみた上面図であり、図2(b)は図2(a)のIIB−IIB断面図である。本実施の形態では、液晶表示モジュール50の背面直下に光源を置く直下型のバックライト構造を採用している。そして、このバックライト構造では、液晶表示モジュール50の背面の全体に対してほぼ均等に、発光素子を有する発光装置60が配列されている。なお、本実施の形態で用いる発光装置60は、一般的にLEDパッケージと呼ばれるものである。
【0019】
バックライトフレーム11は、例えばアルミニウムやマグネシウム、鉄、またはそれらを含む金属合金などで生成される筐体構造を形成している。そして、その筐体構造の内側に、例えば白色高反射の性能を有するポリエステルフィルムなどが貼られ、リフレクタとしても機能するようになっている。この筐体構造としては、液晶表示モジュール50の大きさに対応して設けられる背面部11a、この背面部11aの四隅を囲う側面部11bを備えている。そして、この背面部11a上には放熱シート18を設けることができる。
【0020】
図2に示す例では、発光モジュール12が複数(この例では8枚)設けられている。そして、各発光モジュール12は、それぞれ複数(この例では1枚の発光モジュール12に対して2本)のネジ17により、放熱シート18を介してバックライトフレーム11に固定されている。
【0021】
発光モジュール12は、基板の一例としての配線基板20と、この配線基板20に実装される複数(この例では28個)の発光装置60とを備えている。
【0022】
図3は、本実施の形態で用いられる発光装置60の構成を説明するための一例の図である。ここで、図3(a)は発光装置60の上面図を、図3(b)は図3(a)のIIIB−IIIB断面図を、それぞれ示している。
【0023】
この発光装置60は、平面状に形成された開口面61cに形成された凹部61aと、同じく開口面61cと連続的に形成された凸部61bと、が一体的に形成された樹脂容器61、樹脂容器61と一体化したリードフレームからなるアノード用リード部62およびカソード用リード部63と、凹部61aの底面70に取り付けられた発光素子の一例としての半導体発光素子64と、凹部61aを覆うように設けられた封止樹脂65とを備えている。なお、図3(a)においては、封止樹脂65の記載を省略している。
ここで、樹脂容器61の開口面61cとは、凸部61bを除いた、凹部61aが形成された平面状の面をいう。そして、開口面61cにおける凹部61aの縁で囲まれた内側を開口部71という。そして、樹脂容器61の開口面61c側の表面を樹脂容器61の上面という。
【0024】
樹脂容器61は、アノード用リード部62およびカソード用リード部63を含む金属リード部に、白色顔料が含有された熱可塑性樹脂(以下の説明では白色樹脂と呼ぶ)を射出成型することによって形成されている。
【0025】
また、製造工程でハンダリフローなどの温度がかかる工程が複数あるので、白色樹脂は、耐熱性も十分考慮された材質が選定されている。基材となる樹脂としてはPPA(polyphthalamide)が最も一般的であるが、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリスチレンなどでもよい。中でも、本実施の形態では、PPAとして、ジアミンとイソフタル酸またはテレフタル酸との共重合体であるナイロン4T、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5Tが特に好ましく用いることができる。
【0026】
樹脂容器61に設けられる凹部61aは、円形状を有する底面70と、同じく円形状を有する開口部71と、底面70の周縁から開口部71に向けて拡開するように立ち上がる壁面80と、を備えている。ここで、底面70は、凹部61aに露出するアノード用リード部62およびカソード用リード部63と、アノード用リード部62とカソード用リード部63との間の隙間の樹脂容器61の白色樹脂とによって構成されている。ただし、底面70の半分以上の領域が、アノード用リード部62とカソード用リード部63とによって占められている。一方、壁面80は、樹脂容器61を構成する白色樹脂によって構成されている。なお、底面70の形状については、円形、矩形、楕円形、多角形のいずれでもよい。また、開口部71の形状については、円形、矩形、楕円形、多角形のいずれでもよく、底面形状と同一でもよく、本実施の形態のように異なっていてもよい。
【0027】
樹脂容器61に設けられる凸部61bは、開口面61cから立ち上がって、開口面61cを取り囲むように環状に設けられた環状突起である。そして、凸部61bは、開口面61cから高さhである。また、開口面61cにおける凹部61aの縁B1(開口部71の縁でもある)から、開口面61cからの凸部61bの立ち上がりB2までは距離wである。
さらに、凸部61bは、半導体発光素子64から、開口部71を見上げたとするとき、その視野にはほぼ見えない位置に設けられている。このようにすることで、凸部61bは、発光装置60の光出力などの特性に影響を与えないようにできる。
ここで、半導体発光素子64から凹部61aの縁B1を仰ぎ見た角度を仰角θと呼ぶ。
【0028】
導体部の一例としてのアノード用リード部62およびカソード用リード部63は、それぞれの一部が樹脂容器61内に挟まれて保持されるとともに、他の一部が樹脂容器61の外部に露出されており、半導体発光素子64に電流を印加するための端子となっている。表面実装を前提とするときは、図3に示すように、アノード用リード部62およびカソード用リード部63をそれぞれ樹脂容器61の裏側に折り曲げて樹脂容器61の底部にその先端を配設することが望ましい。
【0029】
また、アノード用リード部62およびカソード用リード部63すなわちリードフレームは、0.1mm〜0.5mm程度の厚みをもつ金属板であり、銅合金等の金属導体をベースとし、その表面には銀メッキが施されることによって銀メッキ層が形成されている。
【0030】
半導体発光素子64は、凹部61aの底面70に配設されたカソード用リード部63上に、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂からなるダイボンド剤で接着され、固定されている。
この半導体発光素子64は、n型電極およびp型電極を有しており、ボンディングワイヤを介して、p型電極がアノード用リード部62に、n型電極がカソード用リード部63に、それぞれ接続されている。なお、本実施の形態で用いた発光装置60では、図3(a)に示すように、半導体発光素子64が、円形状を有する底面70のほぼ中央部に取り付けられている。
【0031】
半導体発光素子64は、430nm以上500nm以下の波長領域に主発光ピークを有する青色光を発するものであり、サファイア基板の上に形成されるAlNからなるシード層と、シード層上に形成される下地層と、GaNを主体とする積層半導体層とを少なくとも備えている。積層半導体層は、基板側から下地層、n型半導体層、発光層、p型半導体層の順に積層されて構成されている。
【0032】
なお、半導体発光素子64は、GaAlAsやGaAlInPからなる赤色光を発するもの、GaPからなる緑色光を発するものであってもよい。また、青色光の発光により、封止樹脂65に混合された蛍光体を発光させて、白色とするものであってもよい。
この場合、例えば、封止樹脂65は、半導体発光素子64が発する青色光を吸収してより長波長の光を発する二種類以上の蛍光体(以下、蛍光体粉体ともいう)と、蛍光体粉体を均一に分散させた状態で含有する透明樹脂とから構成される。この例において、青色光を吸収して緑色光を発する緑色蛍光体と、青色光を吸収して赤色光を発する赤色蛍光体とを含む。緑色蛍光体としては公知なシリケート系蛍光体(BaSiO4:Eu2+)が好適に用いられ、また、赤色蛍光体としては公知な窒化物蛍光体(CaAlSiN3:Eu2+)が用いられる。
赤色蛍光体は、緑色蛍光体が発する光でも励起されるので、色度調節して緑および赤の蛍光体の比率を調整して白色光が出射されるようする。照明用途では、演色性(太陽光の下で見た色と同じに見える度合い)を高めるために、できるだけ太陽光と同じ波長分布になるよう調整する。一方、液晶表示装置のバックライト用途の場合、色再現範囲は青、緑、赤の色度座標上の3点ができるだけ広い必要がある。すなわち色純度ができるだけ高いことが重要である。そのためには、3原色の波長分布をできるだけシャープにするなどの調整を行う。
【0033】
封止樹脂65は、透明樹脂から構成されている。そして、封止樹脂65を構成する透明樹脂としては、可視領域において透明な各種樹脂を適用して差し支えない。
例えば、透明樹脂65としては、凹部を覆うように封止する硬化性樹脂と、これを硬化させる硬化剤と、さらに必要により配合される、例えば酸化防止剤、変色防止剤、光劣化防止剤、反応性希釈剤、無機充填剤、難燃剤、有機溶剤等を含むものがよい。
硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシシリコーン混成樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂が好ましく、特にシリコーン樹脂が特によい。
また、封止樹脂65には、光を出射させる出射面65cが設けられている。この例では、図3(b)に示すように、樹脂容器61の開口部71側に出射面65cが形成されている。
【0034】
さらに、この発光装置60においては、図3(b)に示すように、出射面65cの中央部が樹脂容器61の上面よりも凸状に膨らんでいる。その脹らみ量dは開口面61cから20μm〜100μmとなっている。膨らみ量dは、樹脂容器61の開口部71の縁B1の高さと、出射面65c(封止樹脂65)の最頂部の高さとの差になる。なお、ここでは、樹脂容器61の開口部71の縁B1の高さを基準(0)としたとき、半導体発光素子64を下方側として、半導体発光素子64に近づく側をマイナス(−)としている。したがって、膨らみ量dが開口面61cから20μm〜100μmの範囲とは、樹脂容器61の開口部71の縁B1の高さを0μmとしたときに、出射面65cの最頂部の高さが開口面61cよりも20μm〜100μmの範囲で半導体発光素子64と反対側に位置していることを意味する。
なお、出射面65cの中央部は、膨らみが小さい平面状であってもよい。
【0035】
この膨らみ量dは、樹脂容器61の開口部71の縁の延長面L(開口面61cに一致する)を仮想的に設定し、凹部61a内で硬化した封止樹脂65の中心点をAとし、点Aと延長面Lとの距離から求める。実際の測定は、レーザ変位計(たとえばオムロン製 ZSHLD2)で行うことができる。
なお、出射面65cの中央部は、膨らみが小さい平面状であってもよい。
【0036】
この発光装置60は、リードフレームを含まない横D1が例えば3.2mm、縦D2が例えば2.8mm、高さHが例えば1.9mmである。さらに、仰角θが例えば45°である。そして、開口面61cから凸部61bの高さhが例えば0.2mmである。開口部71の縁B1から凸部61bの立ち上がりB2までの距離wが例えば0.1mmである。
このように、開口面61cから凸部61bの高さhは、封止樹脂65の膨らみ量dより大きく設定している。すなわち、半導体発光素子64を下方側とした場合に、樹脂容器61の開口面61cから凸部61bの高さhは、開口面61cから封止樹脂65の最頂部までの高さdより大きいことになる。
【0037】
では、図3に示す発光装置60の発光動作について説明する。
アノード用リード部62を正極とし、カソード用リード部63を負極として半導体発光素子64に電流を流すと、半導体発光素子64は青色光を出力する。半導体発光素子64から出力された青色光は、封止樹脂65内を進行し、直接あるいは底面70や壁面80で反射した後に出射面65cから外部に出射される。但し、出射面65cに向かう光の一部は、出射面65cで反射し、再び封止樹脂65内を進行する。
【0038】
これらのうち、底面70や壁面80に向かう光は、底面70や壁面80を構成する銀メッキ層や白色樹脂によって反射されることを繰り返して、最終的に出射面65cに抜け出る。
【0039】
本実施の形態では、樹脂容器61を光吸収が少ない白色樹脂で構成し、且つ、リードフレームを構成するアノード用リード部62およびカソード用リード部63の表面に銀メッキ層を形成することで、凹部61a内における可視光の光吸収率を少なくしている。
【0040】
図4は、発光装置60の製造方法を説明するための一例の図である。
まず、アノード用リード部62およびカソード用リード部63を一体化したリードフレームに、白色樹脂を射出成形して、凹部61aおよび凸部61bを有する樹脂容器61を形成する。次いで、樹脂容器61の凹部61aの底面70に露出するカソード用リード部63上に半導体発光素子64を接着固定し、ボンディングワイヤによって半導体発光素子64のp型電極、n型電極と、アノード用リード部62、カソード用リード部63とを、それぞれ接続する。
【0041】
次に、凹部61aに、未硬化状態の透明樹脂Rを充填する。その際、半導体発光素子64およびボンディングワイヤを未硬化状態の透明樹脂Rによって覆う。
このとき、凹部61aに充填された透明樹脂Rの表面は、表面張力により、中央部が膨らんだ凸状になる。
【0042】
樹脂容器61の凹部61aに対する未硬化の透明樹脂Rの充填は、吐出装置を用いたポッディング法で行うとよい。この吐出装置は、透明樹脂Rを吐出する吐出ノズルNと、図示しない制御部とを具備して構成されている。
【0043】
次に、未硬化の透明樹脂Rを硬化させて封止樹脂65を形成する。硬化処理は、例えば、加熱等を行えばよい。その後、リードフレームをアノード用リード部62およびカソード用リード部63に分離する切断およびリードフレームの折り曲げを行って、発光装置60が得られる。
【0044】
では、ここで、本実施の形態の発光装置60が、発光装置60の封止樹脂65同士の付着を抑制できる理由について説明する。
図5は、ハンドラーテスタ100の模式図である。
ハンドラーテスタ100は、発光装置60を整列させるパーツフィーダ110と、発光装置60の特性を測定する発光装置テスタ120と、発光装置60のアノード用リード部62およびカソード用リード部63のそれぞれを発光装置テスタ120の配線に接続するためのテストソケット122と、予め定められた特性範囲の発光装置60をキャリアテープ141にマウントするテーピングマシン140と、発光装置60をパーツフィーダ110からテストソケット122に、またテストソケット122からテーピングマシン140に運ぶための搬送ヘッド130と、を備える。さらに、ハンドラーテスタ100は、予め定められた特性範囲に入らない発光装置60を、廃棄するための破棄ボックス135を備える。
【0045】
ここで、発光装置テスタ120は、例えば発光装置60のI−V特性などの電気的特性および発光波長や配光などの光学的特性を測定する。
【0046】
パーツフィーダ110は、内側にらせん状に設けられた滑り台を備えたボウル部111とボウル部111に振動を与えるコントローラ部112とからなる。
そして、パーツフィーダ110は、塊で投入された発光装置60を、振動を与えながら振り分け、らせん状に設けられた滑り台を下から上に向かって押し上げることで、発光装置60を同方向に整列させる。
【0047】
整列された発光装置60は、搬送ヘッド130により、順にテストソケット122に挿入され、発光装置テスタ120により、電気的特性および光学的特性が測定される。そして、予め定められた範囲の特性の発光装置60のみが、搬送ヘッド130により、テーピングマシン140に送られる。そして、エンボスが設けられたキャリアテープ141にマウントされる。
【0048】
この後、発光装置60のマウントされたテープが、バックライト装置10を製作するアセンブルメーカに出荷される。そして、自動マウンタなどにより、キャリアテープ141にマウントされ、リール142に巻き取られた発光装置60が、キャリアテープ141から取り外されて配線基板20上に実装される。
【0049】
なお、ハンドラーテスタ100は、予め定められた範囲の特性を示さない発光装置60を、廃棄ボックス135に投入する。
ハンドラーテスタ100は、発光装置60の例えば中心となる発光波長を複数設定して、発光装置60をこれらの設定に基づいて複数のグループに分別するようにしてもよい。
【0050】
図6は、本実施の形態において、発光装置60同士の封止樹脂65の付着を抑制できる理由を説明する図である。図6(a)は、凸部61bを設けていない発光装置60の場合を、図6(b)は、凸部61bを設けた発光装置60の場合を示している。
【0051】
まず、図6(a)を参照しつつ、凸部61bを設けていない発光装置60の場合を説明する。
さて、パーツフィーダ110には、発光装置60が、塊で投入されるため、それぞれの発光装置60の向きはランダムになる。このため、発光装置60の封止樹脂65が、他の発光装置60の封止樹脂65と付着することが起こりうる。特に、封止樹脂65が開口面61cから半導体発光素子64と離れる方向に凸状態(d>0)になっていると、発光装置60の封止樹脂65と他の発光装置60の封止樹脂65とは接触しやすい。
【0052】
特に、パーツフィーダ110においては、振動が与えられているため、発光装置60は、絶えず動いている。これにより、ますます、発光装置60の封止樹脂65が他の発光装置60の封止樹脂65と向かい合う可能性が高くなる。
そして、一旦、発光装置60の封止樹脂65同士が付着すると、封止樹脂65自体の高い粘着(タック)性により、容易に分離しなくなってしまう。極端な場合には、人手によって、付着した発光装置60を剥がすことが必要となる。
特に、封止樹脂65がエポキシ樹脂である場合に比べ、柔らかく、かつ、粘着(タック)性が高いシリコーン樹脂の場合にこの傾向が顕著になる。
【0053】
次に、図6(b)に示すように、凸部61bを設けた発光装置60の場合を説明する。
凸部61bがあると、2つの発光装置60が封止樹脂65の側で互いに正対したときは、開口面61cから封止樹脂65の最頂部までの高さが、開口面61cから凸部61bの最頂部までの高さより小さいため、それぞれの発光装置60の封止樹脂65は互いに接触することがない。
【0054】
そして、2つの発光装置60が、正対ではない、多少ずれた位置で、向かい合ったとしても、凸部61bが妨げになって、封止樹脂65同士は接触することがない。このとき、封止樹脂65が接触するとしても、凸部61bとになる。そして、凸部61b(PPA)は粘着性が弱いため、たとえ封止樹脂65と凸部61bとが接触したとしても、容易に離れることができる。このため、封止樹脂65同士が接触する場合に比べ、封止樹脂65の最頂部への傷も少ない効果が得られる。また、封止樹脂65が、樹脂容器61の他の部分、例えば、凸部61b以外の樹脂容器61の側面に接触した場合も同様である。
そして、封止樹脂65が、アノード用リード部62およびカソード用リード部63と接触した場合も同様である。アノード用リード部62およびカソード用リード部63も粘着性が弱いからである。
【0055】
<実施の形態2>
図7は、本実施の形態が適用される発光装置60の構成を説明するための図である。ここで、図7(a)は発光装置60の上面図を、図7(b)は図7(a)のVIIB−VIIB断面図を、それぞれ示している。
【0056】
この発光装置60の基本構成は、実施の形態1で用いたものとほぼ同じである。ただし、凸部61bは、開口面61cに連続的に形成され、樹脂容器61の上面の2辺に開口部71を挟んで、それぞれ発光装置60の縦の縁に沿って設けられた板状突起である。
この発光装置60は、リードフレームを含まない横D1が例えば3.2mm、縦D2が例えば2.8mm、高さHが例えば1.9mmである。さらに、仰角θが例えば45°である。そして、開口面61cから凸部61bの高さhが例えば0.2mmである。開口部71の縁B1から凸部61bの立ち上がりB2までの最短の距離w(図7(a)のVIIB−VIIB断面における距離w)が例えば0.1mmである。
このようにしても、樹脂容器61の封止樹脂65同士が互いに接触することを抑制することができる。
【0057】
<実施の形態3>
図8は、本実施の形態が適用される発光装置60の構成を説明するための一例の図である。ここで、図8(a)は発光装置60の上面図を、図8(b)は図8(a)のVIIIB−VIIIB断面図を、それぞれ示している。
【0058】
この発光装置60の基本構成は、実施の形態1で用いたものとほぼ同じである。ただし、凸部61bは、樹脂容器61の上面の隅の2箇所に設けられた表面が平坦な円柱状の柱状突起である。
この発光装置60は、リードフレームを含まない横D1が例えば3.2mm、縦D2が例えば2.8mm、高さHが例えば1.9mmである。さらに、仰角θが例えば45°である。そして、開口面61cから凸部61bの高さhが例えば0.2mmである。開口部71の縁B1からの凸部61bの立ち上がりB2までの最短の距離w(図8(a)のVIIIB−VIIIB断面における距離w)が例えば0.1mmである。
【0059】
本実施の形態では、実施の形態1または実施の形態2に比べ、凸部61bが樹脂容器61の上面に占める割合が少なくなっているので、発光装置60の封止樹脂65が他の発光装置60の封止樹脂65と接触する可能性が増えると思われる。
しかし、このような形状の凸部61bでも、樹脂容器61の封止樹脂65が互いに接触する機会を減らすことができる。この構造は、樹脂容器61の上面に、凸部61bを設ける面積が少なく、実施の形態1または2のような、凸部61bを設けることができない場合に有効である。
【0060】
<実施の形態4>
図9は、本実施の形態が適用される発光装置60の構成を説明するための一例の図である。ここで、図9(a)は発光装置60の上面図を、図9(b)は図9(a)のIXB−IXB断面図を、それぞれ示している。
【0061】
この発光装置60の基本構成は、実施の形態1で用いたものとほぼ同じである。ただし、本実施の形態における凸部61bは、樹脂容器61の上面の隅の3箇所に設けられた柱状突起である。これらの凸部61bの内側の面は、半導体発光素子64を中心とする円筒状側面に相当する形状に形成され、これらの凸部61bの外側は、樹脂容器61の外壁を延長した形状に形成されている。そして、これらの凸部61bの上面は平坦に形成されている。したがって、本実施の形態における凸部61bは、側面が複雑な形状の柱状突起である。この構造は、樹脂容器61の上面に、凸部61bを設ける面積が少ない場合に有効である。
【0062】
この発光装置60は、リードフレームを含まない横D1が例えば3.2mm、縦D2が例えば2.8mm、高さHが例えば1.9mmである。さらに、仰角θが例えば45°である。そして、開口面61cから凸部61bの高さhが例えば0.2mmである。開口部71の縁B1からの凸部61bの立ち上がりB2までの距離wが例えば0.1mmである。
この場合でも、樹脂容器61の封止樹脂65が互いに接触する機会を減らすことができる。
【0063】
以上説明したように、樹脂容器61に、凸部61bを設けることで、封止樹脂65が互いに接触し、付着することを抑制できる。
なお、本発明においては凸部61bの形状は、実施の形態1〜4で説明した形状に限らない。また、凸部61bを形成する場所は、樹脂容器61の上面の開口部71を除いた部分に適宜設ければよい。
【0064】
そして、実施の形態1〜4では、凸部61bは、半導体発光素子64から開口部71を見上げたとするとき、その視野に見えない位置に設けられている。このようにすることで、凸部61bは、発光装置60の光出力などの特性に影響を与えない。
なお、発光装置60の光出力の低下などが許せる場合には、出力低下などが許せる範囲において、凸部61bの高さhおよび距離wなどを設定してもよい。
【0065】
なお、説明した本実施の形態では、発光装置60を用いて構成した発光モジュール12を、液晶表示装置のバックライト装置10に適用する例について説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば発光モジュール12をシェード等と組み合わせることによって、空間や物体などを照明する照明装置として利用することもできる。
【0066】
また、前記液晶表示装置や照明装置のほか、さらに例えば信号機、スキャナの光源装置、プリンタの露光装置、車載用の照明機器、LEDのドットマトリクスを用いたLEDディスプレイ装置等の電気装置に上述した発光装置60を組み込んで使用することができる。
【0067】
さらに、本実施の形態では、樹脂容器61の内部に、青色光を出力する半導体発光素子64を1つ用いた場合を示した。複数の半導体素子を用いてもよい。
【実施例】
【0068】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
III族窒化物化合物半導体素子64(青色発光素子)は、国際公開WO2008/087930号公報に記載の方法に準じて準備した。また、実施の形態1(図3)、実施の形態2(図7)、実施の形態3(図8)および実施の形態4(図9)に記載のサイズを有する発光装置60は、射出成型機でリードフレームと共にそれぞれのサイズに白色樹脂で一体成型して樹脂容器61とした。
すなわち、アノード用リード部62およびカソード用リード部63を一体化したリードフレームに、白色樹脂を射出成形して、凹部を有する樹脂容器61を形成した。樹脂容器61の凹部の底面70に露出するカソード用リード部63上に半導体発光素子64をダイアタッチペーストを用いてダイボンディングを行い、150℃で2時間加熱して硬化させたのち、金線を用いてワイヤボンディングを行い、半導体発光素子64のp型電極、n型電極と、アノード用リード部62、カソード用リード部63とを、それぞれ接続した。
そして、1つの樹脂容器61に1つの半導体発光素子64を搭載したものを作製した。
【0069】
次に、凹部61aに、蛍光体粉体と未硬化状態の透明樹脂65とを含む混合樹脂ペーストを充填した。その際、半導体発光素子64およびボンディングワイヤを混合樹脂ペーストによって覆うとともに、混合樹脂ペーストの液面を樹脂容器61の上面よりも20μm〜100μmの範囲で凸化した膨らみ面を形成した。なお、樹脂容器61の基体樹脂には、ナイロン9T(クラレ製ジェネスタ(商品名))を用いた。未硬化状態の透明樹脂65の基体樹脂には、硬化性シリコーン樹脂(主剤のビニル基含有ポリジメチルシロキサンと、硬化剤のSiH基含有ポリジメチルシロキサンと、硬化反応促進剤の白金族金属系触媒)を使用した。
【0070】
また、比較例1で用いた発光装置60は、開口面61c上に実施例1ないし4に記載するような凸部61bが形成されていない樹脂容器61を実施例と同様に準備して評価した。
上記の方法で樹脂容器61の凹部61aに封止樹脂(透明樹脂)を発光装置60と他の発光装置60との付着抑制率を調べた。その結果を表1にまとめた。なお、付着抑制率は、ハンドラーテスタ100用のパーツフィーダ110に発光装置60を各100個ずつ投入し、発光装置60の封止樹脂と他の発光装置60の封止樹脂との付着によりパーツフィーダ内に残存した発光装置60の数を数えて算出した。
【0071】
【表1】
【0072】
表1の結果によれば、実施例1〜4では、発光装置60と他の発光装置60が付着することはなく、パーツフィーダ110に投入した発光装置の100%がハンドラーテスタ100内に移送された。しかしながら、比較例1では、殆どの発光装置60が発光装置60同士で付着してしまってハンドラーテスタ100内に移送することができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】液晶表示装置の全体構成を示す一例の図である。
【図2】バックライト装置の構造を説明するための一例の図である。
【図3】実施の形態1の発光装置の構成を説明するための図である。
【図4】発光装置の製造方法を説明するための一例の図である。
【図5】ハンドラーテスタの模式図である。
【図6】封止樹脂の付着を抑制できる理由を説明する図である。
【図7】実施の形態2の発光装置の構成を説明するための図である。
【図8】実施の形態3の発光装置の構成を説明するための図である。
【図9】実施の形態4の発光装置の構成を説明するための図である。
【符号の説明】
【0074】
10…バックライト装置、12…発光モジュール、50…液晶表示モジュール、51…液晶パネル、60…発光装置、61…樹脂容器、61a…凹部、61b…凸部、61c…開口面、62…アノード用リード部、63…カソード用リード部、64…半導体発光素子、65…封止樹脂、65c…出射面、70…底面、80…壁面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状に形成される開口面と、当該開口面に形成される凹部と、当該開口面上に形成された凸部とが形成される樹脂容器と、
前記樹脂容器に形成される導体部と、
前記樹脂容器の前記凹部の内側に設けられ、前記導体部と電気的に接続される発光素子と、
前記樹脂容器の前記凹部に、前記開口面に対して平面状または凸状に形成され、前記発光素子を封止する封止樹脂と
を備え、
前記樹脂容器の前記開口面から前記凸部の高さは、当該開口面から前記封止樹脂の最頂部までの高さより大きい
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記開口面を取り囲んで形成された環状突起であることを特徴とする請求項1項記載の発光装置。
【請求項3】
前記凸部は、板状突起であることを特徴とする請求項1項記載の発光装置。
【請求項4】
前記凸部は、柱状突起であることを特徴とする請求項1項記載の発光装置。
【請求項5】
前記封止樹脂が、シリコーン樹脂にて構成されることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項6】
基板と、
当該基板に取り付けられる複数の発光装置とを備え、
前記発光装置は、
平面状に形成される開口面と、当該開口面に形成される凹部と、当該開口面上に形成された凸部とが形成される樹脂容器と、
前記樹脂容器に形成される導体部と、
前記樹脂容器の前記凹部の内側に設けられ、前記導体部と電気的に接続される発光素子と、
前記樹脂容器の前記凹部に、前記開口面に対して平面状または凸状に形成され、前記発光素子を封止する封止樹脂と
を備え、
前記樹脂容器の前記開口面から前記凸部の高さは、当該開口面から前記封止樹脂の最頂部までの高さより大きい
ことを特徴とする発光モジュール。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置を備えた電気装置。
【請求項1】
平面状に形成される開口面と、当該開口面に形成される凹部と、当該開口面上に形成された凸部とが形成される樹脂容器と、
前記樹脂容器に形成される導体部と、
前記樹脂容器の前記凹部の内側に設けられ、前記導体部と電気的に接続される発光素子と、
前記樹脂容器の前記凹部に、前記開口面に対して平面状または凸状に形成され、前記発光素子を封止する封止樹脂と
を備え、
前記樹脂容器の前記開口面から前記凸部の高さは、当該開口面から前記封止樹脂の最頂部までの高さより大きい
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記開口面を取り囲んで形成された環状突起であることを特徴とする請求項1項記載の発光装置。
【請求項3】
前記凸部は、板状突起であることを特徴とする請求項1項記載の発光装置。
【請求項4】
前記凸部は、柱状突起であることを特徴とする請求項1項記載の発光装置。
【請求項5】
前記封止樹脂が、シリコーン樹脂にて構成されることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項6】
基板と、
当該基板に取り付けられる複数の発光装置とを備え、
前記発光装置は、
平面状に形成される開口面と、当該開口面に形成される凹部と、当該開口面上に形成された凸部とが形成される樹脂容器と、
前記樹脂容器に形成される導体部と、
前記樹脂容器の前記凹部の内側に設けられ、前記導体部と電気的に接続される発光素子と、
前記樹脂容器の前記凹部に、前記開口面に対して平面状または凸状に形成され、前記発光素子を封止する封止樹脂と
を備え、
前記樹脂容器の前記開口面から前記凸部の高さは、当該開口面から前記封止樹脂の最頂部までの高さより大きい
ことを特徴とする発光モジュール。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置を備えた電気装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−182746(P2010−182746A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22835(P2009−22835)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
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