説明

発光装置、発光装置の製造方法、電子機器

【課題】 複数の発光領域中に欠陥が発生した場合であっても、他の発光素子の輝度低下等を防止できると共に、無発光領域を認識しづらくすることができる発光装置、電子機器を提案する。
【解決手段】 発光装置101は、少なくとも発光層23を有する複数の有機機能層20a〜20eと、複数の有機機能層20a〜20eを電気的に直列に接続する配線21,24とを含む基板10と、複数の有機機能層20a〜20eから離間した位置に配置された色変換層15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセンス型発光装置、発光装置の製造方法、及びそれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光素子から放射される光を、照明光や表示光等の機能光として利用する発光装置が知られている。例えば、発光素子として有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いた発光装置等がある。これらの有機EL素子を備えた発光装置の基本構造は、ガラス基板上に有機EL素子を配設したものが一般的であり、有機EL素子から放射されてガラス基板を透過して放射される光を照明光や表示光として利用するようになっている。
【0003】
このような発光装置としては、特許文献1に開示されるように、複数の発光素子を有する発光装置が提案されている。複数の発光素子の一つに欠陥が発生した場合であっても、他の発光素子が発光しつつけることで、発光装置としての機能を維持させることができる。このため、単一の発光素子からなる発光装置に比べて、長寿命、高い歩留まりを実現することができる。
【特許文献1】特開2005−93074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の発光素子の一つに欠陥(短絡)が発生すると、他の発光素子に流れる電流が低下してしまうため、各発光素子の輝度、ひいては照明装置全体の照度が低下してしまうという問題がある。また、無発光素子は黒点として認識されるため、商品価値が下がってしまうという問題もある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、一つ又は複数の発光領域中に欠陥が発生した場合であっても、他の発光素子の輝度低下等を防止できると共に、無発光領域を認識しづらくすることができる発光装置、発光装置の製造方法、電子機器を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置、発光装置の製造方法、電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、発光装置は、少なくとも発光層を有する複数の有機機能層と、前記複数の有機機能層を電気的に直列に接続する配線とを含む基板と、前記複数の有機機能層から離間した位置に配置された色変換層と、を備えるようにした。
また、発光装置は、少なくとも発光層を有する複数の有機機能層と、前記複数の有機機能層を電気的に直列に接続する配線とを一側面に備えた基板と、前記複数の有機機能層及び前記配線とが形成される側の対向面に配置された色変換膜と、を備えるようにした。
この発明によれば、複数の有機機能層のうちのいくつかが短絡により発光不可能となった場合であっても、他の有機機能層を、輝度を低下せずに発光させることができる。また、電気的に複雑な配線が不要となるので、有機機能層等の形成が容易となる。また、色変換層を有するので、有機機能層のうちのいくつかが発光不可能となった場合であっても、発光装置を見ても、無発光の部分が認識しづらくなる。
【0007】
また、前記色変換層は、前記基板上又は前記有機機能層を覆う封止部材上に配置されるものでは、いわゆるトップエミッション型、ボトムエミッション型において、容易に複数の有機機能層と色変換層とを一定の距離で離間させることができる。
また、前記発光層は、青色発光層のみからなるものであっても、色変換層により、白色光を得ることができる。
また、前記発光層は、青色発光層と赤色発光層を積層してなるものでは、照明に適切な白色光を得ることができる。
また、前記有機機能層の幅が前記有機機能層同士間の距離以上であるものでは、発光ムラを認識しづらくなる。
また、前記有機機能層同士間の距離が前記有機機能層から前記色変換層までの距離以下であるものでは、発光ムラを認識しづらくなる。
【0008】
第2の発明は、発光装置の製造方法は、基板上に、少なくとも発光層を有する複数の有機機能層と、前記複数の有機機能層を電気的に直列に接続する配線とを配置する工程と、前記複数の有機機能層から離間した位置に色変換層を配置する工程と、を有するようにした。
この発明によれば、複数の有機機能層のうちのいくつかが短絡により発光不可能となった場合であっても、他の有機機能層を、輝度を低下せずに発光させることができる。また、電気的に複雑な配線が不要となるので、有機機能層等の形成が容易となる。また、色変換層を有するので、有機機能層のうちのいくつかが発光不可能となった場合であっても、発光装置を見ても、無発光の部分が認識しづらくなる。
【0009】
第3の発明は、電子機器が第1の発明の発光装置を備えるようにした。
この発明によれば、ムラのない白色光を照射可能な薄形の発光装置を備えるので、高品質な電子機器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の発光装置、発光装置の製造方法、電子機器の実施形態について図を参照して説明する。
[照明装置]
図1は、第一実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示した断面図である。図2は、照明装置の平面構造を模式的に示した図である。
【0011】
照明装置(発光装置)101は、基板10と、この基板10上に形成された有機EL素子20と、有機EL素子20上に固着された封止部材30とを主体として構成されており、有機EL素子20で発光した光を基板10側から放射する、いわゆるボトムエミッション型となっている。
【0012】
基板10上には複数の有機EL素子20が設けられており、各有機EL素子20は、有機機能層20a〜20e及び配線21,24から構成されている。
本実施の形態における有機機能層20a〜20eは、正孔注入層22及び発光層23から構成されているものであるが、正孔輸送層、電子輸送層、電子輸送層を含んだ構成であってもよい。
また、本実施例における配線21,24は、陽極21と陰極24からなるものである。
すなわち、有機EL素子20は、陽極21と、正孔注入層22と、発光層23と、陰極24とを順に積層した構成を備えており、隣接する有機機能層20a〜20eは、陽極21と陰極24とによりそれぞれ電気的に接続されている。つまり、基板10上の複数の有機EL素子20は、電気的に直列に接続されている。
そして、図1に示すように、基板10の両端に配置された有機機能層20aの陽極21及び有機EL素子20eの陰極24は、有機機能層20a〜20eを駆動制御する発光回路40と電気的に接続されている。
なお、各有機EL素子20(有機機能層20a〜20e)の幅(長さ)をaとし、各有機EL素子20の間の距離をcとする。
【0013】
基板10は、発光した光を透過して放射するべく、透明ガラスや石英等の透光性の基板となっている。なお、基板10の厚みをtとする。
基板10の出光面側には、光変換蛍光膜15が配置される。光変換蛍光膜15は、受けた光を、より長波長の光(蛍光)に変換するものであって、蛍光体微粒子とマトリクス樹脂を含んでいる。
蛍光体微粒子としては、例えば、シアノ基を含有するJ会合性を有する有機蛍光色素のナノ結晶微粒子を挙げることができる。金属化合物等の無機化合物からなり、可視光を吸収し、吸収した光よりも長い蛍光を発する無機蛍光体微粒子を使用することもできる。
マトリクス樹脂は、蛍光体微粒子を分散する樹脂であり、非硬化型樹脂、熱硬化型樹脂又は光硬化型樹脂を用いることができる。具体的には、オリゴマー又はポリマー形態のメラミン樹脂,フェノール樹脂,アルキド樹脂,エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂,マレイン酸樹脂,ポリアミド系樹脂、又はポリメチルメタクリレート,ポリアクリレート,ポリカーボネート,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセルロール等及びこれらを形成するモノマーを構成成分とする共重合体が挙げられる。
【0014】
陽極21も、後述するように発光層23で発光した光を透過させるため、透明導電材料によって形成されたものとなっている。透明導電材料としてはITOを使用することが好ましい。また、このITO(陽極21)の表面には必要に応じてOプラズマ処理が施されるようになっており、これによって電極表面の洗浄、及び仕事関数の調整がなされ、さらに親液性が付与されるようになっている。
【0015】
陽極21上には、正孔注入層22が形成配置される。正孔注入層22は、例えば、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルフォン酸が添加されてなるものから形成される。すなわち、正孔注入層22の形成材料として、具体的には、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸などが好適に用いられる。
なお、正孔注入層22の形成材料については、上述したものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、前記のポリスチレンスルフォン酸とともに適宜な分散媒に分散させたものなどが使用可能である。
【0016】
発光層23は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料によって形成される。本実施形態においては、青色発光材料が用いられる。
発光材料として高分子材料を用いた場合、これを液状化するための溶媒としては、正孔注入層22を再溶解しないよう、正孔注入層22が不溶な非極性溶媒が用いられる。
特に、発光層形成材料を後述するようにスピンコート法やディップ法によって塗布する場合には、非極性溶媒として、トルエン、キシレン等が好適に用いられる。また、インクジェット法等の液滴吐出法によって塗布する場合には、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、またはこれらの混合物が用いられる。
【0017】
また、発光層23の形成材料としては、低分子材料からなる発光材料を用いてもよい。なお、ただし、低分子材料によって発光層23を形成する場合には、有機EL素子20を、陽極21側から正孔輸送層、発光層、電子輸送層をこの順に積層し、形成するのが好ましい。
正孔輸送層としては、α−NPDやTPDなどの正孔輸送性材料によって形成し、またはスターバーストアミン系などが用いられる正孔注入材料と前記正孔輸送材料との積層構造として形成するのが好ましい。
また、発光層を形成する低分子材料としては、例えばAlq3(アルミキレート錯体)などの電子輸送性発光材料に蛍光性色素(ルブレンやキナクリドン、DCMなど)を微量ドーピングした系が用いられる。
さらに、電子輸送層としては、例えばAlq3やPBDなどが用いられる。
【0018】
陰極24は、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等からなる金属電極により構成することができる。
そして、基板10上には、有機EL素子20を覆って封止部材30が設けられている。この封止部材30としては、例えば電気絶縁性を有する板状の封止基板が用いられる。封止基板は、有機EL素子20を覆った状態で封止樹脂により基板10に固定される。
封止樹脂としては、例えば熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂が用いられ、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂が好適に用いられる。また、封止基板を用いずに封止樹脂のみを用い、有機EL素子20を覆ってこれを封止するようにしてもよい。
【0019】
照明装置101の製造方法としては、基板10上に、陽極21を形成し、その一部を覆って、有機機能層20a〜20e、すなわち正孔注入層22、発光層23を形成する。
更に、有機機能層20a〜20eと隣接する有機機能層20a〜20eから露出する陽極21の一部を覆って、陰極24を形成する。これにより、基板10上の有機機能層20a〜20eは、陽極21及び陰極24により電気的に直列に接続される。つまり、複数の有機EL素子20は、電気的に直列に接続されている。
次いで、封止部材30を配置した後に、基板10の出光面側に光変換蛍光膜15を配置する。
【0020】
このように、照明装置101は、複数の有機EL素子20(有機機能層20a〜20e)を備えると共に、有機EL素子20が電気的に直列に接続されている。このため、例えば、有機機能層20eが、微細なゴミ等が原因で短絡することで、発光不可能となった場合であっても、他の有機機能層20a〜20dは発光可能となる。
なお、複数の有機EL素子20を電気的に並列に接続した場合に比べて、高い駆動電圧が必要となるが、駆動電流は一定となるので、効率のよい照明装置101を実現することができる。
更に、電気的に複雑な配線が不要となるので、有機EL素子20の形成が容易となる。
【0021】
図3は、照明装置101から照射される光の発光スペクトルを示す図である。
また、照明装置101は、基板10の出光面側に配置された光変換蛍光膜15を備えるので、有機EL素子20が青色光のみを発光する場合であっても、白色光を照射する照明装置101を実現することができる。
有機EL素子20から照射される光が青色光であっても、この青色光の一部が基板10の出光面側に配置された光変換蛍光膜15によりオレンジ光に色変換される。これにより、図3に示すように、照明装置に好適に用いられる白色光を容易に得ることができる。
このように、青色光を発光する発光層23のみにより照明装置101を構成することができるので、製造効率の向上、製造コストの低減を図ることができる。したがって、安価な照明装置101を実現することができる。
【0022】
更に、光変換蛍光膜15を設けたことにより、各有機EL素子20から発光される光が散乱するので、例えば、1つの有機EL素子20が無発光となった場合であって、無発光部分がぼかされる。このため、照明装置101を基板10側から見ても、無発光の部分が認識しづらくなる。したがって、照明装置101の商品価値の低下を抑制することができる。
【0023】
図4は、第二実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示した断面図である。図5は、照明装置の平面構造を模式的に示した図である。
なお、照明装置101と略同一の構成要素には、同一の符号を付すと共にその説明を省略又は簡略化する。
【0024】
照明装置102は、図4に示すように、青色発光層23bと赤色発光層23rとが積層された発光層23を備える。また、図5に示すように、このような発光層23を有する複数の有機EL素子20(有機機能層20a〜20l)が基板10上に格子状(マトリックス状)に配置されている。
有機機能層20a〜20d,20e〜20h,20i〜20lは、それぞれ同一方向に直列に配置されており、また、電気的にも直列に接続されている。
そして、基板10の両端に配置された有機機能層20a,20e,20iの陽極21及び有機EL素子20d,20h,20lの陰極24は、各有機機能層20a〜20lを駆動制御する発光回路40と電気的に並列に接続されている。
なお、各有機EL素子20(有機機能層20a〜20l)の各幅(長さ)をa及びbとし、各有機EL素子20の間の距離をc及びdとする。
【0025】
図6は、照明装置102から照射される光の発光スペクトルを示す図である。
また、照明装置102は、基板10の出光面側に配置された光変換蛍光膜15を備えるので、有機EL素子20が青色光及び赤色光を発光する場合であっても、白色光を照射する照明装置102を実現することができる。
有機EL素子20から照射される光が青色光及び赤色光であっても、青色光の一部が基板10の出光面側に配置された光変換蛍光膜15によりオレンジ光に色変換されるので、図6に示すように、照明装置に好適に用いられる白色光を容易に得ることができる。特に、図6に示すように、青色光、緑色光、赤色光がバランスよく得られるので、良好な白色光が得られる。
【0026】
また、照明装置102は、照明装置101と同様に、複数の有機EL素子20を備え、各有機EL素子20が電気的に直列に接続されている。このため、ある有機EL素子20が発光不可能となった場合であっても、他の有機EL素子20は発光可能となる。
【0027】
更に、照明装置101と同様に、光変換蛍光膜15を設けたことにより、各有機EL素子20から発光される光が散乱するので、ある有機EL素子20が無発光となった場合であって、照明装置102を基板10側から見ても、無発光の部分を認識しづらくなる。
【0028】
次に、照明装置101,102の発光ムラについて説明する。
図7は、照明装置101,102の発光ムラを説明するための図である。
照明装置101,102の発光ムラを評価するために、以下の式を用いる。
【0029】
ムラ(%)=(平均輝度−最低輝度)/(平均輝度)×100
【0030】
上記式によれば、照明装置101,102に無発光の有機EL素子20が存在する場合に、無発光の有機EL素子20が照明装置101,102の面内ムラ(基板10の出光面の発光ムラ)に与える影響を評価することができる。
【0031】
そして、照明装置101及び照明装置102において、基板10の厚みをt=1.0mm、各有機EL素子20の間の長さをc=0.1mmであり、一つの有機EL素子20が無発光となった場合に、各有機EL素子20の幅(長さ)aを変化させると、図7(a)に示す結果となる。
各有機EL素子20の長さaが1.0mm以下の場合には、照明装置101,102の面内ムラ(基板10の出光面の発光ムラ)が10%以下となる。面内ムラ(発光ムラ)が10%以下となれば、基板10の出光面を目視しても無発光領域を認識しづらくなる。
【0032】
なお、照明装置102において、基板10の厚みをt=1.0mm、各有機EL素子20の間の長さをd=0.1mmであり、全ての有機EL素子20が発光した場合に、各有機EL素子20の長さbを変化させると、図7(a)と同様な結果となる。
【0033】
次に、照明装置101及び照明装置102において、基板10の厚みをt=0.5mm、各有機EL素子20の長さa=1.0mmの場合に、各有機EL素子20の間の長さcを変化させると、図7(b)に示す結果となる。
各有機EL素子20の間の長さcが0.5mm以下の場合(つまり、基板10の厚みtよりも小さい場合)には、照明装置101,102の面内ムラが10%以下となる。したがって、基板10の出光面を目視しても無発光領域を認識しづらくなる。
【0034】
なお、照明装置102において、基板10の厚みをt=0.5mm、各有機EL素子20の長さb=1.0mmの場合に、各有機EL素子20の間の長さをd=を変化させると、図7(a)と同様な結果となる。
【0035】
[電子機器]
図8は、上記各実施形態の照明装置101,102を備えた電子機器の一例を示す断面構成図である。
画像読み取り装置(電子機器)200は、原稿台に載せた反射原稿を読み込むフラットベッド方式の画像読み取り装置である。
画像読み取り装置200は、箱形の筐体の上面に原稿を載せるための透明な原稿台212、原稿台212に載せられた原稿に光を照射しながら移動して、原稿からの反射光を読み取るキャリッジ213、キャリッジ213が読み取った反射光信号をデジタル変換し、補正等の処理を施した上で画像データに変換する画像処理部214、不図示のホストコンピュータと双方向通信が可能なインタフェース211、原稿台を覆うための原稿台カバー215とを備えている。
そして、原稿台カバー215の一部には、白色の面光源216が配置されている。この面光源216から光を照射することで、原稿台212に置かれたフィルム等の透過原稿をキャリッジ213で読み取ることができるようになっている。この面光源216として、照明装置(発光装置)101,102が用いられている。
【0036】
なお、照明装置101,102を液晶表示装置のバックライトとして用いることも可能である。
したがって、照明装置101,102を備えた電子機器としては、例えば、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯用テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、PDA、携帯用ゲーム機、ページャ、電子手帳、電卓、時計、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器などを挙げることができる。また、車載用オーディオ機器や自動車用計器、カーナビゲーション装置等の車載用ディスプレイを挙げることもできる。
【0037】
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、各実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0038】
本実施形態においては、有機EL素子20で発光した光を基板10側から放射する、いわゆるボトムエミッション型について説明したが、光を封止部材30側から放射する、いわゆるトップエミッション型であってもよい。この場合には、透明な封止部材30上に光変換蛍光膜15が配置される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第一実施形態に係る照明装置101の構成を模式的に示した断面図である。
【図2】照明装置101の平面構造を模式的に示した図である。
【図3】照明装置101から照射される光の発光スペクトルを示す図である。
【図4】第二実施形態に係る照明装置102の構成を模式的に示した断面図である。
【図5】照明装置102の平面構造を模式的に示した図である。
【図6】照明装置102から照射される光の発光スペクトルを示す図である。
【図7】照明装置101,102の発光ムラを説明するための図である。
【図8】照明装置101,102を備えた電子機器の一例を示す断面構成図である。
【符号の説明】
【0040】
10…基板、 15…光変換蛍光膜(色変換層)、 20…有機EL素子、
20a〜20l…有機機能層、 21…陽極(配線)、 23…発光層、
23r…赤色発光層、 23b…青色発光層、 24…陰極(配線)、
30…封止部材、 101,102…照明装置(発光装置)、
200…画像読み取り装置(電子機器)、 216…面光源(発光装置)




【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも発光層を有する複数の有機機能層と、前記複数の有機機能層を電気的に直列に接続する配線とを含む基板と、
前記複数の有機機能層から離間した位置に配置された色変換層と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
少なくとも発光層を有する複数の有機機能層と、前記複数の有機機能層を電気的に直列に接続する配線とを一側面に備えた基板と、
前記複数の有機機能層及び前記配線とが形成される側の対向面に配置された色変換膜と、を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
前記色変換層は、前記基板上又は前記有機機能層を覆う封止部材上に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記発光層は、青色発光層のみからなることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光層は、青色発光層と赤色発光層を積層してなることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記有機機能層の幅が前記有機機能層同士間の距離以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記有機機能層同士間の距離が前記有機機能層から前記色変換層までの距離以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
基板上に、少なくとも発光層を有する複数の有機機能層と、前記複数の有機機能層を電気的に直列に接続する配線とを配置する工程と、
前記複数の有機機能層から離間した位置に色変換層を配置する工程と、
を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の発光装置を備えることを特徴とする電子機器。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−48808(P2007−48808A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229234(P2005−229234)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】