発光装置、発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置、および発光装置の再生産方法
【課題】廃棄物の量と、発光装置が使用される際のコストとを抑制することができる発光装置、発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバー装置、および発光装置の再生産方法を提供する。
【解決手段】発光装置は、透光性の基材1と、透明電極層12bと、有機物層OLと、陰極層12gと、封止部110とを有している。透明陽極層12bは、基材1上に設けられている。有機物層OLは、透明陽極層12b上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができる。陰極層12gは、有機物層OL上に設けられている。封止部110は、有機物層OLと陰極層12gとを含む領域を気密に封止するように、基材1に着脱可能に固定されている。
【解決手段】発光装置は、透光性の基材1と、透明電極層12bと、有機物層OLと、陰極層12gと、封止部110とを有している。透明陽極層12bは、基材1上に設けられている。有機物層OLは、透明陽極層12b上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができる。陰極層12gは、有機物層OL上に設けられている。封止部110は、有機物層OLと陰極層12gとを含む領域を気密に封止するように、基材1に着脱可能に固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置、発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置、および発光装置の再生産方法に関し、特に、電界が印加されることにより発光することができる有機物層を有する発光装置、その発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置、およびその発光装置の再生産方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明器などの発光装置として、現在、電球および蛍光管が広く用いられている。これらの発光装置は、フィラメントの劣化やスパッタ現象に起因して、有限の寿命を有している。寿命に達した発光装置は全体が廃棄される。なお廃棄物の一部は、破砕された後に、ガラスカレットおよび金属材料として利用されることがある。すなわち廃棄物の一部は、原形をとどめない材料として再利用されることがある。
【0003】
また複数のLED(Light Emitting Diode)素子を有するLED発光装置は、使用時間の経過とともに個々の素子の輝度が低下することに起因して、有限の寿命を有している。寿命に達したこのLED発光装置も全体が廃棄される。LEDは資源として再利用することが困難であるため、通常、材料としての再利用も行なわれていない。
【0004】
また近年、有機EL(Electro Luminescence)型の発光装置が提案されている。たとえば特開2007−73403号公報によれば、面発光デバイス(発光装置)は、有機EL層が形成された透明基材と、口金とを有している。主に有機EL層が徐々に劣化することで、有機EL型の発光装置の劣化が生じる。劣化した有機EL型発光装置は、複数の部分に分解された後、廃棄される。
【特許文献1】特開2007−73403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の発光装置では、装置全体が廃棄されるため、廃棄物の量が多くなるという問題があった。このため、廃棄物が最終処分される場合、廃棄物の処理費用と環境負荷とが大きかった。特に蛍光管が廃棄される場合、水銀による環境汚染が生じることがあった。また廃棄物が材料として再利用される場合、分別、破砕および純化などを行なう必要があるため、大きなコストを要した。
【0006】
また劣化した発光装置と交換されることになる別の発光装置は、装置全体が新たに形成される必要があった。このため、発光装置が形成される際のコストが高くなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置は、基材と、第1電極層と、有機物層と、第2電極層と、封止部とを有している。基材は、透光性を有している。第1電極層は、基材上に設けられ、透光性を有している。有機物層は、第1電極層上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができるものである。第2電極層は、有機物層上に設けられている。封止部は、有機物層と第2電極層とを含む領域を気密に封止するように、基材に着脱可能に固定されている。
【0008】
本発明の発光装置によれば、封止部が基材に着脱可能に固定されているので、封止部は、取り外された後に再度取り付けられることができる。よって、有機物層が劣化した発光装置の封止部が取り外され、有機物層および第2電極層が新たにされ、そして封止部が再度取り付けられることで、発光装置を再生産することができる。これにより装置の一部が廃棄されずに部品として再利用されるので、廃棄物の量を抑制することができる。また発光装置の一部が形状を保ったまま再利用されるので、装置全体が材料段階から再度形成される場合に比して、装置を生産するためのコストを抑制することができる。
【0009】
上記の発光装置において好ましくは、第1電極層は導電性の酸化物層を含んでいるので、有機物用のエッチャントによりエッチングされにくい。このため有機物用のエッチャントによって有機物層がエッチングされる際に、第1電極層をエッチングストッパーとして用いることができる。
【0010】
上記の発光装置において好ましくは、基材は管形状を有している。これにより、封止部が管形状の端部に取り付けられるだけで、有機物層と第2電極層とを含む領域を気密に封止することができる。よって、封止部が基材の広範囲に取り付けられる必要がないので、封止部の着脱を容易に行なうことができる。
【0011】
上記の発光装置において好ましくは、基材は平板形状を有している。これにより、封止部が取り外されると、第2電極層および有機物層が平面状に広く露出される。よって、第2電極層および有機物層の各々の除去作業および再形成作業を容易に行なうことができる。
【0012】
この発明の別の局面に従う複数種類の上記発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置は、少なくとも1つの端末装置とネットワークを介して接続可能な送受信部と、貸し出し単価を発光装置の種類に対応付けて格納する第1のデータベースと、端末装置からの発光装置の種類と貸し出し期間とを含む貸し出し要求を受け付けて、第1のデータベースを参照して貸し出し料金を算出し、貸し出し料金を端末装置へ返信する制御部とを備える。
【0013】
好ましくは、サーバ装置は、発光装置の種類毎に、貸し出し可能総数と、貸し出し数と、貸し出し可能総数から貸し出し数を減じた在庫数と、所定の適正在庫数と、適正在庫数から在庫数を減じた不足数とを格納する第2のデータベースをさらに備える。制御部は、製造個数と貸し出し数と在庫数の少なくともいずれかの変更命令を受け付けて、当該変更命令に基づいて第2のデータベースを更新する。
【0014】
好ましくは、第1のデータベースは、発光装置毎に貸し出し期間と発光装置の種類とを格納する。制御部は、第1のデータベースを参照して、発光装置毎の貸し出し合計期間を計算し、発光装置毎の貸し出し合計期間に基づいて、発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を計算する。サーバ装置は、発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を格納する第3のデータベースをさらに備える。
【0015】
本発明の発光装置の再生産方法は、透光性を有する基材と、基材上に設けられ、透光性を有する第1電極層と、第1電極層上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができる有機物層と、有機物層上に設けられた第2電極層と、有機物層と第2電極層とを含む領域を気密に封止するように、基材に着脱可能に固定された封止部とを備えた発光装置の再生産方法であって、以下の工程を有している。
【0016】
封止部が取り外される。封止部が取り外された後に、第2電極層が除去される。第2電極層が除去された後に、有機物層が除去される。
【0017】
本発明の発光装置の再生産方法によれば、有機物層および第2電極層が除去された基材と、基材に着脱可能であり、かつ基材から取り外された封止部とが得られるので、この基材上に有機物層および第2電極層を新たに形成した後に封止部が再度取り付けられることで、発光装置を再生産することができる。これにより、有機物層が劣化した発光装置の一部が廃棄されずに部品として再利用されるので、廃棄物の量を抑制することができる。また発光装置の一部が形状を保ったまま再利用されるので、装置全体が材料段階から再度形成される場合に比して、装置を生産するためのコストを抑制することができる。
【0018】
上記の発光装置の再生産方法において好ましくは、第2電極層は金属層を含み、第2電極層を除去する工程は、酸溶液で第2電極層をエッチングする工程と、有機ガス系プラズマおよびハロゲン系プラズマの少なくともいずれかで第2電極層をエッチングする工程との少なくともいずれかを含んでいる。これにより、第2電極層がエッチングされる際に有機物層をエッチングストッパーとして用いることができる。
【0019】
上記の発光装置の再生産方法において好ましくは、第1電極層は酸化物層を含み、有機物層を除去する工程は、炭化水素系溶剤および高温純水の少なくともいずれかで有機物層をエッチングする工程と、酸素プラズマで有機物層をアッシングする工程との少なくともいずれかを含んでいる。これにより、有機物層がエッチングされる際に第1電極層をエッチングストッパーとして用いることができる。
【0020】
上記の発光装置の再生産方法において好ましくは、有機物層を除去する工程の後に、第1電極層の表面が研磨される。これにより、有機物層が除去される際に生じた第1電極層の表面荒れが取り除かれる。よって発光装置の再生産において有機物層が新たに形成される面である第1電極層の表面を平滑にすることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、発光装置の一部が廃棄されずに再利用されるので、廃棄物の量を抑制することができる。また発光装置の一部が形状を保ったまま再利用されるので、装置全体が材料段階から再度形成される場合に比して、装置を生産するためのコストを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
はじめに本実施の形態の発光装置の構成について説明する。図1および図2のそれぞれは、本発明の実施の形態1における発光装置の構成を概略的に示す外観図および断面図である。
【0023】
図1および図2を参照して、本実施の形態の発光装置は、円筒管1(基材)と、有機EL素子12と、封止部110と、配線113a、113bと、乾燥剤127、127と、バーコード103とを有している。
【0024】
円筒管1は、長さ方向(図中LD方向)に延びる空洞部を有する管である。すなわち円筒管1は管形状を有している。また円筒管1は透光性を有している。具体的には円筒管1は、たとえばソーダ石灰ガラスにより形成された、直径50mm、長さ540mm、厚さ1mmの管である。
【0025】
有機EL素子12は、円筒管1の内面上に順に、保護層12aと、透明陽極層12b(第1電極層)と、有機物層OLと、陰極層12g(第2電極層)とを有している。保護層12aは、アルカリ金属イオンの移動を防止する機能を有している。よって円筒管1の材質にソーダ石灰ガラスなどのアルカリ金属イオンを含む材質が用いられても、円筒管1から透明陽極層12bへアルカリ金属イオンが移動することが防止される。保護層12aは、たとえば酸化シリコン(SiO2)により形成された厚さ10nmの層である。
【0026】
透明陽極層12bは、透光性を有しており、かつ有機EL素子12の陽極としての機能を有している。透明陽極層12bは、導電性の酸化物層であり、たとえば酸化インジウム錫(ITO(Tin doped Indium Oxide))により形成された厚さ1μmの層である。
【0027】
陰極層12gは、有機EL素子12の陰極としての機能を有している。陰極層12gは、金属層であり、たとえばアルミニウムにより形成された厚さ0.5μmの層である。なお有機物層OL上の領域のうち円筒管1の長さ方向の両端側の領域は、陰極層12gが形成されていない領域であるショート防止用スペースSPとなっている。ショート防止用スペースSPが設けられていることにより、陰極層12gと透明陽極層12bとが有機EL素子12の端部において短絡することが防止されている。
【0028】
封止部110は、封止部品110a、110b、およびOリング124、124を有している。封止部品110aおよび110bのそれぞれは、発光装置の外部に向かって突出した電極112aおよび112bを有している。封止部品110aおよび110bの各々は、円筒管1の両端に、Oリング124により着脱可能に固定されている。封止部110の材質は、たとえばガラスまたはアルミニウムである。各Oリング124は、エラストマーからなり、エラストマーの復元力により封止部品110aおよび110bのいずれかと、円筒管1とに密着されている。これにより封止部110は、不活性ガスIGが充填された円筒管1内部を封止している。よって、有機EL素子12が形成された領域、すなわち有機物層OLと陰極層12gとを含む領域が、発光装置の外部から気密に封止されている。なおOリング124による封止をより確実にするため、封止部110にOリング124を締め付けるためのネジが取り付けられてもよい。
【0029】
バーコード103は、封止部110の外面上に取り付けられており、個々の発光装置を識別するための識別情報を有している。この識別情報は、たとえば個々の発光装置に固有の数字情報である。なお個々の発光装置を識別するための識別情報を保持することができるものをバーコード103の代わりに用いることができる。たとえばICタグが用いられてもよい。
【0030】
有機物層OLは第1〜第4の層12c〜12fを有している。第1の層12cは、たとえば下記の式(1)に示す有機材料(NPD)から形成された厚さ40nmの層である。
【0031】
【化1】
【0032】
第2の層12dは、たとえば、下記の式(2)に示す有機材料(Znbox2)を主成分とし、かつ下記の式(3)に示すペリレン(C20H12)により1.5重量%のドーピングがなされた、厚さ7nmの層である。
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】
第3の層12eは、たとえば、上記の式(2)に示す有機材料(Znbox2)を主成分とし、かつ下記の式(4)に示す有機材料(DCM1)により0.25重量%のドーピングがなされた、厚さ23nmの層である。
【0036】
【化4】
【0037】
第4の層12fは、たとえば、上記の式(2)に示す有機材料(Znbox2)から形成された、厚さ30nmの層である。
【0038】
なお上記の第1の層12cはホール輸送層としての機能を有し、第4の層12fは電子輸送層としての機能を有している。また第2の層12dおよび第3の層12eのそれぞれは、ドーパント色素としてペリレンおよびDCM1を含有することにより、発光層としての機能を有している。第2の層12dおよび第3の層12eのそれぞれにおいて青色およびオレンジ色の発光が生じ、これら2色の光が混合することで白色の光が得られる。
【0039】
配線113aの一端は透明陽極層12bに電気的に接続されており、配線113aの他端は電極112aに電気的に接続されている。配線113bの一端は陰極層12gに電気的に接続されており、配線113bの他端は電極112bに電気的に接続されている。また電極112a、112bの各々は封止部110を貫通して形成されている。この構成により、円筒管1の封止領域の外に露出した電極112aと電極112bとの間に電圧を印加することで、透明陽極層12bと陰極層12gとの間の有機物層OLに電界が印加される。この電界により有機物層OLの発光層における発光が生じる。
【0040】
次に、本実施の形態の発光装置の使用方法について説明する。
上述したように、発光装置の電極112aと電極112bとの間に電圧が印加されることで、発光装置から発光が生じる。有機物層OLは、発光時間の経過により徐々に劣化していく。この劣化にともない、発光装置の輝度が低下していく。輝度が初期値の70%まで低下した時点を寿命時間と定義すると、この寿命時間は、たとえば4000時間である。寿命に到達した発光装置は、回収された後、以下に説明する発光装置の再生産に供される。
【0041】
続いて、本実施の形態の発光装置の再生産方法について説明する。図3〜図7は、本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第1〜第5工程を順に示す概略的な断面図である。
【0042】
図3を参照して、まず、図中矢印で示すように、円筒管1から封止部品110a、110bおよびOリング124、124が取り外される。封止部110、すなわち封止部品110a、110bおよびOリング124、124は、Oリング124の部分で円筒管1に固定されている。よって、封止部110および円筒管1を破壊することなしに、円筒管1から封止部110を容易に取り外すことができる。Oリング124がネジで締め付けられている場合は、このネジを緩めてから封止部110が取り外される。また封止部品110a、110bとともに、配線113a、113bと、乾燥剤127とが取り外される。乾燥剤127は脱水処理される。取り外された封止部110と、配線113a、113bと、乾燥剤127とは、部品として再利用されるために、一時的に保管される。
【0043】
図4を参照して、円筒管1の長さ方向LDが重力方向に沿った方向とされる。円筒管1の上端および下端のそれぞれに、液体導入フランジ229および液体排出フランジ230が取り付けられる。液体導入フランジ229は、酸溶液導入口231と、純水導入口234と、攪拌器232とを有している。液体排出フランジ230は、排出口233を有している。
【0044】
攪拌器232が回転される。排出口233が閉ざされる。酸溶液導入口231から円筒管1内へ酸溶液31の導入が開始される。酸溶液31は液面FLが陰極層12gを超えるまで供給される。この酸溶液は金属に対するウェットエッチング液であり、たとえばリン酸と硝酸と酢酸との混合液である。この酸溶液31により、アルミニウムなどの金属からなる陰極層12gが溶かされる。すなわち陰極層12gがウェットエッチングにより除去される。陰極層12gが除去されると有機物層OLの陰極層12gに被覆されていた部分が露出する。有機物層OLは有機物であるため酸溶液には溶けない。すなわち有機物層OLはこのウェットエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0045】
なお、透明陽極層12bの露出部は、必要に応じてマスキングテープで覆われることで、エッチングされないようにすることができる。
【0046】
陰極層12gの除去後、排出口233から酸溶液31が排出される。純水導入口234から円筒管1内に純水が導入されることで、円筒管1内に付着している酸溶液が洗い流される。
【0047】
図5を参照して、液体導入フランジ229の代わりに、液体導入フランジ329が取り付けられる。液体導入フランジ329は、炭化水素系洗浄溶剤導入口335と、非塩素系有機溶剤導入口336と、純水導入口334と、攪拌器232とを有している。炭化水素系洗浄溶剤導入口335から円筒管1内へ炭化水素系洗浄溶剤35の導入が開始される。炭化水素系洗浄溶剤35は液面FLが有機物層OLを超えるまで供給される。この炭化水素系洗浄溶剤35は、有機物に対する非塩素系ウェットエッチング液であり、たとえば関東化学株式会社製の有機EL材料洗浄液「OEL Cleanシリーズ」(商標)である。この炭化水素系洗浄溶剤35により、有機物層OLが溶かされる。すなわち有機物層OLがウェットエッチングにより除去される。有機物層OLが除去されると透明陽極層12bの有機物層OLに被覆されていた部分が露出する。透明陽極層12bは酸化物であるため、炭化水素系洗浄溶剤35には溶けない。すなわち透明陽極層12bはこのウェットエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0048】
なお炭化水素系洗浄溶剤35の代わりに、高温純水が用いられてもよい。
有機物層OLの除去後、排出口233から炭化水素系洗浄溶剤35が排出される。非塩素系有機溶剤導入口336から円筒管1内に非塩素系洗浄溶剤が導入されることで、円筒管1内に付着している炭化水素系洗浄溶剤35が洗い流される。この非塩素系洗浄溶剤は、たとえば住友スリーエム株式会社製「ノベック」(商標)HFE−7100、または旭硝子株式会社製「アサヒクリン」(商標)AE−3000である。次に純水導入口334から円筒管1内に純水が導入されることで、さらに洗浄が行なわれる。次に円筒管1内に加熱された窒素が導入されることで、円筒管1内が乾燥される。
【0049】
図6を参照して、上記のウェットエッチングにより、保護層12aおよび透明陽極層12bが内面に形成された円筒管1が得られる。次に透明陽極層12bの表面が研磨される。
【0050】
主に図7を参照して、成膜装置100Vが用いられた真空蒸着法により、表面が研磨された透明陽極層12b(図6)上に、有機物層OLおよび陰極層12g(図3)が成膜される。以下にこの工程について詳しく説明する。
【0051】
まず成膜装置100Vについて説明する。成膜装置100Vは、主に、真空容器5と、固定冶具2と、坩堝9vと、冷却器7と、駆動部3、11とを有している。真空容器5は、真空ポンプ6により真空蒸着に適した圧力まで減圧されることができる。固定冶具2は、真空容器5内に円筒管1を支持するための冶具である。固定冶具2は、図中の破線部Fで示すように、円筒管1の長さ方向LDの一方端部(図中上側の端部)における縁部分を保持することで、円筒管1を支持することができる。坩堝9vは、ヒータ10により加熱されることができる。これにより坩堝9vに入れられた固体原料8bを加熱することができる。また坩堝9vは、本体部分に加えてさらに上蓋9vLを有している。上蓋9vLは、本体部分との間に隙間GPが設けられるように坩堝9vの本体部分に固定されている。坩堝9vの材質は、たとえば窒化ホウ素である。冷却器7は、円筒管1の外面部分から熱を奪うことにより円筒管1を冷却することができるように構成されている。駆動部は、回転導入器3と、直線駆動機構11とを有している。回転導入器3は、固定冶具2が円筒管1の長さ方向LDを中心に回転することができるように固定冶具2を支持している。また回転導入器3は回転モータ4aの回転力を固定冶具2に伝達することができるように構成されている。これにより円筒管1を円筒管1の長さ方向LDを中心として自転させることができる。円筒管1が自転する運動により、坩堝9vが原料を放出している際に、坩堝9vから見て円筒管1は円筒管1の長さ方向LDを中心として自転する運動を行なうことができる。すなわち坩堝9vと円筒管1とが相対運動を行なうことができる。直線駆動機構11は、円筒管1の中で坩堝9vを円筒管1の長さ方向LDに沿って直線的に変位させることができるように構成されている。この変位により、円筒管1と円筒管1の中に配置された坩堝9vとを円筒管1の長さ方向LDに相対的に変位させることができる。すなわち坩堝9vと円筒管1とが相対運動を行なうことができる。
【0052】
次に成膜装置100Vが用いられた、有機物層OLと陰極層12gとの成膜方法について説明する。
【0053】
まず有機物層OLの成膜方法について説明する。第1〜第4の層12c〜12fの真空蒸着に用いられる固体原料8bとして、粉体の原料が準備される。また各原料ごとに坩堝9vが準備される。そして第1〜第4の層12c〜12fのそれぞれ対応する固体原料8bが収められた複数の坩堝9vのひとつが真空容器5内に取り付けられる。また円筒管1(図6)が固定冶具2により成膜装置100Vに取り付けられる。真空ポンプ6により真空容器5内部が減圧される。冷却器7の内部に冷媒が流されることにより、円筒管1の温度が50℃以下に保たれる。回転モータ4aが駆動されることにより、円筒管1が長さ方向LDを中心として自転する。この円筒管1が自転する運動により、坩堝9vから見て円筒管1は円筒管1の長さ方向LDを中心として自転する運動を行なう。自転速度は、たとえば30rpmである。また直線駆動機構11が駆動されることにより、坩堝9vが円筒管1の長さ方向LDに沿って円筒管1の中で往復するように変位する。変位速度は、たとえば20mm/秒である。この変位により、円筒管1と円筒管1の中に配置された坩堝9vとが円筒管1の長さ方向LDに相対的に変位する。すなわち坩堝9vと円筒管1とが相対運動を行なう。ヒータ10に直流電流が流されることにより固体原料8bが加熱されることで、固体原料8bが坩堝9vから隙間GPを介して蒸発する。すなわち円筒管1の内部に配置された固体原料8bが、坩堝9vからその周囲に飛散する。飛散された固体原料8bの少なくとも一部が透明陽極層12b(図6)上へ付着することで、円筒管1の内面に真空蒸着による層の形成が行なわれる。異なる材質の固体原料8bが収められた複数の坩堝9vが順次用いられて真空蒸着が行なわれることで、第1〜第4の層12c〜12fからなる積層構造、すなわち有機物層OLが得られる。
【0054】
次に陰極層12gの形成工程について説明する。固体原料8bとしてアルミニウム材が収められた坩堝9vが真空容器5内に取り付けられる。また有機物層OLが形成された円筒管1が固定冶具2により成膜装置100Vに取り付けられる。またショート防止用スペースSP(図2)を覆うように、円筒状のマスクが円筒管1内に挿入される。次に第1〜第4の層12c〜12fの形成工程と同様の真空蒸着が行なわれる。これにより陰極層12gが形成される。
【0055】
これにより有機物層OLと陰極層12gとが成膜される。
再び図2を参照して、不活性ガス雰囲気中で、一時的に保管されていた封止部110と、配線113a、113bと、乾燥剤127とが、再び円筒管1に取り付けられる。封止部110は、Oリング124を有しているので、容易に円筒管1に取り付けることができる。
【0056】
以上により発光装置が再生産される。
本実施の形態によれば、封止部110が円筒管1に着脱可能に固定されているので、封止部110は、取り外された後に再度取り付けられることができる。よって、有機物層OLが劣化した発光装置の封止部110が取り外され、有機物層OLおよび陰極層12gが新たにされ、そして封止部110が再度取り付けられることで、発光装置を再生産することができる。これにより、装置の一部が廃棄されずに部品として再利用されるので、廃棄物の量を抑制することができる。また発光装置の一部が形状を保ったまま再利用されるので、装置全体が材料段階から再度形成される場合に比して、装置を生産するためのコストを抑制することができる。
【0057】
また陰極層12gは金属層である。これにより、金属用のエッチャントを用いて陰極層12gをエッチングすることができる。また金属用のエッチャントは有機物をエッチングしにくいので、陰極層12gのエッチングの際に有機物層OLをエッチングストッパーとして用いることができる。
【0058】
また透明陽極層12bは、酸化物層であるため、有機物用のエッチャントによりエッチングされにくい。このため有機物用のエッチャントによって有機物層OLがエッチングされる際に、透明陽極層12bをエッチングストッパーとして用いることができる。
【0059】
また円筒管1は管形状を有する基材である。これにより、封止部110が基材の管形状の端部に取り付けられるだけで、有機物層OLと陰極層12gとを含む領域を気密に封止することができる。よって、封止部110が基材の広範囲に取り付けられる必要がないので、封止部110の着脱を容易に行なうことができる。
【0060】
また有機物層OLが除去された後に、透明陽極層12bの表面が研磨される。これにより、有機物層OLが除去される際に生じた透明陽極層12bの表面荒れが取り除かれる。よって発光装置の再生産において有機物層OLが新たに形成される面である透明陽極層12bの表面を平滑にすることができる。
【0061】
また円筒管1、保護層12a、および透明陽極層12bは酸化物などの劣化の少ない材料からなり、封止部110はガラスまたはアルミニウムなどの劣化の少ない材料からなる。また発光装置は発光素子として有機EL素子12、すなわち電流注入により発光する素子を用いているので、熱または放電により発光する素子に比して、発光素子以外の部分を劣化させる程度が少ない。よって発光装置の一部を長期にわたって再使用することができる。再使用できる期間は、たとえば発光時間として80000時間程度(1日12時間の使用で20年程度)である。
【0062】
また有機物層OLが不活性ガスIG中に封止されるので、有機物層OLの劣化を抑制することができる。よって1回の再生産当たりの発光装置の寿命を長くすることができる。
【0063】
なお本実施の形態においては封止部品110aおよび110bの各々と円筒管1との間を封止するためにOリング124が用いられたが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば封止部品110aおよび110bの復元力により封止部品110aおよび110bの各々と円筒管1とが密着されることで円筒管1内部が封止されてもよい。
【0064】
(実施の形態2)
本実施の形態の発光装置の再生産方法では、実施の形態1における陰極層12gのウェットエッチング工程(図4)および有機物層OLのウェットエッチング工程(図5)のそれぞれに代わり、陰極層12gのプラズマエッチング工程および有機物層OLのプラズマアッシング工程が行なわれる。以下にこの工程について説明する。図8および図9は、本発明の実施の形態2における発光装置の再生産方法の第1および第2工程を順に示す概略的な断面図である。
【0065】
図8を参照して、円筒管1の長さ方向LDに沿って円筒管1を囲うように、高周波コイル39が設置される。高周波コイル39には13.56MHzの高周波を発生する電源が接続される。円筒管1の両端のそれぞれに、ガス導入フランジ437および真空排気フランジ438が取り付けられる。ガス導入フランジ437は、アルゴンガス導入口440と、反応性ガス導入口441とを有している。真空排気フランジ438は、排気口433を有している。排気口433を通じた排気により円筒管1内が減圧状態とされつつ、アルゴンガス導入口440および反応性ガス導入口441のそれぞれからアルゴンガスおよび塩素系ガスが円筒管1内に導入される。
【0066】
高周波コイル39に高周波が印加されることで、円筒管1内にプラズマ42Cが発生する。これにより陰極層12gが塩素系プラズマでエッチングされることにより除去される。陰極層12gが除去されると有機物層OLの陰極層12gに被覆されていた部分が露出する。有機物からなる有機物層OLは、このプラズマエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0067】
なお、塩素系プラズマの代わりに、塩素系以外のハロゲン系プラズマ、またはCH4やCH3OHなどの有機ガスによる有機ガス系プラズマが用いられてもよい。
【0068】
また透明陽極層12bの露出部は、必要に応じてマスキングテープで覆われることで、エッチングされないようにすることができる。
【0069】
図9を参照して、アルゴンガス導入口440および反応性ガス導入口441のそれぞれからアルゴンガスおよび酸素ガスが円筒管1内に導入される。高周波コイル39に高周波が印加されることで、円筒管1内にプラズマ42Oが発生する。これにより有機物層OLが酸素プラズマアッシングにより除去される。有機物層OLが除去されると透明陽極層12bの有機物層OLに被覆されていた部分が露出する。酸化物からなる透明陽極層12bは、このプラズマエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0070】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0071】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また実施の形態1と異なりウェットエッチングに伴う廃液が発生しないので、実施の形態1に比して環境負荷を低減することができる。
【0072】
なお上記実施の形態1および2においては管として円筒管1、すなわち管の長さ方向に垂直な断面形状が円形となるような管が用いられたが、本発明はこれに限定されるものではない。管の長さ方向に垂直な断面形状は、たとえば楕円形または多角形であってもよい。
【0073】
(実施の形態3)
はじめに本実施の形態の発光装置の構成について説明する。本実施の形態の発光装置の形状は、実施の形態1および2における管形状に代わり、平板形状を有している。図10は、本発明の実施の形態3における発光装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0074】
図10を参照して、本実施の形態の発光装置は、基板1P(基材)と、有機EL素子12Pと、封止部110Pと、配線113a、113bと、乾燥剤127Pと、バーコード(図10において図示せず)とを有している。
【0075】
基板1Pは、平板形状を有している。また基板1Pは透光性を有している。基板1Pの材質は、たとえばソーダ石灰ガラスである。有機EL素子12Pは、基板1Pの主面上に順に、保護層12Paと、透明陽極層12Pb(第1電極層)と、有機物層OLPと、陰極層12Pg(第2電極層)とを有している。有機物層OLPは第1〜第4の層12Pc〜12Pfを有している。保護層12Pa、透明陽極層12Pb、第1〜第4の層12Pc〜12Pf、および陰極層12Pgのそれぞれの機能は、実施の形態1における保護層12a、透明陽極層12b、第1〜第4の層12c〜12f、および陰極層12gの機能と同様である。
【0076】
封止部110Pは、基板1Pの主面側の空間を被うように、基板1Pの主面の外周部に、接着剤部501で固定されている。封止部110Pの材質は、たとえばガラスまたはアルミニウムである。接着剤部501は、封止部110Pと、基板1Pとの間を封止するように設けられている。これにより封止部110Pは、不活性ガスIGが充填された基板1Pの主面上の空間を気密に封止している。よって、有機EL素子12Pが形成された領域、すなわち有機物層OLPと陰極層12Pgとを含む領域が、発光装置の外部から気密に封止されている。
【0077】
接着剤部501は、剥離溶剤に溶解する接着剤により形成されている。このため、剥離溶剤を用いることにより、基板1Pから封止部110Pを取り外すことができる。また取り外された封止部110Pは、接着剤を用いることにより、基板1Pに再度取り付けることができる。すなわち封止部110Pは基板1Pに着脱可能に固定されている。接着剤の材質としては、紫外線硬化型の材質が好ましい。
【0078】
続いて、本実施の形態の発光装置の再生産方法について説明する。図11および図12は、本発明の実施の形態3における発光装置の再生産方法の第1および第2工程を順に示す概略的な断面図である。
【0079】
図10および図11を参照して、まず、剥離溶剤を用いて接着剤部501が溶かされる。そして基板1Pから封止部110Pが取り外される。封止部110Pが取り外される前に接着剤部501が溶かされるので、封止部110Pおよび基板1Pが破壊されることなしに、基板1Pから封止部110Pが容易に取り外される。また封止部110Pとともに、配線113a、113bと、乾燥剤127Pとが取り外される。乾燥剤127Pは脱水処理される。取り外された封止部110Pと、配線113a、113bと、乾燥剤127Pとは、部品として再利用されるために、一時的に保管される。
【0080】
基板1Pの有機EL素子12Pが形成された面が下を向くように、基板1Pが容器529に取り付けられる。容器529は、酸溶液導入口231と、純水導入口234と、攪拌器232と、排出口233とを有している。攪拌器232が回転される。排出口233が閉ざされる。酸溶液導入口231から基板1P内へ酸溶液31の導入が開始される。酸溶液31は液面FLが陰極層12Pgを超えるまで供給される。この酸溶液31により、陰極層12Pgが溶かされる。すなわち陰極層12Pgがウェットエッチングにより除去される。陰極層12Pgが除去されると有機物層OLPの陰極層12Pgに被覆されていた部分が露出する。有機物層OLPは有機物であるため酸溶液には溶けない。すなわち有機物層OLPはこのウェットエッチングのエッチングストッパーとして機能する。陰極層12Pgの除去後、排出口233から酸溶液31が排出される。純水導入口234から容器529内に純水が導入されることで、基板1P上に付着している酸溶液が洗い流される。
【0081】
なお、透明陽極層12Pbの露出部は、必要に応じてマスキングテープで覆われることで、エッチングされないようにすることができる。
【0082】
図12を参照して、容器529の代わりに、容器629が取り付けられる。容器629は、炭化水素系洗浄溶剤導入口335と、非塩素系有機溶剤導入口336と、純水導入口334と、攪拌器232とを有している。炭化水素系洗浄溶剤導入口335から容器629内へ炭化水素系洗浄溶剤35の導入が開始される。炭化水素系洗浄溶剤35は液面FLが有機物層OLPを超えるまで供給される。この炭化水素系洗浄溶剤35により、有機物層OLPが溶かされる。すなわち有機物層OLPがウェットエッチングにより除去される。有機物層OLPが除去されると透明陽極層12Pbの有機物層OLPに被覆されていた部分が露出する。透明陽極層12Pbは酸化物であるため、炭化水素系洗浄溶剤35には溶けない。すなわち透明陽極層12Pbはこのウェットエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0083】
なお炭化水素系洗浄溶剤35の代わりに、高温純水が用いられてもよい。
有機物層OLPの除去後、排出口233から炭化水素系洗浄溶剤35が排出される。非塩素系有機溶剤導入口336から容器629内に非塩素系洗浄溶剤が導入されることで、基板1P内に付着している炭化水素系洗浄溶剤35が洗い流される。次に純水導入口334から容器629内に純水が導入されることで、さらに洗浄が行なわれる。次に容器629内に加熱された窒素が導入されることで、基板1Pが乾燥される。
【0084】
上記の2段階のウェットエッチングにより、保護層12Paおよび透明陽極層12Pbが形成された基板1Pが得られる。次に透明陽極層12Pbの表面が研磨される。次に真空蒸着法により、表面が研磨された透明陽極層12Pb上に、有機物層OLPおよび陰極層12Pg(図10)が成膜される。
【0085】
再び図10を参照して、不活性ガス雰囲気中で、一時的に保管されていた封止部110Pと、配線113a、113bと、乾燥剤127Pとが、再び基板1Pに取り付けられる。封止部110Pの基板1Pへの取り付けは、接着剤の塗布および硬化による接着剤部501の形成により行なわれる。以上により発光装置が再生産される。
【0086】
本実施の形態によれば、基板1Pは平板形状を有している。これにより、封止部110Pが取り外されると、基板1Pの主面上に形成された陰極層12Pgおよび有機物層OLPが平面状に広く露出される。よって、陰極層12Pgおよび有機物層OLPの各々の除去作業および再形成作業を容易に行なうことができる。
【0087】
また実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、廃棄物の量の抑制と、発光装置を生産するためのコストの抑制との効果が得られる。また有機物層OLPおよび透明陽極層12Pbの各々をエッチングストッパーとして用いることができる。また有機物層OLPが新たに形成される面である透明陽極層12Pbの表面を平滑にすることができる。また有機物層OLPが不活性ガスIG中に封止されるので、有機物層OLPの劣化を抑制することができる。
【0088】
また基板1P、保護層12Pa、および透明陽極層12Pbは酸化物などの劣化の少ない材料からなり、封止部110Pはガラスまたはアルミニウムなどの劣化の少ない材料からなる。また発光装置は発光素子として有機EL素子12P、すなわち電流注入により発光する素子を用いているので、熱または放電により発光する素子に比して、発光素子以外の部分を劣化させる程度が少ない。よって発光装置の一部を長期にわたって再使用することができる。
【0089】
また封止部110Pを基板1Pに固定するために、剥離溶剤に溶解する接着剤が用いられている。剥離溶剤を用いることで、封止部110Pおよび基板1Pを劣化させることなく、基板1Pから封止部110Pを容易に取り外すことができる。また接着剤部501は剥離溶剤により完全に除去することができるので、残存した接着剤部501が再度の封止部110Pの取り付けを阻害することを防ぐことができる。
【0090】
なお接着剤による固定の代わりにロウ付けが用いられると、封止部110Pの着脱時に高い温度が必要となるので、封止部110Pまたは基板1Pが劣化しやすい。また封止部110Pの取り外しの際にロウ付け部分を完全に除去することが困難であるため、残存したロウ付け部分が再度の封止部110Pの取り付けを阻害することがある。
【0091】
(実施の形態4)
本実施の形態の発光装置の再生産方法では、実施の形態3における陰極層12Pgのウェットエッチング工程(図11)および有機物層OLPのウェットエッチング工程(図12)のそれぞれに代わり、陰極層12Pgのプラズマエッチング工程および有機物層OLPのプラズマアッシング工程が行なわれる。以下にこの工程について説明する。図13および図14は、本発明の実施の形態4における発光装置の再生産方法の第1および第2工程を順に示す概略的な断面図である。
【0092】
図13を参照して、真空容器737内において、平行平板型高周波電極701aと平行平板型アース電極701bとの間に基板1Pが置かれる。排気口433を通じた排気により真空容器737内が減圧状態とされつつ、アルゴンガス導入口440および反応性ガス導入口441のそれぞれからアルゴンガスおよび塩素系ガスが真空容器737内に導入される。平行平板型高周波電極701aと平行平板型アース電極701bとの間に13.56MHzの高周波が印加されることでプラズマ42Cが発生する。これにより陰極層12Pgが塩素系プラズマでエッチングされることにより除去される。陰極層12Pgが除去されると有機物層OLPの陰極層12Pgに被覆されていた部分が露出する。有機物からなる有機物層OLPは、このプラズマエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0093】
なお、塩素系プラズマの代わりに、塩素系以外のハロゲン系プラズマ、またはCH4やCH3OHなどの有機ガスによる有機ガス系プラズマが用いられてもよい。
【0094】
また透明陽極層12Pbの露出部は、必要に応じてマスキングテープで覆われることで、エッチングされないようにすることができる。
【0095】
図14を参照して、アルゴンガス導入口440および反応性ガス導入口441のそれぞれからアルゴンガスおよび酸素ガスが真空容器737内に導入される。平行平板型高周波電極701aと平行平板型アース電極701bとの間に高周波が印加されることで、真空容器737内にプラズマ42Oが発生する。これにより有機物層OLPが酸素プラズマアッシングにより除去される。有機物層OLPが除去されると透明陽極層12Pbの有機物層OLPに被覆されていた部分が露出する。酸化物からなる透明陽極層12Pbは、このプラズマエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0096】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態3の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0097】
本実施の形態によれば、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。また実施の形態3と異なりウェットエッチングに伴う廃液が発生しないので、実施の形態3に比して環境負荷を低減することができる。
【0098】
(実施の形態5)
<全体構成>
まず、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40の全体構成について説明する。図15は、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40の全体構成を示す概略図である。本実施の形態に係る貸し出し管理システム40を利用すると、上記実施の形態1〜4に記載の発光装置の貸し出し状態を管理することができる。
【0099】
具体的には、図15に示すように、実施の形態1〜4に記載の発光装置を、貸し出し業者などがユーザに貸し出す。発光装置の一部が劣化すると、ユーザは発光装置を貸し出し業者に返却する。実施の形態1〜4に示したように、貸し出し業者は発光装置を再生産する。貸し出し業者は再生産された発光装置をそのユーザあるいは新たなユーザに再び貸し出す。貸し出し管理システム40は、このようなサイクルに沿った発光装置の貸し出し状態を管理することができるものである。
【0100】
図15に示すように、貸し出し管理システム40は、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのサーバ装置50と、ネットワーク70aを介してサーバ装置50と接続可能なワークステーションやパーソナルコンピュータなどの中継サーバ71a,71bと、ネットワーク70b,70cを介して中継サーバ71a,71bに接続可能な複数のワークステーションやパーソナルコンピュータなどの端末装置80a,80b・・・とを含む。ただし、貸し出し管理システム40は、中継サーバ71a,71bやネットワーク70b,70cを含まない構成であってもよい。以下では、端末装置80a,80b・・・の各々の構成や機能を説明する際には、端末装置80a,80b・・・の各々を端末装置80と総称する。
【0101】
本実施の形態に係る貸し出し管理システム40においては、端末装置80が、ユーザからの指令に基づいて、サーバ装置50に対して発光装置の貸し出し要求を行なう。貸し出し要求は、ユーザが所望する発光装置の種類や貸し出し期間などを含む。サーバ装置50は、発光装置毎の貸し出し料金や貸し出し状態を格納する貸し出しデータベース57−1(図17参照)を記憶する。
【0102】
サーバ装置50は、端末装置80からの貸し出し要求に応じて貸し出し料金を計算し、その端末装置80に貸し出し料金を送信する。サーバ装置50は、発光装置の貸し出しや返却に応じて、貸し出しデータベース57−1を更新する。サーバ装置50は、貸し出しデータベース57−1を参照して、発光装置の種類(型式や製造方法)毎の在庫の多寡を示す在庫データベース57−2(図17参照)や、発光装置の種類(型式や製造方法)毎の寿命などを示す耐久データベース57−3(図17参照)を更新する。サーバ装置50は、管理者からの指令に応じて、発光装置の種類毎の在庫の多寡や寿命などを示す情報を出力する。
【0103】
以下、このような機能を実現するための構成について詳述する。
<サーバ装置50>
図16は、本実施の形態に係るサーバ装置50のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。図16に示すように、コンピュータ本体51は、相互に内部バス58で接続されたCPU(Central Processing Unit)55と、メモリ56と、固定ディスク57と、通信インターフェイス59と、FD(Flexible Disk)駆動装置61と、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)駆動装置63とを含む。FD駆動装置61にはFD62が装着される。CD−ROM駆動装置63にはCD−ROM64が装着される。そして、コンピュータ本体51には、モニタ52、キーボード53、マウス54、バーコードリーダ65などが接続されている。
【0104】
モニタ52は、液晶パネルやCRTから構成されるものであって、CPU55が出力した情報を表示する。キーボード53は、キー入力により、ユーザから情報を受け付ける。マウス54は、クリックされたりやスライドされることによって、ユーザから情報を受け付ける。メモリ56は、各種の情報を記憶するものであって、たとえば、CPU55でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する。固定ディスク57は、CPU55が実行するプログラムやデータベースを記憶する。
【0105】
CPU55は、サーバ装置50の各要素を制御するものであって、各種の演算を実施する装置である。また、CPU55は、後述するように、貸し出し受付処理や在庫管理処理や寿命表示処理等を行なうものであって、当該処理結果を内部バス58を介してモニタ52に出力する。
【0106】
通信インターフェイス59は、CPU55が出力した情報をその他の装置が利用できる電気信号へと変換する。また、通信インターフェイス59は、本実施の形態に係るコンピュータの外部から入力された電気信号を受信して、CPU55が利用できるデータに変換する。
【0107】
バーコードリーダ65は、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどから構成されるものであって、上記実施の形態1〜4に記載の発光装置に付されたバーコード103を読み取って、その発光装置の型式や製造方法などを含む識別情報を取得する。また、サーバ装置50には、必要に応じて、プリンタ67などの他の出力装置が接続され得る。
【0108】
本実施の形態に係るサーバ装置50の各機能やサーバ装置50で実行される各処理は、コンピュータなどのハードウェアと制御プログラムなどのソフトウェアとによって実現される。一般的にこうしたソフトウェアは、FD62やCD−ROM64などの記録媒体に格納されて、もしくはネットワークなどを介して流通する。そして、ソフトウェアは、FD駆動装置61やCD−ROM駆動装置63などにより記録媒体から読み取られて、あるいは通信インターフェイス59にて受信されて、固定ディスク57に格納される。そして、CPU55が、ソフトウェアを固定ディスク57からメモリ56へと読み出して、実行する。
【0109】
端末装置80のハードウェア構成は、サーバ装置50のハードウェア構成と同様である。すなわち、端末装置80は、コンピュータ本体81と、コンピュータ本体81に接続される、モニタ82、キーボード83、マウス84、バーコードリーダ95、プリンタ97を含む。コンピュータ本体81は、相互に内部バス88で接続されたCPU85と、メモリ86と、固定ディスク87と、通信インターフェイス89と、FD駆動装置91と、CD−ROM駆動装置93とを含む。FD駆動装置91にはFD92が装着される。CD−ROM駆動装置93にはCD−ROM94が装着される。各部の構成はサーバ装置50のそれと同様であるので、ここは説明を繰り返さない。
【0110】
また、中継サーバ71a,71bの構成も、サーバ装置50のそれと同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0111】
<機能構成>
次に、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40が有する各機能について説明する。図17は、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0112】
本実施の形態においては、発光装置の貸し出し状態を管理するための機能がパーソナルコンピュータまたはワークステーションなどのコンピュータ上で実行されるソフトウェアによって実現される構成としているが、各ブロックの機能や各ステップの処理をソフトウェアによって実現する代わりに、その一部または全部を専用のハードウェア回路等によって実現してもよい。
【0113】
<サーバ装置50の機能構成>
図17に示すように、本実施の形態に係るサーバ装置50は、貸し出しデータベース57−1と、在庫データベース57−2と、耐久データベース57−3と、サーバ制御部55−1と、サーバ送受信部59−1と、サーバ表示部52−1と、サーバ操作部53−1と、サーバ読取部65−1と、サーバ印刷部67−1とを有する。
【0114】
貸し出しデータベース57−1と、在庫データベース57−2と、耐久データベース57−3とは、たとえば固定ディスク57やメモリ56によって実現される。本実施の形態に係る貸し出しデータベース57−1は、発光装置毎の詳細な貸し出し状態を格納する。本実施の形態に係る在庫データベース57−2は、発光装置の種類(型式)毎の在庫情報を格納する。本実施の形態に係る耐久データベース57−3は、発光装置の種類(製造方法)毎の貸し出し合計期間(使用可能期間)を格納する。
【0115】
図18は、貸し出しデータベース57−1に格納される貸し出し管理ファイル57−1aのデータ構造を示すイメージ図である。貸し出しデータベース57−1は、発光装置毎に貸し出し管理ファイル57−1a,57−1b・・・を格納する。図18に示すように、貸し出し管理ファイル57−1aは、所定期間毎に、対象となる発光装置に関する使用者名、貸し出し日、返却日、貸し出し単価、貸し出し日数、貸し出し料金、型式、製造年月日、再生年月日、製造方法番号などを格納する。貸し出しデータベース57−1に格納されている情報に基づいて、管理者は発光装置毎の詳細な貸し出し履歴や貸し出し状態を把握することができる。
【0116】
図19は、在庫データベース57−2に格納される在庫管理ファイル57−2aのデータ構造を示すイメージ図である。在庫データベース57−2は、発光装置の型式毎に在庫管理ファイル57−2a,57−2b・・・を格納する。図19に示すように、在庫管理ファイル57−2aは、所定期間毎に、対象となる発光装置の型式毎の製造個数の累積、貸し出し数、在庫数、在庫率、適正在庫率、適正在庫数、不足数、不足数増減率などを格納する。在庫データベース57−2に格納されている情報に基づいて、管理者は発光装置の種類(型式)毎の在庫状況を把握することができる。
【0117】
図20は、耐久データベース57−3に格納される耐久管理ファイル57−3aのデータ構造を示すイメージ図である。耐久データベース57−3は、発光装置の型式毎に耐久管理ファイル57−3a,57−3b・・・を格納する。図20に示すように、耐久管理ファイル57−3aは、同一型式の発光装置の製造方法毎の貸し出し合計日数を格納する。より詳細には、耐久管理ファイル57−3aは、製造方法毎および貸し出し合計日数毎に、それらの製造方法と貸し出し合計日数に該当する発光装置の個数(度数)を格納する。
【0118】
ただし、耐久管理ファイル57−3aは、発光装置の型式毎の貸し出し合計日数を格納してもよい。より詳細には、耐久管理ファイル57−3aは、型式毎および貸し出し合計日数毎に、それらの型式と貸し出し合計日数に該当する発光装置の個数(度数)を格納してもよい。
【0119】
耐久データベース57−3に格納されている情報に基づいて、管理者は発光装置の種類(製造方法あるいは型式)毎の予定使用可能期間(寿命)を把握することができる。
【0120】
図17に戻って、サーバ送受信部59−1は、たとえば、通信インターフェイス59によって実現される。サーバ送受信部59−1は、ネットワーク70a,70b,70c・・・を介して端末装置80との間でデータの送受信を行なう。サーバ表示部52−1は、たとえば、モニタ52などによって実現される。サーバ表示部52−1は、サーバ制御部55−1からのデータに基づいて、情報を表示する。サーバ操作部53−1は、たとえば、キーボード53やマウス54などによって実現される。サーバ操作部53−1は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。
【0121】
サーバ読取部65−1は、たとえば、バーコードリーダ65などによって実現される。サーバ読取部65−1は、発光装置に付された識別情報を読み取る。サーバ印刷部67−1は、たとえば、サーバ装置50に接続されたプリンタ67などによって実現される。サーバ印刷部67−1は、サーバ制御部55−1が出力するデータに基づいて、画像やテキスト(たとえば請求書など)を印刷する。
【0122】
サーバ制御部55−1は、CPU55などによって実現されるものであって、内部バス58を介してサーバ装置50の各部の動作を制御する。より詳細には、サーバ制御部55−1は、たとえば、CPU55がメモリ56や固定ディスク57などに記憶されるプログラムを実行して図16に示される各ハードウェアを制御することによって発揮される機能である。つまり、サーバ制御部55−1が有する機能は、CPU55が、固定ディスク57に記憶されたプログラムを一旦メモリ56へと読み出して、メモリ56からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。
【0123】
サーバ制御部55−1は、端末装置80からの発光装置の種類と貸し出し期間とを含む貸し出し要求を受け付けて、貸し出しデータベース57−1を参照して貸し出し料金を算出する。サーバ制御部55−1は、貸し出し料金をサーバ送受信部59−1を介して送信する。サーバ制御部55−1は、在庫数と適正在庫数と製造個数と貸し出し数の少なくともいずれかの変更命令を受け付けて、その変更命令に基づいて在庫データベース57−2を更新する。より詳細には、サーバ制御部55−1は、端末装置80からの貸し出し要求もしくは貸し出し決定通知に応じて、またはサーバ操作部53−1からの入力命令に応じて、貸し出しデータベース57−1を更新し、在庫データベース57−2を更新する。このとき、サーバ読取部65−1が、貸し出される(あるいは返却された)発光装置に貼付されているバーコードなどから発光装置の識別番号を取得してもよい。
【0124】
サーバ制御部55−1は、在庫データベース57−2を参照して、在庫数および不足数の推移を示すグラフを生成し、そのグラフをサーバ表示部52−1に表示させる。図21は、在庫数および不足数の推移を示すグラフである。サーバ制御部55−1は、図19に示す在庫管理ファイル57−1aを参照して、図21に示すような発光装置の型式毎の月末の在庫数や月末の不足数などの推移を示したグラフを生成して、当該グラフをサーバ表示部52−1に表示する。これによって、サーバ装置50の管理者などは、発光装置の型式毎の在庫の増減状態を容易に把握できる。
【0125】
サーバ制御部55−1は、貸し出しデータベース57−1を参照して発光装置毎の貸し出し合計期間を計算する。ここで、貸し出し合計期間とは、各発生装置における、製造されてから再生されるまでの期間の中で、ユーザに貸し出されていた期間を合計したものをいう。あるいは、貸し出し合計期間とは、各発生装置における、再生時から次の再生時までの期間の中で、ユーザに貸し出されていた期間を合計したものをいう。つまり、サーバ制御部55−1は、貸し出しデータベース57−1を参照して、発光装置毎に再生時までの貸し出し期間を合計することによって、発行装置毎の貸し出し合計期間を計算する。
【0126】
サーバ制御部55−1は、発光装置毎の貸し出し合計期間に基づいて、耐久データベース57−3における発光装置の種類(製造方法あるいは型式)毎の貸し出し合計期間の度数分布を更新する。より詳細には、サーバ制御部55−1は、発光装置毎の貸し出し合計期間に基づいて、貸し出し合計期間毎の同一の型式および製造方法の発光装置の個数をカウントすることによって、貸し出し合計期間の度数分布を取得する。サーバ制御部55−1は、貸し出し合計期間の度数分布情報の要求に応じて、発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布情報を、サーバ送受信部59−1を介して端末装置80へと送信する。これによって、端末装置80において、ユーザが発光装置の種類毎の予定使用可能期間を確認することができる。
【0127】
サーバ制御部55−1は、発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を示すグラフを生成し、そのグラフをサーバ表示部52−1に表示させる。図22は、製造方法別の貸し出し合計期間の分布を示すグラフである。サーバ制御部55−1は、図20に示す耐久管理ファイルを参照して、たとえば、図22に示すような、発光装置の型式毎の、それぞれの製造方法の貸し出し合計期間の分布を示すグラフを生成して、当該グラフをサーバ表示部52−1に表示する。これによって、サーバ装置50の管理者などは、どのような製造方法(あるいは型式)の発光装置の寿命が長いのかを容易に把握できる。
【0128】
<端末装置80の機能構成>
図17に戻って、本実施の形態に係る端末装置80は、端末送受信部89−1と、端末制御部85−1と、端末操作部83−1と、端末表示部82−1と、端末読取部95−1と、端末印刷部97−1とを含む。
【0129】
端末送受信部89−1は、たとえば、通信インターフェイス89によって実現される。端末送受信部89−1は、ネットワーク70a,70b,70c・・・を介してサーバ装置50との間でデータの送受信を行なう。端末表示部82−1は、たとえば、モニタ52などによって実現される。端末表示部82−1は、端末制御部85−1からの情報を表示する。端末操作部83−1は、たとえば、キーボード83やマウス84なによって実現される。端末操作部83−1は、ユーザから情報の入力を受け付ける。端末操作部83−1は、ユーザが所望する発光装置の種類や貸し出し期間を受け付ける。
【0130】
端末読取部95−1は、たとえば、バーコードリーダ95などによって実現される。端末読取部95−1は、発光装置に付された識別情報を読み取る。端末印刷部97−1は、たとえば、プリンタ97などによって実現される。端末印刷部97−1は、端末制御部85−1が出力するデータに基づいて、画像やテキスト(たとえば請求書など)を印刷する。
【0131】
端末制御部85−1は、CPU85などによって実現されるものであって、内部バス58を介して端末装置80の各部の動作を制御する。より詳細には、端末制御部85−1は、たとえば、CPU85がメモリ86や固定ディスク87などに記憶されるプログラムを実行して図16に示される各ハードウェアを制御することによって発揮される機能である。つまり、端末制御部85−1が有する機能は、CPU85が、固定ディスク87に記憶されたプログラムを一旦メモリ86へと読み出して、メモリ86からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。
【0132】
端末制御部85−1は、端末操作部83−1を介して入力される発光装置の種類や貸し出し期間に基づいて、それらを含む貸し出し命令を生成する。端末制御部85−1は、その貸し出し命令を端末送受信部89−1を介してサーバ装置50へと送信する。端末制御部85−1は、端末送受信部89−1にて受信したサーバ装置50からの貸出料金を端末表示部82−1を介して表示する。端末制御部85−1は、端末操作部83−1を介して入力される発光装置の返却命令を端末送受信部89−1を介してサーバ装置50へと送信する。このとき、端末読取部95−1が、貸し出されていた発光装置に貼付されているバーコードなどから発光装置の識別番号を取得してもよい。端末制御部85は、返却命令に識別番号を格納した上で、当該返却命令を端末送受信部89−1を介してサーバ装置50へと送信する。
【0133】
<貸し出し処理>
次に、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40における貸し出し処理について説明する。図23は、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40における貸し出し処理を示すシーケンス図である。
【0134】
図23に示すように、ユーザが、発光装置の種類と貸し出し日数とを端末装置80に入力する(ステップS102)。端末装置80は、貸し出し要求をサーバ装置50へと送信する(ステップS104)。サーバ装置50は、貸し出し要求を受信して(ステップS106)、貸し出し料金を算出する(ステップS108)。サーバ装置50は、貸し出し料金を端末装置80へと送信する(ステップS110)。端末装置80は、貸し出し料金を受信して(ステップS112)、貸し出し料金を表示する(ステップS114)。ユーザが、貸し出しを決定する旨を端末装置80に入力する(ステップS116)。端末装置80は、貸し出し決定通知をサーバ装置50へ送信する(ステップS118)。サーバ装置50は、貸し出し決定通知を受信して(ステップS120)、貸し出し料金に基づいた請求書を印刷する(ステップS122)。サーバ装置50は、貸し出し決定通知を受信した際、あるいは管理者などが発光装置の貸し出しを実行した旨をサーバ装置50に入力した際に、貸し出しデータベース57−1や、在庫データベース57−2などを更新する(ステップS124)。
【0135】
<サーバ装置50における貸し出し受付処理>
次に、本実施の形態に係るサーバ装置50における貸し出し受付処理について説明する。図24は、本実施の形態に係るサーバ装置50における貸し出し受付処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0136】
図24に示すように、端末装置80からフォームデータの要求を受け取ると(ステップS202にてYESの場合)、CPU55はサーバ送受信部59を介してフォームデータを端末装置80へと送信する(ステップS204)。CPU55は、サーバ送受信部59を介して端末装置80から貸し出し要求を受け付けて(ステップS206)、貸し出し要求から発光装置の種類や貸し出し期間を取得する。CPU55は、発光装置の種類に基づいて貸し出しデータベース57−1から貸し出し単価を読み出す(ステップS208)。このとき、たとえば、CPU55は、前回の支払日から今回の支払日までの日数を、貸し出し期間として計算する。そして、CPU55は、貸し出し単価と貸し出し期間とから貸し出し料金を算出し(ステップS210)、サーバ送受信部59を介して貸し出し料金を端末装置80へと送信する(ステップS212)。
【0137】
その後、CPU55は、サーバ送受信部59を介して端末装置80から貸し出し決定通知を受け付けて(ステップS214)、あるいは管理者などがサーバ操作部53−1やサーバ読取部65−1を介して貸し出しを実行した旨をサーバ装置50に入力した際に、貸し出しデータベース57−1や在庫データベース57−2を更新する(ステップS216、以下このステップを在庫管理処理という。)。
【0138】
<サーバ装置50における在庫データベース更新処理>
次に、本実施の形態に係るサーバ装置50における在庫データベース更新処理について説明する。図25は、本実施の形態に係るサーバ装置50における在庫データベース更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0139】
図25に示すように、たとえば、新たな発光装置が製造されたり、古い発光装置が廃棄されたりした場合などのように、管理者などがサーバ操作部53−1やサーバ読取部65−1を介して在庫データベース57−2の製造個数の累積数を更新する(増減させる)と(ステップS302にてYESの場合)、CPU55は、予め設定されている適正在庫率に基づいて在庫データベース57−2の適正在庫数を更新する(ステップS304)。より詳細には、CPU55は、下記の式に基づいて適正在庫数を計算する。
適正在庫数=製造個数の累積数×適正在庫率・・・(数1)
また、CPU55は、製造個数の累積数と在庫率に基づいて在庫データベース57−2の在庫率を更新する(ステップS306)。より詳細には、CPU55は、下記の式に基づいて在庫率を更新する。
在庫率=在庫数/製造個数の累積数・・・(数2)
また、CPU55は、適正在庫数と在庫数に基づいて在庫データベース57−2の不足数を更新する(ステップS308)。より詳細には、CPU55は、下記の式に基づいて在庫率を更新する。
不足数=適正在庫数−在庫数・・・(数3)
このように、本実施のサーバ装置50は製造個数の累積数が変更された際に即座に不足数を計算するので、サーバ装置50の管理者は製造個数の累積数が変更された際に即座に不足数を把握できる。なお、製造個数の累積数が変更された場合について説明を行ったが、サーバ装置50のCPU55は、貸し出し数や在庫数や適正在庫率などが変更された場合についても上記同様の処理を行なうため、ここでは説明を繰り返さない。
【0140】
<サーバ装置50における在庫管理処理>
次に、本実施の形態に係るサーバ装置50における在庫管理処理(ステップS206)について説明する。図26は、本実施の形態に係るサーバ装置50における在庫管理処理(ステップS206)の処理手順を示すフローチャートである。
【0141】
図26に示すように、サーバ装置50に、発光装置の識別情報を含む発光装置の貸し出し/返却に関する情報が入力されると(ステップS402)、貸し出しデータベース57−1が更新される(ステップS404)。より詳細には、CPU55が、識別情報と貸出日/返却日とを受け付けて、貸し出しデータベース57−1におけるその識別情報を有する発光装置に関する貸出日/返却日を更新する。
【0142】
CPU55は、在庫データベース57−2の在庫数を更新する(増減させる)(ステップS406)。CPU55は、適正在庫率に基づいて在庫データベース57−2の適正在庫数を更新する(ステップS408)。また、CPU55は、製造個数の累積数と在庫数とに基づいて在庫データベース57−2の不足数を更新する(ステップS410)。そして、図21に示すように、CPU55は、在庫データベースの在庫数や不足数の推移を示す在庫グラフを生成し(ステップS412)、サーバ表示部52−1を介して在庫グラフを表示する(ステップS414)。
【0143】
<サーバ装置50における寿命表示処理>
次に、本実施の形態に係るサーバ装置50における寿命表示処理について説明する。図27は、本実施の形態に係るサーバ装置50における寿命表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0144】
図27に示すように、CPU55が、サーバ操作部53−1を介して出力命令を受け付けると(ステップS502)、耐久データベース57−3からユーザが所望している発光装置の型式に関する、発光装置の製造方法別の貸出合計期間の分布が読み出される(ステップS504)。CPU55は、発光装置の製造方法別の貸出合計期間の分布に基づいて、製造方法毎に貸出合計期間と発光装置の個数との関係を示すグラフを生成し(ステップS506)、図22に示すように、サーバ表示部52−1を介してそのグラフを表示する(ステップS508)。
【0145】
<その他の実施の形態>
本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0146】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0147】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカード)、ROM(マスクROM、フラッシュEEPROMなど)などを用いることができる。
【0148】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0149】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0150】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、電界が印加されることにより発光することができる有機物層を有する発光装置、その発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置、およびその発光装置の再生産方法に特に有利に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の実施の形態1における発光装置の構成を概略的に示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態1における発光装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第1工程を示す概略的な断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第2工程を示す概略的な断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第3工程を示す概略的な断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第4工程を示す概略的な断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第5工程を示す概略的な断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2における発光装置の再生産方法の第1工程を示す概略的な断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2における発光装置の再生産方法の第2工程を示す概略的な断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3における発光装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3における発光装置の再生産方法の第1工程を示す概略的な断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3における発光装置の再生産方法の第2工程を示す概略的な断面図である。
【図13】本発明の実施の形態4における発光装置の再生産方法の第1工程を示す概略的な断面図である。
【図14】本発明の実施の形態4における発光装置の再生産方法の第2工程を示す概略的な断面図である。
【図15】実施の形態5に係る貸し出し管理システムの全体構成を示す概略図である。
【図16】実施の形態5に係るサーバ装置(端末装置、中継装置)のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図17】実施の形態5に係る貸し出し管理システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図18】貸し出しデータベースに格納される貸し出し管理ファイルのデータ構造を示すイメージ図である。
【図19】在庫データベースに格納される在庫管理ファイルのデータ構造を示すイメージ図である。
【図20】耐久データベースに格納される耐久管理ファイルのデータ構造を示すイメージ図である。
【図21】在庫数および不足数の推移を示すグラフである。
【図22】製造方法別の貸し出し合計期間の分布を示すグラフである。
【図23】貸し出し管理システムにおける貸し出し処理を示すシーケンス図である。
【図24】サーバ装置における貸し出し受付処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図25】サーバ装置における在庫データベース更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】サーバ装置における在庫管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】サーバ装置における寿命表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0153】
OL,OLP 有機物層、IG 不活性ガス、1 円筒管(基材)、1P 基板、2 固定冶具、3 回転導入器、4a 回転モータ、5 真空容器、8b 固体原料、9v 坩堝、10 ヒータ、11 直線駆動機構、12,12P 有機EL素子、12a,12Pa 保護層、12b,12Pb 透明陽極層、12c〜12f,12Pc〜12Pf 第1〜第4の層、12g,12Pg 陰極層、31 酸溶液、35 炭化水素系洗浄溶剤、40 貸し出し管理システム、50 サーバ装置、52−1 サーバ表示部、53−1 サーバ操作部、55,85 CPU、55−1 サーバ制御部、56,86 メモリ、57,87 固定ディスク、57−1 貸し出しデータベース、57−1a,57−1b 貸し出し管理ファイル、57−2 在庫データベース、57−2a,57−2b 在庫管理ファイル、57−3 耐久データベース、57−3a,57−3b 耐久管理ファイル、58 内部バス、59,89 通信インターフェイス、59−1 サーバ送受信部、65,95 バーコードリーダ、65−1 サーバ読取部、67,97 プリンタ、67−1 サーバ印刷部、70a,70b,70c ネットワーク、71a,71b 中継サーバ、80,80a,80b 端末装置、82−1 端末表示部、83−1 端末操作部、85−1 端末制御部、89−1 端末送受信部、95−1 端末読取部、100V 成膜装置、103 バーコード、110,110P 封止部、124 Oリング、501 接着剤部。
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置、発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置、および発光装置の再生産方法に関し、特に、電界が印加されることにより発光することができる有機物層を有する発光装置、その発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置、およびその発光装置の再生産方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明器などの発光装置として、現在、電球および蛍光管が広く用いられている。これらの発光装置は、フィラメントの劣化やスパッタ現象に起因して、有限の寿命を有している。寿命に達した発光装置は全体が廃棄される。なお廃棄物の一部は、破砕された後に、ガラスカレットおよび金属材料として利用されることがある。すなわち廃棄物の一部は、原形をとどめない材料として再利用されることがある。
【0003】
また複数のLED(Light Emitting Diode)素子を有するLED発光装置は、使用時間の経過とともに個々の素子の輝度が低下することに起因して、有限の寿命を有している。寿命に達したこのLED発光装置も全体が廃棄される。LEDは資源として再利用することが困難であるため、通常、材料としての再利用も行なわれていない。
【0004】
また近年、有機EL(Electro Luminescence)型の発光装置が提案されている。たとえば特開2007−73403号公報によれば、面発光デバイス(発光装置)は、有機EL層が形成された透明基材と、口金とを有している。主に有機EL層が徐々に劣化することで、有機EL型の発光装置の劣化が生じる。劣化した有機EL型発光装置は、複数の部分に分解された後、廃棄される。
【特許文献1】特開2007−73403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の発光装置では、装置全体が廃棄されるため、廃棄物の量が多くなるという問題があった。このため、廃棄物が最終処分される場合、廃棄物の処理費用と環境負荷とが大きかった。特に蛍光管が廃棄される場合、水銀による環境汚染が生じることがあった。また廃棄物が材料として再利用される場合、分別、破砕および純化などを行なう必要があるため、大きなコストを要した。
【0006】
また劣化した発光装置と交換されることになる別の発光装置は、装置全体が新たに形成される必要があった。このため、発光装置が形成される際のコストが高くなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置は、基材と、第1電極層と、有機物層と、第2電極層と、封止部とを有している。基材は、透光性を有している。第1電極層は、基材上に設けられ、透光性を有している。有機物層は、第1電極層上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができるものである。第2電極層は、有機物層上に設けられている。封止部は、有機物層と第2電極層とを含む領域を気密に封止するように、基材に着脱可能に固定されている。
【0008】
本発明の発光装置によれば、封止部が基材に着脱可能に固定されているので、封止部は、取り外された後に再度取り付けられることができる。よって、有機物層が劣化した発光装置の封止部が取り外され、有機物層および第2電極層が新たにされ、そして封止部が再度取り付けられることで、発光装置を再生産することができる。これにより装置の一部が廃棄されずに部品として再利用されるので、廃棄物の量を抑制することができる。また発光装置の一部が形状を保ったまま再利用されるので、装置全体が材料段階から再度形成される場合に比して、装置を生産するためのコストを抑制することができる。
【0009】
上記の発光装置において好ましくは、第1電極層は導電性の酸化物層を含んでいるので、有機物用のエッチャントによりエッチングされにくい。このため有機物用のエッチャントによって有機物層がエッチングされる際に、第1電極層をエッチングストッパーとして用いることができる。
【0010】
上記の発光装置において好ましくは、基材は管形状を有している。これにより、封止部が管形状の端部に取り付けられるだけで、有機物層と第2電極層とを含む領域を気密に封止することができる。よって、封止部が基材の広範囲に取り付けられる必要がないので、封止部の着脱を容易に行なうことができる。
【0011】
上記の発光装置において好ましくは、基材は平板形状を有している。これにより、封止部が取り外されると、第2電極層および有機物層が平面状に広く露出される。よって、第2電極層および有機物層の各々の除去作業および再形成作業を容易に行なうことができる。
【0012】
この発明の別の局面に従う複数種類の上記発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置は、少なくとも1つの端末装置とネットワークを介して接続可能な送受信部と、貸し出し単価を発光装置の種類に対応付けて格納する第1のデータベースと、端末装置からの発光装置の種類と貸し出し期間とを含む貸し出し要求を受け付けて、第1のデータベースを参照して貸し出し料金を算出し、貸し出し料金を端末装置へ返信する制御部とを備える。
【0013】
好ましくは、サーバ装置は、発光装置の種類毎に、貸し出し可能総数と、貸し出し数と、貸し出し可能総数から貸し出し数を減じた在庫数と、所定の適正在庫数と、適正在庫数から在庫数を減じた不足数とを格納する第2のデータベースをさらに備える。制御部は、製造個数と貸し出し数と在庫数の少なくともいずれかの変更命令を受け付けて、当該変更命令に基づいて第2のデータベースを更新する。
【0014】
好ましくは、第1のデータベースは、発光装置毎に貸し出し期間と発光装置の種類とを格納する。制御部は、第1のデータベースを参照して、発光装置毎の貸し出し合計期間を計算し、発光装置毎の貸し出し合計期間に基づいて、発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を計算する。サーバ装置は、発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を格納する第3のデータベースをさらに備える。
【0015】
本発明の発光装置の再生産方法は、透光性を有する基材と、基材上に設けられ、透光性を有する第1電極層と、第1電極層上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができる有機物層と、有機物層上に設けられた第2電極層と、有機物層と第2電極層とを含む領域を気密に封止するように、基材に着脱可能に固定された封止部とを備えた発光装置の再生産方法であって、以下の工程を有している。
【0016】
封止部が取り外される。封止部が取り外された後に、第2電極層が除去される。第2電極層が除去された後に、有機物層が除去される。
【0017】
本発明の発光装置の再生産方法によれば、有機物層および第2電極層が除去された基材と、基材に着脱可能であり、かつ基材から取り外された封止部とが得られるので、この基材上に有機物層および第2電極層を新たに形成した後に封止部が再度取り付けられることで、発光装置を再生産することができる。これにより、有機物層が劣化した発光装置の一部が廃棄されずに部品として再利用されるので、廃棄物の量を抑制することができる。また発光装置の一部が形状を保ったまま再利用されるので、装置全体が材料段階から再度形成される場合に比して、装置を生産するためのコストを抑制することができる。
【0018】
上記の発光装置の再生産方法において好ましくは、第2電極層は金属層を含み、第2電極層を除去する工程は、酸溶液で第2電極層をエッチングする工程と、有機ガス系プラズマおよびハロゲン系プラズマの少なくともいずれかで第2電極層をエッチングする工程との少なくともいずれかを含んでいる。これにより、第2電極層がエッチングされる際に有機物層をエッチングストッパーとして用いることができる。
【0019】
上記の発光装置の再生産方法において好ましくは、第1電極層は酸化物層を含み、有機物層を除去する工程は、炭化水素系溶剤および高温純水の少なくともいずれかで有機物層をエッチングする工程と、酸素プラズマで有機物層をアッシングする工程との少なくともいずれかを含んでいる。これにより、有機物層がエッチングされる際に第1電極層をエッチングストッパーとして用いることができる。
【0020】
上記の発光装置の再生産方法において好ましくは、有機物層を除去する工程の後に、第1電極層の表面が研磨される。これにより、有機物層が除去される際に生じた第1電極層の表面荒れが取り除かれる。よって発光装置の再生産において有機物層が新たに形成される面である第1電極層の表面を平滑にすることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、発光装置の一部が廃棄されずに再利用されるので、廃棄物の量を抑制することができる。また発光装置の一部が形状を保ったまま再利用されるので、装置全体が材料段階から再度形成される場合に比して、装置を生産するためのコストを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
はじめに本実施の形態の発光装置の構成について説明する。図1および図2のそれぞれは、本発明の実施の形態1における発光装置の構成を概略的に示す外観図および断面図である。
【0023】
図1および図2を参照して、本実施の形態の発光装置は、円筒管1(基材)と、有機EL素子12と、封止部110と、配線113a、113bと、乾燥剤127、127と、バーコード103とを有している。
【0024】
円筒管1は、長さ方向(図中LD方向)に延びる空洞部を有する管である。すなわち円筒管1は管形状を有している。また円筒管1は透光性を有している。具体的には円筒管1は、たとえばソーダ石灰ガラスにより形成された、直径50mm、長さ540mm、厚さ1mmの管である。
【0025】
有機EL素子12は、円筒管1の内面上に順に、保護層12aと、透明陽極層12b(第1電極層)と、有機物層OLと、陰極層12g(第2電極層)とを有している。保護層12aは、アルカリ金属イオンの移動を防止する機能を有している。よって円筒管1の材質にソーダ石灰ガラスなどのアルカリ金属イオンを含む材質が用いられても、円筒管1から透明陽極層12bへアルカリ金属イオンが移動することが防止される。保護層12aは、たとえば酸化シリコン(SiO2)により形成された厚さ10nmの層である。
【0026】
透明陽極層12bは、透光性を有しており、かつ有機EL素子12の陽極としての機能を有している。透明陽極層12bは、導電性の酸化物層であり、たとえば酸化インジウム錫(ITO(Tin doped Indium Oxide))により形成された厚さ1μmの層である。
【0027】
陰極層12gは、有機EL素子12の陰極としての機能を有している。陰極層12gは、金属層であり、たとえばアルミニウムにより形成された厚さ0.5μmの層である。なお有機物層OL上の領域のうち円筒管1の長さ方向の両端側の領域は、陰極層12gが形成されていない領域であるショート防止用スペースSPとなっている。ショート防止用スペースSPが設けられていることにより、陰極層12gと透明陽極層12bとが有機EL素子12の端部において短絡することが防止されている。
【0028】
封止部110は、封止部品110a、110b、およびOリング124、124を有している。封止部品110aおよび110bのそれぞれは、発光装置の外部に向かって突出した電極112aおよび112bを有している。封止部品110aおよび110bの各々は、円筒管1の両端に、Oリング124により着脱可能に固定されている。封止部110の材質は、たとえばガラスまたはアルミニウムである。各Oリング124は、エラストマーからなり、エラストマーの復元力により封止部品110aおよび110bのいずれかと、円筒管1とに密着されている。これにより封止部110は、不活性ガスIGが充填された円筒管1内部を封止している。よって、有機EL素子12が形成された領域、すなわち有機物層OLと陰極層12gとを含む領域が、発光装置の外部から気密に封止されている。なおOリング124による封止をより確実にするため、封止部110にOリング124を締め付けるためのネジが取り付けられてもよい。
【0029】
バーコード103は、封止部110の外面上に取り付けられており、個々の発光装置を識別するための識別情報を有している。この識別情報は、たとえば個々の発光装置に固有の数字情報である。なお個々の発光装置を識別するための識別情報を保持することができるものをバーコード103の代わりに用いることができる。たとえばICタグが用いられてもよい。
【0030】
有機物層OLは第1〜第4の層12c〜12fを有している。第1の層12cは、たとえば下記の式(1)に示す有機材料(NPD)から形成された厚さ40nmの層である。
【0031】
【化1】
【0032】
第2の層12dは、たとえば、下記の式(2)に示す有機材料(Znbox2)を主成分とし、かつ下記の式(3)に示すペリレン(C20H12)により1.5重量%のドーピングがなされた、厚さ7nmの層である。
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】
第3の層12eは、たとえば、上記の式(2)に示す有機材料(Znbox2)を主成分とし、かつ下記の式(4)に示す有機材料(DCM1)により0.25重量%のドーピングがなされた、厚さ23nmの層である。
【0036】
【化4】
【0037】
第4の層12fは、たとえば、上記の式(2)に示す有機材料(Znbox2)から形成された、厚さ30nmの層である。
【0038】
なお上記の第1の層12cはホール輸送層としての機能を有し、第4の層12fは電子輸送層としての機能を有している。また第2の層12dおよび第3の層12eのそれぞれは、ドーパント色素としてペリレンおよびDCM1を含有することにより、発光層としての機能を有している。第2の層12dおよび第3の層12eのそれぞれにおいて青色およびオレンジ色の発光が生じ、これら2色の光が混合することで白色の光が得られる。
【0039】
配線113aの一端は透明陽極層12bに電気的に接続されており、配線113aの他端は電極112aに電気的に接続されている。配線113bの一端は陰極層12gに電気的に接続されており、配線113bの他端は電極112bに電気的に接続されている。また電極112a、112bの各々は封止部110を貫通して形成されている。この構成により、円筒管1の封止領域の外に露出した電極112aと電極112bとの間に電圧を印加することで、透明陽極層12bと陰極層12gとの間の有機物層OLに電界が印加される。この電界により有機物層OLの発光層における発光が生じる。
【0040】
次に、本実施の形態の発光装置の使用方法について説明する。
上述したように、発光装置の電極112aと電極112bとの間に電圧が印加されることで、発光装置から発光が生じる。有機物層OLは、発光時間の経過により徐々に劣化していく。この劣化にともない、発光装置の輝度が低下していく。輝度が初期値の70%まで低下した時点を寿命時間と定義すると、この寿命時間は、たとえば4000時間である。寿命に到達した発光装置は、回収された後、以下に説明する発光装置の再生産に供される。
【0041】
続いて、本実施の形態の発光装置の再生産方法について説明する。図3〜図7は、本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第1〜第5工程を順に示す概略的な断面図である。
【0042】
図3を参照して、まず、図中矢印で示すように、円筒管1から封止部品110a、110bおよびOリング124、124が取り外される。封止部110、すなわち封止部品110a、110bおよびOリング124、124は、Oリング124の部分で円筒管1に固定されている。よって、封止部110および円筒管1を破壊することなしに、円筒管1から封止部110を容易に取り外すことができる。Oリング124がネジで締め付けられている場合は、このネジを緩めてから封止部110が取り外される。また封止部品110a、110bとともに、配線113a、113bと、乾燥剤127とが取り外される。乾燥剤127は脱水処理される。取り外された封止部110と、配線113a、113bと、乾燥剤127とは、部品として再利用されるために、一時的に保管される。
【0043】
図4を参照して、円筒管1の長さ方向LDが重力方向に沿った方向とされる。円筒管1の上端および下端のそれぞれに、液体導入フランジ229および液体排出フランジ230が取り付けられる。液体導入フランジ229は、酸溶液導入口231と、純水導入口234と、攪拌器232とを有している。液体排出フランジ230は、排出口233を有している。
【0044】
攪拌器232が回転される。排出口233が閉ざされる。酸溶液導入口231から円筒管1内へ酸溶液31の導入が開始される。酸溶液31は液面FLが陰極層12gを超えるまで供給される。この酸溶液は金属に対するウェットエッチング液であり、たとえばリン酸と硝酸と酢酸との混合液である。この酸溶液31により、アルミニウムなどの金属からなる陰極層12gが溶かされる。すなわち陰極層12gがウェットエッチングにより除去される。陰極層12gが除去されると有機物層OLの陰極層12gに被覆されていた部分が露出する。有機物層OLは有機物であるため酸溶液には溶けない。すなわち有機物層OLはこのウェットエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0045】
なお、透明陽極層12bの露出部は、必要に応じてマスキングテープで覆われることで、エッチングされないようにすることができる。
【0046】
陰極層12gの除去後、排出口233から酸溶液31が排出される。純水導入口234から円筒管1内に純水が導入されることで、円筒管1内に付着している酸溶液が洗い流される。
【0047】
図5を参照して、液体導入フランジ229の代わりに、液体導入フランジ329が取り付けられる。液体導入フランジ329は、炭化水素系洗浄溶剤導入口335と、非塩素系有機溶剤導入口336と、純水導入口334と、攪拌器232とを有している。炭化水素系洗浄溶剤導入口335から円筒管1内へ炭化水素系洗浄溶剤35の導入が開始される。炭化水素系洗浄溶剤35は液面FLが有機物層OLを超えるまで供給される。この炭化水素系洗浄溶剤35は、有機物に対する非塩素系ウェットエッチング液であり、たとえば関東化学株式会社製の有機EL材料洗浄液「OEL Cleanシリーズ」(商標)である。この炭化水素系洗浄溶剤35により、有機物層OLが溶かされる。すなわち有機物層OLがウェットエッチングにより除去される。有機物層OLが除去されると透明陽極層12bの有機物層OLに被覆されていた部分が露出する。透明陽極層12bは酸化物であるため、炭化水素系洗浄溶剤35には溶けない。すなわち透明陽極層12bはこのウェットエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0048】
なお炭化水素系洗浄溶剤35の代わりに、高温純水が用いられてもよい。
有機物層OLの除去後、排出口233から炭化水素系洗浄溶剤35が排出される。非塩素系有機溶剤導入口336から円筒管1内に非塩素系洗浄溶剤が導入されることで、円筒管1内に付着している炭化水素系洗浄溶剤35が洗い流される。この非塩素系洗浄溶剤は、たとえば住友スリーエム株式会社製「ノベック」(商標)HFE−7100、または旭硝子株式会社製「アサヒクリン」(商標)AE−3000である。次に純水導入口334から円筒管1内に純水が導入されることで、さらに洗浄が行なわれる。次に円筒管1内に加熱された窒素が導入されることで、円筒管1内が乾燥される。
【0049】
図6を参照して、上記のウェットエッチングにより、保護層12aおよび透明陽極層12bが内面に形成された円筒管1が得られる。次に透明陽極層12bの表面が研磨される。
【0050】
主に図7を参照して、成膜装置100Vが用いられた真空蒸着法により、表面が研磨された透明陽極層12b(図6)上に、有機物層OLおよび陰極層12g(図3)が成膜される。以下にこの工程について詳しく説明する。
【0051】
まず成膜装置100Vについて説明する。成膜装置100Vは、主に、真空容器5と、固定冶具2と、坩堝9vと、冷却器7と、駆動部3、11とを有している。真空容器5は、真空ポンプ6により真空蒸着に適した圧力まで減圧されることができる。固定冶具2は、真空容器5内に円筒管1を支持するための冶具である。固定冶具2は、図中の破線部Fで示すように、円筒管1の長さ方向LDの一方端部(図中上側の端部)における縁部分を保持することで、円筒管1を支持することができる。坩堝9vは、ヒータ10により加熱されることができる。これにより坩堝9vに入れられた固体原料8bを加熱することができる。また坩堝9vは、本体部分に加えてさらに上蓋9vLを有している。上蓋9vLは、本体部分との間に隙間GPが設けられるように坩堝9vの本体部分に固定されている。坩堝9vの材質は、たとえば窒化ホウ素である。冷却器7は、円筒管1の外面部分から熱を奪うことにより円筒管1を冷却することができるように構成されている。駆動部は、回転導入器3と、直線駆動機構11とを有している。回転導入器3は、固定冶具2が円筒管1の長さ方向LDを中心に回転することができるように固定冶具2を支持している。また回転導入器3は回転モータ4aの回転力を固定冶具2に伝達することができるように構成されている。これにより円筒管1を円筒管1の長さ方向LDを中心として自転させることができる。円筒管1が自転する運動により、坩堝9vが原料を放出している際に、坩堝9vから見て円筒管1は円筒管1の長さ方向LDを中心として自転する運動を行なうことができる。すなわち坩堝9vと円筒管1とが相対運動を行なうことができる。直線駆動機構11は、円筒管1の中で坩堝9vを円筒管1の長さ方向LDに沿って直線的に変位させることができるように構成されている。この変位により、円筒管1と円筒管1の中に配置された坩堝9vとを円筒管1の長さ方向LDに相対的に変位させることができる。すなわち坩堝9vと円筒管1とが相対運動を行なうことができる。
【0052】
次に成膜装置100Vが用いられた、有機物層OLと陰極層12gとの成膜方法について説明する。
【0053】
まず有機物層OLの成膜方法について説明する。第1〜第4の層12c〜12fの真空蒸着に用いられる固体原料8bとして、粉体の原料が準備される。また各原料ごとに坩堝9vが準備される。そして第1〜第4の層12c〜12fのそれぞれ対応する固体原料8bが収められた複数の坩堝9vのひとつが真空容器5内に取り付けられる。また円筒管1(図6)が固定冶具2により成膜装置100Vに取り付けられる。真空ポンプ6により真空容器5内部が減圧される。冷却器7の内部に冷媒が流されることにより、円筒管1の温度が50℃以下に保たれる。回転モータ4aが駆動されることにより、円筒管1が長さ方向LDを中心として自転する。この円筒管1が自転する運動により、坩堝9vから見て円筒管1は円筒管1の長さ方向LDを中心として自転する運動を行なう。自転速度は、たとえば30rpmである。また直線駆動機構11が駆動されることにより、坩堝9vが円筒管1の長さ方向LDに沿って円筒管1の中で往復するように変位する。変位速度は、たとえば20mm/秒である。この変位により、円筒管1と円筒管1の中に配置された坩堝9vとが円筒管1の長さ方向LDに相対的に変位する。すなわち坩堝9vと円筒管1とが相対運動を行なう。ヒータ10に直流電流が流されることにより固体原料8bが加熱されることで、固体原料8bが坩堝9vから隙間GPを介して蒸発する。すなわち円筒管1の内部に配置された固体原料8bが、坩堝9vからその周囲に飛散する。飛散された固体原料8bの少なくとも一部が透明陽極層12b(図6)上へ付着することで、円筒管1の内面に真空蒸着による層の形成が行なわれる。異なる材質の固体原料8bが収められた複数の坩堝9vが順次用いられて真空蒸着が行なわれることで、第1〜第4の層12c〜12fからなる積層構造、すなわち有機物層OLが得られる。
【0054】
次に陰極層12gの形成工程について説明する。固体原料8bとしてアルミニウム材が収められた坩堝9vが真空容器5内に取り付けられる。また有機物層OLが形成された円筒管1が固定冶具2により成膜装置100Vに取り付けられる。またショート防止用スペースSP(図2)を覆うように、円筒状のマスクが円筒管1内に挿入される。次に第1〜第4の層12c〜12fの形成工程と同様の真空蒸着が行なわれる。これにより陰極層12gが形成される。
【0055】
これにより有機物層OLと陰極層12gとが成膜される。
再び図2を参照して、不活性ガス雰囲気中で、一時的に保管されていた封止部110と、配線113a、113bと、乾燥剤127とが、再び円筒管1に取り付けられる。封止部110は、Oリング124を有しているので、容易に円筒管1に取り付けることができる。
【0056】
以上により発光装置が再生産される。
本実施の形態によれば、封止部110が円筒管1に着脱可能に固定されているので、封止部110は、取り外された後に再度取り付けられることができる。よって、有機物層OLが劣化した発光装置の封止部110が取り外され、有機物層OLおよび陰極層12gが新たにされ、そして封止部110が再度取り付けられることで、発光装置を再生産することができる。これにより、装置の一部が廃棄されずに部品として再利用されるので、廃棄物の量を抑制することができる。また発光装置の一部が形状を保ったまま再利用されるので、装置全体が材料段階から再度形成される場合に比して、装置を生産するためのコストを抑制することができる。
【0057】
また陰極層12gは金属層である。これにより、金属用のエッチャントを用いて陰極層12gをエッチングすることができる。また金属用のエッチャントは有機物をエッチングしにくいので、陰極層12gのエッチングの際に有機物層OLをエッチングストッパーとして用いることができる。
【0058】
また透明陽極層12bは、酸化物層であるため、有機物用のエッチャントによりエッチングされにくい。このため有機物用のエッチャントによって有機物層OLがエッチングされる際に、透明陽極層12bをエッチングストッパーとして用いることができる。
【0059】
また円筒管1は管形状を有する基材である。これにより、封止部110が基材の管形状の端部に取り付けられるだけで、有機物層OLと陰極層12gとを含む領域を気密に封止することができる。よって、封止部110が基材の広範囲に取り付けられる必要がないので、封止部110の着脱を容易に行なうことができる。
【0060】
また有機物層OLが除去された後に、透明陽極層12bの表面が研磨される。これにより、有機物層OLが除去される際に生じた透明陽極層12bの表面荒れが取り除かれる。よって発光装置の再生産において有機物層OLが新たに形成される面である透明陽極層12bの表面を平滑にすることができる。
【0061】
また円筒管1、保護層12a、および透明陽極層12bは酸化物などの劣化の少ない材料からなり、封止部110はガラスまたはアルミニウムなどの劣化の少ない材料からなる。また発光装置は発光素子として有機EL素子12、すなわち電流注入により発光する素子を用いているので、熱または放電により発光する素子に比して、発光素子以外の部分を劣化させる程度が少ない。よって発光装置の一部を長期にわたって再使用することができる。再使用できる期間は、たとえば発光時間として80000時間程度(1日12時間の使用で20年程度)である。
【0062】
また有機物層OLが不活性ガスIG中に封止されるので、有機物層OLの劣化を抑制することができる。よって1回の再生産当たりの発光装置の寿命を長くすることができる。
【0063】
なお本実施の形態においては封止部品110aおよび110bの各々と円筒管1との間を封止するためにOリング124が用いられたが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば封止部品110aおよび110bの復元力により封止部品110aおよび110bの各々と円筒管1とが密着されることで円筒管1内部が封止されてもよい。
【0064】
(実施の形態2)
本実施の形態の発光装置の再生産方法では、実施の形態1における陰極層12gのウェットエッチング工程(図4)および有機物層OLのウェットエッチング工程(図5)のそれぞれに代わり、陰極層12gのプラズマエッチング工程および有機物層OLのプラズマアッシング工程が行なわれる。以下にこの工程について説明する。図8および図9は、本発明の実施の形態2における発光装置の再生産方法の第1および第2工程を順に示す概略的な断面図である。
【0065】
図8を参照して、円筒管1の長さ方向LDに沿って円筒管1を囲うように、高周波コイル39が設置される。高周波コイル39には13.56MHzの高周波を発生する電源が接続される。円筒管1の両端のそれぞれに、ガス導入フランジ437および真空排気フランジ438が取り付けられる。ガス導入フランジ437は、アルゴンガス導入口440と、反応性ガス導入口441とを有している。真空排気フランジ438は、排気口433を有している。排気口433を通じた排気により円筒管1内が減圧状態とされつつ、アルゴンガス導入口440および反応性ガス導入口441のそれぞれからアルゴンガスおよび塩素系ガスが円筒管1内に導入される。
【0066】
高周波コイル39に高周波が印加されることで、円筒管1内にプラズマ42Cが発生する。これにより陰極層12gが塩素系プラズマでエッチングされることにより除去される。陰極層12gが除去されると有機物層OLの陰極層12gに被覆されていた部分が露出する。有機物からなる有機物層OLは、このプラズマエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0067】
なお、塩素系プラズマの代わりに、塩素系以外のハロゲン系プラズマ、またはCH4やCH3OHなどの有機ガスによる有機ガス系プラズマが用いられてもよい。
【0068】
また透明陽極層12bの露出部は、必要に応じてマスキングテープで覆われることで、エッチングされないようにすることができる。
【0069】
図9を参照して、アルゴンガス導入口440および反応性ガス導入口441のそれぞれからアルゴンガスおよび酸素ガスが円筒管1内に導入される。高周波コイル39に高周波が印加されることで、円筒管1内にプラズマ42Oが発生する。これにより有機物層OLが酸素プラズマアッシングにより除去される。有機物層OLが除去されると透明陽極層12bの有機物層OLに被覆されていた部分が露出する。酸化物からなる透明陽極層12bは、このプラズマエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0070】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0071】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また実施の形態1と異なりウェットエッチングに伴う廃液が発生しないので、実施の形態1に比して環境負荷を低減することができる。
【0072】
なお上記実施の形態1および2においては管として円筒管1、すなわち管の長さ方向に垂直な断面形状が円形となるような管が用いられたが、本発明はこれに限定されるものではない。管の長さ方向に垂直な断面形状は、たとえば楕円形または多角形であってもよい。
【0073】
(実施の形態3)
はじめに本実施の形態の発光装置の構成について説明する。本実施の形態の発光装置の形状は、実施の形態1および2における管形状に代わり、平板形状を有している。図10は、本発明の実施の形態3における発光装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0074】
図10を参照して、本実施の形態の発光装置は、基板1P(基材)と、有機EL素子12Pと、封止部110Pと、配線113a、113bと、乾燥剤127Pと、バーコード(図10において図示せず)とを有している。
【0075】
基板1Pは、平板形状を有している。また基板1Pは透光性を有している。基板1Pの材質は、たとえばソーダ石灰ガラスである。有機EL素子12Pは、基板1Pの主面上に順に、保護層12Paと、透明陽極層12Pb(第1電極層)と、有機物層OLPと、陰極層12Pg(第2電極層)とを有している。有機物層OLPは第1〜第4の層12Pc〜12Pfを有している。保護層12Pa、透明陽極層12Pb、第1〜第4の層12Pc〜12Pf、および陰極層12Pgのそれぞれの機能は、実施の形態1における保護層12a、透明陽極層12b、第1〜第4の層12c〜12f、および陰極層12gの機能と同様である。
【0076】
封止部110Pは、基板1Pの主面側の空間を被うように、基板1Pの主面の外周部に、接着剤部501で固定されている。封止部110Pの材質は、たとえばガラスまたはアルミニウムである。接着剤部501は、封止部110Pと、基板1Pとの間を封止するように設けられている。これにより封止部110Pは、不活性ガスIGが充填された基板1Pの主面上の空間を気密に封止している。よって、有機EL素子12Pが形成された領域、すなわち有機物層OLPと陰極層12Pgとを含む領域が、発光装置の外部から気密に封止されている。
【0077】
接着剤部501は、剥離溶剤に溶解する接着剤により形成されている。このため、剥離溶剤を用いることにより、基板1Pから封止部110Pを取り外すことができる。また取り外された封止部110Pは、接着剤を用いることにより、基板1Pに再度取り付けることができる。すなわち封止部110Pは基板1Pに着脱可能に固定されている。接着剤の材質としては、紫外線硬化型の材質が好ましい。
【0078】
続いて、本実施の形態の発光装置の再生産方法について説明する。図11および図12は、本発明の実施の形態3における発光装置の再生産方法の第1および第2工程を順に示す概略的な断面図である。
【0079】
図10および図11を参照して、まず、剥離溶剤を用いて接着剤部501が溶かされる。そして基板1Pから封止部110Pが取り外される。封止部110Pが取り外される前に接着剤部501が溶かされるので、封止部110Pおよび基板1Pが破壊されることなしに、基板1Pから封止部110Pが容易に取り外される。また封止部110Pとともに、配線113a、113bと、乾燥剤127Pとが取り外される。乾燥剤127Pは脱水処理される。取り外された封止部110Pと、配線113a、113bと、乾燥剤127Pとは、部品として再利用されるために、一時的に保管される。
【0080】
基板1Pの有機EL素子12Pが形成された面が下を向くように、基板1Pが容器529に取り付けられる。容器529は、酸溶液導入口231と、純水導入口234と、攪拌器232と、排出口233とを有している。攪拌器232が回転される。排出口233が閉ざされる。酸溶液導入口231から基板1P内へ酸溶液31の導入が開始される。酸溶液31は液面FLが陰極層12Pgを超えるまで供給される。この酸溶液31により、陰極層12Pgが溶かされる。すなわち陰極層12Pgがウェットエッチングにより除去される。陰極層12Pgが除去されると有機物層OLPの陰極層12Pgに被覆されていた部分が露出する。有機物層OLPは有機物であるため酸溶液には溶けない。すなわち有機物層OLPはこのウェットエッチングのエッチングストッパーとして機能する。陰極層12Pgの除去後、排出口233から酸溶液31が排出される。純水導入口234から容器529内に純水が導入されることで、基板1P上に付着している酸溶液が洗い流される。
【0081】
なお、透明陽極層12Pbの露出部は、必要に応じてマスキングテープで覆われることで、エッチングされないようにすることができる。
【0082】
図12を参照して、容器529の代わりに、容器629が取り付けられる。容器629は、炭化水素系洗浄溶剤導入口335と、非塩素系有機溶剤導入口336と、純水導入口334と、攪拌器232とを有している。炭化水素系洗浄溶剤導入口335から容器629内へ炭化水素系洗浄溶剤35の導入が開始される。炭化水素系洗浄溶剤35は液面FLが有機物層OLPを超えるまで供給される。この炭化水素系洗浄溶剤35により、有機物層OLPが溶かされる。すなわち有機物層OLPがウェットエッチングにより除去される。有機物層OLPが除去されると透明陽極層12Pbの有機物層OLPに被覆されていた部分が露出する。透明陽極層12Pbは酸化物であるため、炭化水素系洗浄溶剤35には溶けない。すなわち透明陽極層12Pbはこのウェットエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0083】
なお炭化水素系洗浄溶剤35の代わりに、高温純水が用いられてもよい。
有機物層OLPの除去後、排出口233から炭化水素系洗浄溶剤35が排出される。非塩素系有機溶剤導入口336から容器629内に非塩素系洗浄溶剤が導入されることで、基板1P内に付着している炭化水素系洗浄溶剤35が洗い流される。次に純水導入口334から容器629内に純水が導入されることで、さらに洗浄が行なわれる。次に容器629内に加熱された窒素が導入されることで、基板1Pが乾燥される。
【0084】
上記の2段階のウェットエッチングにより、保護層12Paおよび透明陽極層12Pbが形成された基板1Pが得られる。次に透明陽極層12Pbの表面が研磨される。次に真空蒸着法により、表面が研磨された透明陽極層12Pb上に、有機物層OLPおよび陰極層12Pg(図10)が成膜される。
【0085】
再び図10を参照して、不活性ガス雰囲気中で、一時的に保管されていた封止部110Pと、配線113a、113bと、乾燥剤127Pとが、再び基板1Pに取り付けられる。封止部110Pの基板1Pへの取り付けは、接着剤の塗布および硬化による接着剤部501の形成により行なわれる。以上により発光装置が再生産される。
【0086】
本実施の形態によれば、基板1Pは平板形状を有している。これにより、封止部110Pが取り外されると、基板1Pの主面上に形成された陰極層12Pgおよび有機物層OLPが平面状に広く露出される。よって、陰極層12Pgおよび有機物層OLPの各々の除去作業および再形成作業を容易に行なうことができる。
【0087】
また実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、廃棄物の量の抑制と、発光装置を生産するためのコストの抑制との効果が得られる。また有機物層OLPおよび透明陽極層12Pbの各々をエッチングストッパーとして用いることができる。また有機物層OLPが新たに形成される面である透明陽極層12Pbの表面を平滑にすることができる。また有機物層OLPが不活性ガスIG中に封止されるので、有機物層OLPの劣化を抑制することができる。
【0088】
また基板1P、保護層12Pa、および透明陽極層12Pbは酸化物などの劣化の少ない材料からなり、封止部110Pはガラスまたはアルミニウムなどの劣化の少ない材料からなる。また発光装置は発光素子として有機EL素子12P、すなわち電流注入により発光する素子を用いているので、熱または放電により発光する素子に比して、発光素子以外の部分を劣化させる程度が少ない。よって発光装置の一部を長期にわたって再使用することができる。
【0089】
また封止部110Pを基板1Pに固定するために、剥離溶剤に溶解する接着剤が用いられている。剥離溶剤を用いることで、封止部110Pおよび基板1Pを劣化させることなく、基板1Pから封止部110Pを容易に取り外すことができる。また接着剤部501は剥離溶剤により完全に除去することができるので、残存した接着剤部501が再度の封止部110Pの取り付けを阻害することを防ぐことができる。
【0090】
なお接着剤による固定の代わりにロウ付けが用いられると、封止部110Pの着脱時に高い温度が必要となるので、封止部110Pまたは基板1Pが劣化しやすい。また封止部110Pの取り外しの際にロウ付け部分を完全に除去することが困難であるため、残存したロウ付け部分が再度の封止部110Pの取り付けを阻害することがある。
【0091】
(実施の形態4)
本実施の形態の発光装置の再生産方法では、実施の形態3における陰極層12Pgのウェットエッチング工程(図11)および有機物層OLPのウェットエッチング工程(図12)のそれぞれに代わり、陰極層12Pgのプラズマエッチング工程および有機物層OLPのプラズマアッシング工程が行なわれる。以下にこの工程について説明する。図13および図14は、本発明の実施の形態4における発光装置の再生産方法の第1および第2工程を順に示す概略的な断面図である。
【0092】
図13を参照して、真空容器737内において、平行平板型高周波電極701aと平行平板型アース電極701bとの間に基板1Pが置かれる。排気口433を通じた排気により真空容器737内が減圧状態とされつつ、アルゴンガス導入口440および反応性ガス導入口441のそれぞれからアルゴンガスおよび塩素系ガスが真空容器737内に導入される。平行平板型高周波電極701aと平行平板型アース電極701bとの間に13.56MHzの高周波が印加されることでプラズマ42Cが発生する。これにより陰極層12Pgが塩素系プラズマでエッチングされることにより除去される。陰極層12Pgが除去されると有機物層OLPの陰極層12Pgに被覆されていた部分が露出する。有機物からなる有機物層OLPは、このプラズマエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0093】
なお、塩素系プラズマの代わりに、塩素系以外のハロゲン系プラズマ、またはCH4やCH3OHなどの有機ガスによる有機ガス系プラズマが用いられてもよい。
【0094】
また透明陽極層12Pbの露出部は、必要に応じてマスキングテープで覆われることで、エッチングされないようにすることができる。
【0095】
図14を参照して、アルゴンガス導入口440および反応性ガス導入口441のそれぞれからアルゴンガスおよび酸素ガスが真空容器737内に導入される。平行平板型高周波電極701aと平行平板型アース電極701bとの間に高周波が印加されることで、真空容器737内にプラズマ42Oが発生する。これにより有機物層OLPが酸素プラズマアッシングにより除去される。有機物層OLPが除去されると透明陽極層12Pbの有機物層OLPに被覆されていた部分が露出する。酸化物からなる透明陽極層12Pbは、このプラズマエッチングのエッチングストッパーとして機能する。
【0096】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態3の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0097】
本実施の形態によれば、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。また実施の形態3と異なりウェットエッチングに伴う廃液が発生しないので、実施の形態3に比して環境負荷を低減することができる。
【0098】
(実施の形態5)
<全体構成>
まず、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40の全体構成について説明する。図15は、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40の全体構成を示す概略図である。本実施の形態に係る貸し出し管理システム40を利用すると、上記実施の形態1〜4に記載の発光装置の貸し出し状態を管理することができる。
【0099】
具体的には、図15に示すように、実施の形態1〜4に記載の発光装置を、貸し出し業者などがユーザに貸し出す。発光装置の一部が劣化すると、ユーザは発光装置を貸し出し業者に返却する。実施の形態1〜4に示したように、貸し出し業者は発光装置を再生産する。貸し出し業者は再生産された発光装置をそのユーザあるいは新たなユーザに再び貸し出す。貸し出し管理システム40は、このようなサイクルに沿った発光装置の貸し出し状態を管理することができるものである。
【0100】
図15に示すように、貸し出し管理システム40は、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのサーバ装置50と、ネットワーク70aを介してサーバ装置50と接続可能なワークステーションやパーソナルコンピュータなどの中継サーバ71a,71bと、ネットワーク70b,70cを介して中継サーバ71a,71bに接続可能な複数のワークステーションやパーソナルコンピュータなどの端末装置80a,80b・・・とを含む。ただし、貸し出し管理システム40は、中継サーバ71a,71bやネットワーク70b,70cを含まない構成であってもよい。以下では、端末装置80a,80b・・・の各々の構成や機能を説明する際には、端末装置80a,80b・・・の各々を端末装置80と総称する。
【0101】
本実施の形態に係る貸し出し管理システム40においては、端末装置80が、ユーザからの指令に基づいて、サーバ装置50に対して発光装置の貸し出し要求を行なう。貸し出し要求は、ユーザが所望する発光装置の種類や貸し出し期間などを含む。サーバ装置50は、発光装置毎の貸し出し料金や貸し出し状態を格納する貸し出しデータベース57−1(図17参照)を記憶する。
【0102】
サーバ装置50は、端末装置80からの貸し出し要求に応じて貸し出し料金を計算し、その端末装置80に貸し出し料金を送信する。サーバ装置50は、発光装置の貸し出しや返却に応じて、貸し出しデータベース57−1を更新する。サーバ装置50は、貸し出しデータベース57−1を参照して、発光装置の種類(型式や製造方法)毎の在庫の多寡を示す在庫データベース57−2(図17参照)や、発光装置の種類(型式や製造方法)毎の寿命などを示す耐久データベース57−3(図17参照)を更新する。サーバ装置50は、管理者からの指令に応じて、発光装置の種類毎の在庫の多寡や寿命などを示す情報を出力する。
【0103】
以下、このような機能を実現するための構成について詳述する。
<サーバ装置50>
図16は、本実施の形態に係るサーバ装置50のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。図16に示すように、コンピュータ本体51は、相互に内部バス58で接続されたCPU(Central Processing Unit)55と、メモリ56と、固定ディスク57と、通信インターフェイス59と、FD(Flexible Disk)駆動装置61と、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)駆動装置63とを含む。FD駆動装置61にはFD62が装着される。CD−ROM駆動装置63にはCD−ROM64が装着される。そして、コンピュータ本体51には、モニタ52、キーボード53、マウス54、バーコードリーダ65などが接続されている。
【0104】
モニタ52は、液晶パネルやCRTから構成されるものであって、CPU55が出力した情報を表示する。キーボード53は、キー入力により、ユーザから情報を受け付ける。マウス54は、クリックされたりやスライドされることによって、ユーザから情報を受け付ける。メモリ56は、各種の情報を記憶するものであって、たとえば、CPU55でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する。固定ディスク57は、CPU55が実行するプログラムやデータベースを記憶する。
【0105】
CPU55は、サーバ装置50の各要素を制御するものであって、各種の演算を実施する装置である。また、CPU55は、後述するように、貸し出し受付処理や在庫管理処理や寿命表示処理等を行なうものであって、当該処理結果を内部バス58を介してモニタ52に出力する。
【0106】
通信インターフェイス59は、CPU55が出力した情報をその他の装置が利用できる電気信号へと変換する。また、通信インターフェイス59は、本実施の形態に係るコンピュータの外部から入力された電気信号を受信して、CPU55が利用できるデータに変換する。
【0107】
バーコードリーダ65は、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどから構成されるものであって、上記実施の形態1〜4に記載の発光装置に付されたバーコード103を読み取って、その発光装置の型式や製造方法などを含む識別情報を取得する。また、サーバ装置50には、必要に応じて、プリンタ67などの他の出力装置が接続され得る。
【0108】
本実施の形態に係るサーバ装置50の各機能やサーバ装置50で実行される各処理は、コンピュータなどのハードウェアと制御プログラムなどのソフトウェアとによって実現される。一般的にこうしたソフトウェアは、FD62やCD−ROM64などの記録媒体に格納されて、もしくはネットワークなどを介して流通する。そして、ソフトウェアは、FD駆動装置61やCD−ROM駆動装置63などにより記録媒体から読み取られて、あるいは通信インターフェイス59にて受信されて、固定ディスク57に格納される。そして、CPU55が、ソフトウェアを固定ディスク57からメモリ56へと読み出して、実行する。
【0109】
端末装置80のハードウェア構成は、サーバ装置50のハードウェア構成と同様である。すなわち、端末装置80は、コンピュータ本体81と、コンピュータ本体81に接続される、モニタ82、キーボード83、マウス84、バーコードリーダ95、プリンタ97を含む。コンピュータ本体81は、相互に内部バス88で接続されたCPU85と、メモリ86と、固定ディスク87と、通信インターフェイス89と、FD駆動装置91と、CD−ROM駆動装置93とを含む。FD駆動装置91にはFD92が装着される。CD−ROM駆動装置93にはCD−ROM94が装着される。各部の構成はサーバ装置50のそれと同様であるので、ここは説明を繰り返さない。
【0110】
また、中継サーバ71a,71bの構成も、サーバ装置50のそれと同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0111】
<機能構成>
次に、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40が有する各機能について説明する。図17は、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0112】
本実施の形態においては、発光装置の貸し出し状態を管理するための機能がパーソナルコンピュータまたはワークステーションなどのコンピュータ上で実行されるソフトウェアによって実現される構成としているが、各ブロックの機能や各ステップの処理をソフトウェアによって実現する代わりに、その一部または全部を専用のハードウェア回路等によって実現してもよい。
【0113】
<サーバ装置50の機能構成>
図17に示すように、本実施の形態に係るサーバ装置50は、貸し出しデータベース57−1と、在庫データベース57−2と、耐久データベース57−3と、サーバ制御部55−1と、サーバ送受信部59−1と、サーバ表示部52−1と、サーバ操作部53−1と、サーバ読取部65−1と、サーバ印刷部67−1とを有する。
【0114】
貸し出しデータベース57−1と、在庫データベース57−2と、耐久データベース57−3とは、たとえば固定ディスク57やメモリ56によって実現される。本実施の形態に係る貸し出しデータベース57−1は、発光装置毎の詳細な貸し出し状態を格納する。本実施の形態に係る在庫データベース57−2は、発光装置の種類(型式)毎の在庫情報を格納する。本実施の形態に係る耐久データベース57−3は、発光装置の種類(製造方法)毎の貸し出し合計期間(使用可能期間)を格納する。
【0115】
図18は、貸し出しデータベース57−1に格納される貸し出し管理ファイル57−1aのデータ構造を示すイメージ図である。貸し出しデータベース57−1は、発光装置毎に貸し出し管理ファイル57−1a,57−1b・・・を格納する。図18に示すように、貸し出し管理ファイル57−1aは、所定期間毎に、対象となる発光装置に関する使用者名、貸し出し日、返却日、貸し出し単価、貸し出し日数、貸し出し料金、型式、製造年月日、再生年月日、製造方法番号などを格納する。貸し出しデータベース57−1に格納されている情報に基づいて、管理者は発光装置毎の詳細な貸し出し履歴や貸し出し状態を把握することができる。
【0116】
図19は、在庫データベース57−2に格納される在庫管理ファイル57−2aのデータ構造を示すイメージ図である。在庫データベース57−2は、発光装置の型式毎に在庫管理ファイル57−2a,57−2b・・・を格納する。図19に示すように、在庫管理ファイル57−2aは、所定期間毎に、対象となる発光装置の型式毎の製造個数の累積、貸し出し数、在庫数、在庫率、適正在庫率、適正在庫数、不足数、不足数増減率などを格納する。在庫データベース57−2に格納されている情報に基づいて、管理者は発光装置の種類(型式)毎の在庫状況を把握することができる。
【0117】
図20は、耐久データベース57−3に格納される耐久管理ファイル57−3aのデータ構造を示すイメージ図である。耐久データベース57−3は、発光装置の型式毎に耐久管理ファイル57−3a,57−3b・・・を格納する。図20に示すように、耐久管理ファイル57−3aは、同一型式の発光装置の製造方法毎の貸し出し合計日数を格納する。より詳細には、耐久管理ファイル57−3aは、製造方法毎および貸し出し合計日数毎に、それらの製造方法と貸し出し合計日数に該当する発光装置の個数(度数)を格納する。
【0118】
ただし、耐久管理ファイル57−3aは、発光装置の型式毎の貸し出し合計日数を格納してもよい。より詳細には、耐久管理ファイル57−3aは、型式毎および貸し出し合計日数毎に、それらの型式と貸し出し合計日数に該当する発光装置の個数(度数)を格納してもよい。
【0119】
耐久データベース57−3に格納されている情報に基づいて、管理者は発光装置の種類(製造方法あるいは型式)毎の予定使用可能期間(寿命)を把握することができる。
【0120】
図17に戻って、サーバ送受信部59−1は、たとえば、通信インターフェイス59によって実現される。サーバ送受信部59−1は、ネットワーク70a,70b,70c・・・を介して端末装置80との間でデータの送受信を行なう。サーバ表示部52−1は、たとえば、モニタ52などによって実現される。サーバ表示部52−1は、サーバ制御部55−1からのデータに基づいて、情報を表示する。サーバ操作部53−1は、たとえば、キーボード53やマウス54などによって実現される。サーバ操作部53−1は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。
【0121】
サーバ読取部65−1は、たとえば、バーコードリーダ65などによって実現される。サーバ読取部65−1は、発光装置に付された識別情報を読み取る。サーバ印刷部67−1は、たとえば、サーバ装置50に接続されたプリンタ67などによって実現される。サーバ印刷部67−1は、サーバ制御部55−1が出力するデータに基づいて、画像やテキスト(たとえば請求書など)を印刷する。
【0122】
サーバ制御部55−1は、CPU55などによって実現されるものであって、内部バス58を介してサーバ装置50の各部の動作を制御する。より詳細には、サーバ制御部55−1は、たとえば、CPU55がメモリ56や固定ディスク57などに記憶されるプログラムを実行して図16に示される各ハードウェアを制御することによって発揮される機能である。つまり、サーバ制御部55−1が有する機能は、CPU55が、固定ディスク57に記憶されたプログラムを一旦メモリ56へと読み出して、メモリ56からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。
【0123】
サーバ制御部55−1は、端末装置80からの発光装置の種類と貸し出し期間とを含む貸し出し要求を受け付けて、貸し出しデータベース57−1を参照して貸し出し料金を算出する。サーバ制御部55−1は、貸し出し料金をサーバ送受信部59−1を介して送信する。サーバ制御部55−1は、在庫数と適正在庫数と製造個数と貸し出し数の少なくともいずれかの変更命令を受け付けて、その変更命令に基づいて在庫データベース57−2を更新する。より詳細には、サーバ制御部55−1は、端末装置80からの貸し出し要求もしくは貸し出し決定通知に応じて、またはサーバ操作部53−1からの入力命令に応じて、貸し出しデータベース57−1を更新し、在庫データベース57−2を更新する。このとき、サーバ読取部65−1が、貸し出される(あるいは返却された)発光装置に貼付されているバーコードなどから発光装置の識別番号を取得してもよい。
【0124】
サーバ制御部55−1は、在庫データベース57−2を参照して、在庫数および不足数の推移を示すグラフを生成し、そのグラフをサーバ表示部52−1に表示させる。図21は、在庫数および不足数の推移を示すグラフである。サーバ制御部55−1は、図19に示す在庫管理ファイル57−1aを参照して、図21に示すような発光装置の型式毎の月末の在庫数や月末の不足数などの推移を示したグラフを生成して、当該グラフをサーバ表示部52−1に表示する。これによって、サーバ装置50の管理者などは、発光装置の型式毎の在庫の増減状態を容易に把握できる。
【0125】
サーバ制御部55−1は、貸し出しデータベース57−1を参照して発光装置毎の貸し出し合計期間を計算する。ここで、貸し出し合計期間とは、各発生装置における、製造されてから再生されるまでの期間の中で、ユーザに貸し出されていた期間を合計したものをいう。あるいは、貸し出し合計期間とは、各発生装置における、再生時から次の再生時までの期間の中で、ユーザに貸し出されていた期間を合計したものをいう。つまり、サーバ制御部55−1は、貸し出しデータベース57−1を参照して、発光装置毎に再生時までの貸し出し期間を合計することによって、発行装置毎の貸し出し合計期間を計算する。
【0126】
サーバ制御部55−1は、発光装置毎の貸し出し合計期間に基づいて、耐久データベース57−3における発光装置の種類(製造方法あるいは型式)毎の貸し出し合計期間の度数分布を更新する。より詳細には、サーバ制御部55−1は、発光装置毎の貸し出し合計期間に基づいて、貸し出し合計期間毎の同一の型式および製造方法の発光装置の個数をカウントすることによって、貸し出し合計期間の度数分布を取得する。サーバ制御部55−1は、貸し出し合計期間の度数分布情報の要求に応じて、発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布情報を、サーバ送受信部59−1を介して端末装置80へと送信する。これによって、端末装置80において、ユーザが発光装置の種類毎の予定使用可能期間を確認することができる。
【0127】
サーバ制御部55−1は、発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を示すグラフを生成し、そのグラフをサーバ表示部52−1に表示させる。図22は、製造方法別の貸し出し合計期間の分布を示すグラフである。サーバ制御部55−1は、図20に示す耐久管理ファイルを参照して、たとえば、図22に示すような、発光装置の型式毎の、それぞれの製造方法の貸し出し合計期間の分布を示すグラフを生成して、当該グラフをサーバ表示部52−1に表示する。これによって、サーバ装置50の管理者などは、どのような製造方法(あるいは型式)の発光装置の寿命が長いのかを容易に把握できる。
【0128】
<端末装置80の機能構成>
図17に戻って、本実施の形態に係る端末装置80は、端末送受信部89−1と、端末制御部85−1と、端末操作部83−1と、端末表示部82−1と、端末読取部95−1と、端末印刷部97−1とを含む。
【0129】
端末送受信部89−1は、たとえば、通信インターフェイス89によって実現される。端末送受信部89−1は、ネットワーク70a,70b,70c・・・を介してサーバ装置50との間でデータの送受信を行なう。端末表示部82−1は、たとえば、モニタ52などによって実現される。端末表示部82−1は、端末制御部85−1からの情報を表示する。端末操作部83−1は、たとえば、キーボード83やマウス84なによって実現される。端末操作部83−1は、ユーザから情報の入力を受け付ける。端末操作部83−1は、ユーザが所望する発光装置の種類や貸し出し期間を受け付ける。
【0130】
端末読取部95−1は、たとえば、バーコードリーダ95などによって実現される。端末読取部95−1は、発光装置に付された識別情報を読み取る。端末印刷部97−1は、たとえば、プリンタ97などによって実現される。端末印刷部97−1は、端末制御部85−1が出力するデータに基づいて、画像やテキスト(たとえば請求書など)を印刷する。
【0131】
端末制御部85−1は、CPU85などによって実現されるものであって、内部バス58を介して端末装置80の各部の動作を制御する。より詳細には、端末制御部85−1は、たとえば、CPU85がメモリ86や固定ディスク87などに記憶されるプログラムを実行して図16に示される各ハードウェアを制御することによって発揮される機能である。つまり、端末制御部85−1が有する機能は、CPU85が、固定ディスク87に記憶されたプログラムを一旦メモリ86へと読み出して、メモリ86からそのプログラムを読み出しながら順次実行することによって実現される。
【0132】
端末制御部85−1は、端末操作部83−1を介して入力される発光装置の種類や貸し出し期間に基づいて、それらを含む貸し出し命令を生成する。端末制御部85−1は、その貸し出し命令を端末送受信部89−1を介してサーバ装置50へと送信する。端末制御部85−1は、端末送受信部89−1にて受信したサーバ装置50からの貸出料金を端末表示部82−1を介して表示する。端末制御部85−1は、端末操作部83−1を介して入力される発光装置の返却命令を端末送受信部89−1を介してサーバ装置50へと送信する。このとき、端末読取部95−1が、貸し出されていた発光装置に貼付されているバーコードなどから発光装置の識別番号を取得してもよい。端末制御部85は、返却命令に識別番号を格納した上で、当該返却命令を端末送受信部89−1を介してサーバ装置50へと送信する。
【0133】
<貸し出し処理>
次に、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40における貸し出し処理について説明する。図23は、本実施の形態に係る貸し出し管理システム40における貸し出し処理を示すシーケンス図である。
【0134】
図23に示すように、ユーザが、発光装置の種類と貸し出し日数とを端末装置80に入力する(ステップS102)。端末装置80は、貸し出し要求をサーバ装置50へと送信する(ステップS104)。サーバ装置50は、貸し出し要求を受信して(ステップS106)、貸し出し料金を算出する(ステップS108)。サーバ装置50は、貸し出し料金を端末装置80へと送信する(ステップS110)。端末装置80は、貸し出し料金を受信して(ステップS112)、貸し出し料金を表示する(ステップS114)。ユーザが、貸し出しを決定する旨を端末装置80に入力する(ステップS116)。端末装置80は、貸し出し決定通知をサーバ装置50へ送信する(ステップS118)。サーバ装置50は、貸し出し決定通知を受信して(ステップS120)、貸し出し料金に基づいた請求書を印刷する(ステップS122)。サーバ装置50は、貸し出し決定通知を受信した際、あるいは管理者などが発光装置の貸し出しを実行した旨をサーバ装置50に入力した際に、貸し出しデータベース57−1や、在庫データベース57−2などを更新する(ステップS124)。
【0135】
<サーバ装置50における貸し出し受付処理>
次に、本実施の形態に係るサーバ装置50における貸し出し受付処理について説明する。図24は、本実施の形態に係るサーバ装置50における貸し出し受付処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0136】
図24に示すように、端末装置80からフォームデータの要求を受け取ると(ステップS202にてYESの場合)、CPU55はサーバ送受信部59を介してフォームデータを端末装置80へと送信する(ステップS204)。CPU55は、サーバ送受信部59を介して端末装置80から貸し出し要求を受け付けて(ステップS206)、貸し出し要求から発光装置の種類や貸し出し期間を取得する。CPU55は、発光装置の種類に基づいて貸し出しデータベース57−1から貸し出し単価を読み出す(ステップS208)。このとき、たとえば、CPU55は、前回の支払日から今回の支払日までの日数を、貸し出し期間として計算する。そして、CPU55は、貸し出し単価と貸し出し期間とから貸し出し料金を算出し(ステップS210)、サーバ送受信部59を介して貸し出し料金を端末装置80へと送信する(ステップS212)。
【0137】
その後、CPU55は、サーバ送受信部59を介して端末装置80から貸し出し決定通知を受け付けて(ステップS214)、あるいは管理者などがサーバ操作部53−1やサーバ読取部65−1を介して貸し出しを実行した旨をサーバ装置50に入力した際に、貸し出しデータベース57−1や在庫データベース57−2を更新する(ステップS216、以下このステップを在庫管理処理という。)。
【0138】
<サーバ装置50における在庫データベース更新処理>
次に、本実施の形態に係るサーバ装置50における在庫データベース更新処理について説明する。図25は、本実施の形態に係るサーバ装置50における在庫データベース更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0139】
図25に示すように、たとえば、新たな発光装置が製造されたり、古い発光装置が廃棄されたりした場合などのように、管理者などがサーバ操作部53−1やサーバ読取部65−1を介して在庫データベース57−2の製造個数の累積数を更新する(増減させる)と(ステップS302にてYESの場合)、CPU55は、予め設定されている適正在庫率に基づいて在庫データベース57−2の適正在庫数を更新する(ステップS304)。より詳細には、CPU55は、下記の式に基づいて適正在庫数を計算する。
適正在庫数=製造個数の累積数×適正在庫率・・・(数1)
また、CPU55は、製造個数の累積数と在庫率に基づいて在庫データベース57−2の在庫率を更新する(ステップS306)。より詳細には、CPU55は、下記の式に基づいて在庫率を更新する。
在庫率=在庫数/製造個数の累積数・・・(数2)
また、CPU55は、適正在庫数と在庫数に基づいて在庫データベース57−2の不足数を更新する(ステップS308)。より詳細には、CPU55は、下記の式に基づいて在庫率を更新する。
不足数=適正在庫数−在庫数・・・(数3)
このように、本実施のサーバ装置50は製造個数の累積数が変更された際に即座に不足数を計算するので、サーバ装置50の管理者は製造個数の累積数が変更された際に即座に不足数を把握できる。なお、製造個数の累積数が変更された場合について説明を行ったが、サーバ装置50のCPU55は、貸し出し数や在庫数や適正在庫率などが変更された場合についても上記同様の処理を行なうため、ここでは説明を繰り返さない。
【0140】
<サーバ装置50における在庫管理処理>
次に、本実施の形態に係るサーバ装置50における在庫管理処理(ステップS206)について説明する。図26は、本実施の形態に係るサーバ装置50における在庫管理処理(ステップS206)の処理手順を示すフローチャートである。
【0141】
図26に示すように、サーバ装置50に、発光装置の識別情報を含む発光装置の貸し出し/返却に関する情報が入力されると(ステップS402)、貸し出しデータベース57−1が更新される(ステップS404)。より詳細には、CPU55が、識別情報と貸出日/返却日とを受け付けて、貸し出しデータベース57−1におけるその識別情報を有する発光装置に関する貸出日/返却日を更新する。
【0142】
CPU55は、在庫データベース57−2の在庫数を更新する(増減させる)(ステップS406)。CPU55は、適正在庫率に基づいて在庫データベース57−2の適正在庫数を更新する(ステップS408)。また、CPU55は、製造個数の累積数と在庫数とに基づいて在庫データベース57−2の不足数を更新する(ステップS410)。そして、図21に示すように、CPU55は、在庫データベースの在庫数や不足数の推移を示す在庫グラフを生成し(ステップS412)、サーバ表示部52−1を介して在庫グラフを表示する(ステップS414)。
【0143】
<サーバ装置50における寿命表示処理>
次に、本実施の形態に係るサーバ装置50における寿命表示処理について説明する。図27は、本実施の形態に係るサーバ装置50における寿命表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0144】
図27に示すように、CPU55が、サーバ操作部53−1を介して出力命令を受け付けると(ステップS502)、耐久データベース57−3からユーザが所望している発光装置の型式に関する、発光装置の製造方法別の貸出合計期間の分布が読み出される(ステップS504)。CPU55は、発光装置の製造方法別の貸出合計期間の分布に基づいて、製造方法毎に貸出合計期間と発光装置の個数との関係を示すグラフを生成し(ステップS506)、図22に示すように、サーバ表示部52−1を介してそのグラフを表示する(ステップS508)。
【0145】
<その他の実施の形態>
本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0146】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0147】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカード)、ROM(マスクROM、フラッシュEEPROMなど)などを用いることができる。
【0148】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0149】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0150】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、電界が印加されることにより発光することができる有機物層を有する発光装置、その発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置、およびその発光装置の再生産方法に特に有利に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の実施の形態1における発光装置の構成を概略的に示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態1における発光装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第1工程を示す概略的な断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第2工程を示す概略的な断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第3工程を示す概略的な断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第4工程を示す概略的な断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における発光装置の再生産方法の第5工程を示す概略的な断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2における発光装置の再生産方法の第1工程を示す概略的な断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2における発光装置の再生産方法の第2工程を示す概略的な断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3における発光装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3における発光装置の再生産方法の第1工程を示す概略的な断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3における発光装置の再生産方法の第2工程を示す概略的な断面図である。
【図13】本発明の実施の形態4における発光装置の再生産方法の第1工程を示す概略的な断面図である。
【図14】本発明の実施の形態4における発光装置の再生産方法の第2工程を示す概略的な断面図である。
【図15】実施の形態5に係る貸し出し管理システムの全体構成を示す概略図である。
【図16】実施の形態5に係るサーバ装置(端末装置、中継装置)のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図17】実施の形態5に係る貸し出し管理システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図18】貸し出しデータベースに格納される貸し出し管理ファイルのデータ構造を示すイメージ図である。
【図19】在庫データベースに格納される在庫管理ファイルのデータ構造を示すイメージ図である。
【図20】耐久データベースに格納される耐久管理ファイルのデータ構造を示すイメージ図である。
【図21】在庫数および不足数の推移を示すグラフである。
【図22】製造方法別の貸し出し合計期間の分布を示すグラフである。
【図23】貸し出し管理システムにおける貸し出し処理を示すシーケンス図である。
【図24】サーバ装置における貸し出し受付処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図25】サーバ装置における在庫データベース更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】サーバ装置における在庫管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】サーバ装置における寿命表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0153】
OL,OLP 有機物層、IG 不活性ガス、1 円筒管(基材)、1P 基板、2 固定冶具、3 回転導入器、4a 回転モータ、5 真空容器、8b 固体原料、9v 坩堝、10 ヒータ、11 直線駆動機構、12,12P 有機EL素子、12a,12Pa 保護層、12b,12Pb 透明陽極層、12c〜12f,12Pc〜12Pf 第1〜第4の層、12g,12Pg 陰極層、31 酸溶液、35 炭化水素系洗浄溶剤、40 貸し出し管理システム、50 サーバ装置、52−1 サーバ表示部、53−1 サーバ操作部、55,85 CPU、55−1 サーバ制御部、56,86 メモリ、57,87 固定ディスク、57−1 貸し出しデータベース、57−1a,57−1b 貸し出し管理ファイル、57−2 在庫データベース、57−2a,57−2b 在庫管理ファイル、57−3 耐久データベース、57−3a,57−3b 耐久管理ファイル、58 内部バス、59,89 通信インターフェイス、59−1 サーバ送受信部、65,95 バーコードリーダ、65−1 サーバ読取部、67,97 プリンタ、67−1 サーバ印刷部、70a,70b,70c ネットワーク、71a,71b 中継サーバ、80,80a,80b 端末装置、82−1 端末表示部、83−1 端末操作部、85−1 端末制御部、89−1 端末送受信部、95−1 端末読取部、100V 成膜装置、103 バーコード、110,110P 封止部、124 Oリング、501 接着剤部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する基材と、
前記基材上に設けられ、透光性を有する第1電極層と、
前記第1電極層上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができる有機物層と、
前記有機物層上に設けられた第2電極層と、
前記有機物層と前記第2電極層とを含む領域を気密に封止するように、前記基材に着脱可能に固定された封止部とを備えた、発光装置。
【請求項2】
前記第1電極層は導電性の酸化物層を含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記基材は管形状を有する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記基材は平板形状を有する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の複数種類の発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置であって、
少なくとも1つの端末装置とネットワークを介して接続可能な送受信部と、
貸し出し単価を発光装置の種類に対応付けて格納する第1のデータベースと、
前記端末装置からの発光装置の種類と貸し出し期間とを含む貸し出し要求を受け付けて、前記第1のデータベースを参照して貸し出し料金を算出し、前記貸し出し料金を前記端末装置へ返信する制御部とを備える、サーバ装置。
【請求項6】
前記発光装置の種類毎に、貸し出し可能総数と、貸し出し数と、前記貸し出し可能総数から前記貸し出し数を減じた在庫数と、所定の適正在庫数と、前記適正在庫数から前記在庫数を減じた不足数とを格納する第2のデータベースをさらに備え、
前記制御部は、前記製造個数と前記貸し出し数と前記在庫数の少なくともいずれかの変更命令を受け付けて、当該変更命令に基づいて前記第2のデータベースを更新する、請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記第1のデータベースは、前記発光装置毎に貸し出し期間と発光装置の種類とを格納し、
前記制御部は、
前記第1のデータベースを参照して、前記発光装置毎の貸し出し合計期間を計算し、
前記発光装置毎の貸し出し合計期間に基づいて、前記発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を計算し、
前記発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を格納する第3のデータベースをさらに備える、請求項5または6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
透光性を有する基材と、前記基材上に設けられ、透光性を有する第1電極層と、前記第1電極層上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができる有機物層と、前記有機物層上に設けられた第2電極層と、前記有機物層と前記第2電極層とを含む領域を気密に封止するように、前記基材に着脱可能に固定された封止部とを備えた発光装置の再生産方法であって、
前記封止部を取り外す工程と、
前記封止部を取り外す工程の後に、前記第2電極層を除去する工程と、
前記第2電極層を除去する工程の後に、前記有機物層を除去する工程とを備えた、発光装置の再生産方法。
【請求項9】
前記第2電極層は金属層を含み、
前記第2電極層を除去する工程は、酸溶液で前記第2電極層をエッチングする工程と、有機ガス系プラズマおよびハロゲン系プラズマの少なくともいずれかで前記第2電極層をエッチングする工程との少なくともいずれかを含む、請求項8に記載の発光装置の再生産方法。
【請求項10】
前記第1電極層は酸化物層を含み、
前記有機物層を除去する工程は、炭化水素系溶剤および高温純水の少なくともいずれかで前記有機物層をエッチングする工程と、酸素プラズマで前記有機物層をアッシングする工程との少なくともいずれかを含む、請求項8または9に記載の発光装置の再生産方法。
【請求項11】
前記有機物層を除去する工程の後に、前記第1電極層の表面を研磨する工程をさらに備えた、請求項8〜10のいずれかに記載の発光装置の再生産方法。
【請求項1】
透光性を有する基材と、
前記基材上に設けられ、透光性を有する第1電極層と、
前記第1電極層上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができる有機物層と、
前記有機物層上に設けられた第2電極層と、
前記有機物層と前記第2電極層とを含む領域を気密に封止するように、前記基材に着脱可能に固定された封止部とを備えた、発光装置。
【請求項2】
前記第1電極層は導電性の酸化物層を含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記基材は管形状を有する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記基材は平板形状を有する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の複数種類の発光装置の貸し出し状態を管理するためのサーバ装置であって、
少なくとも1つの端末装置とネットワークを介して接続可能な送受信部と、
貸し出し単価を発光装置の種類に対応付けて格納する第1のデータベースと、
前記端末装置からの発光装置の種類と貸し出し期間とを含む貸し出し要求を受け付けて、前記第1のデータベースを参照して貸し出し料金を算出し、前記貸し出し料金を前記端末装置へ返信する制御部とを備える、サーバ装置。
【請求項6】
前記発光装置の種類毎に、貸し出し可能総数と、貸し出し数と、前記貸し出し可能総数から前記貸し出し数を減じた在庫数と、所定の適正在庫数と、前記適正在庫数から前記在庫数を減じた不足数とを格納する第2のデータベースをさらに備え、
前記制御部は、前記製造個数と前記貸し出し数と前記在庫数の少なくともいずれかの変更命令を受け付けて、当該変更命令に基づいて前記第2のデータベースを更新する、請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記第1のデータベースは、前記発光装置毎に貸し出し期間と発光装置の種類とを格納し、
前記制御部は、
前記第1のデータベースを参照して、前記発光装置毎の貸し出し合計期間を計算し、
前記発光装置毎の貸し出し合計期間に基づいて、前記発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を計算し、
前記発光装置の種類毎の貸し出し合計期間の度数分布を格納する第3のデータベースをさらに備える、請求項5または6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
透光性を有する基材と、前記基材上に設けられ、透光性を有する第1電極層と、前記第1電極層上に設けられ、電界が印加されることにより発光することができる有機物層と、前記有機物層上に設けられた第2電極層と、前記有機物層と前記第2電極層とを含む領域を気密に封止するように、前記基材に着脱可能に固定された封止部とを備えた発光装置の再生産方法であって、
前記封止部を取り外す工程と、
前記封止部を取り外す工程の後に、前記第2電極層を除去する工程と、
前記第2電極層を除去する工程の後に、前記有機物層を除去する工程とを備えた、発光装置の再生産方法。
【請求項9】
前記第2電極層は金属層を含み、
前記第2電極層を除去する工程は、酸溶液で前記第2電極層をエッチングする工程と、有機ガス系プラズマおよびハロゲン系プラズマの少なくともいずれかで前記第2電極層をエッチングする工程との少なくともいずれかを含む、請求項8に記載の発光装置の再生産方法。
【請求項10】
前記第1電極層は酸化物層を含み、
前記有機物層を除去する工程は、炭化水素系溶剤および高温純水の少なくともいずれかで前記有機物層をエッチングする工程と、酸素プラズマで前記有機物層をアッシングする工程との少なくともいずれかを含む、請求項8または9に記載の発光装置の再生産方法。
【請求項11】
前記有機物層を除去する工程の後に、前記第1電極層の表面を研磨する工程をさらに備えた、請求項8〜10のいずれかに記載の発光装置の再生産方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2009−206009(P2009−206009A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49104(P2008−49104)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(508016664)フジテック・インターナショナル株式会社 (7)
【出願人】(599048661)有限会社マイクロシステム (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(508016664)フジテック・インターナショナル株式会社 (7)
【出願人】(599048661)有限会社マイクロシステム (9)
【Fターム(参考)】
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