説明

発光装置およびこの発光装置を光源として使用する表示装置

【課題】蛍光層の発光効率を向上させ、アーク放電を抑制可能な、発光装置を提供する。
【解決手段】互いに対向配置され、有効領域18および有効領域の外側の非有効領域20を各々に有する、第1基板12および第2基板14と、第1基板の有効領域に設けられ、電子放出が独立的に制御される複数の画素を形成する電子放出ユニット22と、第2基板の有効領域に設けられる発光ユニット24と、を含み、発光ユニットが、第2基板の一面に互いに離隔して配置される複数の蛍光層34と、蛍光層の間に配置される導電膜36と、蛍光層および導電膜の一面に形成されるアノード電極33と、を含み、蛍光層が、0.80≦A2/A1≦0.98(ここで、A1が第2基板の有効領域の面積を示し、A2が蛍光層の全面積を示す。)を満足することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置および表示装置に関し、より詳しくは電子放出部と蛍光層を利用して光を放出する発光装置と、この発光装置を光源として使用する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルのような受光型表示パネルを備える発光装置は、表示パネルに光を提供する光源を必要とする。一般に冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)方式と発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)方式の発光装置が表示装置の光源として幅広く使用されている。
【0003】
CCFL方式とLED方式は各々に線光源と点光源を使用するので、光拡散のための複数の光学部材を備える。しかし、線光源と点光源から放出された光の相当量が光学部材を通過しながら損失されるため、CCFL方式とLED方式は十分な輝度を得るために消費電力を高めなければならない。
【0004】
最近、CCFL方式とLED方式に代替する発光装置として背面基板に電子放出部を備え、前面基板に蛍光層とアノード電極を備える発光装置が提案された。前面基板と背面基板は密封部材によって接合され、内部が排気されて真空容器を構成し、電子放出部から放出された電子が蛍光層を励起させて可視光を放出させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発光装置の蛍光層は発光面積を増やすために前面基板の有効領域全体に形成されることが一般的である。しかし、発光装置では、駆動時に蛍光層に衝突した電子が持続的に蛍光層表面に蓄積されて蛍光層が帯電される場合がある。
【0006】
帯電された蛍光層は電子放出部から放出される電子を反発させるため蛍光層の発光効率を低下させ、アノード電極に高圧を印加する時にアーク放電を生じさせる原因となる。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蛍光層の発光効率を向上させ、アーク放電を抑制可能な、新規かつ改良された、発光装置および、この発光装置を光源として使用する表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、互いに対向配置され、有効領域および有効領域の外側の非有効領域を各々に有する、第1基板および第2基板と、第1基板の有効領域に設けられ、電子放出が独立的に制御される複数の画素を形成する電子放出ユニットと、第2基板の有効領域に設けられる発光ユニットと、を含み、発光ユニットが、第2基板の一面に互いに離隔して配置される複数の蛍光層と、蛍光層の間に配置される導電膜と、蛍光層および導電膜の一面に形成されるアノード電極と、を含み、蛍光層が、0.80≦A2/A1≦0.98(ここで、A1が第2基板の有効領域の面積を示し、A2が蛍光層の全面積を示す。)を満足することを特徴とする、発光装置が提供される。
【0009】
かかる構成によれば、蛍光層の間に適切な面積割合で導電膜が配置されるので、発光面の輝度を十分に維持した状態で、蛍光層の帯電を抑制して蛍光層の発光効率を向上させることができる。
【0010】
また、上記蛍光層が白色光を放出する白色蛍光層であり、蛍光層の各々が少なくとも1つの画素領域に対応して配置されるようにしてもよい。
【0011】
また、上記導電膜が導電性の炭素系物質で形成されるようにしてもよい。
【0012】
また、上記導電膜がアルミニウム、モリブデン、クロムおよびこれらの合金からなる群より選択されるいずれか1つの物質で形成されるようにしてもよい。
【0013】
また、上記第1基板および第2基板が5〜20mmの間隔で配置され、アノード電極が10〜15kVの直流電圧の印加を受けるようにしてもよい。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点によれば、互いに対向配置され、有効領域および有効領域の外側の非有効領域を各々に有する、第1基板および第2基板と、第1基板の有効領域に設けられ、電子放出が独立的に制御される複数の画素を形成する電子放出ユニットと、第2基板の有効領域に設けられる発光ユニットと、を含み、発光ユニットが、第2基板の一面に互いに離隔して配置される複数の蛍光層と、蛍光層の間に配置される導電膜と、蛍光層および導電膜の一面に形成されるアノード電極と、を含み、導電膜が、0.02≦A3/A1≦0.20(ここで、A1が第2基板の有効領域の面積を示し、A3が導電膜の全面積を示す。)を満足することを特徴とする、発光装置が提供される。
【0015】
かかる構成によれば、蛍光層の間に適切な面積割合で導電膜が配置されるので、蛍光層の電荷蓄積を十分に抑制した状態で、蛍光層の帯電を抑制して蛍光層の発光効率を向上させることができる。
【0016】
また、上記導電膜が導電性の炭素系物質および金属のうちのいずれか1つで形成され、金属がアルミニウム、モリブデン、クロムおよびこれらの合金からなる群より選択されるようにしてもよい。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第3の観点によれば、映像を表示する表示パネルと、表示パネルに光を提供する発光装置と、を含み、発光装置は、互いに対向配置され、有効領域および有効領域の外側の非有効領域を各々に有する、第1基板および第2基板と、第1基板の有効領域に設けられ、電子放出が独立的に制御される複数の画素を形成する電子放出ユニットと、第2基板の有効領域に設けられる発光ユニットと、を含み、発光ユニットが、第2基板の一面に互いに離隔して配置される複数の蛍光層と、蛍光層の間に配置される導電膜と、蛍光層および導電膜の一面に形成されるアノード電極と、を含み、蛍光層が、0.80≦A2/A1≦0.98(ここで、A1が第2基板の有効領域の面積を示し、A2が蛍光層の全面積を示す。)を満足することを特徴とする、表示装置が提供される。
【0018】
かかる構成によれば、発光装置において、蛍光層の間に適切な面積割合で導電膜が配置されるので、発光面の輝度を十分に維持した状態で、蛍光層の帯電を抑制して蛍光層の発光効率を向上させることができる。これにより、上記発光装置を光源として使用する表示装置において、画面のコントラスト比を向上させ、画質品質を向上させることができる。
【0019】
また、上記導電膜が、0.02≦A3/A1≦0.20(ここで、A1が第2基板の有効領域の面積を示し、A3が導電膜の全面積を示す。)を満足するようにしてもよい。
【0020】
また、上記蛍光層が白色光を放出する白色蛍光層であり、蛍光層の各々が少なくとも1つの画素領域に対応して配置されるようにしてもよい。
【0021】
また、上記導電膜が導電性の炭素系物質で形成されるようにしてもよい。
【0022】
また、上記導電膜がアルミニウム、モリブデン、クロムおよびこれらの合金からなる群より選択されるいずれか1つの物質で形成されるようにしてもよい。
【0023】
また、上記第1基板および第2基板が5〜20mmの間隔で配置され、アノード電極が10〜15kVの直流電圧の印加を受けるようにしてもよい。
【0024】
また、上記表示パネルが第1画素を形成し、発光装置が表示パネルより少ない個数の第2画素を形成し、第2画素の各々が対応する第1画素の階調に対応して独立的に発光するようにしてもよい。
【0025】
また、上記表示パネルが液晶表示パネルであるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、蛍光層の発光効率を向上させ、アーク放電を抑制可能な、発光装置および、この発光装置を光源として使用する表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
図1〜図3を参照すると、本実施形態の発光装置10は所定の間隔をおいて平行に対向配置される第1基板12と第2基板14を含む。第1基板12と第2基板14の周縁には密封部材16が配置されて両基板を接合し、内部空間が約10−6Torrの真空度で排気されて第1基板12、第2基板14および密封部材16が真空容器を構成する。
【0029】
第1基板12と第2基板14は、密封部材16の内側で実際に可視光の放出に寄与する有効領域18と、有効領域18を囲む非有効領域20を有する。第1基板12の有効領域18には電界を利用して電子を放出する電子放出ユニット22が設けられ、第2基板14の有効領域18には電子によって可視光を放出する発光ユニット24が設けられる。
【0030】
電子放出ユニット22は、第1基板12の一方向に沿って帯状パターンで形成される第1電極26と、絶縁層28を介して第1電極26の上部に第1電極26と交差する方向に沿って帯状パターンで形成される第2電極30と、第1電極26と第2電極30のうちのいずれかの電極に電気的に接続される電子放出部32を含む。
【0031】
電子放出部32が第1電極26に形成される場合、第1電極26は電子放出部32に電流を供給するカソード電極となり、第2電極30はカソード電極との電圧差によって電子放出部32の周囲に電界を形成して電子放出を誘導するゲート電極となる。一方、電子放出部32が第2電極30に形成される場合、第2電極30がカソード電極となり、第1電極26がゲート電極となる。
【0032】
図面では電子放出部32が第1電極26に形成される場合を示した。この場合、第2電極30は、第1基板12の行方向(図面のx軸方向)に沿って伸び、走査駆動電圧の印加を受けて走査電極として機能することができる。そして、第1電極26は、第1基板12の列方向(図面のy軸方向)に沿って伸び、データ駆動電圧の印加を受けてデータ電極として機能することができる。
【0033】
第1電極26と第2電極30の交差領域ごとに、第2電極30と絶縁層28に開口部301、281が形成されて第1電極26の表面の一部が露出され、絶縁層28の開口部281の内側で第1電極26上に電子放出部32が配置される。
【0034】
電子放出部32は、電界が加えられると電子を放出する物質、例えば、炭素系物質またはナノ物質(nanomaterial)からなることができる。電子放出部32は、一例として炭素ナノチューブ、黒鉛、黒鉛ナノファイバー、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、フラーレン(C60)、シリコンナノワイヤーおよびこれらの組み合わせからなる群より選択された物質を含むことができ、その製造法としてスクリーン印刷、直接成長、化学気相蒸着またはスパッタリングなどを適用することができる。
【0035】
一方、電子放出部は、例えば、モリブデン(Mo)またはシリコン(Si)などを主材質とする先端の尖ったチップ構造物からなることができる。
【0036】
上述した構造で第1電極26と第2電極30の1つの交差領域が発光装置10の1つの画素領域に対応し、または、2つ以上の交差領域が発光装置10の1つの画素領域に対応することができる。後者の場合、1つの画素領域に対応する2つ以上の第1電極26および/または2つ以上の第2電極30は、互いに電気的に接続されて同一な駆動電圧の印加を受ける。
【0037】
次に、発光ユニット24は、アノード電極33と、アノード電極33の一面で互いに離隔して配置される複数の蛍光層34と、蛍光層34の間で蛍光層34と平行に配置されてる導電膜36と、蛍光層34と導電膜36の一面に配置される反射膜38を含む。
【0038】
アノード電極33は、蛍光層34で放射された光がアノード電極33を透過できるように、例えばITO(インジウムスズ酸化物)のような透明な導電物質で形成される。
【0039】
蛍光層34は画素領域ごとに1つずつ配置されてもよく、1つの画素領域に2つ以上の蛍光層34が配置されてもよく、1つの蛍光層34が2つ以上の画素領域にわたって配置されてもよい。いずれの場合も、各々の蛍光層34は図3に示したように、例えば四角形に形成されることができる。
【0040】
蛍光層34は白色光を放出する白色蛍光層、または、赤色、緑色および青色の蛍光層が組み合わせられて構成され、これら3種類の蛍光層の発光色の組み合わせで白色光を放出することができる。図面では画素領域ごとに1つの白色蛍光層が配置される場合を示している。
【0041】
導電膜36は電気伝導度の高い物質で形成される。導電膜36は、例えば、黒鉛のような導電性の炭素系物質で形成されてもよく、アルミニウム、モリブデン、クロムおよびこれらの合金からなる群より選択されるいずれか1つの物質で形成されてもよい。導電膜36は、構成物質に応じて黒色を帯びたり、光を反射する光反射特性を有したりすることができる。導電膜36は、蛍光層34の配列形状に合わせて蛍光層34の間で格子状に形成されることができる。
【0042】
導電膜36は、蛍光層34に電子が衝突してこれを発光させる時、蛍光層34に衝突した電子を外部に引出させる導電経路として機能し、蛍光層34の表面が帯電されることを抑制する役割を果たす。このために、導電膜36はアノード電極33と共にアノードリード部40に電気的に接続され、アノードリード部40が真空容器外部に引き出されてアノード電圧を供給する電源部42に接続される。
【0043】
反射膜38は、例えばアルミニウム薄膜からなることができる。反射膜38は数千オームストロング(Å)の厚さを有し、電子ビームを通過させる微細ホールを有する。反射膜38は、蛍光層34から放射された可視光の中で第1基板12に向けて放射された光を第2基板14側に反射させ、発光面の輝度を向上させる役割を果たす。
【0044】
なお、第1基板12と第2基板14の間には真空容器に加えられる圧縮力を支持し、両基板の間隔を一定に維持する複数のスペーサ44が設けられる。スペーサ44は蛍光層34と重ならないように導電膜36に対応して配置される。
【0045】
上述した構成の発光装置10は、真空容器外部から第1電極26にデータ駆動電圧が印加され、第2電極30に走査駆動電圧が印加され、アノード電極33に数千ボルト以上の量の直流電圧(アノード電圧)が印加されることで駆動する。
【0046】
その結果、第1電極26と第2電極30の電圧差が臨界値以上となる画素で電子放出部32の周囲に電界が形成され、この画素から電子が放出され、放出された電子がアノード電圧に導かれて対応する蛍光層34の部位に衝突することで、蛍光層34の該当する部位を発光させる。画素毎の蛍光層34の輝度は当該画素に対応する電子ビーム放出量に依存する。
【0047】
ここで、本実施形態の発光装置10は下記条件を満足する発光ユニット24を有する。
0.80≦A2/A1≦0.98 ...(数式1)
ここで、A1は第2基板14の有効領域18の面積を示し、A2は蛍光層34の全面積を示す。つまり、数式1は蛍光層34の全面積A2が第2基板14の有効領域18の面積A1の80〜98%であることを意味する。
【0048】
上述した数式1は次の数式2で示すこともできる。
0.02≦A3/A1≦0.20 ...(数式2)
ここで、A1は第2基板14の有効領域18の面積を示し、A3は導電膜36の全面積を示す。数式2は導電膜36の全面積A3が第2基板14の有効領域18の面積A1の2〜20%であることを意味する。
【0049】
第2基板14の有効領域18で蛍光層34が占める面積A2が小さくなるほど発光面の輝度が低下するので、A2/A1が少なくとも0.80以上でなければ十分な輝度を実現することができない。
【0050】
また、A2/A1が0.80未満であれば、第2基板14の有効領域18で導電膜36が占める面積A3が大きすぎるので、発光装置10の外側から導電膜36が観察され、発光面の輝度の均一度が低下するという問題が発生する。したがって、発光装置10の前面に蛍光層34から放出される光を散乱させて輝度の均一度を高める拡散板(図示せず)を設置しなければならない。さらに、拡散板を設置する場合でも、第2基板14と拡散板の間隔を10mm以上に確保しなければならないので、表示装置の厚さを増加させる要因となる。
【0051】
一方、導電膜36が占める面積A3が第2基板14の有効領域18の面積A1の2%未満であれば、導電膜36が蛍光層34に蓄積される電荷を真空容器外部に引き出す機能が顕著に低下する。したがって、導電膜36を形成しているにもかかわらず、導電膜36による蛍光層34の電荷蓄積を抑制する効果を十分に得ることができず、蛍光層34に蓄積された電荷によって、蛍光層34に向けて射出された電子ビームの加速力が低下して発光面の輝度が低下する。
【0052】
本実施形態の発光装置10は、蛍光層34と導電膜36が上述した数式条件を満足するように形成されることによって、蛍光層34の電荷蓄積を抑制して発光面の輝度を高めると同時に、発光面の輝度の均一度を高い水準に維持することができる。
【0053】
上述した発光装置10で第1基板12と第2基板14は5〜20mmの比較的大きな間隔をおいて配置することができる。そして、第1基板12と第2基板14の間隔の拡大によって、発光装置10の内部のアーク放電の発生を抑制することができ、アノード電極33に10kV以上、好ましくは10〜15kVの高電圧を印加することができる。発光面の輝度はアノード電圧に比例する。したがって、発光装置10は上述した構成によって有効領域18の中央部で約10,000cd/mの最大輝度を実現することができる。
【0054】
図4は上述した発光装置を光源として使用する本発明の一実施形態による表示装置の分解斜視図である。図4に示した表示装置は本発明を例示するためのものであり、本発明がかかる場合に限定されるものではない。
【0055】
図4を参照すると、本実施形態の表示装置100は発光装置10と、発光装置10の前方に配置される表示パネル50を含む。発光装置10と表示パネル50の間には発光装置10から射出された光を均等に拡散させる拡散板52が配置されてもよい。拡散板52と発光装置10は所定の距離をおいて配置される。表示パネル50は液晶表示パネルまたは他の受光型表示パネルからなる。以下では表示パネル50が液晶表示パネルである場合について説明する。
【0056】
表示パネル50は複数の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成された下部基板54と、カラーフィルターが形成された上部基板56と、両基板54、56の間に注入される液晶層(図示せず)を含む。上部基板56の上面と下部基板54の下面には偏光板(図示せず)が付着されて表示パネル50を通過する光を偏光させる。
【0057】
下部基板54の内面には副画素別にTFTによって駆動が制御される透明な画素電極が配置され、上部基板56の内面にはカラーフィルター層と透明な共通電極が配置される。カラーフィルター層は副画素毎に1つずつ配置される、赤色、緑色および青色のフィルター層を含む。
【0058】
特定の副画素のTFTが電通されると、画素電極と共通電極の間に電界が形成され、この電界によって液晶分子の配列角が変化し、変化された配列角によって光透過度が変化する。表示パネル50はこのような過程を通じて画素毎に輝度と発光色を制御することができる。
【0059】
図4で参照符号58は各TFTのゲート電極にゲート駆動信号を伝送するゲート回路ボードアセンブリーを示し、参照符号60は各TFTのソース電極にデータ駆動信号を伝送するデータ回路ボードアセンブリーを示す。
【0060】
発光装置10は、表示パネル50より少ない数の画素を形成して発光装置10の1つの画素を表示パネル50の2つ以上の画素に対応させる。発光装置10の各画素は、表示パネル50の対応する複数の画素のうちの最も高い階調に対応して発光し、2〜8ビットの階調を表現することができる。
【0061】
以下では、便宜上表示パネル50の画素を第1画素と称し、発光装置10の画素を第2画素、1つの第2画素に対応する第1画素を第1画素群と称する。
【0062】
発光装置10の駆動過程は、(1)表示パネル50を制御する信号制御部(図示せず)が第1画素群の第1画素のうちの最も高い階調を検出し、(2)検出された階調によって第2画素の発光に必要な階調を算出して、これをデジタルデータに変換し、(3)デジタルデータを利用して発光装置10の駆動信号を生成し、(4)生成された駆動信号を発光装置10の駆動電極に印加する段階を含むことができる。
【0063】
発光装置10の駆動信号は走査駆動信号とデータ駆動信号からなる。上述した第1電極26と第2電極30のうちの一方の電極が走査駆動信号の印加を受け、他方の電極がデータ駆動信号の印加を受ける。
【0064】
発光装置10の駆動のためのゲート回路ボードアセンブリー58とデータ回路ボードアセンブリー60は発光装置10の裏面に配置することができる。図4で参照符号62が第1電極26とデータ回路ボードアセンブリー60を接続する第1接続部材を示し、参照符号64が第2電極30とゲート回路ボードアセンブリー58を接続する第2接続部材を示す。そして、参照符号66がアノードリード部40にアノード電圧を印加する第3接続部材を示す。
【0065】
このように発光装置10の第2画素は対応する第1画素群に映像を表示する時に、第1画素群に同期されて所定の階調で発光する。つまり、発光装置10は、表示パネル50が実現する画面の中で明るい領域には高い輝度の光を提供し、暗い領域には低い輝度の光を提供する。したがって、本実施形態の表示装置100は画面のコントラスト比を高め、より鮮明な画質を実現することができる。
【0066】
本実施形態による発光装置10は、蛍光層34の間に導電膜36を形成することによって、蛍光層34の表面が帯電することを抑制して蛍光層34の発光効率を向上させることができる。また、アノード電極33に高電圧を印加して輝度を向上させ、駆動時にアーク放電の発生を抑制して内部構造物の損傷を抑制することができる。本実施形態による表示装置100は画面のコントラスト比を向上させて画面品質を向上させることができる。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態による発光装置を示す部分断面図である。
【図2】本実施形態による発光装置の有効領域を示す部分分解斜視図である。
【図3】本実施形態による発光装置の発光ユニットを示す部分平面図である。
【図4】本実施形態による表示装置を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
10 発光装置
12 第1基板
14 第2基板
16 密封部材
18 有効領域
20 非有効領域
22 電子放出ユニット
26 第1電極
28 絶縁層
30 第2電極
32 電子放出部
33 アノード電極
34 蛍光層
36 導電膜
40 アノードリード部
50 表示パネル
54 下部基板
100 表示装置
281、301 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置され、有効領域および有効領域の外側の非有効領域を各々に有する、第1基板および第2基板と、
前記第1基板の有効領域に設けられ、電子放出が独立的に制御される複数の画素を形成する電子放出ユニットと、
前記第2基板の有効領域に設けられる発光ユニットと、
を含み、
前記発光ユニットが、前記第2基板の一面に互いに離隔して配置される複数の蛍光層と、前記蛍光層の間に配置される導電膜と、前記蛍光層および前記導電膜の一面に形成されるアノード電極と、を含み、
前記蛍光層が、0.80≦A2/A1≦0.98(ここで、A1が前記第2基板の有効領域の面積を示し、A2が前記蛍光層の全面積を示す。)を満足することを特徴とする、発光装置。
【請求項2】
前記蛍光層が白色光を放出する白色蛍光層であり、前記蛍光層の各々が少なくとも1つの画素領域に対応して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記導電膜が導電性の炭素系物質で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記導電膜がアルミニウム、モリブデン、クロムおよびこれらの合金からなる群より選択されるいずれか1つの物質で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1基板および前記第2基板が5〜20mmの間隔で配置され、前記アノード電極が10〜15kVの直流電圧の印加を受けることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
互いに対向配置され、有効領域および有効領域の外側の非有効領域を各々に有する、第1基板および第2基板と、
前記第1基板の有効領域に設けられ、電子放出が独立的に制御される複数の画素を形成する電子放出ユニットと、
前記第2基板の有効領域に設けられる発光ユニットと、
を含み、
前記発光ユニットが、前記第2基板の一面に互いに離隔して配置される複数の蛍光層と、前記蛍光層の間に配置される導電膜と、前記蛍光層および前記導電膜の一面に形成されるアノード電極と、を含み、
前記導電膜が、0.02≦A3/A1≦0.20(ここで、A1が前記第2基板の有効領域の面積を示し、A3が前記導電膜の全面積を示す。)を満足することを特徴とする、発光装置。
【請求項7】
前記導電膜が導電性の炭素系物質および金属のうちのいずれか1つで形成され、前記金属がアルミニウム、モリブデン、クロムおよびこれらの合金からなる群より選択されることを特徴とする、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルに光を提供する発光装置と、を含み、
前記発光装置は、
互いに対向配置され、有効領域および有効領域の外側の非有効領域を各々に有する、第1基板および第2基板と、
前記第1基板の有効領域に設けられ、電子放出が独立的に制御される複数の画素を形成する電子放出ユニットと、
前記第2基板の有効領域に設けられる発光ユニットと、
を含み、
前記発光ユニットが、前記第2基板の一面に互いに離隔して配置される複数の蛍光層と、前記蛍光層の間に配置される導電膜と、前記蛍光層および前記導電膜の一面に形成されるアノード電極と、を含み、
前記蛍光層が、0.80≦A2/A1≦0.98(ここで、A1が前記第2基板の有効領域の面積を示し、A2が前記蛍光層の全面積を示す。)を満足することを特徴とする、表示装置。
【請求項9】
前記導電膜が、0.02≦A3/A1≦0.20(ここで、A1が前記第2基板の有効領域の面積を示し、A3が前記導電膜の全面積を示す。)を満足することを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記蛍光層が白色光を放出する白色蛍光層であり、前記蛍光層の各々が少なくとも1つの画素領域に対応して配置されることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記導電膜が導電性の炭素系物質で形成されることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項12】
前記導電膜がアルミニウム、モリブデン、クロムおよびこれらの合金からなる群より選択されるいずれか1つの物質で形成されることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1基板および前記第2基板が5〜20mmの間隔で配置され、前記アノード電極が10〜15kVの直流電圧の印加を受けることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示パネルが第1画素を形成し、前記発光装置が前記表示パネルより少ない個数の第2画素を形成し、前記第2画素の各々が対応する第1画素の階調に対応して独立的に発光することを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項15】
前記表示パネルが液晶表示パネルであることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−123994(P2008−123994A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204244(P2007−204244)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】