説明

発光装置および液晶表示装置

【課題】無機エレクトロルミネッセンス材料とそれからの発光色を変換する色変換層を用いて、薄型の面状の発光装置を可能にする。
【解決手段】第1基板111と、それに対向して設けた光透過性を有する第2基板121と、第1基板111と第2基板121との間に設けた第1電極層112と、第1基板111と第2基板112との間の第2基板121側に第1電極層112と対向して設けた光透過性を有する第2電極層122と、第1電極層112と第2電極層122との間に設けた発光層131とを有し、発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、また発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140を有し、第1色光、第2色光および第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状発光を有する発光装置およびその発光装置を光源に用いた液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置の構成部品の一つである面状発光する発光装置(以下、面状発光装置という)は、複数本の細長い蛍光管を並べて、反射板、光拡散機能をもつフィルムにより蛍光管からの発光を面内均一に放出できるようにしたものがある。
複数本の蛍光管を並べて発光源としているために、面状発光装置の面内において、発光している蛍光管と、蛍光管がない空間においては、輝度ムラが発生することになる。
液晶表示装置用の面状発光装置は、輝度ムラが無いほうが好ましい。その輝度ムラをなくすために、上記面状発光装置では、光拡散機能のフィルムや導光板が設置されている。そのため、蛍光管を発光源とする液晶用面状発光装置の厚みは、蛍光管の管径、光拡散機能フィルムの設置スペース、ムラをなくすための蛍光管と光拡散機能フィルムとの距離を考慮すると、通常3cmないし4cm程度になることが多かった。
【0003】
液晶表示装置は、透明電極、配向膜等が積層された透明なガラス基板を対向させて、そのガラス基板間に液晶材料を封止した液晶表示パネルと、この液晶表示パネルの下方に配置され、液晶表示装置に照明光を供給する面状光源等とから構成された液晶表示装置が周知である。
【0004】
上記面状光源として、2種類の面状光源装置(バックライト)、すなわち、直下型の面状光源装置(例えば、特許文献1、2参照)、ならびにエッジライト型(サイドライト型とも呼ばれる)の面状光源装置(例えば、特許文献3参照)が周知である。
【0005】
直下型の面状光源装置は、筐体内に配置された光源と、光源の下方に位置する筐体の部分に配置され、光源からの射出光を上方に反射する反射部材と、光源の上方に位置する筐体開口部に取り付けられ、光源からの射出光及び反射部材からの反射光を拡散させながら通過させる拡散板とから構成されている。
【0006】
一方、エッジライト型の面状光源装置は、導光板と、導光板の側面に配置されたランプから成る光源から構成されている。なお、導光板の下方には、反射部材が配置されており、導光板の上方には拡散シート及びプリズムシートが配置されている。
光源は、例えば、内径2.4mmの冷陰極線型の蛍光ランプから成り、白色光を射出する。より具体的には、冷陰極線型の蛍光ランプにおいては、内部に、ネオンガスやアルゴン等の混合希ガスが封入され、もそくは、水銀が拡散封入されている。
そして、グロー放電に起因して励起された混合希ガスあるいは水銀原子からの紫外線が、蛍光ランプを構成するガラス管の内面に塗布された赤色発光蛍光体粒子、緑色発光蛍光体粒子および青色発光蛍光体粒子を励起し、これらの蛍光体粒子からの発光色によって白色を得ている。
【0007】
ところで、直下型の面状光源装置にあっては、冷陰極線型の蛍光ランプからの光を均一にするために光源からの射出光及び反射部材からの反射光を拡散させながら通過させる拡散板を使用しているために、面上光源装置の厚みが4cm程度となり面上光源装置の薄型化が望まれている。
【0008】
【特許文献1】実開昭63−187120号公報
【特許文献1】特開2002−277870号公報
【特許文献1】特開2002−131552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、従来の面状発光装置では、冷陰極線型の蛍光ランプからの光を均一にするために光源からの射出光及び反射部材からの反射光を拡散させながら通過させる拡散板を使用しているため、厚みが4cm程度となり、薄型化が困難な点である。
【0010】
本発明は、無機エレクトロルミネッセンス材料と、無機エレクトロルミネッセンス材料からの発光色を変換する色変換層を用いて、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムを必要としない薄型の面状発光装置を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発光装置(第1発光装置)は、第1基板と、前記第1基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された光透過性を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成された光透過性を有する第2電極層と、前記第2電極層上に形成された光透過性を有する第2基板とを有し、前記発光層は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面、前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面、もしくは前記第1基板と前記第2基板との間のいずれかの間に、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する色変換層を有し、前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光であることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1発光装置では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層から発光された光により第3色を発光する色変換層を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなるので、発光装置の薄型化が図れる。
【0013】
本発明の発光装置(第2発光装置)は、第1基板と、前記第1基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された光透過性を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成された光透過性を有する第2電極層と、前記第2電極層上に形成された光透過性を有する第2基板とを有し、前記発光層は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面、前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面、もしくは前記第1基板と前記第2基板との間のいずれかの間に、前記発光層から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層と、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層を有し、前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光であることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2発光装置では、第1色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第2色光と第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層から発光された発光色により第2色光を発光する第1色変換層と第3色光を発光する第2色変換層を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなるので、発光装置の薄型化が図れる。
【0015】
本発明の発光装置(第3発光装置)は、第1基板と、前記第1基板に対向して設けた光透過性を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けた第1電極層と、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に前記第1電極層に対向して設けた光透過性を有する第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けた発光層とを有し、前記発光層は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、前記発光層と前記第1電極層との間に第1絶縁層が形成され、前記発光層と前記第2電極層との間に第2絶縁層が形成され、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層のうちの少なくとも1層は、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する有機発光層からなり、前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光であることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3発光装置では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に有機エレクトロルミネッセンス層を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなるので、発光装置の薄型化が図れる。
【0017】
本発明の液晶表示装置(第1液晶表示装置)は、画像を表示する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を照射する発光装置を備えた液晶表示装置において、前記発光装置は、第1基板と、前記第1基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された光透過性を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成された光透過性を有する第2電極層と、前記第2電極層上に形成された光透過性を有する第2基板とを有し、前記発光層は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面、前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面、もしくは前記第1基板と前記第2基板との間のいずれかの間に、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する色変換層を有し、前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光であることを特徴とする。
【0018】
本発明の第1液晶表示装置では、液晶表示パネルに光を照射する発光装置に薄型化が図れる本発明の発光装置(第1発光装置)を用いることから、液晶表示装置の薄型化が図れる。
【0019】
本発明の液晶表示装置(第2液晶表示装置)は、画像を表示する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を照射する発光装置を備えた液晶表示装置において、前記発光装置は、第1基板と、前記第1基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された光透過性を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成された光透過性を有する第2電極層と、前記第2電極層上に形成された光透過性を有する第2基板とを有し、前記発光層は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面、前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面、もしくは前記第1基板と前記第2基板との間のいずれかの間に、前記発光層から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層と、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層を有し、前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光であることを特徴とする。
【0020】
本発明の第2液晶表示装置では、液晶表示パネルに光を照射する発光装置に薄型化が図れる本発明の発光装置(第2発光装置)を用いることから、液晶表示装置の薄型化が図れる。
【0021】
本発明の液晶表示装置(第3液晶表示装置)は、画像を表示する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を照射する発光装置を備えた液晶表示装置において、前記発光装置は、第1基板と、前記第1基板に対向して設けた光透過性を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けた第1電極層と、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に前記第1電極層に対向して設けた光透過性を有する第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けた発光層とを有し、前記発光層は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、前記発光層と前記第1電極層との間に第1絶縁層が形成され、前記発光層と前記第2電極層との間に第2絶縁層が形成され、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層のうちの少なくとも1層は、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する有機発光層からなり、前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光であることを特徴とする。
【0022】
本発明の第3液晶表示装置では、液晶表示パネルに光を照射する発光装置に薄型化が図れる本発明の発光装置(第3発光装置)を用いることから、液晶表示装置の薄型化が図れる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1発光装置は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
薄型化が可能になる上に、発光装置の光源として無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、エミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、色変換層と合わせることにより高色域化が可能となる利点がある。
【0024】
本発明の第2発光装置は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
薄型化が可能になる上に、発光装置の光源として無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、エミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、色変換層と合わせることにより高色域化が可能となる利点がある。
【0025】
本発明の第3発光装置は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
薄型化が可能になる上に、発光装置の光源として無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、エミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、色変換層と合わせることにより高色域化が可能となる利点がある。
【0026】
本発明の第1液晶表示装置は、本発明の発光装置を用いていることから発光装置の厚みを薄くできるため、液晶表示装置自体の厚みを薄くできるという利点がある。
薄型化が可能になる上に、発光装置の光源として無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、エミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、色変換層と合わせることにより高色域化が可能となる利点がある。
【0027】
本発明の第2液晶表示装置は、本発明の発光装置を用いていることから発光装置の厚みを薄くできるため、液晶表示装置自体の厚みを薄くできるという利点がある。
薄型化が可能になる上に、発光装置の光源として無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、エミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、色変換層と合わせることにより高色域化が可能となる利点がある。
【0028】
本発明の第3液晶表示装置は、本発明の発光装置を用いていることから発光装置の厚みを薄くできるため、液晶表示装置自体の厚みを薄くできるという利点がある。
薄型化が可能になる上に、発光装置の光源として無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、エミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、色変換層と合わせることにより高色域化が可能となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第1実施例)を、図1の概略構成断面図によって説明する。
【0030】
図1に示すように、発光装置1は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0031】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0032】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0033】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0034】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0035】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第2電極層122と上記記第2絶縁層123との間に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140が形成されている。
上記色変換層140は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0036】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0037】
上記色変換層140は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0038】
以下に具体的な蛍光色素について説明する。
上記第3色光を緑色光とすると、青色、青緑色または白色発光部材の発光から緑色発光に変換する蛍光色素は、例えば、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフロルメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン(以下クマリン153)、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(以下クマリン6)、3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(以下クマリン7)等のクマリン色素、他クマリン色素系染料であるがベーシックイエロー51、また、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド色素を挙げることができる。
【0039】
また、上記第3色光を赤色光とすると、青色から緑色までの発光部材または白色の発光部材の発光から、橙色から赤色までの発光に変換する蛍光色素は、例えば、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン(以下DCM)等のシアニン系色素、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム−パークロレート(以下ピリジン1)等のピリジン系色素、ローダミンB、ローダミン6G等のローダミン系色素、他にオキサジン系が挙げられる。
【0040】
さらに、上記蛍光色素は、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等)も蛍光性があれば選択することが可能である。
また、上記蛍光色素をポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の顔料樹脂中にあらかじめ練りこんで顔料化したものでもよい。
【0041】
また、これらの蛍光色素または顔料は、必要に応じて、単独または混合して用いてもよい。
【0042】
一方、バインダー樹脂は、光を透過する材料が好ましい。より好ましくは、可視光の透過率が50%以上の材料である。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の光を透過する樹脂(高分子)が挙げられる。
【0043】
上記第1実施例の発光装置1では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、色変換層140、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、色変換層140、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置1では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する色変換層140を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置1は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置1は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0044】
次に、本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第2実施例)を、図2の概略構成断面図によって説明する。
【0045】
図2に示すように、この発光装置2は、前記発光装置1において、色変換層140が第2基板121と第2電極層122との間に形成されたものである。
【0046】
以下、具体的に説明する。
発光装置2は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0047】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0048】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0049】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0050】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0051】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第2基板121と上記記第2電極層122との間に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140が形成されている。
上記色変換層140は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0052】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0053】
上記色変換層140は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0054】
上記蛍光色素については、前記第1実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0055】
上記第2実施例の発光装置2では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、色変換層140、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、色変換層140、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置2では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する色変換層140を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置2は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置2は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0056】
次に、本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第3実施例)を、図3の概略構成断面図によって説明する。
【0057】
図3に示すように、この発光装置3は、前記発光装置1において、色変換層140が第2基板121の第2電極層122とは反対側の面に形成されたものである。
【0058】
以下、具体的に説明する。
発光装置2は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0059】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0060】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0061】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料(いわゆる透明電極材料)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0062】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0063】
さらに、上記第2基板121の上記第2電極層122とは反対側の面に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140が形成されている。
上記色変換層140は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0064】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0065】
上記色変換層140は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0066】
上記蛍光色素については、前記第1実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0067】
上記第3実施例の発光装置3では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121、色変換層140を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに第1絶縁層113、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121、色変換層140を透過して外部に射出される。
この発光装置4では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する色変換層140を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置3は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置3は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0068】
次に、本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第4実施例)を、図4の概略構成断面図によって説明する。
【0069】
図4に示すように、この発光装置4は、前記発光装置1において、色変換層140が第1基板111と発光層131との間に設けられたものである。
【0070】
以下、具体的に説明する。
発光装置2は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0071】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0072】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0073】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0074】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0075】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第1電極112と上記発光層131との間に、かつ上記発光層131側に第1絶縁膜113を介して、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140が形成されている。
上記色変換層140は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0076】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0077】
上記色変換層140は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0078】
上記蛍光色素については、前記第1実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0079】
上記第4実施例の発光装置4では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、色変換層140を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び色変換層140を透過し、さらに第1絶縁層113、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置4では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する色変換層140を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置4は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。さらに、反射光を利用するために発光層131より第1基板111側に色変換層140を配置することで色変換層140の透過率損失を低減することができるという利点がある。
上記発光装置4は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0080】
次に、本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第5実施例)を、図5の概略構成断面図によって説明する。
【0081】
図5に示すように、この発光装置5は、前記発光装置1において、色変換層140が第1基板111の第1電極層112側とは反対側の面に設けられたものである。
【0082】
以下、具体的に説明する。
発光装置5は、光透過性を有する第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0083】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には光透過性を有する第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0084】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等の光を透過する電極材料(いわゆる透明電極材料)を用いることが好ましい。
【0085】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成されることが好ましい。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)に、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を例えば発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0086】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0087】
さらに、上記第1基板111の上記第1電極層122とは反対側の面に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140が形成されている。
上記色変換層140は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0088】
さらに、上記色変換層140の上記第1基板111とは反対側の面に反射層151が形成されている。上記反射層151には、アルミニウムや銀のような光反射率の高い金属膜を用いることが好ましい。
【0089】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0090】
上記色変換層140は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0091】
上記蛍光色素については、前記第1実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0092】
上記第5実施例の発光装置5では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、第1電極層112、第1基板111、色変換層140を透過して反射性を有する反射層151によって反射され、再び色変換層140を透過し、さらに第1基板111、第1電極層112、第1絶縁層113、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置5では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する色変換層140を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置5は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。さらに、反射光を利用するために発光層131より第1基板111側に色変換層140を配置することで色変換層140の透過率損失を低減することができるという利点がある。
上記発光装置5は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0093】
次に、本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第6実施例)を、図6の概略構成断面図によって説明する。
【0094】
図6に示すように、この発光装置6は、前記発光装置1において、色変換層140が第1基板111と第1電極層112との間に設けられたものである。
【0095】
以下、具体的に説明する。
発光装置6は、光透過性を有する第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくはプラスチック製基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0096】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には光透過性を有する第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0097】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等の光を透過する電極材料(いわゆる透明電極材料)を用いることが好ましい。
【0098】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成されることが好ましい。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)に、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を例えば発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0099】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0100】
さらに、上記第1基板111と上記第1電極層122との間に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140が形成されている。
上記色変換層140は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0101】
さらに、上記色変換層140と上記第1基板111との間に反射層151が形成されている。上記反射層151には、アルミニウムや銀のような光反射率の高い金属膜を用いることが好ましい。
【0102】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0103】
上記色変換層140は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0104】
上記蛍光色素については、前記第1実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0105】
上記第6実施例の発光装置6では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、第1電極層112、色変換層140を透過して反射性を有する反射層151によって反射され、再び色変換層140を透過し、さらに第1電極層112、第1絶縁層113、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置6では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する色変換層140を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置6は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。さらに、反射光を利用するために発光層131より第1基板111側に色変換層140を配置することで色変換層140の透過率損失を低減することができるという利点がある。
上記発光装置6は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0106】
次に、本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第7実施例)を、図7の概略構成断面図によって説明する。
【0107】
図7に示すように、この発光装置7は、前記発光装置2と前記発光装置6とを組み合わせたものである。
【0108】
以下、具体的に説明する。
発光装置7は、光透過性を有する第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0109】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には光透過性を有する第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0110】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等の光を透過する電極材料(いわゆる透明電極材料)を用いることが好ましい。
【0111】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成されることが好ましい。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)に、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を例えば発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0112】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0113】
さらに、上記第1基板111の上記第1電極層112とは反対側の面に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第1色変換層141が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第2基板121と上記第2電極層122との間に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層142が形成されている。
上記第1色変換層141、第2色変換層142は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
さらに、上記第1色変換層141の上記第1基板111とは反対側の面に反射層151が形成されている。上記反射層151には、アルミニウムや銀のような光反射率の高い金属膜を用いることが好ましい。
【0114】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0115】
上記第1色変換層141および第2色変換層142は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0116】
上記蛍光色素については、前記第1実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0117】
上記第7実施例の発光装置7では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2色変換層142、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、第1電極層112、第1色変換層141を透過して反射性を有する反射層151によって反射され、再び第1色変換層141を透過し、さらに第1電極層112、第1絶縁層113、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2色変換層142、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置7では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する第1色変換層141と第2色変換層を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
また、発光層131を挟むように、第1色変換層141、第2色変換層142が配置されているので、3色(例えば赤色光、緑色光、青色光(RGB))のバランスが調整しやすくなる。例えば、反射光だけを利用して後方(第1基板111側)の第1色変換層141を利用しても赤の輝度が足りない場合に、前方(第2基板121側)に第1色変換層141を配置して、前方の第1色変換層141の厚さは最小限にする。
このように発光装置7は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。さらに、反射光を利用するために発光層131より第1基板111側に色変換層140を配置することで色変換層140の透過率損失を低減することができるという利点がある。
上記発光装置7は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0118】
次に、本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第8実施例)を、図8の概略構成断面図によって説明する。
【0119】
本実施例は、前記発光装置1〜7において、発光層131が第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層132と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層133とからなるものである。
【0120】
以下、前記発光装置1に適用した一例について、具体的に説明する。
図8に示すように、発光装置8は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0121】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0122】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0123】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料(いわゆる透明電極材料)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0124】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は、第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層132と、第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層133とからなる。
【0125】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第2電極層122と上記記第2絶縁層123との間に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140が形成されている。
上記色変換層140は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0126】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
上記第1無機エレクトロルミネッセンス層132と第2無機エレクトロルミネッセンス層133とは、第1無機エレクトロルミネッセンス層132を青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層とし、第2無機エレクトロルミネッセンス層133を緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層としてもよく、逆に、第1無機エレクトロルミネッセンス層132を緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層とし、第2無機エレクトロルミネッセンス層133を青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層としてもよい。
【0127】
上記色変換層140は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0128】
上記蛍光色素については、前記第1実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0129】
上記第8実施例の発光装置8では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、色変換層140、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、色変換層140、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置8では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する色変換層140を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置8は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置8は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0130】
次に、上記第8実施例を前記第4実施例に適用した一例(第9実施例)を、図9の概略構成断面図によって説明する。
【0131】
図9に示すように、発光装置9は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0132】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0133】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0134】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0135】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は、第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層132と、第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層133とからなる。
【0136】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第1電極層112と上記記第1絶縁層113との間に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する色変換層140が形成されている。
上記色変換層140は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0137】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
上記第1無機エレクトロルミネッセンス層132と第2無機エレクトロルミネッセンス層133とは、第1無機エレクトロルミネッセンス層132を青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層とし、第2無機エレクトロルミネッセンス層133を緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層としてもよく、逆に、第1無機エレクトロルミネッセンス層132を緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層とし、第2無機エレクトロルミネッセンス層133を青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層としてもよい。
【0138】
上記色変換層140は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0139】
上記蛍光色素については、前記第1実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0140】
上記第9実施例の発光装置9では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、色変換層140を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び色変換層140を透過し、さらに第1絶縁層113、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置9では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する色変換層140を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置4は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層140と合わせることにより高色域化が可能となっている。さらに、反射光を利用するために発光層131より第1基板111側に色変換層140を配置することで色変換層140の透過率損失を低減することができるという利点がある。
上記発光装置9は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0141】
次に、本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第10実施例)を、図10の概略構成断面図によって説明する。
【0142】
図10に示すように、発光装置10は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0143】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0144】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0145】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0146】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
【0147】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第2電極層122と上記記第2絶縁層123との間に、上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層143と、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層144が形成されている。
上記第1色変換層143は、例えば上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。また、上記第2色変換層144は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0148】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0149】
上記第1色変換層143、第2色変換層144は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0150】
以下に具体的な蛍光色素について説明する。
例えば、上記第2色光を緑色光とすると、青色、青緑色または白色発光部材の発光から緑色発光に変換する蛍光色素は、例えば、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフロルメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン(以下クマリン153)、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(以下クマリン6)、3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(以下クマリン7)等のクマリン色素、他クマリン色素系染料であるがベーシックイエロー51、また、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド色素を挙げることができる。
【0151】
また、上記第3色光を赤色光とすると、青色から緑色までの発光部材または白色の発光部材の発光から、橙色から赤色までの発光に変換する蛍光色素は、例えば、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン(以下DCM)等のシアニン系色素、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム−パークロレート(以下ピリジン1)等のピリジン系色素、ローダミンB、ローダミン6G等のローダミン系色素、他にオキサジン系が挙げられる。
上記説明では、第2色光を緑色光、第3色光を赤色光としたが、逆に、第2色光を赤色光、第3色光を緑色光としてもよい。
【0152】
さらに、上記蛍光色素は、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等)も蛍光性があれば選択することが可能である。
また、上記蛍光色素をポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の顔料樹脂中にあらかじめ練りこんで顔料化したものでもよい。
【0153】
また、これらの蛍光色素または顔料は、必要に応じて、単独または混合して用いてもよい。
【0154】
一方、バインダー樹脂は、透明な(例えば可視光を50%以上透過する)材料が好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の透明樹脂(高分子)が挙げられる。
【0155】
上記第10実施例の発光装置10では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第1色変換層143、第2色変換層144、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、第1色変換層143、第2色変換層144、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置10では、第1色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第2色光と第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第2色を発光する第1色変換層143と、第3色を発光する第2色変換層144を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置10は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、例えば青色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光と緑色光への第1色変換層143、第2色変換層144と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置10は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0156】
次に、本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第11実施例)を、図11の概略構成断面図によって説明する。
【0157】
図11に示すように、この発光装置11は、前記発光装置10において、第1色変換層143、第2色変換層144が第2基板121の第2電極層122とは反対側の面に形成されたものである。
【0158】
以下、具体的に説明する。
発光装置11は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0159】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0160】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0161】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、の合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0162】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
【0163】
さらに、上記第2基板121の上記第2電極層122とは反対側の面に、上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層143と、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層144が形成されている。
上記第1色変換層143は、例えば上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。また上記第2色変換層144は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0164】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、上記第1色光が緑色光であるとすると、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0165】
上記第1色変換層143、第2色変換層144は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0166】
上記蛍光色素については、前記第10実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0167】
上記第11実施例の発光装置11では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121、第1色変換層143、第2色変換層144を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121、第1色変換層143、第2色変換層144を透過して射出される。
この発光装置11では、第1色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第2色光と第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第2色を発光する第1色変換層143と、第3色を発光する第2色変換層144を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置11は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、例えば青色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光と緑色光への第1色変換層143、第2色変換層144と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置11は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0168】
次に、本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第12実施例)を、図12の概略構成断面図によって説明する。
【0169】
図12に示すように、この発光装置12は、前記発光装置11において、第1色変換層143、第2色変換層144が第2基板121と第2電極層122との間に形成されたものである。
【0170】
以下、具体的に説明する。
発光装置2は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0171】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0172】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0173】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0174】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
【0175】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第2基板121と上記記第2電極層122との間に、上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層143と、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層144が形成されている。
上記第1色変換層143は、例えば上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。また上記第2色変換層144は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0176】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、上記第1色光が緑色光であるとすると、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0177】
上記第1色変換層143、第2色変換層144は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0178】
上記蛍光色素については、前記第10実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0179】
上記第12実施例の発光装置12では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第1色変換層143、第2色変換層144、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第1色変換層143、第2色変換層144、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置12では、第1色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第2色光と第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第2色を発光する第1色変換層143と、第3色を発光する第2色変換層144を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置12は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、例えば青色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光と緑色光への第1色変換層143、第2色変換層144と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置12は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0180】
次に、本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第13実施例)を、図13の概略構成断面図によって説明する。
【0181】
図13に示すように、この発光装置13は、前記発光装置10において、第1色変換層143、第2色変換層144が第1基板111と発光層131との間に設けられたものである。
【0182】
以下、具体的に説明する。
発光装置2は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0183】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0184】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0185】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0186】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
【0187】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第1電極112と上記発光層131との間に、かつ上記発光層131側に第1絶縁膜113を介して、上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層143と、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層144が形成されている。
上記第1色変換層143は、例えば上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。また上記第2色変換層144は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0188】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、上記第1色光が緑色光であるとすると、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0189】
上記第1色変換層143、第2色変換層144は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0190】
上記蛍光色素については、前記第10実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0191】
上記第13実施例の発光装置13では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、第1色変換層143、第2色変換層144を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1色変換層143、第2色変換層144、第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置13では、第1色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第2色光と第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第2色を発光する第1色変換層143と、第3色を発光する第2色変換層144を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置13は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、例えば青色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光と緑色光への第1色変換層143、第2色変換層144と合わせることにより高色域化が可能となっている。
さらに、反射光を利用するために発光層131より第1基板111側に第1色変換層143、第2色変換層144を配置することで第1色変換層143、第2色変換層144の透過率損失を低減することができるという利点がある。
上記発光装置13は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0192】
次に、本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第14実施例)を、図14の概略構成断面図によって説明する。
【0193】
図14に示すように、この発光装置14は、前記発光装置1において、第1色変換層143、第2色変換層144が第1基板111の第1電極層112側とは反対側の面に設けられたものである。
【0194】
以下、具体的に説明する。
発光装置14は、光透過性を有する第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0195】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には光透過性を有する第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0196】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等の光を透過する電極材料(いわゆる透明電極材料)を用いることが好ましい。
【0197】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成されることが好ましい。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)に、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を例えば発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0198】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
【0199】
さらに、上記第1基板111の上記第1電極層122とは反対側の面に、上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層143と、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層144が形成されている。
上記第1色変換層143は、例えば上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。また上記第2色変換層144は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0200】
さらに、上記第1色変換層143、第2色変換層144からなる色変換層の上記第1基板111とは反対側の面に反射層151が形成されている。上記反射層151には、アルミニウムや銀のような光反射率の高い金属膜を用いることが好ましい。
【0201】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、上記第1色光が緑色光であるとすると、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0202】
上記第1色変換層143、第2色変換層144は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0203】
上記蛍光色素については、前記第10実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0204】
上記第14実施例の発光装置14では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、第1電極層112、第1基板111、第1色変換層143、第2色変換層144を透過して反射性を有する反射層151によって反射され、再び第2色変換層144、第1色変換層143、第1基板111、第1電極層112、第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置14では、第1色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第2色光と第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第2色を発光する第1色変換層143と、第3色を発光する第2色変換層144を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置14は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、例えば青色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光と緑色光への第1色変換層143、第2色変換層144と合わせることにより高色域化が可能となっている。
さらに、反射光を利用するために発光層131より第1基板111側に第1色変換層143、第2色変換層144を配置することで第1色変換層143、第2色変換層144の透過率損失を低減することができるという利点がある。
上記発光装置14は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0205】
次に、本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第15実施例)を、図15の概略構成断面図によって説明する。
【0206】
図15に示すように、この発光装置15は、前記発光装置10において、第1色変換層143、第2色変換層144が第1基板111と第1電極層112との間に設けられたものである。
【0207】
以下、具体的に説明する。
発光装置15は、光透過性を有する第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0208】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には光透過性を有する第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0209】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等の光を透過する電極材料(いわゆる透明電極材料)を用いることが好ましい。
【0210】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成されることが好ましい。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)に、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を例えば発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0211】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
【0212】
さらに、上記第1基板111と上記第1電極層122との間に、上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層143と、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層144が形成されている。
上記第1色変換層143は、例えば上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。また上記第2色変換層144は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
【0213】
さらに、上記第1色変換層143、第2色変換層144と上記第1基板111との間に反射層151が形成されている。上記反射層151には、アルミニウムや銀のような光反射率の高い金属膜を用いることが好ましい。
【0214】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0215】
上記第1色変換層143、第2色変換層144は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0216】
上記蛍光色素については、前記第10実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0217】
上記第15実施例の発光装置15では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、第1電極層112、第1色変換層143、第2色変換層144を透過して反射性を有する反射層151によって反射され、再び第2色変換層144、第1色変換層143、第1電極層112、第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置15では、第1色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第2色光と第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第2色を発光する第1色変換層143と、第3色を発光する第2色変換層144を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置15は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、例えば青色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光と緑色光への第1色変換層143、第2色変換層144と合わせることにより高色域化が可能となっている。
さらに、反射光を利用するために発光層131より第1基板111側に第1色変換層143、第2色変換層144を配置することで第1色変換層143、第2色変換層144の透過率損失を低減することができるという利点がある。
上記発光装置15は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0218】
上記第10実施例〜第15実施例において、上記発光層131が青色光を発光する場合には、上記第1色変換層143、第2色変換層144は、一例として、上記第1色変換層143を第2色光として緑色光を発光するものとし、第2色変換層144を第3色光として赤色光を発光するものとしてもよく、または上記第1色変換層143を第2色光として赤色光を発光するものとし、第2色変換層144を第3色光として緑色光を発光するものとしてもよい。
また、上記第1色変換層143と第2色変換層144はどちらを発光層131側に形成してもかまわない。
【0219】
次に、本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第16実施例)を、図16の概略構成断面図によって説明する。
【0220】
図16に示すように、この発光装置16は、前記第1色変換層143と前記第2色変換層144とを発光層131をはさむように形成したものである。
【0221】
以下、具体的に説明する。
発光装置16は、光透過性を有する第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0222】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には光透過性を有する第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0223】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等の光を透過する電極材料(いわゆる透明電極材料)を用いることが好ましい。
【0224】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成されることが好ましい。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)に、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を例えば発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0225】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜113を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜123を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
【0226】
さらに、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第1基板111と上記第1電極層112との間に、上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層143が形成されている。この第1色変換層143は、例えば上記発光層131から発光された光により第2色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
また、上記第1基板111と上記第2基板121との間で、上記第2基板121と上記第2電極層122との間に、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層144が形成されている。上記第2色変換層144は、例えば上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光粒子を含む層であってもよい。
さらに、上記第1色変換層143と上記第1基板111との間に反射層151が形成されている。上記反射層151には、アルミニウムや銀のような光反射率の高い金属膜を用いることが好ましい。
【0227】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。
【0228】
上記第1色変換層143、第2色変換層144は、蛍光体層を含むものであるが、発光部材の光を分解またはカットして色調整する意味のカラーフィルタを含んでいてもよい。
蛍光体層としては、例えば、蛍光色素および樹脂、または蛍光色素のみからなり、蛍光色素および樹脂からなるものは蛍光色素を顔料樹脂および/またはバインダー樹脂中に溶解または分散させた固体状態のものを挙げることができる。
【0229】
上記蛍光色素については、前記第10実施例で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0230】
上記第16実施例の発光装置16では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2色変換層144、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113、第1電極層112、第1色変換層143を透過して反射性を有する反射層151によって反射され、再び第1色変換層143、第1電極層112、第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123、第2電極層122、第2色変換層144、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置16では、第1色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第2色光と第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第2色を発光する第1色変換層143と、第3色を発光する第2色変換層144を用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。
このように発光装置16は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、例えば青色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光と緑色光への第1色変換層143、第2色変換層144と合わせることにより高色域化が可能となっている。
さらに、どちらか一方の色変換層(例えば第1色変換層143)を反射光の利用により発光層131の後方(第1基板111側)に配置することでその色変換層の透過率ロスを防げる。
例えば、輝度に余裕がある色の色変換層を後方(第1基板111側)に配置することで3色(例えば赤色光、緑色光、青色光(RGB))のバランスを整えやすくなる。
上記発光装置16は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0231】
上記第16実施例においては、上記発光層131が青色光を発光する場合には、上記第1色変換層143、第2色変換層144は、一例として、上記第1色変換層143を第2色光として緑色光を発光するものとし、第2色変換層144を第3色光として赤色光を発光するものとしてもよく、または上記第1色変換層143を第2色光として赤色光を発光するものとし、第2色変換層144を第3色光として緑色光を発光するものとしてもよい。
また、上記第1色変換層143は第1絶縁層113と第1基板111との間であれば、どの層間に形成してもよい。ただし、上記説明したように、第1電極層112と第1基板111との間に形成する場合には、反射層151を形成することが好ましい。
また、上記第2色変換層144は第2絶縁層123と第2基板121との間であれば、どの層間に形成してもよい。
さらに、上記発光層131が緑色光を発光する場合には、上記第1色変換層143、第2色変換層144はいずれか一方が青色光を発光し、他方が赤色光を発光するものとしてもよい。さらに上記発光層131が赤色光を発光する場合には、上記第1色変換層143、第2色変換層144はいずれか一方が青色光を発光し、他方が緑色光を発光するものとしてもよい。
【0232】
次に、本発明の発光装置(第3発光装置)に係る一実施の形態(第17実施例)を、図17の概略構成断面図によって説明する。
【0233】
図17に示すように、発光装置17は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0234】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0235】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0236】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0237】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜115を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜125を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0238】
さらに、上記第1絶縁層115および上記第2絶縁層125のうちの少なくとも1層は、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する有機系の発光材料を含んでいる。例えば、上記第1絶縁層115および上記第2絶縁層125の両方を、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する有機系の発光材料を含んでいるものとすることができる。
【0239】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0240】
上記有機系の発光材料には、上記第1実施例、第10実施例等で挙げた蛍光色素がある。
【0241】
上記第17実施例の発光装置17では、発光層131で発光された光は、発光層131から発光された光により第3色光を発光する有機系の発光材料を含んでいる第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、発光層131から発光された光により第3色光を発光する有機系の発光材料を含んでいる第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置17では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する有機系の発光材料を含んでいる第1絶縁層113、第2絶縁層123を色変換層として用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。さらに、色変換層を第1絶縁層113、第2絶縁層123と兼ねさせていて、単独で設けていないので、発光装置17の厚みを薄く形成できる。
このように発光装置17は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層の第1絶縁層113と第2絶縁層123と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置17は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0242】
次に、本発明の発光装置(第3発光装置)に係る一実施の形態(第18実施例)を、図18の概略構成断面図によって説明する。
【0243】
図18に示すように、発光装置18は、第2絶縁層123が、発光層131から発光された光により第3色光を発光する有機系の発光材料を含む絶縁層で形成されているものである。
【0244】
以下、具体的に説明する。
発光装置18は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0245】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0246】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0247】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0248】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁層115を介して、また第2電極層122側に第2絶縁層125を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0249】
さらに、上記第2絶縁層125は、透過性のある絶縁物がよく、例えばガラスペーストやシリカ粒子などを基材とするもので、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光材料を含んでいる。発光材料としては、例えばBa3MgSi28:Eu2+,Mn2+、LiEuW28などがあげられる。
【0250】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0251】
上記有機系の発光材料には、上記第1実施例、第10実施例等で挙げた蛍光色素がある。
【0252】
上記第18実施例の発光装置18では、発光層131で発光された光は、発光層131から発光された光により第3色光を発光する有機系の発光材料を含んでいる第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置17では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する有機系の発光材料を含んでいる第2絶縁層123を色変換層として用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。さらに、色変換層を第2絶縁層123と兼ねさせていて、単独で設けていないので、発光装置18の厚みを薄く形成できる。
このように発光装置18は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層の第2絶縁層123と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置18は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0253】
次に、本発明の発光装置(第3発光装置)に係る一実施の形態(第19実施例)を、図19の概略構成断面図によって説明する。
【0254】
図19に示すように、発光装置19は、第1絶縁層113が、発光層131から発光された光により第3色光を発光する有機系の発光材料を含む絶縁層で形成されているものである。
【0255】
以下、具体的に説明する。
発光装置19は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0256】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0257】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0258】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0259】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁層115を介して、また第2電極層122側に第2絶縁層125を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0260】
さらに、上記第1絶縁層115は、透過性のある絶縁物がよく、例えばガラスペーストやシリカ粒子などを基材とするもので、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光材料を含んでいる。発光材料としては、例えばBa3MgSi28:Eu2+,Mn2+、LiEuW28などがあげられる。
【0261】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0262】
上記有機系の発光材料には、上記第1実施例、第10実施例等で挙げた蛍光色素がある。
【0263】
上記第19実施例の発光装置19では、発光層131で発光された光は、第2絶縁層123、第2電極層122、第2基板121を透過して外部に射出される。また発光層131より第1基板111側に発光された光は、発光層131から発光された光により第3色光を発光する有機系の発光材料を含んでいる第1絶縁層113を透過して反射性を有する第1電極層112によって反射され、再び第1絶縁層113を透過し、さらに、発光層131、第2絶縁層123第2電極層122、第2基板121を透過して射出される。
この発光装置19では、第1色光と第2色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層を用い、第3色光の発光に無機エレクトロルミネッセンス層の発光層131から発光された光により第3色を発光する有機系の発光材料を含んでいる第1絶縁層113を色変換層として用いていることから、それぞれの層が層状に形成されているので、面全体で発光する。このため、光源から発光された光を拡散させるための拡散機能フィルムが必要でなくなる。さらに、色変換層を第1絶縁層113と兼ねさせていて、単独で設けていないので、発光装置17の厚みを薄く形成できる。
このように発光装置19は、面全体で発光するため、拡散機能フィルムを用いなくとも、全面で均一な発光が可能になるので、発光装置の薄型化ができるという利点がある。
また、無機エレクトロルミネッセンス層を用いた場合、青色光と緑色光のエミッションスペクトル(発光スペクトル)の波長分布幅がとても小さく(半値幅が小さく)、赤色光への色変換層の第1絶縁層113と合わせることにより高色域化が可能となっている。
上記発光装置19は、薄膜で簡単な構造のため、薄いバックライトの製作が可能となり、薄い面状光源装置を提供できる。また無機エレクトロルミネッセンス層は構造が簡単なのでフレキシブルな面状光源装置を提供できる。
【0264】
次に、本発明の発光装置(第1、2、3発光装置)に係る一実施の形態(第20実施例)を、図20の概略構成断面図によって説明する。
【0265】
図20に示すように、発光装置20は、前記第1実施例〜第19実施例において、コレスティック液晶層を有するものである。
【0266】
以下、具体的に説明する。以下の説明では代表して前記第17実施例の発光装置17にコレスティック液晶層を有する構成を説明する。
【0267】
発光装置17は、第1基板111と、上記第1基板111に対向して設けられた光透過性を有する第2基板121とを有する。
上記第1基板111は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えばガラス基板もしくはプラスチック基板からなる。
上記第2基板121は、光透過性を有する平坦面を有する支持体であり、例えば光透過性を有するガラス基板もしくは光透過性を有するプラスチック基板からなる。
【0268】
上記第1基板111と上記第2基板121との間には第1電極層112が形成されている。
また上記第1基板111と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に、上記第1電極層112に対向して光透過性を有する第2電極層122が形成されている。
【0269】
上記第1電極層112(または第2電極層122)が陽極の場合、例えば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、もしくは酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
また、第1電極層112を光反射膜としても用いる場合には、第1電極層112には、アルミニウムや銀のような光反射率の良好な金属材料膜を用いることが、より好ましい。
【0270】
一方、第2電極層122(または第1電極層112)が陰極の場合、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。例えば第2電極層122はマグネシウム銀合金のような光透過性を有する陰極材料で形成される。もしくは、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズ等の光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)と、光が透過する膜厚に形成した上記陰極材料の薄膜を発光層131側に形成した積層膜を用いる。
【0271】
上記第1電極層112と上記第2電極層122との間には、第1電極層112側に第1絶縁膜115を介して、また第2電極層122側に第2絶縁膜125を介して、発光層131が形成されている。この発光層131は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなる。
例えば、上記無機エレクトロルミネッセンス層は第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる。
【0272】
さらに、上記第1絶縁層115および上記第2絶縁層125のうちの少なくとも1層は透過性のある絶縁物がよく、例えばガラスペーストやシリカ粒子などを基材とするもので、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光材料を含んでいる。
発光材料としては、例えばBa3MgSi28:Eu2+,Mn2+、LiEuW28などがあげられる。
例えば、上記第1絶縁層115および上記第2絶縁層125の両方を、透過性のある絶縁物がよく例えばガラスペーストやシリカ粒子などを基材とするもので、上記発光層131から発光された光により第3色光を発光する発光材料を含んでいるものとすることができる。発光材料としては、Ba3MgSi28:Eu2+,Mn2+、LiEuW28などがあげられる。
【0273】
上記第1色光、上記第2色光および上記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である。
例えば、上記第1色光が青色光であり、上記第2色光が緑色光であるとすると、青色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えば、セリウム活性化硫化ストロンチウム、ユーロピウム活性化バリウムチオアルミネート、マグネシウムバリウムチオアルミネート等を用いることができる。また、緑色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層の無機エレクトロルミネッセンス材料には、例えばテルビウムをドーピングした硫化亜鉛、マンガンをドーピングしたマグネシウム亜鉛等を用いることができる。
【0274】
上記有機系の発光材料には、上記第1実施例、第10実施例等で挙げた蛍光色素やBa3MgSi28:Eu2+,Mn2+、LiEuW28などの無機系の蛍光体が考えられる。
【0275】
また、上記第2電極層122と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に第3電極層127を有している。この第3電極層127は、上記第2電極層122と同様に、光透過性を有する電極材料膜(いわゆる透明電極材料膜)で形成されている。
そして上記第2電極層122と上記第3電極層127との間にコレスティック液晶層161を有する。
【0276】
上記第20実施例の発光装置20では、光の射出側にコレスティック液晶層161を設けたことにより、このコレスティック液晶層161を利用することにより3色(例えば赤色光、緑色光、青色光(RGB))のバランスを整えることができる。例えば、白色光を得やすくなる。
【0277】
上記第2電極層122と上記第2基板121との間の上記第2基板121側に第3電極層127を有して、上記第2電極層122と上記第3電極層127との間にコレスティック液晶層161を有する構成とすることは、前記第1実施例〜第19実施例の各発光装置1〜19に適用することができる。
【0278】
本発明の発光装置1〜9、17〜20における発光層131については、第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2無機エレクトロルミネッセンス層との混合層、第1無機エレクトロルミネッセンス層132と第2無機エレクトロルミネッセンス層133との積層構造のいずれも適用できる。
【0279】
本発明の発光装置1〜9における上記発光層131は、第1色光を青色光、第2色光を緑色光として説明したが、その逆であってもよい。
また本発明の発光装置17〜20における上記発光層131は、第1色光を青色光、第2色光を緑色光として説明したが、その逆であってもよい。
【0280】
次に、本発明の液晶表示装置(第1、第2、第3液晶表示装置)に係る一実施の形態(第1実施例)を、図21の概略構成断面図によって説明する。
【0281】
図21に示すように、液晶表示装置30は、画像を表示する液晶表示パネル310と、上記液晶表示パネル310に光を照射する発光装置320を備えている。
上記液晶表示パネル310は、透明な第1電極313を備えた第1パネル311と、上記第1パネル311に対向して設けた透明な第2電極314を備えた第2パネル312と、上記第1パネル311と第2パネル312との間に配された液晶材料層315とを有する。すなわち、既知の液晶表示パネルを用いることができる。
上記発光装置320は、第1パネル311に対向して配置され、液晶表示装置31を第1パネル311側から照射する光源であって、面状に発光するものである。上記発光装置の第1実施例の発光装置1ないし第20実施例の発光装置20のいずれか一つを用いたもので、ここでは一例として、第1実施例の発光装置1を用いた。当然のことながら、発光装置2ないし発光装置20のいずれも、適用することができる。
また、上記液晶表示パネル310と上記発光装置1は、図示していない筐体に支持されている。
【0282】
本発明の液晶表示装置(第1、第2、第3液晶表示装置)では、液晶表示パネル310に光を照射する発光装置に薄型化が図れる本発明の発光装置(例えば発光装置1)を用いることから、液晶表示装置30の薄型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0283】
【図1】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第1実施例)を示した概略構成断面図である。
【図2】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第2実施例)を示した概略構成断面図である。
【図3】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第3実施例)を示した概略構成断面図である。
【図4】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第4実施例)を示した概略構成断面図である。
【図5】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第5実施例)を示した概略構成断面図である。
【図6】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第6実施例)を示した概略構成断面図である。
【図7】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第7実施例)を示した概略構成断面図である。
【図8】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第8実施例)を示した概略構成断面図である。
【図9】本発明の発光装置(第1発光装置)に係る一実施の形態(第9実施例)を示した概略構成断面図である。
【図10】本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第10実施例)を示した概略構成断面図である。
【図11】本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第11実施例)を示した概略構成断面図である。
【図12】本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第12実施例)を示した概略構成断面図である。
【図13】本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第13実施例)を示した概略構成断面図である。
【図14】本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第14実施例)を示した概略構成断面図である。
【図15】本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第15実施例)を示した概略構成断面図である。
【図16】本発明の発光装置(第2発光装置)に係る一実施の形態(第16実施例)を示した概略構成断面図である。
【図17】本発明の発光装置(第3発光装置)に係る一実施の形態(第17実施例)を示した概略構成断面図である。
【図18】本発明の発光装置(第3発光装置)に係る一実施の形態(第18実施例)を示した概略構成断面図である。
【図19】本発明の発光装置(第3発光装置)に係る一実施の形態(第19実施例)を示した概略構成断面図である。
【図20】本発明の発光装置(第1、第2、第3発光装置)に係る一実施の形態(第20実施例)を示した概略構成断面図である。
【図21】本発明の液晶表示装置(第1、第2、第3液晶表示装置)に係る一実施の形態(実施例)を示した概略構成断面図である。
【符号の説明】
【0284】
1…発光装置、111…第1基板、112…第1電極層、121…第2基板、122…第2電極層、131…発光層131、140…色変換層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向して設けた光透過性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けた第1電極層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に前記第1電極層に対向して設けた光透過性を有する第2電極層と、
前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けた発光層とを有し、
前記発光層は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、
前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面、前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面、もしくは前記第1基板と前記第2基板との間のいずれかの間に、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する色変換層を有し、
前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である
発光装置。
【請求項2】
前記無機エレクトロルミネッセンス層は、第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とを混合した混合層からなる
請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記無機エレクトロルミネッセンス層は、第1色光を発光する第1無機エレクトロルミネッセンス層と第2色光を発光する第2無機エレクトロルミネッセンス層とからなる
請求項1記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1電極層は光を反射する反射電極層からなり、
前記色変換層は前記第2基板と前記発光層との間に前記発光層側に第2絶縁層を介して形成されている
請求項1記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1電極層は光を反射する反射電極層からなり、
前記色変換層は前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面に形成されている
請求項1記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1電極層は光を反射する反射電極層からなり、
前記色変換層は前記第1基板と前記発光層との間に前記発光層側に第1絶縁層を介して形成されている
請求項1記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1基板は光を透過する基板からなり、
前記第1電極層は光を透過する電極層からなり、
前記色変換層は前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面に形成されていて、
前記色変換層の前記第1基板とは反対側の面に反射層が形成されている
請求項1記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1電極層は光を透過する電極層からなり、
前記色変換層は前記第1電極層と前記第1基板との間に形成されていて、
前記色変換層と前記第1基板との間に光を反射する反射層が形成されている
請求項1記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1電極層は光を透過する電極層からなり、
前記色変換層は、
前記第1基板と前記第1電極層との間に形成された第1色光を発光する第1色変換層と、
前記第2基板と前記第2電極層との間に形成された第2色光を発光する第2色変換層とを有し、
前記第1色変換層と前記第1基板との間に光を反射する反射層が形成されている
請求項1記載の発光装置。
【請求項10】
第1基板と、
前記第1基板に対向して設けた光透過性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けた第1電極層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に前記第1電極層に対向して設けた光透過性を有する第2電極層と、
前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けた発光層とを有し、
前記発光層は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、
前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面、前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面、もしくは前記第1基板と前記第2基板との間に、前記発光層から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層と、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層を有し、
前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である
発光装置。
【請求項11】
前記第1電極層は光を反射する反射電極層からなり、
前記第1色変換層と前記第2色変換層は前記第2電極層と前記発光層との間に前記発光層側に第2絶縁層を介して形成されている
請求項10記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1電極層は光を反射する反射電極層からなり、
前記第1色変換層と前記第2色変換層は前記第2基板と前記第2電極層との間に形成されている
請求項10記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1電極層は光を反射する反射電極層からなり、
前記第1色変換層と前記第2色変換層は前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面に形成されている
請求項10記載の発光装置。
【請求項14】
前記第1電極層は光を反射する反射電極層からなり、
前記第1色変換層と前記第2色変換層は前記第1電極層と前記発光層との間に前記発光層側に第1絶縁層を介して形成されている
請求項10記載の発光装置。
【請求項15】
前記第1基板は光を透過する基板からなり、
前記第1電極層は光を透過する電極層からなり、
前記第1色変換層と前記第2色変換層は前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面に形成されていて、
前記第1色変換層と前記第2色変換層からなる色変換層の前記第1基板とは反対側の面に反射層が形成されている
請求項10記載の発光装置。
【請求項16】
前記第1電極層は光を透過する電極層からなり、
前記第1色変換層と前記第2色変換層は前記第1電極層と前記第1基板との間に形成されていて、
前記第1色変換層と前記第2色変換層からなる色変換層と前記第1基板との間に光を反射する反射層が形成されている
請求項10記載の発光装置。
【請求項17】
前記第1電極層は光を透過する電極層からなり、
前記第1色変換層は前記第1基板と前記第1電極層との間に形成され、
前記第2色変換層は前記第2基板と前記第2電極層との間に形成されていて、
前記第1色変換層と前記第1基板との間に光を反射する反射層が形成されている
請求項10記載の発光装置。
【請求項18】
前記第1電極層は光を反射する反射電極層からなり、
前記第1色変換層は前記第1電極層と前記発光層との間に前記発光層側に第1絶縁層を介して形成され、
前記第2色変換層は前記第2電極層と前記発光層との間に前記発光層側に第2絶縁層を介して形成され、
前記第1色変換層と前記第1基板との間に光を反射する反射層が形成されている
請求項10記載の発光装置。
【請求項19】
第1基板と、
前記第1基板に対向して設けた光透過性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けた第1電極層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に前記第1電極層に対向して設けた光透過性を有する第2電極層と、
前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けた発光層とを有し、
前記発光層は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、
前記発光層と前記第1電極層との間に第1絶縁層が形成され、
前記発光層と前記第2電極層との間に第2絶縁層が形成され、
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層のうちの少なくとも1層は、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する発光材料を含む絶縁層からなり、
前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である
発光装置。
【請求項20】
前記第2電極層と前記第2基板との間の前記第2基板側に第3電極層を有して、
前記第2電極層と前記第3電極層との間にコレスティック液晶層を有する
請求項1記載の発光装置。
【請求項21】
前記第2電極層と前記第2基板との間の前記第2基板側に第3電極層を有して、
前記第2電極層と前記第3電極層との間にコレスティック液晶層を有する
請求項10記載の発光装置。
【請求項22】
前記第2電極層と前記第2基板との間の前記第2基板側に第3電極層を有して、
前記第2電極層と前記第3電極層との間にコレスティック液晶層を有する
請求項19記載の発光装置。
【請求項23】
画像を表示する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに光を照射する発光装置を備えた液晶表示装置において、
前記発光装置は、
第1基板と、
前記第1基板に対向して設けた光透過性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けた第1電極層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に前記第1電極層に対向して設けた光透過性を有する第2電極層と、
前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けた発光層とを有し、
前記発光層は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、
前記第1基板の前記第1電極層層とは反対側の面、前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面、もしくは前記第1基板と前記第2基板との間のいずれかの間に、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する色変換層を有し、
前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である
液晶表示装置。
【請求項24】
画像を表示する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに光を照射する発光装置を備えた液晶表示装置において、
前記発光装置は、
第1基板と、
前記第1基板に対向して設けた光透過性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けた第1電極層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に前記第1電極層に対向して設けた光透過性を有する第2電極層と、
前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けた発光層とを有し、
前記発光層は第1色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、
前記第1基板の前記第1電極層とは反対側の面、前記第2基板の前記第2電極層とは反対側の面、もしくは前記第1基板と前記第2基板との間に、前記発光層から発光された光により第2色光を発光する第1色変換層と、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する第2色変換層を有し、
前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である
液晶表示装置。
【請求項25】
画像を表示する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに光を照射する発光装置を備えた液晶表示装置において、
前記発光装置は、
第1基板と、
前記第1基板に対向して設けた光透過性を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けた第1電極層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に前記第1電極層に対向して設けた光透過性を有する第2電極層と、
前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けた発光層とを有し、
前記発光層は第1色光と第2色光を発光する無機エレクトロルミネッセンス層からなり、
前記発光層と前記第1電極層との間に第1絶縁層が形成され、
前記発光層と前記第2電極層との間に第2絶縁層が形成され、
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層のうちの少なくとも1層は、前記発光層から発光された光により第3色光を発光する発光材料を有する絶縁層からなり、
前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光は、赤色光、緑色光および青色光の3原色光のうちの互いに異なる色の1色の光である
液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−224245(P2009−224245A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68964(P2008−68964)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】