説明

発光装置および表示装置

【課題】光の取り出し効率の高い発光装置およびそれを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】基板22上に、透明電極22、有機EL層25および反射電極26を基板22側から順に有する発光素子23が設けられている。基板22の透明電極24側の表面には、X軸方向にナノオーダーの規則性を有する立体構造22Aが設けられている。透明電極22、有機EL層25および反射電極26のうち少なくとも透明電極24には、基板22とは反対側の表面に立体構造22Aに倣った立体構造24Aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)等の発光素子を備えた発光装置およびそれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶表示装置のバックライトには、冷陰極型の蛍光ランプが広く用いられている。冷陰極型の蛍光ランプは、発光波長域や輝度等に関しては優れた特性を有しているものの、面全体を照明するために反射板や導光板等を必要とし、部品コストが嵩んだり、消費電力が高くなったりする等の改善すべき点を有している。そのため、近年、有機EL素子をバックライトとして用いた液晶表示装置が提案されている(特許文献1参照)。有機EL素子は自発光素子であり、薄膜プロセスによって製造可能であり、消費電力が低く、波長選択範囲が広い等の数多くの優れた点を有している。
【0003】
一般に、有機EL素子は、ガラス基板等の透明基板上に、陽極としての透明電極、有機EL層を含む発光層および陰極としての反射電極を積層した構成となっている。透明電極は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等で形成され、反射電極はAl(アルミニウム)等で形成されている。発光層は、例えば、正孔輸送層、有機EL層および電子輸送層の積層構造となっている。
【0004】
このような構成の有機EL素子では、透明電極と反射電極との間に直流電圧を印加することにより、透明電極から注入された正孔(ホール)が正孔輸送層を経て、また反射電極から注入された電子が電子輸送層を経て、有機EL層に導入される。有機EL層では、導入された正孔と電子の再結合が生じることによって所定の波長で光が発生し、発生した光は透明電極および透明基板を介して外部に射出される。
【0005】
ところで、この種の有機EL素子においては、発光層で発生した光の取り出し効率が低いという問題がある。その原因の一つとして、例えば、有機EL素子内の各層の界面における反射が挙げられる。そこで、例えば、特許文献2では、透明基板の表面に、マイクロオーダーの凹凸を設け、発光層に対して、その凹凸にならった屈曲形状を設けることが提案されている。これにより、発光層で発生した光のうち、反射電極側で反射されて発光層に戻ってきた光を、発光層の屈曲形状の部分で透過させることができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0006】
【特許文献1】特開平10−125461号公報
【特許文献2】特開2006−351211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献2の方法では、光の取り出し効率の大きさが十分ではなく、さらなる改良が要請されていた。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光の取り出し効率の高い発光装置およびそれを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発光装置は、基板上に、第1電極、発光層および第2電極を基板側から順に有する発光素子を備えたものである。基板は、第1電極側の表面に、ナノオーダーの凸部を複数含む第1立体構造を有している。第1電極、発光層および第2電極のうち少なくとも第1電極は、基板とは反対側の表面に第1立体構造の凸部に倣った第2立体構造を有している。
【0010】
本発明の第1の表示装置は、画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、表示パネルを照明する光を発する発光装置とを備えたものである。発光装置は、基板を有すると共に、基板の表示パネルとは反対側の表面上に、第1電極、発光層および第2電極を基板側から順に有している。基板は、第1電極側の表面に、ナノオーダーの凸部を複数含む第1立体構造を有している。第1電極、発光層および第2電極のうち少なくとも第1電極は、基板とは反対側の表面に第1立体構造の凸部に倣った第2立体構造を有している。
【0011】
本発明の発光装置および第1の表示装置では、基板の第1電極側の表面に、ナノオーダーの凸部を複数含む第1立体構造が設けられている。第1電極、発光層および第2電極のうち少なくとも第1電極には、基板とは反対側の表面に第1立体構造の凸部に倣った第2立体構造が設けられている。一般に、基板および第1電極の屈折率差は大きいので、基板と第1電極との界面が平坦面となっている場合にはその反射率は高い。しかし、本発明では、基板と第1電極との界面にはナノオーダーの凸部を複数含む立体構造が設けられているので、基板と第1電極との界面およびその近傍において、積層方向の屈折率の変化がなだらかとなっている。これにより、基板と第1電極との界面における反射率が低くなるので、発光層で発生した光が基板と第1電極との界面を透過する割合が大きくなる。また、本発明では、第1電極の表面にもナノオーダーの凸部を複数含む立体構造が形成されているので、発光層がナノオーダーのスケールでうねった形状となる。これにより、発光層が平坦な形状となっている場合と比べて、発光層の表面積が大きくなるので、電流密度も大きくなる。また、第1電極にナノオーダーの凸部を複数含む立体構造が形成されていることから、電界の局所的に強い部分が発光層内にナノオーダーで規則的に発生する。これにより、基板が平坦となっている場合と比べて、電流効率(=輝度/電流密度)および電力効率(=輝度/(電流密度×印加電圧))の双方の効率が大幅に向上する。なお、基板にマイクロオーダーの凸部を複数含む立体構造を設けた場合には、基板が平坦となっている場合と比べて、電力効率はわずかしか向上しない。
【0012】
本発明の第2の表示装置は、画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、表示パネルを照明する光を発する発光装置とを備えたものである。発光装置は、基板を有すると共に、基板の表示パネル側の表面上に、第1電極、発光層、第2電極およびバリア層を基板側から順に有している。基板は、第1電極側の表面に、ナノオーダーの凸部を複数含む第1立体構造を有している。第1電極、発光層、第2電極およびバリア層は共に、基板とは反対側の表面に第1立体構造の凸部に倣った第2立体構造を有している。
【0013】
本発明の第2の表示装置では、基板の第1電極側の表面に、ナノオーダーの凸部を複数含む第1立体構造が設けられている。第1電極、発光層、第2電極およびバリア層には共に、基板とは反対側の表面に第1立体構造の凸部に倣った第2立体構造が設けられている。一般に、大気(もしくは真空)とバリア層との屈折率差は大きいので、大気(もしくは真空)とバリア層との界面が平坦面となっている場合にはその反射率は高い。しかし、本発明では、大気(もしくは真空)とバリア層との界面にはナノオーダーの凸部を複数含む立体構造が設けられているので、大気(もしくは真空)とバリア層との界面およびその近傍において、積層方向の屈折率の変化がなだらかとなっている。これにより、大気(もしくは真空)とバリア層との界面における反射率が低くなるので、発光層で発生した光が大気(もしくは真空)とバリア層との界面を透過する割合が大きくなる。また、本発明では、第1電極の表面にもナノオーダーの凸部を複数含む立体構造が形成されているので、発光層がナノオーダーのスケールでうねった形状となる。これにより、発光層が平坦な形状となっている場合と比べて、発光層の表面積が大きくなるので、電流密度も大きくなる。また、第1電極にナノオーダーの凸部を複数含む立体構造が形成されていることから、電界の局所的に強い部分が発光層内にナノオーダーで規則的に発生する。これにより、基板が平坦となっている場合と比べて、電流効率(=輝度/電流密度)および電力効率(=輝度/(電流密度×印加電圧))の双方の効率が大幅に向上する。なお、基板にマイクロオーダーの凸部を複数含む立体構造を設けた場合には、基板が平坦となっている場合と比べて、電力効率はわずかしか向上しない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の発光装置および第1の表示装置によれば、発光層で発生した光が基板と第1電極との界面を透過する割合と、電流密度とが大きくなると共に、電界の局所的に強くなる部分が発光層内にナノオーダーで規則的に発生し、さらに、電流効率および電力効率が大幅に向上する。これにより、基板にマイクロオーダーの凸部を複数含む立体構造を設けた場合と比べて、光の取り出し効率を高くすることができる。
【0015】
本発明の第2の表示装置によれば、発光層で発生した光が大気(もしくは真空)とバリア層との界面を透過する割合と、電流密度とが大きくなると共に、電界の局所的に強くなる部分が発光層内にナノオーダーで規則的に発生し、さらに、電流効率および電力効率が大幅に向上する。これにより、基板にマイクロオーダーの凸部を複数含む立体構造を設けた場合と比べて、光の取り出し効率を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(有機EL層および反射電極のうねり有り)
2.変形例(有機EL層および反射電極のうねり無し)
3.変形例(基板の凸部が錐体状)
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る表示装置1の概略構成の一例を表したものである。この表示装置1は、液晶表示パネル10(パネル)と、液晶表示パネル10の背面側に配置された照明装置20と、これらを支持する筐体30と、液晶表示パネル10を駆動して映像を表示させる駆動回路(図示せず)とを備えている。この表示装置1では、液晶表示パネル10の正面が観察者(図示せず)側に向けられている。
【0018】
(液晶表示パネル10)
液晶表示パネル10は、映像を表示するためのものである。この液晶表示パネル10は、例えば、映像信号に応じて各画素が駆動される透過型の表示パネルであり、液晶層を一対の透明基板で挟み込んだ構造となっている。液晶表示パネル10は、例えば、照明装置20側から順に、透明基板、画素電極、配向膜、液晶層、配向膜、共通電極、カラーフィルタおよび透明基板(いずれも図示せず)を有している。
【0019】
透明基板は、可視光に対して透明な基板、例えば板ガラスからなる。なお、照明装置20側の透明基板には、画素電極に電気的に接続されたTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)および配線などを含むアクティブ型の駆動回路が形成されている。画素電極および共通電極は、例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)からなる。画素電極は、透明基板上に格子配列またはデルタ配列されたものであり、画素ごとの電極として機能する。他方、共通電極は、カラーフィルタ上に一面に形成されたものであり、各画素電極に対して対向する共通電極として機能する。配向膜は、例えばポリイミドなどの高分子材料からなり、液晶に対して配向処理を行う。液晶層は、例えば、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モードまたはSTN(Super Twisted Nematic)モードの液晶からなり、駆動回路からの印加電圧により、照明装置20からの射出光の偏光軸の向きを画素ごとに変える機能を有する。なお、液晶の配列を多段階で変えることにより画素ごとの透過軸の向きが多段階で調整される。カラーフィルタは、液晶層14を透過してきた光を、例えば、赤(R)、緑(G)および青(B)の三原色にそれぞれ色分離したり、または、R、G、Bおよび白(W)などの四色にそれぞれ色分離したりするカラーフィルタを、画素電極の配列と対応させて配列したものである。フィルタ配列(画素配列)としては、一般的に、ストライプ配列や、ダイアゴナル配列、デルタ配列、レクタングル配列のようなものがある。偏光子は、光学シャッタの一種であり、ある一定の振動方向の光(偏光)のみを通過させる。偏光子はそれぞれ、偏光軸が互いに90度異なるように配置されており、これにより照明装置20からの射出光が液晶層を介して透過し、あるいは遮断されるようになっている。
【0020】
(照明装置20)
照明装置20は、例えば、図2(A)に示したような発光装置21を直下型の光源として有している。なお、図2(A)は、発光装置21を斜視的に表したものであり、図2(B)は、図2(A)のA-A矢視方向の断面構成の一例を表したものである。発光装置21は、例えば、基板22と、発光素子23とを有している。発光素子23は、基板22の一の表面、具体的には、基板22のうち液晶表示パネル10とは反対側の表面上に形成されている。つまり、本実施の形態では、発光素子23は、ボトムエミッション型となっている。発光素子23は、例えば、有機EL素子からなり、透明電極24、有機EL層25(発光層)および反射電極26を基板22側から順に積層して構成されている。基板22と透明電極24とは互いに接触しており、基板22と透明電極24との間に界面21Bが存在している。基板22のうち発光素子23とは反対側の表面は、発光装置21の光射出面21Aとなっており、液晶表示パネル10と対向配置されている。図2(A)では、光射出面21A上に特に何も設けられていない場合が例示されているが、例えば、プリズムシートなどの光学シートが設けられていてもよい。
【0021】
(基板22)
基板22は、有機EL層25で発生する光に対して透明な材料、例えば、ガラス、プラスチックなどからなる。基板22の透過率は、有機EL層25で発生する光に対しておおむね70%以上となっていることが好ましい。基板22に好適に用いることの可能なプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)などが挙げられる。基板22は、リジッド性(自己支持性)を有するものであることが好ましいが、フレキシブル性を有するものであってもよい。
【0022】
基板22は、例えば、図2(A),(B)に示したように、透明電極24側の表面に、積層面内の一の方向(X軸方向)に規則性を有する立体構造22A(第1立体構造)を有している。立体構造22Aは、例えば、X軸方向と直交する方向(Y軸方向)に延在する複数の柱状(棒状)の凸部22BをX軸方向に並列配置して構成されている。凸部22Bは、例えば、図2(B)に示したように、頂部22Cに丸み(凸状の曲面)を有していることが好ましい。頂部22Cが鋭く尖った形状となっている場合には、発光素子23のうち頂部22Cに対応する部分が破壊され易くなり、寿命が短くなってしまうからである。頂部22Cだけでなく、さらに、互いに隣り合う2つの凸部22Bによって形成される谷部22Dにも丸み(凹状の曲面)が形成されていてもよい。このように、頂部22Cおよび谷部22Dが丸みを帯びている場合には、立体構造22Aは、X軸方向において波打った形状になっている。
【0023】
なお、頂部22Cおよび谷部22Dの少なくとも一方が平坦となっていてもよい。頂部22Cと谷部22Dとの間の部分の表面は、傾斜面となっていることが好ましいが、積層方向と平行な垂直面となっていてもよい。凸部22Bは、例えば、半円柱状、台形状、多角柱状など、種々の形状をとり得る。また、全ての凸部22Bが同一形状となっていてもよいし、互いに隣り合う凸部22B同士が互いに異なる形状となっていてもよい。また、基板22上の複数の凸部22Bが2種類以上の凸部に分類され、種類ごとに同一形状となっていてもよい。
【0024】
凸部22Bは、厚み方向(Z軸方向)および配列方向(X軸方向)のいずれにおいても、ナノオーダー(例えば、有機EL層25で発生する光の波長帯)のスケールとなっている。つまり、立体構造22Aは、ナノオーダーの規則性もしくは周期性を有している。凸部22Bの高さHは、例えば、50nmとなっており、凸部22Bの幅(配列方向のピッチP)は、例えば、150nmとなっている。なお、凸部22Bの高さHおよび幅によって規定される谷部22Dのアスペクト比は、0.2以上2以下であることが好ましい。これは、アスペクト比が2を超えると、基板22上に発光素子23を積層することが困難となってしまうからである。また、アスペクト比が0.2を下回ると、界面21Bおよびその近傍における積層方向の屈折率変化が急峻になってしまい、後述する全反射低減効果がほとんどなくなってしまうからである。
【0025】
このように、立体構造22Aは、幾何光学的には平坦面に近い表面形状となっている。ただし、後述するように、立体構造22Aは、単なる平坦面や、マイクロオーダーの規則性を有する立体構造とは異なる特異な作用を発現する。なお、基板22が樹脂からなる場合には、基板22の立体構造22Aは、例えば、ナノインプリント技術を利用して作製可能である。例えば、立体構造22Aは、支持基板上に、基板22の材料である樹脂を塗布したのち、その樹脂に、立体構造22Aを反転させた立体構造を有する型をプレスすると共に、熱や紫外線を照射することによって作製することが可能である。基板22がガラスからなる場合には、例えば、以下のようにして立体構造22Aを作製することが可能である。まず、ガラス表面に熱硬化樹脂もしくは紫外線硬化樹脂を均一に塗布する。次に、その上から、立体構造22Aを反転させた立体構造を有する型を押し当て、熱あるいは紫外光線を用いて、樹脂表面に型の形状を転写する。次に、リアクティブイオンエッチング法などにより、表面を均一に腐食させ、それにより、立体構造22Aをガラス基板上に形成することが可能である。また、例えば、ガラス転移点温度の比較的低いガラス等に、上述した型を押し当て、加熱することにより立体構造22Aをガラス基板上に形成することも可能である。
【0026】
(透明電極24)
透明電極24は、有機EL層25で発生した光に対して透明な材料であって、かつ導電性を有する材料によって構成されている。そのような材料としては、例えば、ITO、酸化スズ、IZO(インジュウム・亜鉛複合酸化物)などが挙げられる。透明電極24は、基板22の立体構造22Aの表面に形成されており、基板22とは反対側の表面に立体構造22Aに倣った立体構造24A(第2立体構造)を有している。つまり、立体構造24Aは、おおむね、立体構造22Aと同様の表面形状となっており、凸部22Bに近似した凸部をX軸方向に並列配置してなる立体構造の表面形状となっている。立体構造24Aにおいて、互いに隣り合う2つの凸部によって形成される谷部24Bは、谷部22Bの深さと同等かそれよりも浅い深さとなっており、谷部24Bのアスペクト比は、谷部22Bのアスペクト比と同等かそれよりも小さくなっている。透明電極24の厚さは、基板22上に透明電極24を成膜したときにナノオーダーのスケールの立体構造24Aが形成されるようにするためには、50nm〜500nmとなっていることが好ましく、80nm〜150nmとなっていることがさらに好ましい。
【0027】
(有機EL層25)
有機EL層25は、例えば、透明電極24側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層を積層してなる積層構造を有している。なお、有機EL層25は、必要に応じて、上で例示した層以外の層を含んでいてもよいし、正孔輸送層および電子輸送層を含んでいなくてもよい。ここで、正孔注入層は、正孔注入効率を高めるためのものである。正孔輸送層は、発光層への正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層は、透明電極24と反射電極26との間に発生する電界によって電子と正孔との再結合を起こさせ、光を発生させるためものである。電子輸送層は、発光層への電子輸送効率を高めるためのものである。
【0028】
有機EL層25は、透明電極24の立体構造24Aの表面に形成されており、基板22とは反対側の表面に立体構造24Aにおおむね倣った形状となっている。つまり、有機EL層25は、X軸方向において、ナノオーダー(例えば、有機EL層25で発生する光の波長帯)のスケールでうねった形状(立体構造)となっている。これにより、有機EL層25(特に、発光層)において、積層方向から見た単位面積あたりの表面積が、有機EL層25が平坦面上に形成されている場合と比べて大きくなっている。なお、有機EL層25は、透明電極24の表面全体に形成されていてもよいし、パターン状に分布形成されてもよい。パターン形状は特に制限されず、マス状、ストライプ状などの種々の形状が採用可能である。有機EL層25の厚さは、透明電極24上に有機EL層25を成膜したときに上述したナノオーダーのスケールのうねりが形成されるようにするためには、50nm〜1000nmとなっていることが好ましい。
【0029】
(反射電極26)
反射電極26は、有機EL層25で発生した光を高反射率で反射する材料、例えば、アルミニウム、白金、金、クロム、タングステン、ニッケルなどによって形成されている。反射電極26は、有機EL層25の表面(うねった表面)に形成されており、基板22とは反対側の表面に、有機EL層25の表面のうねりにおおむね倣った形状となっている。つまり、反射電極26は、有機EL層25と同様、X軸方向において、ナノオーダー(例えば、有機EL層25で発生する光の波長帯)のスケールでうねった形状(立体構造)となっている。
【0030】
次に、本実施の形態の表示装置1の作用および効果について説明する。
【0031】
本実施の形態では、透明電極24と反射電極26との間に電圧が印加されることにより、透明電極24からは正孔が有機EL層25内の発光層へ導入され、反射電極26からは電子が有機EL層25内の発光層へ導入される。発光層において、導入された正孔と電子の再結合により有機EL分子が励起され、所定の波長の光が発生する。発生した光は、透明電極24および基板22を通じて、光射出面21Aから液晶表示パネル10の背面へ面状に射出される。液晶表示パネル10において、照明装置20からの入射光が画像信号に基づいて変調されると共に、カラーフィルタによって色分離され、観察側に射出する。これにより、カラーの画像表示が行われる。
【0032】
ところで、本実施の形態では、基板22の透明電極24側の表面に、X軸方向にナノオーダーの規則性を有する立体構造22Aが設けられている。透明電極22、有機EL層25および反射電極26のうち少なくとも透明電極24には、基板22とは反対側の表面に立体構造22Aに倣った立体構造24Aが設けられている。一般に、基板22および透明電極24の屈折率差は大きいので、基板22と透明電極24との界面21Bが平坦面となっている場合にはその反射率は高い。しかし、本実施の形態では、界面21Bにはナノオーダーの規則性を有する立体構造22Aが設けられているので、界面21Bおよびその近傍において、積層方向の屈折率の変化がなだらかとなっている。これにより、界面21Bにおける反射率が低くなるので、図3に示したように、有機EL層25で発生した光Lが界面21Bを透過し、光射出面21Aから外部に射出される割合が大きくなる。
【0033】
また、本実施の形態では、透明電極24の表面にもナノオーダーの規則性を有する立体構造24Aが形成されているので、有機EL層25(特に有機EL層25内の発光層)がナノオーダーのスケールでうねった形状となる。これにより、発光層が平坦な形状となっている場合と比べて、発光層の表面積が大きくなるので、電流密度も大きくなる。また、透明電極24にナノオーダーの規則性を有する立体構造24Aが形成されていることから、電界の局所的に強い部分が発光層内にナノオーダーで規則的に発生する。これにより、基板22が平坦となっている場合や、基板22にマイクロオーダーの規則性を有する立体構造を設けた場合と比べて、電流効率(=輝度/電流密度)および電力効率(=輝度/(電流密度×印加電圧))の双方の効率が大幅に向上する。
【0034】
図4は、比較例1、比較例2および実施例1における電圧と輝度の関係を表したものである。図5は、比較例1および実施例1における電圧と電流密度の関係を表したものである。図6は、比較例1、比較例2および実施例1における電流密度と電流効率(=輝度/電流密度)の関係を表したものである。図7は、比較例1、比較例2および実施例1における電流密度と電力効率(=輝度/(電流密度×印加電圧))の関係を表したものである。図8は、図4、図6および図7の結果をまとめたものである。
【0035】
比較例1、比較例2および実施例1では共に、基板22の材料として石英ガラス、水晶、無アルカリガラス、リン酸塩ガラス等を用い、透明電極24の材料としてITOを用いた。比較例1、比較例2および実施例1において、有機EL層の厚さを300nmとした。また、比較例1では、界面21Bを平坦化し、比較例2では、界面21Bにマイクロオーダーの規則性を有する立体構造を設け、実施例1では、界面21Bにナノオーダーの規則性を有する立体構造22Aを設けた。比較例2および実施例1では共に、Y軸方向に延在する複数の柱状(棒状)の凸部をX軸方向に並列配置することにより、立体構造を形成した。ここで、比較例2の凸部の高さを20μm、ピッチを50μmとした。一方、実施例1の凸部(凸部22B)の高さを50nm、ピッチ(P)を150nmとした。
【0036】
図4から、実施例1では、比較例1の輝度の3.9倍の輝度が得られることがわかった。一方、比較例2では、比較例1の輝度の3.3倍の輝度しか得られないことがわかった。図5から、実施例1では、比較例1の電流密度の3.4倍の電流密度が得られることがわかった。図6から、実施例1では、比較例1の電流効率の1.3倍の電流効率が得られることがわかった。一方、比較例2では、比較例1の電流効率とほとんど同じ電流効率しか得られないことがわかった。図7から、実施例1では、比較例1の電力効率の1.7倍の電力効率が得られることがわかった。一方、比較例2では、比較例1の電力効率の1.2倍の電力効率しか得られないことがわかった。
【0037】
以上のことから、基板22にマイクロオーダーの規則性を有する立体構造を設けた場合には、基板22が平坦となっている場合と比べて、電流効率はほとんど向上せず、電力効率はわずかしか向上しない。一方、本実施の形態では、電流効率および電力効率の双方の効率が大幅に向上する。従って、基板22が平坦となっている場合や、基板22にマイクロオーダーの規則性を有する立体構造を設けた場合と比べて、光の取り出し効率を高くすることができる。
【0038】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0039】
例えば、上記実施の形態では、有機EL層25および反射電極26は共に、基板22の凸部22Bの影響を受けてうねった形状となっていたが、おおむね平坦となっていてもよい。例えば、図9に示したように、有機EL層25および反射電極26の、基板22とは反対側の表面が、おおむね平坦となっていてもよい。
【0040】
また、上記実施の形態では、透明電極24を陽極とし、反射電極26を陰極とする場合について説明したが、陽極および陰極を逆にして、透明電極24を陰極とし、反射電極26を陽極としてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態では、立体構造22Aは、Y軸方向に延在する複数の柱状の凸部22BをX軸方向に並列配置して構成されていたが、例えば、錐体状の凸部をX軸方向およびY軸方向に2次元配置して構成されていてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態では、発光素子23が、ボトムエミッション型となっていたが、トップエミッション型となっていてもよい。具体的には、発光素子23が、基板22のうち液晶表示パネル10側の表面上に形成されていてもよい。この場合には、発光素子23は、例えば、図10(A),(B)に示したように、反射電極26、有機EL層25、透明電極24およびバリア層27を基板22側から順に積層して構成されており、光射出面21Aが透明電極24側となる。上記バリア層27は、例えばSiNなどの、屈折率の比較的大きな材料からなる。なお、図10(A)は、本変形例に係る発光装置21を斜視的に表したものであり、図10(B)は、図10(A)のA-A矢視方向の断面構成の一例を表したものである。
【0043】
本変形例において、反射電極26は、基板22の立体構造22Aの表面に形成されており、基板22とは反対側の表面に立体構造22Aに倣った立体構造26Aを有している。つまり、立体構造26Aは、おおむね、立体構造22Aと同様の表面形状となっており、凸部22Bに近似した凸部をX軸方向に並列配置してなる立体構造の表面形状となっている。立体構造26Aにおいて、互いに隣り合う2つの凸部によって形成される谷部26Bは、谷部22Bの深さと同等かそれよりも浅い深さとなっており、谷部26Bのアスペクト比は、谷部22Bのアスペクト比と同等かそれよりも小さくなっている。反射電極26の厚さは、基板22上に反射電極26を成膜したときにナノオーダーのスケールの立体構造26Aが形成されるようにするためには、50nm〜300nmとなっていることが好ましく、80nm〜150nmとなっていることがさらに好ましい。
【0044】
本変形例において、有機EL層25は、反射電極26の立体構造26Aの表面に形成されており、基板22とは反対側の表面に立体構造26Aにおおむね倣った形状となっている。つまり、有機EL層25は、X軸方向において、ナノオーダー(例えば、有機EL層25で発生する光の波長帯)のスケールでうねった形状(立体構造)となっている。これにより、有機EL層25(特に、発光層)において、積層方向から見た単位面積あたりの表面積が、有機EL層25が平坦面上に形成されている場合と比べて大きくなっている。なお、有機EL層25は、反射電極26の表面全体に形成されていてもよいし、パターン状に分布形成されてもよい。パターン形状は特に制限されず、マス状、ストライプ状などの種々の形状が採用可能である。有機EL層25の厚さは、反射電極26上に有機EL層25を成膜したときに上述したナノオーダーのスケールのうねりが形成されるようにするためには、50nm〜1000nmとなっていることが好ましい。
【0045】
本変形例において、透明電極24は、有機EL層25の表面(うねった表面)に形成されており、基板22とは反対側の表面に、有機EL層25の表面のうねりにおおむね倣った形状となっている。つまり、透明電極24は、有機EL層25と同様、X軸方向において、ナノオーダー(例えば、有機EL層25で発生する光の波長帯)のスケールでうねった形状(立体構造)となっている。なお、本変形例において、透明電極24は、例えば、IZO、ITO、または10nm程度以下の膜厚を有する金属薄膜などからなる。
【0046】
本変形例に係る表示装置では、透明電極24と反射電極26との間に電圧が印加されることにより、透明電極24からは正孔が有機EL層25内の発光層へ導入され、反射電極26からは電子が有機EL層25内の発光層へ導入される。発光層において、導入された正孔と電子の再結合により有機EL分子が励起され、所定の波長の光が発生する。発生した光は、透明電極24を介して光射出面21Aから液晶表示パネル10の背面へ面状に射出される。液晶表示パネル10において、照明装置20からの入射光が画像信号に基づいて変調されると共に、カラーフィルタによって色分離され、観察側に射出する。これにより、カラーの画像表示が行われる。
【0047】
ところで、本変形例では、基板22の反射電極26側の表面に、X軸方向にナノオーダーの規則性を有する立体構造26Aが設けられている。反射電極26、有機EL層25、透明電極24およびバリア層27のうち少なくとも反射電極26には、基板22とは反対側の表面に立体構造22Aに倣った立体構造26Aが設けられている。さらに、立体構造26Aの表面には有機EL層25および透明電極24,バリア層27が積層されている。有機EL層25および透明電極24,バリア層27のうち基板22とは反対側の表面は、X軸方向において、ナノオーダーのスケールでうねった形状となっており、ナノオーダーの規則性を有している。
【0048】
一般に、大気(もしくは真空)とバリア層27との屈折率差は大きいので、大気(もしくは真空)とバリア層27との界面が平坦面となっている場合にはその反射率は高い。しかし、本実施の形態では、その界面には、ナノオーダーの規則性を有する立体構造22Aに倣った規則性の構造が設けられているので、光射出面21Aおよびその近傍において、積層方向の屈折率の変化がなだらかとなっている。これにより、界面における反射率が低くなるので、図11に示したように、有機EL層25で発生した光Lが光射出面21Aから外部に射出される割合が大きくなる。
【0049】
また、本変形例では、反射電極26の表面にもナノオーダーの規則性を有する立体構造が形成されているので、有機EL層25(特に有機EL層25内の発光層)がナノオーダーのスケールでうねった形状となる。これにより、発光層が平坦な形状となっている場合と比べて、発光層の表面積が大きくなるので、電流密度も大きくなる。また、反射電極26にナノオーダーの規則性を有する立体構造が形成されていることから、電界の局所的に強い部分が発光層内にナノオーダーで規則的に発生する。これにより、基板22が平坦となっている場合や、基板22にマイクロオーダーの規則性を有する立体構造を設けた場合と比べて、電流効率(=輝度/電流密度)および電力効率(=輝度/(電流密度×印加電圧))の双方の効率が大幅に向上する。
【0050】
図12は、比較例1および実施例2(本変形例に係る実施例)における電圧と輝度の関係を表したものである。図13は、比較例1および実施例2における電圧と電流密度の関係を表したものである。図14は、比較例1および実施例2における電流密度と電流効率(=輝度/電流密度)の関係を表したものである。図15は、比較例1および実施例2における電流密度と電力効率(=輝度/(電流密度×印加電圧))の関係を表したものである。図16は、図12、図14および図15の結果をまとめたものである。
【0051】
比較例1および実施例2では、基板22の材料として石英ガラス、水晶、無アルカリガラス、リン酸塩ガラス等を用い、透明電極24の材料としてITOを用いた。比較例1および実施例2において、有機EL層の厚さを300nmとした。また、比較例1では、界面21Bを平坦化し、実施例2では、界面21Bにナノオーダーの規則性を有する立体構造22Aを設けた。実施例2ではY軸方向に延在する複数の柱状(棒状)の凸部をX軸方向に並列配置することにより、立体構造を形成した。ここで、実施例2の凸部(凸部22B)の高さを50nm、ピッチ(P)を150nmとした。
【0052】
図12から、実施例2では、比較例1の輝度の4.2倍の輝度が得られることがわかった。図13から、実施例2では、比較例1の電流密度の3.5倍の電流密度が得られることがわかった。図14から、実施例2では、比較例1の電流効率の2.5倍の電流効率が得られることがわかった。図15から実施例2では、比較例1の電力効率の3.0倍の電力効率が得られることがわかった。
【0053】
以上のことから、本変形例では、電流効率および電力効率の双方の効率が大幅に向上する。従って、基板22の界面21Bを平坦化した場合や、基板22にマイクロオーダーの規則性を有する立体構造を設けた場合と比べて、光の取り出し効率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表示装置の断面図である。
【図2】図1の照明装置に含まれる発光装置の斜視図および断面図である。
【図3】図2の発光装置の作用について説明するための模式図である。
【図4】電圧と輝度との関係を表した関係図である。
【図5】電圧と電流密度との関係を表した関係図である。
【図6】電流密度と電流効率との関係を表した関係図である。
【図7】電流密度と電力効率との関係を表した関係図である。
【図8】図4、図6および図7の結果のまとめ図である。
【図9】図2の発光装置の一変形例の断面図である。
【図10】図2の発光装置の他の変形例の斜視図および断面図である。
【図11】図10の発光装置の作用について説明するための模式図である。
【図12】電圧と輝度との関係を表した関係図である。
【図13】電圧と電流密度との関係を表した関係図である。
【図14】電流密度と電流効率との関係を表した関係図である。
【図15】電流密度と電力効率との関係を表した関係図である。
【図16】図12、図14および図15の結果のまとめ図である。
【符号の説明】
【0055】
1…表示装置、10…液晶表示パネル、20…照明装置、21…発光装置、21A…光射出面、21B…界面、22…基板、22A,24A…立体構造、22B…凸部、22C…頂部、22D,24B…谷部、23…発光素子、24…透明基板、25…有機EL層、26…反射電極、H…凸部の高さ、L…光、P…ピッチ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第1電極、発光層および第2電極を前記基板側から順に有する発光素子を備え、
前記基板は、前記第1電極側の表面に、ナノオーダーの凸部を複数含む第1立体構造を有し、
前記第1電極、前記発光層および前記第2電極のうち少なくとも前記第1電極は、前記基板とは反対側の表面に前記第1立体構造の凸部に倣った第2立体構造を有する
発光装置。
【請求項2】
前記第1立体構造に含まれる複数の凸部は、互いに同一形状となっている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1立体構造は、2種類以上の凸部を有し、
前記凸部は、種類ごとに同一形状となっている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数の凸部は、積層面内の少なくとも第1の方向にナノオーダーの規則性を有する
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数の凸部は、前記第1の方向と直交する方向に延在して形成されており、かつ前記第1の方向に並列配置されている
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1立体構造のアスペクト比は、0.2以上2以下である
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1電極の第2立体構造は、頂部に丸みを有する
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記基板および前記第1電極は共に、前記発光層で発生する光に対して透明な材料によって形成されている
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、
前記表示パネルを照明する光を発する発光装置と
を備え、
前記発光装置は、基板を有すると共に、前記基板の前記表示パネルとは反対側の表面上に、第1電極、発光層および第2電極を前記基板側から順に有し、
前記基板は、前記第1電極側の表面に、ナノオーダーの凸部を複数含む第1立体構造を有し、
前記第1電極、前記発光層および前記第2電極のうち少なくとも前記第1電極は、前記基板とは反対側の表面に前記第1立体構造の凸部に倣った第2立体構造を有する
表示装置。
【請求項10】
前記第1立体構造に含まれる複数の凸部は、互いに同一形状となっている
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1立体構造は、2種類以上の凸部を有し、
前記凸部は、種類ごとに同一形状となっている
請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記複数の凸部は、積層面内の少なくとも第1の方向にナノオーダーの規則性を有する
請求項9ないし請求項11のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、
前記表示パネルを照明する光を発する発光装置と
を備え、
前記発光装置は、基板を有すると共に、前記基板の前記表示パネル側の表面上に、第1電極、発光層、第2電極およびバリア層を前記基板側から順に有し、
前記基板は、前記第1電極側の表面に、ナノオーダーの凸部を複数含む第1立体構造を有し、
前記第1電極、前記発光層、前記第2電極および前記バリア層は共に、前記基板とは反対側の表面に前記第1立体構造の凸部に倣った第2立体構造を有する
表示装置。
【請求項14】
前記第1立体構造に含まれる複数の凸部は、互いに同一形状となっている
請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1立体構造は、2種類以上の凸部を有し、
前記凸部は、種類ごとに同一形状となっている
請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記複数の凸部は、積層面内の少なくとも第1の方向にナノオーダーの規則性を有する
請求項13ないし請求項15のいずれか一項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−135240(P2010−135240A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311737(P2008−311737)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】