説明

発光装置および電子機器、発光装置の駆動方法

【課題】非発光とすべき側の面を確実に非発光状態にしつつ消費電力量を低減可能な発光
装置を提供する。
【解決手段】発光装置100は、互いに対向する第1基板31および第2基板32の間に
配置される画素回路Pと、駆動回路20とを備える。画素回路Pは、第1給電線15に対
応して設けられた第1回路Tpと、第2給電線16に対応して設けられた第2回路Bpと
を具備する。駆動回路20は、第1基板31側に画像を表示させる一方、第2基板32側
に画像を表示させない場合は、第2給電線15に供給する電位の値を、第2発光素子E2
の両端間の電圧が発光閾値電圧Vth_el2を下回るような値に設定する。また、駆動回路2
0は、第1基板31側に画像を表示させない一方、第2基板32側に画像を表示させる場
合は、第1給電線15に供給する電位の値を、第1発光素子E1の両端間の電圧が発光閾
値電圧Vth_el1を下回るような値に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置および電子機器、発光装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機EL(Electro Luminescent)素子や発光ポリマー素子などと呼ばれる有機
発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、以下「OLED」という)素子などの
発光素子を用いた発光装置が各種提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、メインパネル(前面ディスプレイ)およびサブパネル(背面デ
ィスプレイ)のうちの何れか1つだけを選択的に発光させる発光装置が開示されている。
特許文献1に開示された発光装置は、メインパネルの複数の走査線に対して選択信号を順
次に供給するメイン走査駆動部と、サブパネルの複数の走査線に対して選択信号を順次に
供給するサブ走査駆動部と、画像信号に対応するデータ電圧を、メインパネルおよびサブ
パネルで共有される複数のデータ線に対して供給するデータ駆動部と、発光装置の動作を
制御する駆動制御部とを備える。駆動制御部は、データ駆動部を動作させながら、メイン
走査駆動部およびサブ走査駆動部のうちの何れか1つだけを動作させるように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−58893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された発光装置では、メインパネルにおける画素回路の構成とサブパ
ネルにおける画素回路の構成とは同じであり、図18の構成を採る。図18に示すように
、画素回路は、Pチャネル型の駆動トランジスタDMと、発光素子OLEDと、Pチャネ
ル型のスイッチングトランジスタSMと、キャパシタCstとを含んで構成される。高位
側電源電位VDDが供給される高位側給電線と、低位側電源電位VSSが供給される低位
側給電線との間には、駆動トランジスタDMおよび発光素子OLEDが相互に直列に接続
される。高位側給電線および低位側給電線の各々は、メインパネルおよびサブパネルの各
画素回路に対して共通に接続される。駆動トランジスタDMのゲートとソースとの間には
キャパシタCstが設けられる。スイッチングトランジスタSMは、駆動トランジスタD
Mのゲートとデータ線Dとの間に設けられ、そのゲートは走査線Sに接続される。スイッ
チングトランジスタSMは、走査線Sに出力される選択信号に応じてオンオフが制御され
る。
【0006】
いま、メインパネルを発光させる一方、サブパネルを非発光にする場合を想定する。こ
の場合、サブパネルの画素回路に対応する走査線Sには選択信号が出力されないので、サ
ブパネルの画素回路のスイッチングトランジスタSMはオフ状態に維持される。したがっ
て、データ線Dに出力されるデータ電圧は、サブパネルの画素回路の駆動トランジスタD
Mのゲートには供給されない。ここで、サブパネルの画素回路のキャパシタCstには、
当該画素回路の前回の発光時に書き込まれていたデータ電圧が保持されるので、駆動トラ
ンジスタDMは導通状態となる。高位側電源線および低位側電源線は、メインパネルおよ
びサブパネルの各画素回路に共通に接続され、高位側電源線と低位側電源線との間の電圧
は、発光素子OLEDの発光閾値電圧を上回るような値に設定されるので、サブパネルの
画素回路の発光素子には、キャパシタCstに保持されたデータ電圧に応じた電流が流れ
ることになる。したがって、非発光とすべき側のパネル(この場合はサブパネル)を確実
に非発光状態にすることが困難であるとともに電力が無駄に消費されてしまうという問題
が発生する。この問題は、サブパネルを発光させる一方、メインパネルを非発光とする場
合においても同様に発生する。
また、サブパネル側の画素回路に非発光データを書き込んでキャパシタCstが非発光
の電圧を保持するようにすることで、サブパネルを非発光とする態様も想定され得る。し
かしながらこの場合、スイッチングトランジスタSMのリーク電流によりキャパシタCs
tの電圧が非発光のデータ電圧から変動し、確実に非発光状態を維持することが困難とな
る課題が依然として解消しない。
以上の事情に鑑みて、本発明は、パネルの一方の面および他方の面のうちの何れか1つ
だけを選択的に発光させる発光装置において、非発光とすべき側の面を確実に非発光状態
にしつつ消費電力量を低減することを解決課題とする。
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、基板上に配置された画素回路
と、画素回路を駆動する駆動回路とを備える発光装置であって、画素回路は、第1給電線
に対応して設けられた第1回路と、第2給電線に対応して設けられた第2回路と、を具備
し、第1回路は、第1給電線に電気的に接続された第1電極(第1画素電極61)及び第
1電極に対向する第2電極(対向電極90)を有する第1発光素子と、第1電極に電気的
に接続された第1駆動トランジスタと、第1駆動トランジスタのゲートの電位を保持する
ための第1容量素子と、第1駆動トランジスタのゲートとデータ線との間に設けられる第
1スイッチング素子と、を含み、第1発光素子の出射光は基板の一方の面側から取り出さ
れ、第2回路は、第2給電線に電気的に接続された第3電極(第2画素電極62)及び第
3電極に対向する第2電極を有する第2発光素子と、第3電極に電気的に接続された第2
駆動トランジスタと、第2駆動トランジスタのゲートの電位を保持するための第2容量素
子と、第2駆動トランジスタのゲートとデータ線との間に設けられる第2スイッチング素
子と、を含み、第2発光素子の出射光は基板の他方の面側から取り出され、駆動回路は、
基板の一方の面側に第1回路によって画像を表示させる一方、基板の他方の面側に画像を
表示させない場合は、画像データに応じたデータ電位をデータ線に出力し、第1給電線の
電位を、第1発光素子の第1電極と第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値
電圧を上回るような値に設定し、第2給電線の電位を、第2発光素子の第3電極と第2電
極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定し、基板の一
方の面側に画像を表示させない一方、基板の他方の面側に第2回路によって画像を表示さ
せる場合は、データ電位をデータ線に出力し、第1給電線の電位を、第1発光素子の第1
電極と第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定
し、第2給電線の電位を、第2発光素子の第3電極と第2電極との間の電圧が当該第2発
光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定することを特徴とする。
【0008】
本発明においては、基板の一方の面側に表示される画像を生成するための第1回路、お
よび、基板の他方の面側に表示される画像を生成するための第2回路のそれぞれには、別
々の電源線から電源電圧が供給される。駆動回路は、基板の一方の面側に第1回路によっ
て画像を表示させる一方、基板の他方の面側に画像を表示させない場合は、第2給電線の
電位を、第2発光素子の第3電極と第2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値
電圧を下回るような値に設定するので、第2発光素子に電流が流れることはない。したが
って、基板の他方の面側を確実に非発光状態にすることができるとともに、第1発光素子
および第2発光素子のそれぞれの発光閾値電圧を上回る電源電圧が第1回路および第2回
路に対して共通に供給される態様に比べて消費電力量を低減できる。
【0009】
また、駆動回路は、基板の一方の面側に画像を表示させない一方、基板の他方の面側に
第2回路によって画像を表示させる場合は、第1給電線の電位を、第1発光素子の第1電
極と第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定す
るので、第1発光素子に電流が流れることはない。したがって、基板の一方の面側を確実
に非発光状態にすることができるとともに、第1発光素子および第2発光素子のそれぞれ
の発光閾値電圧を上回る電源電圧が第1回路および第2回路に対して共通に供給される態
様に比べて消費電力量を低減できる。すなわち、本発明によれば、非発光とすべき側の面
を確実に非発光状態にしつつ発光装置の消費電力量を低減できるという利点がある。
【0010】
本発明に係る発光装置の態様として、駆動回路は、基板の一方の面側に第1回路によっ
て画像を表示させる一方、基板の他方の面側に画像を表示させない場合は、第1スイッチ
ング素子をオン状態、第2スイッチング素子をオフ状態に設定し、基板の一方の面側に画
像を表示させない一方、基板の他方の面側に第2回路によって画像を表示させる場合は、
第1スイッチング素子をオフ状態、第2スイッチング素子をオン状態に設定することもで
きる。ただし、これに限らず、駆動回路は、基板の一方の面側に第1回路によって画像を
表示させる一方、基板の他方の面側に画像を表示させない場合であっても、第2スイッチ
ング素子をオン状態に設定し、基板の一方の面側に画像を表示させない一方、基板の他方
の面側に第2回路によって画像を表示させる場合であっても、第1スイッチング素子をオ
ン状態に設定することもできる。
【0011】
また、本発明に係る発光装置は、各々が第1方向に延在する複数の第1走査線と、複数
の第1走査線と1対1に対応して設けられる複数の第2走査線と、第1方向とは異なる第
2方向に各々が延在する複数のデータ線と、複数の第1走査線および第2走査線と、複数
のデータ線との各交差に対応して配置される複数の画素回路と、各画素回路を駆動する駆
動回路と、を具備し、各画素回路は、基板上に配置され、第1給電線に対応して設けられ
た第1回路と、第2給電線に対応して設けられた第2回路とを備え、第1回路は、第1給
電線に電気的に接続された第1電極及び第1電極に対向する第2電極を有する第1発光素
子と、第1電極に電気的に接続された第1駆動トランジスタと、第1駆動トランジスタの
ゲートの電位を保持するための第1容量素子と、第1駆動トランジスタのゲートとデータ
線との間に設けられて第1走査線の選択時に両者を導通させる第1スイッチング素子と、
を含み、第1発光素子の出射光は基板の一方の面側から取り出され、第2回路は、第2給
電線に電気的に接続された第3電極及び第3電極に対向する第2電極を有する第2発光素
子と、第3電極に電気的に接続された第2駆動トランジスタと、第2駆動トランジスタの
ゲートの電位を保持するための第2容量素子と、第2駆動トランジスタのゲートとデータ
線との間に設けられて第2走査線の選択時に両者を導通させる第2スイッチング素子と、
を含み、第2発光素子の出射光は基板の他方の面側から取り出され、駆動回路は、基板の
一方の面側に第1回路によって画像を表示させる一方、基板の他方の面側に画像を表示さ
せない場合は、選択期間ごとに、各第1走査線を順番に選択する一方、各第2走査線は選
択せずに、画像データに応じたデータ電位を各データ線へ出力し、第1給電線の電位を、
第1発光素子の第1電極と第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を上
回るような値に設定し、第2給電線の電位を、第2発光素子の第3電極と第2電極との間
の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定し、基板の一方の面側
に画像を表示させない一方、基板の他方の面側に第2回路によって画像を表示させる場合
は、選択期間ごとに、各第2走査線を順番に選択する一方、各第1走査線は選択せずに、
データ電位をデータ線に出力し、第1給電線の電位を、第1発光素子の第1電極と第2電
極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定し、第2給電
線の電位を、第2発光素子の第3電極と第2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光
閾値電圧を下回るような値に設定することを特徴とする。
【0012】
上述の本発明では、各画素回路において、基板の一方の面側に表示される画像を生成す
るための第1回路、および、基板の他方の面側に表示される画像を生成するための第2回
路のそれぞれには、別々の電源線から電源電圧が供給される。そして、駆動回路は、基板
の一方の面側に第1回路によって画像を表示させる一方、基板の他方の面側に画像を表示
させない場合は、各第2回路を駆動せずに、第2給電線の電位を、第2発光素子の第3電
極と第2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定す
るので、第2発光素子に電流が流れることはない。したがって、基板の他方の面側を確実
に非発光状態にすることができるとともに、第1発光素子および第2発光素子のそれぞれ
の発光閾値電圧を上回る電源電圧が各第1回路および各第2回路に対して共通に供給され
る態様に比べて消費電力量を低減できる。
【0013】
また、駆動回路は、基板の一方の面側に画像を表示させない一方、基板の他方の面側に
第2回路によって画像を表示させる場合は、各第1回路を駆動せずに、第1給電線の電位
を、第1発光素子の第1電極と第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧
を下回るような値に設定するので、第1発光素子に電流が流れることはない。したがって
、基板の一方の面側を確実に非発光状態にすることができるとともに、第1発光素子およ
び第2発光素子のそれぞれの発光閾値電圧を上回る電源電圧が各第1回路および各第2回
路に対して共通に供給される態様に比べて消費電力量を低減できる。すなわち、本発明に
よれば、非発光とすべき側の面を確実に非発光状態にしつつ発光装置の消費電力量を低減
できるという利点がある。
【0014】
本発明に係る発光装置は各種の電子機器に利用される。電子機器の典型例は、発光装置
を表示装置として利用した機器である。本発明に係る電子機器としてはパーソナルコンピ
ュータや携帯電話機が例示される。
【0015】
本発明は、発光装置を駆動する方法としても特定される。本発明に係る駆動方法は、基
板上に配置された画素回路と、画素回路を駆動する駆動回路とを備え、画素回路は、第1
給電線に対応して設けられた第1回路と、第2給電線に対応して設けられた第2回路と、
を具備し、第1回路は、第1給電線に電気的に接続された第1電極及び第1電極に対向す
る第2電極を有する第1発光素子と、第1電極に電気的に接続された第1駆動トランジス
タと、第1駆動トランジスタのゲートの電位を保持するための第1容量素子と、を含み、
第1発光素子の出射光は基板の一方の面側から取り出され、第2回路は、第2給電線に電
気的に接続された第3電極及び第3電極に対向する前記第2電極を有する第2発光素子と
、第3電極に電気的に接続された第2駆動トランジスタと、第2駆動トランジスタのゲー
トの電位を保持するための第2容量素子と、を含み、第2発光素子の出射光は基板の他方
の面側から取り出される構成の発光装置の駆動方法であって、基板の一方の面側に第1回
路によって画像を表示させる一方、基板の他方の面側に画像を表示させない場合は、第1
駆動トランジスタのゲートの電位を、画像データに応じたデータ電位に設定し、第1給電
線の電位を、第1発光素子の第1電極と第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光
閾値電圧を上回るような値に設定し、第2給電線の電位を、第2発光素子の第3電極と第
2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定し、基板
の一方の面側に画像を表示させない一方、基板の他方の面側に第2回路によって画像を表
示させる場合は、データ電位をデータ線に出力し、第1給電線の電位を、第1発光素子の
第1電極と第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に
設定し、第2給電線の電位を、第2発光素子の第3電極と第2電極との間の電圧が当該第
2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定する。以上の駆動方法によっても本発
明に係る発光装置と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る発光装置のブロック図である。
【図2】信号選択回路の回路図である。
【図3】電源切替回路の回路図である。
【図4】画素回路の回路図である。
【図5】画素回路の断面図である。
【図6】第1基板側に画像が表示される一方、第2基板側に画像が表示されない場合における信号選択回路の動作を説明するための図である。
【図7】第1基板側に画像が表示される一方、第2基板側に画像が表示されない場合における電源切替回路の動作を説明するための図である。
【図8】第1基板側に画像が表示される一方、第2基板側に画像が表示されない場合における発光装置の具体的な動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】第1基板側に画像が表示される一方、第2基板側に画像が表示されない場合における画素回路の動作を説明するための図である。
【図10】第2基板側に画像が表示される一方、第1基板側に画像が表示されない場合における信号選択回路の動作を説明するための図である。
【図11】第2基板側に画像が表示される一方、第1基板側に画像が表示されない場合における電源切替回路の動作を説明するための図である。
【図12】第2基板側に画像が表示される一方、第1基板側に画像が表示されない場合における発光装置の具体的な動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】第2基板側に画像が表示される一方、第1基板側に画像が表示されない場合における画素回路の動作を説明するための図である。
【図14】本発明の変形例に係る画素回路の回路図である。
【図15】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【図16】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
【図18】従来の発光装置における画素回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<A:実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る発光装置100のブロック図である。発光装置100
は、画像を表示する表示装置として電子機器に搭載される。図1に示すように、発光装置
100は、複数の画素回路Pが配列された素子部10と、各画素回路Pを駆動する駆動回
路20とを具備する。駆動回路20は、第1走査線駆動回路21と、第2走査線駆動回路
22と、データ線駆動回路23と、電源回路24と、これらの回路の動作を制御する制御
回路25とを含んで構成される。駆動回路20は、例えば複数の集積回路に分散して実装
される。ただし、駆動回路20の少なくとも一部は、画素回路Pとともに基板上に形成さ
れた薄膜トランジスタで構成され得る。
【0018】
素子部10には、X方向に延在するm本の第1走査線11と、各第1走査線11と対を
なしてX方向に延在するm本の第2走査線12と、X方向に交差するY方向に延在するn
本のデータ線14とが形成される(m,nは自然数)。複数の画素回路Pは、複数の第1
走査線11および第2走査線12と、複数のデータ線14との交差に対応する位置に配置
されて縦m行×横n列の行列状に配列する。
【0019】
第1走査線駆動回路22および第2走査線駆動回路22の各々は、シフトレジスタを含
んで構成される。第1走査線駆動回路22は、制御回路25から供給されるスタートパル
スSPTを順次転送することで、第1走査線11の総数(画素回路Pの行数)に相当する
m個の第1走査信号GWT[1]〜GWT[m]を生成して、各第1走査線11に出力する。同様
に、第2走査線駆動回路22は、制御回路25から供給されるスタートパルスSPBを順
次転送することで、m個の第2走査信号GWB[1]〜GWB[m]を生成して、各第2走査線1
2に出力する。
【0020】
本実施形態において、制御回路25は、第1走査線駆動回路21および第2走査線駆動
回路22を同時に駆動するのではなく、何れか一方のみを選択的に駆動する。より具体的
には以下のとおりである。制御回路25は、図2に示す信号選択回路30を備える。信号
選択回路30は、選択信号SELに応じて、第1走査線駆動回路21および第2走査線駆
動回路22のうちの何れか一方にスタートパルスSPを出力し、他方にはスタートパルス
SPを出力しない。これにより、第1走査線駆動回路21および第2走査線駆動回路22
のうちの何れか一方のみが駆動されるという具合である。本実施形態では、第1走査線駆
動回路21に出力されるスタートパルスSPをSPTと表記し、第2走査線駆動回路22
に出力されるスタートパルスSPをSPBと表記している。図2に示すように、信号選択
回路30は、トランジスタ(Tr1,Tr2,Tr3,Tr4)とインバータ(IV1,
IV2)とを含んで構成される。信号選択回路30の具体的な動作については後述する。
【0021】
図1に示すデータ線駆動回路23は、制御回路25から供給される画像データGdに応
じたデータ電位VX[1]〜VX[n]を各データ線14に出力する。電源回路24は、高位側
の第1電源電位VDDTと、高位側の第2電源電位VDDBと、低位側の第3電源電位V
CTとを生成する。第1電源電位VDDTは、第1給電線15を介して各画素回路Pに共
通に供給される。第2電源電位VDDBは、第2給電線16を介して各画素回路Pに共通
に供給される。第3電源電位VCTは、第3給電線17を介して各画素回路Pに共通に供
給される。
【0022】
電源回路24は、図3に示す電源切替回路40を備える。電源切替回路40は、制御回
路25から供給される選択信号SELに応じて、第1電源電位VDDTおよび第2電源電
位VDDBのうちの何れか一方をハイレベルの電位VDDに設定し、他方を前記ハイレベ
ルの電位よりも低いローレベルの電位VSSに設定する。図3に示すように、電源切替回
路40は、トランジスタ(Tr5,Tr6,Tr7,Tr8)とインバータ(IV3,I
V4)とを含んで構成される。電源切替回路40の具体的な動作については後述する。
【0023】
図4は、画素回路Pの回路図である。図4においては、第i行(i=1〜m)の第j列
目(j=1〜n)に位置する1個の画素回路Pのみが代表的に図示されている。図4に示
すように、画素回路Pは、第1回路Tpと第2回路Bpとを含んで構成される。第1回路
Tpは、第1電源電位VDDTが供給される第1給電線15に対応して設けられる。第2
回路Bpは、第2電源電位VDDB(>VCT)が供給される第2給電線16に対応して
設けられる。第3電源電位VCT(<VDDT,VDDB)が供給される第3給電線17
は、第1回路Tpおよび第2回路Bpに対して共通である。
【0024】
図4に示すように、第1回路Tpは、第1発光素子E1と第1駆動トランジスタDrT
と第1容量素子C1と第1スイッチング素子GTとを含んで構成される。第1発光素子E
1と第1駆動トランジスタDrTとは、第1給電線15と第3給電線17とを連結する経
路上に直列に配置される。第1発光素子E1は、相対向する陽極と陰極との間に有機EL
(Electroluminescense)材料の発光層を介在させたOLED素子である。
【0025】
第1駆動トランジスタDrTは、第1給電線15にソースが接続されるとともにドレイ
ンが第1発光素子E1の陽極に接続されたPチャネル型のトランジスタ(例えば薄膜トラ
ンジスタ)である。第1容量素子C1は、第1駆動トランジスタDrTのゲートとソース
との間に介在する。
【0026】
第1スイッチング素子GTは、第1駆動トランジスタDrTのゲートと第j列目のデー
タ線14との間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。図4に示す
ように、例えばPチャネル型のトランジスタ(例えば薄膜トランジスタ)が第1スイッチ
ング素子GTとして好適に採用される。第i行に属するn個の画素回路Pの各々の第1ス
イッチング素子GTのゲートは第i行の第1走査線11に対して共通に接続される。
【0027】
一方、図4に示すように、第2回路Bpは、第2発光素子E2と第2駆動トランジスタ
DrBと第2容量素子C2と第2スイッチング素子GBとを含んで構成される。第2発光
素子E2と第2駆動トランジスタDrBとは、第2給電線16と第3給電線17とを連結
する経路上に直列に配置される。第2発光素子E2は、OLED素子である。
【0028】
第2駆動トランジスタDrBは、第2給電線16にソースが接続されるとともにドレイ
ンが第2発光素子E2の陽極に接続されたPチャネル型のトランジスタ(例えば薄膜トラ
ンジスタ)である。第2容量素子C2は、第2駆動トランジスタDrBのゲートとソース
との間に介在する。
【0029】
第2スイッチング素子GBは、第2駆動トランジスタDrBのゲートと第j列目のデー
タ線14との間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。図4に示す
ように、例えばPチャネル型のトランジスタ(例えば薄膜トランジスタ)が第2スイッチ
ング素子GBとして好適に採用される。第i行に属するn個の画素回路Pの各々の第2ス
イッチング素子GBのゲートは第i行の第2走査線12に対して共通に接続される。
【0030】
図5は、上述の画素回路Pの断面図である。本実施形態では、互いに対向する第1基板
31および第2基板32の間に各画素回路Pが配置される構成となっている。第1基板3
1および第2基板32は、ガラスなどの光透過性を有する材料で構成される。本実施形態
では、各画素回路Pの第1発光素子E1の出射光は第1基板31側から取り出され、各画
素回路Pの第2発光素子E2の出射光は第2基板側32から取り出される。以下、具体的
な内容について説明する。なお、第2基板32上に画素回路を構成する素子が設けられ、
第1基板31が保護基板として用いられる場合、第1基板31の代替手段として有機物あ
るいは無機物の薄膜を含む保護膜を用いてもよい。
【0031】
図5に示すように、第2基板32上には、画素回路Pに含まれる各種トランジスタが形
成される。ここでは、第1駆動トランジスタDrTおよび第2駆動トランジスタDrBが
代表的に図示されている。第1駆動トランジスタDrTは、第2基板32の表面に半導体
材料で形成された半導体層41と、半導体層41を覆うゲート絶縁層F0を挟んで半導体
層41と対向するゲート電極42とを含む。半導体層41は、例えばアモルファスシリコ
ンに対するレーザーアニールで形成されたポリシリコンの膜体である。ゲート電極42は
第1絶縁層F1で覆われる。第1駆動トランジスタDrTのドレイン電極43およびソー
ス電極44は、アルミニウムなどの低抵抗の金属によって第1絶縁層F1の面上に形成さ
れるとともにコンタクトホールを介して半導体層41(ドレイン領域およびソース領域)
に導通する。
【0032】
第2駆動トランジスタDrBは、第2基板32の表面に半導体材料で形成された半導体
層51と、半導体層51を覆うゲート絶縁層F0を挟んで半導体層51と対向するゲート
電極52とを含む。第1駆動トランジスタDrTと同様、ゲート電極52は第1絶縁層F
1で覆われる。第2駆動トランジスタDrBのドレイン電極53およびソース電極54は
、アルミニウムなどの低抵抗の金属によって第1絶縁層F1の面上に形成されるとともに
コンタクトホールを介して半導体層51(ドレイン領域およびソース領域)に導通する。
【0033】
第1駆動トランジスタDrTのドレイン電極43およびソース電極44、第2駆動トラ
ンジスタDrBのドレイン電極53およびソース電極54は、平坦化層H1で覆われる。
平坦化層H1の面上には、第1発光素子E1の陽極を構成する第1画素電極61と、第2
発光素子E2の陽極を構成する第2画素電極62とが、互いに離れて形成される。第1画
素電極61と、第1駆動トランジスタDrTのドレイン電極43とは、平坦化層H1に形
成されたコンタクトホールCH1を介して接続される。また、第2画素電極62と、第2駆
動トランジスタDrBのドレイン電極53とは、平坦化層H1に形成された別のコンタク
トホールCH2を介して接続される。
【0034】
第1画素電極61および第2画素電極62上には、有機バンク70(セパレータ)が形
成される。この有機バンク70は、第2基板31の表面上の空間を画素回路Pごとに仕切
るものであり、絶縁性の透明材料、例えばアクリル、ポリイミドなどにより形成されてい
る。有機バンク70で仕切られた第1画素電極61および第2画素電極62上には、正孔
注入/輸送層81と有機EL層82との積層体(発光機能層)が形成される。さらに、各
画素回路Pの発光機能層および各有機バンク70を覆うように対向電極90が形成される
。すなわち、対向電極90は複数の画素回路Pにわたって連続しており、各画素回路Pの
第1発光素子E1および第2発光素子E2の陰極を構成する。
【0035】
また、図5に示すように、有機バンク70と平坦化層H1との間、および、第1画素電
極61と第2画素電極62との間には、SiOなどの親液性材料からなる親液性制御層
Lsが形成されている。また、図3に示すように、対向電極90上には、透明保護膜91が
形成されている。透明保護膜91は、出射光を透過させるとともに、外部からの水分や酸
素の浸入を防止するための部材(ガスバリア部材)であり、酸化シリコン(SiOx)や
窒化シリコン(SiNx)などで構成され得る。透明保護膜91上には、接着層92が形
成される。接着層92は、透明保護膜91上に第1基板31を接着する機能を有する。
【0036】
ここで、図5に示すように、第1画素電極61と平坦化層H1との間には、第1発光素
子E1の出射光が第2基板32側へ進行するのを防止するように、第1遮光膜B1が設けら
れている。より具体的には、第1遮光膜B1は、平坦化層H1の面上の領域のうち、第1発
光素子E1からの出射光が到達し得る領域(第1発光素子E1の発光領域)を覆うように
設けられる。第1遮光膜B1は、アルミニウム、クロムなどの光反射性を有する材料で構成
され得る。これにより、第1発光素子E1から第2基板32側へ放射された光は、第1遮
光膜B1にて反射されて第1基板31側に向かう光となり、第1発光素子E1から第1基板
31側へ放射された光とともに、対向電極90や第1基板31を通過して外部へ出射され
る。つまり、第1発光素子E1の出射光は第1基板31側から取り出される。
【0037】
さらに、図5に示すように、対向電極90の面上には、第2発光素子E2の出射光が第
1基板31側へ進行するのを防止するように、第2遮光膜B2が設けられている。より具体
的には、第2遮光膜B2は、対向電極90の面上の領域のうち、第2発光素子E2の出射光
が到達し得る領域(第2発光素子E2の発光領域)を覆うように設けられる。第2遮光膜
B2は、アルミニウム、クロムなどの光反射性を有する材料で構成され得る。これにより、
第2発光素子E2から第1基板31側へ放射された光は、第2遮光膜B2にて反射されて第
2基板32側に向かう光となり、第2発光素子E2から第2基板32側へ放射された光と
ともに、第2画素電極62や第2基板32を通過して外部へ出射される。つまり、第2発
光素子E2の出射光は第2基板32側から取り出されるという具合である。
【0038】
次に、本実施形態に係る発光装置100の具体的な動作(駆動方法)を説明する。本実
施形態では、駆動回路20は、パネル(素子部10)の第1基板31側の面および第2基板
32側の面うちの何れか一方を選択的に発光させる。以下、具体的な内容について説明す
る。
【0039】
まず、パネルの第1基板31側の面に画像を表示させる一方、第2基板32側の面には
画像を表示させない場合を想定する。この場合、制御回路25は、選択信号SELをハイ
レベルに設定する。したがって、図6に示すように、信号選択回路30のトランジスタT
r1およびTr3はオン状態、トランジスタTr2およびTr4はオフ状態に設定される
ので、第1走査線駆動回路21にはスタートパルスSP(SPT)が出力される一方、第
2走査線駆動回路22に出力されるスタートパルスSPBはローレベルの電位VLに固定
される。つまり、第2走査線駆動回路22にはスタートパルスSPが出力されないので、
第2走査線駆動回路22は非駆動状態となる。
【0040】
また、このとき、図7に示すように、電源切替回路40のトランジスタTr5およびT
r7はオン状態、トランジスタTr6およびTr8はオフ状態に設定されるので、第1給
電線15に出力される第1電源電位VDDTの値はハイレベルの電位VDDに設定される
一方、第2給電線16に出力される第2電源電位VDDBの値はローレベルの電位VSS
に設定される。
【0041】
図8は、パネルの第1基板31側の面に画像を表示させる一方、第2基板32側の面に
画像を表示させない場合における発光装置100の具体的な動作を説明するためのタイミ
ングチャートである。図8に示すように、第1走査線駆動回路21は、垂直走査期間内の
m個の水平走査期間(H[1]〜H[m])の各々において第1走査信号GWT[1]〜GWT[m]
を順番にアクティブレベル(ローレベル)に設定することで各第1走査線11を順次に選
択する。第1走査信号GWT[i]のローレベルへの移行は第i行の第1走査線11の選択を
意味する。第1走査信号GWT[i]がローレベルに遷移すると、第i行に属するn個の画素
回路Pの各々の第1スイッチング素子GTが一斉にオン状態に変化する。
一方、第2走査線駆動回路22は非駆動状態となるので、第2走査信号GWB[1]〜GWB
[m]は非アクティブレベル(ハイレベル)に維持される。したがって、各画素回路Pの第
2スイッチング素子GBはオフ状態に維持される。
また、データ線駆動回路23は、各水平走査期間Hで、画像データに応じたデータ電位
VXを生成して各データ線14へ出力する。図8に示すように、第i番目の水平走査期間
H[i]において第j列目のデータ線14に出力されるデータ電位VX[j]の値を、D[i,j]
と表記する。
【0042】
いま、第i行の第j列目の画素回路Pに着目して、発光装置100の動作を説明する。
図8に示すように、垂直走査期間内の第i番目の水平走査期間H[i]が開始すると、第1
走査線駆動回路21は、第i行の第1走査線11に出力する第1走査信号GWT[i]をロー
レベル(アクティブレベル)に設定する。一方、第2走査信号GWB[i]はハイレベル(非
アクティブレベル)に維持される。したがって、図9に示すように、第1スイッチング素
子GTはオン状態に設定される一方、第2スイッチング素子GBはオフ状態に設定される
。また、図8および図9に示すように、データ線駆動回路23は、第j列目のデータ線1
4に出力するデータ電位VX[j]の値を、電位D[i,j]に設定する。さらに、図7および図
9に示すように、電源回路24は、ハイレベルの電位VDDを第1給電線15に出力する
一方、ローレベルの電位VSSを第2給電線16に出力する。本実施形態では、ハイレベ
ルの電位VDDと、第3給電線17に供給される第3電源電位VCTとの電位差は、第1
発光素子E1の発光閾値電圧Vth_el1および第2発光素子E2の発光閾値電圧Vth_el2の
それぞれの値を充分に上回るように設定される。また、ローレベルの電位VSSと、第3
電源電位VCTとの電位差は、第1発光素子E1の発光閾値電圧Vth_el1および第2発光
素子E2の発光閾値電圧Vth_el2のそれぞれの値を充分に下回るように設定される。
【0043】
このとき、第1駆動トランジスタDrTのゲートは、オン状態の第1スイッチング素子
GTを介して第j列目のデータ線14に導通するので、第1駆動トランジスタDrTのゲ
ートの電位VG1は電位D[i,j]に設定される。これにより、当該電位D[i,j]に応じた駆
動電流Id1が第1駆動トランジスタDrTで生成され、その生成された駆動電流Id1が第
1発光素子E1を流れる。第1発光素子E1は、駆動電流Id1に応じた輝度で発光する。
【0044】
一方、第2スイッチング素子GBはオフ状態に設定されるので、第2駆動トランジスタ
DrBのゲートには、第j列目のデータ線14に出力されるデータ電位VX[j]は供給され
ない。また、このとき、第2給電線16に出力される第2電源電位VDDBの値はローレ
ベルの電位VSSに設定され、当該電位VSSと第3電源電位VCTとの電位差は、第2
発光素子E2の発光閾値電圧Vth_el2を下回るので、第2発光素子E2には電流が流れず
に非発光状態となる。例えばこのとき、前回の第2回路Bpの発光時において当該第2回
路Bpに書き込まれていたデータ電位VX[j]が第2容量素子C2によって保持されて第
2駆動トランジスタDrBが導通状態であっても、第2給電線16に供給される電位VS
Sと第3給電線17に供給される第3電源電位VCTとの電位差は発光閾値電圧Vth_el2
を下回るので、第2発光素子E2に電流が流れて発光することはない。したがって、第2
発光素子E2を確実に非発光状態にすることができるとともに、ハイレベルの電位VDD
が各画素回路Pの第1回路Tpおよび第2回路Bpに対して共通に供給される態様に比べ
て消費電力量を低減できる。
【0045】
その後、水平走査期間H[i]が終了して次の第(i+1)番目の水平走査期間H[i+
1]が開始すると、第1走査信号GWT[i]は非アクティブレベル(ハイレベル)に設定さ
れる。したがって、第1スイッチング素子GTはオフ状態に遷移する。ここで、第1スイ
ッチング素子GTがオフ状態になっても、第1駆動トランジスタDrTのゲートの電位V
G1は、第1容量素子C1によって、第i番目の水平走査期間H[i]の終点における電位
D[i,j]に維持されるので、第1発光素子E1には前述の駆動電流Id1が流れ続ける。す
なわち、第1発光素子E1は、次の垂直走査期間内の第i番目の水平走査期間H[i]が開
始するまでの期間、前述の駆動電流Id1に応じた輝度で発光し続けるという具合である。
【0046】
次に、パネルの第2基板32側の面に画像を表示させる一方、第1基板31側の面に画
像を表示させない場合を想定する。この場合、制御回路25は、選択信号SELをローレ
ベルに設定する。したがって、図10に示すように、信号選択回路30のトランジスタT
r2およびTr4はオン状態、トランジスタTr1およびTr3はオフ状態に設定される
ので、第2走査線駆動回路22にはスタートパルスSP(SPB)が出力される一方、第
1走査線駆動回路21に出力されるスタートパルスSPTはローレベルの電位VLに固定
される。つまり、第1走査線駆動回路21にはスタートパルスSPが出力されないので、
第1走査線駆動回路21は非駆動状態となる。
【0047】
また、このとき、図11に示すように、電源切替回路40のトランジスタTr6および
Tr8はオン状態、トランジスタTr5およびTr7はオフ状態に設定されるので、第1
給電線15に出力される第1電源電位VDDTの値はローレベルの電位VSSに設定され
る一方、第2給電線16に出力される第2電源電位VDDBの値はハイレベルの電位VD
Dに設定される。
【0048】
図12は、パネルの第2基板32側の面に画像を表示させる一方、第1基板31側の面
には画像を表示させない場合における発光装置100の具体的な動作を説明するためのタ
イミングチャートである。図12に示すように、第2走査線駆動回路22は、垂直走査期
間内のm個の水平走査期間(H[1]〜H[m])の各々において第2走査信号GWB[1]〜G
WB[m]を順番にアクティブレベル(ローレベル)に設定することで各第2走査線12を順
次に選択する。第2走査信号GWB[i]のローレベルへの移行は第i行の第2走査線12の
選択を意味する。第2走査信号GWB[i]がローレベルに遷移すると、第i行に属するn個
の画素回路Pの各々の第2スイッチング素子GBが一斉にオン状態に変化する。
一方、第1走査線駆動回路21は非駆動状態となるので、第1走査信号GWT[1]〜GWT
[m]は非アクティブレベル(ハイレベル)に維持される。したがって、各画素回路Pの第
1スイッチング素子GTはオフ状態に維持される。
また、データ線駆動回路23は、各水平走査期間Hで、画像データに応じたデータ電位
VXを生成して各データ線14へ出力する。
【0049】
いま、第i行の第j列目の画素回路Pに着目して、発光装置100の動作を説明する。
図12に示すように、垂直走査期間内の第i番目の水平走査期間H[i]が開始すると、第
2走査線駆動回路22は、第i行の第2走査線12に出力する第2走査信号GWB[i]をロ
ーレベル(アクティブレベル)に設定する。一方、第1走査信号GWT[i]はハイレベル(
非アクティブレベル)に維持される。したがって、図13に示すように、第2スイッチン
グ素子GBはオン状態に設定される一方、第1スイッチング素子GTはオフ状態に設定さ
れる。また、図12および図13に示すように、データ線駆動回路23は、第j列目のデ
ータ線14に出力するデータ電位VX[j]の値を、電位D[i,j]に設定する。さらに、図1
1および図13に示すように、電源回路24は、ハイレベルの電位VDDを第2給電線1
6に出力する一方、ローレベルの電位VSSを第1給電線15に出力する。
【0050】
このとき、第2駆動トランジスタDrBのゲートは、オン状態の第2スイッチング素子
GBを介して第j列目のデータ線14に導通するので、第2駆動トランジスタDrBのゲ
ートの電位VG2は電位D[i,j]に設定される。これにより、当該電位D[i,j]に応じた駆
動電流Id2が第2駆動トランジスタDrBで生成され、その生成された駆動電流Id2が第
2発光素子E2を流れる。第2発光素子E2は、駆動電流Id2に応じた輝度で発光する。
【0051】
一方、第1スイッチング素子GTはオフ状態に設定されるので、第1駆動トランジスタ
DrTのゲートには、第j列目のデータ線14に出力されるデータ電位VX[j]は供給され
ない。また、このとき、第1給電線15に出力される第1電源電位VDDTの値はローレ
ベルの電位VSSに設定され、当該電位VSSと第3電源電位VCTとの電位差は、第1
発光素子E1の発光閾値電圧Vth_el1を下回るので、第1発光素子E1には電流が流れず
に非発光状態となる。例えばこのとき、前回の第1回路Tpの発光時において当該第1回
路Tpに書き込まれていたデータ電位VX[j]が第1容量素子C1によって保持されて第
1駆動トランジスタDrTが導通状態であっても、第1給電線15に供給される電位VS
Sと第3給電線17に供給される第3電源電位VCTとの電位差は発光閾値電圧Vth_el1
を下回るので、第1発光素子E1に電流が流れて発光することはない。したがって、第1
発光素子E1を確実に非発光状態にすることができるとともに、ハイレベルの電位VDD
が各画素回路Pの第1回路Tpおよび第2回路Bpに対して共通に供給される態様に比べ
て消費電力量を低減できる。
【0052】
その後、水平走査期間H[i]が終了して次の第(i+1)番目の水平走査期間H[i+
1]が開始すると、第2走査信号GWB[i]は非アクティブレベル(ハイレベル)に設定さ
れる。したがって、第2スイッチング素子GBはオフ状態に遷移する。ここで、第2スイ
ッチング素子GBがオフ状態になっても、第2駆動トランジスタDrBのゲートの電位V
G2は、第2容量素子C2によって、水平走査期間H[i]の終点における電位D[i,j]に
維持されるので、第2発光素子E2には前述の駆動電流Id2が流れ続ける。すなわち、第
2発光素子E2は、次の垂直走査期間内の第i番目の水平走査期間H[i]が開始するまで
の期間、前述の駆動電流Id2に応じた輝度で発光し続けるという具合である。
【0053】
以上に説明したように、本実施形態においては、駆動回路20は、第1基板31側に画
像を表示させる一方、第2基板32側に画像を表示させない場合は、第2給電線16に供
給する第2電源電位VDDBの値を、第2発光素子E2の第2画素電極62と対向電極9
0との間の電圧(第2発光素子E2の両端間の電圧)が発光閾値電圧Vth_el2を下回るよ
うな値に設定するので、第2発光素子E2に電流が流れることはない。したがって、第2
基板32側を確実に非発光状態にすることができるとともに、第1発光素子E1および第
2発光素子E2のそれぞれの発光閾値電圧を上回る電源電圧が第1回路Tpおよび第2回
路Bpに対して共通に供給される態様に比べて消費電力量を低減できる。
【0054】
また、駆動回路20は、第1基板31側に画像を表示させない一方、第2基板32側に
画像を表示させる場合は、第1給電線15に供給する第1電源電位VDDTの値を、第1
発光素子E1の第1画素電極61と対向電極90との間の電圧(第1発光素子E1の両端
間の電圧)が発光閾値電圧Vth_el1を下回るような値に設定するので、第1発光素子E1
に電流が流れることはない。したがって、第1基板31側を確実に非発光状態にすること
ができるとともに、第1発光素子E1および第2発光素子E2のそれぞれの発光閾値電圧
を上回る電源電圧が第1回路Tpおよび第2回路Bpに対して共通に供給される態様に比
べて消費電力量を低減できる。すなわち、本実施形態によれば、第1基板31側および第
2基板32側のうちの何れか一方を選択的に発光させる発光装置において、非発光とすべ
き側の面を確実に非発光状態にしつつ消費電力量を低減できるという利点がある。
【0055】
<B:変形例>
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である
。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
【0056】
(1)変形例1
各画素回路Pに含まれる各種トランジスタの導電型は任意である。上述の実施形態では
、各画素回路Pに含まれる各種トランジスタは全てPチャネル型のトランジスタで構成さ
れているが、これに限らず、例えば各画素回路Pに含まれる各種トランジスタの全てがN
チャネル型であってもよい。また、例えば各画素回路Pに含まれる各種トランジスタのう
ちの一部のトランジスタがPチャネル型で構成され、その他のトランジスタがNチャネル
型で構成されてもよい。
【0057】
(2)変形例2
図14に示すように、第1回路Tpと第2回路Bpとで1本の走査線13を共有すると
ともに、第1回路Tpと第2回路Bpとで1つの容量素子C3を共有する態様であっても
よい。図14では、第i行の第j列目の画素回路Pが例示されている。図14に示すよう
に、第1スイッチング素子GTのゲートおよび第2スイッチング素子のゲートの各々は、
第i行の走査線13に共通に接続される。第i行の走査線13には走査信号GWR[i]が供
給され、第1スイッチング素子GTおよび第2スイッチング素子GBは、走査信号GWR[
i]に応じてオンオフが制御される。この態様では、制御回路25は、上述の信号選択回
路30を具備しない。また、図14に示すように、容量素子C3は、所定の電位GNDが
供給される第1電極L1と、第1駆動トランジスタDrTのゲートおよび第2駆動トラン
ジスタDrBのゲートに接続される第2電極L2とを具備する。
【0058】
図14の態様では、第i行の走査線13が選択されると(走査信号GWR[i]がローレベ
ルに設定されると)、第1スイッチング素子GTおよび第2スイッチング素子GBの両方
が同時にオン状態となり、第1駆動トランジスタDrTおよび第2駆動トランジスタDr
Bのそれぞれのゲートの電位は、第j列目のデータ線14に供給されるデータ電位VX[j
]に設定される。ここで、駆動回路20は、パネルの第1基板31側の面に画像を表示さ
せる一方、第2基板32側の面に画像を表示させない場合は、上述の実施形態と同様に、
第1給電線15に出力する第1電源電位VDDTの値をハイレベルの電位VDDに設定す
る一方、第2給電線16に出力する第2電源電位VDDBの値をローレベルの電位VSS
に設定するので、第1発光素子E1にはデータ電位VX[j]に応じた電流が流れて発光状
態となる一方、第2発光素子E2には電流が流れずに非発光状態となる。
【0059】
また、駆動回路20は、パネルの第2基板32側の面に画像を表示させる一方、第1基
板31側の面に画像を表示させない場合は、上述の実施形態と同様に、第1給電線15に
出力する第1電源電位VDDTの値をローレベルの電位VSSに設定する一方、第2給電
線16に出力する第2電源電位VDDBの値をハイレベルの電位VDDに設定するので、
第2発光素子E2にはデータ電位VX[j]に応じた電流が流れて発光状態となる一方、第
1発光素子E2には電流が流れずに非発光状態となる。すなわち、この態様であっても、
非発光とすべき側の面を確実に非発光状態にしつつ消費電力量を低減できるという利点が
得られる。
【0060】
(3)変形例3
発光素子E(E1およびE2)は、OLED素子であってもよいし、無機発光ダイオー
ドやLED(Light Emitting Diode)であってもよい。要は、電気エネルギーの供給(電
界の印加や電流の供給)に応じて発光する総ての素子を本発明の発光素子として利用でき
る。
【0061】
<C:応用例>
次に、本発明に係る発光装置を利用した電子機器について説明する。図15は、以上に
説明した実施形態に係る発光装置100を表示装置として採用したモバイル型のパーソナ
ルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装
置としての発光装置100と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイ
ッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この発光装置100は発光素
子EにOLED素子を使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
【0062】
図16に、以上に説明した実施形態に係る発光装置100を表示装置として採用した携
帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロ
ールボタン3002、ならびに発光装置100を備える。スクロールボタン3002を操
作することによって、発光装置100に表示される画面がスクロールされる。
【0063】
図17に、以上に説明した実施形態に係る発光装置100を表示装置として採用した携
帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末40
00は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに発光装置10
0を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種
の情報が発光装置10に表示される。
【0064】
なお、本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図15から図17に示し
たもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置
、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、
テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネル
を備えた機器等などが挙げられる。
【符号の説明】
【0065】
10……素子部、11……第1走査線、12……第2走査線、13……走査線、14……
データ線、15……第1給電線、16……第2給電線、17……第3給電線、20……駆
動回路、21……第1走査線駆動回路、22……第2走査線駆動回路、23……データ線
駆動回路、24……電源回路、25……制御回路、30……信号選択回路、31……第1
基板、32……第2基板、40……電源切替回路、100……発光装置、P……画素回路
、Tp……第1回路、Bp……第2回路、E1……第1発光素子、E2……第2発光素子、
DrT……第1駆動トランジスタ、DrB……第2駆動トランジスタ、C1……第1容量
素子、C2……第2容量素子、GT……第1スイッチング素子、GB……第2スイッチン
グ素子、GWT……第1走査信号、GWB……第2走査信号、VX……データ電位、H……水
平走査期間、Tr1〜Tr8……トランジスタ、IV1〜IV4……インバータ、SP,
SPT,SPB……スタートパルス、SEL……選択信号。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置された画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備える発光装置
であって、
前記画素回路は、
第1給電線に対応して設けられた第1回路と、
第2給電線に対応して設けられた第2回路と、を具備し、
前記第1回路は、
前記第1給電線に電気的に接続された第1電極及び前記第1電極に対向する第2電極を
有する第1発光素子と、前記第1電極に電気的に接続された第1駆動トランジスタと、前
記第1駆動トランジスタのゲートの電位を保持するための第1容量素子と、前記第1駆動
トランジスタのゲートとデータ線との間に設けられる第1スイッチング素子と、を含み、
前記第1発光素子の出射光は前記基板の一方の面側から取り出され、
前記第2回路は、
前記第2給電線に電気的に接続された第3電極及び前記第3電極に対向する前記第2電
極を有する第2発光素子と、前記第3電極に電気的に接続された第2駆動トランジスタと

前記第2駆動トランジスタのゲートの電位を保持するための第2容量素子と、前記第2駆
動トランジスタのゲートと前記データ線との間に設けられる第2スイッチング素子と、を
含み、前記第2発光素子の出射光は前記基板の他方の面側から取り出され、
前記駆動回路は、
前記基板の一方の面側に前記第1回路によって画像を表示させる一方、前記基板の他方
の面側に画像を表示させない場合は、
画像データに応じたデータ電位を前記データ線に出力し、前記第1給電線の電位を、前
記第1発光素子の前記第1電極と前記第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾
値電圧を上回るような値に設定し、前記第2給電線の電位を、前記第2発光素子の前記第
3電極と前記第2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値
に設定し、
前記基板の一方の面側に画像を表示させない一方、前記基板の他方の面側に前記第2回
路によって画像を表示させる場合は、
前記データ電位を前記データ線に出力し、前記第1給電線の電位を、前記第1発光素子
の前記第1電極と前記第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を下回る
ような値に設定し、前記第2給電線の電位を、前記第2発光素子の前記第3電極と前記第
2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定する、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記駆動回路は、
前記基板の一方の面側に前記第1回路によって画像を表示させる一方、前記基板の他方
の面側に画像を表示させない場合は、前記第1スイッチング素子をオン状態、前記第2ス
イッチング素子をオフ状態に設定し、
前記基板の一方の面側に画像を表示させない一方、前記基板の他方の面側に前記第2回
路によって画像を表示させる場合は、前記第1スイッチング素子をオフ状態、前記第2ス
イッチング素子をオン状態に設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
各々が第1方向に延在する複数の第1走査線と、
前記複数の第1走査線と1対1に対応して設けられる複数の第2走査線と、
前記第1方向とは異なる第2方向に各々が延在する複数のデータ線と、
前記複数の第1走査線および第2走査線と、前記複数のデータ線との各交差に対応して
配置される複数の画素回路と、
前記各画素回路を駆動する駆動回路と、を具備し、
前記各画素回路は、
基板上に配置され、
第1給電線に対応して設けられた第1回路と、
第2給電線に対応して設けられた第2回路とを備え、
前記第1回路は、前記第1給電線に電気的に接続された第1電極及び前記第1電極に対
向する第2電極を有する第1発光素子と、前記第1電極に電気的に接続された第1駆動ト
ランジスタと、前記第1駆動トランジスタのゲートの電位を保持するための第1容量素子
と、前記第1駆動トランジスタのゲートと前記データ線との間に設けられて前記第1走査
線の選択時に両者を導通させる第1スイッチング素子と、を含み、前記第1発光素子の出
射光は前記基板の一方の面側から取り出され、
前記第2回路は、前記第2給電線に電気的に接続された第3電極及び前記第3電極に対
向する前記第2電極を有する第2発光素子と、前記第3電極に電気的に接続された第2駆
動トランジスタと、前記第2駆動トランジスタのゲートの電位を保持するための第2容量
素子と、前記第2駆動トランジスタのゲートと前記データ線との間に設けられて前記第2
走査線の選択時に両者を導通させる第2スイッチング素子と、を含み、前記第2発光素子
の出射光は前記基板の他方の面側から取り出され、
前記駆動回路は、
前記基板の一方の面側に前記第1回路によって画像を表示させる一方、前記基板の他方
の面側に画像を表示させない場合は、
選択期間ごとに、前記各第1走査線を順番に選択する一方、前記各第2走査線は選択せ
ずに、画像データに応じたデータ電位を前記各データ線へ出力し、前記第1給電線の電位
を、前記第1発光素子の前記第1電極と前記第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の
発光閾値電圧を上回るような値に設定し、前記第2給電線の電位を、前記第2発光素子の
前記第3電極と前記第2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るよ
うな値に設定し、
前記基板の一方の面側に画像を表示させない一方、前記基板の他方の面側に前記第2回
路によって画像を表示させる場合は、
選択期間ごとに、前記各第2走査線を順番に選択する一方、前記各第1走査線は選択せ
ずに、前記データ電位を前記データ線に出力し、前記第1給電線の電位を、前記第1発光
素子の前記第1電極と前記第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を下
回るような値に設定し、前記第2給電線の電位を、前記第2発光素子の前記第3電極と前
記第2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定する

ことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載の発光装置を具備する電子機器。
【請求項5】
基板上に配置された画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを備え、前記画素
回路は、第1給電線に対応して設けられた第1回路と、第2給電線に対応して設けられた
第2回路と、を具備し、前記第1回路は、前記第1給電線に電気的に接続された第1電極
及び前記第1電極に対向する第2電極を有する第1発光素子と、前記第1電極に電気的に
接続された第1駆動トランジスタと、前記第1駆動トランジスタのゲートの電位を保持す
るための第1容量素子と、を含み、前記第1発光素子の出射光は前記基板の一方の面側か
ら取り出され、前記第2回路は、前記第2給電線に電気的に接続された第3電極及び前記
第3電極に対向する前記第2電極を有する第2発光素子と、前記第3電極に電気的に接続
された第2駆動トランジスタと、前記第2駆動トランジスタのゲートの電位を保持するた
めの第2容量素子と、を含み、前記第2発光素子の出射光は前記基板の他方の面側から取
り出される構成の発光装置の駆動方法であって、
前記基板の一方の面側に前記第1回路によって画像を表示させる一方、前記基板の他方
の面側に画像を表示させない場合は、
前記第1駆動トランジスタのゲートの電位を、画像データに応じたデータ電位に設定し
、前記第1給電線の電位を、前記第1発光素子の前記第1電極と前記第2電極との間の電
圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を上回るような値に設定し、前記第2給電線の電位
を、前記第2発光素子の前記第3電極と前記第2電極との間の電圧が当該第2発光素子の
発光閾値電圧を下回るような値に設定し、
前記基板の一方の面側に画像を表示させない一方、前記基板の他方の面側に前記第2回
路によって画像を表示させる場合は、
前記データ電位を前記データ線に出力し、前記第1給電線の電位を、前記第1発光素子
の前記第1電極と前記第2電極との間の電圧が当該第1発光素子の発光閾値電圧を下回る
ような値に設定し、前記第2給電線の電位を、前記第2発光素子の前記第3電極と前記第
2電極との間の電圧が当該第2発光素子の発光閾値電圧を下回るような値に設定する、
ことを特徴とする駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−221070(P2011−221070A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86763(P2010−86763)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】