説明

発毛剤の製造方法及び発毛剤

【課題】 従来、薄毛、抜け毛を抑制改善し、発毛、育毛を促し、しかも、人体に悪影響を与えることもなく、安価で提供することのできる発毛剤は存在していなかったという点である。
【解決手段】 生姜の根茎を輪切りとしたものを複数枚用意し、それを乾燥させ、その乾燥させた生姜の根茎の輪切りとしたものを、乾燥生姜根茎の合計重量の25〜30倍の重量の硬水中に入れ、約1気圧、約摂氏100度の条件の下で約3分〜4分煎じ、その煎じ液から不純物を除去した上澄み液を消毒用エタノール液と混合させ、この混合液からさらに不純物を除去し、この原液中に生きたムカデを入れ、略1週間後にそのムカデを取り除くこととし、得られた発毛剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発毛剤の製造方法及び発毛剤に関し、特に人体の頭髪の抜け毛、薄毛を改善し、新たな頭髪の育成を促す発毛剤の製造方法及び発毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従前から、薄毛、抜け毛に悩む人々は多く、遺伝であるとの考え方もあったが、現在では、薄毛、抜け毛は遺伝性のものではないことが判明している。遺伝するものは、毛質や頭髪の生える状況、頭部の脂性等であり、薄毛、抜け毛は頭皮に生じた外傷と理解し、この外傷を治癒することが、薄毛、抜け毛の予防の原点となり、新たな発毛、育毛の要因となる。
【0003】
また、現在では、薄毛、抜け毛の治癒改善のため、経口薬の投与等も行なわれているが、この経口薬は生涯継続する必要性を有するもので、経済的にも大きな負担となってしまうものである。
【0004】
さらに、発毛剤、育毛剤として、頭皮に散布、塗布するものも種々知られているが、実情としてその効果はあまり上がらず、継続使用もあまりされることがないものとなっている。
【特許文献1】発明者は、本願発明について、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し、あるいは類似すると思われる文献を発見することはできなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、薄毛、抜け毛を抑制改善し、発毛、育毛を促し、しかも、人体に悪影響を与えることもなく、安価で提供することのできる発毛剤は存在していなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した問題点を解決するため、本発明は生姜の根茎を輪切りとしたものを複数枚用意し、それを乾燥させ、その乾燥させた生姜の根茎の輪切りとしたものを、乾燥生姜根茎の合計重量の25〜30倍の重量の硬水中に入れ、約1気圧、約摂氏100度の条件の下で約3分〜4分煎じ、その煎じ液から不純物を除去した上澄み液を消毒用エタノール液と混合させ、この混合液からさらに不純物を除去し、この原液中に生きたムカデを入れ、略1週間後にそのムカデを取り除くことを特徴としている。
【0007】
また、本発明は前記した生姜の根茎の輪切りは約2mm程度の厚さとすることを特徴とし、前記した硬水の総硬度は60〜80とすることを特徴とし、前記した煎じ液から不純物を除去する手段は遠心分離、濾過あるいは自然沈殿とし、自然沈殿の場合は所用時間は24〜48時間以上とすることを特徴とし、前記した上澄み液と消毒用エタノール液の混合比は上澄み液10に対し、消毒用エタノール液7とすることを特徴とし、前記した混合液から不純物を除去する手段は遠心分離、濾過あるいは自然沈殿とし、自然沈殿の場合は所用時間を48〜72時間以上とすることを特徴とし、前記した原液に入れるムカデは一匹とすることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係る発毛剤は請求項1乃至請求項7に記載した方法によって得られることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る発毛剤の製造方法及び発毛剤は上記のように構成されている。そのため、材料が非常に入手し易く、しかも安価であり、工場での大量生産のほか、個人的にでも製造することが可能である。加えて、発毛、育毛を促すための成分のほか、炎症を抑える成分も混入されており、頭皮を保護しつつ、短期間での効果が得られるもので、完成発毛剤は常温の下で1年以上の長期に亘る保存に耐え、その保存に関して安定剤の必要もないものとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施例に記した構成とすることで実現した。
【実施例1】
【0011】
次に、本発明の実施例を説明する。まず、生姜を用意する。この生姜は農薬、漂白剤等が付着しないものが望ましく、特に2年物が最適である。生姜の根茎は生薬としてショウキョウと称され主成分はジンギベロールで、ほかにセスキテルペン、モノテルペン、辛味成分として結晶性のジンゲロン、油性のショウガオール等を含んでいる。この生姜根茎(ショウキョウ)は健胃、食欲増進のほか、本発明での必要要素となる新陳代謝機能促進効果を有している。
【0012】
前記した生姜の根茎を約2mm程度の厚さで輪切りにし、この輪切りとした生姜根茎を元来の重量の約10%程度の重さになるまで乾燥させる。この乾燥のための手段は天日による自然乾燥のほか、人工的にガス熱や電気熱を与えることとしてもよい。
【0013】
この乾燥生姜根茎を総硬度(カルシウムイオンとマグネシウムイオンの総計)が60〜80の硬水に入れる。この硬水の量は乾燥生姜根茎の重量の25〜30倍の重量とする。この硬水に入れた乾燥生姜根茎を約1気圧、約摂氏100度の条件下で3分〜4分程煎じる。この煎じることで水分の蒸発及び滅菌を行ない、生姜を取り除いて乾燥生姜根茎重量の約20倍重量の煎じ液を得る。
【0014】
こうして得られた煎じ液から不純物を取り除く。この取り除く方法としては遠心分離、濾過や自然沈殿があるが、自然沈殿の場合には約24〜48時間以上を目途とし、不純物が沈殿したことを確認し、澄んだ状態の上澄み液を取り出す。
【0015】
次いで、前記した上澄み液を用いて発毛剤原液の製造を行なう。この原液は前記した上澄み液と消毒用エタノール液を混合することによって得られる。ここでの消毒用エタノール液は市販のものでよく、特に、摂氏15度においてエタノール成分が76.9%〜81.4%となるものがよい。混合比率は、上澄み液10に対し、消毒用エタノール液を7とする。
【0016】
前記した生姜から抽出された成分がエタノール液に溶融し、毛穴に浸透し易くするとともに、塗布、散布される液の乾燥を早める効果も得ることができる。
【0017】
また、この混合液からさらに不純物を取り除く、この不純物を取り除く方法としては遠心分離、濾過あるいは自然沈殿があるが、自然沈殿の場合は約48〜72時間以上を目途とし、不純物が沈殿したことを確認して澄んだ上澄み液を取り出す。
【0018】
前記した生姜根茎を煎じた上澄み液に含有される生姜根茎成分のエタノール液への溶融が進むと、液体の色は琥珀色あるいは茜色に変化していく。この色が変化した状態の液を発毛剤の原液とする。
【0019】
さらに、この発毛剤原液の状態ではエタノール液の頭皮への影響が強すぎ、炎症を生じてしまい、頭皮が剥げてしまうこともあり得る。頭皮が残った部分でも生え始めた毛が成長せず、一定の期間経過で抜け落ちてしまい、抜け毛が進行している薄毛パターンO型、M型、その融合したU型のように深く剥離した頭皮では効果がない。
【0020】
そこで、皮下組織の再生効果、即ち、切り傷、火傷等の怪我に用いて皮膚を再生させるものとして古来用いられているムカデの毒を活用する。従来、油にムカデを入れ、毒を吐き出させたものを傷口、炎症部に塗布すると痕跡なく皮膚を再生することが知られている。
【0021】
ムカデは顎肢と呼ばれる牙から、毒液を出すが、この毒素の内容は活性アミン、低分子ペプチド、特にアレルギーを引き起こす酵素類である。活性アミン、特にアミンはアンモニアの水素原子を炭化水素基で置換したものであるが、生命体に不可欠のもので、これをより活性化するものが活性アミンで細胞の活性化を促す。
【0022】
また、低分子ペプチドは脂肪吸収阻害作用、脂肪代謝促進作用も加わって、脂肪代謝、基礎代謝をアップさせる効用を有する。
【0023】
そこで、前記した発毛剤の原液約200〜500cc程の量に生きているムカデを一匹入れて、毒液を吐出させる。ムカデを入れてから約1週間を経過した液体からムカデを取り除き、発毛剤の完成となる。尚、ここでムカデは特に品種を問わず、国内産、国外産も問わない。
【0024】
こうして得られた発毛剤の使用方法は、毎日の洗髪後に髪、頭皮を乾かし、1日1回以上発毛剤を塗布する。この患部(薄毛、抜け毛部分)への継続的な塗布によって抜け毛の減少や発毛の効果は約1週間後に見られるようになる。この実効性は発明者自らが使用し、その効果を得ている。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本願に係る発毛剤の製造方法及び発毛剤は上記のように構成されている。最終的に使用されるムカデの毒性はハチの毒性、特に雌のハチのしっぽに産卵管が変化した毒針より射出される毒と近似しており、ムカデに代えて、ハチを利用することも可能となる。この場合、発明者は未実験であるので詳細は不明であるが、複数匹の生きたハチの原液への投入が必要となると想定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生姜の根茎を輪切りとしたものを複数枚用意し、それを乾燥させ、その乾燥させた生姜の根茎の輪切りとしたものを、乾燥生姜根茎の合計重量の25〜30倍の重量の硬水中に入れ、約1気圧、約摂氏100度の条件の下で約3分〜4分煎じ、その煎じ液から不純物を除去した上澄み液を消毒用エタノール液と混合させ、この混合液からさらに不純物を除去し、この原液中に生きたムカデを入れ、略1週間後にそのムカデを取り除くことを特徴とする発毛剤の製造方法。
【請求項2】
前記した生姜の根茎の輪切りは約2mm程度の厚さとすることを特徴とする請求項1に記載の発毛剤の製造方法。
【請求項3】
前記した硬水の総硬度は60〜80とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発毛剤の製造方法。
【請求項4】
前記した煎じ液から不純物を除去する手段は遠心分離、濾過あるいは自然沈殿とし、自然沈殿の場合は所用時間は24〜48時間以上とすることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の発毛剤の製造方法。
【請求項5】
前記した上澄み液と消毒用エタノール液の混合比は上澄み液10に対し、消毒用エタノール液7とすることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の発毛剤の製造方法。
【請求項6】
前記した混合液から不純物を除去する手段は遠心分離、濾過あるいは自然沈殿とし、自然沈殿の場合は所用時間を48〜72時間以上とすることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の発毛剤の製造方法。
【請求項7】
前記した原液に入れるムカデは一匹とすることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の発毛剤の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7に記載した方法によって得られることを特徴とする発毛剤。

【公開番号】特開2008−115082(P2008−115082A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297293(P2006−297293)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(505030258)有限会社シャオユーホールディングス (2)
【Fターム(参考)】