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発泡ゴムローラ及び発泡ゴムローラの製造方法
説明

発泡ゴムローラ及び発泡ゴムローラの製造方法

【課題】アンモニアによる画像不良の発生を抑制し、成形加工性に優れ、低コストで高発泡な発泡ゴムローラを提供する。
【解決手段】芯金の外周上に少なくとも1層以上の発泡ゴム層を有する発泡ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層が、少なくともエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、平均粒子径90nm以上150nm以下のカーボンブラックおよびp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを含有するゴム組成物で形成されていることを特徴とする発泡ゴムローラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡ゴムローラに関し、さらに詳しくは、アンモニアの発生が無く、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリなどの電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置用の部材として好適に使用される発泡ゴムローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置に用いる帯電ローラ、転写ローラ等のゴムローラは、装置の高速化、良画質化に応えるために、感光体との当接により一様なニップ幅を保つことが要求されており、芯金の外周上の弾性体層に発泡ゴムが用いられた発泡ゴムローラが使用されている。このような発泡ゴムローラとしては、例えば以下のようにして製造されている。まず、ゴム組成物として、各種原料ゴムに発泡剤、発泡助剤(尿素)、カーボンブラック等のフィラー類、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤等を加えたもの調製する。原料ゴムには、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等が用いられる。このゴム組成物を混練りしたものを所定の形状に押出した後、熱風炉やマイクロ波加硫装置(UHF)を用い発泡加硫する工程を経て、発泡ゴムが製造される。また、ゴム組成物を金型を用いて発泡加硫する工程を経て、発泡ゴムが製造される。そして、発泡ゴムを芯金の外周上に接着することで、発泡ゴムローラが得られる。また、工程を簡略化するため、あらかじめ必要部分に接着剤を塗布した芯金上に上記ゴム組成物を配置し、芯金上で発泡加硫と接着を同時に行う工程によっても発泡ゴムローラが得られる。
【0003】
また、近年の発泡ゴムローラは、高発泡化される傾向にある。例えば、(加硫・発泡前のゴム密度)÷(加硫・発泡後のゴム密度)で計算した発泡倍率が、2.5倍以上を示していることが好ましい(ゴム密度:加硫ゴム−密度測定(JIS K 6268)(ISO 2781))。
【0004】
高発泡化の要求は、感光体への当接による一様なニップ幅を保ちやすくし、さらなる品質向上を図るばかりでなく、高発泡化によって使用ゴム材料の低減が可能となり、コストダウンが見込まれることからも高まっている。
【0005】
このような発泡ゴムローラに使用される発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンヒドラジド(DPT)等が知られている(特許文献1)。
【0006】
また、高発泡化に関しては、高ムーニー粘度のEPDM生ゴムを用い、かつ、カーボン、シリカ等の補強剤を実質的に添加しないことで、発泡倍率2.5倍以上に高発泡化した発泡ゴムローラが得られることが知られている(特許文献2)。高ムーニー粘度のEPDM生ゴムとは、非油展の生ゴムであり、エチレン含有量が58%以上の場合にはムーニー粘度ML1+4(100℃)が50以上のもの、エチレン含有量が58%未満の場合はムーニー粘度ML1+4(100℃)が80以上のものである。
【特許文献1】特開平10−221930号公報
【特許文献2】特開2005−061467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、DPTは、安価であり発泡ガス量が多くスポンジゴム適した発泡剤であるが、易燃性であるという欠点をもっている。また、ADCAは、安価で発生ガス量も多く、自己消化性であり安全性に優れた化合物であるため広く使用されているが、発泡ゴム中のADCAの分解残渣からアンモニアが発生し感光体を汚染して画像不良を引き起こす場合があるという問題点がある。
【0008】
これに対して、OBSHは、そのもの自身の分解温度が約160℃と低く、発泡剤として単独使用可能なものであり、かつ単独使用した場合アンモニアを発生しない。しかしながら、OBSHの発泡分解時に発生する酸性物質により加硫阻害が生じ架橋密度が上がり難くなり、発泡ガスが抜けてしまうガス抜け現象が発生し、高発泡化が困難になるという欠点をもっている。特許文献1では、これに対しては何ら検討されていない。
【0009】
また、特許文献2の発泡ゴムローラは、カーボン、シリカ等の補強剤を実質的に添加していないため、ゴム分率が高くなり成形加工性が悪い、ゴム材料コストが高いなどの問題があり、実際に使用するにはこれらの問題を解決する必要がある。
【0010】
本発明はこれらの点を鑑みてなされたものであり、アンモニアによる画像不良の発生を抑制し、成形加工性に優れ、低コストで高発泡な発泡ゴムローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は以下により達成される。
【0012】
芯金の外周上に少なくとも1層以上の発泡ゴム層を有する発泡ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層が、少なくともエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、平均粒子径90nm以上150nm以下のカーボンブラックおよびp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを含有するゴム組成物で形成されていることを特徴とする発泡ゴムローラである。
【0013】
該エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの質量平均分子量が60万以上100万以下であることが好ましい。このとき、該ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、該ゴム組成物に含まれるエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムが10質量部以上100質量部以下であることが好ましい。
【0014】
該エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのエチレン含有量が60質量%以上75質量%以下であることが好ましい。このとき、該エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(100℃、ML1+4)が70以上190以下であり、かつ、該エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのジエン含有量が9質量%以上15質量%以下であることが好ましい。また、該ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、該ゴム組成物に含まれるエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムが60質量部以上100質量部以下であることが好ましい。
【0015】
該ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、該ゴム組成物に含まれるp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドが1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。また、該ゴム組成物がさらに炭酸カルシウムを含有し、該ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、該ゴム組成物に含まれる炭酸カルシウムが20質量部以上80質量部以下であることが好ましい。該発泡ゴム層の外周上に少なくとも1層以上の導電性機能層が形成されていてもよい。
【0016】
上記発泡ゴムローラは、押出し機を用いて該ゴム組成物を押出すと同時に、連続的に該芯金を押出し機のクロスヘッドダイを通過させて、該芯金の外周上に該ゴム組成物を配置せしめた後、該ゴム組成物を発泡加硫することを特徴とする方法により好適に製造できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、アンモニアによる画像不良の発生を抑制し、成形加工性に優れ、低コストで高発泡な発泡ゴムローラを提供できる。この発泡ゴムローラは、電子写真装置や静電記録装置の部材として用いることができ、工業的価値は高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
前述のように、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)は単独使用が可能であり、単独使用した場合にアンモニアを発生しない。しかしながら、OBSHの発泡分解時に発生する酸性物質により加硫阻害が生じ架橋密度が上がり難くなり、発泡ガスが抜けてしまうガス抜け現象が発生し、高発泡化が困難になるという欠点をもっている。
【0020】
本発明者らが鋭意研究した結果、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、平均粒子径90〜150nmのカーボンブラックを含有するゴム組成物を用いることで、OBSHの単独使用であっても発泡倍率が高くなることを見出した。したがって、本発明では、少なくともエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、平均粒子径90nm以上150nm以下のカーボンブラックおよびp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを含有するゴム組成物を使用する。このゴム組成物を用いること以外は、特に限定するものではない。
【0021】
ここで、本発明者らが鋭意研究した結果、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムが以下の(1)または(2)の条件を満たすことで、OBSHの単独使用であっても発泡倍率が2.5倍以上の非常に高発泡な発泡ゴムローラを得られることを見出した。
(1)質量平均分子量60万〜100万である。
(2)エチレン含有量60〜75質量%である。
【0022】
条件(1)に関して、質量平均分子量60万〜100万のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムを使用することで、高発泡化が可能になる理由は定かでないが、以下のように推測をされる。質量平均分子量60万〜100万であるエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムは比較的に高分子タイプに分類される。ただし、単に質量平均分子量が高いだけでは発泡ガス抜けが生じるため、高発泡化は困難である。ところが、同時にゴム用カーボンブラックとしては補強性が極めて低い平均粒子径90〜150nmのカーボンブラックを併用することで、若干であるがゴムの補強性が増し発泡ガスのガス抜けを押さえ込むことができる絶妙のバランスとなる。そして、高度な高発泡化が可能となると考えられる。
【0023】
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの質量平均分子量が60万未満のものは、平均粒子径90〜150nmのカーボンブラックを併用しても発泡倍率が2.5倍以上になりにくい。質量平均分子量が100万を超えるものは、一般的に市販されているものが少なく、特注品を使用せざるを得ないため現実的ではない。また、質量平均分子量80万を超えると、押出し時のゴム収縮が大きくなるなどのゴム成形加工性が悪くなる傾向があるため、より最適な質量平均分子量は65〜80万である。この範疇にあると高度な高発泡化とゴム成形加工性の両立が容易となる。
【0024】
条件(2)に関して、エチレン含有量60〜75質量%のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムを使用することで、高発泡化が可能になる理由は定かでないが、以下のように推測をされる。エチレン含有量60〜75質量%のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムは高エチレン含有タイプに分類され、発泡剤の分解時のゴム粘度は高エチレン含有タイプの方が低くなる。ただし、単にゴム粘度が低いだけでは発泡ガス抜けが生じるため、高発泡化は困難である。ところが、同時にゴム用カーボンブラックとしては補強性が極めて低い平均粒子径90〜150nmのカーボンブラックを併用することで、若干だがゴムの補強性が増し発泡ガスのガス抜けを押さえ込むことができる絶妙のバランスとなる。そして、高度な高発泡化が可能となると考えられる。
【0025】
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのエチレン含有量が60質量%未満のものは、平均粒子径90〜150nmのカーボンブラックを併用しても発泡倍率が2.5倍以上になりにくい。エチレン含有量75質量%を超えるものは、一般的に市販されているものが少なく、特注品を使用せざるを得ないため現実的ではない。また、エチレン含有量が70質量%を超えると、押出し時のゴム収縮が大きくなるなどのゴム成形加工性が悪くなる傾向があるため、より最適なエチレン含有量は60〜70質量%である。この範疇にあると高度な高発泡化とゴム成形加工性の両立が容易となる。
【0026】
また、条件(2)の場合、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(100℃、ML1+4)は70〜190が好ましく、より好ましくは70〜150であり、さらに好ましくは70〜100である。この範疇にあると、より高度な高発泡化が容易になる。ムーニー粘度が70未満や190を超えるものは、成形加工性が悪くなりやすい。
【0027】
さらに、条件(2)の場合、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのジエン含有量は9〜15質量%が好ましく、より好ましくは9.0〜13.0質量%である。ジエン含有量が9質量%未満であると、圧縮永久歪が悪化しやすい。ジエン含有量が15質量%を超えると、加硫が速くなり、スコーチしやすくなるなど、成形加工上で問題となりやすい。
【0028】
本発明で使用するゴム組成物は、ゴム成分として、上記のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム以外の他のゴムを含有していてもよい。他のゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等が用いられる。
【0029】
ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの含有量は、10〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜100質量部である。この含有量が10質量部未満であると、発泡倍率が高くなりにくい。特に、前記条件(1)を満たす場合には、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの含有量は、10〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部である。この含有量が10質量部未満であると、発泡倍率が2.5倍以上になりにくい。また、前記条件(2)を満たす場合には、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの含有量は、60〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは70〜100質量部である。この含有量が60質量部未満であると、発泡倍率が2.5倍以上になりにくい。
【0030】
本発明で使用するゴム組成物は、平均粒子径90〜150nmのカーボンブラックを含有する。カーボンブラックの平均粒子径は90〜130nmがより好ましい。平均粒子径が90nm未満では、ゴムの補強性が増しやすく、高発泡化が困難になる。平均粒子径が150nmを超えると、一般的に市販されているものが少なく、特注品を使用せざるを得ないため現実的ではない。ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、カーボンブラックの含有量は、10〜100質量部が好ましい。この範疇にあると、高発泡化が容易になる。なお、本明細書で言う「平均粒子径」とは、カーボンブラック凝集体を構成する小さな球状(微結晶による輪郭を有し、分離できない)成分を電子顕微鏡により測定、算術した平均粒子径のことである(参考文献:カーボンブラック協会 Carbon Black年鑑 1998、No.48 114ページより)。本発明で使用するゴム組成物は、発泡剤としてOBSHを含有する。ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、OBSHの含有量は、1〜20質量部が好ましく、より好ましくは4〜10質量部である。この範疇にあると発泡倍率が安定しやすい傾向にある。OBSHの含有量が1質量部未満であると発泡が不十分になりやすく、20質量部を超えて含有しても、発泡倍率を上げる効果はなく、無駄になる場合がある。
【0031】
また、本発明で使用するゴム組成物は、平均粒子径90〜150nmのカーボンブラック以外の他のゴム用カーボンブラックを導電性、あるいは加工性等や増量充填の目的から、併用して添加することは特に制限されるものではない。例えば、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボンブラックを添加してもよい。ただし、ゴムの補強性が著しく上がってしまうと高発泡化が困難になるため、ゴム組成物が含有するカーボンブラックの総量を100質量部としたとき、他のゴム用カーボンブラックの含有量は20質量部以下が好ましいと考えられる。
【0032】
本発明で使用するゴム組成物は、炭酸カルシウム、クレー類、炭酸マグネシウム、シリカ、珪酸マグネシウム、タルク等の各種フィラー類を添加しても高発泡化が可能であることが特徴である。各種フィラー類の中でも成形加工性の向上やゴム材料コストの低減に効果が大きい炭酸カルシウムを含有することがより好ましい。炭酸カルシウムの含有量は、ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、20〜80質量部が好ましく、より好ましくは30〜50質量部である。炭酸カルシウムの含有量が20質量部未満であるとゴム材料コスト下げる効果が薄くなるばかりか、成形加工性も悪くなる傾向にある。炭酸カルシウムの含有量が100質量部を超えると、ゴム物性が極端に悪くなる傾向にある。
【0033】
本発明で使用するゴム組成物には、加硫剤として、種々のものを用いることができるが、ゴム組成物の発泡及び加硫の制御を容易に行うことができる点から、イオウ加硫系が好ましい。加硫剤の添加量は、ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、1〜5質量部が好ましい。
【0034】
本発明で使用するゴム組成物には、上記の添加剤以外に、亜鉛華,ステアリン酸等の加硫促進助剤、パラフィン系プロセスオイル等の軟化剤、スコーチ防止剤、粘着付与剤、その他ゴム用添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0035】
本発明の発泡ゴムローラは、芯金の外周上に少なくとも1層以上の発泡ゴム層を有する発泡ゴムローラであって、その発泡ゴム層が、前記のゴム組成物で形成されている発泡ゴムローラである。
【0036】
本発明の発泡ゴムローラは、さらなる表面平滑性の向上や抵抗調整や保護を目的として発泡ゴム層の外周上に少なくとも1層以上の導電性機能層を設けてもかまわない。例えば、発泡ゴム層の外周面に抵抗調整層として、ゴムや樹脂等によるチューブ層、塗装による導電層を形成しても差し支えない。
【0037】
本発明の発泡ゴムローラの製造方法としては、各種加工方法が採用可能である。中でも、押出し機を用いて前記のゴム組成物を押出すと同時に、連続的に芯金を押出し機のクロスヘッドダイを通過させて、芯金の外周上にゴム組成物を配置せしめた後、ゴム組成物を発泡加硫する方法が、コストの観点から好ましい。発泡加硫方法は、特に限定するものではないが、連続式の熱風炉を用いてなされることが好ましい。連続式の熱風炉は、押出し機と連結して生産することが可能であり、金型等を用いて生産する場合に比べて装置及び金型コスト上有利になる。他の方法としては、あらかじめチューブ状の発泡ゴムを製造した後、その発泡ゴムを芯金の外周上に接着することで、発泡ゴムローラを製造することができる。チューブ状の発泡ゴムの製造は、ゴム組成物を混練りしたものを所定の形状に押出した後、熱風炉やマイクロ波加硫装置(UHF)を用い発泡加硫する工程や、ゴム組成物を金型を用いて発泡加硫する工程により行うことができる。
【0038】
本発明の発泡ゴムローラは、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリなどの電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置用の部材、特に帯電ローラ、転写ローラ等のゴムローラとして好適に使用される。
【実施例】
【0039】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例により、なんら限定されるものではない。なお、各例で得られた発泡ゴムローラの物性は、以下の方法に従って測定した。
【0040】
〔質量平均分子量〕
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)〔装置:HLC−8120GPC、東ソー(株)製商品名〕用いて測定した。
【0041】
〔ムーニー粘度〕
JIS K 6395に準じて測定をした。測定温度は100℃とした。
【0042】
〔押出加工性〕
クロスヘッド押出し機にて芯金と同時にゴム組成物を押出した後のゴム組成物(発泡ゴム層)と芯金との密着性及び発泡ゴム層表面を目視観察した。「良好」は、密着性、ゴム表面とも良好なもの、「可」は、密着性、ゴム表面の一方がやや劣るが、製品特性上は問題レベル、「不良」は、密着性、ゴム表面の少なくとも一方が劣り、製品特性上問題のあるレベルとした。
【0043】
〔発泡倍率〕
(加硫・発泡前のゴム密度)÷(加硫・発泡後のゴム密度)で計算した(ゴム密度:加硫ゴム−密度測定(JIS K 6268)(ISO 2781))。
【0044】
〔硬度(アスカーC)〕
JIS S 6050に準じたスポンジ用スプリング式硬度計[アスカーC型硬度計、測定荷重500g、高分子計器(株)製]を用いて測定した。
【0045】
〔実施例1〕
・エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM) 120質量部
(油展分20質量部含む)
[商品名:エスプレン7456、住友化学(株)製、質量平均分子量60万]
・酸化亜鉛 5質量部
[商品名:亜鉛華2種、白水テック(株)製]
・ステアリン酸 1質量部
[商品名:ルナックS−20、花王(株)製]
・導電性カーボンブラック 10質量部
[商品名:ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製、平均粒子径30nm]
・カーボンブラック 30質量部
[商品名:旭#15、旭カーボン(株)社製、平均粒子径120nm]
・炭酸カルシウム 40質量部
[商品名:スーパーSS、丸尾カルシウム(株)製]
・パラフィンオイル 70質量部
[商品名:ダイアナプロセスオイルPW−380、出光興産(株)製]
・モルホリノジチオ化合物(MDB) 2質量部
[商品名:ノクセラーMDB、大内振興化学工業(株)製]
・2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT) 2質量部
[商品名:ノクセラーM、大内振興化学工業(株)製]
・ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT) 2質量部
[商品名:ノクセラーTRA、大内振興化学工業(株)製]
・硫黄 2質量部
[商品名:サルファックスPMC、鶴見化学工業(株)製]
・p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH) 8質量部
[商品名:ネオセルボン1000S、永和化成工業(株)製]
以上の成分を混錬りし、ゴム組成物を作製した。
【0046】
次に、φ40mmのクロスヘッド押出し機を用いて前記のゴム組成物を押出すと同時に、連続的にホットメルト接着剤[商品名:スリーボンド3315E、スリーボンド(株)製]を塗布したφ6mmの芯金を押出し機のクロスヘッドダイを通過させた。こうすることで、芯金の外周上にゴム組成物を配置せしめてローラ形状にした後、200℃で30分間熱風炉に投入して加硫を行い、芯金の外周上に発泡ゴム層を形成した未研削の発泡ゴムローラを作製した。この未研削の発泡ゴムローラを、研磨砥石GC80を取り付けた研削機にセットし、研削条件として回転速度2000RPM、送り速度500m/分で外径がφ12mmになるように研削し、発泡ゴムローラを作製した。
【0047】
〔実施例2〕
実施例1のゴム組成物において、EPDMを質量平均分子量90万のエスプレン600F(商品名、住友化学(株)製)200質量部(油展分100質量部を含む)に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0048】
〔実施例3〕
実施例1のゴム組成物において、カーボンブラックを平均粒子径90nmの旭#51(商品名、旭カーボン(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0049】
〔実施例4〕
実施例1のゴム組成物において、炭酸カルシウムを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、発泡ゴムローラを作製した。
【0050】
〔実施例5〕
実施例1のゴム組成物において、EPDMを質量平均分子量60万のEPT4070(商品名、三井化学(株)製)100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0051】
〔比較例1〕
実施例1のゴム組成物において、カーボンブラックを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0052】
〔比較例2〕
実施例1のゴム組成物において、カーボンブラックを平均粒子径65nmの旭#55(商品名、旭カーボン(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0053】
〔比較例3〕
実施例1のゴム組成物において、カーボンブラックを平均粒子径45nmの旭#60(商品名、旭カーボン(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0054】
〔実施例6〕
実施例1のゴム組成物において、EPDMをエスプレン586(商品名、住友化学(株)製)100質量部に変更し、パラフィンオイルの使用量を80質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0055】
〔実施例7〕
実施例5のゴム組成物において、EPDMをエスプレン512F(商品名、住友化学(株)製)に変更した以外は、実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0056】
〔実施例8〕
実施例5のゴム組成物において、EPDMをエスプレン606F(商品名、住友化学(株)製)120質量部(油展分20質量部を含む)に変更した以外は実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0057】
〔実施例9〕
実施例5のゴム組成物において、カーボンブラックを平均粒子径90nmの旭#51(商品名、旭カーボン(株)製)に変更した以外は、実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0058】
〔実施例10〕
実施例5のゴム組成物において、炭酸カルシウムを使用しなかった以外は、実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0059】
〔実施例11〕
実施例5のゴム組成物において、EPDMをエスプレン505(商品名、住友化学(株)製)に変更した以外は、実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0060】
〔実施例12〕
実施例5のゴム組成物において、EPDMをEPT4070(商品名、三井化学(株)製)に変更した以外は、実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0061】
〔比較例4〕
実施例5のゴム組成物において、カーボンブラックを使用しなかった以外は、実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0062】
〔比較例5〕
実施例5のゴム組成物において、カーボンブラックを平均粒子径65nmの旭#55(商品名、旭カーボン(株)製)に変更した以外は、実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0063】
〔比較例6〕
実施例5のゴム組成物において、カーボンブラックを平均粒子径45nmの旭#60(商品名、旭カーボン(株)製)に変更した以外は、実施例5と同様にして発泡ゴムローラを作製した。
【0064】
以上の結果を表1及び2に示す。本発明に係る実施例1〜12では、押出加工性に優れ、発泡倍率の高い発泡ゴムローラが得られることが分かる。また、発泡剤としてp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを使用しているため、発泡ゴムローラからのアンモニアの発生による画像不良を引き起こすこともない。そして、発泡倍率が高いことから、コストを低減できる。一方、カーボンブラックを使用していない比較例1及び4では、押出加工性が悪かった。また、カーボンブラックの平均粒子径が小さい比較例2、3、5及び6では、発泡倍率が低かった。
【0065】
【表1】

【0066】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯金の外周上に少なくとも1層以上の発泡ゴム層を有する発泡ゴムローラにおいて、該発泡ゴム層が、少なくともエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、平均粒子径90nm以上150nm以下のカーボンブラックおよびp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを含有するゴム組成物で形成されていることを特徴とする発泡ゴムローラ。
【請求項2】
該エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの質量平均分子量が60万以上100万以下であることを特徴とする請求項1記載の発泡ゴムローラ。
【請求項3】
該ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、該ゴム組成物に含まれるエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムが10質量部以上100質量部以下であることを特徴とする請求項2記載の発泡ゴムローラ。
【請求項4】
該エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのエチレン含有量が60質量%以上75質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の発泡ゴムローラ。
【請求項5】
該エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(100℃、ML1+4)が70以上190以下であり、かつ、該エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムのジエン含有量が9質量%以上15質量%以下であることを特徴とする請求項4記載の発泡ゴムローラ。
【請求項6】
該ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、該ゴム組成物に含まれるエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムが60質量部以上100質量部以下であることを特徴とする請求項4または5記載の発泡ゴムローラ。
【請求項7】
該ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、該ゴム組成物に含まれるp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドが1質量部以上20質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の発泡ゴムローラ。
【請求項8】
該ゴム組成物がさらに炭酸カルシウムを含有し、該ゴム組成物に含まれるゴム成分を100質量部としたとき、該ゴム組成物に含まれる炭酸カルシウムが20質量部以上80質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の発泡ゴムローラ。
【請求項9】
該発泡ゴム層の外周上に少なくとも1層以上の導電性機能層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の発泡ゴムローラ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の発泡ゴムローラの製造方法において、押出し機を用いて該ゴム組成物を押出すと同時に、連続的に該芯金を押出し機のクロスヘッドダイを通過させて、該芯金の外周上に該ゴム組成物を配置せしめた後、該ゴム組成物を発泡加硫することを特徴とする発泡ゴムローラの製造方法。

【公開番号】特開2007−316228(P2007−316228A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144162(P2006−144162)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】