発泡電極構造を形成する方法
電極構造は、電気伝導性基板と接触する電気伝導性発泡体を含み得る。いくつかの実施形態において、発泡体は、基板と接触する多孔性前駆物質を電気伝導性材料によって被覆し、続いて、前駆物質を除去することによって形成することができる。いくつかの実施形態において、発泡体は、基板と接触する複合材料の非伝導性成分を除去し、基板と接触する伝導性成分を残すことによって形成することができる。電極構造は、耐久性および伝導性を改善するために、電気伝導性材料によって被覆し、または高温で焼結することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/239,910号(2009年9月4日出願)の利益を主張し、この出願は、その全体が本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、電極の形成、より詳しくは、電気伝導性発泡体および電気伝導性基板を含む電極構造を作製する加工技法に関する。
【背景技術】
【0003】
電極は、何らかの媒質から電子を供給し、および除去するために使用され、通常、金属または金属合金から製造される。電気化学セルは、電極を使用して、電気化学相互作用中の電子の輸送および移動を容易にする。電池または電気化学的貯蔵デバイスは、放電または充電プロセスにそれぞれ対応する、蓄電容量および電解容量が共にある電極を使用することができる。電気化学反応は、一般に、電解質と電極との界面において、または界面付近において生じ、これは、電力が用いられるか、または引き出される外部回路にまで及び得る。
【0004】
電極は、通常、電力を抽出および/または供給するために集電装置に接触するように配置される。システム損失を減少させるために、電極と集電装置との間の界面に十分な電気接触がなければならない。この界面の質は、電極および集電装置を製造するために使用される加工ステップ、および2つの要素を電気接点に配置するために使用される組み立てステップに依存し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機械的および化学的相互作用の両方を含む多数の加工ステップが、通常、前述のアセンブリを完成する電極および集電装置を製造するために必要とされる。複数のサブアセンブリをしばしば使用するこれらの多数の加工ステップが、コストを増加させ、基礎設備の要件を増加させ、製造誤差が起こる機会を招き得る。したがって、電極構造を製造することに必要とする加工ステップを減少させるか、および/または統合することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記に鑑みて、1つ以上の電気伝導性基板と接触する1つ以上の電気伝導性発泡体を含む電極構造を形成するための技法、組成物、および構成が提供される。いくつかの実施形態において、本発明は、電気伝導性基板上に電気伝導性発泡体を直接形成するための技法を提供する。いくつかの手法において、電気伝導性基板に電気伝導性発泡体を直接形成すると、電極構造を形成するための工程ステップを減少、統合、または、減少および統合することができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、前駆物質が電気伝導性基板(例えば、金属)と接触するように配置されてもよく、この場合、基板の表面と前駆物質との間に界面が存在してもよい。前駆物質は、ポリマー発泡体、ポリマースラリー、乾燥ポリマースラリー、他の任意の適切な前駆物質またはその任意の適切な組合せであってもよい。いくつかの実施形態において、基板と接触する前駆物質は、基板と接触している間に、さらに処理(例えば、乾燥、硬化)されてもよい。例えば、めっきまたは被覆工程が、互いに接触する前駆物質および基板のサブアセンブリに施されてもよい。めっきまたは被覆工程は、前駆物質および基板のすべてまたは一部を電気伝導性材料(例えば、金属)で被覆して、前駆物質の体積全体にわたって電気伝導性網状組織を形成することを含むことができる。めっきした前駆物質、ならびに、めっきした前駆物質の1つ以上の成分を実質的に除去し(例えば、熱分解して)、それによって基板と接触する電気伝導性発泡体を残すことができる。いくつかの実施形態において、活性物質は前駆物質に含まれていてもよく、もしくは活性物質は電気伝導性発泡体に導入されてもよく、またはその両方でもよい。いくつかの実施形態において、電気伝導性発泡体は高温で焼結されてもよい。基板および発泡体は、平板、曲面板、ドーム、または他の任意の適切な形状、またはその組合せを含む、任意の適切な形状であってもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、複数の第1の粒子を、複数の第2の粒子および液状薬剤と組み合わせてスラリーを形成してもよい。スラリーは、ポリマー粒子、結合剤、液状薬剤、他の任意の適切な非電気伝導性材料またはその任意の適切な組合せのうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない少なくとも1つの電気伝導性成分、および少なくとも1つの非電気伝導性成分を含んでもよい。電気伝導性基板の表面にスラリーの少なくとも1つの近接する層を形成してもよい。層は、厚さが均一であっても不均一であってもよく、また基板の表面に近接していても近接していなくてもよい。いくつかの実施形態において、複数の近接する層を基板の表面に形成してもよい。
【0009】
スラリーの少なくとも1つの近接する層から液状薬剤の実質的にすべて(すなわち、すべてまたはほぼすべて)を除去して、固体複合材料を残してもよく、この場合、固体複合材料は基板の表面と接触するように残されてもよい。例えば、液状薬剤は、乾燥、加熱、他の任意の適切な除去工程、またはその任意の組合せによって除去することができる。複合材料から複数の第1の粒子の実質的にすべてが除去され(例えば、熱分解され)てもよく、この場合、残存している複数の第2の粒子は、基板と接触する対応する電気伝導性発泡体を形成してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、複合材料を電気伝導性基板と接触するように配置してもよい。複合材料は、1つ以上のポリマー発泡体、乾燥ポリマースラリー、他の任意の適切な非電気伝導性材料またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない少なくとも1つの電気伝導性成分および少なくとも1つの非電気伝導性成分を含んでもよい。複合体材料は、2種以上の粒子を含む複合スラリーであってもよい。例えば、複合材料は、液状薬剤(例えば、有機溶媒)、電気伝導性粒子(例えば、金属)および非電気伝導性粒子(例えば、ポリマー)を含むスラリーであってもよい。いくつかの実施形態において、複合スラリーは、基板と接触しつつ、さらに処理(例えば、乾燥、硬化)されてもよい。非電気伝導性成分、または、他の任意の成分は、乾燥複合スラリーから実質的に除去され(例えば、熱分解され)、それによって基板に接触する電気伝導性発泡体を残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明のいくつかの実施形態による双極性電極ユニット(BPU)の例示の構造の概略横断面図を示す。
【図2】図2は、本発明のいくつかの実施形態による図1のBPUの積層の例示の構造の概略横断面図を示す。
【図3】図3は、本発明のいくつかの実施形態による単極性電極ユニット(MPU)の例示の構造の概略横断面図を示す。
【図4】図4は、本発明のいくつかの実施形態による図3の2つのMPUを含有するデバイスの例示の構造の概略横断面図に示す。
【図5】図5は、本発明のいくつかの実施形態による例示の固相発泡体の立方体断面図を示す。
【図6】図6は、本発明のいくつかの実施形態による切取内部図を有する例示の電極構造を示す。
【図7】図7は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図を示す。
【図8】図8は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図を示す。
【図9】図9は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図を示す。
【図10】図10は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図を示す。
【図11】図11は、本発明のいくつかの実施形態による基板と接触する前駆物質の例示の側面図を示す。
【図12】図12は、本発明のいくつかの実施形態による線XII−XIIから得られた図11の素子の例示の平面図を示す。
【図13】図13は、本発明のいくつかの実施形態による前駆物質と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図14】図14は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性材料で被覆された図13の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図15】図15は、本発明のいくつかの実施形態による図14の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図16】図16は、本発明のいくつかの実施形態による基板と接触する複合材料の例示の側面図を示す。
【図17】図17は、本発明のいくつかの実施形態による線XVII−XVIIから得られた図16の素子の例示の平面図を示す。
【図18】図18は、本発明のいくつかの実施形態による複合材料と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図19】図19は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性発泡体と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図20】図20は、本発明のいくつかの実施形態による複合材料と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図21】図21は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性発泡体と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、1つ以上の電気伝導性基板と接触する1つ以上の電気伝導性発泡体を含む電極構造を形成するための方法、組成物、および構成を提供する。本発明は、電気伝導性基板上に電気伝導性発泡体を直接形成するための方法、組成物、および構成を提供する。本発明の電極構造およびアセンブリは、電気エネルギーもしくは電流、またはその任意の組合せを蓄積または供給することができる、例えば、電池、コンデンサー、他の任意のエネルギー貯蔵デバイスなどのエネルギー貯蔵デバイスに適用することができる。例えば、本発明の電極構造およびアセンブリは、単極性電極ユニット(MPU)または双極性電極ユニット(BPU)において実施することができ、またMPUまたはBPUの1つもしくは複数の表面に適用することができる。本発明は、積層エネルギー貯蔵デバイスに関連して本明細書に記載されているが、論じられる概念は、平行平板、角形、折りたたみ、巻線および/もしくは双極性構造、他の任意の適切な構造またはその任意の組合せを含むが、これらに限定されない、任意のセル間の電極構成に適用可能であることが理解されるであろう。
【0013】
いくつかの実施形態において、電極は、界面域を増加させて、分子(例えば、水)もしくはイオン(例えば、ヒドロキシルイオン)またはその両方などの化合物の輸送を改善することができる多孔質組織または伝導性発泡体を含んでいてもよい。電気化学反応は、活性物質、電解質と電気伝導成分との界面において、またはその界面付近において起こり得る。界面域が増加すると、電気化学デバイスの充電または放電の速度が増加し得る。いくつかの実施形態において、開示された技法、組成物、および構成は、適切な基板と接触する多孔質組織または伝導性発泡体を有する電極を提供することができる。
【0014】
本開示は、電気伝導性基板と接触する電気伝導性電極を形成するための方法、組成物、および構成を含む。電極は、例えば、多孔性前駆物質を電気伝導性材料に被覆することによって、もしくは固体複合材料の1つ以上の成分を除去することによって、またはその両方によって形成することができる。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織または発泡体は、基板の1つ以上の表面に直接形成されてもよい。
【0015】
本発明はここで、例示の実施形態を示す図1〜21に関連して説明する。
【0016】
図1は、本発明のいくつかの実施形態によるBPU100の例示の構造の概略横断面図を示す。例示のBPU100は、正極活性物質電極層104、電気伝導性、不浸透性の基板106、および負極活性物質電極層108を含んでもよい。正極層104と負極層108とは基板106の反対側に設けられる。
【0017】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による図1のBPU100の積層200の例示の構造の概略横断面図を示す。複数のBPU202が、積層構造200に配置されていてもよい。積層200内において、1つのBPUの正極層204が、隣接するBPUの負極層208に対向し、電解質層210がBPU間に位置するように、電解質層210が2つの隣接するBPUの間に設けられる。対向する正極層と負極層とを電気的に分離するために、セパレーターが1つ以上の電解質層210に設けられてもよい。セパレーターは、再結合のための隣接電極ユニット間のイオン移動を可能にするが、隣接電極ユニット間の電子の移動を実質的に阻止することができる。本明細書において定義される「セル」または、「セル区画」222は、第1のBPU202の基板206と正極層204と、第1のBPU202に隣接する第2のBPU202の負極層208と基板206と、および第1と第2のBPU202との間の電解質層210に含まれる要素を指す。各セル区画222の各不浸透性基板206は、該当する隣接セル区画222によって共有されていてもよい。
【0018】
図3は、本発明のいくつかの実施形態によるMPU300の例示の構造の概略横断面図を示す。例示のMPU300は、活性物質電極層304および電気伝導性、不浸透性の基板306を含んでいてもよい。活性物質層304は、任意の適切な正のまたは負の活性物質であってもよい。
【0019】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による図3の2つのMPUを含有するデバイスの例示の構造の概略横断面図を示す。それぞれ正負の活性物質を有する2つのMPU300は、積層して電気化学デバイス400を形成することができる。電解質層410は、MPU300の正極層404が、他のMPU300の負極層408と対向し、電解質層410がMPU間に配置されるように、2つのMPU300間に設けられてもよい。セパレーターは、電気的に反対の正極層と負極層とを分離するために、電解質層410に設けることができる。図示されていないが、いくつかの実施形態において、正負の活性物質をそれぞれ有する2つのMPUは、電解質の適切な層と共に積層200に付加され、双極性電池を形成することができる。双極性電池および電池の積層は、Oggら米国特許出願公開第11/417,489号明細書、Oggら米国特許出願公開第12/069,793明細書、Westら米国特許出願公開第12/258,854明細書により詳細に論じられ、これらすべてが参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
電極ユニットを形成するために使用される基板(例えば、基板106、206、406、416)は、穿孔されていない金属箔、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ニッケルおよびアルミニウムを含むクラッド材、銅およびアルミニウムを含むクラッド材、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、他の適切な電気伝導性および不浸透性の材料またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない任意の適切な電気伝導性および不浸透性の、または実質的に不浸透性の物質で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、基板は、1つ以上の適切な金属または金属の組合せ(例えば、合金、固溶体、めっきした金属)で形成されてもよい。特定の実施形態において、各基板は、互いに接着した2枚以上の金属箔で製造されてもよい。各BPUの基板は、通常0.025乃至5ミリメートルの厚さであってもよいが、一方、各MPUの基板は、0.025乃至30ミリメートルの厚さで、例えばESDへの端子またはサブ端子として働くことができる。メタル化発泡体は、例えば、電極の全体にわたって伝導性マトリックスを拡大することによって、セル区画の活性物質間の抵抗が減少するように、例えば、平坦な金属膜または箔の任意の適切な基板材料と組み合わせてもよい。
【0021】
本発明の電極ユニットを形成するために、これらの基板に設けられる正極層(例えば、正極層104、204および404)は、例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、亜鉛(Zn)、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むが、これらに限定されない任意の適切な活性物質で形成されてもよい。正極活性物質は、焼結し含浸し、水性結合剤で被覆しプレスし、有機結合剤で被覆しプレスし、または、伝導性マトリックス中に他の担持化学物質を含む正極活性物質を含有する他の適切な技法によって含有させてもよい。電極ユニットの正極層には、水素化金属(MH)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むが、これらに限定されない粒子であって、例えば膨張を減少させるためにそのマトリックスに注入される粒子を含んでもよい。これは、例えば、サイクル寿命を延ばし、再結合を改善し、セル区画内の圧力を低下させ得る。MHなどのこれらの粒子はまた、電極内の導電率を改善し再結合を支援するために、Ni(OH)2などの活性物質ペーストと接合していてもよい。
【0022】
本発明の電極ユニットを形成するためにこれらの基板上に設けられる負極層(例えば、負極層108、208および408)は、例えば、カドミウム(Cd)、マンガン(Mn)、Ag、他の任意の適切な活性物質、またはその組合せを含むがこれらに限定されない任意の適切な活性物質から形成することができる。負極活性物質は、焼結し含浸し、水性結合剤で被覆しプレスし、有機結合剤で被覆しプレスし、または、伝導性マトリックス中に他の担持化学物質を含む負極活性物質を含有する他の適切な技法によって含有させてもよい。負電極側には、Ni、Zn、Al、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むがこれらに限定されない化学物質であって、例えば、構造を安定させ、酸化を低減し、サイクル寿命を延ばすように負の電極材料マトリックス内に注入される化学物質を有し得る。
【0023】
例えば、有機カルボキシメチルセルロース(CMC)、Creytonゴム、PTFE(テフロン(登録商標))、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない様々な適切な結合剤は、活性物質および基板、固相発泡体、他の任意の適切な成分の、またはその任意の適切な組合せの間の接触を維持するために、活性物質と混合し、さもなければ活性物質に導入することができる。任意の適切な結合剤を、接着、凝集または他の適切な特性またはその組合せを増すために、スラリーまたは他の任意の混合物に含有させてもよい。
【0024】
ESDの各電解質層のセパレーターは、その2つの隣接電極ユニットを電気的に絶縁すると共に、それらの電極ユニット間のイオン移動を可能にする任意の適切な材料で形成することができる。セパレーターは、充填を改善し、およびサイクル寿命を延ばすために電解質容器として役割を果たすようにセルロース超吸収材を含有し、この場合、セパレーターは、例えば、ポリ吸収(polyabsorb)ダイアパー材料から作製することができる。それによって、セパレーターは、電荷がESDに印加されると、前に吸収された電解質を放出し得る。特定の実施形態において、セパレーターは、通常のセルよりも密度が低く、厚く、電極間隔(IES)が、通常よりも高く始まり、およびESDの容量(またはC速度)をその寿命にわたって維持するために、ならびにESDの寿命を延ばすために継続的に低減されるようにする。
【0025】
セパレーターは、短絡を低減し、および再結合を改善するために、電極ユニット上の活性物質の表面に接合される比較的薄い材料でもよい。このセパレーター材料は、例えば、噴霧、被覆、プレスされてもよく、またはその組合せでもよい。セパレーターはそこに取り付けられる再結合剤を有し得る。この薬剤は、セパレーターの構造の中に注入してもよく(例えば、これは、薬剤をセパレーター繊維に結合するポリビニルアルコール(PVAまたはPVOH)を使用して湿式工程において薬剤を物理的に捕捉することによって行ってもよく、または薬剤を、電着によってその中に入れてもよい)、または、例えば、蒸着によって表面に層状化してもよい。セパレーターは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せなどの任意の適切な材料で製造されていてもよい。セパレーターは、例えば、鉛(Pb)、Ag、白金(Pt)、Pd、他の任意の適切な材料、またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない、再結合を効果的に支援する薬剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、薬剤は、任意の電気伝導性成分または材料から実質的に(例えば、接触せずに)絶縁することができる。例えば、いくつかの構成において、薬剤は、薬剤が電気伝導性電極または基板に接触しないように、セパレーター材料シート間に配置してもよい。セルの基板が相互に向かって移動する場合、セパレーターは抵抗を示し得るが、セパレーターは、変形しない程十分堅い基板を利用し得る本発明の一定の実施形態においては、設けられなくてもよい。
【0026】
ESDの各電解質層の電解質は、溶解または融解時にイオン化して伝導性媒質を生成し得る任意の適切な化合物から形成することができる。電解質は、例えば、NiMHを含むが、これらに限定されない任意の適切なESDの標準的な電解質であってよい。電解質は、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(CaOH)、水酸化カリウム(KOH)、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むがこれらに限定されない追加の化学物質を含有してもよい。また、電解質は、例えば、Ag(OH)2を含むが、これらに限定されない再結合を改善するための添加剤も含有してよい。電解質は、例えば、低温性能を改善するために水酸化ルビジウム(RbOH)も含有してよい。電解質はセパレーター内に凍結して、次いで、ESDが完全に組み立てられた後、解凍されてもよい。これによって、ガスケットが、それに隣接する電極ユニットとの実質的な流体密封を形成する前に、特に、粘着性電解質のESDの電極ユニット積層への挿入が可能になる。
【0027】
電極は電気伝導性網状組織または要素を含んでいてもよい。電気伝導性網状組織または要素は、オーム抵抗を減少させ得、電気化学相互作用に対する界面域を増加させ得る。例えば、図4に示される積層400において、電解質410と正極層404または負極層408のどちらかとの間の界面は、平面の二次元表面であるよう見える。平面の界面はエネルギー貯蔵デバイスのいくつかの実施形態において使用されていてもよいが、電極にはまた多孔質組織があってもよい。多孔質組織は、電極と電解質との間の界面域を増すことができ、達成可能な充電または放電速度を増すことができる。活性物質は、より大きい表面域を覆って界面を拡大するために、伝導性成分または網状組織に混合または適用されてもよい。電気化学相互作用は、活性物質、電解質と電気伝導性材料との間の界面で起こり得る。
【0028】
電気伝導性基板は、漏電または短絡を阻止する不浸透性であってもよい。いくつかの構成において、1つ以上の多孔質電極は、図1〜4に示されるような電気伝導性非多孔質基板と接触するように維持されてもよい。この構成は、外部回路および電極中の電子移動を可能にし得る。
【0029】
本明細書において定義されように、「発泡体」は、固相多孔質組織、または細孔を有する固相網状組織を意味するものとする。発泡体は、気体または真空で充填され得る空隙、または気体、液体、ペースト、粒子、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せで部分的にまたは完全に充填されてもよい空隙を含んでいてもよい。細孔率は、空隙で占められる発泡体体積の分率を指す。発泡体は、複数の固体成分を含んでいてもよく、また異なる材料の複合体を含んでいてもよい。開放発泡体は、細孔が相互に連結している発泡体を指す。開放発泡体は、発泡体の全体にわたって、および発泡体と周辺環境との間で、反応体、生成物、電解質、イオンまたは他の化合物の分子輸送を可能にし得る。独立発泡体は、相互に密封された細孔を含み、発泡体の全体にわたって化合物の輸送を効果的に阻止する。以下の議論においては、発泡体という用語は、開放発泡体を指すと理解されよう。
【0030】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による例示の発泡体500の立方体断面図を示す。固相成分502は、全体にわたって散在する複数の細孔504を有し、それによって多孔性を与えることができる。発泡体500は、細孔504より比較的小さい空間的尺度を有する複数の細孔506を含んでいてもよい。細孔506は、発泡体500を作製するために使用される電気伝導性粒子の特徴であってもよい。細孔504は、輸送プロセスを起こし得る発泡体の全体にわたって実質的に相互連結する網状組織を形成してもよい。細孔504は、任意の適切な形状または粒度分布を有し得る。細孔504には、例えば、前駆物質(例えば、ポリマー粒子)の形状および寸法特性を有していてもよい。発泡体500の細孔率は、0乃至1の間の任意の適切な値を有していてもよく、より大きい細孔率は1に近い値に関連する。細孔率のより大きい値は、発泡体の表面積のより大きい値に対応し得る。いくつかの実施形態において、発泡体500は1つ以上の電気伝導性成分(例えば、金属)、1つ以上の活性物質(例えば、Ni(OH)2)、1つ以上の結合剤、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せを含んでもよい。
【0031】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による切取内部図を有する例示の電極構造600を示す。電極構造600は、発泡体602および基板606を含む。発泡体602および基板606は、接触の平面として界面610を共有してもよい。界面610は、少なくとも2つの成分、材料または、その任意の適切な組合せが接触し得る場所の平面または通路を表す。本明細書において使用される用語「界面」は、スラリーと基板、固体発泡体と基板、2つの任意の適切な成分、任意の適切な成分および非固相の間の接触の実質的に平面の区域、または2つの別個の材料間または成分間の接触の他の任意の平面を指すものとする。平面の円盤形状として示されているが、電極構造600は、任意の適切な形状、曲率(例えば、ドーム形)、厚さ(層のどちらも)、相対的寸法(基板および発泡体の)、相対的厚さ(基板および発泡体の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有していてもよい。発泡体602および基板606は、適切な任意の三次元の形状を有し、実質的に円形、正方形、長方形、三角形、六角形、楕円、および他の任意の適切な断面図、または、その形状の組合せであってもよい断面図を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、発泡体602は正方形断面を有する平行六面体であってもよく、また、基板606は円筒であってもよい。発泡体602は、1つ以上の電気伝導性成分(例えば、金属)、1つ以上の活性物質(例えば、Ni(OH)2)、1つ以上の結合剤、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せを含み得る。いくつかの実施形態において、活性物質は、構造600の組み立てまたは作製に続いて、発泡体602に導入されてもよい。
【0032】
電気伝導性基板と接触する電気伝導性発泡体を作製するいくつかの代表的な技法は、本発明のいくつかの実施形態による例示の図7〜10に関連して論じられる。
【0033】
図7は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図700を示す。工程ステップ702は、例えば、ポリマー発泡体などの前駆物質の調製を含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ702は、例えば、発泡剤の使用によってポリマー発泡体を製造することを含んでもよい。ポリマー発泡体を製造するために、任意の適切な技法または技法の組合せが使用されてもよいことが、理解されよう。工程ステップ702は、ポリマー発泡体の洗浄、ポリマー発泡体のエッチング、ポリマー発泡体の寸法または形状の調節(例えば、切断、粉砕、分割、穴空け、機械加工)、電荷を受け入れるためのポリマーの処理、ポリマーの帯電、他の任意の適切な調製技法またはその組合せを含んでもよい。ポリマー発泡体は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、他の任意の適切なポリマーまたはその組合せ、および任意の適切な添加剤を含むが、これらに限定されない炭素系ポリマーで製造されていてもよい。ポリマー材料は、実質的に固体材料のその形状特性を維持してもよい。ポリマー材料は高温で熱分解または炭化を行ってもよい。
【0034】
ポリマー発泡体は、工程ステップ704において、電気伝導性材料でめっき、またはさもなければ被覆されてもよい。伝導性被覆は、任意の適切な種類の金属(例えば、ニッケル)、他の任意の適切な電気伝導性材料またはその任意の適切な組合せであってもよい。工程ステップ804は、電気めっき、無電解めっき、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)、他の任意の適切なめっきまたは被覆技法またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程702および704の実行は、電気伝導性成分または被覆材料を有する複合発泡体をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、活性電極材料が、工程704の間に複合発泡体に添加されてもよい。
【0035】
ポリマー前駆物質は、図7の被覆工程704に続く工程706によって示されるように除去されてもよい。工程706は、還元的環境(例えば、形成ガス、水素、湿った水素、希釈水素)、または、実質的に不活性な環境(例えば、二原子窒素、アルゴン、ヘリウム)中に被覆発泡体を維持しつつ、発泡体の温度の上昇を含んでもよい。実質的な酸素または酸素含有化合物のない状態における高温度は、ポリマー成分の有機物質の熱分解を引き起こすことができる(例えば、熱分解、炭化)。ポリマー成分は、より軽い化合物へ分解し、気化し、脱着し、さもなければ固体発泡体の残存する成分を残し、気相に入る。ポリマーはまた、分解し、固体発泡体に残存し得る固体の炭素リッチ化合物または残渣になり得る。工程706は、ポリマー成分の一部または実質的にすべてを分解するか、炭化するか、気相に入れるかまたはその任意の組合せを引き起こす工程を含んでもよい。工程706は、ポリマー成分および関連する分解物を実質的にすべて除去することができる。いくつかの実施形態において、工程ステップ706は、任意の適切な環境において摂氏300度を超える温度に上げることを含んでもよい。工程ステップ706はまた、例えば発泡体の伝導性、連続性、耐久性、他の適切な特性またはその任意の組合せを向上させるために、同一の、または異なる高温で残存する電気伝導性発泡体を焼結させるか、または他の方法で処理することを含んでもよい。
【0036】
図7に示されるステップ708において、電気伝導性、不浸透性の基板を調製することができる。いくつかの実施形態において、基板は、例えば、双極性または単極性板などのある寸法において、金属発泡体より大きくてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、基板が1つ以上のタブであり得る実施形態などの、ある寸法において、基板は、発泡体より比較的小さくてもよい。基板は、任意の適切な電気伝導性および不浸透性材料で形成されてもよい。基板は、任意の形状(例えば、円盤)の平坦な板、任意の形状(例えば、ドーム)の、曲面板、薄い箔、または任意の適切な断面を有する他の適切な形状であってもよい。基板は、1つ以上の成分(例えば、複合体)を含んでいてもよい。工程ステップ708は、基板の洗浄、基板の表面仕上げの調節(例えば、研磨、粗化)、基板のエッチング、基板の寸法または形状の調節(例えば、切断、粉砕、分割、穴空け、機械加工)、他の任意の適切な調製ステップまたはその任意の適切な組合せなどの調製ステップを含んでもよい。
【0037】
図7に示される工程ステップ710において、電気伝導性基板および電気伝導性発泡体は一緒に固定されてもよい。基板と発泡体とは、接触して配置され、発泡体および基板の1つ以上の面の間に界面を形成してもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ710において、複数の発泡体を特定の基板またはタブと接触するように配置してもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ710において、複数の基板またはタブを特定の発泡体と接触するように配置してもよい。基板と発泡体とは、機械的クランプ、接合、点溶接によって、鉛直に基板と発泡体とを配置することによって、配向を維持することによって、他の適切な接着技法またはその任意の組合せによって、接触が維持されることにより、重力が要素間でゼロでない法線力を引き起こし得る。1つ以上の基板と1つ以上の発泡体との間に耐久性のある接着を作るために、工程ステップ710は、接合、焼結、はんだ付け、溶接、他の任意の適切な技法または任意の組合せを含んでもよい。工程ステップ810に続いて、電極構造は、デバイス(例えば、ESD)の組み立て、活性物質の添加、焼結、他の任意のさらなる加工ステップまたはその適切な組合せが準備できていてもよい。
【0038】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図800を示す。工程ステップ802は、1つ以上の要素を含む複合材料の調製を含んでもよい。複合材料は、ポリマー粒子、ポリマー発泡体、結合剤、電気伝導性粒子(例えば、金属粒子)、カーボン粒子、活性物質、塗装物、液体(例えば、水、有機溶媒)、他の任意の適切な要素またはその任意の適切な組合せなどの要素を含んでもよい。複合材料は、スラリー、ペースト、固体発泡体、固体粒子、被覆固体要素(例えば、被覆ポリマー発泡体)の形態、他の任意の適切な形態またはその組合せの形態であってもよい。工程ステップ802は、混合、ブレンド、撹拌、超音波処理(すなわち、音波を印加して粒子を揺動する)、ボールミル粉砕、粉砕、分級(例えば、ふるい分け)、乾燥、被覆(例えば、電気めっき、無電解めっき、CVD、PVD)、焼結、複合材料を調製するための他の適切な工程またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0039】
図8において示される工程ステップ804において、複合材料は1つ以上の基板と接触するように配置されてもよい。複合材料は、基板の1つ以上の面の上の1つ以上の近接する層に配置されてもよい。例えば、複合材料は、別々の層(例えば、BPU)として平坦な基板の対向面の両方に施されてもよい。いくつかの実施形態において、異なる複合材料(例えば、異なる組成物)が、単一の基板(例えば、BPU)と接触するように配置されてもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ804は、例えば、ドクターブレーディング、スピンコーティング、スクリーン印刷、他の任意の適切なスラリー適用技法またはその任意の適切な組合せによって、基板にスラリー複合材料を施すことを含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ804は、固体複合材料を基板と接触するように配置および維持することを含み、例えば、固体複合材料の基板への機械的にクランプ、固体複合材料の基板への接合、固体複合材料の基板へのプレス、重力が要素間でゼロでない法線力を引き起こすように鉛直に1つの要素を別の要素に配置することによって配向を維持すること、他の任意の適切な接着技法またはその任意の適切な組合せなどの技法を含んでもよい。
【0040】
図8において示される工程ステップ806において、基板と接触する複合材料の1つ以上の非電気伝導性成分は除去されてもよい。工程806は、還元的環境(例えば、形成ガス、水素、湿った水素、希釈水素)、または実質的に不活性な環境(例えば、二原子窒素、アルゴン、ヘリウム)中に複合材料を維持しつつ、複合材料および基板の温度の上昇を含んでもよい。工程ステップ806はまた、化学的浸出、溶解、他の任意の適切な低温(例えば、摂氏100度未満)技法またはその組合せを含んでもよい。いくつかの実施例において、工程ステップ806は図7に示される工程ステップ706に対応してもよい。工程ステップ806に続く結果として得られた構造は、非多孔性の電気伝導基板に接触する多孔性の電気伝導固体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ806に続く結果として得られた構造は、活性物質、結合剤、他の任意の適切な材料または成分、またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。工程ステップ806に続いて、電極構造は、ESDなどのデバイスの組み立て、活性物質の添加、電気伝導性材料での被覆、焼結、他の任意のさらなる加工または組み立てステップまたはその任意の適切な組合せが準備できていてもよい。
【0041】
図9は、本発明のいくつかの実施形態に従って電極構造を作製するための例示の流れ図900を示す。図9に示される工程ステップ902において、例えば、ポリマー発泡体または、ポリマースラリーなどの前駆物質が調製されてもよい。前駆物質は、固体、液体、または任意の適切な組合せ(例えば、スラリー、コロイド、懸濁液)であってもよい。いくつかの実施形態において、前駆体は、ポリマースラリーであってもよく、およびポリマー粒子、1つ以上の液状薬剤(例えば、有機溶媒、水、アルコール)、1つ以上の結合剤、活性物質、炭素(例えば、黒鉛)、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。ポリマー粒子は、任意の適切な形状または粒度分布を有し得る。ポリマー粒子は、任意の適切なポリマーの種類またはポリマーの組合せを含んでもよい。工程ステップ902は、混合、ブレンド、撹拌、超音波処理、ボールミル粉砕、粉砕、分級(例えば、ふるい分け)、乾燥、他の任意の適切な調製ステップまたはその任意の適切な組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、前駆体は、任意の種類の適切なポリマーまたはその組合せから作られたポリマー発泡体であってもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ902は、ポリマー発泡体の洗浄、ポリマー発泡体のエッチング、ポリマー発泡体の寸法または形状の調節(例えば、切断、粉砕、分割、穴空け、機械加工)、電荷を受け入れるためのポリマーの処理、ポリマーの帯電、他の任意の適切な調製技法またはその組合せを含んでもよい。
【0042】
図9に示される工程ステップ904において、工程ステップ902の前駆物質は、適切な基板の1つ以上の面に適用されてもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ904は、ドクターブレーディング、スピンコーティング、スクリーン印刷、他の任意の適切なスラリー適用技法またはその任意の適切な組合せによって、基板にスラリーを施すことを含んでもよい。いくつかの実施形態において、任意の適切な形状の1つ以上の型が、工程ステップ902のスラリーを特定の形状に維持するために使用されてもよい。例えば、工程ステップ902のスラリーを筒状形状に維持するために、さもなければ変形する工程ステップ902のスラリーが流れることを阻止しつつ、基板と接触する円筒状の型が用いられてもよい。いくつかの実施形態において、型は、基板へのスラリーの適用に続く任意の適切な工程ステップで除去することができる。いくつかの実施形態において、工程ステップ904は、例えば、ポリマー発泡体の基板へのなどの、固体前駆物質の機械的クランプまたは接合を含んでもよい。任意の適切な接着技法が、固体前駆物質と基板との間の接触を維持するために使用されてもよい。
【0043】
図9に示される工程ステップ906において、基板と接触する前駆物質は、さらに処理されてもよい。いくつかの実施形態、において、前駆体スラリーは乾燥されてもよい。(例えば、1つ以上の液体成分の一部またはすべては除去されてもよい)乾燥工程906は、残留成分(例えば、残存するスラリー成分)に剛性を与えることができる。いくつかの実施形態において、型が、用いられた場合、除去されてもよいように、乾燥工程906によって、残留成分が形状を維持することが可能になる。いくつかの実施形態において、乾燥工程906は残留成分の集合体に細孔を与えることができる。いくつかの実施形態において、乾燥工程906は、規定の気体環境(例えば、加熱したアルゴン)中での基板およびスラリーの加熱、浸漬、他の任意の適切な乾燥工程またはその組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ906は、電気伝導性材料で被覆するための前駆物質を調製する任意の適切な加工ステップも含んでもよい。工程ステップ906は、例えば、前駆物質が固体である実施形態などの、いくつかの実施形態においては飛び越してもよい。
【0044】
図9に示される工程ステップ908において、基板と接触する処理された前駆物質は、適切な材料で被覆されてもよい。被覆工程908は、電気めっき、無電解めっき、CVD、PVD、他の任意の適切なめっきもしくは被覆技法またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、活性物質は、被覆工程908の一部(例えば、前にまたは後に)として多孔質組織に添加されてもよい。工程ステップ908に続く結果として得られた構造は、不浸透性の電気伝導基板と接触して、多孔性の電気伝導網状組織(または発泡体)および前駆物質成分を含んでもよい。
【0045】
図9に示される工程ステップ910において、基板と接触する前駆物質の1つ以上の成分が除去されてもよい。工程910は、還元的環境(例えば、形成ガス、水素、湿った水素、希釈水素)または、実質的に不活性な環境(例えば、二原子窒素、アルゴン、ヘリウム)中に複合材料および基板を維持しつつ、複合材料および基板の温度の上昇を含んでもよい。工程ステップ910はまた、化学的浸出、溶解、他の任意の適切な低温(例えば、摂氏100度未満)技法またはその組合せを含んでもよい。いくつかの実施例において、工程ステップ910は図7に示される工程ステップ706に対応してもよい。工程ステップ910に続く結果として得られた構造は、不浸透性の電気伝導性基板と接触する多孔性の電気伝導網状組織または発泡体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ910に続く結果として得られた構造は、活性物質、結合剤、他の任意の適切な材料もしくは成分、またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。工程ステップ910に続いて、電極構造は、デバイス(例えば、ESD)の組み立て、活性物質の添加、焼結、他の任意のさらなる加工またはその任意の適切な組合せが準備できていてもよい。
【0046】
図10は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図1000を示す。図10に示される工程ステップ1002において、電気伝導粒子(例えば、金属粒子)およびポリマー粒子(任意の適切な寸法または形状の)の任意の適切な組合せ、1つ以上の液状薬剤(例えば、有機溶媒、水、アルコール)、活性物質、結合剤、炭素(例えば、黒鉛)、または他の任意の適切な材料を含むスラリーが調製されてもよい。1つ以上の非電気伝導性成分は、任意の適切な形状または粒度分布を有し得る。いくつかの実施形態において、電気伝導粒子および非電気伝導性粒子は必ずしも同一の寸法および形状ではなくてよい。非電気伝導性粒子は、任意の適切な種類のポリマーまたはポリマーの組合せを含んでもよい。工程ステップ1002は、混合、ブレンド、撹拌、超音波処理、ボールミル粉砕、粉砕、分級(例えば、ふるい分け)、乾燥、他の任意の適切な調製方法またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0047】
図10に示される工程ステップ1004において、工程ステップ1002のスラリーは、適切な基板の1つ以上の表面に施されてもよい。工程ステップ1004は、ドクターブレーディング、スピンコーティング、スクリーン印刷、他の任意の適切なスラリー適用技法またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、任意の適切な形状の1つ以上の型が、工程ステップ1002のスラリーを基盤上に特定の形状に維持するために使用されてもよい。例えば、工程ステップ1002のスラリーを直角プリズム形状に維持するために、さもなければ変形する工程ステップ1002のスラリーが流れることを阻止しつつ、基板と接触する直角プリズムの型が用いられてもよい。
【0048】
図10に示される工程ステップ1006において、工程ステップ1004の基板と接触する工程ステップ1002のスラリーは、乾燥されてもよい(例えば、1つ以上の液体成分の一部またはすべてが除去されてもよい)。乾燥工程1006は、残留成分、例えば、残存するスラリー成分などに剛性を与えることができる。いくつかの実施形態において、型が用いられる場合に、型が除去されてもよいように、乾燥工程1006によって残留成分が形状を維持することが可能になる。いくつかの実施形態において、乾燥工程906は残留成分の集合体に多孔性を与えることができる。いくつかの実施形態において、乾燥工程906は、規定の気体環境(例えば、加熱したアルゴン)中での工程ステップ1004の基板および工程ステップ1002のスラリーの加熱、浸漬、他の任意の適切な乾燥工程またはその組合せを含んでもよい。
【0049】
図10に示される工程ステップ1008において、基板と接触する乾燥スラリー残留成分の非電気伝導性成分は除去されてもよい。工程1008は、還元的環境(例えば、形成ガス、水素、湿った水素、希釈水素)、または、実質的に不活性な環境(例えば、二原子窒素、アルゴン、ヘリウム)中に残留成分および基板を維持しつつ、工程ステップ1006の残留成分および基板の温度の上昇を含んでもよい。工程ステップ1008はまた、化学的浸出、溶解、他の任意の適切な低温(例えば、摂氏100度未満)技法またはその組合せを含んでもよい。いくつかの実施例において、工程ステップ1008は、図7に示される工程ステップ706に対応してもよい。工程ステップ1008に続く結果として得られた構造は、不浸透性の電気伝導基板と接触する電気伝導発泡体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ1008に続く結果として得られた構造は、活性物質、結合剤、他の任意の適切な材料または成分、またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。工程ステップ1008に続いて、電極構造は、デバイス(例えば、ESD)の組み立て、活性物質の添加、焼結、電気伝導性材料での被覆、他の任意のさらなる加工ステップまたはその適切な組合せが準備できていてもよい。
【0050】
流れ図700〜1000のステップが例示であることが理解されよう。流れ図700〜1000の任意のステップは、本発明の範囲から離れることなく、修飾し、省略し、再配置し、流れ図700〜1000の他のステップと組み合わせ、または追加のステップで補足することができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態による電極構造を製造する例示の方法は、図11〜15に関連してさらに論じられる。
【0052】
図11は、本発明のいくつかの実施形態による基板1106と接触する前駆物質1102の例示の側面図を示す。図12に、本発明のいくつかの実施形態による図11の線XII−XIIから得られた図11の素子の例示の平面図を示す。界面1110において基板1106と接触する前駆物質1102が示されている。基板1106および前駆物質1102は、任意の適切な形状、断面形状、曲率、厚さ(層1106または1102のどちらも)、相対寸法(基板および前駆物質の)、相対厚さ(基板および前駆物質の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有し得る。前駆物質1102は、電極構造を形成するための任意の適切な材料であってもよく、またポリマー発泡体、複合材料(例えば、図8の流れ図800において論じられた複合材料)、乾燥ポリマースラリー(例えば、図9の工程ステップ906において論じられた乾燥スラリー)、結合剤、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0053】
図13は、本発明のいくつかの実施形態による前駆物質1302と基板1306との間の界面領域1300の例示の部分横断面図を示す。図13に示される界面領域1300は、図11に示される界面1110の概略のクローズアップに対応、またはそれを表し得る。いくつかの実施形態において、前駆物質1302は、固体成分1304および細孔網状組織1308を含んでもよい。細孔網状組織1308は、任意の適切な寸法および/または形状の細孔を含んでもよい。図13に丸形断面を有する粒子で製造されている例示として示したが、前駆物質1302は、固相および細孔網状組織(例えば、任意の適切な多孔性固体)を含む任意の適切な横断形状を有し得る。図13によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの連続性を示していないかもしれないが、その連続性が、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0054】
図14は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性材料1412で被覆された、図13の前駆物質1302と基板1306との間の界面領域1400の例示の部分横断面図を示す。界面領域1400は、界面領域1300の被覆工程(例えば、図9の工程ステップ908)に続く図13の前駆物質1302と基板1306間との界面を示す。被覆材料1412は、前駆物質1302の表面の一部またはすべてに施され、被覆前駆物質1402を形成することができる。いくつかの実施形態において、被覆工程はまた、被覆材料1410による基板1306の被覆を含んでよい。いくつかの実施形態において、被覆材料1410と被覆材料1412とは接触して、例えば電気伝導を可能にし得る。被覆前駆物質1402は、多孔性を与え得る細孔網状組織1408を含んでもよい。細孔網状組織1408は、被覆工程前の細孔網状組織1308に実質的に対応し得る。
【0055】
図15は、本発明のいくつかの実施形態による図14の電気伝導性網状組織1502と基板1306との間の界面領域1500の例示の部分的横断面図を示す。界面領域1500は、例えば図9の工程ステップ910によって述べられたような、被覆前駆物質1402の1つ以上の成分を除去した後の、図14の前駆物質1402と基板1306との間の例示の界面を含む。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織1502は、実質的に被覆1412に対応し得る。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織1502は、細孔網状組織1408から生じ得る細孔網状組織1508を含んでもよい。いくつかの実施形態において、細孔網状組織1514は、被覆前駆物質1402の1つ以上の適切な成分の除去から生じ得る。細孔網状組織1514は、細孔網状組織1508と異なる特性(例えば、細孔寸法、相互連続性)を有し得る。いくつかの実施形態において、細孔網状組織1508および細孔網状組織1514は、被覆前駆物質1402の1つ以上の成分の除去の後に、単一の細孔網状組織を形成し得る。図15は前駆物質1302の完全除去を示すが、前駆物質1302の1つ以上の成分が除去されなくてもよいことが理解されよう。また、電気伝導性網状組織1502が、前駆物質1302から残存する電気伝導の、またはその他の1つ以上の成分を含んでもよいことが理解されよう。界面領域1500を含有する電極構造は、電気伝導性材料でめっきされ、さもなければ被覆されてもよい。界面領域1500を含有する電極構造は、被覆前駆物質1402の1つ以上の適切な成分の除去の後または間に、焼結されてもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態による電極構造を製造する例示の工程が、図16〜21に関連してさらに論じられる。
【0057】
図16は、本発明のいくつかの実施形態による基板1606と接触する複合材料1602の例示の側面図を示す。図17に、本発明のいくつかの実施形態による図16の線XVII−XVIIから得られた図16の素子の例示の平面図を示す。界面1610において基板1606と接触する複合材料1602が示されている。基板1606と複合体材料1602とは、任意の適切な形状、断面形状、曲率、厚さ(層1606および1602のどちらも)、相対的寸法(基板および複合材料の)、相対的厚さ(基板および複合材料の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有し得る。いくつかの実施形態では、複合材料1602は、図10の工程ステップ1006において、上で論じられた乾燥スラリーを含んでもよい。複合材料1602は、電極構造を形成する任意の適切な材料であってもよく、また、電気伝導性材料、および1つ以上のポリマー発泡体、非電気伝導性粒子(例えば、ポリマー粒子)、複合材料(例えば、図8の工程ステップ802において論じられた複合材料)、結合剤、他の任意の適切な材料、またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0058】
図18は、本発明のいくつかの実施形態による複合体材料1802と基板1806との間の界面領域1800の例示の部分横断面図を示す。図18に示される界面領域1800は、図16に示される界面1610の概略のクローズアップに対応し、またはそれを表し得る。いくつかの実施形態において、複合材料1802は、その1つまたは両方が電気伝導性であってもよい固体成分1808および1810、ならびに細孔網状組織1812を含んでもよい。細孔網状組織1812は、任意の適切な寸法および/または形状の細孔を含んでもよい。図18に、丸形断面を有する粒子で製造されている例示として示したが、複合材料1802は、固相および細孔網状組織(例えば、任意の適切な多孔性固体)を含む任意の適切な横断形状を有し得る。複合材料1802は、複数の任意の数の成分を、任意の適切な組合せで含んでもよい。図18によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの連続性を示していないかもしれないが、その連続性は、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0059】
図19は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性発泡体1902と基板1806との間の界面領域1900の例示の部分横断面図を示す。いくつかの実施形態において、界面領域1900は、例えば、図8の工程ステップ806または図10のステップ1008によって述べられたような、複合材料1802の1つ以上の成分の除去後の、図18の複合材料1802と基板1806との間の界面を示す。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織1902は、複合材料1802の1つ以上の成分に対応してもよい。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織1902は、細孔網状組織1912を含んでもよい。いくつかの実施形態において、細孔網状組織1912は、複合材料1802の1つ以上の成分の除去から一部生じ得る。複合材料1802の1つ以上の成分が除去されなくてもよいことは理解されよう。また、電気伝導性網状組織1902が、複合材料1802から残存する電気伝導の、またはその他の1つ以上の成分を含んでもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態において、界面領域1900を含む電極構造は、複合材料1802の1つ以上の適切な成分の除去の間または後に、焼結されてもよい。
【0060】
図20は、本発明のいくつかの実施形態による複合材料2002と基板2006との間の界面領域2000の例示の部分横断面図を示す。図20に示される界面領域2000は、図16に示される界面1610の概略のクローズアップに対応し、またはそれを表し得る。いくつかの実施形態において、複合材料2002は、その1つまたは両方が電気伝導性であってもよい固体成分2008および2010、ならびに細孔網状組織2012を含んでもよい。固体成分2008および2010は、任意の適切な粒度分布および/または形状分布を有し得る。いくつかの実施形態において、固体成分2008および2010は、異なる粒度分布および/または形状分布を有し得る。細孔網状組織2012は、任意の適切な寸法および/または形状の細孔を含んでもよい。図20に丸形断面を有する粒子で製造されている例示として示したが、複合材料2002は、固相および細孔網状組織(例えば、任意の適切な多孔性固体)を含む任意の適切な横断形状を有し得る。複合材料2002は、複数の任意の数の成分を、任意の適切な組合せで含んでもよい。図20によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの連続性を示していないかもしれないが、その連続性は、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0061】
図21は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性発泡体2102と基板2006との間の界面領域2100の例示の部分横断面図を示す。界面領域2100は、例えば、図8の工程ステップ806または図10のステップ1008によって述べられたような、複合材料2002の1つ以上の成分の除去後の、図21の複合材料2002と基板2006との間の例示の界面を示す。いくつかの実施形態において、電気伝導性発泡体2102は、複合材料2002の1つ以上の成分に対応し得る。いくつかの実施形態において、電気伝導性発泡体2102は、細孔網状組織2112および細孔網状組織2114を含んでもよい。いくつかの実施形態において、細孔網状組織2112は、細孔網状組織2012に対応し得る。いくつかの実施形態において、細孔網状組織2114は、複合材料2002の1つ以上の成分の除去から一部生じ得る。いくつかの実施形態において、細孔網状組織2112および2114は、単一の細孔網状組織を形成し得る。複合材料2002の1つ以上の成分が除去されなくてもよいことが理解されよう。また、電気伝導性発泡体2102が、複合材料2002から残存する電気伝導の、またはその他の1つ以上の成分を含んでもよいことが理解されよう。
【0062】
前述のものが本発明の原理の単なる例示であり、様々な変形が、本発明の範囲および趣旨から離れることなく、当業者によって行われ得ることが理解されよう。また、「水平」および「鉛直」、「上部」および「底部」および「側面」、「長さ」および「幅」および「高さ」および「厚さ」、「内側」および「外側」、「内部」および「外部」、などの方向および配向に関する用語が、便宜のためだけに本明細書において使用され、固定的または絶対的な方向または配向に関する限定がこれらの単語の使用によって意図されないことも理解されよう。例えば、本発明のデバイスならびにその個々の要素は、任意の所望の配向を有し得る。再配向される場合、異なる方向または配向に関する用語が、その説明で使用する必要になり得るが、本発明の範囲および趣旨内にある、その基本的な性質は変更されない。当業者は、本発明が、限定目的ではなく例示目的で提示される上述の実施形態以外によって実施されてもよく、本発明が以下の請求範囲によってのみ限定されることを理解するであろう。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/239,910号(2009年9月4日出願)の利益を主張し、この出願は、その全体が本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、電極の形成、より詳しくは、電気伝導性発泡体および電気伝導性基板を含む電極構造を作製する加工技法に関する。
【背景技術】
【0003】
電極は、何らかの媒質から電子を供給し、および除去するために使用され、通常、金属または金属合金から製造される。電気化学セルは、電極を使用して、電気化学相互作用中の電子の輸送および移動を容易にする。電池または電気化学的貯蔵デバイスは、放電または充電プロセスにそれぞれ対応する、蓄電容量および電解容量が共にある電極を使用することができる。電気化学反応は、一般に、電解質と電極との界面において、または界面付近において生じ、これは、電力が用いられるか、または引き出される外部回路にまで及び得る。
【0004】
電極は、通常、電力を抽出および/または供給するために集電装置に接触するように配置される。システム損失を減少させるために、電極と集電装置との間の界面に十分な電気接触がなければならない。この界面の質は、電極および集電装置を製造するために使用される加工ステップ、および2つの要素を電気接点に配置するために使用される組み立てステップに依存し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機械的および化学的相互作用の両方を含む多数の加工ステップが、通常、前述のアセンブリを完成する電極および集電装置を製造するために必要とされる。複数のサブアセンブリをしばしば使用するこれらの多数の加工ステップが、コストを増加させ、基礎設備の要件を増加させ、製造誤差が起こる機会を招き得る。したがって、電極構造を製造することに必要とする加工ステップを減少させるか、および/または統合することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記に鑑みて、1つ以上の電気伝導性基板と接触する1つ以上の電気伝導性発泡体を含む電極構造を形成するための技法、組成物、および構成が提供される。いくつかの実施形態において、本発明は、電気伝導性基板上に電気伝導性発泡体を直接形成するための技法を提供する。いくつかの手法において、電気伝導性基板に電気伝導性発泡体を直接形成すると、電極構造を形成するための工程ステップを減少、統合、または、減少および統合することができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、前駆物質が電気伝導性基板(例えば、金属)と接触するように配置されてもよく、この場合、基板の表面と前駆物質との間に界面が存在してもよい。前駆物質は、ポリマー発泡体、ポリマースラリー、乾燥ポリマースラリー、他の任意の適切な前駆物質またはその任意の適切な組合せであってもよい。いくつかの実施形態において、基板と接触する前駆物質は、基板と接触している間に、さらに処理(例えば、乾燥、硬化)されてもよい。例えば、めっきまたは被覆工程が、互いに接触する前駆物質および基板のサブアセンブリに施されてもよい。めっきまたは被覆工程は、前駆物質および基板のすべてまたは一部を電気伝導性材料(例えば、金属)で被覆して、前駆物質の体積全体にわたって電気伝導性網状組織を形成することを含むことができる。めっきした前駆物質、ならびに、めっきした前駆物質の1つ以上の成分を実質的に除去し(例えば、熱分解して)、それによって基板と接触する電気伝導性発泡体を残すことができる。いくつかの実施形態において、活性物質は前駆物質に含まれていてもよく、もしくは活性物質は電気伝導性発泡体に導入されてもよく、またはその両方でもよい。いくつかの実施形態において、電気伝導性発泡体は高温で焼結されてもよい。基板および発泡体は、平板、曲面板、ドーム、または他の任意の適切な形状、またはその組合せを含む、任意の適切な形状であってもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、複数の第1の粒子を、複数の第2の粒子および液状薬剤と組み合わせてスラリーを形成してもよい。スラリーは、ポリマー粒子、結合剤、液状薬剤、他の任意の適切な非電気伝導性材料またはその任意の適切な組合せのうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない少なくとも1つの電気伝導性成分、および少なくとも1つの非電気伝導性成分を含んでもよい。電気伝導性基板の表面にスラリーの少なくとも1つの近接する層を形成してもよい。層は、厚さが均一であっても不均一であってもよく、また基板の表面に近接していても近接していなくてもよい。いくつかの実施形態において、複数の近接する層を基板の表面に形成してもよい。
【0009】
スラリーの少なくとも1つの近接する層から液状薬剤の実質的にすべて(すなわち、すべてまたはほぼすべて)を除去して、固体複合材料を残してもよく、この場合、固体複合材料は基板の表面と接触するように残されてもよい。例えば、液状薬剤は、乾燥、加熱、他の任意の適切な除去工程、またはその任意の組合せによって除去することができる。複合材料から複数の第1の粒子の実質的にすべてが除去され(例えば、熱分解され)てもよく、この場合、残存している複数の第2の粒子は、基板と接触する対応する電気伝導性発泡体を形成してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、複合材料を電気伝導性基板と接触するように配置してもよい。複合材料は、1つ以上のポリマー発泡体、乾燥ポリマースラリー、他の任意の適切な非電気伝導性材料またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない少なくとも1つの電気伝導性成分および少なくとも1つの非電気伝導性成分を含んでもよい。複合体材料は、2種以上の粒子を含む複合スラリーであってもよい。例えば、複合材料は、液状薬剤(例えば、有機溶媒)、電気伝導性粒子(例えば、金属)および非電気伝導性粒子(例えば、ポリマー)を含むスラリーであってもよい。いくつかの実施形態において、複合スラリーは、基板と接触しつつ、さらに処理(例えば、乾燥、硬化)されてもよい。非電気伝導性成分、または、他の任意の成分は、乾燥複合スラリーから実質的に除去され(例えば、熱分解され)、それによって基板に接触する電気伝導性発泡体を残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明のいくつかの実施形態による双極性電極ユニット(BPU)の例示の構造の概略横断面図を示す。
【図2】図2は、本発明のいくつかの実施形態による図1のBPUの積層の例示の構造の概略横断面図を示す。
【図3】図3は、本発明のいくつかの実施形態による単極性電極ユニット(MPU)の例示の構造の概略横断面図を示す。
【図4】図4は、本発明のいくつかの実施形態による図3の2つのMPUを含有するデバイスの例示の構造の概略横断面図に示す。
【図5】図5は、本発明のいくつかの実施形態による例示の固相発泡体の立方体断面図を示す。
【図6】図6は、本発明のいくつかの実施形態による切取内部図を有する例示の電極構造を示す。
【図7】図7は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図を示す。
【図8】図8は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図を示す。
【図9】図9は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図を示す。
【図10】図10は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図を示す。
【図11】図11は、本発明のいくつかの実施形態による基板と接触する前駆物質の例示の側面図を示す。
【図12】図12は、本発明のいくつかの実施形態による線XII−XIIから得られた図11の素子の例示の平面図を示す。
【図13】図13は、本発明のいくつかの実施形態による前駆物質と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図14】図14は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性材料で被覆された図13の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図15】図15は、本発明のいくつかの実施形態による図14の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図16】図16は、本発明のいくつかの実施形態による基板と接触する複合材料の例示の側面図を示す。
【図17】図17は、本発明のいくつかの実施形態による線XVII−XVIIから得られた図16の素子の例示の平面図を示す。
【図18】図18は、本発明のいくつかの実施形態による複合材料と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図19】図19は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性発泡体と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図20】図20は、本発明のいくつかの実施形態による複合材料と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【図21】図21は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性発泡体と基板との間の界面の例示の部分横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、1つ以上の電気伝導性基板と接触する1つ以上の電気伝導性発泡体を含む電極構造を形成するための方法、組成物、および構成を提供する。本発明は、電気伝導性基板上に電気伝導性発泡体を直接形成するための方法、組成物、および構成を提供する。本発明の電極構造およびアセンブリは、電気エネルギーもしくは電流、またはその任意の組合せを蓄積または供給することができる、例えば、電池、コンデンサー、他の任意のエネルギー貯蔵デバイスなどのエネルギー貯蔵デバイスに適用することができる。例えば、本発明の電極構造およびアセンブリは、単極性電極ユニット(MPU)または双極性電極ユニット(BPU)において実施することができ、またMPUまたはBPUの1つもしくは複数の表面に適用することができる。本発明は、積層エネルギー貯蔵デバイスに関連して本明細書に記載されているが、論じられる概念は、平行平板、角形、折りたたみ、巻線および/もしくは双極性構造、他の任意の適切な構造またはその任意の組合せを含むが、これらに限定されない、任意のセル間の電極構成に適用可能であることが理解されるであろう。
【0013】
いくつかの実施形態において、電極は、界面域を増加させて、分子(例えば、水)もしくはイオン(例えば、ヒドロキシルイオン)またはその両方などの化合物の輸送を改善することができる多孔質組織または伝導性発泡体を含んでいてもよい。電気化学反応は、活性物質、電解質と電気伝導成分との界面において、またはその界面付近において起こり得る。界面域が増加すると、電気化学デバイスの充電または放電の速度が増加し得る。いくつかの実施形態において、開示された技法、組成物、および構成は、適切な基板と接触する多孔質組織または伝導性発泡体を有する電極を提供することができる。
【0014】
本開示は、電気伝導性基板と接触する電気伝導性電極を形成するための方法、組成物、および構成を含む。電極は、例えば、多孔性前駆物質を電気伝導性材料に被覆することによって、もしくは固体複合材料の1つ以上の成分を除去することによって、またはその両方によって形成することができる。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織または発泡体は、基板の1つ以上の表面に直接形成されてもよい。
【0015】
本発明はここで、例示の実施形態を示す図1〜21に関連して説明する。
【0016】
図1は、本発明のいくつかの実施形態によるBPU100の例示の構造の概略横断面図を示す。例示のBPU100は、正極活性物質電極層104、電気伝導性、不浸透性の基板106、および負極活性物質電極層108を含んでもよい。正極層104と負極層108とは基板106の反対側に設けられる。
【0017】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による図1のBPU100の積層200の例示の構造の概略横断面図を示す。複数のBPU202が、積層構造200に配置されていてもよい。積層200内において、1つのBPUの正極層204が、隣接するBPUの負極層208に対向し、電解質層210がBPU間に位置するように、電解質層210が2つの隣接するBPUの間に設けられる。対向する正極層と負極層とを電気的に分離するために、セパレーターが1つ以上の電解質層210に設けられてもよい。セパレーターは、再結合のための隣接電極ユニット間のイオン移動を可能にするが、隣接電極ユニット間の電子の移動を実質的に阻止することができる。本明細書において定義される「セル」または、「セル区画」222は、第1のBPU202の基板206と正極層204と、第1のBPU202に隣接する第2のBPU202の負極層208と基板206と、および第1と第2のBPU202との間の電解質層210に含まれる要素を指す。各セル区画222の各不浸透性基板206は、該当する隣接セル区画222によって共有されていてもよい。
【0018】
図3は、本発明のいくつかの実施形態によるMPU300の例示の構造の概略横断面図を示す。例示のMPU300は、活性物質電極層304および電気伝導性、不浸透性の基板306を含んでいてもよい。活性物質層304は、任意の適切な正のまたは負の活性物質であってもよい。
【0019】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による図3の2つのMPUを含有するデバイスの例示の構造の概略横断面図を示す。それぞれ正負の活性物質を有する2つのMPU300は、積層して電気化学デバイス400を形成することができる。電解質層410は、MPU300の正極層404が、他のMPU300の負極層408と対向し、電解質層410がMPU間に配置されるように、2つのMPU300間に設けられてもよい。セパレーターは、電気的に反対の正極層と負極層とを分離するために、電解質層410に設けることができる。図示されていないが、いくつかの実施形態において、正負の活性物質をそれぞれ有する2つのMPUは、電解質の適切な層と共に積層200に付加され、双極性電池を形成することができる。双極性電池および電池の積層は、Oggら米国特許出願公開第11/417,489号明細書、Oggら米国特許出願公開第12/069,793明細書、Westら米国特許出願公開第12/258,854明細書により詳細に論じられ、これらすべてが参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
電極ユニットを形成するために使用される基板(例えば、基板106、206、406、416)は、穿孔されていない金属箔、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ニッケルおよびアルミニウムを含むクラッド材、銅およびアルミニウムを含むクラッド材、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、他の適切な電気伝導性および不浸透性の材料またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない任意の適切な電気伝導性および不浸透性の、または実質的に不浸透性の物質で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、基板は、1つ以上の適切な金属または金属の組合せ(例えば、合金、固溶体、めっきした金属)で形成されてもよい。特定の実施形態において、各基板は、互いに接着した2枚以上の金属箔で製造されてもよい。各BPUの基板は、通常0.025乃至5ミリメートルの厚さであってもよいが、一方、各MPUの基板は、0.025乃至30ミリメートルの厚さで、例えばESDへの端子またはサブ端子として働くことができる。メタル化発泡体は、例えば、電極の全体にわたって伝導性マトリックスを拡大することによって、セル区画の活性物質間の抵抗が減少するように、例えば、平坦な金属膜または箔の任意の適切な基板材料と組み合わせてもよい。
【0021】
本発明の電極ユニットを形成するために、これらの基板に設けられる正極層(例えば、正極層104、204および404)は、例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、亜鉛(Zn)、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むが、これらに限定されない任意の適切な活性物質で形成されてもよい。正極活性物質は、焼結し含浸し、水性結合剤で被覆しプレスし、有機結合剤で被覆しプレスし、または、伝導性マトリックス中に他の担持化学物質を含む正極活性物質を含有する他の適切な技法によって含有させてもよい。電極ユニットの正極層には、水素化金属(MH)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むが、これらに限定されない粒子であって、例えば膨張を減少させるためにそのマトリックスに注入される粒子を含んでもよい。これは、例えば、サイクル寿命を延ばし、再結合を改善し、セル区画内の圧力を低下させ得る。MHなどのこれらの粒子はまた、電極内の導電率を改善し再結合を支援するために、Ni(OH)2などの活性物質ペーストと接合していてもよい。
【0022】
本発明の電極ユニットを形成するためにこれらの基板上に設けられる負極層(例えば、負極層108、208および408)は、例えば、カドミウム(Cd)、マンガン(Mn)、Ag、他の任意の適切な活性物質、またはその組合せを含むがこれらに限定されない任意の適切な活性物質から形成することができる。負極活性物質は、焼結し含浸し、水性結合剤で被覆しプレスし、有機結合剤で被覆しプレスし、または、伝導性マトリックス中に他の担持化学物質を含む負極活性物質を含有する他の適切な技法によって含有させてもよい。負電極側には、Ni、Zn、Al、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むがこれらに限定されない化学物質であって、例えば、構造を安定させ、酸化を低減し、サイクル寿命を延ばすように負の電極材料マトリックス内に注入される化学物質を有し得る。
【0023】
例えば、有機カルボキシメチルセルロース(CMC)、Creytonゴム、PTFE(テフロン(登録商標))、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない様々な適切な結合剤は、活性物質および基板、固相発泡体、他の任意の適切な成分の、またはその任意の適切な組合せの間の接触を維持するために、活性物質と混合し、さもなければ活性物質に導入することができる。任意の適切な結合剤を、接着、凝集または他の適切な特性またはその組合せを増すために、スラリーまたは他の任意の混合物に含有させてもよい。
【0024】
ESDの各電解質層のセパレーターは、その2つの隣接電極ユニットを電気的に絶縁すると共に、それらの電極ユニット間のイオン移動を可能にする任意の適切な材料で形成することができる。セパレーターは、充填を改善し、およびサイクル寿命を延ばすために電解質容器として役割を果たすようにセルロース超吸収材を含有し、この場合、セパレーターは、例えば、ポリ吸収(polyabsorb)ダイアパー材料から作製することができる。それによって、セパレーターは、電荷がESDに印加されると、前に吸収された電解質を放出し得る。特定の実施形態において、セパレーターは、通常のセルよりも密度が低く、厚く、電極間隔(IES)が、通常よりも高く始まり、およびESDの容量(またはC速度)をその寿命にわたって維持するために、ならびにESDの寿命を延ばすために継続的に低減されるようにする。
【0025】
セパレーターは、短絡を低減し、および再結合を改善するために、電極ユニット上の活性物質の表面に接合される比較的薄い材料でもよい。このセパレーター材料は、例えば、噴霧、被覆、プレスされてもよく、またはその組合せでもよい。セパレーターはそこに取り付けられる再結合剤を有し得る。この薬剤は、セパレーターの構造の中に注入してもよく(例えば、これは、薬剤をセパレーター繊維に結合するポリビニルアルコール(PVAまたはPVOH)を使用して湿式工程において薬剤を物理的に捕捉することによって行ってもよく、または薬剤を、電着によってその中に入れてもよい)、または、例えば、蒸着によって表面に層状化してもよい。セパレーターは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せなどの任意の適切な材料で製造されていてもよい。セパレーターは、例えば、鉛(Pb)、Ag、白金(Pt)、Pd、他の任意の適切な材料、またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない、再結合を効果的に支援する薬剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、薬剤は、任意の電気伝導性成分または材料から実質的に(例えば、接触せずに)絶縁することができる。例えば、いくつかの構成において、薬剤は、薬剤が電気伝導性電極または基板に接触しないように、セパレーター材料シート間に配置してもよい。セルの基板が相互に向かって移動する場合、セパレーターは抵抗を示し得るが、セパレーターは、変形しない程十分堅い基板を利用し得る本発明の一定の実施形態においては、設けられなくてもよい。
【0026】
ESDの各電解質層の電解質は、溶解または融解時にイオン化して伝導性媒質を生成し得る任意の適切な化合物から形成することができる。電解質は、例えば、NiMHを含むが、これらに限定されない任意の適切なESDの標準的な電解質であってよい。電解質は、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(CaOH)、水酸化カリウム(KOH)、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むがこれらに限定されない追加の化学物質を含有してもよい。また、電解質は、例えば、Ag(OH)2を含むが、これらに限定されない再結合を改善するための添加剤も含有してよい。電解質は、例えば、低温性能を改善するために水酸化ルビジウム(RbOH)も含有してよい。電解質はセパレーター内に凍結して、次いで、ESDが完全に組み立てられた後、解凍されてもよい。これによって、ガスケットが、それに隣接する電極ユニットとの実質的な流体密封を形成する前に、特に、粘着性電解質のESDの電極ユニット積層への挿入が可能になる。
【0027】
電極は電気伝導性網状組織または要素を含んでいてもよい。電気伝導性網状組織または要素は、オーム抵抗を減少させ得、電気化学相互作用に対する界面域を増加させ得る。例えば、図4に示される積層400において、電解質410と正極層404または負極層408のどちらかとの間の界面は、平面の二次元表面であるよう見える。平面の界面はエネルギー貯蔵デバイスのいくつかの実施形態において使用されていてもよいが、電極にはまた多孔質組織があってもよい。多孔質組織は、電極と電解質との間の界面域を増すことができ、達成可能な充電または放電速度を増すことができる。活性物質は、より大きい表面域を覆って界面を拡大するために、伝導性成分または網状組織に混合または適用されてもよい。電気化学相互作用は、活性物質、電解質と電気伝導性材料との間の界面で起こり得る。
【0028】
電気伝導性基板は、漏電または短絡を阻止する不浸透性であってもよい。いくつかの構成において、1つ以上の多孔質電極は、図1〜4に示されるような電気伝導性非多孔質基板と接触するように維持されてもよい。この構成は、外部回路および電極中の電子移動を可能にし得る。
【0029】
本明細書において定義されように、「発泡体」は、固相多孔質組織、または細孔を有する固相網状組織を意味するものとする。発泡体は、気体または真空で充填され得る空隙、または気体、液体、ペースト、粒子、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せで部分的にまたは完全に充填されてもよい空隙を含んでいてもよい。細孔率は、空隙で占められる発泡体体積の分率を指す。発泡体は、複数の固体成分を含んでいてもよく、また異なる材料の複合体を含んでいてもよい。開放発泡体は、細孔が相互に連結している発泡体を指す。開放発泡体は、発泡体の全体にわたって、および発泡体と周辺環境との間で、反応体、生成物、電解質、イオンまたは他の化合物の分子輸送を可能にし得る。独立発泡体は、相互に密封された細孔を含み、発泡体の全体にわたって化合物の輸送を効果的に阻止する。以下の議論においては、発泡体という用語は、開放発泡体を指すと理解されよう。
【0030】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による例示の発泡体500の立方体断面図を示す。固相成分502は、全体にわたって散在する複数の細孔504を有し、それによって多孔性を与えることができる。発泡体500は、細孔504より比較的小さい空間的尺度を有する複数の細孔506を含んでいてもよい。細孔506は、発泡体500を作製するために使用される電気伝導性粒子の特徴であってもよい。細孔504は、輸送プロセスを起こし得る発泡体の全体にわたって実質的に相互連結する網状組織を形成してもよい。細孔504は、任意の適切な形状または粒度分布を有し得る。細孔504には、例えば、前駆物質(例えば、ポリマー粒子)の形状および寸法特性を有していてもよい。発泡体500の細孔率は、0乃至1の間の任意の適切な値を有していてもよく、より大きい細孔率は1に近い値に関連する。細孔率のより大きい値は、発泡体の表面積のより大きい値に対応し得る。いくつかの実施形態において、発泡体500は1つ以上の電気伝導性成分(例えば、金属)、1つ以上の活性物質(例えば、Ni(OH)2)、1つ以上の結合剤、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せを含んでもよい。
【0031】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による切取内部図を有する例示の電極構造600を示す。電極構造600は、発泡体602および基板606を含む。発泡体602および基板606は、接触の平面として界面610を共有してもよい。界面610は、少なくとも2つの成分、材料または、その任意の適切な組合せが接触し得る場所の平面または通路を表す。本明細書において使用される用語「界面」は、スラリーと基板、固体発泡体と基板、2つの任意の適切な成分、任意の適切な成分および非固相の間の接触の実質的に平面の区域、または2つの別個の材料間または成分間の接触の他の任意の平面を指すものとする。平面の円盤形状として示されているが、電極構造600は、任意の適切な形状、曲率(例えば、ドーム形)、厚さ(層のどちらも)、相対的寸法(基板および発泡体の)、相対的厚さ(基板および発泡体の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有していてもよい。発泡体602および基板606は、適切な任意の三次元の形状を有し、実質的に円形、正方形、長方形、三角形、六角形、楕円、および他の任意の適切な断面図、または、その形状の組合せであってもよい断面図を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、発泡体602は正方形断面を有する平行六面体であってもよく、また、基板606は円筒であってもよい。発泡体602は、1つ以上の電気伝導性成分(例えば、金属)、1つ以上の活性物質(例えば、Ni(OH)2)、1つ以上の結合剤、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せを含み得る。いくつかの実施形態において、活性物質は、構造600の組み立てまたは作製に続いて、発泡体602に導入されてもよい。
【0032】
電気伝導性基板と接触する電気伝導性発泡体を作製するいくつかの代表的な技法は、本発明のいくつかの実施形態による例示の図7〜10に関連して論じられる。
【0033】
図7は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図700を示す。工程ステップ702は、例えば、ポリマー発泡体などの前駆物質の調製を含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ702は、例えば、発泡剤の使用によってポリマー発泡体を製造することを含んでもよい。ポリマー発泡体を製造するために、任意の適切な技法または技法の組合せが使用されてもよいことが、理解されよう。工程ステップ702は、ポリマー発泡体の洗浄、ポリマー発泡体のエッチング、ポリマー発泡体の寸法または形状の調節(例えば、切断、粉砕、分割、穴空け、機械加工)、電荷を受け入れるためのポリマーの処理、ポリマーの帯電、他の任意の適切な調製技法またはその組合せを含んでもよい。ポリマー発泡体は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、他の任意の適切なポリマーまたはその組合せ、および任意の適切な添加剤を含むが、これらに限定されない炭素系ポリマーで製造されていてもよい。ポリマー材料は、実質的に固体材料のその形状特性を維持してもよい。ポリマー材料は高温で熱分解または炭化を行ってもよい。
【0034】
ポリマー発泡体は、工程ステップ704において、電気伝導性材料でめっき、またはさもなければ被覆されてもよい。伝導性被覆は、任意の適切な種類の金属(例えば、ニッケル)、他の任意の適切な電気伝導性材料またはその任意の適切な組合せであってもよい。工程ステップ804は、電気めっき、無電解めっき、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)、他の任意の適切なめっきまたは被覆技法またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程702および704の実行は、電気伝導性成分または被覆材料を有する複合発泡体をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、活性電極材料が、工程704の間に複合発泡体に添加されてもよい。
【0035】
ポリマー前駆物質は、図7の被覆工程704に続く工程706によって示されるように除去されてもよい。工程706は、還元的環境(例えば、形成ガス、水素、湿った水素、希釈水素)、または、実質的に不活性な環境(例えば、二原子窒素、アルゴン、ヘリウム)中に被覆発泡体を維持しつつ、発泡体の温度の上昇を含んでもよい。実質的な酸素または酸素含有化合物のない状態における高温度は、ポリマー成分の有機物質の熱分解を引き起こすことができる(例えば、熱分解、炭化)。ポリマー成分は、より軽い化合物へ分解し、気化し、脱着し、さもなければ固体発泡体の残存する成分を残し、気相に入る。ポリマーはまた、分解し、固体発泡体に残存し得る固体の炭素リッチ化合物または残渣になり得る。工程706は、ポリマー成分の一部または実質的にすべてを分解するか、炭化するか、気相に入れるかまたはその任意の組合せを引き起こす工程を含んでもよい。工程706は、ポリマー成分および関連する分解物を実質的にすべて除去することができる。いくつかの実施形態において、工程ステップ706は、任意の適切な環境において摂氏300度を超える温度に上げることを含んでもよい。工程ステップ706はまた、例えば発泡体の伝導性、連続性、耐久性、他の適切な特性またはその任意の組合せを向上させるために、同一の、または異なる高温で残存する電気伝導性発泡体を焼結させるか、または他の方法で処理することを含んでもよい。
【0036】
図7に示されるステップ708において、電気伝導性、不浸透性の基板を調製することができる。いくつかの実施形態において、基板は、例えば、双極性または単極性板などのある寸法において、金属発泡体より大きくてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、基板が1つ以上のタブであり得る実施形態などの、ある寸法において、基板は、発泡体より比較的小さくてもよい。基板は、任意の適切な電気伝導性および不浸透性材料で形成されてもよい。基板は、任意の形状(例えば、円盤)の平坦な板、任意の形状(例えば、ドーム)の、曲面板、薄い箔、または任意の適切な断面を有する他の適切な形状であってもよい。基板は、1つ以上の成分(例えば、複合体)を含んでいてもよい。工程ステップ708は、基板の洗浄、基板の表面仕上げの調節(例えば、研磨、粗化)、基板のエッチング、基板の寸法または形状の調節(例えば、切断、粉砕、分割、穴空け、機械加工)、他の任意の適切な調製ステップまたはその任意の適切な組合せなどの調製ステップを含んでもよい。
【0037】
図7に示される工程ステップ710において、電気伝導性基板および電気伝導性発泡体は一緒に固定されてもよい。基板と発泡体とは、接触して配置され、発泡体および基板の1つ以上の面の間に界面を形成してもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ710において、複数の発泡体を特定の基板またはタブと接触するように配置してもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ710において、複数の基板またはタブを特定の発泡体と接触するように配置してもよい。基板と発泡体とは、機械的クランプ、接合、点溶接によって、鉛直に基板と発泡体とを配置することによって、配向を維持することによって、他の適切な接着技法またはその任意の組合せによって、接触が維持されることにより、重力が要素間でゼロでない法線力を引き起こし得る。1つ以上の基板と1つ以上の発泡体との間に耐久性のある接着を作るために、工程ステップ710は、接合、焼結、はんだ付け、溶接、他の任意の適切な技法または任意の組合せを含んでもよい。工程ステップ810に続いて、電極構造は、デバイス(例えば、ESD)の組み立て、活性物質の添加、焼結、他の任意のさらなる加工ステップまたはその適切な組合せが準備できていてもよい。
【0038】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図800を示す。工程ステップ802は、1つ以上の要素を含む複合材料の調製を含んでもよい。複合材料は、ポリマー粒子、ポリマー発泡体、結合剤、電気伝導性粒子(例えば、金属粒子)、カーボン粒子、活性物質、塗装物、液体(例えば、水、有機溶媒)、他の任意の適切な要素またはその任意の適切な組合せなどの要素を含んでもよい。複合材料は、スラリー、ペースト、固体発泡体、固体粒子、被覆固体要素(例えば、被覆ポリマー発泡体)の形態、他の任意の適切な形態またはその組合せの形態であってもよい。工程ステップ802は、混合、ブレンド、撹拌、超音波処理(すなわち、音波を印加して粒子を揺動する)、ボールミル粉砕、粉砕、分級(例えば、ふるい分け)、乾燥、被覆(例えば、電気めっき、無電解めっき、CVD、PVD)、焼結、複合材料を調製するための他の適切な工程またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0039】
図8において示される工程ステップ804において、複合材料は1つ以上の基板と接触するように配置されてもよい。複合材料は、基板の1つ以上の面の上の1つ以上の近接する層に配置されてもよい。例えば、複合材料は、別々の層(例えば、BPU)として平坦な基板の対向面の両方に施されてもよい。いくつかの実施形態において、異なる複合材料(例えば、異なる組成物)が、単一の基板(例えば、BPU)と接触するように配置されてもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ804は、例えば、ドクターブレーディング、スピンコーティング、スクリーン印刷、他の任意の適切なスラリー適用技法またはその任意の適切な組合せによって、基板にスラリー複合材料を施すことを含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ804は、固体複合材料を基板と接触するように配置および維持することを含み、例えば、固体複合材料の基板への機械的にクランプ、固体複合材料の基板への接合、固体複合材料の基板へのプレス、重力が要素間でゼロでない法線力を引き起こすように鉛直に1つの要素を別の要素に配置することによって配向を維持すること、他の任意の適切な接着技法またはその任意の適切な組合せなどの技法を含んでもよい。
【0040】
図8において示される工程ステップ806において、基板と接触する複合材料の1つ以上の非電気伝導性成分は除去されてもよい。工程806は、還元的環境(例えば、形成ガス、水素、湿った水素、希釈水素)、または実質的に不活性な環境(例えば、二原子窒素、アルゴン、ヘリウム)中に複合材料を維持しつつ、複合材料および基板の温度の上昇を含んでもよい。工程ステップ806はまた、化学的浸出、溶解、他の任意の適切な低温(例えば、摂氏100度未満)技法またはその組合せを含んでもよい。いくつかの実施例において、工程ステップ806は図7に示される工程ステップ706に対応してもよい。工程ステップ806に続く結果として得られた構造は、非多孔性の電気伝導基板に接触する多孔性の電気伝導固体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ806に続く結果として得られた構造は、活性物質、結合剤、他の任意の適切な材料または成分、またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。工程ステップ806に続いて、電極構造は、ESDなどのデバイスの組み立て、活性物質の添加、電気伝導性材料での被覆、焼結、他の任意のさらなる加工または組み立てステップまたはその任意の適切な組合せが準備できていてもよい。
【0041】
図9は、本発明のいくつかの実施形態に従って電極構造を作製するための例示の流れ図900を示す。図9に示される工程ステップ902において、例えば、ポリマー発泡体または、ポリマースラリーなどの前駆物質が調製されてもよい。前駆物質は、固体、液体、または任意の適切な組合せ(例えば、スラリー、コロイド、懸濁液)であってもよい。いくつかの実施形態において、前駆体は、ポリマースラリーであってもよく、およびポリマー粒子、1つ以上の液状薬剤(例えば、有機溶媒、水、アルコール)、1つ以上の結合剤、活性物質、炭素(例えば、黒鉛)、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。ポリマー粒子は、任意の適切な形状または粒度分布を有し得る。ポリマー粒子は、任意の適切なポリマーの種類またはポリマーの組合せを含んでもよい。工程ステップ902は、混合、ブレンド、撹拌、超音波処理、ボールミル粉砕、粉砕、分級(例えば、ふるい分け)、乾燥、他の任意の適切な調製ステップまたはその任意の適切な組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、前駆体は、任意の種類の適切なポリマーまたはその組合せから作られたポリマー発泡体であってもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ902は、ポリマー発泡体の洗浄、ポリマー発泡体のエッチング、ポリマー発泡体の寸法または形状の調節(例えば、切断、粉砕、分割、穴空け、機械加工)、電荷を受け入れるためのポリマーの処理、ポリマーの帯電、他の任意の適切な調製技法またはその組合せを含んでもよい。
【0042】
図9に示される工程ステップ904において、工程ステップ902の前駆物質は、適切な基板の1つ以上の面に適用されてもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ904は、ドクターブレーディング、スピンコーティング、スクリーン印刷、他の任意の適切なスラリー適用技法またはその任意の適切な組合せによって、基板にスラリーを施すことを含んでもよい。いくつかの実施形態において、任意の適切な形状の1つ以上の型が、工程ステップ902のスラリーを特定の形状に維持するために使用されてもよい。例えば、工程ステップ902のスラリーを筒状形状に維持するために、さもなければ変形する工程ステップ902のスラリーが流れることを阻止しつつ、基板と接触する円筒状の型が用いられてもよい。いくつかの実施形態において、型は、基板へのスラリーの適用に続く任意の適切な工程ステップで除去することができる。いくつかの実施形態において、工程ステップ904は、例えば、ポリマー発泡体の基板へのなどの、固体前駆物質の機械的クランプまたは接合を含んでもよい。任意の適切な接着技法が、固体前駆物質と基板との間の接触を維持するために使用されてもよい。
【0043】
図9に示される工程ステップ906において、基板と接触する前駆物質は、さらに処理されてもよい。いくつかの実施形態、において、前駆体スラリーは乾燥されてもよい。(例えば、1つ以上の液体成分の一部またはすべては除去されてもよい)乾燥工程906は、残留成分(例えば、残存するスラリー成分)に剛性を与えることができる。いくつかの実施形態において、型が、用いられた場合、除去されてもよいように、乾燥工程906によって、残留成分が形状を維持することが可能になる。いくつかの実施形態において、乾燥工程906は残留成分の集合体に細孔を与えることができる。いくつかの実施形態において、乾燥工程906は、規定の気体環境(例えば、加熱したアルゴン)中での基板およびスラリーの加熱、浸漬、他の任意の適切な乾燥工程またはその組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ906は、電気伝導性材料で被覆するための前駆物質を調製する任意の適切な加工ステップも含んでもよい。工程ステップ906は、例えば、前駆物質が固体である実施形態などの、いくつかの実施形態においては飛び越してもよい。
【0044】
図9に示される工程ステップ908において、基板と接触する処理された前駆物質は、適切な材料で被覆されてもよい。被覆工程908は、電気めっき、無電解めっき、CVD、PVD、他の任意の適切なめっきもしくは被覆技法またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、活性物質は、被覆工程908の一部(例えば、前にまたは後に)として多孔質組織に添加されてもよい。工程ステップ908に続く結果として得られた構造は、不浸透性の電気伝導基板と接触して、多孔性の電気伝導網状組織(または発泡体)および前駆物質成分を含んでもよい。
【0045】
図9に示される工程ステップ910において、基板と接触する前駆物質の1つ以上の成分が除去されてもよい。工程910は、還元的環境(例えば、形成ガス、水素、湿った水素、希釈水素)または、実質的に不活性な環境(例えば、二原子窒素、アルゴン、ヘリウム)中に複合材料および基板を維持しつつ、複合材料および基板の温度の上昇を含んでもよい。工程ステップ910はまた、化学的浸出、溶解、他の任意の適切な低温(例えば、摂氏100度未満)技法またはその組合せを含んでもよい。いくつかの実施例において、工程ステップ910は図7に示される工程ステップ706に対応してもよい。工程ステップ910に続く結果として得られた構造は、不浸透性の電気伝導性基板と接触する多孔性の電気伝導網状組織または発泡体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ910に続く結果として得られた構造は、活性物質、結合剤、他の任意の適切な材料もしくは成分、またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。工程ステップ910に続いて、電極構造は、デバイス(例えば、ESD)の組み立て、活性物質の添加、焼結、他の任意のさらなる加工またはその任意の適切な組合せが準備できていてもよい。
【0046】
図10は、本発明のいくつかの実施形態による電極構造を作製するための例示の流れ図1000を示す。図10に示される工程ステップ1002において、電気伝導粒子(例えば、金属粒子)およびポリマー粒子(任意の適切な寸法または形状の)の任意の適切な組合せ、1つ以上の液状薬剤(例えば、有機溶媒、水、アルコール)、活性物質、結合剤、炭素(例えば、黒鉛)、または他の任意の適切な材料を含むスラリーが調製されてもよい。1つ以上の非電気伝導性成分は、任意の適切な形状または粒度分布を有し得る。いくつかの実施形態において、電気伝導粒子および非電気伝導性粒子は必ずしも同一の寸法および形状ではなくてよい。非電気伝導性粒子は、任意の適切な種類のポリマーまたはポリマーの組合せを含んでもよい。工程ステップ1002は、混合、ブレンド、撹拌、超音波処理、ボールミル粉砕、粉砕、分級(例えば、ふるい分け)、乾燥、他の任意の適切な調製方法またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0047】
図10に示される工程ステップ1004において、工程ステップ1002のスラリーは、適切な基板の1つ以上の表面に施されてもよい。工程ステップ1004は、ドクターブレーディング、スピンコーティング、スクリーン印刷、他の任意の適切なスラリー適用技法またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、任意の適切な形状の1つ以上の型が、工程ステップ1002のスラリーを基盤上に特定の形状に維持するために使用されてもよい。例えば、工程ステップ1002のスラリーを直角プリズム形状に維持するために、さもなければ変形する工程ステップ1002のスラリーが流れることを阻止しつつ、基板と接触する直角プリズムの型が用いられてもよい。
【0048】
図10に示される工程ステップ1006において、工程ステップ1004の基板と接触する工程ステップ1002のスラリーは、乾燥されてもよい(例えば、1つ以上の液体成分の一部またはすべてが除去されてもよい)。乾燥工程1006は、残留成分、例えば、残存するスラリー成分などに剛性を与えることができる。いくつかの実施形態において、型が用いられる場合に、型が除去されてもよいように、乾燥工程1006によって残留成分が形状を維持することが可能になる。いくつかの実施形態において、乾燥工程906は残留成分の集合体に多孔性を与えることができる。いくつかの実施形態において、乾燥工程906は、規定の気体環境(例えば、加熱したアルゴン)中での工程ステップ1004の基板および工程ステップ1002のスラリーの加熱、浸漬、他の任意の適切な乾燥工程またはその組合せを含んでもよい。
【0049】
図10に示される工程ステップ1008において、基板と接触する乾燥スラリー残留成分の非電気伝導性成分は除去されてもよい。工程1008は、還元的環境(例えば、形成ガス、水素、湿った水素、希釈水素)、または、実質的に不活性な環境(例えば、二原子窒素、アルゴン、ヘリウム)中に残留成分および基板を維持しつつ、工程ステップ1006の残留成分および基板の温度の上昇を含んでもよい。工程ステップ1008はまた、化学的浸出、溶解、他の任意の適切な低温(例えば、摂氏100度未満)技法またはその組合せを含んでもよい。いくつかの実施例において、工程ステップ1008は、図7に示される工程ステップ706に対応してもよい。工程ステップ1008に続く結果として得られた構造は、不浸透性の電気伝導基板と接触する電気伝導発泡体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程ステップ1008に続く結果として得られた構造は、活性物質、結合剤、他の任意の適切な材料または成分、またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。工程ステップ1008に続いて、電極構造は、デバイス(例えば、ESD)の組み立て、活性物質の添加、焼結、電気伝導性材料での被覆、他の任意のさらなる加工ステップまたはその適切な組合せが準備できていてもよい。
【0050】
流れ図700〜1000のステップが例示であることが理解されよう。流れ図700〜1000の任意のステップは、本発明の範囲から離れることなく、修飾し、省略し、再配置し、流れ図700〜1000の他のステップと組み合わせ、または追加のステップで補足することができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態による電極構造を製造する例示の方法は、図11〜15に関連してさらに論じられる。
【0052】
図11は、本発明のいくつかの実施形態による基板1106と接触する前駆物質1102の例示の側面図を示す。図12に、本発明のいくつかの実施形態による図11の線XII−XIIから得られた図11の素子の例示の平面図を示す。界面1110において基板1106と接触する前駆物質1102が示されている。基板1106および前駆物質1102は、任意の適切な形状、断面形状、曲率、厚さ(層1106または1102のどちらも)、相対寸法(基板および前駆物質の)、相対厚さ(基板および前駆物質の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有し得る。前駆物質1102は、電極構造を形成するための任意の適切な材料であってもよく、またポリマー発泡体、複合材料(例えば、図8の流れ図800において論じられた複合材料)、乾燥ポリマースラリー(例えば、図9の工程ステップ906において論じられた乾燥スラリー)、結合剤、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0053】
図13は、本発明のいくつかの実施形態による前駆物質1302と基板1306との間の界面領域1300の例示の部分横断面図を示す。図13に示される界面領域1300は、図11に示される界面1110の概略のクローズアップに対応、またはそれを表し得る。いくつかの実施形態において、前駆物質1302は、固体成分1304および細孔網状組織1308を含んでもよい。細孔網状組織1308は、任意の適切な寸法および/または形状の細孔を含んでもよい。図13に丸形断面を有する粒子で製造されている例示として示したが、前駆物質1302は、固相および細孔網状組織(例えば、任意の適切な多孔性固体)を含む任意の適切な横断形状を有し得る。図13によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの連続性を示していないかもしれないが、その連続性が、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0054】
図14は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性材料1412で被覆された、図13の前駆物質1302と基板1306との間の界面領域1400の例示の部分横断面図を示す。界面領域1400は、界面領域1300の被覆工程(例えば、図9の工程ステップ908)に続く図13の前駆物質1302と基板1306間との界面を示す。被覆材料1412は、前駆物質1302の表面の一部またはすべてに施され、被覆前駆物質1402を形成することができる。いくつかの実施形態において、被覆工程はまた、被覆材料1410による基板1306の被覆を含んでよい。いくつかの実施形態において、被覆材料1410と被覆材料1412とは接触して、例えば電気伝導を可能にし得る。被覆前駆物質1402は、多孔性を与え得る細孔網状組織1408を含んでもよい。細孔網状組織1408は、被覆工程前の細孔網状組織1308に実質的に対応し得る。
【0055】
図15は、本発明のいくつかの実施形態による図14の電気伝導性網状組織1502と基板1306との間の界面領域1500の例示の部分的横断面図を示す。界面領域1500は、例えば図9の工程ステップ910によって述べられたような、被覆前駆物質1402の1つ以上の成分を除去した後の、図14の前駆物質1402と基板1306との間の例示の界面を含む。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織1502は、実質的に被覆1412に対応し得る。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織1502は、細孔網状組織1408から生じ得る細孔網状組織1508を含んでもよい。いくつかの実施形態において、細孔網状組織1514は、被覆前駆物質1402の1つ以上の適切な成分の除去から生じ得る。細孔網状組織1514は、細孔網状組織1508と異なる特性(例えば、細孔寸法、相互連続性)を有し得る。いくつかの実施形態において、細孔網状組織1508および細孔網状組織1514は、被覆前駆物質1402の1つ以上の成分の除去の後に、単一の細孔網状組織を形成し得る。図15は前駆物質1302の完全除去を示すが、前駆物質1302の1つ以上の成分が除去されなくてもよいことが理解されよう。また、電気伝導性網状組織1502が、前駆物質1302から残存する電気伝導の、またはその他の1つ以上の成分を含んでもよいことが理解されよう。界面領域1500を含有する電極構造は、電気伝導性材料でめっきされ、さもなければ被覆されてもよい。界面領域1500を含有する電極構造は、被覆前駆物質1402の1つ以上の適切な成分の除去の後または間に、焼結されてもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態による電極構造を製造する例示の工程が、図16〜21に関連してさらに論じられる。
【0057】
図16は、本発明のいくつかの実施形態による基板1606と接触する複合材料1602の例示の側面図を示す。図17に、本発明のいくつかの実施形態による図16の線XVII−XVIIから得られた図16の素子の例示の平面図を示す。界面1610において基板1606と接触する複合材料1602が示されている。基板1606と複合体材料1602とは、任意の適切な形状、断面形状、曲率、厚さ(層1606および1602のどちらも)、相対的寸法(基板および複合材料の)、相対的厚さ(基板および複合材料の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有し得る。いくつかの実施形態では、複合材料1602は、図10の工程ステップ1006において、上で論じられた乾燥スラリーを含んでもよい。複合材料1602は、電極構造を形成する任意の適切な材料であってもよく、また、電気伝導性材料、および1つ以上のポリマー発泡体、非電気伝導性粒子(例えば、ポリマー粒子)、複合材料(例えば、図8の工程ステップ802において論じられた複合材料)、結合剤、他の任意の適切な材料、またはその任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0058】
図18は、本発明のいくつかの実施形態による複合体材料1802と基板1806との間の界面領域1800の例示の部分横断面図を示す。図18に示される界面領域1800は、図16に示される界面1610の概略のクローズアップに対応し、またはそれを表し得る。いくつかの実施形態において、複合材料1802は、その1つまたは両方が電気伝導性であってもよい固体成分1808および1810、ならびに細孔網状組織1812を含んでもよい。細孔網状組織1812は、任意の適切な寸法および/または形状の細孔を含んでもよい。図18に、丸形断面を有する粒子で製造されている例示として示したが、複合材料1802は、固相および細孔網状組織(例えば、任意の適切な多孔性固体)を含む任意の適切な横断形状を有し得る。複合材料1802は、複数の任意の数の成分を、任意の適切な組合せで含んでもよい。図18によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの連続性を示していないかもしれないが、その連続性は、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0059】
図19は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性発泡体1902と基板1806との間の界面領域1900の例示の部分横断面図を示す。いくつかの実施形態において、界面領域1900は、例えば、図8の工程ステップ806または図10のステップ1008によって述べられたような、複合材料1802の1つ以上の成分の除去後の、図18の複合材料1802と基板1806との間の界面を示す。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織1902は、複合材料1802の1つ以上の成分に対応してもよい。いくつかの実施形態において、電気伝導性網状組織1902は、細孔網状組織1912を含んでもよい。いくつかの実施形態において、細孔網状組織1912は、複合材料1802の1つ以上の成分の除去から一部生じ得る。複合材料1802の1つ以上の成分が除去されなくてもよいことは理解されよう。また、電気伝導性網状組織1902が、複合材料1802から残存する電気伝導の、またはその他の1つ以上の成分を含んでもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態において、界面領域1900を含む電極構造は、複合材料1802の1つ以上の適切な成分の除去の間または後に、焼結されてもよい。
【0060】
図20は、本発明のいくつかの実施形態による複合材料2002と基板2006との間の界面領域2000の例示の部分横断面図を示す。図20に示される界面領域2000は、図16に示される界面1610の概略のクローズアップに対応し、またはそれを表し得る。いくつかの実施形態において、複合材料2002は、その1つまたは両方が電気伝導性であってもよい固体成分2008および2010、ならびに細孔網状組織2012を含んでもよい。固体成分2008および2010は、任意の適切な粒度分布および/または形状分布を有し得る。いくつかの実施形態において、固体成分2008および2010は、異なる粒度分布および/または形状分布を有し得る。細孔網状組織2012は、任意の適切な寸法および/または形状の細孔を含んでもよい。図20に丸形断面を有する粒子で製造されている例示として示したが、複合材料2002は、固相および細孔網状組織(例えば、任意の適切な多孔性固体)を含む任意の適切な横断形状を有し得る。複合材料2002は、複数の任意の数の成分を、任意の適切な組合せで含んでもよい。図20によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの連続性を示していないかもしれないが、その連続性は、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0061】
図21は、本発明のいくつかの実施形態による電気伝導性発泡体2102と基板2006との間の界面領域2100の例示の部分横断面図を示す。界面領域2100は、例えば、図8の工程ステップ806または図10のステップ1008によって述べられたような、複合材料2002の1つ以上の成分の除去後の、図21の複合材料2002と基板2006との間の例示の界面を示す。いくつかの実施形態において、電気伝導性発泡体2102は、複合材料2002の1つ以上の成分に対応し得る。いくつかの実施形態において、電気伝導性発泡体2102は、細孔網状組織2112および細孔網状組織2114を含んでもよい。いくつかの実施形態において、細孔網状組織2112は、細孔網状組織2012に対応し得る。いくつかの実施形態において、細孔網状組織2114は、複合材料2002の1つ以上の成分の除去から一部生じ得る。いくつかの実施形態において、細孔網状組織2112および2114は、単一の細孔網状組織を形成し得る。複合材料2002の1つ以上の成分が除去されなくてもよいことが理解されよう。また、電気伝導性発泡体2102が、複合材料2002から残存する電気伝導の、またはその他の1つ以上の成分を含んでもよいことが理解されよう。
【0062】
前述のものが本発明の原理の単なる例示であり、様々な変形が、本発明の範囲および趣旨から離れることなく、当業者によって行われ得ることが理解されよう。また、「水平」および「鉛直」、「上部」および「底部」および「側面」、「長さ」および「幅」および「高さ」および「厚さ」、「内側」および「外側」、「内部」および「外部」、などの方向および配向に関する用語が、便宜のためだけに本明細書において使用され、固定的または絶対的な方向または配向に関する限定がこれらの単語の使用によって意図されないことも理解されよう。例えば、本発明のデバイスならびにその個々の要素は、任意の所望の配向を有し得る。再配向される場合、異なる方向または配向に関する用語が、その説明で使用する必要になり得るが、本発明の範囲および趣旨内にある、その基本的な性質は変更されない。当業者は、本発明が、限定目的ではなく例示目的で提示される上述の実施形態以外によって実施されてもよく、本発明が以下の請求範囲によってのみ限定されることを理解するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極構造を形成する方法であって、該方法は、
前駆物質と電気伝導性基板とが接触するように配置することであって、該基板の表面と該前駆物質との間に界面が存在する、ことと、
該前駆物質に電気伝導性材料を導入して、該前駆物質の体積の全体にわたって電気伝導性網状組織を形成することであって、該前駆物質と該基板との間に接触が維持される、ことと、
該前駆物質の実質的にすべてを除去して、該基板に接触する対応する電気伝導性発泡体を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記前駆物質がポリマー発泡体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前駆物質と電気伝導性基板とが接触するように配置することは、
複数の第1の粒子および液状薬剤を組み合わせてスラリーを形成することと、
該電気伝導性基板上に該スラリーの少なくとも1つの近接する層を形成することと、
該スラリーの該少なくとも1つの近接する層から該液状薬剤の実質的にすべてを除去して、該前駆物質を残すことであって、該前駆物質が該基板に依然として接触している、ことと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電極構造は、エネルギー貯蔵デバイスにおいて使用するために構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
活性物質を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電気伝導性材料を前記前駆物質に導入することは、該電気伝導性材料を前記基板の少なくとも1つの表面に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電気伝導性発泡体は、金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属は、ニッケル、鋼鉄、アルミニウム、金、銀および銅からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電気伝導性基板は、金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記電気伝導性基板は、ニッケル、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板は、平坦な板形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板は、曲面の板形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記前駆物質を除去することは、規定の気体環境において前記電極構造の温度を上昇させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記前駆物質と前記基板とが接触するように配置することは、該前駆物質を該基板に機械的にクランプすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記前駆物質と前記基板とが接触するように配置することは、該前駆物質を該基板に接合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記電気伝導性発泡体と前記基板とを焼結することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
電極構造を形成する方法であって、該方法は、
複数の第1の粒子、複数の第2の粒子、および液状薬剤を組み合わせてスラリーを形成することと、
電気伝導性基板の表面に該スラリーの少なくとも1つの近接する層を形成することと、
該スラリーの該少なくとも1つの近接する層から該液状薬剤の実質的にすべてを除去して、固体複合材料を残すことであって、該固体複合材料が該基板の該表面に依然として接触している、ことと、
該複合材料から該複数の第1の粒子の実質的にすべてを除去することであって、該残存する複数の第2の粒子が、該基板と接触する対応する電気伝導性発泡体を形成することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記複数の第1の粒子は、複数のポリマー粒子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電極構造は、エネルギー貯蔵デバイスにおいて使用するために構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
活性物質を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
電気伝導性材料を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記電気伝導性発泡体は、金属を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記金属は、ニッケル、鋼鉄、アルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記電気伝導性基板は、金属を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記電気伝導性基板は、ニッケル、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記電気伝導性基板は、平坦な板形状を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記電気伝導性基板は、曲面の板形状を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記複数の第1の粒子を除去することは、規定の気体環境において前記電極構造の温度を上昇させることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記電気伝導性発泡体と前記電気伝導性基板とを焼結することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
次の方法によって形成される電極構造であって、該方法は、
電気伝導性基板の表面を複合材料と接触するように配置することであって、該複合材料は、
少なくとも1つの電気伝導性成分、および
少なくとも1つの非電気伝導性成分
を含む、ことと、
該複合材料から該非電気伝導性成分の実質的にすべてを除去することであって、該残存する少なくとも1つの電気伝導性成分は、該基板に接触して電気伝導性発泡体を形成する、ことと
を含む、電極構造。
【請求項31】
前記複合材料は、ポリマーを含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項32】
前記電極構造は、エネルギー貯蔵デバイスにおいて使用するために構成されている、請求項30に記載の電極構造。
【請求項33】
活性物質を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項34】
電気伝導性材料を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項35】
前記電気伝導性発泡体が金属を含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項36】
前記金属は、ニッケル、鋼鉄、アルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項35に記載の電極構造。
【請求項37】
前記電気伝導性基板は、金属を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記電気伝導性基板は、ニッケル、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ステンレス鋼、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項30に記載の電極構造。
【請求項39】
前記基板は、平坦な板形状を有する、請求項30に記載の電極構造。
【請求項40】
前記基板は、曲面の板形状を有する、請求項30に記載の電極構造。
【請求項41】
前記非電気伝導性成分は、規定の気体環境において前記電極構造の温度を上昇させることによって除去される、請求項30に記載の電極構造。
【請求項42】
前記複合材料と前記基板とが機械的にクランプされることにより、接触を維持する、請求項30に記載の電極構造。
【請求項43】
前記複合材料と前記基板とが接合されることにより、接触を維持する、請求項30に記載の電極構造。
【請求項44】
前記電気伝導性発泡体と前記基板とを焼結することをさらに含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項1】
電極構造を形成する方法であって、該方法は、
前駆物質と電気伝導性基板とが接触するように配置することであって、該基板の表面と該前駆物質との間に界面が存在する、ことと、
該前駆物質に電気伝導性材料を導入して、該前駆物質の体積の全体にわたって電気伝導性網状組織を形成することであって、該前駆物質と該基板との間に接触が維持される、ことと、
該前駆物質の実質的にすべてを除去して、該基板に接触する対応する電気伝導性発泡体を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記前駆物質がポリマー発泡体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前駆物質と電気伝導性基板とが接触するように配置することは、
複数の第1の粒子および液状薬剤を組み合わせてスラリーを形成することと、
該電気伝導性基板上に該スラリーの少なくとも1つの近接する層を形成することと、
該スラリーの該少なくとも1つの近接する層から該液状薬剤の実質的にすべてを除去して、該前駆物質を残すことであって、該前駆物質が該基板に依然として接触している、ことと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電極構造は、エネルギー貯蔵デバイスにおいて使用するために構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
活性物質を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電気伝導性材料を前記前駆物質に導入することは、該電気伝導性材料を前記基板の少なくとも1つの表面に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電気伝導性発泡体は、金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属は、ニッケル、鋼鉄、アルミニウム、金、銀および銅からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電気伝導性基板は、金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記電気伝導性基板は、ニッケル、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板は、平坦な板形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板は、曲面の板形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記前駆物質を除去することは、規定の気体環境において前記電極構造の温度を上昇させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記前駆物質と前記基板とが接触するように配置することは、該前駆物質を該基板に機械的にクランプすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記前駆物質と前記基板とが接触するように配置することは、該前駆物質を該基板に接合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記電気伝導性発泡体と前記基板とを焼結することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
電極構造を形成する方法であって、該方法は、
複数の第1の粒子、複数の第2の粒子、および液状薬剤を組み合わせてスラリーを形成することと、
電気伝導性基板の表面に該スラリーの少なくとも1つの近接する層を形成することと、
該スラリーの該少なくとも1つの近接する層から該液状薬剤の実質的にすべてを除去して、固体複合材料を残すことであって、該固体複合材料が該基板の該表面に依然として接触している、ことと、
該複合材料から該複数の第1の粒子の実質的にすべてを除去することであって、該残存する複数の第2の粒子が、該基板と接触する対応する電気伝導性発泡体を形成することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記複数の第1の粒子は、複数のポリマー粒子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電極構造は、エネルギー貯蔵デバイスにおいて使用するために構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
活性物質を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
電気伝導性材料を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記電気伝導性発泡体は、金属を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記金属は、ニッケル、鋼鉄、アルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記電気伝導性基板は、金属を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記電気伝導性基板は、ニッケル、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記電気伝導性基板は、平坦な板形状を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記電気伝導性基板は、曲面の板形状を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記複数の第1の粒子を除去することは、規定の気体環境において前記電極構造の温度を上昇させることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記電気伝導性発泡体と前記電気伝導性基板とを焼結することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
次の方法によって形成される電極構造であって、該方法は、
電気伝導性基板の表面を複合材料と接触するように配置することであって、該複合材料は、
少なくとも1つの電気伝導性成分、および
少なくとも1つの非電気伝導性成分
を含む、ことと、
該複合材料から該非電気伝導性成分の実質的にすべてを除去することであって、該残存する少なくとも1つの電気伝導性成分は、該基板に接触して電気伝導性発泡体を形成する、ことと
を含む、電極構造。
【請求項31】
前記複合材料は、ポリマーを含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項32】
前記電極構造は、エネルギー貯蔵デバイスにおいて使用するために構成されている、請求項30に記載の電極構造。
【請求項33】
活性物質を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項34】
電気伝導性材料を前記電極構造に導入することをさらに含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項35】
前記電気伝導性発泡体が金属を含む、請求項30に記載の電極構造。
【請求項36】
前記金属は、ニッケル、鋼鉄、アルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項35に記載の電極構造。
【請求項37】
前記電気伝導性基板は、金属を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記電気伝導性基板は、ニッケル、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ステンレス鋼、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、および銅からなる群から選択される、請求項30に記載の電極構造。
【請求項39】
前記基板は、平坦な板形状を有する、請求項30に記載の電極構造。
【請求項40】
前記基板は、曲面の板形状を有する、請求項30に記載の電極構造。
【請求項41】
前記非電気伝導性成分は、規定の気体環境において前記電極構造の温度を上昇させることによって除去される、請求項30に記載の電極構造。
【請求項42】
前記複合材料と前記基板とが機械的にクランプされることにより、接触を維持する、請求項30に記載の電極構造。
【請求項43】
前記複合材料と前記基板とが接合されることにより、接触を維持する、請求項30に記載の電極構造。
【請求項44】
前記電気伝導性発泡体と前記基板とを焼結することをさらに含む、請求項30に記載の電極構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2013−504166(P2013−504166A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528091(P2012−528091)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/047829
【国際公開番号】WO2011/029012
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(510113553)ジー4 シナジェティクス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/047829
【国際公開番号】WO2011/029012
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(510113553)ジー4 シナジェティクス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
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