説明

発熱体収納箱冷却装置

【課題】発熱量の大きい発熱体収容箱において、冷却装置を発熱体収容箱の天面に設置でき、コンパクトで効率の良い発熱体収容箱の冷却を実現する発熱体収容箱冷却装置を提供することを目的とする。
【解決手段】発熱体収容箱内の空気を取込み、また発熱体収容箱内に戻し循環させる内気風路5と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路6を有し、外気風路6の空気を搬送する外気送風機9と内気風路5の空気を搬送する内気送風機10を各送風機の回転軸と空気吸込み方向が平行となるように配置し、さらに外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子7を有し、これらの外気送風機10と内気送風機9、熱交換素子7を搭載した冷却装置を発熱体収容箱の天面に配置し、内気風路5の内気吸込口4を発熱体収容箱の天面の中央に配置することによって、効率のよい内気の循環経路を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に設置される箱体構造物で、内部に温度、湿度、粉塵などが性能、寿命に影響を与える機器を収容し、その機器の発熱量が多いため年間を通じて冷却を要する箱体構造物に関し、特に熱交換型冷却装置とその循環風路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品の高性能化と制御基板に対する電子部品の高密度化が進み、制御基板からの発熱量は飛躍的に増加している。これに伴い、箱内の温度は上昇する傾向にあり、制御基板上にある電子部品の動作保証、製品寿命は箱内の温度に大きな影響を受ける。このため、箱内の温度を一定以下に冷却しなければ信頼性の確保が出来なくなってきている。
【0003】
従来、この種の箱を空気式熱交換により冷却する発熱体収容箱冷却装置は、箱外面に設置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、その発熱体収容箱冷却装置について、図8を参照しながら説明する。
【0005】
図8に示すように発熱体収容箱冷却装置は、箱体101の内部に、発熱体収容箱の空気を内気吸込口102より取込んで戻す内気風路105と、外気を外気吸込口106より取込み、また外気吹出口108から排出する外気風路109を有し、これら両風路が独立するよう設置された仕切板110と、外気風路109の空気を搬送する外気側ファン103Bをファンの回転軸と外気吸込口106からの空気吸込方向が直角になるよう配置し、内気風路105の空気を搬送する内気側ファン103Aをファンの回転軸と内気吸込口102からの空気吸込方向が直角になるよう配置し、両風路の交点に配され外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子104とを備え、発熱体収容箱のパネルに外付けする設置形態で、発熱体収容箱を冷却している。
【特許文献1】特開2001−156478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の発熱体収容箱冷却装置は、内部の発熱体の配置や発熱体収容箱の周囲の障害物によって、特定の部位や発熱体収容箱だけ温度が上昇してしまう発熱問題があり、特に発熱量の大きい発熱体収容箱の冷却装置は、その扉部分に取り付けられることが多いことから、効率よく発熱体収容箱内を冷却できないことが課題であった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、発熱量の大きい発熱体収容箱においても冷却装置を発熱体収容箱の天面に設置でき、コンパクトで効率の良い発熱体収容箱の冷却を実現する発熱体収容箱冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発熱体収納箱冷却装置は上記目的を達成するために、発熱体収容箱の空気を取込み、また発熱体収容箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路を有し、外気風路の空気を搬送する外気送風機と内気風路の空気を搬送する内気送風機を各送風機の回転軸と空気吸込み方向が平行となるよに配置し、さらに外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子を有し、これらの外気送風機と内気送風機、熱交換素子を搭載した冷却装置を内気風路の吸込口が、発熱体収容箱天面の中央に配置するように、発熱体収容箱の上方に設置したことを特徴とするものである。
【0009】
また、他の手段は、中央に空間を有するように、外気風路と内気風路にL字風路を有する熱交換素子を左右に設置したことを特徴とするものである。
【0010】
また、他の手段は、外気送風機と内気送風機の双方を駆動させる電動機と電動機の上部に外気送風機、電動機の下部に内気送風機を中央に配置したことを特徴とするものである。
【0011】
また、他の手段は、発熱体収容箱天面の左右端部に吐出口を有することを特徴とするものである。
【0012】
また、他の手段は、左右側面に外気風路吸込口、背面に外気風路吐出口を有することを特徴とするものである。
【0013】
また、他の手段は、内気送風機を配置した同一区画正面に制御装置を配置したことを特徴とするものである。
【0014】
また、他の手段は、内気風路の熱交換素子の吐出口に加熱機能を備えたヒーターを傾斜配置したことを特徴とするものである。
【0015】
また、他の手段は、外気風路吸込口に発熱体収納箱の左右壁面の外側から脱着可能な吸込用ガラリ付きダクトを有したことを特徴とするものである。
【0016】
また、他の手段は、外気風路吐出口に発熱体収納箱の背面の外側から脱着可能な吐出用ガラリ付きダクトを有したことを特徴とするものである。
【0017】
また、他の手段は、熱交換素子の底面に発熱体収納箱の中央から発熱体収納箱の側面に向かって下がる方向の傾斜を設けた断熱性能を有する部材を配したことを特徴とするものである。
【0018】
また、他の手段は、内気風路の熱交換素子の吐出口に中空のダクトを有したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、発熱体収容箱の空気を取込み、また発熱体収容箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路を有し、外気風路の空気を搬送する外気送風機と内気風路の空気を搬送する内気送風機を各送風機の回転軸と空気吸込み方向が平行となるよに配置し、さらに外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子を有し、これらの外気送風機と内気送風機、熱交換素子を搭載した冷却装置を内気風路の吸込口が、発熱体収容箱天面の中央に配置するように発熱体収容箱の上方に設置したことを特徴とすることにより、効率のよい熱交換を可能し、冷却能力の高い発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0020】
また、中央に空間を有するように、外気風路と内気風路にL字風路を有する熱交換素子を左右に設置したことを特徴とすることにより、発熱体収容箱の天面空間に最大限に熱交換素子を積層できる冷却能力の高い発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0021】
また、外気送風機と内気送風機の双方を駆動させる電動機と電動機の上部に外気送風機、電動機の下部に内気送風機を中央空間に配置したことを特徴とすることにより、幅方向を薄型化にできる発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0022】
また、発熱体収容箱天面の左右端部に吐出口を有することを特徴とすることにより、発熱体収容箱天面の中央部から、発熱体収容箱内の最も高い空気を吸気し、外気と熱交換して温度の低くなった空気を発熱体収容箱天面の左右端部から吹出すことにより、発熱体収容箱の左右壁面へ沿って上部から下部に循環する風路を効率よく形成することができる発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0023】
また、左右側面に外気風路吸込口、背面に外気風路吐出口を有することを特徴とすることにより、吹出した風をそのまま吸い込んでしまうショートサーキットを防止することができ、効率よく空気を循環させることができる発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0024】
また、内気送風機を配置した同一区画正面に制御装置を配置したことを特徴とすることにより、省スペース化を図ることができ、コンパクトでメンテ性の高い制御装置を備えた発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0025】
また、内気風路の熱交換素子の吐出口に加熱機能を備えたヒーターを傾斜配置したことを特徴とすることにより、吐出口における乱流を抑制する風向板としての機能を備え、発熱体収容箱の循環する風路を効率よく形成することができる発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0026】
また、外気風路吸込口に発熱体収納箱の左右壁面の外側から脱着可能な吸込用ガラリ付きダクトを有したことを特徴とすることにより、発熱体収納箱冷却装置を発熱体収容箱の天面に設置後、発熱体収納箱の左右壁面の外側から脱着可能な、熱交換素子の外気風路吸込口に連通する吸込用ガラリ付きダクトを有することで、発熱体収容箱と発熱体収納箱冷却装置の外気風路連結部における雨水に対する気密性を向上させることができる発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0027】
また、外気風路吐出口に発熱体収納箱の背面の外側から脱着可能な吐出用ガラリ付きダクトを有したことを特徴とすることにより、発熱体収納箱冷却装置を発熱体収容箱の天面に設置後、発熱体収納箱の背面の外側から脱着可能な、熱交換素子の外気風路吐出口に連通する吐出用ガラリ付きダクトを有することで、発熱体収容箱と発熱体収納箱冷却装置の外気風路連結部における雨水に対する気密性を向上させることができる発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0028】
また、熱交換素子の底面に発熱体収納箱の中央から発熱体収納箱の側面に向かって下がる方向の傾斜を設けた断熱性能を有する部材を配したことを特徴とすることにより、外気吸込口および吐出口から侵入した雨水が、通風路内に滴下して、発熱体収容箱冷却装置内に浸入することを防止する雨水滴下防止効果と、発熱体収容箱の天面の高温空気により、熱交換素子自体が暖められるのを防止する断熱効果を有する発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【0029】
また、内気風路の熱交換素子の吐出口に中空のダクトを有したことにより、熱交換を行った後、冷やされた内気は内気吹出口から内気吹出ダクトを経て発熱体収納箱に拡散することなく底部に排出され、発熱体収容箱の循環する風路を効率よく形成することができる発熱体収納箱冷却装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の請求項1記載の発明は、発熱体収容箱の空気を取込み、また発熱体収容箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路を有し、外気風路の空気を搬送する外気送風機と内気風路の空気を搬送する内気送風機を各送風機の回転軸と空気吸込み方向が平行となるよに配置し、さらに外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子を有し、これらの外気送風機と内気送風機、熱交換素子を搭載した冷却装置を内気風路の吸込口が、発熱体収容箱天面の中央に配置するように、発熱体収容箱の上方に設置したものであり、発熱体収容箱冷却装置を温度の最も高くなる発熱体収容箱の天面に配置し、さらに中央部位において発熱体収容箱内上部の空気を吸気し、外気と熱交換して温度の低くなった空気を発熱体収容箱内へ吹出すことで効率のよい熱交換を可能する作用を有する。
【0031】
また、請求項2記載の発明は、中央に空間を有するように、外気風路と内気風路にL字風路を有する熱交換素子を左右に設置したことにより、発熱体収容箱の天面空間に最大限に熱交換素子を積層でき、容易に風路を形成することができ、簡素な部品配置構成で冷却能力向上が得られる作用を有する。
【0032】
また、請求項3記載の発明は、外気送風機と内気送風機の双方を駆動させる電動機と電動機の上部に外気送風機、電動機の下部に内気送風機を中央空間に配置したことにより、発熱体収容箱の幅方向を薄型化にできる作用を有する。
【0033】
また、請求項4記載の発明は、発熱体収容箱天面の左右端部に吐出口を有することにより、発熱体収容箱天面の中央部から、発熱体収容箱内の最も高い空気を吸気し、外気と熱交換して温度の低くなった空気を発熱体収容箱天面の左右端部から吹出すことにより、発熱体収容箱の左右壁面へ沿って上部から下部に循環する風路を効率よく形成することができ、冷却能力向上が得られる作用を有する。
【0034】
また、請求項5記載の発明は、左右側面に外気風路吸込口、背面に外気風路吐出口を有することにより、吹出した風をそのまま吸い込んでしまうショートサーキットを防止し、効率よく空気を循環させることがで、冷却能力向上が得られる作用を有する。
【0035】
また、請求項6記載の発明は、内気送風機を配置した同一区画に制御装置を配置したことにより、省スペース化を図ることができ、コンパクトで配置構成が簡素でメンテナンスが容易になる作用を有する。
【0036】
また、請求項7記載の発明は、内気風路の熱交換素子の吐出口に加熱機能を備えたヒーターを傾斜配置したことにより、吐出口における乱流を抑制する風向板としての機能を備え、発熱体収容箱の循環する風路を効率よく形成することができ、部品点数を低減と冷却能力向上が得られる作用を有する。
【0037】
また、請求項8記載の発明は、外気風路吸込口に発熱体収納箱の左右壁面の外側から脱着可能な吸込用ガラリ付きダクトを有したことにより、発熱体収納箱冷却装置を発熱体収容箱の天面に設置後、発熱体収納箱の左右壁面の外側から脱着可能な、熱交換素子の外気風路吸込口に連通する吸込用ガラリ付きダクトを有することで、発熱体収容箱と発熱体収納箱冷却装置の外気風路連結部における雨水に対する気密性を向上させる作用を有する。
【0038】
また、請求項9記載の発明は、外気風路吐出口に発熱体収納箱の背面の外側から脱着可能な吐出用ガラリ付きダクトを有したことにより、発熱体収納箱冷却装置を発熱体収容箱の天面に設置後、発熱体収納箱の背面の外側から脱着可能な、熱交換素子の外気風路吐出口に連通する吐出用ガラリ付きダクトを有することで、発熱体収容箱と発熱体収納箱冷却装置の外気風路連結部における雨水に対する気密性を向上させる作用を有する。
【0039】
また、請求項10記載の発明は、熱交換素子の底面に発熱体収納箱の中央から発熱体収納箱の側面に向かって下がる方向の傾斜を設けた断熱性能を有する部材を配したことにより、外気吸込口および吐出口から侵入した雨水が、通風路内に滴下して、発熱体収容箱冷却装置内に浸入することを防止する雨水滴下防止効果と、発熱体収容箱の天面の高温空気により、熱交換素子自体が暖められるのを防止する断熱効果を向上させる作用を有する。
【0040】
また、請求項11記載の発明は、内気風路の熱交換素子の吐出口に中空のダクトを有したことにより、熱交換を行った後、冷やされた内気は内気吹出口から内気吹出ダクトを経て発熱体収納箱に拡散することなく底部に排出され、発熱体収容箱の循環する風路を効率よく形成することができ、吹出した風をそのまま吸い込んでしまうショートサーキットを防止し、冷却能力向上が得られる作用を有する。
【0041】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0042】
(実施の形態1)
図1において、1は発熱体収納装置の外殻となる箱体構造物である。箱体構造物1内には、発熱体である送・受信機を内蔵した発熱体ケース2と、この箱体構造物1の天面に備え付けられた冷却装置となる熱交換装置3が収められている。熱交換装置3の底面には、中央に箱体構造物1内の空気を吸い込む内気吸込口4と、内気吸込口4をはさんだ対辺近傍に箱体構造物1内に吹き出す内気吐出口12が設けられている。さらに、熱交換装置3には、内気吐出口12側の側面に外気吸込口13が設けられ、外気吸込口13を設けた面と異なる側面には外気吐出口14が設けられている。熱交換装置3の中央部8には、内気の送風を行う内気送風機10と外気の送風を行う外気送風機9が設けられている。内気送風機10と外気送風機9とは1つの電動機11によって駆動される。外気吸込口13を設けた側面に第1の流入口7aを向け、天面側に第1の流出口7bを設け、底面側には第2の流入口7cを設け、中央部8側に第2の流出口7dを向けたL字型の流路を持つ熱交換素子7を、中央部8をはさんで両側に設ける。
【0043】
図2は、熱交換装置3の内気と外気の循環風路の概略を示したものである。内気は、熱交換装置3の吸込口4から内気側送風機10に取り込まれたのち、熱交換素子7内に通風され、熱交換装置3の左右端部に設けられている内気吐出口12より再び箱体構造物1内へ戻る内気風路5を形成している。外気は、熱交換装置3の左右側面の外気吸込口13から、熱交換素子7内に通風され、外気側送風機9に取り込まれたのち、熱交換装置3の後面の外気吐出口14から箱体構造物1の外へ排気する外気風路6を形成している。
【0044】
外気風路6を通過する空気と、内気風路5を通過する空気は、熱交換素子7で双方の熱量を交換し、温かい内気は冷やされ、冷たい外気は温められて吹き出すことになる。箱体構造物1内に吹き出した空気は、側面に沿って箱体構造物1の底部に到達する。箱体構造物1内では、送・受信機による発熱によって温められた空気が上昇し、内気吸込口4から熱交換装置3内に吸い込まれる循環風路を形成することになる。
【0045】
上記構成によれば、中央に内気吸込口4を設けたことで、効率の良い内外気循環風路を構成できる。さらに、内気吐出口12は側面沿いに設けられているので、吹出した風をそのまま吸い込んでしまうショートサーキットを防止することができる。さらには、結果として熱交換装置3の冷却能力を高めることができる。
【0046】
また、図3に示すように、熱交換装置3の中央部8のうち、内気送風機10を配置した同一区画正面に制御装置15を備えることによって、省スペース化を図ることができ、配置構成が簡素で容易にメンテナンスができる。
【0047】
また、図4に示すように、内気風路5の内気吐出口12には、平板型のヒーター16を、内気吐出口12から吹き出す空気が側面を沿うように傾斜させて取り付ける。ヒーター16は、箱体構造物1に収容されている機器が起動する際に、外気温度が機器の起動する周囲温度より低く、また箱体構造物1内も冷えている場合に、一時的に箱体構造物1内を加熱するものである。
【0048】
このようにヒーター16を傾斜して配置したことにより、風向板として箱体構造物の左右壁面への風の流入を均一化し、開口端圧力損失が軽減されることとなり、さらには、部品点数を低減して箱体構造物1内を温める機能をはたすものである。
【0049】
また、図5に示すように、外気風路の外気吸込口13と外気吐出口14に発熱体収納箱の外側から脱着可能な吸込用ガラリ付きダクト17と吐出用ガラリ付きダクト18をそれぞれ備えている。このような吸込用ガラリ付きダクト17と吐出用ガラリ付きダクト18によって、発熱体収容箱と発熱体収納箱冷却装置の外気風路連結部における雨水の浸入を防ぐことができる。
【0050】
また、図6に示すように、熱交換素子7の底面には、発熱体収納箱の中央から発熱体収納箱の側面に向かって下がる方向の傾斜を設けた断熱性能を有する断熱部材19を備えている。この断熱部材19は、外気吸込口13および外気吐出口14から侵入した雨水が、通風路内に滴下して、発熱体収容箱冷却装置内に浸入することを防止することができ、さらに発熱体収容箱の天面の高温空気により、熱交換素子自体が暖められるのを防止することができる。
【0051】
また、図7に示すように、内気風路の熱交換素子の内気吐出口12から箱体構造物1底部に向かって、中空の中空ダクト20が備えられている。この中空ダクト20は、熱交換を行った後、冷やされた内気は内気吹出口12から中空ダクト20を経て発熱体収納箱1に拡散することなく底部に排出され、発熱体収容箱1の内気風路5を効率よく形成することができ、吹出した風をそのまま吸い込んでしまうショートサーキットを防止し、冷却能力を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、移動電話基地局、簡易無線局等の屋外に設置される箱体構造物で、内部に通信機器等の発熱体を有し、その発熱量が多いため冬季においても冷却を要し、温度、湿度、粉塵、雨水などが性能、寿命に影響を与えるような精密機器を有する発熱体収納箱の冷却装置に関するものに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1における発熱体収容箱の設置図
【図2】本発明の実施の形態1における発熱体収容箱の風路概略図
【図3】本発明の実施の形態1における熱交換型冷却装置の制御装置設置図
【図4】本発明の実施の形態1における熱交換型冷却装置のヒーター設置図
【図5】本発明の実施の形態1における熱交換型冷却装置のガラリ配置図
【図6】本発明の実施の形態1における熱交換型冷却装置底面の断熱部材配置図
【図7】本発明の実施の形態1における熱交換型冷却装置の側面ダクト配置図
【図8】従来の発熱体収容箱冷却装置構造図
【符号の説明】
【0054】
1 箱体構造物
2 発熱体ケース
3 熱交換装置
4 内気吸込口
5 内気風路
6 外気風路
7 熱交換素子
8 中央部
9 外気送風機
10 内気送風機
11 電動機
12 内気吐出口
13 外気吸込口
14 外気吐出口
15 制御装置
16 ヒーター
17 吸込用ガラリ付きダクト
18 吐出用ガラリ付きダクト
19 断熱部材
20 中空ダクト
101 箱体
102 内気吸込口
103A 内気側ファン
103B 外気側ファン
104 熱交換素子
105 内気風路
106 外気吸込口
108 外気吹出口
109 外気風路
110 仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体収容箱内の空気を取込み、また発熱体収容箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、また外気に排出する外気風路を有し、外気風路の空気を搬送する外気送風機と内気風路の空気を搬送する内気送風機を各送風機の回転軸と空気吸込み方向が平行となるように配置し、さらに外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子を有し、これらの外気送風機と内気送風機、熱交換素子を搭載した冷却装置を内気風路の吸込口が、発熱体収容箱天面の中央に配置するように、発熱体収容箱の上方に設置したことを特徴とする発熱体収容箱冷却装置。
【請求項2】
中央に空間を有するように、外気風路と内気風路にL字風路を有する熱交換素子を左右に配した請求項1記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項3】
外気送風機と内気送風機の双方を駆動させる電動機と電動機の上部に外気送風機、電動機の下部に内気送風機を中央に配した請求項1または2記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項4】
発熱体収容箱天面の左右端部に吐出口を有する請求項3記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項5】
左右側面に外気風路吸込口、背面に外気風路吐出口を有する請求項1記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項6】
内気送風機を配置した同一区画正面に制御装置を配置した請求項3記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項7】
内気風路の熱交換素子の吐出口に加熱機能を備えたヒーターを傾斜配置したことを特徴とする請求項4記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項8】
外気風路吸込口に発熱体収納箱の左右壁面の外側から脱着可能な吸込用ガラリ付きダクトを有した請求項5記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項9】
外気風路吐出口に発熱体収納箱の背面の外側から脱着可能な吐出用ガラリ付きダクトを有した請求項5記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項10】
熱交換素子の底面に発熱体収納箱の中央から発熱体収納箱の側面に向かって下がる方向の傾斜を設けた断熱性能を有する部材を配した請求項1〜5いずれかに記載の発熱体収納箱冷却装置。
【請求項11】
内気風路の熱交換素子の吐出口に中空のダクトを有した請求項1〜5いずれかに記載の発熱体収納箱冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−272463(P2009−272463A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121965(P2008−121965)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】