発熱体封入物及びその製造方法
【課題】 シール部で袋基材を容易にシールでき、製造ラインの高速化を促進できると共に、貼着タイプの場合には、転移方式で発熱体の貼着面の端部まで粘着剤を設けることができるようにする。
【解決手段】 シール部11で密封された外袋3内に発熱体1を封入する。外袋3の袋基材8には、発熱体1の貼着面7側に対応する貼着面対応部分40とその外側のシール部11に対応するシール部対応部分41とに離型層12を介してホットメルト粘着剤13が塗工され、シール部対応部分41のホットメルト粘着剤13により袋基材8がシールされ、貼着面対応部分40のホットメルト粘着剤13が貼着面7に転移可能になっている。袋基材8は酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。
【解決手段】 シール部11で密封された外袋3内に発熱体1を封入する。外袋3の袋基材8には、発熱体1の貼着面7側に対応する貼着面対応部分40とその外側のシール部11に対応するシール部対応部分41とに離型層12を介してホットメルト粘着剤13が塗工され、シール部対応部分41のホットメルト粘着剤13により袋基材8がシールされ、貼着面対応部分40のホットメルト粘着剤13が貼着面7に転移可能になっている。袋基材8は酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てカイロ等の発熱体を外袋に密封状に封入して成る発熱体封入物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨てカイロとして使用する発熱体は、鉄粉その他を含む発熱粉体、又は発熱粉体を担持繊維体により担持した発熱シートを袋体に収容して構成されている。そして、この発熱体は気密性を有する袋基材により構成された外袋に密封状に封入されており、使用時に外袋を開封して発熱体を取り出すようになっている。
【0003】
従来の外袋は、気密性を有する表基材と裏基材とがその外周のシール部で熱シールされている。例えば、表基材、裏基材として、酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する場合には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの内側にポリエチレンフィルムをラミネートしておき、発熱体を包んだ後のシール工程において、エンボスロール等を備えた熱シールユニットにより表基材と裏基材との外周部分を表裏両側から加熱してポリエチレンフィルム同士を熱シールしている。
【0004】
また従来の外袋には、開封を容易にできるようにイージーピールフィルムを使用したものもある(特許文献1)。この外袋は、空気遮断性フィルムの内側にイージーピールフィルムをラミネートしておき、シール工程で表基材と裏基材との外周部分を表裏両側から熱シールユニットにより加熱し熱シールしている。また貼着タイプの場合には、イージーピールフィルムの内側に離型層を介して粘着層を設けておき、開封時にその粘着層を発熱体の貼着面であるバックシート側に転移するようにしている。
【特許文献1】特開2001−247165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の外袋は、シール工程で表基材と裏基材との外周部分を表裏両側から熱シールユニットにより熱シールするため、シール部での両基材の熱シールに時間を要する欠点がある。そのため製造ライン全体の高速化が困難であって、1列当たりの製造速度は毎分100〜200個程度が限度であり、それ以上の速度になると、シール不良が生じる欠点がある。特に高速化すれば、その速度に応じて熱シールユニットのエンボスロールの熱温度を上げる必要があるため、熱シール時の高熱によってシール部の破損が生じ易い欠点がある。しかもイージーピールフィルムを使用する場合には、イージーピールフィルム自体が高価であり、製造コストが大幅にアップする欠点がある。
【0006】
またシール部を熱シールするため、貼着タイプの場合には、シール時の粘着層に対する熱影響を防止する必要から、粘着層はシール部の近傍部分を除いた発熱体の中央部分のみとなり、発熱体の貼着面の周縁部分まで粘着層を設けることができなくなる。このため粘着層を介して発熱体を下着等の着衣に貼着した場合に、発熱体の粘着層のない部分が着衣等から浮き上がった状態となり、上着を着たとき等に擦れて発熱体が着衣から剥がれて脱落する等の問題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、シール部で袋基材を容易にシールでき、製造ラインの高速化を促進できると共に、貼着タイプの場合には、転移方式で発熱体の貼着面の端部まで粘着剤を設けることができる発熱体封入物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、シール部11で密封された外袋3内に発熱体1を封入して成る発熱体封入物において、前記外袋3の袋基材8が前記シール部11でホットメルト粘着剤13により開封可能にシールされたものである。前記袋基材8の前記発熱体1の貼着面7側における、該貼着面7に対応する貼着面対応部分40とその外側の前記シール部11に対応するシール部対応部分41とに離型層12を介して前記ホットメルト粘着剤13が塗工され、前記シール部対応部分41の前記ホットメルト粘着剤13により前記袋基材8がシールされ、前記貼着面対応部分40の前記ホットメルト粘着剤13が前記貼着面7に転移可能であってもよい。
【0009】
前記発熱体1と前記袋基材8とが前記発熱体1の非貼着面6を内側にして折り畳み部34,45で折り畳まれ、前記袋基材8の前記折り畳み部45側に、前記ホットメルト粘着剤13の塗工されていない非塗工領域43が前記発熱体1の前記折り畳み部34に対向して設けられたものでもよい。前記袋基材8の表基材9と裏基材10との内、その何れか一方の前記シール部11側に前記貼着面7の外周に対応して前記離型層12のない非塗工領域48があり、他方の前記シール部11側に前記離型層12があってもよい。前記袋基材8の前記シール部11の外側に、前記ホットメルト粘着剤13の塗工されていない開封部36があってもよい。前記袋基材8は酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムでもよい。
【0010】
また別の本発明は、発熱体1が外袋3に封入された発熱体封入物2を製造するに際し、離型層12を有する袋基材8にホットメルト粘着剤13を塗工し、次いで該袋基材8により前記発熱体1を包んでそのシール部11を前記ホットメルト粘着剤13によりシールするものである。前記袋基材8の前記発熱体1の貼着面7に対応する貼着面対応部分40とその外側の前記シール部11に対応するシール部対応部分41とに離型層12を介して前記ホットメルト粘着剤13を塗工しておき、前記シール部対応部分41の前記ホットメルト粘着剤13により前記シール部11をシールし、前記貼着面対応部分40の前記ホットメルト粘着剤13を該貼着面7に粘着してもよい。
【0011】
前記袋基材8にその前記発熱体1の折り畳み部34に対応する非塗工領域43を除いて前記ホットメルト粘着剤13を塗工し、該ホットメルト粘着剤13上に、その前記折り畳み部34を前記非塗工領域43に対応させて前記発熱体1を重ね、前記発熱体1と前記袋基材8とを前記発熱体1の非貼着面6を内側にして前記折り畳み部34,45で折り畳んでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シール部で袋基材を容易にシールでき、製造ラインの高速化を促進できると共に、貼着タイプの場合には、転移方式で発熱体の貼着面の端部まで粘着剤を設けることができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1〜図5は本発明の第1の実施例を例示する。図1、図2は発熱体1が非貼着タイプの使い捨てカイロの場合の発熱体封入物2を示し、この発熱体封入物2は、発熱体1と、発熱体1を密封状に封入する外袋3とを備えている。
【0014】
発熱体1は非貼着タイプの使い捨てカイロであって、鉄粉その他の粉体を混合した発熱粉体4、又は発熱粉体4を担持繊維体により担持した発熱シートを袋体5に収容して成り、その袋体5は表側のトップシート6と裏側のバックシート7との外周部分をシールして構成されている。トップシート6、バックシート7はその一方又は両方が通気性を有し、その通気作用により内部の発熱粉体4が空気と接触して、その化学反応で発熱するようになっている。
【0015】
なお、トップシート6、バックシート7には、その一方又は両方に合成樹脂フィルム、不織布等が使用されている。合成樹脂フィルムを使用する場合には、多数の小孔を形成する等によって通気性を持たせている。
【0016】
外袋3は袋基材8、例えば発熱体1の表裏に対応する表基材9、裏基材10と、この両基材9,10の外周部分を周方向の全周で密封状にシールするシール部11とから成り、その内部に発熱体1が密封状に封入されている。表基材9、裏基材10を構成する袋基材8には、例えば酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用されている。なお、この酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、酸素透過度及び透湿度が10cc/m2 及び2g/m2 day以下であることが望ましい。
【0017】
表基材9、裏基材10の一方、例えば裏基材10には、図3に示すようにその全面にシリコン液等の離型剤が薄膜状に塗工された離型層12が形成され、また発熱体1よりも外周側のシール部11に対応する部分に離型層12を介してホットメルト粘着剤13が周方向の全周に塗工されている。表基材9には離型層は形成されていない。そして、両基材9,10は、シール部11でホットメルト粘着剤13によりシールされており、開封時には、ホットメルト粘着剤13は表基材9側に残り、裏基材10がホットメルト粘着剤13から剥離することにより開封可能である。
【0018】
なお、裏基材10の離型層12は、少なくともシール部11に対応する領域に形成すれば十分である。また逆に表基材9側に離型層12を介してホットメルト粘着剤13を塗工して、離型層のない裏基材10を使用してもよい。表基材9、裏基材10の両方に離型層12を形成して、その一方又は両方にホットメルト粘着剤13を塗工してもよい。従って、離型層12は表基材9、裏基材10の少なくとも一方にあればよい。またホットメルト粘着剤13は離型層12を介して塗工してもよいし、一方に離型層がない場合には、その離型層のない側に塗工してもよい。ホットメルト粘着剤13は所定のシール性を確保できる厚さに塗工すればよい。
【0019】
このような構成の発熱体封入物2は、図4、図5に示す各工程を経て製造する。なお、図4、図5は複列(4列)型の製造ラインを示すが、単列型の場合にも同様である。裏基材原反10aには、酸素透過性制御材が塗工され且つシリコン液等の離型剤の塗工により薄膜状の離型層12が形成された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、また表基材原反9aには、酸素透過性制御材が塗工され且つ離型層のない二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する。
【0020】
発熱体封入物2の製造に際しては、先ず原反ロール15から裏基材原反10aを長手方向に所定速度で連続的に繰り出しながら、塗工工程16においてノズルその他の塗工手段17により、裏基材原反10aの離型層12側にホットメルト粘着剤13を塗工する(図5(A)参照)。
【0021】
この塗工工程16では、裏基材原反10aの長手方向及び幅方向に所定間隔をおいて縦横に発熱体1の収容領域18ができるように、裏基材原反10aの離型層12側に長手方向及び幅方向に帯状にホットメルト粘着剤13を塗工する。このためホットメルト粘着剤13の塗工パターンは、図4に示すように、各収容領域18の両側で袋基材原反8aの長手方向に伸びる複数本の帯状の縦塗工部19と、この各縦塗工部19を横方向(幅方向)に接続する帯状の横塗工部20とを有する。なお、離型層12を形成するシリコン液等の離型剤は、原反ロール15から繰り出し後に裏基材原反10aに塗工してもよい。
【0022】
次に発熱体1の供給工程21において、発熱体製造工程を経て製造された発熱体1を、図外の供給手段により裏基材原反10a上の各収容領域18へと順次供給する(図5(B)参照)。このとき発熱体1が収容領域18の周辺のホットメルト粘着剤13と接触しないようにする。
【0023】
そして、包み工程22において案内ロール23を介して案内される表基材原反9aを発熱体1を介して裏基材原反10a上に重ね(図5(C)参照)、この表基材原反9aと裏基材原反10aとにより発熱体1を表裏両側から包み、続いて圧着工程24で一対の圧着ロール25により、表基材原反9aと裏基材原反10aとを発熱体1の外周のシール部11側で表裏両側から挟圧して、表基材原反9aと裏基材原反10aとをホットメルト粘着剤13により圧着する(図5(D)参照)。
【0024】
次の切り取り工程26では、一対の切り取りロール27により、発熱体1の外周側の全周にシール部11ができるように、ホットメルト粘着剤13を介して圧着状態の表基材原反9aと裏基材原反10aとをその圧着部分で縦横に切断して、外袋3内に発熱体1が密封状に封入された発熱体封入物2を切り取る(図5(E)参照)。そして、発熱体封入物2は取り出しコンベア28を経て取り出し、残りのトリム29は発熱体封入物2とは別に回収する。
【0025】
このようにすれば、外袋3内に発熱体1が密封状に封入された発熱体封入物2を容易に製造することができる。特にシール部11で表基材9と裏基材10とをホットメルト粘着剤13でシールするため、従来の熱シール方式に比較してシール部11のシールが容易であり、不良品の発生もなく包装工程を含む製造ライン全体の高速化を容易に促進することができる。
【0026】
またホットメルト粘着剤13によりシール部11で表基材9と裏基材10とをシールしており、ラミネートフィルム、取り分けイージーピールフィルムのラミネートタイプのフィルムを使用する場合等に比較して材料自体も安価であるため、製造ライン全体の高速化と相俟って発熱体封入物2の製造コストも大幅に低減することができる。
【0027】
外袋3の開封時には、表基材9と裏基材10とを分離して開封するが、裏基材10にはホットメルト粘着剤13との間に離型層12があるため、裏基材10の端縁をホットメルト粘着剤13と反対側にこする程度で裏基材10の端部側がホットメルト粘着剤13から容易に剥離し、その剥離部分から裏基材10を剥がして行けばよい。なお、ホットメルト粘着剤13は、表基材9側に付着した状態で残る。
【0028】
図6、図7は本発明の第2の実施例を例示する。この実施例では、原反ロール15から1枚の袋基材原反8aを繰り出し、この袋基材原反8aを二つ折り状に折り畳んで発熱体1を包装することにより、第1の実施例と同様の発熱体封入物2を製造するようになっている。なお、袋基材原反8aには酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用され、その全面にシリコン液等の離型剤を塗工して成る離型層12が形成されている。
【0029】
即ち、図6、図7に示すように、原反ロール15から袋基材原反8aを所定速度で連続的に繰り出し、塗工工程16において塗工手段17により、袋基材原反8aの離型層12側のうち、裏基材10となる略半分に長手方向に所定間隔をおいて発熱体1の収容領域18ができるようにホットメルト粘着剤13を塗工する(図7(A)参照)。このときのホットメルト粘着剤13の塗工パターンは、収容領域18の両側(袋基材原反8aの幅方向の一端側と中央側)で袋基材原反8aの長手方向に伸びる縦塗工部19と、この両縦塗工部19間を横方向に接続する横塗工部20とを有する。なお、離型層12は袋基材原反8aの裏基材10となる部分に塗工し、表基材9となる部分には塗工しなくてもよい。
【0030】
次に発熱体1の供給工程21で図外の供給手段により、ホットメルト粘着剤13と接触しないうに、袋基材原反8aの収容領域18に発熱体1を供給する(図7(B)参照)。次いで、折り畳み包装工程30において押さえロール等の折り畳み手段31により、中央部側の縦塗工部19の途中又は縦塗工部19の外側近傍を境界とする折り畳み部34で袋基材原反8aを二つ折りにして、袋基材原反8aのホットメルト粘着剤13が塗工されていない側をホットメルト粘着剤13の塗工側に重ね合わせ、発熱体1をその表裏両側から袋基材原反8aにより包み込む(図7(C)参照)。なお、このとき袋基材原反8aの幅方向の両端の耳部35が略一致するように二つ折りにすることが望ましい。そして、圧着工程24で一対の圧着ロール25により、二つ折り状の袋基材原反8aを発熱体1の外周のシール部11側で表裏両側から挟圧してホットメルト粘着剤13により圧着する(図7(D)参照)。
【0031】
次の切り取り工程26で一対の切り取りロール27により、発熱体1の外周側の全周にシール部11ができるように、ホットメルト粘着剤13で圧着状態の袋基材原反8aをその圧着部分で縦横に切断して、外袋3内に発熱体1が封入された発熱体封入物2を切り取る(図7(E)参照)。そして、発熱体封入物2は取り出しコンベア28を経て取り出し、残りのトリム29は発熱体封入物2とは別に回収する。
【0032】
このように1枚の袋基材原反8aを折り畳み部34で二つ折りにして発熱体1を包装する方法でも、第1の実施例と同様の構造を有する発熱体封入物2を製造することが可能であり、またホットメルト粘着剤13でシール部11をシールするため、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。他の構成は、第1の実施例と同じである。
【0033】
図8〜図12は本発明の第3の実施例を例示する。この実施例の発熱体封入物2は、図8〜図10に示すように、1枚の袋基材8を折り畳み部34で二つ折りにして表基材9と裏基材10とが構成され、その袋基材8の一辺の折り畳み部34側を除く他の三辺のシール部11でホットメルト粘着剤13により表基材9側と裏基材10側とがシールされている。外袋3の外周側には、折り畳み部34と反対側のシール部11の外側に表基材9、裏基材10が粘着されていない開封部36が設けられ、この開封部36から外袋3を容易に開封できるようになっている。なお、袋基材8には、酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用され、その全面に離型層12が形成されている。
【0034】
この発熱体封入物2は、図11、図12の各工程を経て製造する。発熱体封入物2の製造に際しては、塗工工程16においてその塗工手段17により、袋基材原反8aの離型層12側にホットメルト粘着剤13を塗工する(図12(A)参照)。このときのホットメルト粘着剤13の塗工パターンは、袋基材原反8aの幅方向の一端側に形成された長手方向の縦塗工部19と、長手方向に所定間隔をおいて発熱体1の収容領域18ができるように、その各収容領域18間で縦塗工部19から袋基材原反8aの幅方向の中央部側へと伸びる横塗工部20とを有する。縦塗工部19は発熱体封入物2の切り取り時にホットメルト粘着剤13のない開封部36を形成できるように、袋基材原反8aの一端側(一方の耳部35側)に所定幅の非塗工領域37を置いてその内側に設けられている。
【0035】
そして、供給工程21で収容領域18に発熱体1を供給した後(図12(B)参照)、折り畳み包装工程30で押さえロール等の折り畳み手段31により、横塗工部20の内端側を含むように発熱体1の近傍を境界とする折り畳み部34で袋基材原反8aを二つ折りにして、袋基材原反8aのホットメルト粘着剤13が塗工されていない表基材9側をホットメルト粘着剤13が塗工された裏基材10側に重ね合わせ、発熱体1を表裏両側から袋基材原反8aにより包み込む(図12(C)参照)。その後、圧着工程24で一対の圧着ロール25により、発熱体1の外周側の折り畳み部34を除く三辺で袋基材原反8aの表基材9側と裏基材10側とを表裏両側から挟んでホットメルト粘着剤13により圧着する。
【0036】
切り取り工程26では一対の切り取りロール27により、折り畳み部34を除く三辺にシール部11ができ、且つ折り畳み部34と反対側に開封部36ができるように、袋基材原反8aを縦塗工部19の外側から横塗工部20の途中を通る三辺をコ字状に切断して、外袋3内に発熱体1が封入された発熱体封入物2を切り取る(図12(D)参照)。その他の構成、工程は第1又は第2の実施例と同じである。
【0037】
このように1枚の袋基材原反8aを折り畳み部34で二つ折りにして発熱体1を包んだ後、発熱体1の外側で袋基材8をコ字状に切り取ることにより、表基材9と裏基材10とがその一辺の折り畳み部34で接続された外袋3を構成でき、また前述と同様の効果を得ることができる。しかも横塗工部20の先端側の途中で袋基材原反8aを二つ折りするため、表基材9と裏基材10との折り畳み部34側でもホットメルト粘着剤13により外袋3のシール部11を確実にシールすることができる。
【0038】
図13〜図18は本発明の第4の実施例を例示する。この実施例の発熱体封入物2は、身体の患部又は着衣に貼着して使用する貼着タイプの発熱体1が外袋3に密封状に封入されたものであって、図13〜図15に示すように構成されている。発熱体1の貼着面側であるバックシート7には、ホットメルト粘着剤13がその粘着力により転移し易い材料の合成樹脂フィルム等が使用されている。外袋3の裏基材10には、その全面に形成された離型層12側にバックシート7(貼着面)に対応するバックシート対応部分(貼着面対応部分)40からシール部11に対応するシール部対応部分41にわたってホットメルト粘着剤13が塗工されている。
【0039】
ホットメルト粘着剤13は発熱体1のバックシート7側の通気部42(図17参照)に対応する帯状の非塗工領域43、及びシール部11の外側の開封部36に対応する非塗工領域37を除く略全面に塗工されている。通気部42用の非塗工領域43は、バックシート7の長手方向の略中央に幅方向の全体にわたって広幅の帯状に設けられている。開封部36は幅方向の両端に筋状、帯状等に設けられている。表基材9と裏基材10は、発熱体1の外周のシール部11でホットメルト粘着剤13によりシールされ、またバックシート対応部分40のホットメルト粘着剤13は、図16、17に示すように開封時にその粘着力によりバックシート7に転移(転写)可能になっている。通気部42は身体の患部に直接貼着したときの通気性を確保するためのものである。
【0040】
表基材9には離型層は形成されていない。従って、表基材9にはシール部11に対応する部分に離型層が形成されておらず、外袋3の開封時にシール部11側のホットメルト粘着剤13が表基材9に付着するため、発熱体1とシール部11との境界部分で、シール部11側のホットメルト粘着剤13と発熱体1側のホットメルト粘着剤13とを確実に分断することができる。なお、開封時のホットメルト粘着剤13の分離を確実にするためには、表基材9の少なくとも発熱体1の外周近傍に対応する部分に、発熱体1を取り囲む帯状に離型層の非塗工領域があればよい。
【0041】
裏基材10には、酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用され、その全面に離型層12が形成されている。患部に直接貼着する直貼りタイプ、又は着衣に貼着する着衣貼着タイプを問わず、通気部42用の非塗工領域43は、長手方向の両端を除く中間部分に複数本の帯状又は筋状に設けてもよいし、幅方向の両端を除く中間部に1本又は複数本の長手方向の帯状又は筋状に設けてもよい。また通気部42、非塗工領域43はなくてもよい。開封部36は幅方向の一端でもよいし、長手方向の両端若しくは一端、又は全周、更には何れかの隅部等、シール部11の外側であればどこに設けてもよい。
【0042】
外袋3の開封時には、開封部36側で表基材9と裏基材10との端縁を摘んだ後、その両基材9,10を離反方向に引っ張りながら開封する。このとき表基材9には離型層がないので、シール部11のホットメルト粘着剤13は、図16に示すように表基材9側に付いた状態のままとなり、離型層12を有する裏基材10がそのホットメルト粘着剤13から剥離して、外袋3を容易に開封することができる。
【0043】
またバックシート対応部分40のホットメルト粘着剤13は、図16に示すように裏基材10から剥離して発熱体1のバックシート7側に転移する。このため外袋3を開封して発熱体1を取り出したときには、図17に示すようにバックシート7側の中央に通気部42があり、この通気部42の両側にホットメルト粘着剤13による貼着用の粘着層44が形成されたものとなる。従って、その粘着層44を介して発熱体1を身体の患部、着衣等の所定箇所に容易に貼付することができ、しかも、粘着層44を形成するホットメルト粘着剤13がバックシート7の端縁まで付いているため、上着等で擦れても発熱体1が剥がれ落ちるようなこともない。
【0044】
この発熱体封入物2は、図18に示す工程を経て製造する。即ち、塗工工程16では裏基材10の発熱体1の供給部位に対応する塗工領域にホットメルト粘着剤13を塗工する。このとき製造ラインが複列型の場合には、各発熱体1の供給部位に対して幅方向に通気部42用の非塗工領域43ができ、また各供給部位の塗工領域相互間に開封部36用の非塗工領域37が長手方向にできようにホットメルト粘着剤13を塗工する。なお、ホットメルト粘着剤13の塗工領域は、バックシート対応部分40及びシール部対応部分41を含む領域となっている。
【0045】
次に発熱体1の供給工程21で図外の供給手段により、各供給部位に位置するようにホットメルト粘着剤13の塗工領域上に発熱体1を供給する。そして、包み工程22において表基材原反9aを案内ロール23を介して裏基材原反10a上に重ねて、表基材原反9a及び裏基材原反10aにより表裏両側から発熱体1を包み、続いて圧着工程24で一対の圧着ロール25により、表基材原反9aと裏基材原反10aとのシール部11側を表裏両側から挟んでホットメルト粘着剤13により圧着する。
【0046】
次の切り取り工程26で一対の切り取りロール27により、発熱体1の外周側の全周にシール部11ができ、外袋3の幅方向の両側に開封部36ができるように、表基材原反9aと裏基材原反10aとを縦横に切断して、外袋3内に発熱体1が封入された発熱体封入物2を切り取る。なお、その他は第1の実施例と同じである。
【0047】
このようにすれば、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。特に裏基材原反10aに離型層12を介してバックシート対応部分40、及びシール部対応部分41にわたってホットメルト粘着剤13を塗工しておき、そのバックシート対応部分40のホットメルト粘着剤13で貼付用の粘着層44を形成し、シール部11をシール部対応部分41のホットメルト粘着剤13でシールするため、バックシート7の端部を含む所定範囲に貼着用の粘着層44を容易に設けることができる。
【0048】
図19〜図25は本発明の第5の実施例を例示する。この実施例の発熱体封入物2は、図19〜図21に示すように非貼着面であるトップシート6を内側にして略中央部の折り畳み部45で二つ折り状に折り畳まれた発熱体1と、1枚の袋基材8を折り畳み部34で二つ折りにして表基材9及び裏基材10が構成され且つ折り畳み部34を除く他の三辺のシール部11がホットメルト粘着剤13によりシールされた外袋3とを備えている。外袋3の外周側には、折り畳み部34,45と反対側でシール部11の外側にその端縁に沿って開封部36が設けられている。
【0049】
袋基材8には、酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用され、その全面に塗工された離型層12側に、発熱体1の折り畳み部45に対応する非塗工領域43、開封部36に対応する非塗工領域37を除いて、バックシート対応部分40及びシール部対応部分41の略全面にホットメルト粘着剤13が塗工されている。そして、発熱体1と袋基材8は重ねた状態で折り畳み部34で二つ折り状に折り畳まれており(図20参照)、また開封時に袋基材8側のホットメルト粘着剤13がその粘着力により発熱体1のバックシート7側に転移可能である(図22、図23参照)。その他の構成は各実施例と略同じである。
【0050】
この発熱体封入物2は、図24、図25に示す工程を経て製造する。即ち、塗工工程16で袋基材原反8aにホットメルト粘着剤13を塗工する場合には、袋基材原反8aの幅方向の両側に開封部36用の非塗工領域37が長手方向の帯状にでき、幅方向の中央部に長手方向に所定間隔をおいて発熱体1の折り畳み部45に対応して通気部42用の非塗工領域43ができるようにホットメルト粘着剤13を塗工する(図25(A)参照)。
【0051】
そして、供給工程21で非塗工領域43がバックシート7の略中央となるように、発熱体1を袋基材原反8aのホットメルト粘着剤13の塗工領域上に供給した後(図25(B)参照)、折り畳み包装工程30で折り畳み手段31により、非塗工領域43に対応する部分を境界とする折り畳み部34,45で発熱体1と袋基材原反8aとを一緒に二つ折り状に折り畳む(図25(C)参照)。この場合、袋基材原反8aには発熱体1の折り畳み部45に対応してホットメルト粘着剤13の非塗工領域43があるため、重ねた状態の発熱体1と袋基材原反8aとを容易に二つ折りにすることができる。その後の圧着工程24で圧着した後(図25(D)参照)、切り取り工程26で発熱体封入物2を切り取る(図25(E)参照)等、第2又は第3の実施例と同様である。
【0052】
この実施例では、外袋3を開封するときに、図22に示すようにシール部対応部分41のホットメルト粘着剤13が表基材9又は裏基材10の何れかに付着し、バックシート対応部分40のホットメルト粘着剤13が、袋基材8から剥離してバックシート7側に転移する。このため外袋3から取り出して展開した発熱体1は、図23に示すようにバックシート7の中央部分に通気部42ができ、その両側にホットメルト粘着剤13による貼着用の粘着層44が形成されたものとなり、その粘着層44を介して着衣等に貼着することができる。
【0053】
なお、外袋3を開封した場合、表基材9と裏基材10とが共にシール部対応部分41のホットメルト粘着剤13から剥離して、このシール部対応部分41のホットメルト粘着剤13が発熱体1の外周に残ることがあるが、発熱体1から外側へとはみ出しているので、その部分を引っ張れば容易に取り除くことができる。その他の効果は他の各実施例と同様である。
【0054】
図26、図27は本発明の第6の実施例を例示する。この発熱体封入物2は、第5の実施例と同様に袋基材8を折り畳み部34で折り畳んで表基材9と裏基材10とを構成したものである。外袋3には図26に示すように袋基材8の折り畳み部34を除く三辺に開封部36が設けられている。この場合には、図27に示すように袋基材原反8aの各発熱体1毎のホットメルト粘着剤13の塗工領域相互間に開封部36用の非塗工領域46を形成することにより、第5の実施例と同様に製造できる。
【0055】
図28〜図32は本発明の第7の実施例を例示する。この実施例の発熱体封入物2は、袋基材8のホットメルト粘着剤13上に発熱体1を重ねた状態で、発熱体1の端部同士が重ならないように、発熱体1の長手方向の2箇所の折り畳み部34,45でトップシート6を内側にして発熱体1と袋基材8とが折り畳まれている。従って、袋基材8の中央部分が裏基材10となり、その両側が表基材9となっている。
【0056】
袋基材8には、発熱体1の各折り畳み部45に対応する部分(裏基材10と表基材9との境界部分)に非塗工領域43ができ、袋基材8の両端側に非塗工領域37ができるように、その各非塗工領域37,43を除く略全体に離型層12を介してホットメルト粘着剤13が塗工されている。そして、折り畳み状態では、一方の耳部35a側の外側に、他方の耳部35b側がホットメルト粘着剤13を介して重合されている。
【0057】
そして、他方の耳部35b側のホットメルト粘着剤13により、袋基材8の両耳部35側同士をシールするシール部11aが形成され、また発熱体1の両側に、その部分のホットメルト粘着剤13により袋基材8の表裏をシールするシール部11が形成されている。外側の耳部35bが開封部36となっており、この開封部36から袋基材8を剥がして開封する。
【0058】
製造時には、袋基材8の両端側の非塗工領域37と各折り畳み部45に対応する非塗工領域43とを除いて、袋基材8の離型層12側にホットメルト粘着剤13を塗工し(図31、図32(A)参照)、そのホットメルト粘着剤13上に、バックシート7を下にして発熱体1を重ねる(図32(B)参照)。この場合、発熱体1の一端側がホットメルト粘着剤13の塗工領域の一端に近接し、他方側にシール部11aを形成するホットメルト粘着剤13の塗工領域が十分に残るようにする。
【0059】
次に一方の非塗工領域43に対応する折り畳み部34,45で発熱体1と袋基材8とを内側へと折り畳み(図32(C)参照)、続いて他方の非塗工領域43に対応する折り畳み部34,45で発熱体1と袋基材8とを内側へと折り畳む(図32(D)参照)。そして、先に折り畳まれた袋基材8の上側に、後から折り畳まれた袋基材8をホットメルト粘着剤13を介して重ね、その部分のホットメルト粘着剤13により形成されるシール部11aで袋基材8の重なり部分をシールすると共に、偏平な筒状になった袋基材8の両端側を、発熱体1から外側の部分のホットメルト粘着剤13により形成されるシール部11でシールする。その他の構成は他の実施例と同じである。
【0060】
図33〜図36は本発明の第8の実施例を例示する。この発熱体封入物2は、第5の実施例と同様、袋基材8を折り畳み部34で折り畳んで表基材9と裏基材10とを構成するものである。袋基材8には、図33に示すように表基材9と裏基材10との何れか一方、例えば裏基材10側のシール部11及び開封部36に対応して離型層12の非塗工領域48が設けられ、この非塗工領域48を除いて離型層12が形成されている。
【0061】
非塗工領域48は裏基材10の一端側から袋基材8の折り畳み部45までの範囲でシール部11の全体に設けられており、開封時にシール部11側のホットメルト粘着剤13と発熱体1側のホットメルト粘着剤13とをその境界部分で分断できるように、その内周側は発熱体1の外周に近接している。そして、袋基材8には図34に示すように、その上から袋基材8の非塗工領域37,43を除く略全面にホットメルト粘着剤13が塗工されている。なお、非塗工領域48は発熱体1の外周近傍にあればよく、シール部11に対応する全域に設けなくてもよい。
【0062】
第5の実施例の場合には、開封時にシール部11とバックシート7との境界でホットメルト粘着剤13を確実に分断できず、シール部11側のホットメルト粘着剤13がバックシート7からはみ出した状態で発熱体1側に付着する惧れがある。
【0063】
しかし、このように非塗工領域48を有する袋基材8を使用して第5の実施例と同様に発熱体封入物2を製造すれば、図35、図36に示すように開封時にシール部11のホットメルト粘着剤13が非塗工領域48で裏基材10側に残り、その非塗工領域48の内周側でシール部11側のホットメルト粘着剤13と発熱体1側のホットメルト粘着剤13とを確実に分断することができ、シール部11側のホットメルト粘着剤13がバックシート7からはみ出した状態で発熱体1側に残るようなことはない。その他の構成は他の実施例と同じである。
【0064】
第6の実施例の場合にも同様に実施可能である。なお、第6の場合のシール部11のホットメルト粘着剤13は、離型層12のない袋基材8の外側に貼着しているため、袋基材8の外側に残る。
【0065】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、各実施例では、袋基材8として酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用しているが、所定の機密性を確保できるものであれば、他の合成樹脂フィルムの単体又は複合体を使用することも可能である。離型層12を形成する離型剤はシリコン以外のものでもよい。
【0066】
ホットメルト粘着剤13には各種のものがあるが、特定の種類に限定されるものではない。またホットメルト粘着剤13は、袋基材8の非塗工領域37,43を除く略全面に塗工する場合を例示しているが、シール部11のシール性を損なわない限り、直線状、ジグザグ状、スパイラル状等の各種のパターンで筋状に塗工してもよい。塗工手段17はノズル式の他、ブラシ式、ロール式等、各種のものを使用することができる。
【0067】
貼着タイプの発熱体1の場合、そのバックシート7はフィルムが一般的であるが、フィルム以外のものでもよい。なお、トップシート6は通気性があれば十分であり、例えば不織布、小孔付きのフィルムの何れでもよい。非貼着タイプの発熱体1の場合はトップシート6、バックシート7の少なくとも一方が通気性を有するものであればよい。
【0068】
また発熱体1は、綿状等の担持繊維体内に発熱粉体4を入れた後、その担持繊維体を圧縮成形する等によって、発熱粉体4がこぼれないように担持繊維体により担持されたものであれば、それを包装する袋体5のないものでもよい。従って、各実施例では袋体5のバックシート7側を着衣等に対する貼着面として説明しているが、袋体5のない発熱体1もあるので、ホットメルト粘着剤13が発熱体1の貼着面に転移する構成であれば十分である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施例を示す発熱体封入物の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す発熱体封入物の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例を示す発熱体封入物の分解断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例を示す発熱体封入物の斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施例を示す発熱体封入物の断面平面図である。
【図10】本発明の第3の実施例を示す発熱体封入物の断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例を示す発熱体封入物の分解斜視図である。
【図14】本発明の第4の実施例を示す発熱体封入物の縦断面図である。
【図15】本発明の第4の実施例を示す発熱体封入物の横断面図である。
【図16】本発明の第4の実施例を示す開封説明図である。
【図17】本発明の第4の実施例を示す発熱体の斜視図である。
【図18】本発明の第4の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図19】本発明の第5の実施例を示す発熱体封入物の斜視図である。
【図20】本発明の第5の実施例を示す発熱体封入物の縦断面図である。
【図21】本発明の第5の実施例を示す発熱体封入物の平面図である。
【図22】本発明の第5の実施例を示す開封説明図である。
【図23】本発明の第5の実施例を示す発熱体の斜視図である。
【図24】本発明の第5の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図25】本発明の第5の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図26】本発明の第6の実施例を示す発熱体封入物の平面断面図である。
【図27】本発明の第6の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図28】本発明の第7の実施例を示す発熱体封入物の斜視図である。
【図29】本発明の第7の実施例を示す発熱体封入物の平面図である。
【図30】本発明の第7の実施例を示す発熱体封入物の断面図である。
【図31】本発明の第7の実施例を示す袋基材の展開図である。
【図32】本発明の第7の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図33】本発明の第8の実施例を示す袋基材の展開図である。
【図34】本発明の第8の実施例を示す袋基材の展開図である。
【図35】本発明の第8の実施例を示す開封説明図である。
【図36】本発明の第8の実施例を示す開封時の断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 発熱体
2 発熱体封入物
3 外袋
6 トップシート(非貼着面)
7 バックシート(貼着面)
8 袋基材
9 表基材
10 裏基材
11 シール部
12 離型層
13 ホットメルト粘着剤
34 折り畳み部
36 開封部
40 貼着面対応部分
41 シール部対応部分
43,48 非塗工領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てカイロ等の発熱体を外袋に密封状に封入して成る発熱体封入物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨てカイロとして使用する発熱体は、鉄粉その他を含む発熱粉体、又は発熱粉体を担持繊維体により担持した発熱シートを袋体に収容して構成されている。そして、この発熱体は気密性を有する袋基材により構成された外袋に密封状に封入されており、使用時に外袋を開封して発熱体を取り出すようになっている。
【0003】
従来の外袋は、気密性を有する表基材と裏基材とがその外周のシール部で熱シールされている。例えば、表基材、裏基材として、酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する場合には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの内側にポリエチレンフィルムをラミネートしておき、発熱体を包んだ後のシール工程において、エンボスロール等を備えた熱シールユニットにより表基材と裏基材との外周部分を表裏両側から加熱してポリエチレンフィルム同士を熱シールしている。
【0004】
また従来の外袋には、開封を容易にできるようにイージーピールフィルムを使用したものもある(特許文献1)。この外袋は、空気遮断性フィルムの内側にイージーピールフィルムをラミネートしておき、シール工程で表基材と裏基材との外周部分を表裏両側から熱シールユニットにより加熱し熱シールしている。また貼着タイプの場合には、イージーピールフィルムの内側に離型層を介して粘着層を設けておき、開封時にその粘着層を発熱体の貼着面であるバックシート側に転移するようにしている。
【特許文献1】特開2001−247165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の外袋は、シール工程で表基材と裏基材との外周部分を表裏両側から熱シールユニットにより熱シールするため、シール部での両基材の熱シールに時間を要する欠点がある。そのため製造ライン全体の高速化が困難であって、1列当たりの製造速度は毎分100〜200個程度が限度であり、それ以上の速度になると、シール不良が生じる欠点がある。特に高速化すれば、その速度に応じて熱シールユニットのエンボスロールの熱温度を上げる必要があるため、熱シール時の高熱によってシール部の破損が生じ易い欠点がある。しかもイージーピールフィルムを使用する場合には、イージーピールフィルム自体が高価であり、製造コストが大幅にアップする欠点がある。
【0006】
またシール部を熱シールするため、貼着タイプの場合には、シール時の粘着層に対する熱影響を防止する必要から、粘着層はシール部の近傍部分を除いた発熱体の中央部分のみとなり、発熱体の貼着面の周縁部分まで粘着層を設けることができなくなる。このため粘着層を介して発熱体を下着等の着衣に貼着した場合に、発熱体の粘着層のない部分が着衣等から浮き上がった状態となり、上着を着たとき等に擦れて発熱体が着衣から剥がれて脱落する等の問題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、シール部で袋基材を容易にシールでき、製造ラインの高速化を促進できると共に、貼着タイプの場合には、転移方式で発熱体の貼着面の端部まで粘着剤を設けることができる発熱体封入物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、シール部11で密封された外袋3内に発熱体1を封入して成る発熱体封入物において、前記外袋3の袋基材8が前記シール部11でホットメルト粘着剤13により開封可能にシールされたものである。前記袋基材8の前記発熱体1の貼着面7側における、該貼着面7に対応する貼着面対応部分40とその外側の前記シール部11に対応するシール部対応部分41とに離型層12を介して前記ホットメルト粘着剤13が塗工され、前記シール部対応部分41の前記ホットメルト粘着剤13により前記袋基材8がシールされ、前記貼着面対応部分40の前記ホットメルト粘着剤13が前記貼着面7に転移可能であってもよい。
【0009】
前記発熱体1と前記袋基材8とが前記発熱体1の非貼着面6を内側にして折り畳み部34,45で折り畳まれ、前記袋基材8の前記折り畳み部45側に、前記ホットメルト粘着剤13の塗工されていない非塗工領域43が前記発熱体1の前記折り畳み部34に対向して設けられたものでもよい。前記袋基材8の表基材9と裏基材10との内、その何れか一方の前記シール部11側に前記貼着面7の外周に対応して前記離型層12のない非塗工領域48があり、他方の前記シール部11側に前記離型層12があってもよい。前記袋基材8の前記シール部11の外側に、前記ホットメルト粘着剤13の塗工されていない開封部36があってもよい。前記袋基材8は酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムでもよい。
【0010】
また別の本発明は、発熱体1が外袋3に封入された発熱体封入物2を製造するに際し、離型層12を有する袋基材8にホットメルト粘着剤13を塗工し、次いで該袋基材8により前記発熱体1を包んでそのシール部11を前記ホットメルト粘着剤13によりシールするものである。前記袋基材8の前記発熱体1の貼着面7に対応する貼着面対応部分40とその外側の前記シール部11に対応するシール部対応部分41とに離型層12を介して前記ホットメルト粘着剤13を塗工しておき、前記シール部対応部分41の前記ホットメルト粘着剤13により前記シール部11をシールし、前記貼着面対応部分40の前記ホットメルト粘着剤13を該貼着面7に粘着してもよい。
【0011】
前記袋基材8にその前記発熱体1の折り畳み部34に対応する非塗工領域43を除いて前記ホットメルト粘着剤13を塗工し、該ホットメルト粘着剤13上に、その前記折り畳み部34を前記非塗工領域43に対応させて前記発熱体1を重ね、前記発熱体1と前記袋基材8とを前記発熱体1の非貼着面6を内側にして前記折り畳み部34,45で折り畳んでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シール部で袋基材を容易にシールでき、製造ラインの高速化を促進できると共に、貼着タイプの場合には、転移方式で発熱体の貼着面の端部まで粘着剤を設けることができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1〜図5は本発明の第1の実施例を例示する。図1、図2は発熱体1が非貼着タイプの使い捨てカイロの場合の発熱体封入物2を示し、この発熱体封入物2は、発熱体1と、発熱体1を密封状に封入する外袋3とを備えている。
【0014】
発熱体1は非貼着タイプの使い捨てカイロであって、鉄粉その他の粉体を混合した発熱粉体4、又は発熱粉体4を担持繊維体により担持した発熱シートを袋体5に収容して成り、その袋体5は表側のトップシート6と裏側のバックシート7との外周部分をシールして構成されている。トップシート6、バックシート7はその一方又は両方が通気性を有し、その通気作用により内部の発熱粉体4が空気と接触して、その化学反応で発熱するようになっている。
【0015】
なお、トップシート6、バックシート7には、その一方又は両方に合成樹脂フィルム、不織布等が使用されている。合成樹脂フィルムを使用する場合には、多数の小孔を形成する等によって通気性を持たせている。
【0016】
外袋3は袋基材8、例えば発熱体1の表裏に対応する表基材9、裏基材10と、この両基材9,10の外周部分を周方向の全周で密封状にシールするシール部11とから成り、その内部に発熱体1が密封状に封入されている。表基材9、裏基材10を構成する袋基材8には、例えば酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用されている。なお、この酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、酸素透過度及び透湿度が10cc/m2 及び2g/m2 day以下であることが望ましい。
【0017】
表基材9、裏基材10の一方、例えば裏基材10には、図3に示すようにその全面にシリコン液等の離型剤が薄膜状に塗工された離型層12が形成され、また発熱体1よりも外周側のシール部11に対応する部分に離型層12を介してホットメルト粘着剤13が周方向の全周に塗工されている。表基材9には離型層は形成されていない。そして、両基材9,10は、シール部11でホットメルト粘着剤13によりシールされており、開封時には、ホットメルト粘着剤13は表基材9側に残り、裏基材10がホットメルト粘着剤13から剥離することにより開封可能である。
【0018】
なお、裏基材10の離型層12は、少なくともシール部11に対応する領域に形成すれば十分である。また逆に表基材9側に離型層12を介してホットメルト粘着剤13を塗工して、離型層のない裏基材10を使用してもよい。表基材9、裏基材10の両方に離型層12を形成して、その一方又は両方にホットメルト粘着剤13を塗工してもよい。従って、離型層12は表基材9、裏基材10の少なくとも一方にあればよい。またホットメルト粘着剤13は離型層12を介して塗工してもよいし、一方に離型層がない場合には、その離型層のない側に塗工してもよい。ホットメルト粘着剤13は所定のシール性を確保できる厚さに塗工すればよい。
【0019】
このような構成の発熱体封入物2は、図4、図5に示す各工程を経て製造する。なお、図4、図5は複列(4列)型の製造ラインを示すが、単列型の場合にも同様である。裏基材原反10aには、酸素透過性制御材が塗工され且つシリコン液等の離型剤の塗工により薄膜状の離型層12が形成された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、また表基材原反9aには、酸素透過性制御材が塗工され且つ離型層のない二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する。
【0020】
発熱体封入物2の製造に際しては、先ず原反ロール15から裏基材原反10aを長手方向に所定速度で連続的に繰り出しながら、塗工工程16においてノズルその他の塗工手段17により、裏基材原反10aの離型層12側にホットメルト粘着剤13を塗工する(図5(A)参照)。
【0021】
この塗工工程16では、裏基材原反10aの長手方向及び幅方向に所定間隔をおいて縦横に発熱体1の収容領域18ができるように、裏基材原反10aの離型層12側に長手方向及び幅方向に帯状にホットメルト粘着剤13を塗工する。このためホットメルト粘着剤13の塗工パターンは、図4に示すように、各収容領域18の両側で袋基材原反8aの長手方向に伸びる複数本の帯状の縦塗工部19と、この各縦塗工部19を横方向(幅方向)に接続する帯状の横塗工部20とを有する。なお、離型層12を形成するシリコン液等の離型剤は、原反ロール15から繰り出し後に裏基材原反10aに塗工してもよい。
【0022】
次に発熱体1の供給工程21において、発熱体製造工程を経て製造された発熱体1を、図外の供給手段により裏基材原反10a上の各収容領域18へと順次供給する(図5(B)参照)。このとき発熱体1が収容領域18の周辺のホットメルト粘着剤13と接触しないようにする。
【0023】
そして、包み工程22において案内ロール23を介して案内される表基材原反9aを発熱体1を介して裏基材原反10a上に重ね(図5(C)参照)、この表基材原反9aと裏基材原反10aとにより発熱体1を表裏両側から包み、続いて圧着工程24で一対の圧着ロール25により、表基材原反9aと裏基材原反10aとを発熱体1の外周のシール部11側で表裏両側から挟圧して、表基材原反9aと裏基材原反10aとをホットメルト粘着剤13により圧着する(図5(D)参照)。
【0024】
次の切り取り工程26では、一対の切り取りロール27により、発熱体1の外周側の全周にシール部11ができるように、ホットメルト粘着剤13を介して圧着状態の表基材原反9aと裏基材原反10aとをその圧着部分で縦横に切断して、外袋3内に発熱体1が密封状に封入された発熱体封入物2を切り取る(図5(E)参照)。そして、発熱体封入物2は取り出しコンベア28を経て取り出し、残りのトリム29は発熱体封入物2とは別に回収する。
【0025】
このようにすれば、外袋3内に発熱体1が密封状に封入された発熱体封入物2を容易に製造することができる。特にシール部11で表基材9と裏基材10とをホットメルト粘着剤13でシールするため、従来の熱シール方式に比較してシール部11のシールが容易であり、不良品の発生もなく包装工程を含む製造ライン全体の高速化を容易に促進することができる。
【0026】
またホットメルト粘着剤13によりシール部11で表基材9と裏基材10とをシールしており、ラミネートフィルム、取り分けイージーピールフィルムのラミネートタイプのフィルムを使用する場合等に比較して材料自体も安価であるため、製造ライン全体の高速化と相俟って発熱体封入物2の製造コストも大幅に低減することができる。
【0027】
外袋3の開封時には、表基材9と裏基材10とを分離して開封するが、裏基材10にはホットメルト粘着剤13との間に離型層12があるため、裏基材10の端縁をホットメルト粘着剤13と反対側にこする程度で裏基材10の端部側がホットメルト粘着剤13から容易に剥離し、その剥離部分から裏基材10を剥がして行けばよい。なお、ホットメルト粘着剤13は、表基材9側に付着した状態で残る。
【0028】
図6、図7は本発明の第2の実施例を例示する。この実施例では、原反ロール15から1枚の袋基材原反8aを繰り出し、この袋基材原反8aを二つ折り状に折り畳んで発熱体1を包装することにより、第1の実施例と同様の発熱体封入物2を製造するようになっている。なお、袋基材原反8aには酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用され、その全面にシリコン液等の離型剤を塗工して成る離型層12が形成されている。
【0029】
即ち、図6、図7に示すように、原反ロール15から袋基材原反8aを所定速度で連続的に繰り出し、塗工工程16において塗工手段17により、袋基材原反8aの離型層12側のうち、裏基材10となる略半分に長手方向に所定間隔をおいて発熱体1の収容領域18ができるようにホットメルト粘着剤13を塗工する(図7(A)参照)。このときのホットメルト粘着剤13の塗工パターンは、収容領域18の両側(袋基材原反8aの幅方向の一端側と中央側)で袋基材原反8aの長手方向に伸びる縦塗工部19と、この両縦塗工部19間を横方向に接続する横塗工部20とを有する。なお、離型層12は袋基材原反8aの裏基材10となる部分に塗工し、表基材9となる部分には塗工しなくてもよい。
【0030】
次に発熱体1の供給工程21で図外の供給手段により、ホットメルト粘着剤13と接触しないうに、袋基材原反8aの収容領域18に発熱体1を供給する(図7(B)参照)。次いで、折り畳み包装工程30において押さえロール等の折り畳み手段31により、中央部側の縦塗工部19の途中又は縦塗工部19の外側近傍を境界とする折り畳み部34で袋基材原反8aを二つ折りにして、袋基材原反8aのホットメルト粘着剤13が塗工されていない側をホットメルト粘着剤13の塗工側に重ね合わせ、発熱体1をその表裏両側から袋基材原反8aにより包み込む(図7(C)参照)。なお、このとき袋基材原反8aの幅方向の両端の耳部35が略一致するように二つ折りにすることが望ましい。そして、圧着工程24で一対の圧着ロール25により、二つ折り状の袋基材原反8aを発熱体1の外周のシール部11側で表裏両側から挟圧してホットメルト粘着剤13により圧着する(図7(D)参照)。
【0031】
次の切り取り工程26で一対の切り取りロール27により、発熱体1の外周側の全周にシール部11ができるように、ホットメルト粘着剤13で圧着状態の袋基材原反8aをその圧着部分で縦横に切断して、外袋3内に発熱体1が封入された発熱体封入物2を切り取る(図7(E)参照)。そして、発熱体封入物2は取り出しコンベア28を経て取り出し、残りのトリム29は発熱体封入物2とは別に回収する。
【0032】
このように1枚の袋基材原反8aを折り畳み部34で二つ折りにして発熱体1を包装する方法でも、第1の実施例と同様の構造を有する発熱体封入物2を製造することが可能であり、またホットメルト粘着剤13でシール部11をシールするため、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。他の構成は、第1の実施例と同じである。
【0033】
図8〜図12は本発明の第3の実施例を例示する。この実施例の発熱体封入物2は、図8〜図10に示すように、1枚の袋基材8を折り畳み部34で二つ折りにして表基材9と裏基材10とが構成され、その袋基材8の一辺の折り畳み部34側を除く他の三辺のシール部11でホットメルト粘着剤13により表基材9側と裏基材10側とがシールされている。外袋3の外周側には、折り畳み部34と反対側のシール部11の外側に表基材9、裏基材10が粘着されていない開封部36が設けられ、この開封部36から外袋3を容易に開封できるようになっている。なお、袋基材8には、酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用され、その全面に離型層12が形成されている。
【0034】
この発熱体封入物2は、図11、図12の各工程を経て製造する。発熱体封入物2の製造に際しては、塗工工程16においてその塗工手段17により、袋基材原反8aの離型層12側にホットメルト粘着剤13を塗工する(図12(A)参照)。このときのホットメルト粘着剤13の塗工パターンは、袋基材原反8aの幅方向の一端側に形成された長手方向の縦塗工部19と、長手方向に所定間隔をおいて発熱体1の収容領域18ができるように、その各収容領域18間で縦塗工部19から袋基材原反8aの幅方向の中央部側へと伸びる横塗工部20とを有する。縦塗工部19は発熱体封入物2の切り取り時にホットメルト粘着剤13のない開封部36を形成できるように、袋基材原反8aの一端側(一方の耳部35側)に所定幅の非塗工領域37を置いてその内側に設けられている。
【0035】
そして、供給工程21で収容領域18に発熱体1を供給した後(図12(B)参照)、折り畳み包装工程30で押さえロール等の折り畳み手段31により、横塗工部20の内端側を含むように発熱体1の近傍を境界とする折り畳み部34で袋基材原反8aを二つ折りにして、袋基材原反8aのホットメルト粘着剤13が塗工されていない表基材9側をホットメルト粘着剤13が塗工された裏基材10側に重ね合わせ、発熱体1を表裏両側から袋基材原反8aにより包み込む(図12(C)参照)。その後、圧着工程24で一対の圧着ロール25により、発熱体1の外周側の折り畳み部34を除く三辺で袋基材原反8aの表基材9側と裏基材10側とを表裏両側から挟んでホットメルト粘着剤13により圧着する。
【0036】
切り取り工程26では一対の切り取りロール27により、折り畳み部34を除く三辺にシール部11ができ、且つ折り畳み部34と反対側に開封部36ができるように、袋基材原反8aを縦塗工部19の外側から横塗工部20の途中を通る三辺をコ字状に切断して、外袋3内に発熱体1が封入された発熱体封入物2を切り取る(図12(D)参照)。その他の構成、工程は第1又は第2の実施例と同じである。
【0037】
このように1枚の袋基材原反8aを折り畳み部34で二つ折りにして発熱体1を包んだ後、発熱体1の外側で袋基材8をコ字状に切り取ることにより、表基材9と裏基材10とがその一辺の折り畳み部34で接続された外袋3を構成でき、また前述と同様の効果を得ることができる。しかも横塗工部20の先端側の途中で袋基材原反8aを二つ折りするため、表基材9と裏基材10との折り畳み部34側でもホットメルト粘着剤13により外袋3のシール部11を確実にシールすることができる。
【0038】
図13〜図18は本発明の第4の実施例を例示する。この実施例の発熱体封入物2は、身体の患部又は着衣に貼着して使用する貼着タイプの発熱体1が外袋3に密封状に封入されたものであって、図13〜図15に示すように構成されている。発熱体1の貼着面側であるバックシート7には、ホットメルト粘着剤13がその粘着力により転移し易い材料の合成樹脂フィルム等が使用されている。外袋3の裏基材10には、その全面に形成された離型層12側にバックシート7(貼着面)に対応するバックシート対応部分(貼着面対応部分)40からシール部11に対応するシール部対応部分41にわたってホットメルト粘着剤13が塗工されている。
【0039】
ホットメルト粘着剤13は発熱体1のバックシート7側の通気部42(図17参照)に対応する帯状の非塗工領域43、及びシール部11の外側の開封部36に対応する非塗工領域37を除く略全面に塗工されている。通気部42用の非塗工領域43は、バックシート7の長手方向の略中央に幅方向の全体にわたって広幅の帯状に設けられている。開封部36は幅方向の両端に筋状、帯状等に設けられている。表基材9と裏基材10は、発熱体1の外周のシール部11でホットメルト粘着剤13によりシールされ、またバックシート対応部分40のホットメルト粘着剤13は、図16、17に示すように開封時にその粘着力によりバックシート7に転移(転写)可能になっている。通気部42は身体の患部に直接貼着したときの通気性を確保するためのものである。
【0040】
表基材9には離型層は形成されていない。従って、表基材9にはシール部11に対応する部分に離型層が形成されておらず、外袋3の開封時にシール部11側のホットメルト粘着剤13が表基材9に付着するため、発熱体1とシール部11との境界部分で、シール部11側のホットメルト粘着剤13と発熱体1側のホットメルト粘着剤13とを確実に分断することができる。なお、開封時のホットメルト粘着剤13の分離を確実にするためには、表基材9の少なくとも発熱体1の外周近傍に対応する部分に、発熱体1を取り囲む帯状に離型層の非塗工領域があればよい。
【0041】
裏基材10には、酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用され、その全面に離型層12が形成されている。患部に直接貼着する直貼りタイプ、又は着衣に貼着する着衣貼着タイプを問わず、通気部42用の非塗工領域43は、長手方向の両端を除く中間部分に複数本の帯状又は筋状に設けてもよいし、幅方向の両端を除く中間部に1本又は複数本の長手方向の帯状又は筋状に設けてもよい。また通気部42、非塗工領域43はなくてもよい。開封部36は幅方向の一端でもよいし、長手方向の両端若しくは一端、又は全周、更には何れかの隅部等、シール部11の外側であればどこに設けてもよい。
【0042】
外袋3の開封時には、開封部36側で表基材9と裏基材10との端縁を摘んだ後、その両基材9,10を離反方向に引っ張りながら開封する。このとき表基材9には離型層がないので、シール部11のホットメルト粘着剤13は、図16に示すように表基材9側に付いた状態のままとなり、離型層12を有する裏基材10がそのホットメルト粘着剤13から剥離して、外袋3を容易に開封することができる。
【0043】
またバックシート対応部分40のホットメルト粘着剤13は、図16に示すように裏基材10から剥離して発熱体1のバックシート7側に転移する。このため外袋3を開封して発熱体1を取り出したときには、図17に示すようにバックシート7側の中央に通気部42があり、この通気部42の両側にホットメルト粘着剤13による貼着用の粘着層44が形成されたものとなる。従って、その粘着層44を介して発熱体1を身体の患部、着衣等の所定箇所に容易に貼付することができ、しかも、粘着層44を形成するホットメルト粘着剤13がバックシート7の端縁まで付いているため、上着等で擦れても発熱体1が剥がれ落ちるようなこともない。
【0044】
この発熱体封入物2は、図18に示す工程を経て製造する。即ち、塗工工程16では裏基材10の発熱体1の供給部位に対応する塗工領域にホットメルト粘着剤13を塗工する。このとき製造ラインが複列型の場合には、各発熱体1の供給部位に対して幅方向に通気部42用の非塗工領域43ができ、また各供給部位の塗工領域相互間に開封部36用の非塗工領域37が長手方向にできようにホットメルト粘着剤13を塗工する。なお、ホットメルト粘着剤13の塗工領域は、バックシート対応部分40及びシール部対応部分41を含む領域となっている。
【0045】
次に発熱体1の供給工程21で図外の供給手段により、各供給部位に位置するようにホットメルト粘着剤13の塗工領域上に発熱体1を供給する。そして、包み工程22において表基材原反9aを案内ロール23を介して裏基材原反10a上に重ねて、表基材原反9a及び裏基材原反10aにより表裏両側から発熱体1を包み、続いて圧着工程24で一対の圧着ロール25により、表基材原反9aと裏基材原反10aとのシール部11側を表裏両側から挟んでホットメルト粘着剤13により圧着する。
【0046】
次の切り取り工程26で一対の切り取りロール27により、発熱体1の外周側の全周にシール部11ができ、外袋3の幅方向の両側に開封部36ができるように、表基材原反9aと裏基材原反10aとを縦横に切断して、外袋3内に発熱体1が封入された発熱体封入物2を切り取る。なお、その他は第1の実施例と同じである。
【0047】
このようにすれば、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。特に裏基材原反10aに離型層12を介してバックシート対応部分40、及びシール部対応部分41にわたってホットメルト粘着剤13を塗工しておき、そのバックシート対応部分40のホットメルト粘着剤13で貼付用の粘着層44を形成し、シール部11をシール部対応部分41のホットメルト粘着剤13でシールするため、バックシート7の端部を含む所定範囲に貼着用の粘着層44を容易に設けることができる。
【0048】
図19〜図25は本発明の第5の実施例を例示する。この実施例の発熱体封入物2は、図19〜図21に示すように非貼着面であるトップシート6を内側にして略中央部の折り畳み部45で二つ折り状に折り畳まれた発熱体1と、1枚の袋基材8を折り畳み部34で二つ折りにして表基材9及び裏基材10が構成され且つ折り畳み部34を除く他の三辺のシール部11がホットメルト粘着剤13によりシールされた外袋3とを備えている。外袋3の外周側には、折り畳み部34,45と反対側でシール部11の外側にその端縁に沿って開封部36が設けられている。
【0049】
袋基材8には、酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用され、その全面に塗工された離型層12側に、発熱体1の折り畳み部45に対応する非塗工領域43、開封部36に対応する非塗工領域37を除いて、バックシート対応部分40及びシール部対応部分41の略全面にホットメルト粘着剤13が塗工されている。そして、発熱体1と袋基材8は重ねた状態で折り畳み部34で二つ折り状に折り畳まれており(図20参照)、また開封時に袋基材8側のホットメルト粘着剤13がその粘着力により発熱体1のバックシート7側に転移可能である(図22、図23参照)。その他の構成は各実施例と略同じである。
【0050】
この発熱体封入物2は、図24、図25に示す工程を経て製造する。即ち、塗工工程16で袋基材原反8aにホットメルト粘着剤13を塗工する場合には、袋基材原反8aの幅方向の両側に開封部36用の非塗工領域37が長手方向の帯状にでき、幅方向の中央部に長手方向に所定間隔をおいて発熱体1の折り畳み部45に対応して通気部42用の非塗工領域43ができるようにホットメルト粘着剤13を塗工する(図25(A)参照)。
【0051】
そして、供給工程21で非塗工領域43がバックシート7の略中央となるように、発熱体1を袋基材原反8aのホットメルト粘着剤13の塗工領域上に供給した後(図25(B)参照)、折り畳み包装工程30で折り畳み手段31により、非塗工領域43に対応する部分を境界とする折り畳み部34,45で発熱体1と袋基材原反8aとを一緒に二つ折り状に折り畳む(図25(C)参照)。この場合、袋基材原反8aには発熱体1の折り畳み部45に対応してホットメルト粘着剤13の非塗工領域43があるため、重ねた状態の発熱体1と袋基材原反8aとを容易に二つ折りにすることができる。その後の圧着工程24で圧着した後(図25(D)参照)、切り取り工程26で発熱体封入物2を切り取る(図25(E)参照)等、第2又は第3の実施例と同様である。
【0052】
この実施例では、外袋3を開封するときに、図22に示すようにシール部対応部分41のホットメルト粘着剤13が表基材9又は裏基材10の何れかに付着し、バックシート対応部分40のホットメルト粘着剤13が、袋基材8から剥離してバックシート7側に転移する。このため外袋3から取り出して展開した発熱体1は、図23に示すようにバックシート7の中央部分に通気部42ができ、その両側にホットメルト粘着剤13による貼着用の粘着層44が形成されたものとなり、その粘着層44を介して着衣等に貼着することができる。
【0053】
なお、外袋3を開封した場合、表基材9と裏基材10とが共にシール部対応部分41のホットメルト粘着剤13から剥離して、このシール部対応部分41のホットメルト粘着剤13が発熱体1の外周に残ることがあるが、発熱体1から外側へとはみ出しているので、その部分を引っ張れば容易に取り除くことができる。その他の効果は他の各実施例と同様である。
【0054】
図26、図27は本発明の第6の実施例を例示する。この発熱体封入物2は、第5の実施例と同様に袋基材8を折り畳み部34で折り畳んで表基材9と裏基材10とを構成したものである。外袋3には図26に示すように袋基材8の折り畳み部34を除く三辺に開封部36が設けられている。この場合には、図27に示すように袋基材原反8aの各発熱体1毎のホットメルト粘着剤13の塗工領域相互間に開封部36用の非塗工領域46を形成することにより、第5の実施例と同様に製造できる。
【0055】
図28〜図32は本発明の第7の実施例を例示する。この実施例の発熱体封入物2は、袋基材8のホットメルト粘着剤13上に発熱体1を重ねた状態で、発熱体1の端部同士が重ならないように、発熱体1の長手方向の2箇所の折り畳み部34,45でトップシート6を内側にして発熱体1と袋基材8とが折り畳まれている。従って、袋基材8の中央部分が裏基材10となり、その両側が表基材9となっている。
【0056】
袋基材8には、発熱体1の各折り畳み部45に対応する部分(裏基材10と表基材9との境界部分)に非塗工領域43ができ、袋基材8の両端側に非塗工領域37ができるように、その各非塗工領域37,43を除く略全体に離型層12を介してホットメルト粘着剤13が塗工されている。そして、折り畳み状態では、一方の耳部35a側の外側に、他方の耳部35b側がホットメルト粘着剤13を介して重合されている。
【0057】
そして、他方の耳部35b側のホットメルト粘着剤13により、袋基材8の両耳部35側同士をシールするシール部11aが形成され、また発熱体1の両側に、その部分のホットメルト粘着剤13により袋基材8の表裏をシールするシール部11が形成されている。外側の耳部35bが開封部36となっており、この開封部36から袋基材8を剥がして開封する。
【0058】
製造時には、袋基材8の両端側の非塗工領域37と各折り畳み部45に対応する非塗工領域43とを除いて、袋基材8の離型層12側にホットメルト粘着剤13を塗工し(図31、図32(A)参照)、そのホットメルト粘着剤13上に、バックシート7を下にして発熱体1を重ねる(図32(B)参照)。この場合、発熱体1の一端側がホットメルト粘着剤13の塗工領域の一端に近接し、他方側にシール部11aを形成するホットメルト粘着剤13の塗工領域が十分に残るようにする。
【0059】
次に一方の非塗工領域43に対応する折り畳み部34,45で発熱体1と袋基材8とを内側へと折り畳み(図32(C)参照)、続いて他方の非塗工領域43に対応する折り畳み部34,45で発熱体1と袋基材8とを内側へと折り畳む(図32(D)参照)。そして、先に折り畳まれた袋基材8の上側に、後から折り畳まれた袋基材8をホットメルト粘着剤13を介して重ね、その部分のホットメルト粘着剤13により形成されるシール部11aで袋基材8の重なり部分をシールすると共に、偏平な筒状になった袋基材8の両端側を、発熱体1から外側の部分のホットメルト粘着剤13により形成されるシール部11でシールする。その他の構成は他の実施例と同じである。
【0060】
図33〜図36は本発明の第8の実施例を例示する。この発熱体封入物2は、第5の実施例と同様、袋基材8を折り畳み部34で折り畳んで表基材9と裏基材10とを構成するものである。袋基材8には、図33に示すように表基材9と裏基材10との何れか一方、例えば裏基材10側のシール部11及び開封部36に対応して離型層12の非塗工領域48が設けられ、この非塗工領域48を除いて離型層12が形成されている。
【0061】
非塗工領域48は裏基材10の一端側から袋基材8の折り畳み部45までの範囲でシール部11の全体に設けられており、開封時にシール部11側のホットメルト粘着剤13と発熱体1側のホットメルト粘着剤13とをその境界部分で分断できるように、その内周側は発熱体1の外周に近接している。そして、袋基材8には図34に示すように、その上から袋基材8の非塗工領域37,43を除く略全面にホットメルト粘着剤13が塗工されている。なお、非塗工領域48は発熱体1の外周近傍にあればよく、シール部11に対応する全域に設けなくてもよい。
【0062】
第5の実施例の場合には、開封時にシール部11とバックシート7との境界でホットメルト粘着剤13を確実に分断できず、シール部11側のホットメルト粘着剤13がバックシート7からはみ出した状態で発熱体1側に付着する惧れがある。
【0063】
しかし、このように非塗工領域48を有する袋基材8を使用して第5の実施例と同様に発熱体封入物2を製造すれば、図35、図36に示すように開封時にシール部11のホットメルト粘着剤13が非塗工領域48で裏基材10側に残り、その非塗工領域48の内周側でシール部11側のホットメルト粘着剤13と発熱体1側のホットメルト粘着剤13とを確実に分断することができ、シール部11側のホットメルト粘着剤13がバックシート7からはみ出した状態で発熱体1側に残るようなことはない。その他の構成は他の実施例と同じである。
【0064】
第6の実施例の場合にも同様に実施可能である。なお、第6の場合のシール部11のホットメルト粘着剤13は、離型層12のない袋基材8の外側に貼着しているため、袋基材8の外側に残る。
【0065】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、各実施例では、袋基材8として酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用しているが、所定の機密性を確保できるものであれば、他の合成樹脂フィルムの単体又は複合体を使用することも可能である。離型層12を形成する離型剤はシリコン以外のものでもよい。
【0066】
ホットメルト粘着剤13には各種のものがあるが、特定の種類に限定されるものではない。またホットメルト粘着剤13は、袋基材8の非塗工領域37,43を除く略全面に塗工する場合を例示しているが、シール部11のシール性を損なわない限り、直線状、ジグザグ状、スパイラル状等の各種のパターンで筋状に塗工してもよい。塗工手段17はノズル式の他、ブラシ式、ロール式等、各種のものを使用することができる。
【0067】
貼着タイプの発熱体1の場合、そのバックシート7はフィルムが一般的であるが、フィルム以外のものでもよい。なお、トップシート6は通気性があれば十分であり、例えば不織布、小孔付きのフィルムの何れでもよい。非貼着タイプの発熱体1の場合はトップシート6、バックシート7の少なくとも一方が通気性を有するものであればよい。
【0068】
また発熱体1は、綿状等の担持繊維体内に発熱粉体4を入れた後、その担持繊維体を圧縮成形する等によって、発熱粉体4がこぼれないように担持繊維体により担持されたものであれば、それを包装する袋体5のないものでもよい。従って、各実施例では袋体5のバックシート7側を着衣等に対する貼着面として説明しているが、袋体5のない発熱体1もあるので、ホットメルト粘着剤13が発熱体1の貼着面に転移する構成であれば十分である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施例を示す発熱体封入物の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す発熱体封入物の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例を示す発熱体封入物の分解断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例を示す発熱体封入物の斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施例を示す発熱体封入物の断面平面図である。
【図10】本発明の第3の実施例を示す発熱体封入物の断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例を示す発熱体封入物の分解斜視図である。
【図14】本発明の第4の実施例を示す発熱体封入物の縦断面図である。
【図15】本発明の第4の実施例を示す発熱体封入物の横断面図である。
【図16】本発明の第4の実施例を示す開封説明図である。
【図17】本発明の第4の実施例を示す発熱体の斜視図である。
【図18】本発明の第4の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図19】本発明の第5の実施例を示す発熱体封入物の斜視図である。
【図20】本発明の第5の実施例を示す発熱体封入物の縦断面図である。
【図21】本発明の第5の実施例を示す発熱体封入物の平面図である。
【図22】本発明の第5の実施例を示す開封説明図である。
【図23】本発明の第5の実施例を示す発熱体の斜視図である。
【図24】本発明の第5の実施例を示す製造工程の斜視図である。
【図25】本発明の第5の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図26】本発明の第6の実施例を示す発熱体封入物の平面断面図である。
【図27】本発明の第6の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図28】本発明の第7の実施例を示す発熱体封入物の斜視図である。
【図29】本発明の第7の実施例を示す発熱体封入物の平面図である。
【図30】本発明の第7の実施例を示す発熱体封入物の断面図である。
【図31】本発明の第7の実施例を示す袋基材の展開図である。
【図32】本発明の第7の実施例を示す製造工程の断面図である。
【図33】本発明の第8の実施例を示す袋基材の展開図である。
【図34】本発明の第8の実施例を示す袋基材の展開図である。
【図35】本発明の第8の実施例を示す開封説明図である。
【図36】本発明の第8の実施例を示す開封時の断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 発熱体
2 発熱体封入物
3 外袋
6 トップシート(非貼着面)
7 バックシート(貼着面)
8 袋基材
9 表基材
10 裏基材
11 シール部
12 離型層
13 ホットメルト粘着剤
34 折り畳み部
36 開封部
40 貼着面対応部分
41 シール部対応部分
43,48 非塗工領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール部(11)で密封された外袋(3)内に発熱体(1)を封入して成る発熱体封入物において、前記外袋(3)の袋基材(8)が前記シール部(11)でホットメルト粘着剤(13)により開封可能にシールされていることを特徴とする発熱体封入物。
【請求項2】
前記袋基材(8)の前記発熱体(1)の貼着面(7)側における、該貼着面(7)に対応する貼着面対応部分(40)とその外側の前記シール部(11)に対応するシール部対応部分(41)とに離型層(12)を介して前記ホットメルト粘着剤(13)が塗工され、前記シール部対応部分(41)の前記ホットメルト粘着剤(13)により前記袋基材(8)がシールされ、前記貼着面対応部分(40)の前記ホットメルト粘着剤(13)が前記貼着面(7)に転移可能であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体封入物。
【請求項3】
前記発熱体(1)と前記袋基材(8)とが前記発熱体(1)の非貼着面(6)を内側にして折り畳み部(34)(45)で折り畳まれ、前記袋基材(8)の前記折り畳み部(45)側に、前記ホットメルト粘着剤(13)の塗工されていない非塗工領域(43)が前記発熱体(1)の前記折り畳み部(34)に対向して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の発熱体封入物。
【請求項4】
前記袋基材(8)の表基材(9)と裏基材(10)との内、その何れか一方の前記シール部(11)側に前記貼着面(7)の外周に対応して前記離型層(12)のない非塗工領域(48)があり、他方の前記シール部(11)側に前記離型層(12)があることを特徴とする請求項2又は3に記載の発熱体封入物。
【請求項5】
前記袋基材(8)の前記シール部(11)の外側に、前記ホットメルト粘着剤(13)の塗工されていない開封部(36)があることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の発熱体封入物。
【請求項6】
前記袋基材(8)は酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の発熱体封入物。
【請求項7】
発熱体(1)が外袋(3)に封入された発熱体封入物(2)を製造するに際し、離型層(12)を有する袋基材(8)にホットメルト粘着剤(13)を塗工し、次いで該袋基材(8)により前記発熱体(1)を包んでそのシール部(11)を前記ホットメルト粘着剤(13)によりシールすることを特徴とする発熱体封入物の製造方法。
【請求項8】
前記袋基材(8)の前記発熱体(1)の貼着面(7)に対応する貼着面対応部分(40)とその外側の前記シール部(11)に対応するシール部対応部分(41)とに離型層(12)を介して前記ホットメルト粘着剤(13)を塗工しておき、前記シール部対応部分(41)の前記ホットメルト粘着剤(13)により前記シール部(11)をシールし、前記貼着面対応部分(40)の前記ホットメルト粘着剤(13)を該貼着面(7)に粘着することを特徴とする請求項7に記載の発熱体封入物の製造方法。
【請求項9】
前記袋基材(8)にその前記発熱体(1)の折り畳み部(34)に対応する非塗工領域(43)を除いて前記ホットメルト粘着剤(13)を塗工し、該ホットメルト粘着剤(13)上に、その前記折り畳み部(34)を前記非塗工領域(43)に対応させて前記発熱体(1)を重ね、前記発熱体(1)と前記袋基材(8)とを前記発熱体(1)の非貼着面(6)を内側にして前記折り畳み部(34)(45)で折り畳むことを特徴とする請求項8に記載の発熱体封入物の製造方法。
【請求項1】
シール部(11)で密封された外袋(3)内に発熱体(1)を封入して成る発熱体封入物において、前記外袋(3)の袋基材(8)が前記シール部(11)でホットメルト粘着剤(13)により開封可能にシールされていることを特徴とする発熱体封入物。
【請求項2】
前記袋基材(8)の前記発熱体(1)の貼着面(7)側における、該貼着面(7)に対応する貼着面対応部分(40)とその外側の前記シール部(11)に対応するシール部対応部分(41)とに離型層(12)を介して前記ホットメルト粘着剤(13)が塗工され、前記シール部対応部分(41)の前記ホットメルト粘着剤(13)により前記袋基材(8)がシールされ、前記貼着面対応部分(40)の前記ホットメルト粘着剤(13)が前記貼着面(7)に転移可能であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体封入物。
【請求項3】
前記発熱体(1)と前記袋基材(8)とが前記発熱体(1)の非貼着面(6)を内側にして折り畳み部(34)(45)で折り畳まれ、前記袋基材(8)の前記折り畳み部(45)側に、前記ホットメルト粘着剤(13)の塗工されていない非塗工領域(43)が前記発熱体(1)の前記折り畳み部(34)に対向して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の発熱体封入物。
【請求項4】
前記袋基材(8)の表基材(9)と裏基材(10)との内、その何れか一方の前記シール部(11)側に前記貼着面(7)の外周に対応して前記離型層(12)のない非塗工領域(48)があり、他方の前記シール部(11)側に前記離型層(12)があることを特徴とする請求項2又は3に記載の発熱体封入物。
【請求項5】
前記袋基材(8)の前記シール部(11)の外側に、前記ホットメルト粘着剤(13)の塗工されていない開封部(36)があることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の発熱体封入物。
【請求項6】
前記袋基材(8)は酸素透過性制御材が塗工された二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の発熱体封入物。
【請求項7】
発熱体(1)が外袋(3)に封入された発熱体封入物(2)を製造するに際し、離型層(12)を有する袋基材(8)にホットメルト粘着剤(13)を塗工し、次いで該袋基材(8)により前記発熱体(1)を包んでそのシール部(11)を前記ホットメルト粘着剤(13)によりシールすることを特徴とする発熱体封入物の製造方法。
【請求項8】
前記袋基材(8)の前記発熱体(1)の貼着面(7)に対応する貼着面対応部分(40)とその外側の前記シール部(11)に対応するシール部対応部分(41)とに離型層(12)を介して前記ホットメルト粘着剤(13)を塗工しておき、前記シール部対応部分(41)の前記ホットメルト粘着剤(13)により前記シール部(11)をシールし、前記貼着面対応部分(40)の前記ホットメルト粘着剤(13)を該貼着面(7)に粘着することを特徴とする請求項7に記載の発熱体封入物の製造方法。
【請求項9】
前記袋基材(8)にその前記発熱体(1)の折り畳み部(34)に対応する非塗工領域(43)を除いて前記ホットメルト粘着剤(13)を塗工し、該ホットメルト粘着剤(13)上に、その前記折り畳み部(34)を前記非塗工領域(43)に対応させて前記発熱体(1)を重ね、前記発熱体(1)と前記袋基材(8)とを前記発熱体(1)の非貼着面(6)を内側にして前記折り畳み部(34)(45)で折り畳むことを特徴とする請求項8に記載の発熱体封入物の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2007−168838(P2007−168838A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367874(P2005−367874)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(390018832)東亜機工株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(390018832)東亜機工株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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