説明

発芽豆類の精製方法

【課題】発芽豆類の外皮及び根を確実に除去しつつ十分な歩留まりを達成することのできる発芽豆類の精製方法を提供する。
【解決手段】所定量の発芽豆類10を容器内に充填し、前記容器内において、前記発芽豆類10に圧力をかけつつ撹拌することにより、前記発芽豆類10を互いに押し付け合いながら擦り合わせて、前記発芽豆類10の外皮11及び根13を除去する、発芽豆類10の精製方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発芽豆類の精製方法に関し、特に、発芽豆類の外皮及び根の除去に関する。
【背景技術】
【0002】
米や大麦等の穀類の穀皮を除去する方法としては、一般に、研削によって穀皮を削り取るパーリングという方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5には、このパーリングに用いられる装置の一例を示す。図5に示す装置200は、外筒201内に回転可能に設けられた砥石202を有している。外筒201と砥石202との間には内腔203が形成されている。穀類は、外筒201の上方端に開口する供給口204から内腔203に供給される。内腔203において、穀類は回転する砥石202の表面との接触によって研削される。また、穀類は主に重力の作用によって内腔203を下方側に移動し、外筒201の下方端に開口する回収口205から順次回収される。
【特許文献1】特開2003−299970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、本発明の発明者らは、発芽豆類を利用した食品や飲料を独自に開発している。発芽豆類を食品や飲料に利用するにあたっては、当該発芽豆類の外皮や根を可能な限り除去することが好ましい。
【0005】
しかしながら、発芽豆類の外皮や根を手作業で除去する方法は確実ではあるが、工業規模で食品や飲料を製造するために必要な量の発芽豆類を精製する場合には現実的ではない。
【0006】
そこで、図5に示すようなパーリング装置を用いて発芽豆類の精製を試みたが、当該発芽豆類の外皮及び根を十分に除去できないばかりか、当該発芽豆類の外皮に覆われた中身が過剰に削り取られて歩留まりが低下するという問題が生じた。
【0007】
例えば、発芽エンドウのように、外皮に覆われた中身が、複数の部分が互いに接合して構成され、根が当該複数の部分の間から伸び出している発芽豆類においては、当該根の一部が当該複数の部分の間に埋まっている。このため、発芽豆類の表面を削り取るパーリングによって根を確実に除去しようとすると、外皮のみならず中身も削り取ることとなるため、十分な歩留まりを達成することは困難であった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであって、発芽豆類の外皮及び根を確実に除去しつつ十分な歩留まりを達成することのできる発芽豆類の精製方法を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発芽豆類の精製方法は、所定量の発芽豆類を容器内に充填し、前記容器内において、前記発芽豆類に圧力をかけた状態で、前記発芽豆類を互いに擦り合わせて、前記発芽豆類の外皮及び根を除去することを特徴とする。本発明によれば、発芽豆類の外皮及び根を確実に除去しつつ十分な歩留まりを達成することのできる発芽豆類の精製方法を提供することができる。
【0010】
また、前記発芽豆類の前記外皮に覆われた中身は、複数の部分が互いに接合して構成され、前記発芽豆類の前記根は、前記複数の部分の間から伸び出しており、前記圧力は、前記中身を構成する前記複数の部分を分離させることのできる圧力であり、前記発芽豆類の前記複数の部分を分離させて、前記外皮及び前記根を除去することもできる。また、この場合、前記容器内において、前記所定量のうち75重量%以上の前記発芽豆類の前記複数の部分を分離させることもできる。こうすれば、中身を構成する複数の部分から伸び出している根を確実に除去しつつ十分な歩留まりを達成することができる。
【0011】
また、前記容器は、外筒部と、前記外筒部内に回転可能に設けられた撹拌ローラー部と、を有し、前記外筒部と前記撹拌ローラー部との間に形成された処理室内において、前記撹拌ローラー部の回転軸方向両側から前記発芽豆類に前記圧力をかけるとともに、前記撹拌ローラー部を前記回転軸周りに回転させて前記発芽豆類を撹拌することにより、前記発芽豆類を互いに擦り合わせることもできる。また、この場合、前記容器は、前記処理室の前記回転軸方向一方側に設けられて前記発芽豆類を前記回転軸方向他方側に移送する移送部材と、前記処理室の前記回転軸方向他方側の端部に対向するよう設けられた押圧プレートと、をさらに有し、前記処理室内において、前記移送部材と前記押圧プレートとにより前記処理室内の前記発芽豆類に前記圧力をかけることもできる。さらに、前記押圧プレートは、前記処理室の前記回転軸方向他方側の端部を閉塞可能に設けられ、前記移送部材と前記処理室の前記端部を閉塞する前記押圧プレートとにより前記処理室内の前記発芽豆類に前記圧力をかけ、前記処理室内において、前記発芽豆類に前記圧力をかけた状態で、前記発芽豆類を互いに擦り合わせる処理を、前記押圧プレートが前記処理室の前記端部を閉塞した状態で所定時間行い、次いで、前記押圧プレートによる閉塞を解除して、前記処理室の前記端部から処理後の前記発芽豆類を回収することもできる。こうすれば、工業規模での食品や飲料の製造に必要とされる量の発芽豆類について、当該発芽豆類の外皮及び根を効率よく確実に除去しつつ十分な歩留まりを達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態に係る発芽豆類の精製方法(以下、「本方法」という。)について説明する。なお、本発明は、本実施形態に限られるものではない。
【0013】
まず、本方法において精製の対象となる発芽豆類について説明する。発芽豆類は、発芽していない豆類(以下、「生豆類」という。)を所定の湿潤状態で所定時間維持する発芽処理により調製することができる。
【0014】
発芽処理を施すことにより、生豆類に含まれるデンプンやタンパク質の一部が当該生豆類に含まれる分解酵素によって分解されるとともに、根が新たに形成される。なお、デンプンやタンパク質の分解をある程度進行させる一方で、根が形成される前に当該分解を止める処理を行うことがあるが、本方法において精製の対象となる発芽豆類は、根が形成された発芽豆類である。豆類に根が形成されるまで発芽処理を施すことにより、当該豆類に食品や飲料への利用に適した特性を付与することができる。
【0015】
発芽処理の条件は、使用する豆類の種類や量、用途等の事情に応じて適宜設定することができる。すなわち、発芽処理は、例えば、生豆類を所定温度の水に所定時間浸す処理(浸豆処理)とすることができる。
【0016】
生豆類を浸漬する水の温度は、例えば、10℃〜30℃の範囲内とすることができ、好ましくは10℃〜20℃の範囲内とすることができる。生豆類を水に浸す時間は、例えば、12時間〜48時間の範囲内とすることができ、好ましくは6時間〜30時間の範囲内とすることができる。
【0017】
また、発芽処理は、例えば、浸豆処理に加え、当該浸豆処理が施された豆類を所定温度の湿潤空気に所定時間曝す送風処理を含むこともできる。この場合、例えば、浸豆処理後の豆類を網状の床面に置いて、当該床面の下方から所定温度の湿度100%の空気を送りこみ、当該豆類を当該湿潤空気に所定時間接触させる。
【0018】
湿潤空気の温度は、例えば、10℃〜30℃の範囲内とすることができ、好ましくは10℃〜20℃の範囲内とすることができる。豆類に湿潤空気を接触させる時間は、例えば、1時間〜12日とすることができ、好ましくは12時間〜9日とすることができ、さらに好ましくは1日〜6日とすることができる。
【0019】
また、発芽処理は、例えば、浸豆処理、又は浸豆処理及び送風処理に加え、これらの処理が施された豆類を焙燥する処理を含むこともできる。この場合、例えば、浸豆処理及び送風処理を施された豆類に所定温度の乾燥空気を所定時間送風して乾燥させるとともに、当該乾燥空気の温度を徐々に上昇させて、当該豆類の温度を50℃〜90℃に上昇させる。これにより、豆類の水分を十分に蒸発させるとともに、さらに当該豆類を加熱して50℃〜90℃で所定時間保持する焙燥を行うことができる。なお、予め煮沸処理によりデンプンのアルファ化を行った豆類を焙燥してもよい。
【0020】
このような発芽処理によって、外皮に覆われた中身から根が生えた発芽豆類を得ることができる。すなわち、外皮を突き破って伸び出した根を有する発芽豆類、又は外皮を突き破ることなく当該外皮内で形成された根を有する発芽豆類を得ることができる。
【0021】
本方法において精製の対象となる発芽豆類の種類は特に限られないが、例えば、エンドウ、大豆、緑豆、ウズラ豆、小豆、黒豆、大正金時、トラ豆、ヒヨコ豆、ソラ豆、ハナ豆、ヒラ豆、ヒタシ豆からなる群より選択される豆類のうち少なくとも1種類を発芽させたものを精製の対象とすることができる。
【0022】
これらのうち、エンドウ、大豆、緑豆、ウズラ豆、小豆、黒豆、大正金時に発芽処理を施して得られた発芽豆類、特に、エンドウ、緑豆、ウズラ豆、小豆を発芽させたものは、発泡性アルコール飲料の原料の一部として好ましく使用することができる。
【0023】
すなわち、ビール酵母等の発酵酵母が資化可能な炭素源及び窒素源を含む原料を用いて発酵前液を調製し、当該発酵前液に当該酵母を添加してアルコール発酵を行う発泡性アルコール飲料の製造方法において、上述のような発芽豆類を発酵前液の原料の一部として用いることにより、当該発芽豆類の使用に由来する、当該発芽豆類に特有の香味等の優れた特性を備えた発泡性アルコール飲料を得ることができる。
【0024】
具体的に、例えば、根が外皮を突き破って伸び出るまで発芽させた発芽エンドウは、その外皮及び根を除去した上で発酵前液の原料の一部として用いることにより、酵母による発酵効率を向上させることができるとともに、当該発芽エンドウの使用に由来する特有の香味や良好な泡もち特性を備えた発泡性アルコール飲料を製造することができる。
【0025】
なお、本発明でいうアルコール飲料とは、例えば、エタノールを1体積%以上の濃度で含有する飲料である。そして、本発明でいう発泡性アルコール飲料とは、ビール、発泡酒、その他の炭酸ガスを含有するアルコール飲料であって、例えば、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡もち特性と、を有するアルコール飲料である。すなわち、より具体的に、この発泡性アルコール飲料は、例えば、EBC(European Brewery Convention:欧州醸造協会)法によるNIBEM値(泡もち特性を表す単位)で50以上を示すアルコール飲料である。
【0026】
また、本方法において精製の対象となる発芽豆類は、外皮に覆われた中身は、複数の部分が互いに接合して構成され、根は、当該複数の部分の間から伸び出している発芽豆類とすることもできる。
【0027】
図1は、このような発芽豆類の一例として、発芽エンドウ10の断面を示す説明図である。図1に示すように、発芽エンドウ10は、外皮11と、当該外皮11に覆われた中身12と、当該中身12から伸び出した根13と、を有している。
【0028】
この発芽エンドウ10においては、略半球状の2つの部分12aが、各々の表面の一部である略平坦な面(図1に示す2つの部分12aの境界)を互いに接着させることで、1つの中身12を一体的に構成している。そして、この中身12を構成する2つの部分12aの間から根13が伸び出している。すなわち、根13の一部は、2つの部分12aの間に埋め込まれている。一方、根13の先端は、外皮11を突き破って、発芽エンドウ10の表面に突出している。
【0029】
なお、発芽エンドウ10は、粒の形状や大きさが不均一である。すなわち、本方法において精製の対象とする所定量の発芽エンドウ10には、形状や大きさが様々な発芽エンドウ10が含まれることになる。
【0030】
次に、本方法による発芽豆類の精製処理について説明する。本方法においては、所定量の発芽豆類を、所定の容器内に充填する。そして、この容器内において、充填された所定量の発芽豆類に圧力をかけた状態で、当該発芽豆類を互いに擦り合わせる。すなわち、発芽豆類の粒と粒とを押し付けながら、その表面同士を擦り合わせる。これにより、容器内において、発芽豆類の外皮及び根を効率よく除去することができる。
【0031】
ここで、本方法で用いられる容器は、その内部で、発芽豆類の加圧及び摩擦を実現できるものであれば特に限られないが、例えば、外筒部と、当該外筒部内に回転可能に設けられた撹拌ローラー部と、を有する装置を好ましく用いることができる。
【0032】
図2及び図3には、このような装置の一例として、本方法で好ましく用いられるピーリング装置100を示す。図2は、ピーリング装置100を側面視した場合の断面図である。図3は、図2に示すIII−III線で切断したピーリング装置100の断面図である。なお、図2においては、理解を容易とするために、後述する主軸101、送りスクリュー112、撹拌ローラー部123、押圧プレート124等のピーリング装置100内に配置されている部材を露出させて、これらの側面を示している。
【0033】
図2に示すように、ピーリング装置100は、送り部110と、処理部120と、回収部130と、を備えている。送り部110は、処理部120の上流側(図2の左方側)に設けられている。この送り部110は、ピーリング装置100内に発芽豆類を投入する際の入口である供給口111と、投入された発芽豆類を処理部120に供給するための送りスクリュー112と、を有している。
【0034】
送りスクリュー112は、発芽豆類を下流側に移送する移送部材として、処理部120の上流側に回転可能に設けられている。すなわち、送りスクリュー112は、送り部110から処理部120まで延びる主軸101によって回転可能に支持されている。そして、送りスクリュー112が、図2に示す回転軸C周りに回転することによって、供給口111から当該送りスクリュー112の外周に投入された発芽豆類を下流側(図2の右方側)に移送することができる。
【0035】
処理部120は、その外殻を構成する筺体部121と、当該筺体部121内に設けられた外筒部122と、当該外筒部122内に回転可能に設けられた撹拌ローラー部123と、当該処理部120の下流端に設けられた押圧プレート124と、を有している。
【0036】
撹拌ローラー部123は、外筒部122内において、主軸101によって回転可能に支持されている。すなわち、撹拌ローラー部123は、送りスクリュー112と同じ回転速度で回転する。また、撹拌ローラー部123の外周面上には、当該撹拌ローラー部123の上流端から下流端まで長手方向(図2に示す回転軸Cに沿った方向)に延びる撹拌翼123aが3つ設けられている。図3に示すように、これら3つの撹拌翼123aは、撹拌ローラー部123の周方向において等間隔に配置されている。
【0037】
外筒部122と撹拌ローラー部123との間には、送り部110から移送されてきた発芽豆類が充填される隙間である処理室125が形成されている。すなわち、外筒部122は処理室125の外壁を構成し、撹拌ローラー部123は当該処理室125の内壁を構成している。
【0038】
そして、外筒部122の内壁面と当該撹拌ローラー部123の外周面との距離、すなわち、撹拌ローラー部123の径方向における処理室125の長さは、当該処理室125内において当該径方向に複数個の発芽豆類を積層して充填できるだけの長さとなっている。このため、処理室125においては、発芽豆類の多くの粒を、その各々が他の複数の粒で囲まれた状態で充填することができる。
【0039】
押圧プレート124は、処理室125の下流側の端部を閉塞可能に設けられている。また、図2に示すように、押圧プレート124の下流側には、撹拌ローラー部123の回転軸C方向における当該押圧プレート124による押圧力を調整するための調整部126が設けられている。調整部126は、押圧プレート124の下流端に当接するバネ126aを有している。押圧プレート124は、このバネ126aにより、撹拌ローラー部123の回転軸C方向における上流側に付勢されて、処理室125の下流端の開口部分を塞ぐように配置することができる。これにより、押圧プレート124は、処理室125に充填された発芽豆類が当該処理室125の下流端から漏出しないよう、当該発芽豆類をせき止める役割を果たすことができる。
【0040】
一方、調整部126を操作することにより、押圧プレート124を処理室125の下流端から離して、当該処理室125の下流端を開口させることもできる。すなわち、調整部126のバネ126aによる付勢を低減又は解除することにより、押圧プレートを下流側に移動させて、当該押圧プレート124と処理室125の下流端との間に隙間を形成することができる。この場合、処理室125に充填されていた発芽豆類を、当該処理室125の下流端から漏出させて、回収することができる。
【0041】
また、押圧プレート124は、処理室125に充填された発芽豆類にかける圧力を調整できるように構成されている。すなわち、調整部126を操作して、バネ126aが押圧プレート124を上流側に付勢する力を増加させ又は低減させることにより、当該押圧プレート124による押圧力を増加させ又は低減させることができる。具体的に、例えば、調整部126を操作してバネ126aを収縮させた場合には、当該バネ126aの付勢力が増加することにより、押圧プレート124が処理室125内の発芽豆類を上流側に押し返す圧力を増加させることができる。この場合、処理室125の下流端から発芽豆類が漏出する際の抵抗を高め、当該処理室125内の発芽豆類にかける圧力を増大させることができる。
【0042】
また、この押圧プレート124と送りスクリュー112とによって、処理室125内の発芽豆類に対して効果的に圧力をかけることができる。すなわち、回転する送りスクリュー112と、処理室125の下流端を閉塞する押圧プレート124と、により当該処理室125内の発芽豆類に対して、回転軸C方向の上流側及び下流側の両側から圧力をかけることができる。
【0043】
また、処理室125の下流端を閉塞するように押圧プレート124を配置する場合であっても、当該処理室125の下流端から発芽豆類の一部を間欠的に又は連続的に漏出させることもできる。すなわち、例えば、送りスクリュー112によって、所定量の発芽豆類が処理室125内に順次供給される場合には、当該送りスクリュー124による下流側への圧力によって、当該処理室125内の発芽豆類の一部が、バネ126aによる付勢力に抗して、間欠的に又は持続的に押圧プレート124を下流側に僅かに移動させる。このため、処理室125の下流端と押圧プレート124との隙間から、発芽豆類の一部を間欠的に又は連続的に漏出させて、回収することができる。
【0044】
また、処理室125の下流端を閉塞するように押圧プレート124を配置する場合には、所定量の発芽豆類を処理室125内に充填した後、当該押圧プレート124による閉塞を解除することなく、閉鎖された当該処理室125内で当該発芽豆類の精製処理を行うことができる。この場合、処理室125において発芽豆類の精製処理をより確実に行うことができる。そして、精製処理が終了した後に、押圧プレート124による閉塞を解除して、外皮及び根と分離された発芽豆類の中身を一度に回収することができる。また、処理室125の下流端と離間させて押圧プレート124を配置した場合には、発芽豆類の一部を当該処理室125の下流端から連続的に回収することができる。
【0045】
また、図3に示すように、主軸101、撹拌ローター部123、外筒部122、筺体部121は、いずれも中空の筒状に形成され、且つ互いに同心に配置されている。さらに、主軸101、撹拌ローター部123、外筒部122の各々の側壁には、空気が通過することのできる微細な複数の孔(不図示)が形成されている。
【0046】
特に、外筒部122には、処理室125内で発芽豆類から剥離した外皮及び根は通過することができ、且つ当該発芽豆類の中身は通過することができない形状及び大きさの孔が複数形成されている。すなわち、外筒部122は、処理室125から外皮及び根を選択的に排出することができる篩を構成している。
【0047】
したがって、処理部120において、主軸101の中空から、外筒部122と筺体部121との間に形成された空隙127まで、径方向外側に向けた空気の流れを発生させることにより、処理室125内で中身と分離された外皮及び根を当該処理室125から当該空隙127に選択的に排出することができる。
【0048】
このような空気の流れによって、外筒部122に形成された複数の孔の目詰まりを防止するとともに、処理室125内の発芽豆類を冷却することもできる。また、この空気の流れは、例えば、主軸101に送風機(不図示)を接続し、又は第二回収口132に吸引機(不図示)を接続することによって発生させることができる。
【0049】
回収部130は、処理室125から外皮及び根から分離された中身を回収するための第一回収口131と、当該外皮及び根を回収するための第二回収口132と、を有している。
【0050】
第一回収口131は、処理室125の下流端と連通している。このため、処理室125で分離された発芽豆類の中身を、当該処理室125の下流端と押圧プレート124との間から漏出させて、第一回収口131から回収することができる。また、押圧プレート124で処理室125の下流端を閉塞した状態で、発芽豆類の中身と外皮及び根とを分離する場合には、押圧プレート124による処理室125の下流端の閉塞を解除して、当該処理室125の下流端を開口させることにより、当該処理室125の下流端から排出された発芽豆類の中身を第一回収口131から回収することができる。
【0051】
第二回収口132は、外筒部122に形成された複数の孔及び処理室125の径方向外側に形成された空隙127を介して処理室125と連通している。このため、上述のような処理室125を横切る空気の流れによって、当該処理室125から空隙127に排出された外皮及び根を第二回収口132から回収することができる。
【0052】
次に、本方法の一例として、図2及び図3に示すピーリング装置100を用いて、図1に示す発芽エンドウ10を精製する場合について説明する。この場合、まず、ピーリング装置100において、調整部126を操作して、図2に示すように、処理室125の下流端を塞ぐように押圧プレート124を配置する。
【0053】
次いで、所定量の発芽エンドウ10を、供給口111から送りスクリュー112の外周に順次投入する。すなわち、発芽エンドウ10を供給口111に連続的に投入する。
【0054】
そして、送りスクリュー112を所定の回転速度で回転させて、投入された発芽エンドウ10を処理室125に順次移送する。これによって、所定量の発芽エンドウ10を処理室125内に充填することができる。
【0055】
ここで、処理室125内においては、充填した所定量の発芽エンドウ10に所定の圧力をかける。この圧力は、投入する発芽エンドウ10の量、押圧プレート124による押圧力(バネ126aによる付勢力)、及び送りスクリュー112の回転速度等の操作条件によって調整することができる。
【0056】
すなわち、例えば、投入する発芽エンドウ10の量を固定した上で、押圧プレート124による押圧力と、送りスクリュー112の回転速度と、をそれぞれ調整することにより、発芽エンドウ10にかける圧力を調整する。この場合、送りスクリュー112の回転速度を増大させることによって、発芽エンドウ10にかける圧力を増大させることができる。また、バネ126aが押圧プレート124を付勢する力を増加させて押圧プレート124による押圧力を増加させることによって、発芽エンドウ10にかける圧力を増大させることができる。
【0057】
このように、処理室125内においては、回転する送りスクリュー112と押圧プレート124とにより、当該処理室125に充填された所定量の発芽エンドウ10に対して、主軸101に沿った方向(すなわち、回転軸Cに沿った方向)における上流側及び下流側の両側から圧力をかけることができる。
【0058】
また、発芽エンドウ10にかける圧力は、当該発芽エンドウ10の中身12を構成する2つの部分12aを分離させることのできる圧力とする。これは、図1に示すように、発芽エンドウ10の根13は、中身12を構成している2つの部分12aの間から伸び出しているため、当該根13を確実に除去するためには、当該2つの部分12aを分離する必要があるからである。また、この圧力は、分離された各部分12aを破砕しない程度の圧力とする。
【0059】
そして、処理室125内においては、このように発芽エンドウ10に圧力をかけた状態で、撹拌ローラー部123を回転させる。すなわち、送りスクリュー112及び押圧プレート124によって撹拌ローラー部123の主軸101方向両側から発芽エンドウ10に圧力をかけつつ、当該撹拌ローラー部123を当該主軸101周りに回転させて当該発芽エンドウ10を撹拌する。これにより、撹拌ローラー部123の主軸101方向の圧縮と、当該撹拌ローラー123の周方向への移送と、を同時に行う。この結果、発芽エンドウ10の粒と粒とを押し付けながら互いに擦り合わせることができる。
【0060】
さらに、処理室125において発芽エンドウ10にかける圧力は、上述のとおり、中身12を構成する2つの部分12aを分離することができ、且つ分離された各部分12aが破砕されない適度な圧力とする。したがって、処理室125においては、発芽エンドウ10の2つの部分12aを効率よく分離して、外皮11及び根13を確実に除去することができる。また、上述した従来型のパーリング装置200(図5参照)を用いて発芽エンドウ10を研削し、外皮11及び根13を除去する場合と比較して、外皮11及び根13と分離された発芽エンドウ10の2つの部分12aが過剰に削られることを効果的に防止することができる。
【0061】
また、上述のとおり、処理室125は、当該処理室125における撹拌ローラー部123の径方向に複数個の発芽エンドウ10を積層して充填できるように構成されている。このため、処理室125においては、同程度の硬さの発芽エンドウ10を互いに擦り合わせることができる。したがって、上述した従来型のパーリング装置200(図5参照)を用いる場合と比較して、発芽エンドウ10の中身12が過剰に削られることを効果的に防止して、高い歩留まりを達成することができる。
【0062】
このような加圧状態で発芽豆類同士を擦り合わせる精製処理により、処理室125に充填した所定量の発芽エンドウ10のうち大部分について、その中身12を各部分12aに分離し、当該各部分12aから外皮11及び根13を確実に脱離させることができる。
【0063】
具体的に、例えば、処理室125に充填した所定量の発芽エンドウ10のうち、所定割合以上の発芽エンドウ10の中身12が2つの部分12aに分離するよう精製処理を行う。この所定割合は、例えば、75重量%とすることが好ましく、80重量%とすることがより好ましく、85重量%以上とすることが特に好ましい。なお、この好ましい所定割合は、発芽エンドウ10以外の他の種類の発芽豆類についても同様である。
【0064】
所定割合以上の発芽エンドウ10の中身12を各部分12aに分離するための条件は、例えば、予備的な検討に基づいて、送りスクリュー112及び撹拌ローラー123の回転速度、押圧プレート124による押圧力等の操作条件を適宜調整することにより決定することができる。
【0065】
処理室125内で中身12と分離された外皮11及び根13は、上述のとおり、当該処理室125の径方向外側に向けた空気の流れに伴い、外筒部122の篩を介して空隙127に順次排出される。したがって、精製処理が所定時間実施された後の処理室125内には、外皮11及び根13が除去され、且つ過剰に削られることなく本来の形状及び大きさを維持した中身12を選択的に残すことができる。
【0066】
一方、処理室125の下流端からは、精製された発芽エンドウ10の一部を順次回収することができる。すなわち、例えば、供給口111への発芽エンドウ10の投入を連続的に行い、投入された当該発芽エンドウを送りスクリュー112によって順次処理室125に移送することにより、バネ126aによる付勢力に抗して押圧プレート124を下流側に移動させ、当該処理室125の下流端と当該押圧プレート124との間に隙間を間欠的又は連続的に形成することができる。したがって、この処理室125と押圧プレート124との隙間から、外皮11及び根13が除去された中身12を間欠的に又は連続的に漏出させることができる。漏出した中身12は、第一回収口131からピーリング装置100外に順次回収される。
【0067】
また、処理室125内において、発芽エンドウ10に圧力をかけた状態で当該発芽エンドウ10を互いに擦り合わせる精製処理を、押圧プレート124が処理室125の下流端を閉塞した状態で行うこともできる(いわゆるバッチ方式)。すなわち、この場合、まず、押圧プレート124によって下流端が閉塞された処理室125に所定量の発芽エンドウ10を充填する。そして、例えば、処理室125に当初充填した所定量の発芽エンドウ10のうち、上述した所定割合以上の発芽エンドウ10の中身12が2つの部分12aに分離するまで精製処理を行う。そして、所定時間にわたる精製処理の後に、押圧プレート124を下流側に移動させて、当該押圧プレート124による処理室125の下流端の閉塞を解除する。こうして、処理室125の下流端から処理後の発芽エンドウ10(外皮11及び根13が除去された中身12)をまとめて回収することができる。
【0068】
本方法によれば、短時間で発芽豆類の外皮及び根を確実に除去しつつ、十分な歩留まりを達成することができる。特に、発芽エンドウ10のように、中身を構成する複数の部分の間から根が伸び出している発芽豆類を精製する場合には、当該発芽豆類に適度な圧力をかけながら当該発芽豆類を互いに擦り合わせることにより、当該中身を当該各部分に分離して根を確実に除去するとともに、本来の形状及び大きさを維持した当該各部分を回収することができる。
【0069】
また、本方法は、粒の形状や大きさが均一か不均一かに関わらず、様々な種類の発芽豆類に適用することができる。したがって、本方法は、食品や飲料を工業規模で製造する上で必要な量の発芽豆類を効率よく精製することができる。
【0070】
次に、本方法を実施した具体的な例について説明する。
【0071】
[実施例]
発芽豆類としては、図1に示すように外皮11を突き破って根13が生えた発芽エンドウ10を用いた。発芽エンドウ10は、根13が形成されていない生のエンドウに24時間の浸豆処理及び72時間の送風処理を施し、さらに焙燥を施すことにより調製した。この発芽エンドウ10を乾燥させ、そのまま精製処理の対象とした。
【0072】
また、本実施例においては、図2及び図3に示すようなピーリング装置100(ビューラー株式会社)を用いた。すなわち、このピーリング装置100は、中空の主軸101(hollow shaft)と、供給口111(inlet)と、送りスクリュー112(feed screw)と、外筒部122(sieve basket)と、撹拌ローター部123(rotating roller)と、押圧プレート124(retarding plate)と、バネ126a(pressure spring)を有する調整部126(star handles)と、を備えていた。そして、外筒部122と撹拌ローター部123との間には処理室125(work chamber)が形成されていた。
【0073】
送りスクリュー112の回転速度は、周波数(Hz)を調整することにより設定した。なお、周波数を増大させることにより、送りスクリュー112の回転速度は増大した。外筒部122としては、断面形状が八角形又は円形の2種類を用いた。また、調整部126を操作して、押圧プレート124による押圧力を、互いに異なる3種類の圧力のうちいずれかに設定した。
【0074】
そして、このピーリング装置100を用いて、100gの発芽エンドウ10の精製試験を13回行った。すなわち、各試験において、押圧プレート124により処理部125の下流端を閉塞した状態で、送りスクリュー112を回転させながら、100gの発芽エンドウ10をピーリング装置100の供給口111に順次投入し、当該発芽エンドウ10を処理室125に充填した。そして、さらに送りスクリュー112及び撹拌ローター部123を回転させることにより、処理室125内において発芽エンドウ10を加圧状態で互いに擦り合わせる精製処理を所定時間行った。この精製処理の間、押圧プレート124は、移送される発芽エンドウ10により下流側に押し下げられ、精製された発芽エンドウ10(すなわち、外皮11及び根13と分離された中身12)の一部は、当該押圧プレート124と処理室125の下流端との隙間から順次回収された。精製処理の終了後、押圧プレート124を下流側に移動させて処理室125の下流端を開口し、精製された発芽エンドウ10の残りを回収した。
【0075】
そして、各試験において、ピーリング装置100に投入した当初の発芽エンドウ10の重量(すなわち100g)に対する、回収された精製後の発芽エンドウ10の重量(g)の割合を回収率(重量%)として評価した。
【0076】
一方、第一の比較例においては、発芽エンドウ10を手作業で精製した。すなわち、この比較例においては、100gの発芽エンドウ10について、各粒の外皮11及び根13を手作業で除去した。そして、上述の場合と同様に回収率(重量%)を評価した。
【0077】
また、第二の比較例においては、パーリングによる精製を試みた。すなわち、この比較例においては、図5に示すようなパーリング装置200(酒米用精米機NF−26FA、新中野工業株式会社)を用いて、発芽エンドウ10の精製を行った。パーリング装置200は、セラミック製の円盤状の砥石202を3つ備えていた。
【0078】
そして、100gの発芽エンドウ10をパーリング装置200に投入して、回転する砥石202と当該発芽エンドウ10との接触による研削処理を行った。そして、上述の場合と同様に回収率(重量%)を評価した。
【0079】
まず、第一の比較例においては、89重量%という高い回収率が得られた。このことは、精製の対象となった発芽エンドウ10のうち、外皮11及び根13を除く中身12の割合が約89重量%であったことを示している。ただし、100gの発芽エンドウ10の外皮11及び根13を手作業で十分に除去するためには30分以上の時間がかかった。
【0080】
一方、第二の比較例においては、研削条件を調整しても、外皮11及び根13の除去が不十分になるか、又は中身12が過剰に削られて歩留まりが低下するか、のいずれかの問題を避けることはできなかった。
【0081】
すなわち、10秒間研削した場合、回収率は86.9重量%であったが、回収された中身12には、各部分12aに分離しておらず外皮11及び根13が残存したものが多く含まれていた。また、回収された中身12には、過剰な研削により磨り減ったものも含まれていた。
【0082】
20秒間研削した場合でも、依然として外皮11及び根13の残存と中身12の過剰な研削が見られ、回収率は82.0重量%に低下した。40秒間研削した場合には、外皮11及び根13は十分に除去されたが、回収された中身12は過剰に削られて大幅に磨り減っており、回収率は75.4重量%とさらに低下した。60秒間研削した場合には、投与した発芽エンドウ10の大部分が過剰に削られて小さくなり、回収率は69.3重量%とさらに低下した。
【0083】
これらの例に対し、ピーリング装置100を用いた本方法を実施した場合の結果を図4に示す。図4には、13回の試験の各々について、試験番号(1〜13)と、用いた外筒部122の断面形状(八角形又は円形)と、送りスクリュー112の回転速度に対応する周波数(Hz)と、押圧プレート124による圧力(P1、P2又はP3)と、回収率(重量%)と、を対応させて示している。なお、押圧プレート124による押圧力は、図4に示すように、最も高い圧力P1、次いで高い圧力P2、及び最も低い圧力P3(P1>P2>P3)のいずれかを各試験で採用した。
【0084】
図4に示すように、いずれの試験においても、75重量%以上の回収率が得られた。また、多くの試験において80重量%以上の回収率が得られた。特に、試験10、試験11、及び試験12においては、86.6重量%、86.4重量%、87.6重量%という85重量%以上の高い回収率が得られた。
【0085】
また、各試験において、回収された中身12は、その殆どが各部分12aに分離しており、外皮11及び根13のいずれの残存も殆ど認められなかった。さらに、分離された各部分12aの外観は、上述の第一の比較例で得られた理想的な各部分12aの外観と大差なかった。すなわち、ピーリング装置100を用いた本方法によれば、工業規模で必要とされる量の発芽豆類についても、外皮及び根を確実に除去しつつ十分な歩留まりを達成できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】発芽エンドウの断面についての説明図である。
【図2】ピーリング装置を側面視した場合の断面図である。
【図3】図2に示すIII−III線で切断したピーリング装置の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る発芽豆類の精製方法により発芽エンドウの精製を行った結果の一例を示す説明図である。
【図5】パーリング装置の断面図である。
【符号の説明】
【0087】
10 発芽エンドウ、11 外皮、12 中身、12a 部分、13 根、100 ピーリング装置、101 主軸、110 送り部、111 供給口、112 送りスクリュー、120 処理部、121 筺体部、122 外筒部、123 撹拌ローター部、123a 撹拌翼、124 押圧プレート、125 処理室、126 付勢部、126a バネ、127 空隙、130 回収部、131 第一回収口、132 第二回収口、200 パーリング装置、201 外筒、202 砥石、203 内腔、204 供給口、205 回収口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の発芽豆類を容器内に充填し、前記容器内において、前記発芽豆類に圧力をかけた状態で、前記発芽豆類を互いに擦り合わせて、前記発芽豆類の外皮及び根を除去する
ことを特徴とする発芽豆類の精製方法。
【請求項2】
前記発芽豆類の前記外皮に覆われた中身は、複数の部分が互いに接合して構成され、
前記発芽豆類の前記根は、前記複数の部分の間から伸び出しており、
前記圧力は、前記中身を構成する前記複数の部分を分離させることのできる圧力であり、
前記発芽豆類の前記複数の部分を分離させて、前記外皮及び前記根を除去する
ことを特徴とする請求項1に記載された発芽豆類の精製方法。
【請求項3】
前記容器内において、前記所定量のうち75重量%以上の前記発芽豆類の前記複数の部分を分離させる
ことを特徴とする請求項2に記載された発芽豆類の精製方法。
【請求項4】
前記容器は、外筒部と、前記外筒部内に回転可能に設けられた撹拌ローラー部と、を有し、
前記外筒部と前記撹拌ローラー部との間に形成された処理室内において、前記撹拌ローラー部の回転軸方向両側から前記発芽豆類に前記圧力をかけるとともに、前記撹拌ローラー部を前記回転軸周りに回転させて前記発芽豆類を撹拌することにより、前記発芽豆類を互いに擦り合わせる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された発芽豆類の精製方法。
【請求項5】
前記容器は、前記処理室の前記回転軸方向一方側に設けられて前記発芽豆類を前記回転軸方向他方側に移送する移送部材と、前記処理室の前記回転軸方向他方側の端部に対向するよう設けられた押圧プレートと、をさらに有し、
前記処理室内において、前記移送部材と前記押圧プレートとにより前記処理室内の前記発芽豆類に前記圧力をかける
ことを特徴とする請求項4に記載された発芽豆類の精製方法。
【請求項6】
前記押圧プレートは、前記処理室の前記回転軸方向他方側の端部を閉塞可能に設けられ、
前記移送部材と前記処理室の前記端部を閉塞する前記押圧プレートとにより前記処理室内の前記発芽豆類に前記圧力をかけ、
前記処理室内において、前記発芽豆類に前記圧力をかけた状態で、前記発芽豆類を互いに擦り合わせる処理を、前記押圧プレートが前記処理室の前記端部を閉塞した状態で所定時間行い、次いで、前記押圧プレートによる閉塞を解除して、前記処理室の前記端部から処理後の前記発芽豆類を回収する
ことを特徴とする請求項5に記載された発芽豆類の精製方法。
【請求項7】
前記発芽豆類は発芽エンドウである
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載された発芽豆類の精製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−261264(P2009−261264A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111852(P2008−111852)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(303040183)サッポロビール株式会社 (150)
【Fターム(参考)】