説明

発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置

【課題】
発酵の安定化、及び、バイオガスの収量増加に寄与できるように、発酵液中の揮発性有
機酸濃度を正確にモニタリングできる発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置を
提供すること。
【解決手段】
発酵槽からサンプリングした発酵液に含まれる炭酸を、塩基性の炭酸捕捉剤の添加によ
り難溶解性の塩として固相に捕捉する炭酸捕捉手段2と、固液分離により該難溶解性の塩を除去する固液分離手段3と、固液分離後の液相に不揮発性の酸を添加して揮発性有機酸を気相中に放散する揮発性有機酸放散手段4と、気相中に放散された揮発性有機酸濃度の定量を行う定量手段5とを備える発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵槽内における発酵液中の揮発性有機酸濃度をモニタリングする装置に関
する。
【背景技術】
【0002】
発酵槽における発酵性能の低下や酸敗を回避するために、発酵液成分のモニタリングが
行われている。
【0003】
しかし、発酵液成分には、アンモニア塩のようなpH緩衝性を示す成分も含まれている
ため、pHを測定するだけでは、発酵性能の低下や酸敗の原因となるプロピオン酸や酢酸
等の揮発性有機酸の増加を検知できない場合があった。
【0004】
そのため、プロピオン酸や酢酸等の揮発性有機酸濃度を、より直接的に測定する方法が
検討されている。
【0005】
しかし、多くの発酵液中には、二酸化炭素が比較的高濃度に溶存しており、この干渉を
除外しなければ、精度の良い揮発性有機酸濃度の測定は困難であった。
【0006】
特許文献1には、メタン発酵槽内の検体から限外ろ過装置を透過した試料を酸性化し、
この試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除去した空気を通気して溶解炭酸及び硫化水素を揮
散させ、更に試料に所定量の塩化バリウムもしくは塩化カルシウムを添加して残存する溶
解炭酸を不溶化させてからアルカリ溶液を用いて液相の揮発性有機酸を中和滴定するメタ
ン発酵槽の有機酸測定方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−138191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1のような液相での中和滴定法は操作が複雑であり、更に、干渉成分
を完全に除去することが困難であるため、精度上の問題もある。
【0009】
このように、従来は、揮発性有機酸を正確に定量する方法が確立していなかったため、
発酵槽へのバイオマス導入を、十分に安全圏とされる範囲でのみ行っていた。そのため、
低負荷運転を余儀なくされ、バイオガス収量は低いものであった。
【0010】
さらに、運転を誤ってpHが5以下になった場合は、メタン発酵が進行しない酸敗状態
が形成され、発酵槽内のバイオマスを全交換することになる。
【0011】
そこで、本発明の課題は、発酵の安定化、及び、バイオガスの収量増加に寄与できるよ
うに、発酵液中の揮発性有機酸濃度を正確にモニタリングできる発酵液中の揮発性有機酸
濃度のモニタリング装置を提供することにある。
【0012】
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0014】
(請求項1)
発酵槽からサンプリングした発酵液に含まれる炭酸を、塩基性の炭酸捕捉剤の添加によ
り難溶解性の塩として固相に捕捉する炭酸捕捉手段と、固液分離により該難溶解性の塩を
除去する固液分離手段と、固液分離後の液相に不揮発性の酸を添加して揮発性有機酸を気
相中に放散する揮発性有機酸放散手段と、気相中に放散された揮発性有機酸濃度の定量を
行う定量手段とを備えることを特徴とする発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装
置。
【0015】
(請求項2)
前記塩基性の炭酸捕捉剤は、マグネシウム化合物であることを特徴とする請求項1記載
の発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置。
【0016】
(請求項3)
前記揮発性有機酸放散手段は、前記液相に不揮発性の酸を添加してpH3以下の酸性と
して揮発性有機酸を気相中に放散することを特徴とする請求項1又は2記載の発酵液中の
揮発性有機酸濃度のモニタリング装置。
【0017】
(請求項4)
前記不揮発性の酸は、硫酸であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の揮発
性有機酸濃度のモニタリング装置。
【0018】
(請求項5)
前記定量手段は、熱導電セル方式の検出器、炎イオン化方式の検出器、中和滴定方式の
検出器、吸着に伴う物性値変化を測定する検出器、及び、光学的吸収発光を測定する検出
器の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の揮発性有機酸
濃度のモニタリング装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、発酵液中の揮発性有機酸濃度を正確にモニタリングできる発酵液中の
揮発性有機酸濃度のモニタリング装置を提供することができる。
【0020】
また、前記モニタリング装置を用いることによって、発酵の安定化、及び、バイオガス
の収量増加の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置の基本プロセスを示す図
【図2】本発明に係る発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置の一例を示す図
【図3】発酵制御システムを実施する装置の一例を示す図
【図4】検量線
【図5】実施例3で得られたクロマトグラム
【図6】実施例4で得られたクロマトグラム
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置は、発酵槽における発酵
液中の揮発性有機酸濃度の測定に適用される。
【0023】
前記発酵槽としては、発酵液が、揮発性有機酸、及び、炭酸及び/又は炭酸塩を含む発
酵槽であれば何れでもよく、例えば、糞尿、生ごみや食品加工残渣等の有機性廃棄物を処
理するメタン発酵槽を好ましく例示できる。
【0024】
一般的に、メタン発酵槽において、前記発酵液は、消化液と称される場合があるが、本
明細書では便宜上発酵液と称する。
【0025】
また、前記揮発性有機酸としては、酢酸及びプロピオン酸を好ましく例示でき、プロピ
オン酸より高級な揮発性有機酸であってもよい。
【0026】
図1は、本発明に係る発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置の基本プロセス
を示す図である。
【0027】
図1において、1は、発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置であり、炭酸捕
捉手段2、固液分離手段3、揮発性有機酸放散手段4及び定量手段5からなる。
【0028】
炭酸捕捉手段2は、発酵槽からサンプリングした発酵液に含まれる炭酸を、塩基性の炭
酸捕捉剤の添加により難溶解性の塩として固相に捕捉する。
【0029】
前記塩基性の炭酸捕捉剤としては、発酵液中において塩基性を示し、炭酸を固相に捕捉
できる物質であれば何れでもよく、好ましくは、マグネシウム化合物であり、マグネシウ
ム塩又は水酸化物の何れであってもよい。
【0030】
水酸化マグネシウムを用いた場合は、炭酸を、無害な炭酸マグネシウムとして沈澱させ
、固相に捕捉できる。
【0031】
一方、銀、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト等を含む塩は、アンミン錯体との複合塩を形
成し、炭酸の捕捉が不十分な場合が生じるため好ましくない。
【0032】
また、例えば塩化カルシウムのようなカルシウム塩は、炭酸水素イオンを多く生成し、
やはり、炭酸の捕捉が不十分となるため好ましくない。
【0033】
さらに、例えば塩化バリウムのようなバリウム塩は、毒性が高く取扱いが困難であり、
炭酸捕捉後の炭酸バリウムもまた毒性が高い廃棄物となるため好ましくない。
【0034】
前記塩基性の炭酸捕捉剤の添加方法は、粉末や粒状のまま添加してもよいし、液状にし
て添加してもよい。
【0035】
本発明において、前記塩基性の炭酸捕捉剤の添加後の発酵液は、中性乃至弱アルカリ性
であることが好ましく、弱アルカリ性であることがより好ましい。好ましいpHの範囲は
、7.0〜8.5、より好ましくは、7.2〜7.8である。この様な条件下において炭
酸を固相に捕捉することが好ましい。
【0036】
本発明において、炭酸の固相への捕捉率は、好ましくは、70〜100%、より好まし
くは、80〜100%である。
【0037】
固液分離手段3は、固液分離により前記難溶解性の塩を除去する。固液分離手段として
は、JIS P 3801ろ紙(化学分析用)に規定される5種A程度のスクリーンを備
えた濾過装置や、沈降分離機、又は遠心分離機を用いることができ、前記難溶解性の塩が
除去されたろ液もしくは上澄液が回収される。
【0038】
このようにして炭酸を液相から除去した発酵液は、後段の揮発性有機酸濃度の測定にお
いて、炭酸による干渉が大きく軽減されるため、正確な測定を行えるようになる。
【0039】
揮発性有機酸放散手段4は、固液分離後の液相に不揮発性の酸を添加して揮発性有機酸
を気相中に放散する。不揮発性の酸の添加により、発酵液は、好ましくは、pH3以下の
酸性とされる。pH3以下の酸性とされることにより、発酵液が含有していた揮発性有機
酸は更に効率的に気相中に放散される。
【0040】
前記不揮発性の酸としては、不揮発性の酸であれば用いることができるが、硫酸、過塩
素酸等を好ましく例示できる。
【0041】
定量手段5は、このようにして気相中に放散された揮発性有機酸濃度の定量を行う。
【0042】
定量手段5としては、熱導電セル方式の検出器、炎イオン化方式の検出器、中和滴定方
式の検出器、吸着に伴う物性値変化を測定する検出器、及び、吸光又は発光を測定する検
出器等を好ましく例示でき、これらの1又は2以上を組み合わせて用いることができる。
前記吸着に伴う物性値変化を測定する検出器としては、半導体への吸着による導電率変化
を測定する検出器を好ましく例示できる。また、前記吸光又は発光を測定する検出器とし
ては、赤外線吸収法やIPC(誘導プラズマカップリング)発光法等を好ましく例示でき
る。プロセスガスクロマトグラフ、分散型の赤外線ガス分析計を用いることも好ましい。
【0043】
定量手段5に導入されたプロピオン酸や酢酸等の揮発性有機酸の濃度は、常時又は間欠
的に定量される。
【0044】
また、定量手段5に供する前に、揮発性有機酸に対して予備濃縮処理を施すことも好ま
しく、予備濃縮処理としては、ヘッドスペース法、パージ・トラップ法を好ましく例示で
きる。
【0045】
図2は、本発明に係る発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置の一例を示す図
である。
【0046】
図2において、固液分離手段3で炭酸を液相から除去した発酵液は、定量ポンプ41を
介して揮発性有機酸放散手段4が備えるパージ槽42に導入される。また、揮発性有機酸
放散手段4は、不揮発性の酸を貯える酸水槽43を備えている。不揮発性の酸は、前記酸
水槽43から定量ポンプ44を介して、パージ槽42に導入された発酵液に添加される。
不揮発性の酸の添加により、発酵液は、好ましくは、pH3以下の酸性とされ、発酵液が
含有していた揮発性有機酸は気相中に放散される。
【0047】
パージ槽42に加熱コイル等の熱源45を設けて、発酵液を、好ましくは30〜50℃
に保つことにより、揮発性有機酸をより効率的に気相中に放散することができ、測定精度
を向上することができる。
【0048】
放散された揮発性有機酸は、ガス排出ライン46に送られる。一方、液相は、液排出ラ
イン47により、パージ槽42から排出される。
【0049】
ガス排出ライン46は、4方コック51を備え、揮発性有機酸は、該4方コック51を
介して、キャリヤーガスボンベ52から放出された高純度ヘリウムガス等のキャリヤーガ
スに混合され、定量手段5に導入さる。一方、ガス排出ライン46に残った余剰分の揮発
性有機酸は、図示しない燃焼装置に送られ焼却される。
【0050】
揮発性有機酸の濃度としては、酢酸が大半の成分のときは、pHが所定範囲内にあれば
濃度に制約は特にない。しかし、プロピオン酸の濃度に関しては5000ppm以下が好
ましく、より好ましくは2500ppm以下である。
【0051】
さらに、定量手段5は、上述した発酵液中の揮発性有機酸の濃度測定だけでなく、発酵
槽から生成したバイオガス濃度の測定に用いることができる。
【0052】
例えば、ガス排出ライン46において、4方コック51の上流に3方コックを設けて、
該3方コックに発酵槽から生成したバイオガスの一部を導入する。
【0053】
前記バイオガスを、上述した揮発性有機酸の場合と同様に定量手段4に導入することに
より、定量手段4によるバイオガスの濃度測定が可能となる。前記バイオガスの濃度測定
は、例えば、メタンや二酸化炭素を対象に行われる。
【0054】
一般的なバイオガス中のメタン濃度は35〜85vol%、大半は45〜75vol%
であり、二酸化炭素の濃度は15〜65vol%、大半は25〜55vol%である。
【0055】
例えば、前記3方コックの切り換えにより、揮発性有機酸とバイオガスの濃度測定を交
互に行うように構成してもよい。
【0056】
また、揮発性有機酸濃度の測定データに基づき、発酵槽へのバイオマス導入量を調節す
るように構成してもよい。
【0057】
図3において、61、62、63はバイオマス導入管である。バイオマス導入管は受け
入れるバイオマスの種類に応じて複数本設けることができ、本態様としては、図示のよう
な3つの種類のバイオマス原料を導入するバイオマス導入管61、62、63を設けた例
について説明する。
【0058】
本態様では、バイオマス導入管61、62、63は、例えば、導入されるバイオマスの
種類が、炭化水素の多いバイオマス、窒素成分の多いバイオマス、固形分量が多いバイオ
マス、あるいは炭化水素の多いバイオマス、窒素成分の多いバイオマス、固形分量が少な
いバイオマスのように、各種の組成の異なったバイオマスを各々導入できる。具体的には
、例えば、生ごみ、下水処理汚泥、し尿汚泥を各々の導入管から導入する。
【0059】
3本のバイオマス導入管61、62、63は、それぞれ調節バルブ64、65、66を
有しており、メタン発酵槽に導入する各バイオマスの量を調節することができる。
【0060】
70はバイオマスの混合部である。混合部70はバイオマス導入管61、62、63か
ら導入された3種のバイオマスを均等に混合する。混合部70で混合されたバイオマスは
メタン発酵槽80に送られる。
【0061】
メタン発酵槽80中における発酵液の一部は、排出管81を介して、揮発性有機酸濃度
のモニタリング装置1に送液され、揮発性有機酸濃度が測定される。
【0062】
90は制御部であり、モニタリング装置1の測定データが入力される。
【0063】
制御部90は入力されたデータに応じて制御テーブルに基づき制御対象のバイオマス原
料を特定し、該特定されたバイオマス導入管の調節バルブを調節して導入量を調節する。
【0064】
さらに、バイオガス中のメタン及び二酸化炭素濃度測定を行うバイオガスモニター、混
合部70で混合されたバイオマスの固形分量を測定する固形分モニター、及び/又は、発
酵液中のアンモニア濃度を測定するアンモニアモニターを適宜設けて、これらの測定デー
タについてもバイオマス導入の調節に反映するようにしてもよい。
【実施例】
【0065】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
【0066】
(実施例1)
サンプル1(メタン発酵発酵液)50mlを分取し、水酸化マグネシウムを3g添加し
、振盪後、JIS P 3801ろ紙(化学分析用)に規定される5種Aに相当するスク
リーンによりろ過した。濾液を100ml三角フラスコに捕集し、1N硫酸3mlを添加
後、気相を酢酸定量用のガス検知管で定量した。(酢酸定量用ガス検知管:酢酸・プロピ
オン酸が混合して検出される)
【0067】
ガス検知管による測定値は、7ppmだった。
【0068】
図4に示す検量線から、サンプル1中の酢酸濃度を求めることができた。
【0069】
(実施例2)
サンプル2(メタン発酵発酵液)について、実施例1と同様に酢酸定量用のガス検知管
で定量した。
【0070】
ガス検知管による測定値は、15ppmだった。
【0071】
図4に示す検量線から、サンプル2中の酢酸濃度を求めることができた。
【0072】
(実施例3)
実施例1で得られた気相を、プロセスガスクロマトグラフ(昇温キャピラリーカラム、
窒素キャリアー、TCD検出器)に導入し分析した。
【0073】
得られたクロマトグラムを図5に示す。酢酸、プロピオン酸がそれぞれ検出できた。
【0074】
(実施例4)
実施例2で得られた気相を、実施例3と同様に分析した。
【0075】
得られたクロマトグラムを図6に示す。酢酸、プロピオン酸がそれぞれ検出できた。
【符号の説明】
【0076】
1:モニタリング装置
2:炭酸捕捉手段
3:固液分離手段
4:揮発性有機酸放散手段
41:定量ポンプ
42:パージ槽
43:酸水槽
44:定量ポンプ
45:熱源
46:ガス排出ライン
47:液排出ライン
5:定量手段
51:4方コック
52:キャリヤーガスボンベ
61、62、63:バイオマス導入管
64、65、66:調節バルブ
70:混合部
80:メタン発酵槽
81:排出管
90:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵槽からサンプリングした発酵液に含まれる炭酸を、塩基性の炭酸捕捉剤の添加によ
り難溶解性の塩として固相に捕捉する炭酸捕捉手段と、固液分離により該難溶解性の塩を
除去する固液分離手段と、固液分離後の液相に不揮発性の酸を添加して揮発性有機酸を気
相中に放散する揮発性有機酸放散手段と、気相中に放散された揮発性有機酸濃度の定量を
行う定量手段とを備えることを特徴とする発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装
置。
【請求項2】
前記塩基性の炭酸捕捉剤は、マグネシウム化合物であることを特徴とする請求項1記載
の発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置。
【請求項3】
前記揮発性有機酸放散手段は、前記液相に不揮発性の酸を添加してpH3以下の酸性と
して揮発性有機酸を気相中に放散することを特徴とする請求項1又は2記載の発酵液中の
揮発性有機酸濃度のモニタリング装置。
【請求項4】
前記不揮発性の酸は、硫酸であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の揮発
性有機酸濃度のモニタリング装置。
【請求項5】
前記定量手段は、熱導電セル方式の検出器、炎イオン化方式の検出器、中和滴定方式の
検出器、吸着に伴う物性値変化を測定する検出器、及び、吸光又は発光を測定する検出器
の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の揮発性有機酸濃
度のモニタリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−128102(P2011−128102A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289096(P2009−289096)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(504300088)国立大学法人帯広畜産大学 (96)
【Fターム(参考)】