説明

発電システムおよび発電監視装置

【課題】太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムおよび、前述の発電システム等に用いることができる発電監視装置を提供すること。
【解決手段】光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、太陽電池の発電能力を監視する発電量監視部と、電力需要取得部により得られた電力需要量に基づいて太陽電池に要求される適正発電量を求める適正発電量決定部と、適正発電量決定部により求められた太陽電池に要求される発電量に応じて、太陽電池の発電量を調整する発電量調整部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムおよび発電監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自然エネルギーの活用の観点から、太陽電池を用いた発電に大きな関心が寄せられている。
【0003】
通常、太陽電池を用いた発電システムにおいては、太陽電池から最も効率よく電力を取り出すために、太陽電池の最適動作点を追尾する最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)制御が行われている。
【0004】
例えば特許文献1には、MPPT制御において、最大電力点を追尾する追尾制御モードと、最大電力点を追尾中に太陽電池の出力電圧が一定電圧以上変化した場合は、所定時間一定の電圧に動作点を固定する一定制御モードとを有する制御方法が提示されている。
【0005】
また、例えば特許文献2には、太陽電池の出力電圧と電力変換手段の出力電流の変動傾向から最適動作点を検出する、簡易MPPT制御とも言うべき方法が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−179840号公報
【特許文献2】特開平07−129264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、何れの方法においても、太陽電池の発電能力よりも接続された機器の電力需要が小さい場合、太陽電池の最大能力よりも低い能力での運用、即ち最適動作点から外れた運用となり、太陽電池から取り出されなかった残留電荷が内部損失という形で太陽電池内で消費されることで発生する熱により、太陽電池の発電材料の劣化が引き起こされるという問題がある。
【0008】
このような残留電荷による発熱が原因となる発電材料の劣化は、とりわけ、次世代の太陽電池の有力候補である、色素増感太陽電池あるいは有機薄膜太陽電池等の、発電材料に有機系材料を使用した有機系太陽電池で問題となる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムおよび、前述の発電システム等に用いることができる発電監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
【0011】
1.光源からの光を受光して発電する太陽電池と、
前記太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、
前記太陽電池の発電能力を監視する発電量監視部と、
前記電力需要取得部により得られた電力需要量に基づいて前記太陽電池に要求される適正発電量を求める適正発電量決定部と、
前記適正発電量決定部により求められた前記太陽電池に要求される適正発電量に応じて、前記太陽電池の発電量を調整する発電量調整部と、
を備えたことを特徴とする発電システム。
【0012】
2.光源からの光を受光して発電する太陽電池と、
前記太陽電池の出力を最大電力点に制御する最大電力点追従制御部と、
前記最大電力点が、前記太陽電池の最適動作点にあるか否かを監視する最適動作点逸脱監視部と、
前記最適動作点逸脱監視部の監視結果に基づいて、前記太陽電池の発電量を調整する発電量調整部と、
を備えたことを特徴とする発電システム。
【0013】
3.電力を一時的に蓄電する蓄電池を備え、
前記蓄電池は、前記発電量調整部が前記太陽電池の発電量を調整する過渡期に、前記太陽電池の発電量が前記電力需要量を上回った場合には過剰な電力を蓄え、前記太陽電池の発電量が前記電力需要量を下回った場合には不足する電力を放電することを特徴とする前記1または2に記載の発電システム。
【0014】
4.前記発電量調整部は、前記太陽電池の受光面積を可変にする受光面積可変機構を有することを特徴とする前記1から3の何れか一項に記載の発電システム。
【0015】
5.前記太陽電池は可撓性を有し、
前記受光面積可変機構は、
前記太陽電池を巻きつけて収納可能なロール型収納部と、
前記ロール型収納部に収納された前記太陽電池を任意の受光面積だけ引き出したり巻き込んだりすることができる太陽電池展開機構と、
を有することを特徴とする前記4に記載の発電システム。
【0016】
6.前記受光面積可変機構は、
前記太陽電池を折り畳んで収納可能な折りたたみ型収納部と、
前記折りたたみ型収納部に収納された前記太陽電池を任意の受光面積だけ展開したり折りたたんだりすることができる太陽電池展開機構と、
を有することを特徴とする前記4に記載の発電システム。
【0017】
7.前記受光面積可変機構は、
前記太陽電池の受光面を遮光する遮光部材と、
前記遮光部材が前記太陽電池の受光面を遮光する面積を可変にする遮光部材展開機構と、
を有することを特徴とする前記4に記載の発電システム。
【0018】
8.前記発電量調整部は、前記太陽電池と光源とのなす角度を可変にする受光角度可変機構を有することを特徴とする前記1から3の何れか一項に記載の発電システム。
【0019】
9.前記太陽電池による発電の実行と停止とを指示する発電指示部を備え、
前記発電指示部により太陽電池による発電の停止が指示された場合、前記発電量調整部によって前記太陽電池に入射する光源からの光を遮光することを特徴とする前記1から8の何れか一項に記載の発電システム。
【0020】
10.前記太陽電池は、発電材料に有機系材料を使用した、有機系太陽電池であることを特徴とする前記1から9の何れか一項に記載の発電システム。
【0021】
11.光源からの光を受光して発電する太陽電池と、
前記太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、
前記太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、
前記電力需要取得部により得られた電力需要量と、前記発電量監視部により得られた発電量との比較結果に基づいて前記太陽電池の発電量の調整を指示する調整指示部と、
を備えたことを特徴とする発電システム。
【0022】
12.光源からの光を受光して発電する太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、
前記太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、
前記電力需要取得部により得られた電力需要量と、前記発電量監視部により得られた発電量との比較結果を出力する比較結果出力部と、
を備えたことを特徴とする発電監視装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、太陽電池の発電能力を監視する発電量監視部と、電力需要取得部により得られた電力需要量に基づいて太陽電池に要求される適正発電量を求める適正発電量決定部と、適正発電量決定部により求められた太陽電池に要求される発電量に応じて、太陽電池の発電量を調整する発電量調整部とを備えることで、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0024】
また、本発明によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池の出力を最大電力点に制御する最大電力点追従制御部と、最大電力点が、太陽電池の最適動作点にあるか否かを監視する最適動作点逸脱監視部と、最適動作点逸脱監視部の監視結果に基づいて、太陽電池の発電量を調整する発電量調整部と、を備えることで、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、電力需要取得部により得られた電力需要量と、発電量監視部により得られた発電量との比較結果に基づいて太陽電池の発電量の調整を指示する調整指示部と、を備えることで、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0026】
また、本発明によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、電力需要取得部により得られた電力需要量と、発電量監視部により得られた発電量との比較結果を出力する比較結果出力部とを備えることで、前述の発電システム等に用いることができ、太陽電池の内部損失を最小限にして、最適動作点で発電するように監視できる発電監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】発電システムの第1の実施の形態の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】太陽電池および発電量調整部の第1の例を示す模式図である。
【図3】発電システムの第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】発電システムの第2の実施の形態の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】太陽電池および発電量調整部の第2の例を示す模式図である。
【図6】MPPT制御の原理と、最適動作点逸脱監視部の動作との一例を示す図である。
【図7】発電システムの第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】太陽電池および発電量調整部の第3の例を示す模式図である。
【図9】太陽電池および発電量調整部の第4の例を示す模式図である。
【図10】発電システムの第3の実施の形態の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】発電監視装置の一例の構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略することがある。
【0029】
最初に、本発明における発電システムの第1の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する、図1は、発電システムの第1の実施の形態の構成を説明するためのブロック図である。
【0030】
図1において、発電システム1は、太陽電池10、発電量調整部20、発電制御装置30等で構成され、太陽電池10に接続された機器であって、電力を消費する負荷である電力消費負荷90に電力を供給する。
【0031】
太陽電池10は、太陽Sや、蛍光灯等の室内照明等の光源からの光を受光して発電する光電変換素子で、従来から知られている各種の太陽電池、例えば単結晶シリコン、アモルファスシリコン、薄膜シリコン等の無機系太陽電池でもよいし、色素増感型や有機薄膜型等の発電材料に有機系材料を使用した有機系太陽電池であってもよいが、後述するように可撓性を有する有機系太陽電池が好ましい。
【0032】
発電量調整部20は、後述する発電量指示情報33aに基づいて太陽電池10の発電量を調整する機能を有し、図2で詳述するような太陽電池10の受光面積を可変にする受光面積可変機構21等で構成される。
【0033】
発電制御装置30は、一般にパワーコンディショナと呼ばれ、太陽電池10で発電された電力を取り込み、電力消費負荷90に電力を受け渡す機能を持ち、発電量監視部31、電力需要取得部32、適正発電量決定部33、電力変換部34、発電指示部35等で構成される。その他に、蓄電池36等を備えてもよい。
【0034】
発電量監視部31は、太陽電池10の発電量を監視する機能を有し、例えば日照センサ等で構成される。日照センサで現在の日照量を測定し、太陽電池10に固有の日照量−出力電力特性値に当てはめることで、太陽電池10の発電量を一義的に推定できる。
【0035】
電力需要取得部32は、電力消費負荷90が消費する消費電力を取得する機能を有し、例えば電力量計等で構成される。太陽電池10から供給される電力は直流(DC)であるため、電圧Vと電流Iとを測定すれば、その積が電力(W=V×I)となる。
【0036】
適正発電量決定部33は、電力需要取得部32で取得された電力需要量と、発電量監視部31で得られた太陽電池10の発電量とを比較し、発電量を電力需要量に一致させるための発電量指示情報33aを生成し、発電量調整部20に送信する。
【0037】
電力変換部34は、太陽電池10から供給される直流の電力を、電力消費負荷90で使用できる電力に変換する機能を有し、例えば直流の電力を所定の電圧の交流の電力に変換するDC/ACコンバータや、直流の電力を所定の電圧の直流の電力に変換するDC/DCコンバータ等で構成される。
【0038】
発電指示部35は、発電システム1の動作をオン、オフさせるためのスイッチであり、オンされることで、電力消費負荷90の電力需要量に応じた電力が太陽電池10で発電されて供給される。また、オフされることで、発電システム1の動作が停止されるとともに、発電量調整部20によって、太陽電池10に光源からの光が照射されない状態にされる。
【0039】
蓄電池36は、適正発電量決定部33で生成された発電量指示情報33aに基づいて、発電量調整部20によって太陽電池10の発電量が調整されるまでの過渡期の発電量と電力需要量とのアンバランスを補償するバッファ機能を有し、発電量が電力需要を上回っている場合には過剰な電力を蓄え、発電量が電力需要量を下回った場合には不足する電力を放電する。
【0040】
図2は、太陽電池および発電量調整部の第1の例を示す模式図で、図2(a)は上面図、図2(b)から(d)は側面図である。
【0041】
図2(a)において、太陽電池10は、可撓性を有するシート状の平板である。発電量調整部20は、太陽電池10の受光面積を可変にする受光面積可変機構21等で構成される。
【0042】
図2(b)から(d)において、受光面積可変機構21は、ロール型収納部211と太陽電池展開機構212等とで構成される。ロール型収納部211は、太陽電池10をロール状に巻き込んで収納するための収納部である。太陽電池展開機構212は、適正発電量決定部33から出力される発電量指示情報33aに基づいて、太陽電池10をロール型収納部211から引き出して展開する、あるいはロール型収納部211に収納する機能を有する。
【0043】
太陽電池展開機構212は、モータ等の電動で動作する機構であってもよいし、コードリールのようなバネ力と人力との組み合わせで動作する機構であってもよく、方法は問わない。また、後述する図10あるいは図11の例での発電量調整部20においては、人力のみで、例えばハンドルを回して動作させる機構であってもよい。
【0044】
図2(b)の状態は、太陽電池10をロール型収納部211から最大に引き出して展開した状態であり、発電量が最大となる状態である。図2(c)の状態は、太陽電池10をロール型収納部211から最小だけ引き出して展開した状態であり、発電量が最小となる状態である。太陽電池10の受光面積を、図2(b)の最大面積(S1)と図2(c)の最小面積(S2)との間で調整することで、発電量を制御することができる。図2(d)の状態は、太陽電池10をロール型収納部211に完全に収納して遮光した状態であり、発電指示部35がオフされた場合にはこの状態に収納される。
【0045】
図3は、発電システムの第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0046】
図3において、ステップS1で、電力需要取得部32によって、電力消費負荷90によって消費される電力需要量が取得される。ステップS2で、発電量監視部31によって、太陽電池10の発電量が取得される。
【0047】
ステップS3で、適正発電量決定部33によって、ステップS2で取得された発電量をステップS1で取得された電力需要量に一致させる、即ち、太陽電池10の発電量を適正発電量とするための受光面積を示す発電量指示情報33aが生成され、発電量調整部20に送信される。ステップS4で、発電量指示情報33aに基づいて、発電量調整部20によって、太陽電池10の受光面積を、図2(b)の最大値(S1)と図2(c)の最小値(S2)との間で調整され、太陽電池10の発電量が制御される。
【0048】
ステップS5で、発電指示部35がオフされたか否か、即ち発電システム1の動作を終了するか否かが確認される。発電指示部35がオフされた場合(ステップS5;Yes)、ステップS6で、太陽電池10が図2(d)に示したロール型収納部211に完全に収納され、動作が終了される。
【0049】
発電指示部35がオフされていない場合(ステップS5;No)、ステップS7で所定時間(例えば1分、5分、10分等の固定値)だけ時間待ちをしてからステップS1に戻り、所定時間毎に上述した動作が繰り返される。
【0050】
上述したように、発電システムの第1の実施の形態によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、太陽電池の発電能力を監視する発電量監視部と、太陽電池の発電量を適正発電量とするための発電量指示情報を生成する適正発電量決定部と、発電量指示情報に基づいて、ロール型収納部から太陽電池を出し入れして、太陽電池の受光面積を調整する発電量調整部とを備えることで、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0051】
次に、発電システムの第2の実施の形態について、図4から図7を用いて説明する。図4は、発電システムの第2の実施の形態の構成を説明するためのブロック図である。
【0052】
図4において、発電システム1は、太陽電池10、発電量調整部20、発電制御装置40等で構成され、太陽電池10に接続された機器であって、電力を消費する負荷である電力消費負荷90に電力を供給する。
【0053】
太陽電池10は、第1の実施の形態と同様に、太陽Sや、蛍光灯等の室内照明等の光源からの光を受光して発電する光電変換素子で、従来から知られている各種の太陽電池、例えば単結晶シリコン、アモルファスシリコン、薄膜シリコン等の無機系太陽電池でもよいし、色素増感型や有機薄膜型等の、発電材料に有機系材料を使用した有機系太陽電池であってもよい。第2の実施の形態では、可撓性は必須ではない。
【0054】
発電量調整部20は、後述する最適動作点逸脱監視部の発電量調整信号42aに基づいて太陽電池10の発電量を調整する機能を有し、図5で詳述するような太陽電池10の受光面積を可変にする受光面積可変機構22等で構成される。
【0055】
発電制御装置40は、一般にパワーコンディショナと呼ばれ、太陽電池10で発電された電力を取り込み、電力消費負荷90に電力を受け渡す機能を持ち、最大電力点追従制御部(以下、MPPT制御部と言う)41、最適動作点逸脱監視部42、電力変換部34等で構成される。その他に、発電指示部35や蓄電池36等を備えてもよい。
【0056】
MPPT制御部41は、太陽電池10の発電電力値Wが最大となるように、その出力電圧値Vと出力電流値Iとを制御する、所謂、最大電力点追従(MPPT;Maximum Power Point Tracking)制御機能を有する。MPPT制御では、所謂「山登り制御」が多く用いられる。
【0057】
「山登り制御」では、太陽電池10の出力電圧に周期的に変調をかけ、変調に対応する瞬時電力の変化を算出する。その結果を利用し、太陽電池10の出力電力値Wが増大する方向に出力電圧値Vおよび出力電流値Iをフィードバック制御することで、最適な条件に追従させる。
【0058】
最適動作点逸脱監視部42は、電力消費負荷90で消費される電力量に変動があっても、常に太陽電池10の発電電力値Wが最大となるように、MPPT制御が適切に動作しているか否かを監視する機能を有する。図7で詳述するように、最適動作点逸脱監視部42は、太陽電池10の出力にダミー負荷を追加し、この時の出力電圧の変動状態から、MPPT制御が太陽電池10の最適動作点近傍で機能しているか否かを検出し、太陽電池10の発電量を調整するための発電量調整信号42aを生成し、発電量調整部20に送信する。
【0059】
電力変換部34、発電指示部35および蓄電池36は、第1の実施の形態と同じであるので、説明は省略する。
【0060】
図5は、太陽電池10および発電量調整部20の第2の例を示す模式図で、図5(a)は上面図、図5(b)から(e)は側面図、図5(f)は太陽電池10の別構成図である。
【0061】
図5(a)において、太陽電池10は、可撓性を有した蛇腹状の平板である。発電量調整部20は、太陽電池10の受光面積を可変にする受光面積可変機構22等で構成される。
【0062】
図5(b)から(e)において、受光面積可変機構22は、折りたたみ型収納部221と太陽電池展開機構222等とで構成される。折りたたみ型収納部221は、太陽電池10を折りたたんで収納するための収納部である。太陽電池展開機構222は、最適動作点逸脱監視部42から出力される発電量調整信号42aに基づいて、太陽電池10を折りたたみ型収納部221から引き出して展開する、あるいは折りたたみ型収納部221に折りたたんで収納する機能を有する。
【0063】
太陽電池展開機構222は、モータ等の電動で動作する機構であってもよいし、バネ力と人力との組み合わせで動作する機構であってもよく、方法は問わない。また、後述する図10あるいは図11の例での発電量調整部20においては、人力のみで、例えばハンドルを回して動作させる機構であってもよい。
【0064】
図5(b)の状態は、太陽電池10を折りたたみ型収納部221から最大面積S1引き出して平板状に展開した状態であり、発電量が最大となる状態である。図5(c)の状態は、太陽電池10を折りたたみ型収納部221から最小面積S2だけ引き出して展開した状態であり、発電量が最小になる状態である。太陽電池10の引き出し状態を、面積S1からS2の間で調整することで、発電量を制御することができる。
【0065】
なお、太陽電池10は、図5(d)に示したような蛇腹構造であり、図6(c)のように一部分を展開するのではなく、蛇腹状のまま引き出して用いてもよい。
【0066】
図5(e)の状態は、太陽電池10を折りたたみ型収納部221に完全に収納して遮光した状態であり、発電指示部35がオフされた場合にはこの状態に収納される。
【0067】
図5(f)において、太陽電池10を、蛇腹状の折りたたみ板11上に太陽電池板12を搭載した構成にすると、太陽電池板12は可撓性を有する必要はなく、例えば単結晶シリコン板やアモルファスシリコン板等の板状の太陽電池であってもよい。
【0068】
図6は、MPPT制御の原理と、最適動作点逸脱監視部の動作との一例を示す図で、図6(a)はMPPT制御の原理を示す電圧−電流図(以下、I−V図と言う)、図6(b)から(d)は最適動作点逸脱監視部の動作を説明するためのI−V図である。
【0069】
図6(a)において、太陽電池10の出力電圧値Vと出力電流値Iとの交点(動作点)は、動作線AP上を移動する。例えば動作点Xの場合、出力電圧値V=V1であり、その場合に取り出せる出力電流値I=I1である。同様に、動作点Zの場合、V=V2でI=I2である。動作点Yの場合は、V=V3でI=I3である。
【0070】
出力電力値W=V×Iであるから、出力電力値Wが最大となる、即ち出力電圧値Vと出力電流値Iとの面積が最大となる動作点を動作点Zとすると、動作点Zの場合、最大電力Wmax=V2×I2である。この最大電力Wmaxが太陽電池10の発電能力である。この動作点Zを最大電力点と呼び、MPPT制御は、太陽電池10を最大電力点Z近傍の条件で動作させるように制御する。
【0071】
図6(b)において、太陽電池10の発電能力と電力消費負荷90の電力需要量とがほぼ釣り合っている場合、太陽電池10は、最大電力点Zで発電しており、最も効率のよい状態である。よって、最大電力点Zが最適動作点であり、内部損失が最も少ない。
【0072】
図6(c)において、電力消費負荷90の電力需要量が低下して、消費電流がI2の状態からI1の状態に変化すると、太陽電池10の動作点はSからXに移動する。これによって、太陽電池10は、その発電能力Wmax=V2×I2と、電力消費負荷90で消費される電力W=V1×I1との差分のエネルギーを内部損失として熱に変えて消費することになり、発生する熱によって、発電材料の劣化が起こる。特に、色素増感太陽電池あるいは有機薄膜太陽電池等の、発電材料に有機系材料を使用した有機系太陽電池の場合には、発熱による発電材料の劣化への影響が大きい。
【0073】
そこで、図6(d)において、電力消費負荷90の電力需要量が低下して消費電流がI2の状態からI1の状態に変化すると、図5に例示したような受光面積可変機構22によって、太陽電池10を折りたたみ、受光面積を小さくすることで発電能力を小さくする。これによって、受光面積の小さくなった太陽電池10を最大電力点Z’近傍で動作させることが可能となる。最大電力点Z’での最大電力Wmax=V2’×I1である。この場合、最大電力点Z’が最適動作点である。
【0074】
これによって、太陽電池10の発電能力と電力消費負荷90の電力需要量とのバランスがとれ、MPPT制御によって、太陽電池10を最大電力点、即ち最適動作点近傍で動作させることが可能となり、内部損失による発熱に起因する発電材料の劣化を防止することができる。
【0075】
図7は、発電システムの第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図7において、ステップS11で、MPPT制御部41によって、太陽電池10のMPPT制御が開始される。ステップS12で、MPPT制御開始から所定時間が経過したか否かが確認される。所定時間(例えば1分、5分、10分等の固定値)経過するまで、ステップS11とS12とが繰り返される。
【0077】
ステップS13で、最適動作点逸脱監視部42によって、太陽電池10の出力にダミー負荷が追加される。ステップS14で、最適動作点逸脱監視部42によって、ダミー負荷追加時の太陽電池10の出力電圧の変動状態から、MPPT制御が太陽電池10の最適動作点近傍で機能しているか否かが検出される。
【0078】
最適動作点近傍で動作しているとみなされた場合(ステップS14;Yes)、ステップS15で、最適動作点逸脱監視部42から太陽電池10の受光面積を1段階だけ増加させる発電量調整信号42aが出力される。発電量調整信号42aに基づいて、発電量調整部20により、太陽電池10の受光面積が1段階だけ増加され、ステップS17に進む。
【0079】
最適動作点近傍で動作していないとみなされた場合(ステップS14;No)、ステップS16で、最適動作点逸脱監視部42から太陽電池10の受光面積を1段階だけ減少させる発電量調整信号42aが出力される。発電量調整信号42aに基づいて、発電量調整部20により、太陽電池10の受光面積が1段階だけ減少され、ステップS17に進む。
【0080】
ステップS17で、発電指示部35がオフされたか否か、即ち発電システム1の動作を終了するか否かが確認される。発電指示部35がオフされた場合(ステップS17;Yes)、ステップS18で、太陽電池10が図5(e)に示した折りたたみ型収納部221に完全に収納され、動作が終了される。
【0081】
発電指示部35がオフされていない場合(ステップS17;No)、ステップS11に戻り、上述した動作が繰り返される。
【0082】
上述したように、発電システムの第2の実施の形態によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池の出力を最大電力点に制御する最大電力点追従制御部と、最大電力点が電力需要量に対する太陽電池の最適動作点にあるか否かを監視して発電量調整信号を生成する最適動作点逸脱監視部と、発電量調整信号に基づいて、折りたたみ型収納部から太陽電池を出し入れして、太陽電池の受光面積を調整する発電量調整部とを備えることで、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0083】
次に、太陽電池および発電量調整部の第3の例について、図8を用いて説明する。図8は、太陽電池および発電量調整部の第3の例を示す模式図で、図8(a)は上面図、図8(b)から(d)は側面図である。
【0084】
図8(a)において、太陽電池10は、固定の平板である。太陽電池10は可撓性を有する必要はなく、あらゆる種類の太陽電池が適用可能である。発電量調整部20は、遮光部材233を含み、太陽電池10の受光面積を可変にする受光面積可変機構23等で構成される。
【0085】
図8(b)から(d)において、受光面積可変機構23は、遮光部材233、遮光部材収納部231および遮光部材展開機構232等で構成される。遮光部材収納部231は、遮光部材233をロール状に巻き込んで収納するための収納部である。遮光部材展開機構232は、遮光部材233を遮光部材収納部231から引き出して展開する、あるいは遮光部材収納部231に収納する機能を有する。遮光部材233は、光源から太陽電池10に入射する光を遮光するための可撓性を有する遮光性のシートである。
【0086】
遮光部材展開機構232は、モータ等の電動で動作する機構であってもよいし、コードリールのようなバネ力と人力との組み合わせで動作する機構であってもよく、方法は問わない。また、後述する図10あるいは図11の例での発電量調整部20においては、人力のみで、例えばハンドルを回して動作させる機構であってもよい。
【0087】
図8(b)の状態は、遮光部材233を遮光部材収納部231から最小面積だけ引き出して展開した状態であり、太陽電池10の受光面積が最大面積S1となる状態、即ち発電量が最大になる状態である。図8(c)の状態は、遮光部材233を遮光部材収納部231から最大に引き出して展開した状態であり、太陽電池10の受光面積が最小面積S2となる状態、即ち発電量が最小となる状態である。太陽電池10の受光面積を、図8(b)の最大面積(S1)と図8(c)の最小面積(S2)との間で調整することで、発電量を制御することができる。図8(d)の状態は、遮光部材233で太陽電池10を完全に遮光した状態であり、発電指示部35がオフされた場合にはこの状態にされる。
【0088】
続いて、太陽電池および発電量調整部の第4の例について、図9を用いて説明する。図9は、太陽電池および発電量調整部の第4の例を示す模式図で、図9(a)は最大発電量の場合の模式図、図9(b)は発電量を調整する場合の模式図である。
【0089】
図9(a)において、太陽電池10は、固定の平板である。太陽電池10は可撓性を有する必要はなく、あらゆる種類の太陽電池が適用可能である。発電量調整部20は、光源追尾装置24を流用する。
【0090】
光源追尾装置24は、基台241、支持軸243および太陽電池台245等で構成される。支持軸243は、基台241上に設けられ、基台241に垂直な軸242の周りに回動可能である。太陽電池台245は、太陽電池10を支持し、支持軸243に設けられた回転軸244の周りに回動可能に取り付けられている。
【0091】
光源として例えば太陽Sを考えると、太陽Sは時間とともに移動する。太陽電池による通常の発電の場合、光源追尾装置24によって太陽電池台245を回転軸244および軸242の周りに回動させることで、太陽電池10が常に太陽Sに正対するように制御される。
【0092】
図9(b)において、発電量調整部の第4の例では、光源追尾装置24によって太陽電池台245を回転軸244および軸242の周りに回動させて、光源からの光の入射角θを制御する。これによって、太陽電池10の発電量を制御することができる。
【0093】
次に、本発明における発電システムの第3の実施の形態について、図10を用いて説明する、図10は、発電システムの第3の実施の形態の構成を説明するためのブロック図である。
【0094】
図10において、発電システム1は、太陽電池10、発電量調整部20、発電監視装置50等で構成され、太陽電池10に接続された機器であって、電力を消費する負荷である電力消費負荷90に電力を供給する。
【0095】
太陽電池10は、太陽Sや、蛍光灯等の室内照明等の光源からの光を受光して発電する光電変換素子で、従来から知られている各種の太陽電池、例えば単結晶シリコン、アモルファスシリコン、薄膜シリコン等の無機系太陽電池でもよいし、色素増感型や有機薄膜型等の発電材料に有機系材料を使用した有機系太陽電池であってもよいが、後述するように可撓性を有する有機系太陽電池が好ましい。
【0096】
発電量調整部20は、太陽電池10の発電量を調整する機能を有し、図2、図5、図8および図9で詳述したような各種の発電量調整部20を用いることができる。
【0097】
発電監視装置50は、太陽電池10で発電された電力を取り込み、電力消費負荷90に電力を受け渡す機能を持ち、発電量監視部31、電力需要取得部32、電力変換部34、発電指示部35および調整指示部51等で構成される。その他に、第1および第2の実施の形態と同様に、図示しない蓄電池36等を備えてもよい。
【0098】
発電量監視部31、電力需要取得部32、電力変換部34、発電指示部35および蓄電池36については、第1の実施の形態と同じであるので、説明は省略する。
【0099】
調整指示部51は、電力需要取得部32で取得された電力需要量と、発電量監視部31で得られた太陽電池10の発電量とを比較し、発電量を電力需要量に一致させるための発電量指示情報を生成する。
【0100】
生成された発電量指示情報は、例えば発電監視装置50が備える、表示パネルやメータ等に表示される、あるいは音声によって指示される等の方法により、例えばオペレータに伝達され、オペレータが発電量調整部20を操作することで太陽電池10の発電量が調整される。
【0101】
上述した発電システムの第3の実施の形態によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、電力需要取得部により得られた電力需要量と、発電量監視部により得られた発電量との比較結果に基づいて太陽電池の発電量の調整を指示する調整指示部とを備えることで、例えばオペレータによって発電量調整部が操作されて太陽電池10の発電量が調整されるので、複雑な制御装置を用いることなく、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0102】
次に、本発明における発電システムに用いることのできる発電監視装置の一例について、図11を用いて説明する、図11は、発電監視装置の一例の構成を説明するためのブロック図である。
【0103】
図11において、発電監視装置60は、発電システム1を構成する、太陽電池10、発電量調整部20等とともに用いられ、太陽電池10で発電された電力を取り込み、電力消費負荷90に電力を受け渡す機能を持つ。発電監視装置60は、発電量監視部31、電力需要取得部32、電力変換部34および比較結果出力部61等で構成される。その他に、図示しない発電指示部35、蓄電池36等を備えてもよい。
【0104】
発電量監視部31、電力需要取得部32、電力変換部34および図示しない発電指示部35、蓄電池36については、上述した発電システムの第1の実施の形態と同じであるので、説明は省略する。
【0105】
比較結果出力部61は、電力需要取得部32で取得された電力需要量と、発電量監視部31で得られた太陽電池10の発電量とを比較し、比較結果を出力する。
【0106】
出力された発電量指示情報は、例えば表示パネルやメータ等に表示される、あるいは音声によって指示される等の方法により、例えばオペレータに伝達され、オペレータが発電量調整部20を操作することで太陽電池10の発電量が調整される。あるいは、比較結果を発電量調整部20に出力することで、太陽電池10の発電量の自動制御に用いてもよい。
【0107】
上述した発電監視装置の一例によれば、太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、電力需要取得部により得られた電力需要量と、発電量監視部により得られた発電量との比較結果を出力する比較結果出力部とを備えることで、前述の発電システム等に用いることができ、太陽電池の内部損失を最小限にして、最適動作点で発電するように監視できる発電監視装置を提供することができる。
【0108】
以上に述べたように、本発明によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、太陽電池の発電能力を監視する発電量監視部と、電力需要取得部により得られた電力需要量に基づいて太陽電池に要求される適正発電量を求める適正発電量決定部と、適正発電量決定部により求められた太陽電池に要求される発電量に応じて、太陽電池の発電量を調整する発電量調整部と、を備えることで、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0109】
また、本発明によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池の出力を最大電力点に制御する最大電力点追従制御部と、最大電力点が、太陽電池の最適動作点にあるか否かを監視する最適動作点逸脱監視部と、最適動作点逸脱監視部の監視結果に基づいて、太陽電池の発電量を調整する発電量調整部と、を備えることで、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0110】
さらに、本発明によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、電力需要取得部により得られた電力需要量と、発電量監視部により得られた発電量との比較結果に基づいて太陽電池の発電量の調整を指示する調整指示部と、を備えることで、太陽電池の内部損失を最小限にすることができ、最適動作点で発電する発電システムを提供することができる。
【0111】
また、本発明によれば、光源からの光を受光して発電する太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、電力需要取得部により得られた電力需要量と、発電量監視部により得られた発電量との比較結果を出力する比較結果出力部とを備えることで、前述の発電システム等に用いることができ、太陽電池の内部損失を最小限にして、最適動作点で発電するように監視できる発電監視装置を提供することができる。
【0112】
なお、本発明に係る発電システムおよび発電監視装置を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 発電システム
10 太陽電池
20 発電量調整部
21 受光面積可変機構
211 ロール型収納部
212 太陽電池展開機構
22 受光面積可変機構
221 折りたたみ型収納部
222 太陽電池展開機構
23 受光面積可変機構
231 遮光部材収納部
232 遮光部材展開機構
233 遮光部材
24 光源追尾装置
241 基台
242 軸
243 支持軸
244 回転軸
245 太陽電池台
30 発電制御装置
31 発電量監視部
32 電力需要取得部
33 適正発電量決定部
34 電力変換部
35 発電指示部
36 蓄電池
40 発電制御装置
41 最大電力点追従(MPPT)制御部
42 最適動作点逸脱監視部
50 発電監視装置
51 調整指示部
60 発電監視装置
61 比較結果出力部
90 電力消費負荷
S 太陽
X 動作点
Y 動作点
Z 最大電力点、最適動作点
Z’ 最大電力点、最適動作点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を受光して発電する太陽電池と、
前記太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、
前記太陽電池の発電能力を監視する発電量監視部と、
前記電力需要取得部により得られた電力需要量に基づいて前記太陽電池に要求される適正発電量を求める適正発電量決定部と、
前記適正発電量決定部により求められた前記太陽電池に要求される適正発電量に応じて、前記太陽電池の発電量を調整する発電量調整部と、
を備えたことを特徴とする発電システム。
【請求項2】
光源からの光を受光して発電する太陽電池と、
前記太陽電池の出力を最大電力点に制御する最大電力点追従制御部と、
前記最大電力点が、前記太陽電池の最適動作点にあるか否かを監視する最適動作点逸脱監視部と、
前記最適動作点逸脱監視部の監視結果に基づいて、前記太陽電池の発電量を調整する発電量調整部と、
を備えたことを特徴とする発電システム。
【請求項3】
電力を一時的に蓄電する蓄電池を備え、
前記蓄電池は、前記発電量調整部が前記太陽電池の発電量を調整する過渡期に、前記太陽電池の発電量が前記電力需要量を上回った場合には過剰な電力を蓄え、前記太陽電池の発電量が前記電力需要量を下回った場合には不足する電力を放電することを特徴とする請求項1または2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記発電量調整部は、前記太陽電池の受光面積を可変にする受光面積可変機構を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の発電システム。
【請求項5】
前記太陽電池は可撓性を有し、
前記受光面積可変機構は、
前記太陽電池を巻きつけて収納可能なロール型収納部と、
前記ロール型収納部に収納された前記太陽電池を任意の受光面積だけ引き出したり巻き込んだりすることができる太陽電池展開機構と、
を有することを特徴とする請求項4に記載の発電システム。
【請求項6】
前記受光面積可変機構は、
前記太陽電池を折り畳んで収納可能な折りたたみ型収納部と、
前記折りたたみ型収納部に収納された前記太陽電池を任意の受光面積だけ展開したり折りたたんだりすることができる太陽電池展開機構と、
を有することを特徴とする請求項4に記載の発電システム。
【請求項7】
前記受光面積可変機構は、
前記太陽電池の受光面を遮光する遮光部材と、
前記遮光部材が前記太陽電池の受光面を遮光する面積を可変にする遮光部材展開機構と、
を有することを特徴とする請求項4に記載の発電システム。
【請求項8】
前記発電量調整部は、前記太陽電池と光源とのなす角度を可変にする受光角度可変機構を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の発電システム。
【請求項9】
前記太陽電池による発電の実行と停止とを指示する発電指示部を備え、
前記発電指示部により太陽電池による発電の停止が指示された場合、前記発電量調整部によって前記太陽電池に入射する光源からの光を遮光することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の発電システム。
【請求項10】
前記太陽電池は、発電材料に有機系材料を使用した、有機系太陽電池であることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の発電システム。
【請求項11】
光源からの光を受光して発電する太陽電池と、
前記太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、
前記太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、
前記電力需要取得部により得られた電力需要量と、前記発電量監視部により得られた発電量との比較結果に基づいて前記太陽電池の発電量の調整を指示する調整指示部と、
を備えたことを特徴とする発電システム。
【請求項12】
光源からの光を受光して発電する太陽電池の発電量を監視する発電量監視部と、
前記太陽電池に接続された機器の電力需要量を取得する電力需要取得部と、
前記電力需要取得部により得られた電力需要量と、前記発電量監視部により得られた発電量との比較結果を出力する比較結果出力部と、
を備えたことを特徴とする発電監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−108829(P2012−108829A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258626(P2010−258626)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】