説明

発電ユニットを制御する方法及びシステム

【課題】発電ユニットの動作電圧の調節を改善した発電ユニット制御方法及び制御システムを提供する。
【解決手段】複数の発電ユニットによって複数の電力信号を発生させるステップと、前記複数の電力信号の複数の電力レベルを測定するステップと、前記複数の電力信号を変更するステップと、変更された複数の電力信号を共通ノードに供給するステップと、前記複数の発電ユニットの少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を、前記変更ステップ及び/又は前記供給ステップに起因する電力信号の電力損失が最小化されるように、前記測定された複数の電力レベルに基づいて調節するステップとを有する、発電ユニットを制御する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電ユニットを制御する方法及びシステムに関する。より詳細には、本発明は、少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を調節する、発電ユニットを制御する方法とシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
発電施設は複数の発電ユニット、例えば複数の風力タービンを含んでいる。複数の発電ユニットの電力出力端は、各発電ユニットによって生成された個々の電力信号が供給される系統連系点(PCC)に接続されている場合がある。さらに、発電ユニットは個々の発電ユニットがどの電圧レベルで系統連系点に電力を供給するかを決める動作電圧の設定を許す場合もある。
【0003】
従来の発電施設では、風力タービンのような個々の発電ユニットの動作電圧は同じ基準電圧設定値に設定される。これによって、所望の目標電圧が系統連系点において達成される。
【0004】
特許文献1には力率を制御する装置と方法が開示されている。この装置と方法では、力率制御セクションが対応する発電機の界磁コイルを流れる電流を制御し、それによって発電機の電圧が上げられる。
【0005】
発電ユニットの制御が特に効率面で改善された発電ユニット制御方法への需要が存在する。具体的には、発電ユニットの動作電圧の調節を改善した発電ユニット制御方法及び制御システムへの需要が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US 6,628,103 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、発電ユニットの動作電圧の調節を改善した発電ユニット制御方法及び制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、複数の発電ユニットによって複数の電力信号を発生させるステップと、前記複数の電力信号の複数の電力レベルを測定するステップと、前記複数の電力信号を変更するステップと、変更された複数の電力信号を共通ノードに供給するステップと、前記複数の発電ユニットの少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を、前記変更ステップ及び/又は前記供給ステップに起因する電力信号の電力損失が最小化されるように、前記測定された複数の電力レベルに基づいて調節するステップとを有する、発電ユニットを制御する方法により解決される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】発電施設の1つの実施形態を図式的に示す。
【図2】発電ユニットを制御するシステムの1つの実施形態を図式的に示す。
【図3】発電施設の別の実施形態を図式的に示す。
【図4】発電ユニットを制御する方法及びシステムを図示的に示す。
【図5】タービン電圧制御を図式的に示す。
【図6】タービン電圧制御戦略を図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つの実施形態によれば、複数の発電ユニットにより複数の電力信号を生成するステップと、複数の電力信号の複数の電力レベルを測定するステップと、複数の電力信号を変更するステップと、変更された複数の電力信号を共通ノードに供給するステップと、電力信号の変更及び/又は変更された電力信号の供給により生じた電力信号の電力損失が最小化されるように、測定された複数の電力レベルに基づいて複数の発電ユニットの少なくとも1つの発電ユニットの動作電力を調節するステップとを含む、発電ユニットを制御する方法が提供される。
【0011】
各発電ユニットは機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する電気機械トランスデューサを含む。具体的には、各発電ユニットは発電機を含む。電気エネルギーは、風力エネルギー、潮力エネルギー及び/又は太陽エネルギーのような機械的エネルギーから生成される。
【0012】
複数の発電ユニットにより生成された複数の電力信号の複数の電力レベルは、電力に反応する適切な測定器によって測定される。電力レベルは例えば電力信号の電圧と電流を測定することによって測定される。この場合、電力は電流と電圧の積として求められる。電力レベルは発電ユニットに含まれている発電機の出力側で測定される。測定された電力レベルは複数の発電ユニットの元々発電された電力を表す。
【0013】
発電ユニットの発電機により生成された電力信号は、相応する発電ユニットの動作状態に依存する周波数で変化する交流電気信号を含む。さらに、電力信号の電力レベルは発電ユニットの動作状態に依存する。特に、風力タービンの場合、風力タービンにより生成された電力信号の電力レベルと周波数は、風条件と風力タービンのロータブレードの調節とに依存する。したがって、1つの実施形態によれば、複数の風力タービンは異なる周波数と異なる電力レベルとを有する複数の電力信号を生成する。
【0014】
発電ユニットによって生成された電力信号の変更は、発電ユニットの発電機において原電力を発生させてからすべての発電ユニットの変更された電力信号を共通ノードに供給するまでの間に行われる。この変更は、複数の発電ユニットによって生成された電力信号の振幅及び/又は電圧及び/又は電流の位相の変更を含む。例えば、電力信号の周波数を地方条例で定められた周波数に変更することを含む。この周波数は例えば50Hz又は60Hzである。複数の電力信号を変更することにより、電力損失が生じる可能性がある。複数の電力信号の変更には、発電ユニットの各発電機と共通ノードとの間に配置された電気素子の電気的影響をモデリングした複数のインピーダンスを通して電力レベルを導く又は送ることが含まれていてよい。
【0015】
それゆえ、共通ノードに供給される電力は、複数の発電ユニットで生成された電力レベル、特に複数の発電ユニットの複数の発電機の出力側で生成された電力レベルの合計よりも電力損失分だけ小さい。
【0016】
共通ノードは複数の発電ユニットを接続できる電気的接続点であり、複数の各発電ユニットは例えばスイッチを介して共通ノードに接続されたり、切り離されたりする。変更された複数の電力信号を共通ノードに供給することによっても、少なくとも部分的にいくらかの電力損失が生じる。
【0017】
1つの実施形態によれば、電力信号の電力損失は、複数の発電ユニットによって生成された電力信号の和と共通ノードに供給された電力との差として定義される。特に、電力損失は各発電機から共通ノードまでの電気路に配置された電気素子の電気的特性を考慮して計算される。特に、電気法則とマクスウェルの方程式及び/又はキルヒホッフの法則を適用して、複数の電力信号の電力レベルが知られているときと、共通ノード及び/又は共通ノード以外の他のノードにおける電圧及び/又は電流が知られているときの電力損失が導かれる。
【0018】
各発電ユニットの動作電圧は650V〜740Vである。他の実施形態では、各発電ユニットの動作電圧は他の値をとってよい。複数の電力信号の変更には、電力信号を30kV〜40kVのような高い電圧に変換することが含まれている。他の実施形態では、複数の電力信号の変更は電力信号を他の値を有する高い電圧に変換することを含む。
【0019】
1つの実施形態によれば、共通ノードにおける電圧が目標ノード電圧の所定の最小値と所定の最大値の間に、特に所定の目標ノード電圧の0.5倍から1.5倍の範囲内に、さらに言えば所定の目標ノード電圧の0.9倍から1.1倍の範囲内に入るように、少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧の調節が行われる。
【0020】
目標ノード電圧の所定の最小値と所定の最大値は地方条例に依る。1つの実施形態によれば、共通ノードにおける電圧は時点が異なれば異なる。特に、電力損失を最小化するために、共通ノードの電圧が時間とともに変化するように少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を調節することが必要である。
【0021】
1つの実施形態によれば、この方法は複数の発電ユニットのうち1つより多くの発電ユニットの動作電圧を調節することを含む。1つの実施形態によれば、電力損失を最小化するために、複数の発電ユニットのうち、すべての発電ユニットの動作電圧が調節される。
【0022】
共通ノードにおける電圧が少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を変化させるということを利用して、電力損失がさらに減少するように調節してもよい。
【0023】
1つの実施形態によれば、少なくとも1つの発電ユニット(又は1つより多くの発電ユニット)の動作電圧の調節は、調節された動作電圧が目標動作電圧の所定の最小値と所定の最大値の間に、特に所定の目標動作電圧の0.9倍から1.1倍の範囲内に入るように行われる。
【0024】
なお、各発電ユニットの目標動作電圧の所定の最小値と所定の最大値は地方条例に依る。1つの実施形態によれば、所定の目標動作電圧は650V〜740V、特に690Vである。1つの実施形態によれば、異なる2つの発電ユニットで調節された動作電圧の差は10%を超える。1つの実施形態によれば、2つより多くの発電ユニットで調節された2つより多くの動作電圧の差は1.1倍よりも大きい。動作電圧が異なる発電ユニットでは異なって調節されるということを利用して、電力損失をさらに減少させてもよい。その結果、1つの実施形態によれば、この方法で制御される発電施設の効率が改善される。
【0025】
1つの実施形態によれば、動作電圧の調節は少なくとも2つの調節された動作電圧が異なるように行われる。動作電圧の調節は異なる2つの発電ユニットで行われる。特に、発電ユニットの動作電圧は風力タービンの端子間電圧を表す。異なる2つの発電ユニットの動作電圧をそれぞれ異なるレベルへと調節すれば、異なる2つの発電ユニットの動作電圧を1つの同じレベルへと調節するよりも、電力損失が小さくなる。1つの実施形態によれば、異なる2つの発電ユニットで調節された少なくとも2つの動作電圧の差は1.1倍よりも大きい。その結果、1つの実施形態によれば、この方法で制御される発電施設の効率が改善される。
【0026】
1つの実施形態によれば、動作電圧の調節はさらに電力損失と動作電圧との間の関係を求めることに基づいている。特に、電力損失は発電ユニットの発電機と共通ノードとの間の電気路上で生じる部分電力損失の和として計算される。各部分電力損失は、1つ又は複数の特定のインピーダンスとこれらインピーダンスを流れる電流とに基づいてモデル化される。これらのインピーダンスは特に複素インピーダンスであってよく、これらのインピーダンスに印加される電圧と電流との間に相対的な位相ずれを生じさせる。これらのインピーダンスを流れる電流は複数の発電ユニットにおいて調節された動作電圧に依存する。そのため、電力損失と動作電圧との間の関数的関係(数学的関係)を求めることができる。複数の発電ユニットにおいて調節される動作電圧を求めるために、複数の発電ユニットに印加されるすべての動作電圧に関してこの関数の勾配を導出してもよい。この勾配(発電ユニットの数に相当する数の成分を有するベクトル量)は続いて、最小の電力損失に導く動作電圧を見つけるために、ゼロと置かれる。これにより、動作電圧の調節が簡単かつ確実に行われる。
【0027】
1つの実施形態によれば、複数の電力信号の変更は、複数の電力信号を所定の周波数に変換し、変換された複数の電力信号をより高い電圧に変圧し、変圧された複数の電力信号を共通ノードに送信することを含む。
【0028】
複数の発電ユニットの各発電機からの電力信号出力は、いくつかの環境条件に依存する可変周波数を有する交流信号である。複数の電圧信号の変換は、交流電力信号を直流(DC)に変換することと、直流電流を50Hzや60Hzのような所定の周波数を有する交流信号に変換することを含む。この所定の周波数は地方条例に依る。さらに、複数の電力信号の変換は電力信号の電圧と電流との間の位相関係を変化させること、特に相対位相角φを変化させることを含んでいてよい。
【0029】
変換された複数の電力信号のより高い電圧への変圧には、変換された電力信号を約690Vから30kV〜40kVの範囲の電圧へ、特に33kVへと変圧することが含まれている。変換された複数の電力信号のより高い電圧への変圧は、変換された電力信号を共通ノードに送信するステップと同じく、電力損失を伴う。
【0030】
1つの実施形態によれば、動作電圧の調節はさらに、複数の電力信号の変更をシミュレーションを用いて、特に少なくとも1つの動作電圧に関する電力信号の電力損失の勾配を考慮してモデル化することに基づいている。このモデル化は発電施設に含まれている電気素子の物理的数学的表現を求めることを含む。電気素子の特性は(複素)インピーダンスを割り当てることによってモデル化される。特に、電力損失は(少なくとも1つの)動作電圧に依存する数学的関数として(モデル化、シミュレーションモデルの形成によって)記述される。特に、少なくとも1つの動作電圧に関する電力信号の電力損失の勾配は、電力損失を最小化するために動作電圧をどのように調節すべきかの指針を示す。
【0031】
複数の電力信号の変換はインピーダンスZreactorによってモデル化され、変換された複数の電力信号の変圧はインピーダンスZturbine_TXとしてモデル化され、変圧された複数の電力信号の送信はインピーダンスZlineとしてモデル化される。複数の電力信号の変更の個々の部分を識別及びモデル化することにより、少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧の調節は、電力損失が最小化されるようにさらに改善される。
【0032】
形成されたモデルを用いて、発電施設内の異なる点(ノード)における電圧と電流を予測するために(例えば測定量に基づいて)シミュレーションが行われる。これらの予測値から、特に複数の発電ユニットの動作電圧に依存する電力損失が導出できる。その結果、発電施設の電力損失が最小となるような複数の発電ユニットの動作電圧を求めることが可能になる。
【0033】
1つの実施形態によれば、発電ユニットを制御するこの方法はさらに共通ノードでの電圧の測定を含む。さらに、動作電圧の調節はこの測定された共通ノード電圧に基づく。
【0034】
少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧の調節は反復プロセスからなっており、この反復プロセスには、設定されるべき動作電圧を求めること、動作電圧を調節すること、共通ノードにおける電圧(動作電圧の調節のせいで変化している)を測定すること、測定された共通ノードにおける電圧を共通ノード電圧の所定の目標値と比較すること、及び、測定された共通ノード電圧と目標共通ノード電圧との間の差が減少するように動作電圧の調節を修正することが含まれている。したがって、電力損失を最小するために、測定された共通ノードにおける電圧はフィードバック信号として動作電圧の調節の改善に使用される。
【0035】
1つの実施形態によれば、動作電圧の調節はさらに、共通ノードにおける電圧が目標ノード電圧の所定の最小値と所定の最大値の間に、特に所定の目標ノード電圧の0.9倍から1.1倍の範囲内にとどまるという制約の下で電力損失を最小化する解に基づく。
【0036】
発電施設をモデル化することにより、この問題は数学的な制約付き最適化問題へと移し換えられる。そのため、少なくとも1つの発電ユニットにおける動作電圧の調節の最適解が容易に求められる。特に、このアプローチでは、共通ノードにおける電圧を測定する必要がない。代わりに、複数の発電ユニットによって生成された複数の電力信号の測定された電力レベルが与えられると、少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧が、制約の下で電力損失を最小化する解として計算され、これらの導かれた動作電圧が、共通ノードにおける電圧を測定する必要なく、特に共通ノードにおいて測定された電圧をフィードバックする必要なく、少なくとも1つの発電ユニットにおいて調節される。これにより、最適な動作電圧が開ループにおいて「オフライン」で求められる。
【0037】
1つの実施形態によれば、発電ユニットを制御するシステムは共通ノードを含んでおり、この共通ノードに変更された複数の電力出力信号が供給される。ここで、変更された複数の電力出力信号は、複数の発電ユニットによって生成された複数の電力信号を変更されたものである。さらに、システムは複数の電力出力信号の電力レベルを求める測定システムと、前記複数の発電ユニットの少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を調節する制御ユニットとを含んでいる。なお、この動作電圧の調節は、電力信号の変更及び/又は変更された電力信号の共通ノードへの供給によって生じる電力損失が最小化されるように行われる。
【0038】
複数の発電ユニットは特に少なくとも1つの風力タービンを含んでいてよい。各発電ユニットは機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する電気機械トランスデューサを含んでいてよい。特に、各発電ユニットは発電機と、発電機からの電力信号出力を所定の周波数と所定の電圧及び/又は電流とを有する電力信号、特に3相電力信号に変換するAC/ACコンバータとを含んでいてよい。さらに、各発電ユニットは、コンバータからのAC電力信号出力をフィルタリングして時間に関して少なくとも近似的に正弦波状の信号に変形するためのフィルタ回路を含んでいてもよい。
【0039】
さらに、各発電ユニットはフィルタ回路からのフィルタリングされた電力信号出力を例えば30kV〜40kVのより高い電圧に変圧する変圧器を含んでいてよい。さらに、変圧された電力信号を送電線を介して共通ノードに送ってもよい。
【0040】
発電ユニットの発電機によって元々生成された電力信号を共通ノードに送ることにより、発電機と共通ノードの間の送電路上の電気素子に依存する電力損失が生じうる。各発電ユニットの発電機から共通ノードまでの電力損失は特に発電ユニットの動作電圧に依存する。具体的には、複数の発電ユニットはそれらの発電機と共通ノードの間に異なる電気素子を含んでおり、またそれぞれの発電機における電力レベルが異なるので、異なる発電ユニットのそれぞれの電力損失は異なる。
【0041】
電力損失(又は総電力損失)は各発電ユニットの電力損失の和で表される。複数の発電ユニットの少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を制御ユニットが調節するおかげで(1つの実施形態によれば、すべての発電ユニットの動作電圧が制御ユニットによって調節される)、複数の発電ユニットを含む発電施設の効率が改善される。
【0042】
1つの実施形態によれば、測定システムは共通ノードにおける電圧を測定する電圧センサ及び/又は複数の電力出力信号の合計の電力を測定する電力センサを含んでいる。この電力センサは、複数の電力出力信号の合計の電力を示す量、又は複数の電力出力信号の電力の合計を示す量を測定するデバイスである。共通ノードにおける電圧を測定する代わりに、電圧センサが共通ノード以外のノードにおける電圧、例えば共通ノードから(特に高圧変圧器を越えて)下流に遠く離れたノードにおける電圧を測定するようにしてもよい。共通ノードにおける測定された電圧及び/又は各タービンもしくは発電ユニットの測定された電力又は複数の発電ユニットからの電力出力の測定された合計は、電力損失の最小化のために複数の発電ユニットの少なくとも1つにおいて設定されるべき動作電圧を決定するのに使用することができる。これにより、制御ユニットによって実行される制御方法が改善される。
【0043】
1つの実施形態によれば、電力施設は、上に開示された1つの実施形態に従って発電ユニットを制御するシステムと、複数の電力出力信号を生成する複数の発電ユニットとを含む。1つの実施形態によれば、この発電施設は従来の発電施設に比べて効率が改善されている。
【0044】
1つの実施形態によれば、制御ユニットは電力施設のモデルに基づいて電圧を制御する。これにより、電力施設の効率がさらに改善される。
【0045】
本発明の実施形態はそれぞれ異なる対象を記述していることに注意しなければならない。具体的には、いくつかの実施形態が方法の請求項に関連するものであるのに対し、他の実施形態は装置の請求項に関連するものである。しかし、当業者であれば、以上の記述と以下の記述とから、特に断らない限り、1つの種類の対象に属する特徴の任意の組合せに加えて、異なる対象に関する特徴の任意の組合せも、特に方法の請求項に記載の特徴と装置の請求項に記載の特徴との任意の組合せも本明細書に開示されていると見なされることが推測できる。
【0046】
本発明の以上に述べた側面及びさらに別の側面は以下に示す実施例から明らかであるから、以下に実施例を参照して説明する。以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【実施例】
【0047】
図面による図示は概略的である。なお、図が異なっても、類似又は同一の要素には同じ参照記号又は対応する参照記号と最初の数字だけが異なる参照記号が付されている。
【0048】
図1には、発電施設100の1つの実施形態が図式的に示されている。発電施設100は複数の発電機101(特に複数の風力タービン)を含んでおり、これら発電機101の出力側に電力信号が出力される。発電機101から出力された電力信号の電力は複数の発電機101からの元の電力出力の和として表される。発電機101から出力された複数の電力信号は、電気路105を経由して複数の電気素子を通って系統連系点(PCC)103へと供給される。発電機101からの電力信号を共通ノード103に送ることにより、電力損失が生じる。この電力損失は、発電機101から出力された電力信号が供給されるAC/ACコンバータ107における動作電圧Vterminalに依存する。
【0049】
電力損失に関するコンバータ107の電気的特性はインピーダンスZreactorによってモデル化される。電気路105はさらに変換された電力信号をフィルタリングするフィルタを含む。なお、このフィルタはインピーダンスZpwm-filterとしてモデル化される。さらなる電力損失がタービンにおける補助電気機器のせいで生じる。この補助電気機器はインピーダンスZauxiliaryとしてモデル化される。さらに、変換されフィルタリングされた電力信号は変圧器109によって変圧され、共通ノード103に送電される。なお、この送電はインピーダンスZlineとしてモデル化される。
【0050】
共通ノード103を過ぎると、主変圧器111が電気路中に配置されている。主変圧器111は、結合された電力信号を送電網113に送るために高い電圧に変圧するものである。ここで、送電網113での送電はインピーダンスZgridとしてモデル化される。
【0051】
測定ステーション115は系統連系点(PCC)を表すノード103における電圧Vpccと電流Ipccを測定する。さらに、測定ステーション115は、発電機101からの電力信号を変更し、電気路105を介して共通ノード103に供給することに起因する電力損失Plossを測定する。
【0052】
測定ステーション115はこれらの値及び/又はこれらの測定量から導かれた値を高性能パークパイロット(HPPP)117に供給する。制御ユニット117は基準電力レベル(Pref)を設定し、風力タービン制御ユニット119に供給する。さらに、制御ユニット117は動作電圧設定値Vref_setpointをAC/ACコンバータ107に供給する。特に、発電施設100の電力損失が最小化されるように、異なるコンバータ107に供給される動作電圧設定値は異なっていてよい。
【0053】
特に、制御ユニット117(HPPP)は最適電圧供給機能118を有している。なお、個々の基準設定値は風力タービンコントローラ119ごとに求められ、互いに異なっていてよい。HPPPの最適電圧供給機能118の目的はウィンドファームにおける全体的な電力損失(送電損失)を低減することであり、したがって電力最適化アルゴリズムが制御ユニット117において実行される。したがって、制御ユニット117は電力基準値と電圧基準値をコントローラ119とAC/ACコンバータ107内のコンバータコントローラとに発送する。これら2つの基準値はコンバータ107からの複素電流を生成するために使用される。電気回路網はコンバータ107の出力側に配置された平滑リアクトルを表すインピーダンスZreactorを含んでいる。インピーダンスZpwm_filter及びZauxiliaryは690Vのタービン端子間電圧に置かれ、端子間電圧は端子において690Vを維持するためにコンバータコントローラにフィードバックされる。各タービンは各自のタービン変圧器109を有しており、送電線インピーダンスはHV(高電圧)側に接続されている。すべてのタービンは共通ノード103を含むバスバー(33kV)に接続されている。バスバーは送電網113に接続する送電網変圧器111(パーク変圧器)に接続されている。PCCノード103において測定ステーション115によって測定値が収集され、これらの値が図1に示されている閉ループ構成においてフィードバックとして使用される。HPPP117は最適な電圧基準値Vref_setpointを計算するために最適電圧供給アルゴリズムを適用する。
【0054】
図2には、図1に示されている発電施設で使用できる1つの実施形態に従ったシミュレーションモデルが図式的に示されている。特に、図2に示されているシミュレーションモデルは、1つの実施形態によれば、図1に示されている制御ユニット117内で最適電圧供給アルゴリズム118に使用される。シミュレーションモデル221はウィンドファームにおける電力損失を低減するための電圧供給アルゴリズムを含んでいる。本発明のシミュレーションモデルは異なるレベルにおける有効電力と無効電力をシミュレートする目的でファームモデル223を含んでおり、このファームモデル223には、電力損失の最適化が目的であるから、電圧供給アルゴリズムが含まれている。シミュレーションモデル221は
・ウィンドファームにおける電力の最適化
・すべてのレベルにおける有効電力と無効電力のシミュレーション(送電線、PCC等におけるフロー)
・パラメータの変化(Kp、Ki、タービン数など)に起因するすべてのレベルにおける応答に適している。
【0055】
第1ステップでは、ウィンドファームのモデルが構築される。このモデルはウィンドファームの種々のシナリオをシミュレートし検証するように構築される。ウィンドファームモデル223は下記のものを含む。
・VCCS(コンバータ電流をシミュレートする電圧制御電流源)
・コンバータリアクトル
・フィルタ
・補助機器
・WT/パーク変圧器
・送電線
・送電網
これらはウィンドファームモデルを構築する際に考慮される電気的構成要素の単なる例である。これらの構成要素は電気法則に基づいてモデル化される。WT制御ユニットは、測定されたVterと図1に示されているパークコントローラ117又は図2に示されているパークコントローラ217から受信したVref_setpointとを比較することにより、タービンの端子間電圧を制御する。
【0056】
図2の太線はベクトル/行列信号を表し、細線はスカラー値を表している。ベクトル信号は下記のように添数づけられている。
【0057】
【数1】

conv_1は風力タービン番号1のコンバータ107から出力される電流(複素数)である。同じ添数づけはベクトルVterとVref_setpointにも有効である。ウィンドファームにおける損失は各タービン101から発生した実際電力の和と共通ノード103における(PCCにおける)実際電力との差として求められる:
【数2】

最適化のための式は
【数3】

である。さらに、タービン101から共通ノード103(PCC)までの損失は、コンバータリアクトル、PWMフィルタ、補助機器、タービン変圧器及び送電線における個々の損失として得られる:
【数4】

in
【数5】

により得られる。
【0058】
端子間電圧Vter、コンバータ電流Iconv及びIinがすべて共通ノード103(PCC)における電圧に依存しているのに対して、インピーダンスと抵抗は一定である。
【0059】
以下に、図1に示されている発電施設100で使用しうる、供給電圧Vref_setpointを導く2つの方法を説明する。
方法1:
供給電圧Vref_setpointに関してPlossを最小化する。ここで、
【数6】

パークコントローラから出力される設定値は実数である。実際電力損失は設定値の大きさに依存するので、ゲイン行列を乗じることによってVref_setpointをスケーリングすることで、実際電力損失を最小化することが可能になる。この行列は、適応的に制御された、又は予測フィルタ(すなわち、Burgアルゴリズム、Levinson-Durbin、Wiener)を用いて制御された調整可能な実数ゲインを含んでいてよい。
【0060】
方法2:
給電電圧Vref_setpointに関してPlossを最小化する。ここで、
【数7】

最適化のための式は
【数8】

としてよい。
【0061】
図3には、別の実施形態による発電施設300が図式的に示されている。発電施設300の構造は図1に示されている発電施設100の構造と同様である。しかし、制御ユニット217は図1に示されている実施形態の制御ユニット117とは異なっている、特に、動作電圧Vref_pointをどのように導き調節するかというアルゴリズムに関して異なっている。
【0062】
制御ユニット217は各(風力タービン)発電機301に異なる基準設定値を設定できる最適電圧供給機能を有している。ここで、制御は電力損失の最適化、特に最小化に基づいている。従来の発電施設では、生産電力量と送電線特性と共通ノード103までの長さとに関する異なるタービン間の差を無視すると、不必要な電力損失がもたらされる。制御ユニット317がタービンの最適な電圧設定を提供するので、全体的な電力損失は最小化される。
【0063】
図1に示されている実施形態100とは異なり、図3に示されている実施形態300は制御ユニット317の開ループ構成に基づいている。したがって、図1に示されている実施形態で必要とされるような、共通ノード303における電圧の測定値のフィードバックを必要としない。図1に示されている実施形態とは異なり、制御ユニット317は、コンバータ307において調節されるべき最適な電圧設定Vref_setpointを導くために、ウィンドファーム又は発電施設300全体の正しいモデルに依拠している。したがって、測定された値Vpcc、Ipccを制御ユニット317に含まれている制御アルゴリズムにフィードバックする代わりに、これらの値を使用して、開ループ最適化の結果が共通ノード303における所望の値に実際に導くかが検査される。HPPP(制御ユニット117)は最適な電圧基準値Vref_setpointを計算するために最適な開ループ電圧供給アルゴリズムを適用する。この計算はウィンドファーム送電線網モデルと、個々のタービンの電力生産量に関する情報と、費用関数(共通ノード303までの電力損失)の定義と、個々のタービンとPCC(共通ノード303)とにおいて許容される電圧値の定義とに基づくものであってよい。以下に、開ループ給電機能のシミュレーションについて詳しく説明する。
【0064】
この実施形態によれば、この最適化問題は、各タービンにおける端子間電圧の大きさと共通ノード303(PCC)における電圧の大きさが所定の境界内である、例えば基底値(定格値)の0.9倍から1.1倍の間であるという制約の下で、送電損失を最小化することである。
【0065】
したがってこれは、与えられたウィンドファーム接続網における、質的な制約の中での制約付き最適化問題である。なおここで、Nはタービンの数である。
【0066】
【数9】

自由パラメータ(x1...xN)は以下のいずれであってもよい。
1.タービン端子間電圧Vter。この場合、タービン電圧コントローラは最適化で使用されるモデルに残しておいてもよく、コンバータにおいて必要な複素電流Idを求める。ファームコントローラ又は制御ユニット317(HPPP)は最適化の間は作動しない(ループから取り除かれる)。
2.コンバータ電流の複素部Ig。この場合、タービン電圧コントローラもループから取り除かれ、モデルには直接Id電流が供給される。最適化はより速く、かつより「クリーン」である。これはタービン電圧コントローラのパラメータが最適化を制限することがないからである。いったん最適なIdが得られると、対応するVterが各タービンにおいて自動的に使用可能になる。
【0067】
この最適化問題は問題の構造を考慮した反復「アクティブセット」制約付き最適化アルゴリズムによって解かれる。
【0068】
最適電圧供給アルゴリズムの実装は図4に示されている。最適化ブロックは最適化に使用される以下の式を含んでいる。
所与のアドミッタンス行列Y、ノード電流Iのベクトル及び対応する電圧Uをもつ線形回路モデル(いくつかの入力は固定されている):
【数10】

電流とフィルタと補助機器はすべてのタービン"k"において個々に見かけの電力を通して定義される:
【数11】

すべてのタービン"k"におけるインバータ電流の実部IdはタービンPkの電力生産量に比例する:
【数12】

費用関数は、上で述べたように、コントローラ、フィルタ、補助機器、変圧器及びPCC(共通ノード303)までの送電線における、全タービンの実際の電力損失の和である。
【0069】
上に示された式は最適化アルゴリズムにおいて使用される局所勾配関数を解析的に計算するために使用される。あるいは、パラメータ値を少しずつ変えてモデルを反復して実行することにより、勾配を数値計算的に推定してもよい。
【0070】
定常状態の領域では、ここで提案した最適化はシステムの時間発展に関わらない。動的モデルの場合は、電力損失関数を未来の数時間ステップ(一定の時間区間)にわたって最適化するようにしてもよい。この場合、最適化はモデル予測制御と見なしうる。
【0071】
図5及び6には、1つの実施形態に従って、Id_setpointがどのように電流コントローラに投入されるかが図式的に示されている。
【0072】
開ループ最適化(図3に示されている実施形態を見よ)は最適端子間電圧と複素コンバータ電流(これはみな回路方程式を解くことによって得られる)を提供する。したがって、WTCコントローラ319(標準的なケースでは複素電流を発生させる)はフィードフォワード式に既に使用できる最適な複素電流を使用する。したがって、このフィードフォワード項を用いれば、それを用いなかった場合よりもコントローラは格段に速くなり、コントローラの役割は既に得られた最適な動作点を安定化させることだけとなる。
【0073】
もちろん、コントローラはこのフィードフォワード項を用いなくてもその仕事をすることはできるが、遅くなる。
【0074】
本明細書中、"〜を含む"なる語はそれ以外の要素を有することを排除せず、"1つの"なる語は当該の要素が複数個設けられることを排除しない。また、異なる実施形態に関して説明した要素を組み合わせることもできる。また、特許請求の範囲の記載にされている参照番号は特許請求の範囲を制限するものではないと解するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電ユニットを制御する方法であって、
・複数の発電ユニットによって複数の電力信号を発生させるステップと、
・前記複数の電力信号の複数の電力レベルを測定するステップと、
・前記複数の電力信号を変更するステップと、
・変更された複数の電力信号を共通ノードに供給するステップと、
・前記複数の発電ユニットの少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を、前記変更ステップ及び/又は前記供給ステップに起因する電力信号の電力損失が最小化されるように、前記測定された複数の電力レベルに基づいて調節するステップとを有することを特徴とする、発電ユニットを制御する方法。
【請求項2】
前記動作電圧の調節は、前記共通ノードにおける電圧が目標ノード電圧の所定の最小値と所定の最大値との間、特に所定の目標ノード電圧の0.9倍から1.1倍の範囲内となるように実行される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記動作電圧の調節は、調節された動作電圧が目標動作電圧の所定の最小値と所定の最大値との間、特に所定の目標動作電圧の0.9倍から1.1倍の範囲内となるように実行される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記動作電圧の調節は、調節された少なくとも2つの動作電圧が異なるように実行される、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記動作電圧の調節はさらに、前記電力損失と前記動作電圧との間の関係を求めることに基づく、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記複数の電力信号の変更は、
・前記複数の電力信号を所定の周波数に変換するステップと、
・変換された複数の電力信号をより高い電圧に変圧するステップと、
・変圧された複数の電力信号を前記共通ノードに送信するステップとを含んでいる、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記動作電圧の調節はさらに、前記複数の電力信号の変更をシミュレーションを用いてモデル化することに、特に少なくとも1つの動作電圧に関する電力信号の電力損失の勾配を考慮してモデル化することに基づく、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記共通ノードにおける電圧を測定するステップをさらに含み、前記動作電圧の調節がさらに、測定された共通ノード電圧に基づく、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記動作電圧の調節はさらに、前記共通ノードにおける電圧が目標ノード電圧の所定の最小値と所定の最大値との間、特に目標ノード電圧の0.9倍から1.1倍の間に入り、かつ前記動作電圧が目標動作電圧の所定の最小値と所定の最大値との間、特に目標動作電圧の0.9倍から1.1倍の間に入るという制約の下での前記電力損失の最小化の解に基づく、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
発電ユニットを制御するシステムであって、当該システムは
変更された複数の電力出力信号が供給される共通ノード(103,303)を有しており、ここで前記変更された複数の電力出力信号は複数の発電ユニット(101,301)によって生成された複数の電力信号を変更することによって得られたものであり、
・前記システムはさらに、前記複数の電力出力信号の電力レベルを求める測定システム(115,315)と、
前記電力信号の変更及び/又は変更された電力信号の前記共通ノードへの供給に起因する電力損失が最小化されるように、前記複数の発電ユニットの少なくとも1つの発電ユニットの動作電圧を調節する制御ユニット(117,217)とを有していることを特徴とする、発電ユニットを制御するシステム。
【請求項11】
前記測定システムは、前記共通ノードにおける電圧を測定する電圧センサ及び/又は前記複数の電力出力信号の和の電力を測定する電力センサを含んでいる、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のシステムと、複数の電力出力信号を発生させる複数の発電ユニットとを含むことを特徴とする発電施設。
【請求項13】
前記制御ユニットは前記発電施設のモデルに基づいて前記動作電圧を調節する、請求項12記載の発電施設。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−5346(P2012−5346A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−134444(P2011−134444)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】