説明

発電装置、電気機器および携帯型時計

【課題】発電効率に優れた発電装置、電気機器および携帯型時計を提供する。
【解決手段】電極として機能する第1電極部材11と、第1電極部材11に対向配置され、エレクトレット膜12を有する第2電極部材13と、を備え、第1電極部材11、および第2電極部材13のうち、少なくとも一方の電極部材は弾性変形可能に構成され、第1電極部材11と第2電極部材13とが対向面上に沿って相対移動することで、第1電極部材11と第2電極部材13のエレクトレット膜12との重なり面積が変化することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置、電気機器および携帯型時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレクトレット材料による静電誘導を利用した発電装置が提案されている。
特許文献1には、複数のエレクトレット電極2を表面に有する不動基板1と、複数の可動電極5を表面に有する可動基板4と、が離れて配置された発電装置が提案されている。可動電極5および可動基板4は、不動基板1上に設けられた固定構造体3a,3bにバネ駆動体6a,6bのような弾性部材を介して連結されている。外部から発電装置70に外部振動が加わったときに、可動基板4は移動し、エレクトレット電極2と可動電極5との重なり面積は初期面積から増加又は減少する。この重なり面積の変化によって、可動電極5に電荷の変化が生じる。発電装置70は、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4229970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発電装置では、限られたスペースの中で可動基板4が水平移動するため、不動基板1に対する可動基板4の移動距離が限定的となる。そのため、エレクトレット電極2と可動電極5との重なり面積の変化量が限定的となり、発電効率の向上に限界がある。
一方で、発電効率を向上させるには、発電装置を励振する外部振動として、環境振動を利用することが望ましい。ただし、環境振動は低周波振動が支配的であるため、可動基板4の共振周波数を小さくする必要がある。共振周波数を小さくするには、可動基板4のバネ定数を小さくする必要がある。
【0005】
バネ定数を小さくするための手段として、ばね駆動体6a,6bを薄く、若しくは長くすることが考えられる。
しかしながら、ばね駆動体6a,6bを薄くすることは、強度の低下に繋がるため難しい。また、ばね駆動体6a,6bは、可動基板4と固定構造体3a,3bとの狭い隙間に設けられているので、現状ではばね駆動体6a,6bを長くするためのスペースを確保することが難しく、スペースを確保するためには、発電装置自体の大型化を伴うことになる。
このように、バネ駆動体6a,6bのバネ定数を小さくすることが困難であるため、外部振動として環境振動を効率的に利用することができず、発電効率の向上に限界がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、発電効率に優れた発電装置、電気機器および携帯型時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る発電装置は、電極として機能する第1電極部材と、前記第1電極部材に対向配置され、電荷保持部を有する第2電極部材と、を備え、前記第1電極部材、および前記第2電極部材のうち、少なくとも一方の電極部材は弾性変形可能に構成され、前記第1電極部材と前記第2電極部材とが対向面上に沿って相対移動することで、前記第1電極部材と前記第2電極部材の前記電荷保持部との重なり面積が変化することを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、一方の電極部材が弾性変形し、第1電極部材と第2電極部材とが対向面上に沿って相対的に移動すると、電荷保持部と第1電極部材との重なり面積が増減し、これに伴って第1電極部材の電荷が増減する。そして、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行う。
そして、第1電極部材、および第2電極部材のうち、少なくとも一方の電極部材自体を弾性変形可能に構成することで、従来のように電極が形成された可動基板と、それを移動させるバネ駆動体と、を別体で形成する場合に比べて、バネ部分を薄くする必要なく、また発電装置の大型化を伴うことなく、バネ部分の長さを長くすることができる。
これにより、強度の低下を抑制するとともに、小型化を図った上で、一方の電極部材のバネ定数を小さくすることができる。したがって、一方の電極部材の共振周波数を低くすることができるため、外部振動として環境振動を効率的に利用することが可能になり、発電効率を向上させることができる。
【0009】
また、前記一方の電極部材には、前記一方の電極部材よりも比重の大きい錘部が設けられていることが望ましい。
この構成によれば、一方の電極部材の共振周波数を低くし易くなり、一方の電極部材の共振周波数を低周波の環境振動に合わせ易くなる。そのため、発電効率を確実に向上させることができる。
【0010】
また、前記錘部は、連続的に延びる前記一方の電極部材上に支持されていることが望ましい。
この構成によれば、連続的に延びる一方の電極部材上に錘部が支持されているため、一方の電極部材を途中で分断したり、長さを変更したりすることなく、錘部の重さ(大きさ)を適宜調整することができる。
【0011】
また、前記一方の電極部材は、複数のバネ部を有し、前記錘部は、前記バネ部における先端部同士の間に連結されていることが望ましい。
この構成によれば、錘部の追加に伴うバネ部の延在方向に直交する方向への大型化を抑制できる。
【0012】
また、前記第1電極部材と前記第2電極部材との相対移動に伴う前記錘部の移動を案内するガイド機構を備えていることが望ましい。
この構成によれば、一方の電極部材における対向面の法線方向への弾性変形を防止して、第1電極部材、および第2電極部材間での短絡を防止できる。
【0013】
また、前記第1電極部材、および前記第2電極部材は、前記対向面に沿う一方向、および前記一方向に交差する方向に沿って延在していることが望ましい。
この構成によれば、対向面に沿う複数方向の変位に応じて電荷保持部と第1電極部材との重なり面積が変化して、発電を行えるため、発電効率の更なる向上を図ることができる。
【0014】
また、前記一方の電極部材は、螺旋状に形成され、前記第1電極部材、および前記第2電極部材のうち、他方の電極部材は、前記一方の電極部材を囲繞する筒形状に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、一方の電極部材の全周に亘って発電が行われるため、発電効率の更なる向上を図ることができる。
【0015】
また、前記一方の電極部材は、螺旋状に形成され、前記第1電極部材、および前記第2電極部材のうち、他方の電極部材は、前記一方の電極部材の内側に配置された柱状に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、一方の電極部材の全周に亘って発電が行われるため、発電効率の更なる向上を図ることができる。
【0016】
また、基板と、前記基板に回動可能に支持された回動軸と、を備え、前記一方の電極部材は、前記回動軸と前記基板との間に設けられ、前記回動軸を往復周期回動させるように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、回動軸が一方の電極部材を介して往復周期回動する際に電荷保持部と第1電極部材との重なり面積が増減し、これに伴って第1電極部材の電荷が増減する。そして、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行うことができる。
【0017】
また、前記一方の電極部材は、渦巻きバネ状に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、渦巻きバネは自由長が長いので、ねじりバネ定数が小さくなり、一方の電極部材の共振周波数を低くすることができる。これにより、外部振動として環境振動を利用することが可能になり、発電効率を向上させることができる。
【0018】
また、回動軸は、耐振軸受を介して前記基板に支持されていることが望ましい。
回動軸(錘部)の慣性モーメントを確保するには相当の質量が必要であるため、回動軸には衝撃力が作用する可能性がある。この構成によれば、回動軸が耐振軸受を介して支持されているので、回動軸に作用する衝撃力を吸収して、回動軸の破損を防止することができる。
【0019】
また、前記回動軸には、錘部が設けられ、前記錘部は、前記基板に対向配置された扇板状の本体部と、前記本体部の周囲円弧部に設けられ、前記本体部より厚肉に形成された重錘と、を備えていることが望ましい。
この構成によれば、本体部は周囲円弧部に重錘を備えているので、慣性モーメントが大きくなり、一方の電極部材の共振周波数を低くすることができる。これにより、外部振動として環境振動を利用することが可能になり、発電効率を向上させることができる。
【0020】
また、前記第1電極部材は、絶縁材料からなる基体と、前記基体上における少なくとも前記対向面上に形成された導電材料からなる導電部と、を備えていることが望ましい。
この構成によれば、第1電極部材全体を導電材料で形成する場合に比べて材料コストの低下を図ることができる。
【0021】
また、前記第1電極部材は、導電材料により一体的に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、上述したように絶縁材料からなる基体上に導電部を形成した場合に比べて製造工数を削減して、製造効率の向上を図ることができる。
【0022】
また、前記一方の電極部材を間に挟んで前記対向面の法線方向に沿う両側に、前記第1電極部材および前記第2電極部材のうち、他方の電極部材が対向配置されていることが望ましい。
この構成によれば、一方の電極部材と各他方の電極部材との間でそれぞれ発電を行うことができるので、発電量の増加を図ることができる。
【0023】
また、前記第1電極部材、および前記第2電極部材の双方が弾性変形可能に構成され、各電極部材はバネ定数がそれぞれ異なるように設定されていることが望ましい。
この構成によれば、外部振動に応じて第1電極部材と第2電極部材とのそれぞれが弾性変形する際に、電荷保持部と第1電極部材との重なり面積が増減し、これに伴って第1電極部材の電荷が増減する。そして、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行うことができる。
【0024】
また、本発明に係る電気機器は、上記本発明の発電装置を備えたことを特徴としている。
また、本発明に係る携帯型時計は、上記本発明の発電装置を備えたことを特徴としている。
この構成によれば、発電効率に優れた発電装置を備えているので、電力供給の信頼性に優れた電子機器または携帯型時計を提供することができる。
例えば、発電装置を携帯型電子機器または携帯型時計に搭載した場合には、携帯型電気機器または携帯型時計を携帯した人が歩行すると、歩行振動が発電装置に入力される。上述した発電装置では、一方の電極部材の共振周波数が低くなるので、歩行振動により一方の電極部材を共振させることができる。これにより、歩行振動を利用して効率的に発電することができるので、電力供給の信頼性に優れた携帯型電子機器または携帯型時計を提供することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る発電装置によれば、第1電極部材、および第2電極部材のうち、少なくとも一方の電極部材自体を弾性変形可能に構成することで、従来のように電極が形成された可動基板と、それを移動させるバネ駆動体と、を別体で形成する場合に比べて、バネ部分を薄くする必要なく、また発電装置の大型化を伴うことなく、バネ部分の長さを長くすることができる。
これにより、強度の低下を抑制するとともに、小型化を図った上で、一方の電極部材のバネ定数を小さくすることができる。したがって、一方の電極部材の共振周波数を低くすることができるため、外部振動として環境振動を効率的に利用することが可能になり、発電効率を向上させることができる。
また、本発明に係る電子機器または携帯型時計によれば、発電効率に優れた発電装置を備えているので、電力供給の信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る発電装置の平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】第2電極部材の平面図である。
【図4】実施形態に係る発電装置の回路図である。
【図5】第2電極部材の変形例を示す平面図である。
【図6】発電装置の変形例を示す側面断面図である。
【図7】第1電極部材の変形例を示す平面図である。
【図8】発電装置の変形例を示す側面断面図である。
【図9】発電装置の変形例を示す断面図である。
【図10】発電装置の変形例を示す側面断面図である。
【図11】発電装置の変形例を示す側面断面図である。
【図12】発電装置の変形例を示す平面図である。
【図13】発電装置の変形例を示す平面図である。
【図14】第2実施形態に係る発電装置(第2電極部材)を示す平面図である。
【図15】図14のB−B線に沿う断面図である。
【図16】図14のC−C線に沿う断面図である。
【図17】発電装置の変形例を示す平面図である。
【図18】図17のD−D線に沿う断面図である。
【図19】第3実施形態に係る発電装置の側面断面図である。
【図20】第2電極部材の側面断面図である。
【図21】図19のE−E線に沿う断面図である。
【図22】発電装置の変形例を示す側面断面図である。
【図23】発電装置の変形例を示す斜視図である。
【図24】発電装置の変形例を示す側面断面図である。
【図25】発電装置の変形例を示す第2電極部材の側面図である。
【図26】発電装置の変形例を示す第1電極部材、および第2電極部材の平面図である。
【図27】発電装置の変形例を示す側面断面図である。
【図28】第4実施形態に係る発電装置を示す分解斜視図である。
【図29】発電装置の側面断面図である。
【図30】耐振軸受の側面断面図である。
【図31】第2電極部材の平面図である。
【図32】第2電極部材の変形例を示す平面図である。
【図33】(a)は発電装置の変形例を示す側面断面図であり、(b)は第1電極部材、および第2電極部材の平面図である。
【図34】クオーツ式腕時計のムーブメントの構造図である。
【図35】回動錘の中立位置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。以下の説明では、図1における上下方向を「X方向」、左右方向を「Y方向」、X方向、Y方向に直交する方向を「Z方向」とする。
【0028】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る発電装置の平面図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る発電装置10は、電極として機能する第1電極部材11と、第1電極部材11に対向配置され、エレクトレット膜(電荷保持部)12を有する第2電極部材13と、を備えている。
【0029】
図3は、第2電極部材の平面図である。
まず、図1〜3に示すように、第2電極部材13は、基体14と、基体14上に配設されたエレクトレット膜12と、を備えている。
基体14は、真鍮などの導電性を有する金属材料や、シリコンなどのセラミック材料、ガラスエポキシなどの樹脂材料等により形成することができる。本実施形態の基体14は、導電材料により形成された平板状の部材である。
【0030】
エレクトレット膜12は、フッ素樹脂などの高分子材料やシリコン酸化物などの無機材料で形成されている。フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体)、脂肪族環構造を有する含フッ素重合体等が挙げられる。脂肪族環構造を有する含フッ素重合体としては、特開2006−180450号公報に記載の重合体等が挙げられる。なお、脂肪族環構造を有する含フッ素重合体の市販品としては、CYTOP(登録商標、旭硝子社製)等が挙げられる。さらに、エレクトレット膜12としては、国際公開第2008/114489号公報、国際公開第2010/032759号公報に記載のエレクトレット等が挙げられる。
【0031】
エレクトレット膜12は、高電圧を印加しつつ冷却・固化させたり、コロナ放電により電子を打ち込んだりすることで、所定の電荷を半永久的に保持することができる。本実施形態では、コロナ放電により電子を打ち込むことで、エレクトレット膜12の表面に負電荷を保持させている。また本実施形態では、基体14が導電材料で形成されているため、基体14上に直接エレクトレット膜12が形成されている。なお、基体14を絶縁材料で形成する場合には、基体14における少なくともエレクトレット膜12の形成領域に導電材料からなる集電材を連続的に形成し、集電材上にエレクトレット膜12を形成する。すなわち、本実施形態では基体14を導電材料で形成しているため、基体14自体を集電材として機能させている。
【0032】
エレクトレット膜12は、基体14上をX方向に沿って蛇行しながら、X方向に直交するY方向に沿って延びる波状に一体形成されている。したがって、エレクトレット膜12において、X方向に沿う両端部を除く部分は、Y方向に間隔を空けて配設されている。
【0033】
図1,2に示すように、基体14のY方向に沿う両端縁には、それぞれZ方向に沿って平行に延びる一対の支持部15が立設されている。これら支持部15は、基体14を間に挟んでY方向で対向している。なお、本実施形態の支持部15は、基体14(第2電極部材13)と第1電極部材11との絶縁を図るために、絶縁材料で形成されている。
【0034】
第1電極部材11は、基体14に対してZ方向で間隔を空けて配置されるとともに、支持部15間に架け渡された状態で弾性変形可能に構成されている。具体的に、第1電極部材11は、X方向に沿って蛇行しながら、X方向に直交するY方向に沿って延びる波状のバネ部21を有している。
第1電極部材11は、ステンレス、リン青銅、ニッケル合金、コバルト基合金などの金属材料や、シリコン等のセラミック材料、パリレン等の高分子材料等で形成することができる。本実施形態の第1電極部材11は、導電材料としてコバルト基合金で形成されている。すなわち、本実施形態では、第1電極部材11自体が、弾性変形可能な電極の機能を有している。
【0035】
バネ部21は、X方向における長さ(振幅)、およびY方向における間隔(ピッチ)が上述したエレクトレット膜12と同等に形成され、Z方向から見てエレクトレット膜12と重なり合うように形成されている。
そして、バネ部21のY方向両端部は、X方向の中央部からそれぞれY方向の外側(支持部15側)に向けて延び、それぞれ各支持部15に連結されている。
【0036】
また、バネ部21には、錘部23が支持されている。錘部23は、バネ部21の中央部(XY方向中央部)からZ方向に沿って立設された台座部24と、台座部24に支持された平板状の錘本体部25と、を備えている。
錘本体部25は、バネ部21より比重の大きい材料で形成することが望ましく、例えば、プラチナや金、タングステン等で形成されている。
【0037】
図4は、実施形態に係る発電装置の回路図である。
図4に示すように、発電装置10の回路31は、ブリッジ式整流回路32と、平滑回路33と、を備えている。
ブリッジ式整流回路32は、4個のダイオードを備え、その入力側にはエレクトレット膜12の集電材(基体14)および第1電極部材11(バネ部21)が接続されている。ブリッジ式整流回路32の出力側は、平滑コンデンサを備えた平滑回路33を介して、様々な電気機器34に接続される。
【0038】
エレクトレット膜12には負電荷が保持されているので、対向配置された第1電極部材11には、静電誘導により正電荷が引き寄せられる。そして、外部振動に応じて第1電極部材11が弾性変形し、第2電極部材13に対して第1電極部材11が主に第2電極部材13との対向面(主にY方向)上に沿って相対的に移動すると、Z方向から見た場合におけるエレクトレット膜12と第1電極部材11との重なり面積(以下、単に「重なり面積」という。)が増減し、これに伴って第1電極部材11の電荷が増減する。静電誘導型の発電装置10では、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行う。すなわち、回路31を備えた発電装置10は直流電源として機能する。
【0039】
このように、本実施形態では、電極として機能する第1電極部材11(バネ部21)自体を弾性変形可能なバネ状に形成する構成とした。
この構成によれば、従来のように電極が形成された可動基板と、それを移動させるバネ駆動体と、を別体で形成する場合に比べて、バネ部21を薄くする必要なく、また発電装置10の大型化を伴うことなく、バネ部21の長さを長くすることができる。
これにより、強度の低下を抑制するとともに、小型化を図った上で、バネ定数を小さくすることができる。したがって、第1電極部材11の共振周波数を低くすることができるため、外部振動として環境振動を効率的に利用することが可能になり、発電効率を向上させることができる。
【0040】
また、第1電極部材11に錘部23が支持されているため、第1電極部材11の共振周波数を低くし易くなり、第1電極部材11の共振周波数を低周波の環境振動に合わせ易くなる。そのため、発電効率を確実に向上させることができる。
また、本実施形態では、連続的に形成された第1電極部材11の中央部に台座部24を介して錘本体部25を配置したため、第1電極部材11を途中で分断したり、長さを変更したりすることなく、錘本体部25の重さ(大きさ)を適宜調整することができる。例えば、錘本体部25の大きさを拡大する場合、XY方向に拡大することで、基体14の面方向の幅内で錘本体部25を収めることができるので、特にZ方向における発電装置10の大型化を抑制することができる。
【0041】
また、第1電極部材11を導電材料により一体的に形成することで、例えば絶縁材料からなる基体上に導電材料を形成する場合に比べて製造工数を削減して、製造効率の向上を図ることができる。
【0042】
(変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、説明を省略する。
上述した実施形態では、エレクトレット膜12をバネ部21と同形状に形成する場合ついて説明したが、これに限られない。例えば、図5に示すように、エレクトレット膜12を櫛歯状に形成しても構わない。具体的に、図5に示すエレクトレット膜12は、X方向に沿って延びるとともに、Y方向に沿って間隔を空けて配列された複数の延出部35と、各延出部35のX方向一端側でY方向に沿って延びるとともに、各延出部35をまとめて接続する共通部36と、を備えている。
【0043】
また、上述した第1実施形態示す第1電極部材11は、第1電極部材11上に台座部24を介して錘本体部25を配置する構成について説明したが、図6に示すように、第1電極部材11における延在方向の中途部で連結しても構わない。具体的に、図6に示す第1電極部材11は、各支持部15からそれぞれY方向の内側に向かって延びる一対のバネ部21を備え、これらバネ部21におけるY方向の内側端部(先端部)同士の間に錘部23(錘本体部25)が連結されている。すなわち、バネ部21は、錘部23と支持部15との間を架け渡している。
この構成によれば、錘部23の追加に伴うZ方向への大型化を抑制できるので、上述した第1実施形態のように第1電極部材11の上に錘部23を配置する場合に比べて、発電装置10のZ方向での小型化を図ることができる。なお、図6に示す構成の場合には、錘部23として比較的比重の大きい材料を用いることが好ましい。
【0044】
さらに、上述した実施形態では、第1電極部材11のバネ部21を波状に形成した場合について説明したが、これに限らず、バネ部21は種々の形状を採用することが可能である。例えば、図7に示すバネ部21のように、Z方向から見てひし形の枠状部材の頂点同士を連結してY方向に沿って延設させるような構成でも構わない。
【0045】
また、上述した実施形態では、バネ部21自体を導電材料により形成して第1電極部材11を構成する場合について説明したが、これに限られない。例えば、図8に示すように、各支持部15間を架け渡すように形成された絶縁材料からなるバネ部(基体)41と、バネ部41を被覆するように形成された導電材料からなる導電部42と、により、第1電極部材11を形成しても構わない。
この場合、導電部42は、バネ部41におけるエレクトレット膜12との対向面のみに形成することが好ましい。これにより、第1電極部材11全体を導電材料で形成する場合に比べて材料コストの低下を図ることができる。なお、バネ部41の全体を導電部42で被覆しても構わない。
【0046】
上述した実施形態では、第2電極部材13を固定側、第1電極部材11を可動側にして説明したが、これに限らず、第1電極部材54を固定側、第2電極部材51を可動側に形成しても構わない。図9に示すように、まず第2電極部材51は、支持部15間を架け渡す導電材料からなるバネ部52と、バネ部52における少なくとも第1電極部材54との対向面に配設されたエレクトレット膜(電荷保持部)53と、を有している。バネ部52は、集電材として機能するものであって、支持部15間で弾性変形可能に構成されている。
一方、第1電極部材54は、絶縁材料からなる平板状の基体55と、基体55上に形成された導電部56と、を備えている。導電部56は、上述したエレクトレット膜53とZ方向から見て重なるように形成されている。なお、基体55自体を導電材料により形成した場合には、基体55上におけるZ方向から見てエレクトレット膜53と重なる領域以外の領域に、絶縁膜を形成する。
【0047】
また、上述した実施形態では、第1電極部材、および第2電極部材のうち、何れか一方のみを弾性変形可能にした場合について説明したが、これに限らず、図1に示す第1電極部材11、および図9に示す第2電極部材51を採用し、第1電極部材11、および第2電極部材51の双方を弾性変形可能に構成しても構わない。具体的には、図10に示すように、第1電極部材11は、一対の支持部15間を架け渡す弾性変形可能なバネ部21、を備え、バネ部21上に錘部23が支持されている。
一方、第2電極部材51は、一対の支持部15間を架け渡すとともに、例えば第1電極部材と同形状に形成された弾性変形可能なバネ部52と、バネ部52における少なくとも第1電極部材54との対向面に配設されたエレクトレット膜53と、を有している。この場合、外部振動入力時における第1電極部材11と第2電極部材51との間で位相差を生じさせるために、双方のバネ定数を異ならせることが好ましい。
【0048】
また、上述した実施形態では、第1電極部材11に対してZ方向に沿う一方側に第2電極部材13を配置する構成について説明したが、これに限らず、第1電極部材11を間に挟んでZ方向に沿う両側に一対の第2電極部材13を配置しても構わない。
具体的に、図11に示す第2電極部材13は、それぞれ図1に示す第2電極部材13と同様の構成からなり、基体14と、基体14上に配置されたエレクトレット膜12と、を有している。そして、各第2電極部材13のうち、一方の第2電極部材13は支持部15におけるZ方向に沿う一端側同士を架け渡すように配置され、他方の第2電極部材13は支持部15におけるZ方向に沿う他端側同士を架け渡すように配置されている。
【0049】
なお、第1電極部材11は、図8に示す第1電極部材11とほぼ同様の構成からなり、本変形例ではバネ部41のZ方向両面が導電部42によって被覆されている。
そして、第1電極部材11の一方の面に形成された導電部42と、一方の第2電極部材13と、の間は、第1発電部58を構成し、第1発電部58の他方の面に形成された導電部42と、他方の第2電極部材13と、の間は、第2発電部59を構成している。
この構成によれば、第1電極部材11と各第2電極部材13との間でそれぞれ発電を行うことができるので、発電量の増加を図ることができる。
【0050】
また、上述した実施形態では、バネ部21が一方向(例えばY方向)に沿って延在する場合について説明したが、これに限らず、複数の方向に沿って延在するように形成しても構わない。例えば、図12に示すように、Y方向、およびY方向に直交するX方向に沿ってバネ部21を延在させたり、図13示すように、一方向に対して所定角度毎で交差する複数方向に沿ってバネ部21を延在させたりしても構わない。この場合、バネ部21に対してZ方向で重なり合うように第2電極部材13のエレクトレット膜12を形成することで、一方向のみならず、複数方向の変位に応じてエレクトレット膜12とバネ部21との重なり面積が変化して、発電を行えるため、発電効率の更なる向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態、および各変形例は適宜組み合わせて採用することが可能である。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図14は第2実施形態の発電装置(第2電極部材)の平面図、図15は図14のB−B線に沿う断面図、図15は図14のC−C線に相当する断面図である。第2実施形態では、第1電極部材と第2電極部材との相対移動に伴う錘部の移動を案内するガイド機構を備えている点で上述した第1実施形態と相違している。
図14〜16に示すように、第2実施形態に係る発電装置100は、電極として機能する第1電極部材101(図15参照)と、第1電極部材101に対向配置され、エレクトレット膜102を有する第2電極部材103と、を備えている。
【0052】
まず、第2電極部材103は、基体105上に櫛歯状のエレクトレット膜102が一対形成されたものである。なお、本実施形態の基体105は、導電材料により形成されている。
各エレクトレット膜102は、基体105におけるX方向の外側でY方向に沿って延びる共通部110と、共通部110からそれぞれX方向の内側に向けて延びる複数の延出部111と、を有している。延出部111は、Y方向に沿って間隔を空けて配設されている。
また、基体105におけるX方向の中央部には、Y方向に沿って延びる溝部113が形成されている。これにより、各エレクトレット膜102がX方向で区画されている。なお、基体105の外周縁には、基体105を取り囲むように支持部15が立設されている。
【0053】
第1電極部材101は、Y方向で対向する支持部15からそれぞれY方向の内側に向けて延びる弾性変形可能な一対のバネ部116を備え、これら一対のバネ部116間に錘部117が連結されている。錘部117は、球状に形成され、その外周面が上述した基体105の溝部113の開口縁に当接している。なお、本実施形態では、錘部117は、絶縁材料で形成されているが、第1電極部材101と第2電極部材103との間での絶縁が図られていれば、導電材料で形成しても構わない。
【0054】
また、第1電極部材101を間に挟んでZ方向に沿う基体105の反対側には、支持基板118が配設されている。支持基板118には、上述した基体105の溝部113とZ方向で対向する溝部119が形成されている。そして、この溝部119の開口縁に上述した錘部117の外周面が当接している。すなわち、溝部113,119は、錘部117におけるZ方向の両側をそれぞれ支持して、第1電極部材101(バネ部116)の弾性変形に伴う錘部117のY方向の移動を案内するガイド機構120を構成している。なお、錘部117を内側で収容するように溝部113,119を形成しても構わない。
【0055】
このように、本実施形態では、ガイド機構120の溝部113,119により、錘部117を支持しているため、錘部117のY方向の移動を案内する一方で、錘部117のX方向、およびZ方向の移動を規制することができる。したがって、第1電極部材101のX方向、およびZ方向への撓み変形を防止して、第1電極部材101、および第2電極部材103間での短絡を防止できる。
【0056】
(変形例)
次に、第2実施形態の変形例について説明する。図17は、図14に相当する平面図であり、図18は図17のD−D線に相当する断面図である。なお、図17では、支持部15や支持基板118等の記載を省略する。
図17,18に示すように、一対のバネ部116間には、錘部117を回転可能に支持する錘支持部材121が連結されている。錘支持部材121は、Z方向から見てリング状に形成され、その径方向のうちY方向で対向する位置にバネ部116がそれぞれ連結されている。そして、錘支持部材121の内側には、錘部117が回転可能に収容されている。
この構成によれば、第1電極部材101(バネ部116)の弾性変形に伴い、錘部117が錘支持部材121内で回転しながらY方向に沿って移動することになる。そのため、錘部117と溝部113,119との間での摩擦抵抗を低減して、スムーズな移動が可能になるとともに、耐久性を向上させることができる。
【0057】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図19は第3実施形態の発電装置を示す断面図であり、図20は第2電極部材の断面図である。また、図21は、図19のE−E線に沿う断面図である。本実施形態では、発電装置を筒形状にした点で上述した実施形態と相違している。
図19〜21に示すように、第3実施形態に係る発電装置200は、電極として機能する第1電極部材211と、第1電極部材211に対向配置され、エレクトレット膜(電荷保持部)212を有する第2電極部材213と、を備えている。
【0058】
まず第2電極部材213は、導電材料からなる円筒状の筒部214と、筒部214の内面に配設されたエレクトレット膜212と、備えている。なお、筒部214を絶縁材料により形成し、その上に集電材を介してエレクトレット膜212を形成しても構わない。
エレクトレット膜212は、筒部214の周方向に沿って形成されたリング部をZ方向に間隔をあけて複数配置し、これらリング部同士をZ方向に沿って延びる共通部によりまとめて接続することで構成されている。なお、エレクトレット膜212は、筒部214の軸方向(Z方向)に沿って螺旋状に形成しても構わない。
【0059】
また、筒部214におけるZ方向の両端部には、それぞれの開口部を閉塞するように絶縁材料からなる一対の支持部215が配設されている。この支持部215は、第1電極部材211と第2電極部材213との間での絶縁が図れていれば、導電材料で形成しても絶縁材料で形成しても構わない。
【0060】
第1電極部材211は、筒部214の内側に配置されたバネ部221を備えている。バネ部221は、導電材料がZ方向に沿って螺旋状に巻回され、弾性変形可能に構成されている。バネ部221は、上述した第2電極部材213のエレクトレット膜212と径方向で間隔をあけて対向配置されている。なお、第1電極部材211は、絶縁材料からなるバネ部(基体)の外周面に導電材料からなる導電部を形成しても構わない。
また、バネ部221のZ方向に沿う一端縁には錘部223が配設されている。
【0061】
この構成によれば、外部振動に応じて第1電極部材211のバネ部221が弾性変形し、第2電極部材213に対して第1電極部材211が第2電極部材213との対向面(主にZ方向)上に沿って相対的に移動すると、径方向から見た場合におけるエレクトレット膜212と第1電極部材211のバネ部221との重なり面積が増減し、これに伴って第1電極部材211の電荷が増減する。そして、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行うことができる。
本実施形態によれば、第1電極部材211を外側から囲繞するように第2電極部材213を配置することで、第1電極部材211の全周に亘って発電が行われる。そのため、上述した各実施形態における平板型の発電装置に比べて発電面積の向上を図ることができ、発電効率の更なる向上を図ることができる。また、Z方向を軸方向とする筒状に形成したため、XY方向へのコンパクト化を図ることができる。なお、筒部214は、円筒状に限らず、角筒状等、適宜設計変更が可能である。
【0062】
(変形例)
次に、第3実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態では、バネ部221の端縁に錘部223を配設する構成について説明したが、これに限らず、バネ部221における延在方向の中途部で連結しても構わない。具体的に、図22に示す第1電極部材211は、各支持部215(図19参照)からそれぞれZ方向の内側に向かって延びる一対のバネ部221を備え、これらバネ部221におけるY方向の内側端部(先端部)同士の間に錘部223が連結されている。
また、図23に示すように、バネ部221にリング状の錘部223を通しても構わない。
【0063】
また、上述した実施形態では、第1電極部材211を外側から囲繞するように第2電極部材213を配置した場合について説明したが、これに限らず、第1電極部材211の内側に第2電極部材を配置しても構わない。
具体的には、図24〜26に示す発電装置200は、第1電極部材211と、第1電極部材211を外側から囲繞する筒部230と、第1電極部材211の内側に遊挿された第2電極部材231と、を備えている。
【0064】
第2電極部材231は、導電材料からなる円柱状の基体232と、基体232の外周面に配設されたエレクトレット膜233と、を備えている。基体232はZ方向に沿って延在して、その両端部が支持部215に支持されている。なお、基体232を絶縁材料により形成し、その上に集電材を介してエレクトレット膜233を形成しても構わない。
エレクトレット膜233は、基体232の周方向に沿って形成されたリング部をZ方向に間隔をあけて複数配設し、これらリング部同士をZ方向に沿って延びる共通部によりまとめて接続することで構成されている。なお、エレクトレット膜233は、基体232の軸方向(Z方向)に沿って螺旋状に形成しても構わない。
【0065】
また、上述した筒部230に代えて図19に示す第2電極部材213を採用しても構わない。つまり、第1電極部材211を径方向の両側から挟むように第2電極部材213,231を配置する構成にしても構わない。これにより、第1電極部材211と第2電極部材213との間、および第1電極部材211と第2電極部材231との間でそれぞれ発電を行うことができるので、発電量の増加を図ることができる。なお、この場合、第1電極部材211は、バネ部221自体を絶縁材料で形成し、バネ部221の第1電極部材211および第2電極部材231と向かい合う面にそれぞれ導電材料を形成した構成が好ましい。
【0066】
さらに、図27に示すように、第2電極部材自体を錘部として機能させても構わない。具体的に、第2電極部材251は、絶縁材料からなる有底筒状に形成された錘部材250を備えている。錘部材250は、天壁部252と、天壁部252の外周縁からZ軸方向に沿って延びる筒部253と、を備えている。
天壁部252は、支持部215との間で第1電極部材211のバネ部221を支持している。
筒部253の内周面には、集電材254が形成され、集電材254の内面にエレクトレット膜(電荷保持部)255が形成されている。
この構成によれば、錘部を別体で設ける必要がないので、部品点数の削減を図ることができる。なお、第1電極部材211との間で絶縁が図れていれば、錘部材250を導電材料で形成しても構わない。
【0067】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図28は、第4実施形態に係る発電装置の分解斜視図であり、図29は断面図である。
図28,29に示すように、本実施形態に係る発電装置300は、第1基板(基板)301と、第1基板301に対してZ方向で対向配置された第2基板(基板)302と、第1基板301、および第2基板302の間で回動可能に支持された回動軸311に連結され、基板301,302に対して相対回動する回動錘303と、第2基板302、および回動軸311との間で弾性変形可能に構成された第1電極部材304と、第2基板302の内面に形成された第2電極部材305と、を備えている。
【0068】
第1基板301、および第2基板302は、真鍮などの金属材料や、シリコンなどのセラミック材料、ガラスエポキシなどの樹脂材料等により形成することができる。本実施形態の第1基板301、および第2基板302は、ガラスエポキシにより円板状に形成されている。
【0069】
第1基板301と第2基板302との間にはZ方向を軸方向とする回動軸311が配置されている。回動軸311は、導電性を有する金属材料等により形成されている。回動軸311は、第1基板301および第2基板302の内面の中心を通る法線上に配置されている。回動軸311のZ方向の両端部には、Z方向の中央部より小径のホゾ312が形成されている。
【0070】
回動軸311のホゾ312を回動可能に支持するため、第1基板301および第2基板302に軸受機構320が設けられている。以下、第2基板302の軸受機構320を例にして説明するが、第1基板301の軸受機構320も同様に形成されている。
図29に示すように、軸受機構320は、ホゾ312の外周を覆うように配置された穴石322と、ホゾ312のZ方向端部を覆うように配置された受石324とを備えている。穴石322および受石324は、耐摩耗性に優れた絶縁材料であるルビーやダイヤモンドなどにより形成されている。穴石322の中央部には貫通孔が形成されている。穴石322および受石324は、第2基板302の外面中央部に形成された座繰り穴316に圧入されている。座繰り穴316の底面中央部にも貫通孔が形成されている。そして、第2基板302の内側から、第2基板302の貫通孔および穴石322の貫通孔にホゾ312が挿入され、ホゾ312が回転可能に支持されている。
【0071】
図30は、耐振軸受の断面図である。図29に示す軸受機構320に代えて、図30に示す耐振軸受420を採用することも可能である。
耐振軸受420は、ベースとなる軸受体415を備えている。後述するように軸受体415は回動軸421と当接する場合があるため、軸受体415を絶縁材料で形成するか、軸受体415の表面に絶縁膜を形成することが望ましい。軸受体415の座繰り穴415aには穴石422および受石424が順に挿入されている。穴石422および受石424は、座繰り穴415aの底部に形成されたテーパ面416上に配置されている。また穴石422および受石424は、ばね428により座繰り穴415aの底部側に向けて付勢されている。
【0072】
回動軸421にZ方向の衝撃力が作用すると、ばね428が撓んで回動軸421の変位を許容し、衝撃力を吸収する。なお回動軸421の過大な変位は、回動軸421の肩部421sと軸受体415との当接によって規制される。一方、回動軸421に軸直角方向(XY方向)の衝撃力が作用すると、穴石422がテーパ面416に沿って移動することで回動軸421の変位を許容し、衝撃力を吸収する。なお回動軸421の過大な変位は、回動軸421の首部421nと軸受体415の貫通孔との当接によって規制される。
【0073】
後述するように、回動軸421に固定される回動錘303は、慣性モーメントを確保するため相当の質量を有している。そのため、回動軸421には衝撃力が作用する可能性がある。これに対して、上述したように回動軸421が耐振軸受420を介して支持されていれば、回動軸421に作用する衝撃力を吸収して、回動軸421の破損を防止することができる。
【0074】
図28,29に示すように、第1基板301に対向配置された状態で第1基板301に対して相対回動する回動錘303が設けられている。
回動錘303は、真鍮などの金属材料や、シリコンなどのセラミック材料、ガラスエポキシなどの樹脂材料等により形成することができる。本実施形態の回動錘303は、真鍮により扇板状に形成されている。回動錘303は、第1基板301に対向配置された扇板状の本体部342と、本体部342の周囲円弧部に設けられ本体部342より厚肉に形成された錘部348と、を備えている。本実施形態の本体部342および錘部348は一体形成されている。本体部342の中心部には貫通孔341が形成され、その貫通孔341に回動軸311が圧入されている。
【0075】
なお、本体部342および錘部348を別体形成し、締結部材や接着剤等を用いて接続してもよい。本体部342および錘部348を別体形成する場合には、本体部342より比重の大きい材料で錘部348を形成することが望ましい。例えば、本体部342を真鍮で形成し、錘部348をプラチナや金、タングステン等で形成する。これにより、回動錘303の大幅な重量増加を抑制しながら、回動錘303の慣性モーメントを増加させることができる。
【0076】
第1電極部材304は、弾性変形可能な渦巻きバネ状に形成され、回動錘303を第1基板301に対して往復周期回動させるように支持している。
第1電極部材304は、細長い薄板を渦巻き状に湾曲させたバネ部332と、バネ部332の中心側の端部に接続された連結部材331と、バネ部332の外周側の端部に接続された固定部材338と、を備えている。バネ部332は、コバルト基合金等の導電材料で形成されている。なお、バネ部332を弾性変形可能な絶縁材料で形成し、少なくとも第2電極部材305との対向面に導電材料からなる導電部を形成しても構わない。
連結部材331は、導電材料によりリング状に形成され、その中央孔に回動軸311が圧入されている。一方、固定部材338は、導電材料によりピン状に形成され、第2基板302の内面に形成された固定孔318に圧入されている。
【0077】
このように、回動軸311、連結部材331、バネ部332および固定部材338がすべて導電材料で形成され、これらの各部材を介して、第1電極部材304が外部に電気的接続されている。なお、本実施形態において、第1電極部材304を外部に電気的に接続するためには、少なくともバネ部332および固定部材338が導電材料であれば構わない。
【0078】
図31は、第2電極部材の平面図である。
図29,31に示すように、第2電極部材305は、第2基板302の内面に配置された基体350と、基体350の内面に形成されたエレクトレット膜(電荷保持部)351と、を備えている。
基体350は、上述した第1電極部材304のバネ部332よりも大径の円板状に形成され、その中央部には、回動軸311が遊挿される貫通孔350aが形成されている。本実施形態では、基体350は導電材料により形成され、第2電極部材305の集電材として機能する。また、基体350の外周部分うち、上述した固定部材338とXY方向で重なる部分には、上述した固定部材338よりも大径の貫通孔350bが形成されている。そして、上述した固定部材338は、貫通孔350b内に遊挿された後、固定孔318に圧入されている。したがって、貫通孔350aと回動軸311、および貫通孔350bと固定部材338の間には、それぞれ隙間が設けられており、第1電極部材304と第2電極部材305との絶縁が図られている。
【0079】
エレクトレット膜351は、バネ部332と同じ方向に沿って渦巻状に湾曲され、バネ部332とZ方向から見て重なり合うように形成されている。
【0080】
この構成によれば、外部振動が入力されると、回動錘303、および回動軸311が回動してこれに伴い、第1電極部材304のバネ部332の間隔が径方向で拡大・縮小するように弾性変形する。これにより、第2電極部材305のエレクトレット膜351との重なり面積が増減し、これに伴って第1電極部材304の電荷が増減する。そして、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行うことができる。
【0081】
特に、第1電極部材304は、回動錘303の慣性モーメント(イナーシャモーメント)とともにバネ・マス系を構成するので、回動錘303は共振し、第1基板301に対して往復周期回動する。第1電極部材304のバネ部332は自由長が長いのでねじりバネ定数が小さくなり、回動錘303は周囲円弧部に錘部348を備えているので慣性モーメントが大きくなるので、回動錘303の共振周波数を低くすることができる。これにより、外部振動として環境振動を利用することが可能になる。本実施形態では、回動錘303の共振周波数が、人の歩行に伴う振動の周波数(1〜2Hz)に一致するように、バネ部332のねじりバネ定数および/または回動錘303の慣性モーメントが調整されている。これにより、発電装置300を携帯した人が歩行すると、歩行振動が発電装置300に入力されて、回動錘303が共振回動する。
【0082】
(変形例)
次に、第4実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態では、エレクトレット膜351を渦巻状に形成した場合について説明したが、これに限らず、種々の形状を採用することが可能である。例えば、図32に示すように、周方向に沿って形成されたエレクトレット膜(電荷保持部)361を径方向に間隔をあけて複数配列し、これらエレクトレット膜361を周方向の所定角度毎で区画した複数のエレクトレット膜群362としても構わない。
この場合には、バネ部332の弾性変形に伴って、バネ部332と各エレクトレット膜群362との間で重なり面積の増減が生じ、それぞれで発電が行われるため、発電量を増加させることができる。
【0083】
また、上述した実施形態では、第2電極部材305を固定側、第1電極部材304を可動側にして説明したが、これに限らず、第1電極部材304を固定側、第2電極部材305を可動側にしても構わない。
さらに、図33に示すように、第1電極部材304、および第2電極部材305の双方を弾性変形可能に構成しても構わない。具体的に、第1電極部材304は、上述した実施形態と同様にバネ部332、連結部材331、および固定部材338を備え、固定部材338は、第1基板301(図29参照)に形成された図示しない固定孔に圧入されている。
【0084】
一方、第2電極部材305は、第1電極部材304と同様に、バネ部372、連結部材373、および固定部材374を備え、固定部材374が第2基板302に形成された図示しない固定孔に圧入されている。第2電極部材305のバネ部372は、導電材料からなる基体376が渦巻状に湾曲され、基体376における第1電極部材304のバネ部332との対向面上にエレクトレット膜377が形成されている。また、図33(b)に示すように、各バネ部332,372同士は、巻回方向が互いに逆向きになっている。なお、第1電極部材304と第2電極部材305との間の絶縁を図るため、回動軸311、および連結部材331,373のうち、何れかを絶縁材料にしたり、各構成部材間に絶縁膜を形成したりすることが好ましい。
この構成によれば、各バネ部332,372の巻回方向が逆向きになっているため、回動軸311の回動に伴う各バネ部332,372における周方向の同位置での拡大・縮小変形が逆になる。そのため、第1電極部材304、および第2電極部材305との間で重なり面積の増減が生じ、発電が行われるようになっている。
なお、各バネ部332,372の巻回方向が同じ場合であっても、両者の固定点を周方向や径方向で異ならせたり、バネ部332,372のピッチを異ならせたりすることで、第1電極部材304、および第2電極部材305との間で重なり面積の増減を生じさせ、発電させても構わない。
【0085】
(クオーツ式腕時計)
実施形態に係る発電装置を備えた電気機器の一例として、クオーツ式腕時計について説明する。
図34は、クオーツ式腕時計のムーブメントの内部構造図である。クオーツ式腕時計1は、例えば第4実施形態に係る発電装置300と、水晶振動子2と、回路基板3と、コイル4と、ステータ5と、ロータ6と、歯車8とを備えている。そのうち回路基板3は、発振回路と、分周回路と、駆動回路とを備えている。
【0086】
発電装置10から水晶振動子2に電圧が印加されると、圧電効果により水晶振動子2は所定周波数の電気信号を出力する。この電気信号が回路基板3に入力されると、発振回路は所定周波数で安定して発振する。分周回路は、発振回路の出力信号をカウントして所定時間ごとにパルス信号を出力する。駆動回路は、パルス信号をトリガーとしてコイル4の駆動電流を交互に反転させる。この駆動電流によりコイル4は磁界を発生させ、ステータ5の両端からロータ6に磁界を印加して、永久磁石を備えたロータ6を回転させる。このロータ6の回転により歯車8が回転して、クオーツ式腕時計1が駆動される。
【0087】
この構成によれば、発電効率に優れた発電装置300を備えているので、電力供給の信頼性に優れたクオーツ式腕時計1を提供することができる。
すなわち、クオーツ式腕時計1を装着した人が歩行すると、歩行振動が発電装置300に入力される。実施形態に係る発電装置300では共振周波数が低くなるので、歩行振動により第1電極部材304を共振させることができる。これにより、歩行振動を利用して効率的に発電することができるので、電力供給の信頼性に優れたクオーツ式腕時計1を提供することができる。なお、実施形態に係る発電装置300を従来のボタン電池と併用すれば、ボタン電池を長持ちさせることができる。
【0088】
図35は、回動錘の中立位置の説明図である。なお図35では、わかりやすくするため回動錘303の大きさおよび配置を誇張している。
歩行者80は前方および後方に腕81を振りながら歩行するが、一般に前方への振り上げ角度は後方への振り上げ角度より大きくなる。腕時計1を装着した歩行者80の腕81が、上述した前後の振り上げ角度範囲の中間点81mにあるとき、回動錘303の重心が回動軸の鉛直下方となる回動錘303の位置を、回動錘303の中立位置に設定する。回動錘303の中立位置とは、渦巻きバネからの復元力が作用していない状態における回動錘303の位置である。腕時計1を左腕に装着する場合、中立位置にある回動錘303の重心は、回動軸311から見て2時付近の方向(3時方向から反時計回りに角度θの方向)に配置される。
【0089】
歩行者80は、中間点81mから前後に同じ角度だけ腕を振り上げて歩行するので、回動錘303は、中立位置から渦巻きバネが巻き上がる方向およびほどける方向に同じ角度だけ回動する。これにより、回動錘303の回動振幅が大きくなり、エレクトレット膜と電極との重なり面積の変化量も大きくなる。したがって、発電効率を向上させることができる。
【0090】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態、各変形例を適宜組み合わせることが可能である。
また、第1電極部材、第2電極部材のうち少なくとも一方が弾性変形可能であれば、形状等は適宜変更可能である。
また、上述した実施形態に係るクオーツ式腕時計1では、各発電装置のうち、第4実施形態に係る発電装置300を搭載した場合について説明したが、他の実施形態に係る発電装置についても搭載可能である。
【0091】
さらに、上述した実施形態では、電子機器の一例としてクオーツ式腕時計1に発電装置を搭載した場合について説明したが、これに限らず、種々の電子機器に搭載可能である。例えば、車両のタイヤの空気圧センサに搭載して、走行時の振動を用いて発電を行うことでタイヤの空気圧をモニタリングしたり、また車両のサスペンション装置に搭載したりすることも可能である。
さらに、靴底に発電装置を搭載するとともに、この発電装置を光源に電気的に接続し、歩行時の振動を用いて発電を行うことで光源から光を出射させるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0092】
1…クオーツ式腕時計(電気機器、携帯型時計) 10,100,200,300…発電装置 11,54,211,304…第1電極部材 12,53,102,212,255,351,361…エレクトレット膜 13,51,103,213,231,251,305…第2電極部材 23,117,223,348…錘部 34…電気機器 41…バネ部(基体) 42,56…導電部 55…基体 120・・・ガイド機構 301…第1基板(基板) 302…第2基板(基板) 303…回動錘(錘部) 311…回動軸 342…本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極として機能する第1電極部材と、
前記第1電極部材に対向配置され、電荷保持部を有する第2電極部材と、を備え、
前記第1電極部材、および前記第2電極部材のうち、少なくとも一方の電極部材は弾性変形可能に構成され、
前記第1電極部材と前記第2電極部材とが対向面上に沿って相対移動することで、前記第1電極部材と前記第2電極部材の前記電荷保持部との重なり面積が変化することを特徴とする発電装置。
【請求項2】
前記一方の電極部材には、前記一方の電極部材よりも比重の大きい錘部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の発電装置。
【請求項3】
前記錘部は、連続的に延びる前記一方の電極部材上に支持されていることを特徴とする請求項2記載の発電装置。
【請求項4】
前記一方の電極部材は、複数のバネ部を有し、
前記錘部は、前記バネ部における先端部同士の間に連結されていることを特徴とする請求項2記載の発電装置。
【請求項5】
前記第1電極部材と前記第2電極部材との相対移動に伴う前記錘部の移動を案内するガイド機構を備えていることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項6】
前記第1電極部材、および前記第2電極部材は、前記対向面に沿う一方向、および前記一方向に交差する方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項7】
前記一方の電極部材は、螺旋状に形成され、
前記第1電極部材、および前記第2電極部材のうち、他方の電極部材は、前記一方の電極部材を囲繞する筒形状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項8】
前記一方の電極部材は、螺旋状に形成され、
前記第1電極部材、および前記第2電極部材のうち、他方の電極部材は、前記一方の電極部材の内側に配置された柱状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5、および請求項7の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項9】
基板と、
前記基板に回動可能に支持された回動軸と、を備え、
前記一方の電極部材は、前記回動軸と前記基板との間に設けられ、前記回動軸を往復周期回動させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の発電装置。
【請求項10】
前記一方の電極部材は、渦巻きバネ状に形成されていることを特徴とする請求項9記載の発電装置。
【請求項11】
前記回動軸は、耐振軸受を介して前記基板に支持されていることを特徴とする請求項9または請求項10記載の発電装置。
【請求項12】
前記回動軸には、錘部が設けられ、
前記錘部は、前記基板に対向配置された扇板状の本体部と、
前記本体部の周囲円弧部に設けられ、前記本体部より厚肉に形成された重錘と、を備えていることを特徴とする請求項9から11の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項13】
前記第1電極部材は、絶縁材料からなる基体と、前記基体上における少なくとも前記対向面上に形成された導電材料からなる導電部と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項12の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項14】
前記第1電極部材は、導電材料により一体的に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項12の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項15】
前記一方の電極部材を間に挟んで前記対向面の法線方向に沿う両側に、前記第1電極部材および前記第2電極部材のうち、他方の電極部材が対向配置されていることを特徴とする請求項1から請求項14の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項16】
前記第1電極部材、および前記第2電極部材の双方が弾性変形可能に構成され、各電極部材はバネ定数がそれぞれ異なるように設定されていることを特徴とする請求項1から請求項15の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項17】
請求項1に記載の発電装置を備えたことを特徴とする電気機器。
【請求項18】
請求項1に記載の発電装置を備えたことを特徴とする携帯型時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−59148(P2013−59148A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194749(P2011−194749)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】