説明

皮膚に利益を与える剤の改善した経皮吸収システム

【課題】使用者の皮膚に局所的に付与される活性成分の一層有効な経皮吸収の提供。
【解決手段】使用者の皮膚にクレンザーを付与し、クレンザー処理皮膚にトナーを付与し、クレンザーおよびトナー処理された皮膚に活性成分(例えばトレチノイン、ビタミンC)またはプレミックス(すなわち活性成分およびブレンド用組成物との混合物)を付与し、活性成分の経皮吸収が未処理の皮膚への活性成分の付与に比べて増加することからなる方法。ブレンド用組成物は、酸化に感受性のある活性成分、保存料、キレート化剤、乳化剤、湿潤剤、pH調節剤、抗酸化剤、エモリエント、還元剤および水である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分の付与に関し、特に活性成分の経皮吸収を改善する治療処方に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの化合物が局所的に付与されて使用者の皮膚に利益をもたらしている。これら化合物の有効性は、しばしば、化合物の経皮吸収に依存する。所望の結果を達成するのに活性化合物の量は少ないことが必要なので、経皮吸収の増加は望ましい。活性化合物の付与が、しばしば、望ましくない副作用も生ずるため、経皮吸収の増加も望ましい。それは、活性化合物の量が少ないことは、望ましくない副作用をそれに応じて低下させやすいからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、使用者の皮膚に局所的に付与される活性成分の一層有効な経皮吸収を提供することが望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による皮膚治療システムは、クレンザー、トナーおよび活性成分を含む組成物を使用者の皮膚に順次付与することを含む。皮膚治療システムは、さらに、クレンザー、トナーおよび活性成分と組み合わされたブレンド用組成物を含むプレミックスを使用者の皮膚に順次付与することを含む。本発明は、活性成分単独またはプレミックス単独の付与に比べて、皮膚の2つのレベル(すなわち、表皮および真皮)における活性成分の存在の増加をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明による治療処方は、3つの製品すなわちクレンザー、トナーおよび活性成分組成物の順次の使用を含む。活性成分組成物は、活性成分単独、活性成分を含む任意の製薬上許容できる組成物またはブレンド用組成物と活性成分との混合物またはこれらの組み合わせである。
【0006】
クレンザーは、任意の非石けんクレンザーである。好適なクレンザーは、市販されておりそして典型的に水性媒体中のアニオン性、カチオン性、両性および/または非イオン性の界面活性剤の組み合わせを含む。クレンザーは、有利には、クリンジング剤がそれらの性質そのものの理由から必ずしも皮膚により十分に耐えることができない周知の事実のために、相殺する化合物の組み合わせを含むことができる。クレンザーの油を除く特徴は、皮膚の乾燥そして皮膚の刺激すら生ずる。クレンザーのプロセス中に種々の保護剤を配合することによって、クレンザーは、多くの代替する製品に見いだされる欠点を克服する。従って、1つの特に有用な態様では、クレンザーは、水、ナトリウムラウロイルオートアミン酸、コカミドプロピルベタイン、ナトリウムラウレススルフェート、バルバドスアロエの葉のジュース、メディカゴ・サチブ(Medicago sativa)(アルファルファ)抽出物、ボラゴ・オフィシナリス(Borago officinalis)抽出物、カモミリア・レクチタ(Chmomilla recutita)(マトリカリア)抽出物、塩化ナトリウム、キサンタンガム、サポニン、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、香料および着色料を含む発泡性ゲルクレンザーである。このクレンザーは、皮膚自体の天然の水分含量を損なうことなく、皮膚から汚染物を取り去る。或る態様では、1つの好適な発泡性ゲルクレンザーは、ロングビーチ、CAのOMP、Inc.から入手できるObagi Nu−Derm(商標)発泡性ゲルである。
【0007】
他の態様は、市販されているロングビーチ、CAのOMP、Inc.から入手できるObagi Nu−Derm(商標)ゼントルクレンザーを使用する。Nu−Derm(商標)ゼントルクレンザーは、水、コカミドプロピルベタイン、ナトリウムラウロイルオートアミノ酸、ナトリウムラウレススルフェート、グリセリン、バルバドスアロエゲル、グリセルス−7、アプリコットトリエタノールアミン、セージ抽出物、ルリヂサ抽出物、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、サポニン、香料および着色料の組み合わせを含む。
【0008】
トナーは、使用者の皮膚を水和しそして色合いを調整し、一方pHを低下させる。それにより、皮膚は、処方物の次の段階の付与に備えることができる。トナーは、典型的に、Hamamelisvirginiana(アメリカマンサク(witch hazel))または身体の組織を硬くしそして収縮させさらに或る二次的清浄作用を与える或る他の収斂剤を含む。アメリカマンサクの潜在的な刺激性または乾燥性を緩和するために、成分の以下の特別な組み合わせがテストを経て開発されて、有効でありしかも皮膚を損なうことがなくまたは乾燥させない収斂剤が得られる。水、バルバドスアロエの葉のジュース、Hamamelis virginiana(アメリカマンサク)の蒸留物、カリウム明礬、ナトリウムPCA、パンテノール、dmdmヒダントイン、ポリソルベート80、アラントイン、サルビア、Officianalix(セージ)葉抽出物、ボラゴ・オフィシナリス抽出物、カレンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis)花抽出物、サポニン、香料および着色料。好適なトナーの1つは、ロングビーチ、CAのOMP、Inc.から販売されているObagi Nu−Derm(商標)トナーとして市販されている。
【0009】
ブレンド用組成物は、活性成分とブレンドされて皮膚に付与されるようにデザインされる。特に有用なブレンド用組成物は、水、グリセリン、セチルアルコール、PPG−2ミリスチルエーテルプロピオネート、ナトリウムラウリルスルフェート、TEA−サリチレート、乳酸、フェニルトリメチコン、トコフェリルアセテート、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、メチルパラベン、サポニン、ジナトリウムEDTA,BHTおよびプロピルパラベンの基礎組成物中に活性成分を含む。好適なブレンダーの1つは、ロングビーチ、CAのOMP、Inc.から販売されているObagi Nu−Derm(商標)ブレンダーとして市販されている。
【0010】
好適なブレンド用組成物は、また表1に示される成分に従って製造できる。
(表1)
化合物 全組成物中の%
精製水 70−80
保存料 0.01−1.5
キレート剤 0.01−0.5
湿潤剤 1−10
アニオン性界面活性剤 0.01−5
非イオン性界面活性剤 0.01−5
有機酸 0.01−5
C12−C18アルキルアルコール 2−50
抗酸化剤 0.01−10
還元剤 0.01−5
エモリエント 1−10
医薬品成分 0.0−10
【0011】
ブレンド用組成物で使用して好適な保存料は、さらに、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、ジアゾリジニル尿素、2,3−イミダゾリジンジオン、イソプロピルパラベン、イソブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ナトリウムブチルパラベン、ソルビン酸またはこれら保存料の組み合わせを含む。
【0012】
ブレンド用組成物で使用して好適なキレート剤は、さらに、クエン酸、エデテートジナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、エチドロン酸ナトリウムジヒドロキシエチルグリシナート、ニトリロ三酢酸およびこれら剤の組み合わせを含む。
【0013】
ブレンド用組成物で使用して好適な乳化剤は、さらに、セテアリールアルコール、エトキシル化脂肪族アルコール、PEG−1000モノセチルエーテル、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリオールエステルグリセロールモノステアレート、カリウムステアレート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムセテアリールスルフェート、サポニンおよびこれら剤の組み合わせを含む。
【0014】
ブレンド用組成物で使用して好適な湿潤剤は、さらに、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、グルコース、マルトース、しょ糖、乳糖、キシリトース、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、パンテノール、ペンタエリスリトール、ヒアルロン酸およびこれら湿潤剤の組み合わせを含む。
【0015】
ブレンド用組成物で使用して好適なpH調節剤は、さらに、クエン酸、リン酸、乳酸、グリコール酸およびこれらのpH調節剤の組み合わせを含む。
ブレンド用組成物で使用して好適な抗酸化剤は、さらに、アスコルビルパルミテート、2,6−ジ第三級ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、トコフェリルアセテート、プロピルガレートおよびこれら抗酸化剤の組み合わせを含む。
【0016】
ブレンド用組成物で使用して好適なエモリエントは、さらに、セチルアルコール、ステアリルアルコール、液状炭化水素油、液状天然油、液状脂肪族アルコール、液状脂肪酸、液状脂肪酸エステル、液状シリコーン油、ペーストワックスおよびこれらエモリエントの組み合わせを含む。
【0017】
ブレンド用組成物で使用して好適な還元剤は、アスコルビン酸、プロピルガレート、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびこれらの還元剤の組み合わせを含む。
製薬上許容できる組成物中で皮膚に付与できるかまたはブレンド用組成物中に混合できる活性成分の例は、以下にリストされるが、これらに限定されない。活性成分は、種々の群に分類されるが、この分類は、本明細書に述べられたカテゴリーに属するこれらの活性成分にのみ活性成分を制限することを決して目的とするものではない。
【0018】
(サンスクリーン活性成分)
広範囲のサンスクリーンが本発明で有用である。使用されるサンスクリーンの正確な量およびタイプは、望ましい光線保護のレベルに依存する。一般に、紫外線を吸収、散乱または反射することにより紫外線に対して保護をもたらす任意の剤が、本発明で使用できる。本発明で使用されるサンスクリーン剤は、太陽光線の以下の形の1つ以上に対して保護を提供できる。UVA、UVB、UVC、可視光および赤外線。一般に、最終の処方における太陽光線保護指数(SPF)は、2から30に変化するが、100までのSPFを有する製品が処方できる。本発明で使用されるサンスクリーンは、化学的または物理的な光線保護を提供する。
【0019】
本発明で使用できるサンスクリーンは、アミノ安息香酸および誘導体例えばパラアミノ安息香酸(PABA)、グリセリル−PABA(Lisadimate)、Padimate O、Roxadimate、アンスリナレート(メチルアンスリニレートを含む)、ベンゾフェノン(ジオキシベンゾン、オキシベンゾンおよびスリソベンゾン、3−ベンゾフェノン(Uvinul M40)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンによる4−N、N−ジメチルアミノ安息香酸エステルを含む)、カンファー誘導体(3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ベンジリデンカンファーを含む)、シンナメート(DEA−p−メトキシシンナメート、エチル−ヘキシルp−メトキシ−シンナメート、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート(Parasol MCX)を含む)、ジベンゾイルメタン(ブチルメトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)を含む)、サリチレート(ホモメチルサリチレート、オクチルサリチレート、トロラミンメチルサリチレートを含む)、金属酸化物(二酸化チタン、酸化亜鉛および酸化鉄を含む)、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、4,4−メトキシ−t−ブチルジベンゾイルメタンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるものを含む。
【0020】
(しわ防止およびアンチエイジング活性成分)
本発明で従って使用して好適なしわ防止およびアンチエイジング活性成分は、ヒドロキシ酸(C−C30アルファ−ヒドロキシ酸例えばグリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシブタン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、アルファ−ヒドロキシエタン酸、ヒドロキシカプリン酸などを含む)、ベータヒドロキシ酸(サルチル酸を含む)およびポリヒドロキシ酸(グルコノラクトン(G4)を含む)並びにこれらの酸の混合物を含むが、これらに限定されない。さらなるしわ防止剤は、レチノイン酸、ガンマ−リノレン酸、果物酸、さとうきび抽出物および架橋したアルファヌトリウム中のグリコマー並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。皮膚剥離剤例えばフェノール、フィチン酸および酢酸は、また、本発明で使用できる。或る態様では、サリチル酸、乳酸およびグリコール酸は、本発明で使用するのに好適である。
【0021】
(美白および漂白活性成分)
美白および漂白剤は、ヒドロキノン、コージ酸、乳酸、アスコルビル酸および誘導体例えばマグネシウムアスコルビルホスフェート、アルブチンおよび甘草根を含む。
【0022】
(日焼け活性成分)
太陽光線が不要な日焼け活性成分は、ジヒドロキシアセトン(DHA)、グリセリルアルデヒド、チロシンおよびチロシン誘導体例えばマリルチロシン、チロシングルコシネートおよびエチルチロシン、ホスホ−DOPA、インドールおよび誘導体並びにこれらの混合物を含む。
【0023】
(抗菌性活性成分)
本発明において使用して好適な抗菌剤は、すべての抗生物質、抗菌性剤および抗菌性ペプチドを含む。使用できる抗生物質は、特に、テトラサイクリンおよびテトラサイクリン誘導体の皮膚科学上今日できる塩、ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ネオマイシン、カプレオマイシン、リネオマイシン、パロモマイシン、トブラマイシン、エリスロマイシン、トリクロサン、オクトピロックス、パラクロロメタキシレノールナイスタチン、トルナフテート、ミコナゾール塩酸塩、クロルヘキシジングルコネート、クロルヘキシジン塩酸塩、メタナミン馬尿酸塩、メタナミンマンデル酸塩、ミノサイクリン塩酸塩、クリンダマイシン、クレオシン、b−ラクタム誘導体例えばアミノペニシリンおよびこれらの混合物を含む。或る態様では、クロルヘキシジングルコン酸塩およびトリクロサンは、本発明で使用して好適である。
【0024】
本発明で使用できる抗菌性剤は、例えば、過酸化ベンゾイルおよびサルチル酸を含む。
本発明で有用な抗菌性ペプチドは、例えば、マガイニン、ニシンおよびセクロピンである。
【0025】
(抗アクネ活性成分)
本発明で使用して好適な抗アクネ活性成分は、トレチノイン、角質溶解剤(乳酸、ピルビン酸、サルチル酸、尿素およびN−アセチルシステインを含む)、レチノイドおよびレチノイドアナログ例えばトレチノイン、シスおよびトランスレチン酸、レチノールおよびレチノールパルミテート、イソトレチノイン−13−シス−レチン酸、抗生物質および抗菌性剤例えばテトラサイクリン、エリスロマイシン、ミノサイクリン、クリンダマイシン、トリメトプリムスルファメタゾールおよび抗菌性ペプチド(例えばニシン)、ステロイド例えばヒドロコルチゾーン、ガンマリノレン酸およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。使用できるさらなる抗アクネ活性成分は、過酸化ベンゾイル、アルファおよびベータヒドロキシ酸、スルファクテアミドおよび硫黄およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。或る態様では、サルチル酸、過酸化ベンゾイルおよびレチノイドが、本発明に使用して好適である。
【0026】
(抗乾癬活性成分)
本発明で使用して好適な抗乾癬活性成分は、サルチル酸、モメタゾンフロエート、ステロイド(コルチコステロイド例えばコルチゾーンおよびオルクスクロベタゾールプロピオネートを含む)、5−フロロウラシル、エピネフリン、アンスラリン、ビタミンD3アナログ例えばカルシポトリエン、メトトレキセート、マスプロコル、トリメタキサートグルコネート、レチノイド、シクロスポリン、パクリタキセル、5−アミノレブリン酸、ベルガゾル、錫エチルエチオプルプリン、ベンゾポルフィリン誘導体、抗体例えばABX−ILB抗体、CD−11aモノクローナル抗体およびICM3モノクローナル抗体、酵素阻害剤(トリプターゼ阻害剤およびホスホリパーゼA2阻害剤を含む)、新生生物ブロック剤、T細胞ブロック剤並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0027】
(抗湿疹活性成分)
本発明で使用して好適な抗湿疹活性成分は、尿素、月見草油、植物抽出物、ヒドロコーチゾン、免疫調節剤、バナナから得られた脂肪族酸と組み合わされたタールおよびこれらの混合物を含む。
【0028】
(局所麻酔活性成分)
本発明で使用して好適な局所麻酔活性成分は、テトラカイン、リドカイン、ブピバカイン、プラモキシンおよびこれらの混合物を含む。
【0029】
(抗炎症活性成分)
本発明で使用して好適な抗炎症活性成分は、ステロイド性活性成分例えばヒドロコーチゾン並びに非ステロイド性活性成分(プロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、ビフェニルカルボン酸誘導体、フェナミン酸誘導体およびオキシカムを含む)を含む。抗炎症活性成分の例は、アセトアミノフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、エロコンおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0030】
(ビタミン活性成分)
本発明で使用して好適なビタミン活性成分は、ビタミンAおよび誘導体(レチン酸、レチニルアルデヒド、レチンA、レチニルパルミテート、アダパレンおよびベータ−カロテンを含む)、ビタミンB(パンテノール、プロビタミンB5、パントテン酸、ビタミンB複合因子)、ビタミンC(アスコルビン酸およびその塩)および誘導体例えばアスコルビルパルミテート、ビタミンD(カルシポトリエン(ビタミンD3アナログ)を含む)、ビタミンE(その個々の構成成分、アルファ−、ベータ−、ガンマ−、デルタ−トコフェロールおよびコトリエノールおよびこれらの混合物を含む)並びにビタミンE(ビタミンEパルミテート、ビタミンEリノレートおよびビタミンEアセテートを含む)、ビタミンKおよび誘導体、ビタミンQ(ユビキノン)並びにこれらの混合物を含む。
【0031】
(蛋白活性成分)
本発明で使用して好適な活性成分の1つの群は、蛋白およびペプチドである。原則として、任意の望ましい蛋白およびペプチドは、この技術を使用して生成され、そしてこれらの組み換え蛋白を含む油は、本発明のエマルションに配合できる。本発明で使用できる蛋白およびペプチドは、酵素例えばプロテアーゼ(例えば、ブロメライン、パパイン、コラゲナーゼ、エラスターゼ)、リパーゼ(例えば、ホスホリパーゼC)、エステラーゼ、グルコシダーゼ、剥離酵素;抗体および抗体由来活性成分例えばモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、1本鎖抗体など;レダクダーゼ;オキシダーゼ;ペプチドホルモン;天然構造皮膚蛋白例えばエラスチン、コラーゲン、レチクリンなど;成長因子例えば血小板由来成長因子(PDGF)および表皮由来成長因子(EGF);抗酸化物例えばスーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼおよびグルタチオン;フリーラジカルスカベンジ蛋白;DNA修復酵素例えばT4エンドヌクレアーゼ5およびP53;抗菌性蛋白例えばマガイニンおよびセクロピン;牛乳蛋白;絹蛋白およびペプチド;および任意の活性フラグメント、これらの蛋白およびペプチドの誘導体;並びにこれらの混合物を含む。
【0032】
(種々の活性成分)
本発明で使用して好適なさらなる活性成分は、アミノ酸およびアミノ酸誘導体、昆虫忌避剤、殺かび剤(例えばケトコナゾール)、抗ウイルス剤(例えばアシクロビル)、抗ガン剤、植物抽出物、痔治療化合物、抗ふけ化合物、毛成長刺激化合物、抜け毛刺激化合物、核酸(DNA、RNAおよび誘導体)、抗疥癬剤(例えばペルメスリン)、抗いぼ剤(例えばポドフィロトキシン)並びにこれらの混合物を含む。
【0033】
製薬上許容できる活性成分組成物は、本発明に従って使用される任意の活性成分を含む任意の処方に関する。局所の付与では、製薬組成物は、1つ以上の担体に懸濁または溶解された活性成分を含む好適な軟膏に処方できる。本発明の化合物の局所投与のための担体は、鉱油、液状石油成分、白色石油成分、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水を含むが、これらに限定されない。別に、製薬組成物は、1つ以上の製薬上許容できる担体に懸濁または溶解された活性成分を含む好適なローションまたはクリームに処方できる。好適な担体は、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を含むが、これらに限定されない。例えば、20%ビタミンC組成物は、安定性を促進するために水および他の成分で処方されて、皮膚に局所的に付与される。
【0034】
或る態様では、本明細書の記述に従って、組成物が変色することなく包装に維持されるやり方で、種々の組成物が処方、製造および包装できる。本明細書で使用されるとき、用語「安定」は、組成物が閉じた容器に存在するとき、組成物が、任意の特別な活性成分または活性成分の組み合わせを含む組成物に関する米国薬局方および/または米国FDAガイドラインまたはモノグラフに示された許容度および限界内に維持されることを意味する。任意の特別な活性成分または活性成分の組み合わせを含む組成物に関する米国薬局方および米国FDAガイドラインまたはモノグラフのコレクションの全部は、余りにも膨大なためそれらの全体を本明細書で提供できないが、その代わりそれらの全体を参考として引用する。局所組成物に関して、許容度および限界は、ラベルされた量に関してしばしば提供される。1つの例示として、ヒドロキノンクリームについて、許容できる許容度は、Cのラベルされた量の94.0%以上そして106.0%以下である。他の例示として、トレチノインクリームについて、許容できる許容度は、C2028のラベルされた量の90.0%以上そして130.0%以下である。当業者は、他の活性成分を含む他の組成物に関する許容度および限界を同定することが容易にできる。
【0035】
当業者ならば容易に理解できるだろうが、組成物を貯蔵するのに使用されるコンテナー・ライナー密封システムは、活性成分の安定性に影響する。組成物が、本発明により安定なすべての容器で安定である必要はないことを理解すべきである。少なくとも1つのタイプの容器における安定性は、その用語が本明細書で使用されるとき、組成物を安定にするのに十分である。
【0036】
本発明による1つの特に有用な方法では、クレンザーは、治療されるべき皮膚の域を清浄にし、残存物を拭きとるのに使用される。クレンザーは、清浄にすべき皮膚の域を清浄にするのに好適な量で付与される。次に、トナーが付与され、すりこまれそして放置して乾燥される。トナーは、治療されるべき皮膚の域を調整させるのに好適な量で付与される。活性成分の水溶液は、例えば20%ビタミンC溶液に調製される。溶液は、次に所望の効果をえるのに好適な量で皮膚に付与される。
【0037】
ブレンド用組成物は、また、皮膚に利益をもたらすのに十分な量で活性成分と混合できる。例えば、4%ヒドロキノンを含む市販の水中油型ブレンド用組成物100mgおよび0.1%のトレチノインを含むトレチノインクリーム100mgのプレミックスを、2つの成分を1:1の比で混合することにより調製する。濃度は、皮膚に利益をもたらすようにデザインされた投与量をもたらすのにわずか約30mgのプレミックスされたヒドロキノン/トレチノインが必要であるようなものである。ここでは、活性成分は、ブレンダーの医薬品成分であるヒドロキノンと組み合わされるトレチノインである。
【0038】
本発明による他の特に有用な方法では、クレンザーは、治療されるべき皮膚の域に付与され、そして残存物は拭き取られる。クレンザーは、治療されるべき皮膚の域を清浄にするのに好適な量で付与される。次に、トナーが付与され、すりこまれそして放置して乾燥される。トナーは、治療されるべき皮膚の域を調整するのに好適な量で付与される。ブレンド用組成物および活性成分のプレミックスが調製される。プレミックスを次に所望の効果を得るのに好適な量で皮膚に付与される。
【0039】
随意に、本発明による他の特に有用な方法では、クレンザーは、治療されるべき皮膚の域を清浄にするのに使用されそして残存物を拭き取る。クレンザーは、清浄されるべき皮膚の域を清浄にするのに好適な量で付与される。次に、トナーが付与され、すりこまれそして放置して乾燥される。トナーは、治療されるべき皮膚の域を調整するのに好適な量で付与される。活性成分は予め選択される。活性成分は、次に所望の効果を得るのに好適な量で皮膚に付与される。
当業者が本発明の組成物および方法を実施することを一層良くできるために、以下の実施例が例示の目的で示される。
【実施例1】
【0040】
(ヒトの皮膚におけるトレチノインの局在化)
ヒトの屍体の皮膚におけるトレチノイン処方物の経皮吸収の生体外のテストを行った。このテストでは、0.1%トレチノインを含むトレチノインクリームは、異なる屍体の皮膚のサンプルに付与された。以下の付与のプロトコールは、異なる群のFranzs細胞に使用された。
【0041】
処理A。15mgのトレチノインを1.77cmのヒト屍体皮膚のサンプルに付与された。
処理B。4%ヒドロキノンを含む市販のo/w組成物100mgおよび0.1%のトレチノインを含むトレチノインクリーム100mgのプレミックスを調製した。30mgのプレミックスしたハイドロキノン/トレチノインをサンプルに付与した。
【0042】
処理C。市販のクレンザーを使用してサンプル域を清浄しそして残存物を拭き取った。次に、トナーを付与し、すりこみそして放置して乾燥した。ブレンド用組成物100mgおよび0.1%トレチノインを含むトレチノインクリーム100mgのプレミックスを調製した。30mgのプレミックスしたヒドロキノン/トレチノインをサンプルに付与した。
【0043】
処理AまたはBにおいて、トレチノインの経皮吸収に有意な差はなかった。本発明による処理C(皮膚サンプルが、ブレンド用組成物/トレチノインの混合物の付与前にクレンザーおよびトナーにより予備処理された)では、結果は、他のテストされた処理のすべてと比べたとき、異なる皮膚の層(角質層、真皮、表皮)におけるトレチノインの経皮吸収を有意に増加させることを示した。そのため、特別にデザインされた製品例えばクレンザー、トナーおよびブレンド用組成物/活性成分プレミックスの処理は、個々の製品単独よりも一層良く働く。例えば、処理Cの表皮浸透は、処理Aの表皮浸透より3倍大きい。
【0044】
結果は、また、処理Aでは、活性成分の71.6%が皮膚を通りそして活性成分の19.2%が表皮を通る。処理Bでは、活性成分の66.3%が皮膚を通りそして活性成分の18%が表皮を通る。処理Cでは、活性成分の79.2%が皮膚を通り、活性成分の26.8%が表皮を通る。従って、皮膚のサンプルが、ブレンド用組成物/トレチノインの混合物の付与前にクレンザーおよびトナーにより予備処理されたとき、結果は、異なる皮膚の層(表皮、真皮、角質層および角質層表面)におけるトレチノイン経皮吸収を有意に増加させることを示した。
【0045】
結果。ヒトの皮膚サンプルにおけるトレチノインの局在化を示す結果は、処理A、BおよびCについて以下の表2に示される。
(表2)
処理 表皮 真皮 角質層
A 0.02±0.01 0.21±0.06 0.42±0.16
B 0.03±0.01 0.14±0.06 0.32±0.11
C 0.06±0.02 0.39±0.13 0.51±0.20
【0046】
処理 角質層表面
A 0.34±0.12
B 0.32±0.14
C 0.35±0.16
ただし、nは処理Bの真皮を除いて9であり、処理Bの真皮のnは8である。
【実施例2】
【0047】
ヒトの屍体皮膚におけるビタミンC処方物の経皮吸収の生体外テストを行った。このテストでは、ビタミンC組成物は、異なる屍体の皮膚のサンプルに付与された。以下の付与のプロトコールを、皮膚の細胞の異なる群に使用した。
【0048】
処理A。20%ビタミンC組成物をヒトの屍体皮膚のサンプルに付与した。
処理B。Obagi Nu−Derm(商標)クレンザー、トナーおよび20%ビタミンC組成物(混合物X)を、ヒトの屍体皮膚のサンプルに付与した。
【0049】
処理Bでは、皮膚サンプルは、ビタミンC組成物の付与前にクレンザーおよびトナーにより予備処理されたが、結果は、処理Aに比べたとき、皮膚におけるビタミンCの経皮吸収において有意な増加を示した。従って、クレンザーおよびトナーにより予備処理された皮膚は、ビタミンC活性成分の増加した経皮吸収を示した。
テストの結果は、以下の表3に示される。
【0050】
(表3)
処理 製品 ビタミンC% 表皮中のビタミンC%
A ビタミンC組成物 20 9.8
B 混合物X 20 15.8
【0051】
種々の改変が、本明細書で開示された態様で行われうることを理解するだろう。そのため、上記の記述は、本発明を制限するものではなく、むしろ単なる例示と解釈すべきである。当業者は、請求の範囲の趣旨および範囲内の他の改変を考えることができるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の皮膚に局所的に付与される活性成分の経皮吸収を改善する方法であって、該方法が、
使用者の皮膚にクレンザーを付与し、
クレンザー処理した皮膚にトナーを付与し、
クレンザーおよびトナー処理した皮膚に活性成分を付与することからなり、
活性成分の経皮吸収が未処理の皮膚への活性成分の付与に比べて増加することを特徴とする活性成分の経皮吸収を改善する方法。
【請求項2】
活性成分がトレチノインである請求項1の方法。
【請求項3】
活性成分がビタミンCである請求項1の方法。
【請求項4】
活性成分が、製薬上許容できる組成物中にある請求項1の方法。
【請求項5】
組成物がさらに局所投与用の担体を含む請求項4の方法。
【請求項6】
組成物がローションまたはクリームである請求項4の方法。
【請求項7】
使用者の皮膚に局所的に付与される活性成分の経皮吸収を改善する方法であって、該方法が、
使用者の皮膚にクレンザーを付与し、
クレンザー処理した皮膚にトナーを付与し、
活性成分をブレンド用組成物とプレミックスしてプレミックスを形成し、そして
プレミックスをクレンザーおよびトナー処理した皮膚に付与することからなり、
活性成分の経皮吸収が未処理の皮膚への活性成分またはプレミックスの付与に比べて増加することを特徴とする活性成分の経皮吸収を改善する方法。
【請求項8】
ブレンド用組成物が、酸化に感受性のある活性成分、保存料、キレート化剤、乳化剤、湿潤剤、pH調節剤、抗酸化剤、エモリエント、還元剤および水を含む請求項7の方法。
【請求項9】
保存料が、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、ジアゾリジニル尿素、2,3−イミダゾリジンジオン、イソプロピルパラベン、イソブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ナトリウムブチルパラベン、ソルビン酸またはこれらの組み合わせを含む請求項8の方法。
【請求項10】
キレート化剤が、クエン酸、エデテートジナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、エチドロン酸ナトリウムジヒドロエチルグリシネート、ニトリロ三酢酸またはこれらの組み合わせを含む請求項8の方法。
【請求項11】
乳化剤が、セテアリールアルコール、エトキシル化脂肪族アルコール、PEG−1000モノセチルエーテル、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリオールエステルグリセロールモノステアレート、カリウムステアレート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムセテアリールスルファート、サポニンまたはこれらの組み合わせを含む請求項8の方法。
【請求項12】
湿潤剤が、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、グルコース、マルトース、しょ糖、乳糖、キシリトース、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、パンテノール、ペンタエリスリトール、ヒアルロン酸またはこれらの組み合わせを含む請求項8の方法。
【請求項13】
pH調節剤が、クエン酸、リン酸、乳酸、グリコール酸またはこれらの組み合わせを含む請求項8の方法。
【請求項14】
抗酸化剤が、アスコルビルパルミテート、2,6−ジ第三級ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、トコフェリルアセテート、プロピルガレートまたはこれらの組み合わせを含む請求項8の方法。
【請求項15】
エモリエントが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、液状炭化水素油、液状天然油、液状脂肪族アルコール、液状脂肪酸、液状脂肪酸エステル、液状シリコーン油、ペーストワックスまたはこれらの組み合わせを含む請求項8の方法。
【請求項16】
還元剤が、アスコルビン酸、プロピルガレート、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはこれらの組み合わせを含む請求項8の方法。
【請求項17】
酸化に感受性のある活性成分がヒドロキノンである請求項8の方法。
【請求項18】
活性成分がトレチノインである請求項7の方法。
【請求項19】
プレミックスがローションまたはクリームである請求項7の方法。

【公表番号】特表2008−521918(P2008−521918A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544481(P2007−544481)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/043376
【国際公開番号】WO2006/060515
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(507036681)オーエムピー インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】