説明

皮膚の光学的判定デバイス

本発明は一般的に、例えば、約600nmから900nmの範囲の、少なくとも1つの、好ましくは2つ以上の波長により照射される皮膚領域から後方散乱される放射を解析することにより、メラニンインデックスの様な、1つ以上の皮膚特性が決定される、皮膚科のデバイスと方法に向けられている。多くの実施例では、該放射は導波管を経由して皮膚に結合され、該導波管(例えば、該皮膚との接触用に適合された導波管面)と該皮膚の間の接触を確かめるために光学的センサーが使われる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願はその全体が引用によりここに組み込まれる、2005年9月15日出願の米国特許仮出願第60/717、490号の優先権を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般的に皮膚の様な組織の物理的特性を測定する、診断及び治療用皮膚科デバイスと方法に関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚科デバイスは、欲しない毛髪の除去、皮膚若返り、脈管病変の除去、アクネ治療、脂肪性浮腫、着色病変及び乾癬の治療、入れ墨除去、皮膚及び他のがんの治療、他の様な、種々の皮膚の状態を改善するため使われる。多数のこれらのデバイスは典型的に治療する対象の組織内の発色団をターゲットにする。手順に依って、この様な発色団は、例えば、メラニン、ヘモグロビン、脂質、水又は入れ墨の色素であってもよい。
【0004】
これらのデバイスの最適な使用法は、少なくとも部分的には、適切な治療パラメーターが使われるように、対象の皮膚の着色の精密な識別に依存する。しかしながら、皮膚の種別化の普通使われる方法は、該皮膚内のメラニンの量の様な、関心のある発色団の現実の測定値には基づかないのが一般的である。例えば、非常にフェアな種類(皮膚種類I)から非常にダークな種類(皮膚種類VI)までに及ぶ普通に使われるフィツパトリック皮膚種類スケールは、単に、人間の顔貌と太陽露光への応答に基づいている。加えて、この様な従来の皮膚種別化方法は個人の皮膚の種々の部分での発色団の濃度の変動を考慮しない。例えば、個人の皮膚の種々の部分は、種々のメラニン濃度を示し得るが、フィツパトリックスケールはその個人用に1つの皮膚の種類のみを提供する。この様であるから、この様な従来の皮膚種別化方法の使用は、やけど、傷又は無効な治療の様な治療時の混乱に帰着する。
【0005】
従って、例えば、皮膚メラニン光学密度{エムオーデー(MOD)}、血液含有量、コラーゲン含有量、及び/又は水和の様な人の皮膚の物理的特性を精密で効率的に決定する皮膚科的及び他のデバイスと方法のニーヅが存在する。加えて、家庭用の様に非職業的使用に使われるように、皮膚科的デバイス用の改良された安全機構が必要である。
【特許文献1】米国特許出願公開第10/154,756号明細書、”光学的化粧デバイスの冷却システム”
【特許文献2】米国特許出願公開第11/098、015号明細書、”組織中のEMR処理された小斑の格子を製造する方法、並びにその利用”、(2005年4月1日出願)
【発明の開示】
【0006】
1側面では、本発明は組織の1部分の物理的特性を決定するために皮膚科デバイスを提供するが、該デバイスは少なくとも第1波長を有する放射を発生するよう構成された放射ソース組立体と、該ソースから該組織部分へ該放射を導くためにそのソース組立体に結合された導波管と、を具備しており、該導波管は該組織部分を該放射で照射するよう構成された表面を備える。該デバイスは更に、該導波管に結合され、該ソースからの放射を検出するよう構成された検出器を有しており、該検出器は検出された放射のレベルを示す信号を発生する。該検出器と通信するプロセサーは該信号を処理し、該組織領域の物理的特性を計算する。該検出器は、該組織の部分が該ソースからの放射で照射された後、該ソースからの該放射を検出するよう構成される。
【0007】
関連する側面では、該皮膚特性は、例えば、メラニンインデックス、コラーゲン含有量、乱反射性又は紅斑測定値の何れであってもよい。
【0008】
もう1つの側面では、該放射ソース組立体は2つ以上の放射ソースを有してもよい。例えば、第1放射ソースは第1(又は第1波長バンド)波長を有する放射を作り、第2放射ソースは第2波長(又は第2波長バンド)を有する放射を作ってもよい。代わりに、該放射ソース組立体は1つの放射ソースを有してもよい。該放射ソースは1つより多い波長の放射を作り(すなわち、第1波長の放射と第2波長の放射も)、或いは放射ソース組立体は2つ以上又は、3つ以上の波長を有する放射を発生するよう構成されてもよい。該第1及び/又は第2波長は約350nmから約1200nmの範囲から、又は約600nmから約900nmの範囲から選択されてもよい。或る実施例では該放射ソース組立体は、発光ダイオード(LED)、バイカラーLED、同調可能な放射ソース、及び/又はレーザー放射ソース、の少なくとも1つを有してもよい。ここで使われる用語”波長”は、光源の性質により、単色光に必ずしも限定されないのみならず、波長のライン又はバンドを規定してもよい。
【0009】
もう1つの側面では、該デバイスは更に、光学的導波管の面が皮膚と接触しているかどうかを示す接触センサーを含んでもよい。例によれば、該接触センサーは該ソースにより発生される波長の放射のレベルを検出するよう構成されてもよい。該放射ソース組立体が2つ以上の波長を有する放射を発生するよう構成される或る実施例では、該接触センサーはそれらの波長の2つ以上で該放射のレベルを検出するよう構成されてもよい。
【0010】
関連する側面で、上記デバイスでは、該接触センサーは、該導波管の面が組織と接触していないことを示す信号を該プロセサーに送るよう構成されてもよい。例えば、該接触センサーは、該接触センサーが検出された放射レベルがしきい値の下又は上にあることを検出した時、信号を送ってもよい。該接触センサーは境界に沿って導波管に光学的に結合され、該導波管は、該表面が組織と接触しない時、その境界に沿って該放射を全反射するよう構成される。代わりに、該接触センサーは境界に沿って導波管に光学的に結合され、該導波管は、該表面が組織と接触しない時、その境界に沿って該放射を全反射しないよう構成される。
【0011】
もう1つの側面では、該接触センサーは、該導波管の面が組織と接触することを示す信号を該プロセサーへ送るよう構成されてもよい。例えば、該接触センサーは、検出された放射レベルがしきい値の上又は下にあることを検出出来る。該接触センサーは境界に沿って該導波管に光学的に結合され、該導波管は、該表面が組織と接触する時、その境界に沿って該放射を全反射しないよう構成される。代わりに、該接触センサーは境界に沿って導波管に光学的に結合され、該導波管は、該表面が組織と接触する時、その境界に沿って該放射を全反射するよう構成される。
【0012】
もう1つの側面では、該デバイスは更に2つの偏光子を有し、該偏光子の1つは該放射ソース組立体からの第1ポラリテイの放射をフイルターするよう構成され、もう1つは該接触センサーに入る及び/又は該検出器に入る第2ポラリテイの放射をフイルターするよう構成されてもよい。該デバイスは該接触センサーと導波管の間及び/又は該導波管と該検出器の間に配置されたフイルターを有してもよい。
【0013】
もう1つの側面では、該デバイスは更に該放射ソース組立体に結合された制御器を有してもよい。該制御器は種々の時刻に種々の導波管の放射を作るよう該放射ソース組立体を賦活するよう構成されてもよい。
【0014】
もう1つの側面では、該導波管は約1.4から約2.5の範囲の屈折率を有する材料で形成されてもよい。或る実施例では、該導波管は光フアイバーである。該デバイスは更に該ソース組立体に結合された少なくとも1つの追加の導波管を有してもよい。或る場合は、その追加の導波管は光フアイバーとしてもよい。
【0015】
もう1つの側面では、本発明は組織の1部分の物理的特性を決定する皮膚科デバイスを開示するが、該デバイスは第1及び第2波長を有する放射を発生するよう構成された放射ソース組立体と、該ソースからの放射を該組織の部分へ導くために該ソース組立体に結合され、該放射でその組織部分を照射するよう構成された面を有する導波管と、を備える。該導波管面は該組織と接触するよう適合され、皮膚接触を欠くと、それへの側壁により反射される放射の全反射により放射の透過を禁じてもよい。該デバイスは更に、該導波管に結合され、該ソースからの放射を検出するよう構成された検出器を有しており、該検出器は検出された放射のレベルを示す信号を発生する。該検出器は、該組織の部分が該ソースからの放射で照射された後、該ソースからの該放射を検出するよう構成される。該検出器と通信するプロセサーが該信号を処理し、該組織部分(例えば、皮膚部分)の物理的特性を計算する。換言すれば、該プロセサーは該検出器出力に基づき組織(例えば、皮膚)特性を決定してもよい。
【0016】
関連する側面で、上記デバイスでは、境界に沿って導波管に光学的に結合され接触センサーは、前記導波管面が該組織と接触しているかどうかを決定するために、その境界を通して透過される放射のレベルを検出するよう構成されてもよい。
【0017】
関連する側面では、該第1及び第2波長は約300nmから約1200nm、約600nmから約900nm、又は約630nmから約730nmの範囲にあってもよい。例えば、第1波長は約645nm、又は約700nmであってもよい。或る実施例では、第1波長は約645nm、そして第2波長は約700nmである。
【0018】
もう1つの関連する側面では、該デバイスは更に該センサー及び該ソースと通信するフィードバック機構を有してもよく、該フィードバック機構は、該センサーが該導波管と該ソースの間の光学的接触の欠落を示す時は、該ソースの賦活を禁ずることが出来て、該センサーが光学的接触を示す時は、該ソースを賦活することが出来る。
【0019】
もう1つの側面では、本発明は、少なくとも1つの放射ソースと、該ソースから皮膚へ放射を透過させるために該放射ソースに光学的に結合された導波管と、を備え、該導波管が2つの相対する面と該面間に延びる側壁とを有する、皮膚科デバイスを提供する。該デバイスは更に、該ソース放射により照射される皮膚領域から後方散乱される放射の少なくとも1部分を検出するために該導波管に結合された検出器と、該側壁に光学的に結合された光学的接触センサーと、を有しており、該センサーは該側壁を通して洩れる後方散乱された放射の検出に基づき、該導波管が該皮膚と接触しているかどうかを決定する。
【0020】
なおもう1つの側面では、放射ソース組立体と、該放射ソース組立体から放射を受けるよう適合された近位の端部と放射を組織へ透過させるよう適合された遠位の端部とを有する第1導波管と、該第1導波管から後方散乱された放射を受けるよう適合された遠位の端部と該後方散乱された放射を透過させるよう適合された近位の端部とを有する第2導波管と、を具備する皮膚科デバイスが開示される。該デバイスは更に、該第2導波管に光学的に結合され、組織の物理的特性を測定するよう構成された検出器と、該検出器と電気的に結合され、該後方散乱された放射に対応する該検出器からの信号を受信するよう構成されたプロセサーと、を具備する。該プロセサーは、検出される該後方散乱された放射に基づき該組織の物理的特性を決定するよう構成される。該デバイスは更に、ビームスプリッターの様な、該近位の端部から出る該後方散乱された放射を該検出器に結合する手段を具備する。該放射ソース組立体は、約350nmから約1200nm、又は約600nmから約900nmの範囲の2つ以上の波長で放射を発生することが出来る。該デバイスは更に、光フアイバーの様な、追加の導波管を具備してもよい。
【0021】
もう1つの側面では、本発明は、少なくとも1つの放射ソースと、近位の端部で該ソースからの放射を受信し遠位の端部で皮膚領域に該放射を印加する光フアイバーと、照射された領域から皮膚セグメントにより分離されたもう1つの領域で、そのセグメントを透過後に該印加した放射の少なくとも1部分を受けるよう、遠位の端部で皮膚に結合されたもう1つの光フアイバーと、該もう1つのフアイバーの近位の端部に光学的に結合され、そのフアイバーにより受信された該透過放射の少なくとも1部分を検出する検出器であるが、該検出器は該受信された放射の強度を示す信号を発生する該検出器と、そして皮膚特性を決定するため該検出器信号で演算するプロセサーと、を具備する皮膚科デバイスを提供する。
【0022】
もう1つの側面では、導波管からの第1及び第2波長の放射を組織に印加する過程と、該組織から後方散乱する該第1及び第2波長の放射の少なくとも1部分を検出する過程と、該後方散乱した放射の強度を示す少なくとも1つの信号を発生する過程と、該皮膚領域の特性を計算するために該少なくとも1つの信号を処理する過程と、を具備する組織の特性を決定する方法が開示される。放射を印加する過程は更に、約350nmから約1200nmの範囲から選択された、又は約600nmから約900nmの範囲の、複数の波長の放射を該皮膚に印加する過程を具備する。加えて、該導波管と該皮膚領域の間の光学的接触が検出される。該導波管の組織との接触は後方散乱する放射のレベルを検出することにより探知される。該方法は更に、該検出器による周囲放射の検出を防止するために該周囲放射を減じる過程を有する。或る実施例では、該方法は更に検出の前に第1ポラリテイを有する放射を減じる過程と、第2ポラリテイを有する放射を検出する過程を具備する。
【実施例1】
【0023】
本発明は一般的に、少なくとも1つの波長、そして好ましくは2つ以上の波長での、その照射に応答して皮膚により散乱された放射を分析することにより該皮膚の1つ以上の特性を決定する、診断及び/又は治療用の皮膚科他のデバイスのみならず、診断及び治療用の方法にも関する。換言すれば、本発明は、デバイスからの放射が通って皮膚へ透過される導波管又は治療窓の様な、光学素子が該皮膚と接触しているかどうかを決定する光学的センサーを提供する。
【0024】
図1Aは本発明の1実施例の例示用皮膚科デバイス1の断面図を略図で描くが、該デバイスは組織の物理的特性、この特定の実施例では人の皮膚のメラニン光学密度(”エムオーデー”)を測定する。デバイス1は、該物理的特性の2つの独立した測定を提供するのに充分な程分かれるよう選択された、異なる波長を有する放射を発生する2つの光源2A及び2Bを有する。応用により、種々の波長が使われ得る。この場合、エムオーデーの測定用に、多くの異なる波長が選択され得て、該波長は好ましくは約600nmから約900nmの範囲にあるのがよいが、尤も他の範囲の波長が使われてもよい。用語”光(light)”及び”放射”は、望ましいスペクトル範囲内の電磁放射を呼ぶためにここでは交換可能な様に使われている。他に指定が無ければ、これらの用語は例として使われ、音響エネルギー、超音波、マイクロ波、赤外線、可視光そして他の電磁放射を含めて、応用に依り、他の形式の放射的エネルギーが使われてもよいことは理解されるべきである。
【0025】
一般的に、波長の分離は、それらの波長で皮膚発色団(例えば、メラニン)から充分差のある応答を引き出すよう選択されるが、それは該皮膚内のその発色団の濃度の精密な測定を可能にするためである。例として、この実施例では、ソース2Aは約645nmの波長の放射を発生し、一方ソース2Bは約700nmの波長の放射を発生する。波長のこの選択は、それが、血液又は水の様な、他の皮膚成分からの光学的妨害を最小にしながら、メラニンとの適当な差のある応答を提供するので、該皮膚メラニン含有量を測定するのに特に好適である。
【0026】
種々のコヒーレント又はインコヒーレント放射ソースがソース2A及び2Bとして使われてもよい。例えば、或る実施例では、ソース2A及び2Bは発光ダイオード(LED)を有し、一方他の実施例では、それらはレーザーダイオード、ランプ他を有する。なお他の実施例では、例えば、インコヒーレントソースからの光を1つ以上のフイルターを通すことにより、1つのソースが両波長の光を作るために使われる。同様に、1つのソースが、放射の1つ以上のバンドに亘る放射を提供し、該バンド内の望ましい波長がそれらの波長に敏感なセンサーを使って検出されながら、使われてもよい。
【0027】
この例示用の実施例でのLEDの使用は多数の利点を提供する。例えば、LEDは典型的に低コスト、コンパクトそして高信頼性の放射ソースである。更に、それらの光出力は精密に制御、変調され得る。加えて、それらの出力放射ビームのプロフアイルは、例えば、モールドされたレンズを使うことにより制御され得る。しかしながら、何等かの他の適当な放射ソースも使われ得ることは理解されるべきである。
【0028】
光源2A及び2Bは、各源により発生される光の少なくとも1部分が対象の皮膚への透過用の導波管に入るよう、その頂面5Aを経由して導波管5に光学的に結合される。導波管は光学の技術で公知であり、一般に、何等かの光学的に透過性の媒体を呼び、該媒体は該媒体を通る第1場所から第2場所への光学的通路を提供する。下記で詳細に論じられる様に、該導波管に入る放射は該導波管によりその面5Bへ透過させられるが、該面を通して該放射は、その面が皮膚と接触している時、皮膚領域6へ透過させられる。該皮膚を照射する放射の1部分は、該皮膚面により正反射的に反射され、もう1部分は該皮膚に入る。
【0029】
皮膚は混濁した媒体なので、皮膚に入る放射は、該放射の幾らかが導波管内へ戻る再突入に帰着する(すなわち、該放射の幾らかは該導波管内へ後方散乱される)、多数の散乱及び/又は反射イベントを経る。該導波管5は、関心のある皮膚セグメントの実質的に均一な照射を可能にするために、光学的積分球と同様に有利に機能し、該後方散乱された放射の検出器10との結合を実現する。該検出器10は、該導波管の面5Bを経由して皮膚から導波管に結合される該後方散乱する放射の少なくとも1部分を受けるよう、該導波管の面5Aに光学的に結合される。該後方散乱された放射の少なくとも1部分は該検出器により検出されるよう、面5Aを通して該導波管から結合される。当該技術で公知の種々の光学的放射検出器が使われてもよい。この様な検出器の例は、シリアル番号56865−01としてハマツ(Hamatsu)により市販される商業的に入手可能な検出器を含む。
【0030】
この様であるから、該導波管は該デバイスと該皮膚の間の繰り返し可能な光学的結合を可能にする。下記で更に詳細に論じられる様に、該デバイスと該皮膚の間の乏しい結合は光の結合、透過及び拡散の劇的変化により不精密な測定に導き得る。更に、デバイス1で、該導波管媒体は、エムオーデーの望ましい測定値を達成するよう、下記で詳細に論じる様に、全反射の概念を利用するために、空気と充分異なる屈折率を有する、物質、この場合は、サファイヤ又は、溶融シリカ又はガラスの様な、他の適当な媒体である。しかしながら、下記で説明する追加の実施例で明らかである様に、空気のそれに近い屈折率を有する物質を含む他の媒体、又は空気自身が、導波管として使われてもよい。例えば、空気の様な流体を含む、又は液体を保持するよう構成された中空の反射管が或る実施例で導波管として使われ得る。
【0031】
デバイス1は更に偏光子3及び4を備えており、それらは、それぞれ光源2A及び2Bと該導波管5の面5Aとの間に置かれた平行偏波軸線を有する。偏光子3及び4に付随する軸線と直角な偏波軸線を有するもう1つの偏光子7が、検出器10と該導波管5の面5Aとの間に置かれる。該偏光子3,4及び7の目的は、該組織の面及び他の面から反射され、従って該組織内に貫入しない光を取り除くことである。この偏光子の配置は、種々のインターフエース(例えば、導波管/空気、導波管/皮膚、空気/皮膚、或いは(皮膚にローションが付けられる場合に)導波管/ローション、空気/ローション)から正反射的に反射される放射が、検出器10に達することを実質的に禁じられることを保証する。この様な正反射的に反射される放射は、ソースからの偏波された放射のそれと同じ(又は少なくとも実質的に同じ)偏波を有し、従って該検出器と結合された直交偏光子により阻止される。この偏光子の配置の使用は、皮膚表面から正反射的に反射される放射が検出器に達することを防止する点で特に有利である。該正反射的に反射される放射は皮膚に貫入せず、従って関心のある皮膚色素に関し何等情報を有しないのが典型的である。その検出器10からの阻止は測定の精度を増す。対照的に、関心のある皮膚色素に関する情報は、該皮膚の真皮層により乱反射的に後方散乱される光により主として担われる。この乱反射的に散乱される光はランダムな偏波を示すので、正反射的に反射される光と反対の偏波を有する光の部分が、該偏光子7を通過出来て検出器10により検出される。かくして、検出器10に達する光は、測定される物理的特性、この場合は、組織のエムオーデー、に関する情報を提供する光が主である。
【0032】
加えて、デバイス1は偏光子7と検出器10の間にスペクトルフイルター8を有する。このフイルターはソース2A及び2Bにより放射される望ましい波長を通すが、放射ノイズの他のソース(例えば、周囲光や、治療ソースからの放射)を濾し出し、それにより該デバイスの測定感度を高める。
【0033】
続いて図1Aを参照すると、該デバイス1は更に光学的接触センサー11を備えるが、該センサーは放射検出器11A及びフイルター9を有し、該フイルターは、該導波管(特に、該放射が皮膚に透過される該導波管の面5B)と皮膚の間の接触を検出するために、1つの側で、検出器11aと、そしてその側壁5C(面5A及び5Bの間に延びている)を介して導波管5と、光学的に結合されている。ここで使われる時、用語”接触”及び”光学的接触”は、物理的接触のみならず、予め決められたしきい値を上回る該センサーによる信号の検出に帰着する様な、導波管面と皮膚の間の充分な近接も、呼称している。
【0034】
特に、検出器11は面5Bを通って導波管に入り、側壁5Cを通して該導波管を出る放射の部分を検出する。面5Bと皮膚面の間の光学的結合が乏しい(例えば、その面と皮膚の間に相当なエアギャップがある時)と、側壁5Cから漏れる放射の量は低く、かくして検出器11は低い信号を検出する。面5Bと皮膚の間の光学的結合が良い(例えば、面5Bと組織6の間に少ししか、又は全くギャップが無い時、又は該組織6と面5Bの間で充分な接触が達成された時)と、側壁5Cから漏れる放射の量は相当に増え、かくして検出器11は高い信号を検出する。
【0035】
該2つの信号の差は、該導波管と空気の屈折率の差による光の全反射のためである。該導波管は、空気のそれより著しく大きい屈折率を有し、近似的に、それぞれ1.45対1である。かくして、動作時、ソース2A及び2Bから放射される放射の大部分は面5Bを経由して該導波管を出て、ほんの小部分が内部で反射され、その反射された放射のほんの小部分が側壁5Cを出る。面5Bが組織6に向かうよう配向されると、放射される光の幾らかは該デバイスの方へ戻るよう反射される。しかしながら、屈折率の差は、本質的に光が面5Cから出ないように、実質的に全ての該光に次に全反射させる角度で、導波管5内への再突入時に該光を屈折させる。
【0036】
該デバイスが該組織に触れると、実質的により多くの光が再度導波管5に入り、面5Cを通過する。かくして、検出器11は次いで著しくもっと多くの量の光を検出し、それにより接触が行われたこと(又は、該デバイスがエムオーデーの読み値を得るのに充分に近く位置付けられたこと)を示す。センサー11の検出器11Aは、その検出信号が予め規定されたしきい値を越えた時、該導波管と皮膚の間の光学的接触の存在を示し、そしてそれは該検出信号がそのしきい値より小さい時該導波管と該皮膚の間の欠けた(又は乏しい)光学的接触を示す。
【0037】
原理が図1F及び1Gで図解される。図1Fは導波管5が組織に接触してない条件を示す。かくして、光線a、b及びcが導波管に入る前に通過する媒体は空気であり、それは近似的に1の屈折率を有する(n=1)、一方導波管の屈折率は近似的に1.45である。かくして、下記でもっと数学的に詳細に示される様に、43.6度(面5cから延びる法線に対し測られた臨界角)より大きい角度で導波管/空気の境界に当たる該導波管内を進むどんな光線も全反射される。しかしながら、図1Fで図解される様に、該導波管に再度入る全放射は、面5cに対し該臨界角より大きい角度で屈折されるであろう。例えば、空気/導波管境界に法線方向である光線aは直線であり面5cに平行に進む。光線bは、面5bに対する法線から46.4度の入射角で空気/導波管境界に当たるが、面5cに対しより急峻な角度で屈折され、全反射される。同様に、該空気/導波管境界に平行に近い光線cも、面5cへの法線に対し43.6度の臨界角より僅かに大きい角度へ屈折される。かくして光線cも全反射される。
【0038】
図1Gで示される、導波管5が組織6に接触している場合、z(46.4度)より大きい入射角で組織/導波管境界に当たるどんな光も面5cで全反射されない。この例では、該組織と導波管の屈折率は近似的に同じである(n=1.45)。従って、光は著しくは屈折されず、本質的に直線で進み続ける。近似的に角度zより大きい入射角を有するどんな放射も全反射されない。図1Gに示す様に、光線cとdは全反射されない。臨界角y(43.6度)の面5cへの入射角を有する光線bは全反射される。43.6度より小さい角度で入射するどんな光線も全反射されない。43.6度より大きいどんな入射光線も全反射される。
【0039】
勿論、限定はしないが、逆が真であり、すなわち接触が行われるまでその光が全反射され、かくして、接触が行われる時検出される光のレベルを著しく降下させる実施例を含めて、多くの他の実施例が可能である。かくして、光レベルが規定されたしきい値の下に降下すると、接触が合図されてもよい。加えて、組織のそれにマッチした、又は殆どマッチした屈折率を有する導波管を使うことが好ましいが、それは不可欠ではない。マッチしない屈折率を有する代わりの実施例が設計されてもよい。皮膚面上で使われる実施例については、ソース2A及び2Bから皮膚への放射の伝達を容易化するローションを使うことは、不可欠ではないが好ましく、皮膚の屈折率にマッチした又は殆どマッチした屈折率を有するローションを使うことがより好ましい。他の組織、特に、光又は他の放射の伝達を容易化する自然の湿気で既にコートされた口腔のそれらの様な組織、はローションを要しない。
【0040】
図1B及び1Cを参照すると、光学的センサー11の機能は2つの場合の全反射の幾何学を詳細に考慮することにより更に理解することが出来るが、2つの場合とは、導波管5が皮膚と接触しない場合(図1Bはエアギャップが導波管の面5Bと皮膚とを分離することを示している)と、導波管が皮膚と充分に接触する場合(図1C)とである。第1の場合に、該導波管を通過する該ソースからの放射の部分は該導波管/空気のインターフエースにより正反射的に反射され、もう1つの部分は該エアギャップに入り、通過して皮膚に当たる。皮膚により、反射される及び/又は導波管の方へ戻るよう散乱される放射光線は、該エアギャップを通過し、そして該導波管の面5Bに当たる。幾らかの光は該導波管に入るが、大抵の場合側壁5Cでの全反射に帰着する角度(再び導波管−空気インターフエースでの屈折により)で該導波管に入る。
【0041】
面5bが空気中にある時、面5cに入射する光線Aの入射角(ψ)は、下記関係で指示される様に、全反射が起こる最小角度以上であり、
ψ≧arcsin(n/n) 式(1)
ここで
は該導波管を囲む媒体(例えば、空気)の屈折率を示し、そして
は該導波管を形成する材料の屈折率を示す。
【0042】
対照的に、面5Bが皮膚に接触する時(図1C)、該導波管に入る後方散乱された放射光線は、相当な数のそれらの光線が該導波管を離れセンサーに達することが出来る角度で該側壁に当たる。
【0043】
多くの実施例では、該センサーの性能を最適化するために、該導波管を形成する材料の屈折率は空気の屈折率と著しく異なるよう選択される。好ましくは、該導波管を形成する材料は、皮膚のそれ(近似的にはn=1.45)に近い屈折率を示すのがよい。本実施例では、該導波管は約1.45の屈折率を有する溶融シリカで作られる。他の実施例では、異なる媒体、例えば、約1.7の屈折率を有するサフアイヤが使われてもよい。
【0044】
更に、図1Dで略図で示される様に、検出器11は、該検出器の視野に対応する立体角で中心光線Aが側壁5Cに対し約30度の角度θを形成するように、導波管の側壁に対し置かれるのが好ましい。他の角度も可能であり、導波管の材料、関与する組織(皮膚、口の組織、及び他の組織)、及び該導波管と該組織の間の材料(空気、水、血液、他)を含む、関与する材料の物理特性に依り変化するであろう。各々は種々の屈折率を有し、かくして該検出器11Aの最適角度用の種々の値に帰着する。或るこの様な実施例では、その面(例えば、図1Aの面5c)上に直角の溶融シリカプリズムの様な追加のプリズムを有するのが好ましい。
【0045】
図1Aを参照すると、デバイス1は更に光学的センサー11、検出器10のみならずソース2A及び2Bとも通信するフィードバック機構12を有する。該フィードバックシステム12は、該光学的センサーが導波管(例えば、この実施例で、導波管の面5B)と皮膚の間に全く又は乏しくしか光学的接触が無いことを示す時、検出器10からの出力信号を無視する。動作時、しかしながら、ソース2A及び2Bは接触について、連続してチェックされるか、又は規則的間隔でチェックに携わる。(或る実施例では、皮膚の物理的特性を測定する放射を提供するソース又は複数ソースは、治療又は診断の様な他の目的用に追加の放射を提供してもよい。この様な実施例では、該フィードバックシステムは、接触の検出に依り、他の放射が適切な時刻に提供されることを保証するよう該ソース又は複数ソースを制御する。)
【0046】
特に、この実施例では、フィードバックシステム12は、センサーの検出器11の出力信号を受けるプロセサー12Aを有する。該プロセサーは、導波管の面5Bと皮膚の間に適切な光学的接触があるかどうかを決定するために、該検出器の出力信号を予め規定されたしきい値と比較する(該しきい値より小さい検出器信号は該導波管と皮膚の間に光学的接触が無いこと示す)。もし、該センサの検出器の出力信号が該しきい値より小さければ、該プロセサーは検出器10の出力を無視するか、又は代わりに、組織の物理的特性の測定又は組織の治療が提供されないよう該デバイスの動作を禁じてもよい。例えば、この実施例では、プロセサー12Aは、翻って検出器10の出力を無視する制御信号をスイッチ用ユニット12Bへ送ってもよい。ソース2A及び2Bは、それらが、該システムが組織と接触しているかどうかを決定するために検出器11Aにより検出される放射を提供するので、常に従事している(連続してか又は周期的に)。(代わりに、検出器11Aにより検出される放射を提供する別の光源が提供され、それにより組織の物理的特性を測定する時だけソース2A及び2Bが従事することを可能にしてもよい。)
【0047】
下記でより詳細に論じられる様に、又該プロセサー12Aは関心のある皮膚特性を決定するために検出器10から受けた出力信号で演算する。他の実施例では、該センサー11はそれ自身の専用プロセサーを有しており、該プロセサーは、該導波管が皮膚と接触しているか、接触していないかを決定するため該センサーの検出器11Aの出力信号で演算し、その情報を該フィードバックシステム12へ送る。
【0048】
図1Aを続けて参照すると、上記で言及した様に、又該プロセサー12Aは、皮膚中のメラニンの濃度の様な、関心のある皮膚特性を決定するために、ソース2A及び2Bにより発生された放射により照射された皮膚からの後方散乱された放射の検出に応答して、検出器10により発生された信号を解析することが出来る。ここで使われる用語”後方散乱された”は、反射及び/又は散乱イベントを介して照射された皮膚から導波管へ戻る放射を呼ぶ。
【0049】
例に依れば、デバイス1は皮膚セグメント内のメラニン濃度を決定するために下記の仕方で使われ得る。例えば、ソース2A及び2Bは、光学的センサー11が該導波管の面5Bと皮膚の間の光学的接触を検出した後、該導波管と接触している皮膚セグメントを照射するよう順次賦活され得る。該ソースは種々の時間インターバルで645nmと700nmの波長の放射を提供出来る。皮膚を照射する放射の部分は皮膚に貫入し、表皮を通過し、真皮/表皮の接合部(DE接合部)を通る通路を経由して真皮に達する。該皮膚は混濁した媒体なので、該皮膚に入った放射は、特に真皮層内で、多くの散乱及び/又は反射イベントを経る。該放射の幾らかは、特にそれが、この例で該メラニン濃度が高い、該真皮/表皮接合部を通過時、メラニンにより吸収される。多数の散乱/反射イベントは幾らかの該放射を該皮膚から導波管に戻り結合されさせる。
【0050】
メラニンの吸収特性のために、もし該皮膚が比較的低い量のメラニンを含むならば、比較的高レベルの光が導波管5へ後方散乱される。逆に、もし該皮膚が比較的高い量のメラニンを含むならば、比較的低レベルの光が導波管5へ後方散乱される。該皮膚に入る放射のメラニンとの相互作用の結果として、該導波管内へ後方散乱される放射は、従って、エムオーデーに関する情報を担っている。
【0051】
例に依りそして何等特定の理論に限定されることなく、この実施例で使われる2つの照射波長の各々で皮膚から導波管内へ後方散乱される放射の強度は下記関係で特徴付けられ、
【0052】
【数1】

【0053】
ここで
【0054】
【数2】

【0055】
は波長λの放射で照射された皮膚領域からの乱反射的反射率(後方散乱される放射強度)を示し、
κは、例えば、照射する放射の強度のみならず該放射の皮膚内への結合に付随する幾何学的要因にも依存してよい比例定数であり、
λは照射波長λでの皮膚を通る透過係数であり、メラニン濃度に左右される、そして
dermisは真皮からの乱反射的反射率を表す。
該透過係数Tλは、メラニンが該放射の幾らかを吸収出来るので、照射された皮膚領域のメラニン濃度に左右される。従って、
【0056】
【数3】

【0057】
はメラニン濃度に関する情報を担っている。この例示した実施例では、放射の血液との相互作用が最小となることを保証するために該放射波長は約600nmから約900nmの範囲内で選択された。この様であるから、上記式(2)は血液の寄与を考慮してない。
【0058】
照射波長(λ)で照射された皮膚の見掛けの光学密度(ODλ)は下記関係から決定される。
【0059】
【数4】

【0060】
上記透過係数Tλは波長λに於けるメラニン光学密度(
【0061】
【数5】

【0062】
と呼ばれる)に比例するので、式(3)は下記の仕方に書き直される。
【0063】
【数6】

【0064】
約600nmから約900nmの範囲の放射波長の選択は、Tλが波長依存でありながら、Rdermisは照射波長から実質的に独立していることを保証する。この様であるから、2つの波長での見掛けの光学密度(ODλ)間の差、もっと一般的には約600nmから約900nmのスペクトル範囲での見掛けの光学密度の勾配はメラニン濃度に比例する。例えば、メラニンインデックス(M)は下記の仕方で規定される。
【0065】
【数7】

【0066】
例としては、多くの実施例で、プロセサー12Aは、皮膚から乱反射的に反射される(後方散乱される)放射の検出強度に基づき該メラニン光学密度を計算するために上記数学的関係を使っている。
【0067】
図解により、そして皮膚メラニン光学密度の測定用の本発明のシステムと方法の有効性を示す目的だけで、本発明の開示によりプロトタイプデバイスが作られた。多数の対象についてそのデバイスにより行われたメラニン測定値の、同じ対象についての2、3の従来のデバイスにより行われた対応する測定値との比較は、該プロトタイプデバイスが向上した性能、特に著しく良い測定値再現性を提供することを示した。該プロトタイプデバイス内で使用された2つのLEDsの放射スペクトルは図2で示される。1つのLEDは約645nmの波長で最大放射輝度を示すが、もう1つのLEDは約700nmの波長で最大放射輝度を有する。図3は、種々の時間インターバルで該LEDsをトリガーするのに応答するメラニン濃度(図では”色素計信号”と呼ばれる)を決定するために後方散乱された放射を測定する検出器により発生された生信号である。該生データは該メラニンインデックスに到達するために、例えば、上記で論じられた仕方で解析され得る。
【0068】
更に進んだ図解によれば、使用波長がそれぞれ660nmと910nmであり、上記議論のプロトタイプと同様なもう1つのデバイスでは、皮膚に対するそれのチルトの関数として該デバイスの感度が図4で示され、該デバイスと皮膚の間のエアギャップの厚さの関数として該デバイスの感度が図5で示される。該データは単に図解目的用として提示され、必ずしも本発明のデバイスにより得られる光学的信号強度を示すよう意図されてないことは理解されるべきである。多くの他の実施例が可能であり、提供されたデータは、テストされ、デバイス1に関連して説明された実施例と設計が同様である該プロトタイプデバイスに特定的である。
【0069】
上記実施例では、その各々が異なる波長で放射を発生する2つのソースが使われるが、或る他の実施例では、2つ以上の異なる波長で放射を発生する1つのソースが使われることが可能である。エムオーデーを測定するために、該ソースは好ましくは約600nmから約900nmの範囲の放射を発射するのがよい。例に依れば、図6に略図で示す様に、皮膚科デバイス13は、2つ以上の波長で放射を発生出来る1つの放射ソース14,例えば、約600nmと約900nmの範囲内で2つ以上の波長で放射を発生出来るバイカラー発光ダイオード(バイカラーLED)、を有する。再び、波長645及び700は好ましいと考えられるが、多くの他の波長の組み合わせも可能である。
【0070】
デバイス13は更に、関心のあるカラーを発生するようプロセサー15aに該バイカラーLED14を駆動させる制御ユニット15を有する。例えば、該制御ユニットは、関心のある皮膚領域を照射するために種々の時間的間隔で種々の波長を該LEDに発生させることが出来る。特に、前の実施例と同様に、該LED14により発生される放射は偏光子3を通る通路を経由して導波管5と光学的に結合される。該導波管5は組織6,この場合は人の皮膚、に該放射を透過させる。フイルター8と偏光子7を経由して導波管5に光学的に結合される検出器10は、照射された皮膚から乱反射的に後方へ反射される(後方散乱される)放射の少なくとも1部分を受ける。前の実施例の様に、検出器10は、正反射的に反射される放射、特に、照射された皮膚の表面での正反射的反射の、検出器10による検出を抑制する、好ましくは、除去するために、該偏光子3のそれに直交する偏波軸線を有する偏光子7と結合される。更に、該フイルター8は、例えば、人工的周囲照明ユニットによる、周囲放射ノイズが、該検出器10に達するのを防止する。
【0071】
プロセサー15aは、2つ以上の波長での皮膚の照射に応答して、該検出器10により発生される出力信号を受信し、該エムオーデーの様な皮膚の物理的特性を決定するために、それらの信号を、例えば、上記で論じた仕方で、解析する。更に、前の実施例の様に、デバイス13はフイルター9に光学的結合された検出器11aを有する光学的センサー11を備えており、該検出器は図1Aに関連して説明した様に、検出器11とこれ又同様な仕方で、該導波管が皮膚と接触しているかどうかを決定出来る。
【0072】
本発明の開示によるデバイスの実施例は、上記で論じたそれらに限定されない。例えば、図7Aは放射ソース17を有する、本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイス16を略図で描くが、該ソースの放射はプリズム18を介して導波管19に結合される。前の実施例と同様に、偏光子3はソース17に結合され、該ソース放射を偏波させる。(多くの材料が可能であるが、この実施例のプリズムはCaFで作られる。)該導波管19は反射性側壁19aを有し、該側壁は該導波管に入る放射を、皮膚と接触するよう適合された導波管面19Bへ反射させる。該導波管19は例えば、皮膚のそれに近いのが好ましい屈折率を有する、溶融シリカの様な、材料で形成されたブロックであってもよく、反射性側壁は、例えば、導波管面上に反射性材料(銀の様な)をコートすることにより、形成されてもよい。この実施例では、該ソース17と該プリズム18は導波管に対して、該導波管に入る放射光線が側壁19aにより組織6へ反射されるように、位置付けられる。該反射放射は、該面19Bと該皮膚の間の光学的接触を欠くと、それらの光線の全反射(TIR)に帰着する入射角(AOI)で、面19Bの該皮膚/導波管インターフエースに当たり、かくして図7Bで略図で示される様に、該光線が該導波管を離れるのを防止する。例えば、該面に当たる光線の入射角は、それらの光線の全反射を保証するために、該導波管/空気インターフエース(上記式1参照)でテーアイアールを引き起こすに必要な最小角より大きい。
【0073】
対照的に、導波管の面19Bが皮膚と光学的に接触していると(図7A)、該側壁19aにより反射される光線は面19Bを通過し、皮膚に入る。(該導波管/皮膚インターフエースはそれらの光線の全反射を引き起こさない)。該テーアイアールの使用は追加の安全機構を提供するが、該機構は、該導波管が該皮膚と接触している時だけ、放射が該導波管を通して外部環境へ放射されることを保証することにより、該導波管に結合された放射への不注意な露光を防止する(例えば、ユーザーの眼の露光)。又それは、それがテーアイアールの原理を2回使うので、該接触センサーの感度を高める。
【0074】
又該デバイス16は、フイルター8及び偏光子7を経由して導波管19に光学的結合される検出器10を有する。検出器10は皮膚から乱反射的に戻り反射される(後方散乱される)放射を検出する。又デバイス16は、又図1Aに関連して説明した検出器11と同様な仕方で、該導波管が該皮膚と接触しているかどうかを決定出来る、フイルター9に光学的に結合された検出器11aを有する光学的センサー11を備える。しかしながら、図1Aと関連して説明した様に、該デバイスの動作は逆にされる。換言すれば、図1Aに示すデバイス1は、それが特定のしきい値を越えるレベルの光を受けた時、接触を検出する所で、デバイス16は、それが特定のしきい値の下にあるレベルの光を受ける時、接触を検出する。前に説明した実施例の様に、検出器11aはフイルター9を経由して導波管19に光学的に結合される。該前の実施例と異なり、該検出器11aは又フイルター9と導波管19の間に配置された偏光子4を経由して導波管19に光学的結合される。偏光子4はソースの偏光子3に付随するそれと直交する偏波軸線を有する。かくして、デバイス16は検出器10と11aの両者での正反射的反射の検出を抑制する。更に、該フイルター8と9は周囲放射が該検出器に達することを阻止する。
【0075】
図8Aは本発明のもう1つの実施例のデバイス20を略図で描くが、該デバイスは、光を皮膚に結合させ、導波管と皮膚の間に接触が無い時はその結合を禁じるように、導波管の反射性側壁からの光の反射に依存している。1つの放射ソースを使うより寧ろ、該デバイス20は2つの放射ソース22と24を有し、その各々は異なる波長(例えば、600nmから900nmの範囲内の)で放射を発生する。該放射ソース22と24はプリズム80を介して導波管26に光学的に結合される。該導波管26は2つの反射性側壁26aと26bを有し、その各々は、該放射が、導波管と皮膚の間の接触を欠くとその面により内部反射され、接触があるとその面を通して該皮膚へ透過されるように、該放射ソースの1つから受ける光を該導波管の面26cへ導く。該反射性側壁は、例えば、導波管18の面上に反射性材料(例えば、銀)を蒸着することにより形成され得る。該導波管は該ソース22と24により発生される放射に対し透過性の材料で形成され得て、本実施例では、溶融シリカである。前の実施例と同様に、皮膚から後方散乱される放射は検出器(示されてない)により検出されるが、該検出器の出力信号は皮膚特性を決定するためにプロセサー(示されてない)により解析される。更に、該センサー11は該側壁26b内の開口部26Dに光学的に結合されるが、それは該開口部での反射性コーティングの欠落により創られる。該開口部は光が導波管26から漏れ、センサー11により検出されることを可能にする。
【0076】
又デバイス20は偏光子78及び79と、プリズム80を有する。光源22及び24は該偏光子78及び79とプリズム80とを介して導波管26に光学的に結合される。偏光子78は偏光子79に付随するそれと直交する偏波軸線を有し、それは上記で論じた様に、測定されるパラメーターに付随しない面及び他の反射を除くよう役立つ。加えて、センサー11は更に検出器11aと開口部26Dの間に配置された検出器11a及びフイルター9を有する。該フイルターは該検出器11aに達する周囲放射の量を減じるために役立つ。
【0077】
図8Bはもう1つの実施例のデバイス100を略図で描いており、該デバイスは2つの放射ソース102及び104を使用するが、それは、その各々がそれらのソースの1つからの放射を主として皮膚へ導くよう適合された2つの反射性側壁108a及び108bを有する導波管108にプリズム106を経由して放射を結合することにより皮膚を照射するためである。該デバイス100は更に皮膚から後方散乱される放射を検出するため2つの検出器110a及び110bを有する。前の実施例に於ける様に、該検出され、後方散乱された放射は、関心のある皮膚特性(例えば、エムオーデー)を決定するためプロセサー(示されてない)により解析される。前の実施例の幾つかと同様に、放射ソース102及び104はそれぞれ偏光子112a及び112bと結合される、一方検出器110a及び110bは、正反射的反射の検出を抑制するために直交偏光子114a及び114bにそれぞれ結合される。更に、検出器110a及び110bは周囲放射ノイズを濾し去るフイルター116a及び116bと結合される。
【0078】
図9は本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイス27を略図で描いているが、該デバイスは組織の特性(この場合、エムオーデー)を決定するために、組織6(この場合、皮膚)を透過する放射の検出に依存する。該例示的デバイス27は放射ソース14、例えば、約600nmから約900nmの範囲で少なくとも2つの波長の放射を発生出来るもの、を有し、該ソースはプリズム28に光学的に結合されている。該プリズム28はその面28aを通してソースから放射を受け、その放射を該皮膚と光学的に接触するよう適合されたもう1つの面28bを経由して該皮膚と結合させる。該プリズムを形成する材料の屈折率は、該プリズムを通って進む放射が該プリズム/皮膚インターフエースでの屈折を介して該皮膚に入る角度範囲を調整するように選択され得る。その過程はデバイス1に関連して上記で説明したそれと同様である。
【0079】
該デバイス27は検出器10を有し、該検出器は周囲放射を濾し去るフイルター8に結合される。該検出器10は、該プリズム28により皮膚に結合され、該プリズムを該検出器10から離す皮膚の部分を透過する放射の少なくとも1部分を検出するために、該プリズムから予め決められた距離に位置付けられる。プリズム28の精密な角度と、プリズム28と検出器10の間の距離と、は特定の設計を最適化するよう選択され、幾つかの角度と距離が使われ得て、幾つかは他のものより最適に近い。本実施例では、放射が該組織6へ向けられる角度は約45度であり、プリズム28と検出器10の間の距離は約1cmである。上記デバイス27では、該ソースと該検出器の間の距離は種々の皮膚深さでの関心があり、与えられた発色団(色素)の濃度を測定するために該デバイスを同調させるよう調整されるが、それは、例えば、より深い組織によりそしてより長い距離に亘ってより良く吸収される波長を選択したり、該プリズム28と検出器10の間の距離を調整したり、そして/又は組織6内の種々の位置と深さでの発色団の相対量を差別するために追加の波長及び/又は検出器を利用したり、することに依る。
【0080】
該皮膚に入る光は乱反射的に(多数の散乱、及び/又は、反射のイベントを介して)該検出器へ透過される。該透過光は又その発色団とのその相互作用(例えば、該発色団による光の幾らかの吸収を介して)の結果として、関心のある発色団の濃度に関する情報を担っている。該検出器10及び光源14と電氣通信するプロセサー29は、メラニン光学密度の様な、該皮膚の特性を決めるために、2つ以上の放射波長(例えば、約600nmから約900nmの範囲の2つの波長)での該皮膚の照射に応答して発生される該検出器の出力信号を解析する。
【0081】
デバイス27は、それが該皮膚を通しての長い距離に亘る光子の散乱透過に依存するので、関心のある色素の濃度の測定で高感度を提供する。これは該デバイスが種々の応用に使われることを可能にする。例に依れば、図10で略図で示される様に、該デバイス27は眼の中の虹彩30を検出するため使われてもよい。例えば、デバイス27が該皮膚上で走査されると、それは該照射された皮膚を透過した放射(特に、約600から約800nmの範囲の波長で)の該虹彩30による著しい吸収を検出出来て、それにより、その存在を検出する。該虹彩のこの様な検出は、例えば、該皮膚へレーザー又は他の放射治療を提供する時、眼の損傷を避けねばならないデバイスで、有用である。該デバイス27は、該治療デバイスが眼の上にある時信号を提供し、そしてこの様な眼の保護信号に基づき治療レーザーソースの賦活を禁ずる又は賦活を止めるのが好ましい治療デバイスに組み込まれ得る。
【0082】
他の実施例では、本発明の皮膚科デバイスは、ソースからの放射を皮膚内へ結合する及び/又は照射された皮膚セグメントにより後方散乱される又はそれを透過した放射を結合を外すために、光フアイバーを使ってもよい。例に依れば、図11Aは本発明のこの様な実施例の皮膚科デバイス32を略図で描いており、該デバイスは、その各々がその1端で該ソースにより発生される放射を受け、そして動作時は、もう1つの端部で組織6(この場合、皮膚)に光学的に結合され得る、複数の光フアイバー33に光学的に結合されたソース14を有する。多くの実施例で、該ソース14は2つ以上の波長、例えば、約600nmから約900nmの範囲の2つ以上の波長の放射を発生出来る。該デバイス32は更に、もう1セットの光フアイバー34を有し、該光フアイバーの各々は、その放射がフアイバー33aを経由して該皮膚に入る場所から選択された距離だけ離れた場所で該皮膚にその1端で光学的に結合されている。この仕方では、該光フアイバー34は、該フアイバー33の端部33aとフアイバー34の端部34aの間に配置された皮膚部分を通して乱反射的に透過され(多数の散乱及び/又は反射イベントを経由して透過される放射)、そして、例えば、散乱/反射イベントを介してフアイバー34内へ結合される放射の少なくとも1部分を集める。該光フアイバー34の各々は、周囲放射ノイズを濾し去るフイルター8を介して、もう1つの端部で、該光フアイバー34により集められた放射を受ける検出器10に光学的に結合される。
【0083】
プロセサー36は照射された皮膚セグメントの特性を決めるために該検出器10の出力信号を処理する。例えば、皮膚のメラニン光学密度の測定が望まれる場合は、ソース14は約600nmから約900nmの範囲の少なくとも2つの放射波長を提供するよう選択される。該ソースは種々の時間インターバルで、これらの2つの波長で、該フアイバー33経由で、皮膚6を照射するよう賦活されてもよい。そして該2つの照射波長に対応して該検出器10により発生される出力検出信号は、例えば、上記で論じた数学式を利用することにより該メラニン濃度を決定するよう該プロセサー36により解析される。
【0084】
図11Bで略図により示されるもう1つの実施例では、本発明の開示に依る皮膚科デバイス37は、ソース14により発生される放射を組織6に透過させるために複数の光フアイバー38を有する。導波管39は組織6からの放射を検出器10へ導く。導波管39は図11Cに示す様に、実質的に円柱形で中空の構造体を有する。導波管39は該照射サイトから該導波管へ皮膚を透過する放射の少なくとも1部分を集める。検出器10は該導波管により集められた放射を受けるために、フイルター8を経由して、該導波管に光学的に結合される。前の実施例と同様に、プロセサー36は皮膚の望ましい特性を決定するために検出器により発生された出力信号を演算する。
【0085】
図11Dに示す様に、或る実施例では、該円柱形の導波管は、環状ハウジング39b、例えば、柔軟な囲い内に複数の光フアイバー39aを配置することにより形成される。或る代わりの実施例では、該導波管は、溶融シリカの様な、適当な材料で形成された円環であってもよい。更に進んだ図解として、図11Eは該デバイス37による観察下の範囲40(検出範囲)の平面図を略図で描いている。該検出範囲の周辺は図11C及び11Dに示す円柱形導波管39の近位の端部により規定される。その放射エネルギーは、光フアイバー38の近位の端部を経由して該範囲40内へ結合される(範囲38bは該フアイバー38により照射される皮膚範囲の平面図を図解する)。この実施例では、該導波管は検出範囲が大きくなるように選択されるが、それは測定感度を局所的不規則性まで減じるためである。しかしながら、他の実施例は、比較的大きい検出範囲、又は比較的小さい検出範囲を提供するよう寸法取りされてもよい。加えて、代わりの実施例は、フアイバー38を置き換える、導波管39内に配置された内部導波管の様な、他の構成を有してもよい。同様に、光が、フアイバー38又はもう1つの導波管を使うことなく、該導波管39内の中空空間を通して検出範囲へ提供されてもよい。
【0086】
もう1つの例に依ると、図12は光フアイバー43を有する皮膚科デバイス42を略図で描いている。光フアイバー43は被覆43bにより囲まれたコア43aを有する。光フアイバー43は、該ソースから放射を、それがビームスプリッター45通過後に、受けるためにその近位の端部で放射ソース44に光学的に結合され、該受けた放射を皮膚へ透過させるために、その遠位の端部で皮膚領域6に結合されている。照射された皮膚領域から該フアイバー内へ後方散乱された放射は、同じ通路に沿い該フアイバーを通って戻るよう進み、その近位の端部から該ビームスプリッター45へ向かって出るが、該ビームスプリッターは今度は該後方散乱された放射をフイルター47に結合された検出器46へ導く。プロセサー48は該検出器により発生される出力信号に基づき該皮膚の1つ以上の特性を決定する。例に依れば、或る実施例では、放射ソース44は、2つ以上の放射波長、例えば、約600nmから約900nmの範囲の2つ以上の波長、を提供し、そして該プロセサーは、皮膚特性(例えば、メラニン濃度)を、例えば、上記で論じた仕方で、決定するために、これらの波長で後方散乱された放射に対応する検出器46の出力信号を解析する。
【0087】
この実施例では、デバイス42は更に光学的センサー49を備えており、該センサーは、被覆を除去されたフアイバーセクションAでフアイバー43に光学的に結合されたフイルター49bと結合された検出器49aを有する。該被覆の除去は該後方散乱された放射の1部分が該コアから該センサーの検出器へ漏れることを可能にする。該センサーの検出器により発生される検出信号は次いで、該フアイバーの遠位の端部が皮膚と接触しているかどうかを決定するため使われてもよい。例えば、該センサーによる、選択されたしきい値より下の放射強度の検出は該フアイバーの遠位の端部と皮膚の間の接触の欠落を示し得る一方、そのしきい値の上の放射の検出は接触を示す。
【0088】
図13は本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイス50を略図で描いており、該デバイスは又、放射を皮膚に結合するために、そして照射された皮膚から後方散乱される放射を集めるために、光フアイバー51を使っている。特に、光フアイバー51はスプリット端部52を有するが、該端部はソースからの放射を受けるために放射ソース53に光学的に結合された入力ポート52aと、フアイバー内へ後方散乱された放射をフイルター55を経由して検出器54へ結合するための出力ポート52bと、を提供する。前の実施例の幾つかと同様に、該ソースは関心のある2つ以上の波長を提供出来て、それらの波長で後方散乱される放射に対応する検出器54の出力は、皮膚特性(例えば、皮膚のメラニンインデックス)を決定するためにプロセサー(示されてない)により解析される。
【0089】
ここで説明される実施例の大多数は皮膚の表面で放射を印加することにより皮膚のエムオーデーの測定用に使われるが、他の特性及び他の組織の両者の測定用の、他の実施例も可能である。例えば、図11A−13に関連して説明された、可能な小サイズの実施例を考えると、これらの概念を使うデバイスの代わりの実施例が、例えば内視鏡及び/又は切開術を介して、内部組織の物理的特性を測定するため使われ得る。
【0090】
上記で論じたそれらの様な、本発明の開示の診断用皮膚科デバイスが、治療されるべき皮膚の1つ以上の特性に関する情報を提供するために、皮膚科治療デバイスと結合されてもよい。例えば、図14で略図で示される様に、皮膚科デバイス56は治療モジュール57と該治療モジュールと通信する診断モジュール58とを有してもよい。例に依れば、該治療モジュールは治療放射を提供する放射ソース59を有してもよい。該治療放射は放射透過窓60(サフアイヤ窓の様な)を通る1つ以上の光学機器(示されてない)を介して皮膚と結合され得る。代わりに、該治療モジュールは、例えば光フアイバーを経由して、外部ソースから治療放射を受けることが出来る。例に依れば、引用によりここに組み込まれる特許文献1は、該治療モジュール57の製作で使われ得る皮膚科治療デバイスに関する開示を提供する。この実施例では、該治療モジュールは治療ソース59及び診断モジュール58と通信するフィードバック機構62を有する。該フィードバック機構62は、1つ以上の皮膚特性、例えばメラニン光学密度を示す信号を診断モジュールから受信することが出来る。
【0091】
この例示的実施例では、該フィードバック機構62は、ソースにより発生される治療放射の1つ以上のパラメーター、例えば、治療放射のパワー、治療放射の波長、パルス放射が使われる時のパルス幅及び/又はパルス繰り返しレート、又は関心のある何等かの他のパラメーター、を調整するために、該診断モジュールから受信した皮膚特性に関する情報に応答して、制御信号を該放射ソースへ適用する。或る場合には、該診断モジュールは、或る皮膚の種類を治療するためだけに治療ソースの賦活を可能にするため使われる。例えば、該治療放射ソースが賦活され得るのは、その皮膚色素レベル(例えば、エムオーデー)が診断波長信号に帰着し、種々の波長での診断信号の比率のみならず背景信号も予め規定された範囲内(例えば、或るしきい値の上又は下)に入る、人だけを治療するためである。例に依ると、この様なパラメーターは、皮膚の他の大抵の材料が、治療ソースを賦活するために受け入れ可能である範囲の外の診断信号を提供するよう設定されてもよい。例えば、皮膚特性が該エムオーデーに対応する時、該フィードバックモジュールは、その出力パワーを調整する、例えば、該測定されたメラニン光学密度が高い時は該パワーを減じ、光学密度が低い時はそれを増やすよう、該治療ソースを制御出来る。更に、該皮膚メラニン濃度が予め規定されたしきい値を上回る或る場合には、該フィードバック機構は該治療ソースの賦活を禁じてもよい。これは、例えば、該治療放射が適切な時だけ適用されることを保証する安全対策として、使われ得る(例えば、予め規定された範囲内の色素レベルを有する皮膚にのみ)。
【0092】
或る実施例では、該診断モジュールにより提供される情報に応答した該治療放射の1つ以上のパラメーターのこの様な調整が実時間で達成される。例えば、該デバイス56が皮膚上で動かされると、治療モジュール57は、該診断モジュールが該治療モジュールによる治療放射のそのセグメントへの印加の前に、治療されるべき皮膚セグメントの望ましい特性を決定するよう、該診断モジュール58に後れる。この仕方で、該治療モジュールは、実時間で該治療パラメーター(例えば、治療放射のパワーレベル)を調整するよう、該診断モジュールにより提供される情報を利用する。例えば、治療中の皮膚パッチの種々の部分は種々の色素レベル(例えば、種々のメラニン濃度)を示す。この様な場合、該治療モジュールは、治療放射がそれらの皮膚部分に適用される時該治療放射のパワーレベルを調整出来る。
【0093】
治療ソースが治療モジュールの外にある実施例では、該診断モジュールにより提供される情報に応答する治療放射の1つ以上のパラメーターの調整は、例えば、該ソース、及び/又は該治療モジュール内に配置されそして該ソースと光学的に結合した1つ以上の要素、へ制御信号を印加することにより、達成され得る。例えば、該診断モジュールにより決定された1つ以上の皮膚特性に基づき、治療放射の該皮膚への適用を可能にする又は禁ずるために、該治療モジュール内に配置されたシャッターが制御されてもよい。更に、該治療放射のパワーレベルを変調するために1つ以上の中立濃度フイルターが使われてもよい。
【0094】
引き続き図14を参照すると、例示デバイス56は更に該デバイスが皮膚を走査する時該デバイスの走査速度を測定する速度センサー64を有する。該速度センサーは、該診断モジュール58が該治療モジュールをリードするよう、方向性走査(双方向性及び多方向性を含めて、他の実施例も可能であるが、この場合は単方向性)を可能にするべく構成されてもよい。該デバイス56での使用に好適な速度センサーの例は、引用によりここに組み込まれる特許文献2で見出される。
【0095】
或る実施例では、コンパクトなデバイスを提供するために、治療及び診断モジュール、そして或る場合は該速度センサーも同様に、1つの囲い内に集積化されてもよい。更に、多くの、この様な実施例では、診断及び治療ソースは、組織領域が、その1つ以上の特性(メラニン光学密度の様な)が測定される時、実時間で治療されるよう、共通の光路を共有してもよい。この様なデバイスは治療がスタンピングモードで適用される時特に有用である。
【0096】
例に依れば、図15は、治療放射を発生する治療放射ソース67と、例えば、2つ以上の波長を発生するソースである放射ソース68と、が中に配置される囲い66を有する皮膚科デバイス65を略図で描いている。該治療ソースからの放射は、ビームスプリッター70を通過後、レンズ69を経由して導波管71,例えばサフアイヤブロックに結合される。ソース68からの放射はビームスプリッター72を通過し、ビームスプリッター70により導波管内に反射される。該導波管71は該治療及び該放射の両者をそれと接触する皮膚領域内へ導く。照射された皮膚領域から後方散乱された放射の部分は該ビームスプリッター72及び70によりフイルター74経由で検出器73内へ反射される。検出器73は、組織6の特性(例えば、皮膚のメラニン濃度)を決定するために、前の実施例と関連して論じた仕方で、プロセサー75により解析される出力信号を発生する。該デバイス65は更に、該導波管と該皮膚の間の接触を決定するために、該導波管71の側壁に光学的に結合された、上記で論じられたそれらの様な、光学的センサー76を有する。該プロセサーは、該治療放射ソースを制御する(例えば、該導波管と該皮膚の間の接触が無い時、その賦活を禁ずる、及び/又は、それを不活発にする)ために該センサーにより発生される出力信号を演算する。加えて、該プロセサーは更に、該光学的センサー76の出力信号に応答して、該治療放射の1つ以上のパラメーター(例えば、パワーレベル、パルス幅、又は繰り返しレート)を調整する。上記で論じた或る実施例と同様に、種々のインターフエースで正反射的に反射される放射及び/又は周囲放射の検出を抑制するために、複数の偏光子とフイルターが使われてもよい。更に、或る実施例では、該デバイス65は、該デバイスが皮膚上を走査する時該デバイス65の速度を測定出来る速度センサー77を有してもよく、或る場合は、制御信号を該治療ソースに適用してもよい(例えば、該走査速度に応答してソースのパワーを変調する)。
【0097】
他の実施例では、皮膚の物理的特性を検出するために2つより多い波長が使われてもよい。例えば、3つの波長を使うことにより、その皮膚の見掛け年齢が決定されてもよい。皮膚領域から後方散乱される放射は3つ以上の波長を使って測定される。多くの波長があり得るが、選ばれる波長は645、700及び900nmの様な、約600nmから約900nmの範囲にあるのが好ましい。エムオーデーを測定する場合に於ける様に、この範囲の波長の選択は、その波長範囲での皮膚の吸収特性を利用する。皮膚の年齢はその生活年齢又はその見掛けの年齢に対応する。例えば、或る場合は、若い個人(例えば、彼女の20代にある人)の皮膚が、それにも拘わらず、過剰な太陽露出及び/又は喫煙により、遙かに老いた見掛け年齢を示す。例えば、必要な放射波長を提供する適切な放射ソース(又は複数ソース)を選択することにより、本発明のこの側面を実施するために上記で論じたデバイスが使われてもよい。エムオーデーと皮膚乱反射的特性とを決定するためにこれらの3つの波長の反射率値が解析され、その皮膚年齢は皮膚乱反射的特性と相関を取られてもよい。
【0098】
同様に、3つ以上の波長を使うことにより、測定の誤差が減じられ得る。例えば、640,650及び700nmの様に、値の近い(例えば、約10nm離れた)2つの波長が選択され、一方第3の波長は更に隔てられる。該追加の波長の使用は、組織の他の物理的特性により引き起こされる測定での非一貫性による誤差を減じるのに役立つ。
【0099】
或る実施例では、放射を提供するため使われる放射ソースにより発生される放射の波長が或る程度そのソースの温度に左右され得る。この様な実施例では、該放射波長を校正する(名目波長から現実の波長を計算する)ため該プロセサーに使われるよう、該放射ソース(複数を含む)についての波長対温度データが、例えば、メモリーモジュール上に記憶されてもよい。
【0100】
上記実施例は一般的に、例えば、皮膚のエムオーデーを測定するために、約600nmから約900nmの範囲の波長を使って説明されたが、上記で論じた種々の実施例は、他の発色団(ヘモグロビンの様な)の濃度を測定するために、約300nmから約1200nmの範囲を含む、他の範囲の波長を有する放射を発生する放射ソースで一般的に使われてもよい。例えば、2つの形式のヘモグロビンは405nmから430nmのスペクトル範囲の第1吸収バンド(ソレットバンド)と、540nmから580nmの範囲の第2バンドを有する。或る実施例では、該ヘモグロビンの濃度はそれらのバンドの2つ以上の波長で後方散乱される放射を検出することにより測定され得る。他の目的で、又は他の種類の放射ソースを使うために、遙かに広い又は異なる波長範囲が使われてもよい。
【0101】
当業者は、本発明の範囲から離れることなく種々の変型が上記実施例に行われ得ることを評価するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1A】本発明の1実施例の皮膚科デバイスの側面図の略図である。
【図1B】図1Aのデバイスの導波管と皮膚の間の接触を欠くと、皮膚から導波管内へ後方散乱する相当な数の放射光線が、光学的センサーが光学的に結合される該導波管の側壁で全反射され、かくして該センサーによる低検出信号に帰着することを略図で示す。
【図1C】図1Aのデバイスの導波管と皮膚の間に接触があると、該皮膚から、光学的センサーが結合される該導波管の側壁に入射すべく導波管内に後方散乱する相当な数の放射光線が、センサーに到達するよう該側壁を透過し、かくして接触を示すしきい値を上回るセンサー信号に帰着することを略図で示す。
【図1D】図1Aのデバイスの導波管の側壁に結合された光学的センサーの検出器は、該導波管と該皮膚の間の接触を欠くと、皮膚から該導波管内へ後方散乱する放射の光線が該検出器に達することを実質的に禁じられ、接触があると、それらの光線の幾らかは側壁を出て検出器に達すること、を保証するために、該検出器の視認立体角に対応する中央光線が選択された側壁に対し角度ψを作るよう、該側壁に対し位置付けられることを略図で示す。
【図1E】表皮層、真皮層そして高濃度メラニンを表す表皮/真皮接合部を含む皮膚部分を略図で描く。
【図1F】種々の角度で空気から導波管に入る放射の光線の線図の略図である。
【図1G】種々の角度で皮膚組織から導波管に入る放射の光線の線図の略図である。
【図2】本発明の或る実施例で使用するのに好適な2つの例示用LEDに付随する放射スペクトルを描く。
【図3】本発明の実施例の放射ソースを形成するLEDに印加されたトリガー信号のみならず、それらのLEDにより発生された放射で皮膚部分の照射について検出された後方散乱信号も描く。
【図4】観察下の皮膚に対するチルト角の関数としてのメラニンインデックスの測定用として、本発明の実施例の例示用図解デバイスの信号感度を示す。
【図5】皮膚との接触用に適合されたデバイスの面と観察下の皮膚部分との間のエアギャップ厚さの関数としてのメラニンインデックスの測定用として、本発明の実施例の例示用図解デバイスの信号感度を示す。
【図6】関心のある波長範囲内の2つ以上の波長で放射を発生出来る1つの放射ソースを使う本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイスの側面図の略図である。
【図7A】ソースから皮膚内へ放射を結合させるための反射側壁を有する導波管を利用する本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイスを略図で描く。
【図7B】図7Aのデバイスの導波管の反射性側壁が、接触を欠くと放射がその接触面から全反射されるよう、皮膚と接触するよう適合された導波管の面へソースから受けた放射を導くことを略図で示す。
【図8A】本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイスの側面図の略図であり、該デバイスは異なる波長の放射を発生出来る2つの放射ソースと、それらのソースからの放射を皮膚へ反射させるための反射性側壁を有する導波管と、を備える。
【図8B】本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイスの側面図の略図であり、該デバイスはその放射が導波管の反射性側壁を介して皮膚へ反射される2つの放射ソースを使い、そして更に照射された皮膚から後方散乱された放射を検出するための2つの検出器を有している。
【図9】本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイスを略図で描いており、該デバイスはプリズムを介して1つの場所の皮膚に放射を結合させる放射ソースを使っており、そしてメラニン光学密度の様な、皮膚の特性を測定するために、該皮膚を透過された放射の少なくとも幾らかを集めるようもう1つの場所の皮膚に光学的に結合された検出器を使っている。
【図10】人間の眼の虹彩の上に置かれ、該虹彩を検出する図9のデバイスの使用法を略図で描いている。
【図11A】放射を皮膚に結合させ、該皮膚から後方散乱される放射を集めるために、光フアイバーを使う本発明のもう1つの実施例の皮膚科デバイスを略図で描いている。
【図11B】本発明の開示による皮膚科デバイスもう1つの実施例を略図で描いており、該デバイスは放射を皮膚に結合させるための1つ以上の光フアイバーと、該皮膚から後方散乱される放射を集めるための環状導波管と、を使用する。
【図11C】図11Bのデバイスで使用するのに好適な例示用環状導波管の斜視図の略図である。
【図11D】図11Bのデバイスで使用するのに好適な環状導波管の斜視図の略図であり、該デバイスは環状の囲いの中に配置された複数の光フアイバーを有する。
【図11E】図11Bのデバイスの放射ソースにより照射される皮膚の表面範囲のみならず、後方散乱された放射が通って集められる該デバイスの環状導波管に結合される範囲、の平面図の略図である。
【図12】本発明のもう1つの実施例のデバイスの側面図の略図であるが、該デバイスは光フアイバーを使用しており、それは該フアイバーの近位の端部のソースから受けた放射を該フアイバーの遠位の端部を経由して皮膚へ透過させるためである。
【図13】本発明の開示による皮膚科デバイスのもう1つの実施例を略図で描いており、該デバイスはソースから放射を受ける入力ポートと、その遠位の端部で集められる後方散乱された放射を検出器に結合する出力ポートと、を提供するスプリット端部を有する光フアイバーを備える。
【図14】本発明の開示により作られた治療モジュールと診断モジュールとを有する本発明の1実施例の皮膚科デバイスを略図で描いている。
【図15】コンパクトな囲い内で診断及び治療両能力を提供するよう設計された本発明の1実施例の皮膚科デバイスを略図で描いている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の部分の物理的特性を決定する皮膚科デバイスに於いて、
少なくとも第1波長を有する放射を発生するよう構成された放射ソース組立体と、
該ソースから前記組織の前記部分へ該放射を導き、前記部分を前記放射で照射するよう構成された面を有し、前記ソース組立体に結合された導波管と、
前記導波管に結合され、前記ソースからの放射を検出するよう構成され、検出された放射のレベルを示す信号を発生する検出器と、
該信号を処理し、該皮膚領域の物理的特性を計算するため前記検出器と通信するプロセサーとを具備しており、
前記検出器は、前記組織の前記部分が前記ソースからの前記放射で照射された後、前記ソースからの前記放射を検出するよう構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記放射ソース組立体は2つ以上の放射ソースを備えることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項3】
第1放射ソースは前記第1波長を有する放射を作り、第2放射ソースは第2波長を有する放射を作ることを特徴とする請求項2のデバイス。
【請求項4】
前記放射ソース組立体は1つの放射ソースを有することを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項5】
前記第1放射ソースが前記第1波長を有する放射を作り、更に第2波長を有する放射を作ることを特徴とする請求項4のデバイス。
【請求項6】
前記放射ソース組立体が発光ダイオード(LED)、バイカラーLED、同調可能な放射ソース、及びレーザー放射ソースの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項7】
前記放射ソース組立体が第2波長を有する放射を発生するよう構成されることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項8】
前記第1及び第2波長が約350nmから約1200nmの範囲から選択されることを特徴とする請求項7のデバイス。
【請求項9】
前記第1及び第2波長が約600nmから約900nmの範囲から選択されることを特徴とする請求項7のデバイス。
【請求項10】
前記第1波長が約350nmから約1200nmの範囲から選択されることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項11】
前記第1波長が約600nmから約900nmの範囲から選択されることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項12】
更に、該光学的導波管の前記面が該皮膚と接触しているかどうかを示す接触センサーを具備することを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項13】
前記接触センサーが前記第1波長の前記放射のレベルを検出するよう構成されることを特徴とする請求項12のデバイス。
【請求項14】
前記接触センサーは、前記接触センサーが前記レベルがしきい値の下にあることを検出した時、前記導波管の前記面が前記組織と接触していないことを示す信号を前記プロセサーへ送信するよう構成されることを特徴とする請求項13のデバイス。
【請求項15】
前記接触センサーは、前記接触センサーが前記レベルがしきい値の上にあることを検出した時、前記導波管の前記面が前記組織と接触していることを示す信号を前記プロセサーへ送信するよう構成されることを特徴とする請求項13のデバイス。
【請求項16】
前記接触センサーは、前記接触センサーが前記レベルがしきい値の上にあることを検出した時、前記導波管の前記面が前記組織と接触していないことを示す信号を前記プロセサーへ送信するよう構成されることを特徴とする請求項13のデバイス。
【請求項17】
前記接触センサーは、前記接触センサーが前記レベルがしきい値の下にあることを検出した時、前記導波管の前記面が前記組織と接触していることを示す信号を前記プロセサーへ送信するよう構成されることを特徴とする請求項13のデバイス。
【請求項18】
前記接触センサーは境界に沿って前記導波管と光学的に結合されており、前記導波管は、前記面が前記組織と接触していない時前記境界に沿って前記放射を全反射するよう構成されることを特徴とする請求項12のデバイス。
【請求項19】
前記接触センサーは境界に沿って前記導波管と光学的に結合されており、前記導波管は、前記面が前記組織と接触している時前記境界に沿って前記放射を全反射しないよう構成されることを特徴とする請求項12のデバイス。
【請求項20】
前記接触センサーは境界に沿って前記導波管と光学的に結合されており、前記導波管は、前記面が前記組織と接触している時前記境界に沿って前記放射を全反射するよう構成されることを特徴とする請求項12のデバイス。
【請求項21】
前記接触センサーは境界に沿って前記導波管と光学的に結合されており、前記導波管は、前記面が前記組織と接触していない時前記境界に沿って前記放射を全反射しないよう構成されることを特徴とする請求項12のデバイス。
【請求項22】
前記放射ソース組立体は第2波長を有する放射を発生するよう構成されており、前記接触センサーは前記第1波長及び前記第2波長の前記放射のレベルを検出するよう構成されることを特徴とする請求項12のデバイス。
【請求項23】
更に、
前記放射ソース組立体からの第1ポラリテイの放射をフイルターするよう構成された第1偏光子と、そして
前記接触センサーに入る第2ポラリテイの放射をフイルターするよう構成された第2偏光子と、を具備することを特徴とする請求項12のデバイス。
【請求項24】
更に、該接触センサーと該導波管の間に配置されたフイルターを具備することを特徴とする請求項12のデバイス。
【請求項25】
前記放射ソース組立体が3つ以上の波長を有する放射を発生するよう構成されることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項26】
前記皮膚特性が、メラニンインデックス、コラーゲン含有量、乱反射性、及び紅斑測定値から成るグループから選択されることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項27】
前記導波管が約1.4から約2.5の範囲の屈折率を有する材料で形成されることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項28】
更に、
前記放射ソース組立体からの第1ポラリテイの放射をフイルターするよう構成された第1偏光子と、そして
前記検出器に入る第2ポラリテイの放射をフイルターするよう構成された第2偏光子と、を具備することを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項29】
更に、前記導波管と前記検出器の間に配置されたフイルターを具備することを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項30】
更に、前記放射ソース組立体に結合された制御器を具備しており、前記制御器は、種々の時刻に種々の波長の放射を作るよう前記放射ソース組立体を賦活するよう構成されることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項31】
前記導波管が光フアイバーであることを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項32】
更に、前記ソース組立体に結合された少なくとも1つの追加の導波管を具備することを特徴とする請求項1のデバイス。
【請求項33】
前記少なくとも1つの追加の導波管が光フアイバーであることを特徴とする請求項32のデバイス。
【請求項34】
組織の部分の物理的特性を決定する皮膚科デバイスに於いて、デバイスが、
第1及び第2波長を有する放射を発生するよう構成された放射ソース組立体と、
該ソースから前記組織の前記部分へ該放射を導き、前記部分を前記放射で照射するよう構成された面を有し、前記ソース組立体に結合された導波管と、
前記導波管に結合され、前記ソースからの放射を検出するよう構成され、検出された放射のレベルを示す信号を発生する検出器と、
前記信号を処理し、該皮膚領域の物理的特性を計算するため前記検出器と通信するプロセサーと、そして
境界に沿って前記導波管に光学的に結合され、前記放射のレベルを検出するよう構成された接触センサーと、を具備しており、
前記検出器は、前記組織の前記部分が前記ソースからの前記放射で照射された後、前記ソースからの前記放射を検出するよう構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項35】
前記第1及び第2波長が約300nmから約1200nmの範囲にあることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項36】
前記第1及び第2波長が約600nmから約900nmの範囲あることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項37】
前記第1及び第2波長が約630nmから約730nmの範囲にあることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項38】
前記第1波長が約645nmであることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項39】
前記第1波長が約700nmであることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項40】
前記第1波長が約645nmであり、前記第2波長が約700nmであることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項41】
該組織との接触用に適合された前記導波管面が、皮膚接触を欠くと、該側壁によりそれへ反射される全反射により、放射の透過を禁ずることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項42】
更に、前記センサー及び前記ソースと通信するフィードバック機構を具備しており、前記フィードバック機構は、該センサーが該導波管と該ソースとの間の光学的接触の欠落を示す時は該ソースの賦活を禁じることが出来て、該センサーが光学的接触を示す時は該ソースを賦活出来ることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項43】
更に、該検出器と通信するプロセサーを具備しており、前記プロセサーは前記検出器出力に基づき皮膚特性を決定することを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項44】
前記導波管が光フアイバーであることを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項45】
更に、少なくとも1つの追加の導波管を具備することを特徴とする請求項34のデバイス。
【請求項46】
皮膚科デバイスに於いて、
少なくとも1つの放射ソースと、
該ソースから該皮膚へ放射を透過させるために該放射ソースと光学的に結合され、2つの相対する面と前記面の間に延びる側壁とを備えた導波管と、
該ソース放射により照射された皮膚領域から後方散乱される放射の少なくとも1部分を検出するため該導波管に結合された検出器と、そして
前記側壁に光学的に結合された光学的接触センサーと、を具備しており、前記センサーは、前記側壁を通して漏れる後方散乱された放射の検出に基づき、前記導波管が該皮膚と接触しているかどうかを決定することを特徴とするデバイス。
【請求項47】
皮膚科デバイスに於いて、
放射ソース組立体と、
該放射ソース組立体からの放射を受けるよう適合された近位の端部と、放射を組織へ透過させるよう適合された遠位の端部とを備える第1導波管と、
前記第1導波管から後方散乱される放射を受けるよう適合された遠位の端部と、前記後方散乱される放射を透過させるよう適合された近位の端部とを有する第2導波管と、
前記第2導波管と光学的に結合され、前記組織の物理的特性を測定するよう構成された検出器と、そして
該検出器に電気的に結合され、前記後方散乱される放射に対応する前記検出器からの信号を受けるよう構成されたプロセサーと、を具備しており、
前記プロセサーは検出された該後方散乱された放射に基づき前記組織の物理的特性を決定するよう構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項48】
前記近位の端部から出る前記後方散乱される放射を該検出器へ結合させる手段を更に具備することを特徴とする請求項47のデバイス。
【請求項49】
前記手段がビームスプリッターを備えることを特徴とする請求項48のデバイス。
【請求項50】
該放射ソース組立体が約350nmから約1200nmの範囲の2つ以上の波長で放射を発生出来ることを特徴とする請求項47のデバイス。
【請求項51】
該放射ソース組立体が約600nmから約900nmの範囲の2つ以上の波長で放射を発生出来ることを特徴とする請求項47のデバイス。
【請求項52】
該第1導波管が光フアイバーであることを特徴とする請求項47のデバイス。
【請求項53】
該第2導波管が光フアイバーであることを特徴とする請求項47のデバイス。
【請求項54】
更に追加の導波管を具備することを特徴とする請求項47のデバイス。
【請求項55】
前記追加の導波管が光フアイバーであることを特徴とする請求項54のデバイス。
【請求項56】
皮膚科デバイスに於いて、
少なくとも1つの放射ソースと、
近位の端部で前記ソースから放射を受け、該放射を遠位の端部で皮膚に印加する光フアイバーと、
皮膚セグメントにより該照射された領域から分離されたもう1つの領域の皮膚に遠位の端部で結合されたもう1つの光フアイバーであるが、そのセグメントを通しての透過の後に該印加された放射の少なくとも1部分を受けるよう該結合された該もう1つの光フアイバーと、
前記もう1つの光フアイバーにより受けられた前記透過した放射の少なくとも1部分を検出するために前記もう1つの光フアイバーの近位の端部に光学的に結合された検出器と、を具備しており、前記検出器は前記受けた放射の強度を示す信号を発生しており、そして、
皮膚特性を決定するために前記検出器信号を演算するプロセサーを具備することを特徴とするデバイス。
【請求項57】
組織の特性を決定する方法に於いて、
第1及び第2波長の放射を導波管から前記組織へ印加する過程と、
前記組織から後方散乱される前記第1及び第2波長の放射の少なくとも1部分を検出する過程と、
該後方散乱される放射の強度を示す少なくとも1つの信号を発生する過程と、そして
該皮膚領域の特性を計算するために前記少なくとも1つの信号を処理する過程と、を具備することを特徴とする方法。
【請求項58】
該放射を印加する過程が更に、約350nmから約1200nmの範囲から選択された複数の波長の放射を印加する過程を備えることを特徴とする請求項57の方法。
【請求項59】
該放射を印加する過程が更に、約600nmから約900nmの範囲から選択された複数の波長の放射を印加する過程を備えることを特徴とする請求項57の方法。
【請求項60】
更に、該導波管と該皮膚領域の間の光学的接触を検出する過程を具備することを特徴とする請求項57の方法。
【請求項61】
更に、前記後方散乱される放射のレベルを検出することにより前記導波管の前記組織との接触を検出する過程を具備することを特徴とする請求項57の方法。
【請求項62】
更に、該検出器による周囲放射の検出を避けるために該周囲放射を減じる過程を具備することを特徴とする請求項57の方法。
【請求項63】
更に
検出の前に第1ポラリテイを有する放射を減じる過程と、そして
第2ポラリテイを有する放射を検出する過程と、を具備することを特徴とする請求項57の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−509140(P2009−509140A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531335(P2008−531335)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/035927
【国際公開番号】WO2007/035444
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(507185406)パロマー・メデイカル・テクノロジーズ・インコーポレーテツド (5)
【Fターム(参考)】