説明

皮膚外用剤

【課題】皮膚を健常に保つことができ、局部的に適用することにより、アトピー性皮膚炎を始めとする皮膚疾患に対する優れた治療効果を発揮する皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【解決手段】皮膚疾患に局部的に適用するための皮膚外用剤であって、クロモグリク酸ナトリウム及びビタミンB3化合物を含有する皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を健常に保つことができ、局部的に適用することにより、アトピー性皮膚炎を始めとする皮膚疾患に対する優れた治療効果を発揮する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
クロモグリク酸ナトリウム(1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパンのナトリウム塩)は、I型アレルギー反応において、肥満細胞から化学伝達物質が放出されるのを抑制する物質として知られており、吸入カプセルや吸入液、エアロゾル製剤の吸入による投与によって、アレルギー性喘息等のアレルギー性疾患の治療に用いられている。
【0003】
このようなクロモグリク酸ナトリウムを用いた治療方法としては、例えば、特許文献1に、クロモグリク酸ナトリウムを皮膚又は眼の組織に局所投与し、慢性皮膚疾患やアレルギー性又は免疫反応が関与する眼病の治療等に用いることが開示されている。
【0004】
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、クロモグリク酸ナトリウムを含有する外用剤が、乾燥またはI型アレルギー反応等が関与する皮膚疾患の治療に有効であることが開示されている。しかしながら、これらのクロモグリク酸ナトリウムを含有する外用剤による皮膚疾患の治療効果は、必ずしも充分なものではなかった。
【特許文献1】特開昭52−44242号公報
【特許文献2】特開平11−335281号公報
【特許文献3】特開平11−335282号公報
【特許文献4】特開2003−246737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、皮膚を健常に保つことができ、局部的に適用することにより、アトピー性皮膚炎を始めとする皮膚疾患に対する優れた治療効果を発揮する皮膚外用剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、皮膚疾患に局部的に適用するための皮膚外用剤であって、クロモグリク酸ナトリウム及びビタミンB3化合物を含有する皮膚外用剤である。
以下に本発明を詳述する。
【0007】
本発明者らは、鋭意研究した結果、クロモグリク酸ナトリウムとビタミンB3化合物とを含有する皮膚外用剤を、皮膚疾患に局部的に適用することにより、皮膚を健常に保つことができ、かつ、アトピー性皮膚炎等の皮膚疾患を治療する効果が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の皮膚外用剤は、クロモグリク酸ナトリウム及びビタミンB3化合物を含有する。
【0009】
上記クロモグリク酸ナトリウムは、1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパンのナトリウム塩であり、アレルギー反応において、肥満細胞から化学伝達物質が放出されるのを抑制することから、アレルギー性喘息等のアレルギー性疾患の治療に優れた効果を発揮する。
【0010】
本発明の皮膚外用剤におけるクロモグリク酸ナトリウムの含有量の好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は10重量%である。0.5重量%未満であると、クロモグリク酸ナトリウムによる皮膚疾患の治療効果が不充分となることがある。10重量%を超えて含有しても、皮膚疾患の治療効果の向上は見られず、剤型上の問題が生じることがある。より好ましい下限は1重量%、より好ましい上限は5重量%である。
【0011】
上記クロモグリク酸ナトリウムは、ビタミンB3化合物と併用することにより、クロモグリク酸ナトリウムの有する皮膚疾患治療効果を更に向上させることができる。
上記ビタミンB3化合物としては特に限定されず、例えば、ニコチンアミド、ニコチン酸、ニコチニルアルコール、これらの薬理学的に許容される誘導体及び塩等が挙げられる。これらのなかでは、ニコチンアミド又はニコチンアミドの薬理学的に許容される誘導体及び塩が好ましく、ニコチンアミドがより好ましい。
【0012】
本発明の皮膚外用剤における上記ビタミンB3化合物の含有量の好ましい下限は0.1重量%であり、好ましい上限は20重量%である。0.1重量%未満であると、本発明の効果が不充分となることがあり、20重量%を超えて含有しても、皮膚疾患の治療効果の向上は見られず、製剤面での問題を生じることがある。より好ましい下限は0.5重量%、より好ましい上限は10重量%である。
【0013】
本発明の皮膚外用剤には、更にショ糖脂肪酸エステルを含有することが好ましい。上記ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と脂肪酸との反応生成物からなるエステルである。上記ショ糖脂肪酸エステルを上記クロモグリク酸ナトリウム及び上記ビタミンB3化合物と併用することにより、クロモグリク酸ナトリウムの皮膚疾患治療効果を更に向上させることができる。上記脂肪酸としては特に限定されないが、脂肪酸部分の炭素数の好ましい下限は10、好ましい上限は16である。炭素数を上記範囲内とすることで、クロモグリク酸ナトリウムの皮膚疾患治療効果が格段に向上する。より好ましい上限は14である。
また、上記ショ糖脂肪酸エステルにおけるショ糖のエステル化度は特に限定されないが、モノエステル含量の好ましい下限は30%である。30%未満であると、クロモグリク酸ナトリウムの皮膚疾患治療効果が低下することがある。
【0014】
本発明の皮膚外用剤における上記ショ糖脂肪酸エステルの含有量の好ましい下限は0.01重量%であり、好ましい上限は4.5重量%である。0.01重量%未満であると、本発明の効果が不充分となることがあり、4.5重量%を超えて含有しても、皮膚疾患の治療効果の向上は見られない上、皮膚刺激性が高くなって、疾患を発症した皮膚に局部的に適用することができないことがある。より好ましい下限は0.05重量%、より好ましい上限は3.5重量%である。
【0015】
本発明の皮膚外用剤において、上記クロモグリク酸ナトリウム及びビタミンB3化合物を溶解、分散等する基剤としては、薬学的に許容し得るものであれば特に限定されず、例えば、従来公知の液剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤等が挙げられ、なかでも、均一な軟膏剤であることが好ましい。具体的には例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、メトキシエチレン‐無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン等のポリマー、ミツロウ、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ラッカセイ油、牛油、豚油、ラノリン等の油脂類;白色ワセリン;パラフィン;ゲル化炭化水素(例えば、商品名「プラスチベース」、ブリストル・マイヤーズスクイブ社製);ステアリン酸等の高級脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール等の多価アルコール;ポリエチレングリコール;界面活性剤;水等が挙げられる。
【0016】
上記界面活性剤としては特に限定されず、例えば、レシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸・リン酸塩、高分子乳化剤等が挙げられる。
【0017】
本発明の皮膚外用剤に用いられる基剤としては、水溶性基剤が好ましく、上記水溶性基剤としては、水、グリセリン、プロピレングリコール又はこれらの混合物、上記水、グリセリン、プロピレングリコールにポリアクリル酸塩等を添加した水溶性ゲル、ポリエチレングリコール等からなる水溶性軟膏基剤等が挙げられる。
【0018】
本発明の皮膚外用剤は、必要に応じて、他の薬効成分が含有していてもよい。上記他の薬効成分は、特に限定されず、例えば、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、殺菌消毒剤、抗生物質、免疫抑制剤等が挙げられる。
【0019】
本発明の皮膚外用剤は、必要に応じて、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機充填剤;粘度調整剤、老化防止剤、pH調整剤;緩衝剤;防腐剤;香料等を含有していてもよい。
【0020】
本発明の皮膚外用剤のpHの好ましい下限は2、好ましい上限は7である。2未満であると、適用部位において刺激が生じたり、クロモグリク酸ナトリウムの析出が生じたりすることがある。7を超えると、剤型上の問題が生じたり、クロモグリク酸ナトリウムの分解が生じたりすることがある。より好ましい下限は4、より好ましい上限は5である。
【0021】
本発明の皮膚外用剤の形態は、特に限定されず、例えば、基剤中に上記クロモグリク酸ナトリウム及びビタミンB3化合物が溶解、混合分散されたクリーム状、ゲル状、ジェリー状、ペースト状、乳液状、液状等の形態が挙げられる。
【0022】
本発明の皮膚外用剤の用途としては、例えば、医薬品、化粧料等が挙げられる。上記医薬品として用いる場合には、例えば、肌荒れ、かぶれ、あせも、ただれ、しもやけ、おむつかぶれ、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、ヴィダール苔癬、貨幣状湿疹、主婦湿疹、日光皮膚炎、虫刺症、皮膚掻痒症、痒疹、薬疹、中毒疹、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、扁平対戦、光沢苔癬、毛孔性紅色粃糖症、ジベル薔薇色粃糖症、紅斑症、紅皮症、円板状紅斑性狼瘡、全身性紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、ジェーリング疱疹状皮膚炎、円形脱毛症、尋常性白斑、サルコイドーシス、皮膚アミロイドーシス、ケロイド、肥厚性瘢痕、創傷、褥創、皮膚潰瘍、脱毛等の各種皮膚疾患を治療するために用いることができる。
【0023】
本発明の皮膚外用剤の使用量は、疾患の種類や症状の程度、患部の大きさなどによって異なるが、1日あたり0.1〜10g程度が好ましく、これを1回又は適当な回数に分けて患部に適用する。
【0024】
本発明の皮膚外用剤を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記クロモグリク酸ナトリウム及びビタミンB3化合物に、水、プロピレングリコール等の基剤となる物質を添加し、混練する方法等が挙げられる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の皮膚外用剤は、クロモグリク酸ナトリウム及びビタミンB3化合物を含有することにより、クロモグリク酸ナトリウムの効果が高められることから、局部的に適用することにより、アトピー性皮膚炎を始めとする皮膚疾患に対する優れた治療効果を発揮する皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0027】
(実施例1〜25、比較例1〜10)
クロモグリク酸ナトリウム(福寿製薬社製)、ビタミンB3化合物としてニコチンアミド(有機合成薬品工業社製)、ショ糖脂肪酸エステルとして、ショ糖カプリン酸エステル「SM−1000」(同仁化学社製、脂肪酸部分の炭素数10、モノエステル含量80%以上)、ショ糖ラウリン酸エステル「J−1216」(三菱フーズ社製、脂肪酸部分の炭素数12、モノエステル含量約80%)、同「J−1205」(三菱フーズ社製、脂肪酸部分の炭素数12、モノエステル含量約30%)、ショ糖ラウリン酸エステル「J−1201」(三菱フーズ社製、脂肪酸部分の炭素数12、モノエステル含量約1%)、ショ糖ミリスチン酸エステル「J−1416」(三菱フーズ社製、脂肪酸部分の炭素数14、モノエステル含量約80%)、ショ糖パルミチン酸エステル「J−1616」(三菱フーズ社製、脂肪酸部分の炭素数16、モノエステル含量約80%)、ショ糖ステアリン酸エステル「J−1816」(三菱フーズ社製、脂肪酸部分の炭素数18、モノエステル含量約75%)、ショ糖エルカ酸エステル「J−2102」(三菱化学フーズ社製、脂肪酸部分の炭素数21、モノエステル含量約2%)、ショ糖ベヘニン酸エステル「J−2203」(三菱フーズ社製、脂肪酸部分の炭素数22、モノエステル含量約20%)、プロピレングリコール(丸石製薬社製)及びカルボキシビニルポリマー(商品名「シンタレンL」、和光純薬社製)を表1に示した配合量で混練し、供試剤を得た。
なお、各成分を混和後に、pHが4.7付近となるようにトリエタノールアミン(日本触媒社製)を適量添加し、供試剤を得た。
【0028】
(評価)
(1)性状試験
得られた供試剤を透明容器に入れ、均一性を目視にて判定した。なお、評価基準は以下の通りである。
○:均一性が充分であった。
×:不均一であった。
【0029】
(2)有効性試験
7週齢ウイスター系雄性ラットの背部を剃毛し、次いで0.25μg/mLのマウス抗DNPモノクローナル抗体(Sigma社製、Lot No.073K4802)/生理食塩水溶液を0.05mL皮内投与して受動感作した。その23時間後に上記供試剤0.1gを6.7cmのポリエチレンテレフタレート/エチレン・ビニルアセテート積層フィルムのポリエチレンテレフタレート面に載せ、この面が剃毛後感作部に接触するようにしてバイオクルーシブミニ(JOHNSON&JOHNSON社製)を用いて貼付した。感作24時間後にDNPヒトアルブミン(Sigma社製、Lot No.042K760)2mg/mLを含有する0.5%エバンスブルー生理食塩水溶液を2.5mL/kg静脈内注射して、PCA反応を誘発した。なお、上記エバンスブルー生理食塩水溶液は、エバンスブルー(和光純薬社製)を生理食塩水に溶解した後、MILLEX(ミリポアー社製、0.45μm)を用いてろ過したものを使用した。
【0030】
そして、皮内反応を惹起した部位の色素漏出を、Haradaらの方法(J.Pharm.Pharmacol.23巻、218頁、1971年)に従って抽出定量した。即ち、抗原注射の30分後に動物を殺処分し、供試剤を除去後PCA反応部の皮膚を細切し、これを0.3%硫酸ナトリウム水溶液3容とアセトン7容の混合液中に24時間以上浸漬し、漏出色素量を求めた。
なお、この試験のコントロールとしては、上記供試剤の代わりにクロモグリク酸ナトリウム及びニコチンアミドを含まないコントロール剤を用いて同様に漏出色素量を求めた。そして、コントロール剤適用部位及び供試剤適用部位の漏出色素量から下記式(1)を用いて反応抑制率を算出した。
なお、下記式(1)のAは、コントロール剤適用部位の漏出色素量を表し、Bは、供試剤適用部位の漏出色素量を表す。
抑制率(%)=((A−B)/A)×100 ・・・(1)
得られた抑制率から、各供試剤の有効性を評価した。
【0031】
(3)刺激性試験
16週齢日本白色種雄性ウサギの背部をバリカンで剃毛後、試験前に皮膚の状態が良好であることを確認した。2.5cm×2.5cmのリント布(川本産業株式会社製)上に0.5gの供試剤を秤取し、予めスパーテルでリント布上に均等に伸ばしこれを被験物質とした。ウサギ背部皮膚に18Gの注射針の先で真皮にキズをつけないように「#」型の創傷を作成した後、被験物質の供試剤側を貼付し、その上に、リント布より一回り大きいポリエチレンテレフタレート/エチレン・ビニルアセテート積層フィルムのポリエチレンテレフタレート面を被せニチバン(ニチバン株式会社製、幅25mm)で固定した。更に、ガーゼを載せてニチバンで固定した。投与24時間後に被験物質を除去し、その1時間後と、投与48時間及び72時間後に、刺激性について以下の基準で判定を行った。
【0032】
◎:Draizeの判定基準に従って評価したとき、上記いずれの判定時間においても紅
斑スコアが1以下である。
○:Draizeの判定基準に従って評価したとき、上記いずれの判定時間においても紅
斑スコアが2以下である。
×:Draizeの判定基準に従って評価したとき、上記いずれかの判定時間において紅
斑スコアが3以上である。
(Draizeの判定基準)
0:紅斑なし
1:非常に軽度な紅斑(かろうじて識別できる)
2:はっきりした紅斑
3:中等度ないし高度紅斑
4:高度紅斑からわずかな痂皮の形成まで
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
表1に示すように、性状試験の結果から、クロモグリク酸ナトリウムの含有量を10重量%以下とした場合に、均一な皮膚外用剤とすることができることが分かる。また、有用性試験の結果から、実施例1〜25の供試剤は、I型アレルギー反応の関与する皮膚炎症の治療に際して、充分な効果を発揮すること、特に、クロモグリク酸ナトリウムとビタミンB3化合物を併用することでその効果が向上すること、更にショ糖脂肪酸エステルを併用することでさらにその効果が向上することが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、皮膚を健常に保つことができ、局部的に適用することにより、アトピー性皮膚炎を始めとする皮膚疾患に対する優れた治療効果を発揮する皮膚外用剤を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚疾患に局部的に適用するための皮膚外用剤であって、クロモグリク酸ナトリウム及びビタミンB3化合物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
クロモグリク酸ナトリウムを0.5〜10重量%、ビタミンB3化合物を0.1〜20重量%含有することを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
ビタミンB3化合物は、ニコチンアミドであることを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
更に、ショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
ショ糖脂肪酸エステルを0.01〜4.5重量%含有することを特徴とする請求項4記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
ショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸部分の炭素数が10〜16であることを特徴とする請求項4又は5記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
ショ糖脂肪酸エステルは、モノエステル含量が30%以上であることを特徴とする請求項4、5又は6記載の皮膚外用剤。


【公開番号】特開2007−332055(P2007−332055A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163936(P2006−163936)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】