説明

皮膚美白剤

式(I):


の物質の使用であって、式中、−R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキルおよびC6アルキルからなる群から選択され、および、−XおよびYは、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキルおよびC6アルキル、ハロゲン、ニトロ(−NO)、ヒドロキシ(−OH)、メトキシ(−OCH)、エトキシ(−OCHCH)、C3アルコキシ、C4アルコキシ、C5アルコキシおよびC6アルコキシ、フェニル(−C)、ベンジル(−CH)、およびベンジルオキシ(−OCH)からなる群から選択される物質の、(a)化粧品組成物および/または局所性組成物の製造のための使用および/または(b)化粧品組成物および/または局所性組成物における(i)皮膚のライトニングおよび/または(ii)皮膚の美白および/または(iii)皮膚の色素沈着の低減および/または(iv)皮膚の高色素沈着の低減および/または(v)皮膚におけるメラニン形成の阻害および/または(vi)老化の兆候の防止および/または遅延、および/または、老化皮膚の皮膚外観の改善のための使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に皮膚美白ためのおよび/または老化皮膚の兆候に対抗する、化粧品に使用するための、1−アミノ−3−フェニル尿素およびその誘導体に関する。また、本発明は、皮膚の色素沈着に関する異常症の処置のための、そのような物質の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の健康および外観を改良するために、消費者が入手可能な化粧品組成物は、数多く存在する。特に、これらの化粧品は、皮膚の色合いを改善し、明るくしまたは皮膚色素沈着を減らし、色素異常症、例えば高色素沈着および加齢斑の防止または処置のために使用される。高色素沈着疾患は、例えば、肝斑(ホルモン因子により誘発されるおよび日光暴露の効果により増幅されるメラニンの過剰分泌)、色素斑、日光黒子および老年性黒子、デュブーユメラノシス(Dubreuilh melanosis)、肝斑、またはいかなる形態の黒皮症またはメラノサイト機能障害を含む。
【0003】
例えばしみ、そばかす、および肝斑などの皮膚高色素沈着は、日焼けなどにより引き起こされる。それは、加齢とともに、増加しまたはより消えにくくなり、特に中高年およびより高齢者を悩ませる問題となる。このような色素沈着は、そのメカニズムが未だ確立されておらず、太陽光(特に紫外線)などによって誘発される皮膚の炎症により引き起こされると考えられている。
【0004】
メラニン色素は、表皮中に存在するメラノサイト内のメラノソームと称されるメラニン産生顆粒中で作られ、隣接する表皮細胞に運ばれる。
【0005】
上記の問題は、このような色素沈着を改善すること、通常の皮膚色を復元すること、皮膚を美白することおよび/または明るくすることができる物質の発展を促し、その結果、多くの市販製品をもたらした。
【0006】
化粧品業界において、皮膚色素沈着を減らすために使用されるいくつかの化合物が既知であり、例えば、ヒドロキノン、アルブチン、コウジ酸、アゼライン酸、アスコルビン酸またはその誘導体、例えばリン酸アスコルビルマグネシウム、いくつかの植物抽出物、例えば、トウグワ抽出物またはカンゾウである。しかしながら、これらの製品は、細胞毒性があり、あまり効果がなく、不安定性、または暗色影響のために製剤中に使用するのが困難であり得る。例えば、コウジ酸は、化粧品製剤中で不安定であり、暗褐色の生成物を導く。さらに、いくつかの国においては、ヒドロキノンの化粧品における使用が禁止されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、皮膚外観を改善するためおよびこれらの色素沈着疾患を治療することを目指す、美容上効果的な脱色素または美白活性成分を、安全、安定および簡単に調製する方法に対する要望がある。その上、色黒の人の中には、特定の美的特徴とみなされるような、明るい皮膚色を好む人もいる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、1−アミノ−3−フェニル尿素またはその誘導体またはそれらの塩の、皮膚美白および/または色素沈着の低減のための使用を見出したものである。
【0009】
したがって、本発明は、式(I):
【化1】

〔式中、
−R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキルおよびC6アルキルからなる群から選択され、および、
−XおよびYは、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキルおよびC6アルキル、ハロゲン、ニトロ(−NO)、ヒドロキシ(−OH)、メトキシ(−OCH)、エトキシ(−OCHCH)、C3アルコキシ、C4アルコキシ、C5アルコキシおよびC6アルコキシ、フェニル(−C)、ベンジル(−CH)、およびベンジルオキシ(−OCH)からなる群から選択される〕
で表される物質またはその塩の、
(a)化粧品組成物および/または局所性組成物の製造
のための、
および/または
(b)化粧品組成物および/または局所性組成物における
(i)皮膚のライトニングおよび/または
(ii)皮膚の美白および/または
(iii)皮膚の色素沈着の低減および/または
(iv)皮膚の高色素沈着の低減および/または
(v)皮膚におけるメラニン形成の阻害および/または
(vi)老化の兆候の防止および/または遅延、および/または、老化皮膚の皮膚外観の改善
のための使用を対象とする。
【0010】
驚くべきことに、式(I)の物質またはその塩が、メラノサイトにおけるメラニン合成を、細胞毒性なく減少させることがわかった。式(I)の物質またはその塩がメラニンの生成を阻害するため、前記物質を含有する化粧品組成物は、皮膚色素沈着を改善することができ、特に美白および/またはライトニング化粧品に使用でき、および/または、色素沈着を防止でき、および/または、皮膚のメラニン形成を阻害できる。
【0011】
したがって、本発明は、特に、式(I)の物質のメラニン形成阻害剤および/または美白剤としての使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「皮膚のライトニング」および「皮膚の美白」の用語は、特に、式(I)の物質により得られる効果を意味する。したがって、「ライトニング」または「美白」は、好ましくは、本発明の式(I)の物質で処理する前の状態と比較して、より明るい色への、皮膚色の変化を意味する。よって、式(I)の物質の使用は、色素沈着の、例えば、しみのおよび/またはそばかすの、過剰の日光暴露により引き起こされ得る高色素沈着沈着の、消去または低減だけでなく、前述の色素のライトニング、例えば、皮膚の色合いをより明るく変えるまたはそばかすのライトニングなどを含むことが好ましい。
【0013】
色素沈着または高色素沈着沈着に関連して使用する「低減」という用語は、しみ、そばかす、および/または肝斑、好ましくは皮膚中のメラニンなどの色素の量が、本発明による式(I)の物質で処理する前の皮膚と比較して、減少することを意味する。
【0014】
メラニン形成は、人間の皮膚における、メラノサイトによるメラニンの産生および運搬である。それは、(主に)UV放射により促進され、日焼けの進行の遅延をもたらす。日焼けに基づくこのメラニン形成は、即時の日焼けよりも、より多くの時間を進行に要するが、より長く持続する。したがって、皮膚のメラニン形成の阻害は、好ましくはメラニン合成の防止または少なくともメラニン合成の抑制と理解される。これに関連して、抑制は、皮膚で、メラノサイトによるメラニン合成を、本発明の式(I)の物質で処理していない皮膚と比較して少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも50%、なおさらにより好ましくは少なくとも80%、同様に約100%減少させることを意味する。
【0015】
本発明による色素異常症および/または高色素沈着疾患は、異常メラニン形成を示す異常症または疾患を含む。それは、特に、肝斑(ホルモン因子により誘発されるおよび日光暴露の効果により増幅されるメラニンの過剰分泌)、色素斑、日光黒子および老年性黒子、デュブーユメラノシス(Dubreuilh melanosis)、肝斑、またはいかなる形態の黒皮症またはメラノサイト機能障害を含む。
【0016】
老化の兆候の防止および/または遅延は、特に、式(I)の物質の使用が、皮膚の老化、好ましくは加齢斑、褐色斑、および/または肝斑の形成、しわ、皮膚の色むら、および/または皮膚弾力性損失の形態での皮膚の老化を、未処理の老化皮膚と比較して、阻害するまたは遅らせる(延期する)ことを意味する。
【0017】
「老化皮膚の皮膚外観の改善」は、好適には、未処理の老化皮膚と比較して、皮膚の改善された視覚的外観、特に、加齢斑、褐色斑、肝斑、しわ、皮膚の色むら、および/または皮膚弾力性の損失の低減として理解される。
【0018】
好ましい式(I)の物質は、以下のものである:
−R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、n−プロピル(−CHCHCH)、イソプロピル(−C(CH)、n−ブチル(−CHCHCHCH)、イソブチル(−CHC(CH)、n−ペンチル(−CHCHCHCHCH)、イソブチル(−CHCHC(CH)およびn−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)からなる群から選択される、および/または
−XおよびYは、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、n−プロピル(−CHCHCH)、イソプロピル(−C(CH)、n−ブチル(−CHCHCHCH)、イソブチル(−CHC(CH)、n−ペンチル(−CHCHCHCHCH)、イソブチル(−CHCHC(CH)、n−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、フルロイル(−F)、ブロミル(−Br)、クロリル(−Cl)、ニトロ(−NO)、ヒドロキシ(−OH)、メトキシ(−OCH)、エトキシ(−OCHCH)、フェニル(−C)、ベンジル(−CH)、およびベンジルオキシ(−OCH)からなる群から選択される。
【0019】
より好ましい式(I)の物質は、以下のものである:
−R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、n−プロピル(−CHCHCH)およびイソプロピル(−C(CH)からなる群から選択され、および/または、
−XおよびYは、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、フルロイル(−F)、ヒドロキシ(−OH)、メトキシ(−OCH)およびエトキシ(−OCHCH)からなる群から選択される。
【0020】
さらにより好ましい式(I)の物質は、以下のものである:
−R1=R2=H
−R3およびR4は同一であり、H、メチルおよびエチルからなる群から選択され、および、
−X=Y=H。
【0021】
特に好ましい物質は、式(I)が以下のように定義される物質である:
−R1=R2=R3=R4=X=Y=H。
【0022】
式(I)の物質を、単独でまたは本発明の技術分野において使用される他の既知の剤と共に使用することができる。したがって、式(I)の物質は、コウジ酸、ヒドロキノン、α−およびβ−アルブチン、他のヒドロキノングリコシド、デオキシアルブチン、フェルラ酸、ジアセチル−ボルジン、アゼライン酸、オクタデセン二酸、リノール酸、共役リノール酸、α−リポ酸、グルタチオンおよび誘導体、ウンデシレノイル−フェニルアラニン、ビタミンCおよびL−アスコルビルリン酸マグネシウムのような誘導体、ナイアシンアミド、4−n−ブチル−レゾルシノール、α−およびβ−ヒドロキシ酸、エラグ酸、レスベラトロール、Morus alba抽出物、グラブリジン(glabridin)および甘草抽出物、インペラトリン(imperatorin)およびイソインペラトリンおよびAngelica dahurica抽出物、センタウレイジン(centaureidin)およびノコギリソウ抽出物、Bellis perennis抽出物、Phyllanthus emblica抽出物、ウォータークレス抽出物、Veratum nigrum抽出物、Sophora flavescens抽出物、子嚢菌由来のメラニン分解酵素、アセトキシシナピン酸および2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸からなる群から選択される少なくとも1つの要素と併用することができる。
【0023】
本発明は、さらに、皮膚の色素沈着における異常症に関する疾患の治療のための、本発明で定義される式(I)の物質を対象とする。より好ましくは、本発明で定義される式(I)の物質は、肝斑(ホルモン因子により誘発されるおよび日光暴露の効果により増幅されるメラニンの過剰分泌)、色素斑、日光黒子および老年性黒子、デュブーユメラノシス(Dubreuilh melanosis)、肝斑、またはいかなる形態の黒皮症またはメラノサイト機能障害のような、異常メラニン合成および/または分泌を示す疾患を対象とする。
【0024】
さらなる側面において、本発明は、本発明で定義される式(I)の物質またはその塩を含有する化粧品組成物および/または局所性組成物を対象とする。
【0025】
化粧品組成物および/または局所性組成物は、本発明の式(I)の物質を、組成物の総量に基づいて、0.0001−10重量%、より好ましくは0.003−5%の量で含んでよい。
【0026】
「化粧品」という用語は、薬用化粧品を含み、例えば、皮膚用薬剤、軟膏、溶液、クリーム、エマルジョン、トナー、ローション、ゲル、エッセンス、ファンデーション、パック マスク、リップスティック、スティック、浴用製剤などである。
【0027】
化粧品形態は、幅広い範囲の製剤型を含むことができ、例えば、溶液可溶化処方、粉体、粉体分散体、油性溶液、ゲル、軟膏、エアゾール、油中水型、固体中油中水型などである。
【0028】
本発明の化粧品組成物は、特に、毛髪シャンプー、毛髪ローション、発泡浴剤、シャワー浴剤、クリーム、ゲル、ローション、アルコール性溶液および水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪物質、スティック製剤、粉末または軟膏の形態であることができる。また、これらの組成物は、さらなる助剤および添加剤、穏やかな界面活性剤、油体、乳化剤、真珠光沢ワックス、稠度調節剤、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、UV光保護因子、生物起源の活性成分、酸化防止剤、脱臭剤、発汗防止剤、ふけ防止剤、皮膜形成剤、膨潤剤、防虫剤、日焼け剤、ヒドロトロープ剤、可溶化剤、防腐剤、香油、染料などを含有することもできる。
【0029】
本発明の化粧品組成物は、さらに少なくとも1つの界面活性剤を含有してよい。
【0030】
存在し得る界面活性物質は、アニオン性、ノニオン性、カチオン性および/または両性または双性イオン性界面活性剤であり、組成物中に、通常は約1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、特に10〜30重量%である。
【0031】
アニオン性界面活性剤の代表例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α−メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ−およびジアルキルスルホスクシネート、モノ−およびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えば、アシルラクチレート、アシルタルトレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、コムギに基づく植物生成物)、および、アルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含むならば、これらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い同族体分布を有する。
【0032】
ノニオン性界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルおよび混合ホルマール、所望により部分的に酸化したアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドおよびグルクロン酸誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギに基づく植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびアミンオキシドである。ノニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有するならば、これらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い同族体分布を有する。
【0033】
カチオン性界面活性剤の代表例は、第級アンモニウム化合物、例えばジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、およびエステルクォート、特に第四級化した脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。
【0034】
両性および双性イオン性界面活性剤の代表例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
【0035】
上記した界面活性剤はもっぱら既知化合物である。
【0036】
特に適する穏やかな、即ち、特に皮膚に適合する界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ−および/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンホアセタールおよび/またはタンパク質脂肪酸縮合物であり、後者は好ましくは、コムギタンパク質に基づく。
【0037】
さらにまたはその代わりに、本発明の化粧品組成物は、少なくとも1つの油体をさらに含有してよい。
【0038】
適当な油体は、例えば、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C−C22脂肪酸と直鎖または分岐鎖C−C22脂肪アルコールとのエステルおよび/または分岐鎖C−C13カルボン酸と直鎖または分岐鎖C−C22脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカオレイル酸、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシルおよびエルカ酸エルシルなどである。直鎖C−C22−脂肪酸と分枝鎖アルコール(特に2−エチルヘキサノール)とのエステル、C18−C38−アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分枝鎖C−C22−脂肪アルコール(特に、ジオクチルマレート)とのエステル、直鎖および/または分枝鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C−C10−脂肪酸に基づくトリグリセリド、C−C18−脂肪酸に基づく液体のモノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C−C22−脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸との、特に安息香酸とのエステル、C−C12−ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル、植物油、分枝鎖第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝鎖C−C22−脂肪アルコールカーボネート、例えば、炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標)CC)、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分枝鎖C−C22−アルコール(例えばFinsolv(登録商標)TN)とのエステル、アルキル基1つあたりに6〜22個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖、対称または非対称ジアルキルエーテル、例えば、ジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油(とりわけシクロメチコーン、シリコンメチコーン型)および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素、例えば、スクワラン、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサンも適当である。
【0039】
さらにまたはその代わりに、本発明の化粧品組成物は、少なくとも1つの乳化剤をさらに含有してよい。
【0040】
適当な乳化剤は、例えば、以下の群の少なくとも1つから選ばれる非イオノゲン性界面活性剤である:
・8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコールへの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸への、アルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、およびアルキル基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルアミンへの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
・アルキル(アルケニル)基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドおよびそのエトキシ化類似体;
・ヒマシ油および/または水素添加ヒマシ油へのエチレンオキシド1〜15モルの付加生成物;
・ヒマシ油および/または水素添加ヒマシ油へのエチレンオキシド15〜60モルの付加生成物;
・グリセロールおよび/またはソルビタンと、12〜22個の炭素原子を有する不飽和、直鎖または飽和、分枝鎖脂肪酸との、および/または、3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、およびそれらのエチレンオキシド1〜30モルとの付加物;
・ポリグリセロール(平均自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、12〜22個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和、直鎖または分枝鎖脂肪酸との、および/または、3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、およびそのエチレンオキシド1〜30モルの付加物;
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステルおよび/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールの混合エステル、
・モノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェート、およびモノ−、ジ−および/またはトリ−PEGアルキルホスフェートおよびその塩;
・羊毛脂アルコール;
・ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
・ブロックコポリマー、例えばポリエチレングリコール−30ジポリヒドロキシステアレート;
・ポリマー乳化剤、例えばGoodrich製のPemulenグレード(TR−1、TR−2);
・ポリアルキレングリコール、および、
・グリセロールカーボネート。
【0041】
〔エチレンオキシド付加生成物〕
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノールへの、またはヒマシ油への、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は既知であり、市販製品である。これらは、同族体混合物であり、その平均アルコキシ化度は、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと付加反応を行う基質との、物質量の比に相当する。エチレンオキシドのグリセロールへの付加生成物のC12/18−脂肪酸モノ−およびジエステルは、化粧品製剤のための再脂化剤として知られている。
【0042】
〔アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド〕
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、その製造およびその使用は、先行技術から既知である。これらは、特に、グルコースまたはオリゴ糖と8〜18個の炭素原子を有する第一級アルコールとを反応させることによって製造される。グリコシド基に関して、環状糖基がグリコシド結合によって脂肪アルコールに結合しているモノグリコシドならびに好ましくは約8までのオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドの両方が適している。ここで、オリゴマー化度は統計学的平均値であり、この値は、上記のような工業用グレード製品に一般的な同族体分布に基づいている。
【0043】
〔部分グリセリド〕
適当な部分グリセリドの代表例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、および製造工程の微量生成物として少量のトリグリセリドを含み得るそれらの工業用グレードの混合物である。前記部分グリセリドへの1〜30mol、好ましくは5〜10molのエチレンオキシドの付加生成物も、同様に適する。
【0044】
〔ソルビタンエステル〕
適当なソルビタンエステルは、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレエート、ソルビタンセスキリシノレエート、ソルビタンジリシノレエート、ソルビタントリリシノレエート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタルトレート、ソルビタンセスキタルトレート、ソルビタンジタルトレート、ソルビタントリタルトレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエート、およびこれらの工業用グレード混合物である。前記ソルビタンエステルの、エチレンオキシドの1〜30mol、好ましくは5〜10mol付加生成物も、同様に適する。
【0045】
〔ポリグリセロールエステル〕
適当なポリグリセロールエステルの代表例は、ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセロール−3 ジイソステアレート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル−4 イソステアレート(Isolan(登録商標)GI 34)、ポリグリセリル−3 オレエート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル−3 メチルグルコースジステアレート(Tego Care(登録商標)450)、ポリグリセリル−3 蜜ろう(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル−4 カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル−3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル−3 ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS 32)およびポリグリセリルポリリシノレエート(Admul(登録商標)WOL 1403)、ポリグリセリルダイマレートイソステアレート、およびそれらの混合物である。さらに適当なポリオールエステルの例は、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールとラウリン酸、ヤシ脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとの、エチレンオキシド1〜30モルと任意に反応した、モノ−、ジ−およびトリエステルである。
【0046】
〔アニオン性乳化剤〕
通常のアニオン性乳化剤は、12〜22個の炭素原子を有する脂肪族脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸、および12〜22個の炭素原子を有するジカルボン酸、例えば、アゼライン酸またはセバシン酸である。
【0047】
〔両性およびカチオン性乳化剤〕
さらに、双性イオン性界面活性剤を乳化剤として使用することができる。「双性イオン性界面活性剤」の用語は、少なくとも1つの第四級アンモニウム基および少なくとも1つのカルボキシレートおよび1つのスルホネート基を分子中に有する表面活性化合物を意味する。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピル−ジメチルアンモニウムグリシネート、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンであり(いずれの場合にも、アルキルまたはアシル基に8〜18個の炭素原子を有する)、およびココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。特に好ましくは、CTFA名コカミドプロピルベタインの名称で既知の脂肪酸アミド誘導体である。両性界面活性剤も同様に適当な乳化剤である。「両性界面活性剤」という用語は、C8/18−アルキルまたはアシル基は別として、少なくとも1つの遊離のアミノ基および少なくとも1つの−COOHまたは−SOH基を分子中に含有し、内部塩を形成することができる表面活性化合物を意味する。両性界面活性剤の適当な例は、いずれの場合にも、約8〜18個の炭素原子をアルキル基に有する、N−アルキルグリシン、N−アルキルアミノプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18−アシルサルコシンである。最後に、カチオン性界面活性剤も乳化剤として適当であり、エステルクォート型のもの、好ましくはメチル−四級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩、が特に好ましい。
【0048】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの脂肪またはワックスをさらに含有する。
【0049】
脂肪の代表例は、グリセリド、すなわち、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから本質的になる、固体または液体の植物または動物生成物であり、適するワックスは、特に天然ワックス、例えばカンデリラワックス、カルナウバロウ、木ロウ、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマ(guaruma)ワックス、コメ胚油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリー(ouricury)ワックス、モンタンワックス、蜜ろう、セラックワックス、鯨ろう、ラノリン(羊毛ワックス)、尾羽脂、セレシン、オゾケライト(地ろう)、鉱油、パラフィンワックス、微結晶ワックス;化学修飾したワックス(硬ワックス)、例えばモンタンエステルワックス、サゾール(sasol)ワックス、水素添加ホホバワックス、ならびに、合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。脂肪に加えて、適当な添加剤は、脂肪様の物質、例えばレシチンおよびリン脂質である。「レシチン」という用語は、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって生成するグリセロリン脂質を意味すると当業者に理解される。従って、レシチンは、専門家の世界ではホスファチジルコリン(PC)と称されることも多い。天然レシチンの例としては、ケファリンが挙げられ、これは、ホスファチジン酸とも称され、1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体を構成する。対照的に、リン脂質は、リン酸とグリセロールとのモノエステル、好ましくはジエステル(グリセロールホスフェート)を意味すると通常は理解されており、これは、一般に脂肪と分類されている。さらに、スフィンゴシンまたはスフィンゴ脂質も適当である。
【0050】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの真珠光沢ワックスをさらに含有する。
【0051】
適当な真珠光沢ワックスの例は以下である:アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の任意にヒドロキシ置換されたカルボン酸と、6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;合計して少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪物質、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸、12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールによる開環生成物;およびそれらの混合物。
【0052】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの稠度調節剤および/または増粘剤をさらに含有する。
【0053】
適当な稠度調節剤は、12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を有する第1級脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、ならびに部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシドおよび/または同一鎖長の脂肪酸N−メチルグルカミドおよび/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。適当な増粘剤は、例えば、Aerosilグレート(親水性シリカ)、多糖、特にキサンタンゴム、グアール、寒天、アルギネートおよびチロース(tylose)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ならびに比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート(例えば、Goodrich製のCarbopol(登録商標)およびPemulenグレード;Sigma製のSynthalen(登録商標);Kelco製のKeltrolグレード;Seppic製のSepigelグレード;Allied Colloids製のSalcareグレード)、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンである。ベントナイト、例えば、シクロペンタシロキサン、ジステアルジモニウムヘクトライトおよびプロピレンカーボネートの混合物であるRheox製のBentone(登録商標)Gel VS 5PCも、特に有効であることがわかった。界面活性剤、例えば、エトキシ化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオールとの、例えば、ペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパンとのエステル、狭い同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、ならびに、電解質、例えば、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムも適当である。
【0054】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの過脂肪剤をさらに含有する。
【0055】
使用できる過脂肪剤は、例えば、ラノリンおよびレシチン、およびポリエトキシ化またはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドなどの物質であり、後者は発泡安定剤としても働く。
【0056】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの安定剤をさらに含有する。
【0057】
使用できる安定剤は、脂肪酸の金属塩であり、例えば、マグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛ステアレートまたはリシノレエートである。
【0058】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つのポリマーをさらに含有する。
【0059】
適当なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えば、ポリマーJR 400(登録商標)の名称でAmercholより入手できる第四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン−ビニルイミダゾールポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)、第四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えば、アモジメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシ−プロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretins(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ポリアミノポリアミド、およびその架橋した水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、第四級化キトサン、所望により微結晶分散体、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)と、ビスジアルキルアミン(例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアールゴム、例えば、Celanese製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16、第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、Miranol製のMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1である。
【0060】
適当なアニオン性、双性イオン性、両性およびノニオン性ポリマーは、例えば、酢酸ビニル−クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン−アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル−マレイン酸ブチル−アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋のポリアクリル酸およびポリオールで架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド−メタクリル酸メチル−tert−ブチルアミノエチルメタクリレート−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン−ジメチルアミノエチルメタクリレート−ビニルカプロラクタムターポリマーおよび所望により誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンである。
【0061】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つのシリコーン化合物をさらに含有する。
【0062】
適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、およびアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル−変性シリコーン化合物であり、これらは、室温で液体または樹脂形態のいずれかであり得る。シメチコンも適当であり、これは、200〜300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンと水素化シリケートの混合物である。
【0063】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つのUV光保護フィルターをさらに含有する。
【0064】
UV光保護因子は、例えば、室温で液体または結晶性であり、かつ、紫外線を吸収し、吸収したエネルギーをより長波長の放射、例えば熱の形態で再び放出することができる有機物質(光保護フィルター)を意味すると理解すべきである。UVBフィルターは、油溶性または水溶性であることができる。油溶性物質の例を以下に挙げる:
・3−ベンジリデンカンファーまたは3−ベンジリデンノルカンファーおよびその誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)カンファー;
・4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−オクチルおよび4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミル;
・ケイ皮酸のエステル、好ましくは4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸プロピル、4−メトキシケイ皮酸イソアミル、2−シアノ−3,3−フェニルケイ皮酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン);
・サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;
・ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシル;
・トリアジンの誘導体、例えば2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンおよびオクチルトリアゾンまたはジオクチルブタアミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB);
・プロパン−1,3−ジオン、例えば1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン;
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体。
【0065】
適当な水溶性物質は、以下である:
・2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルクアンモニウム塩;
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;
・3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸およびその塩。
【0066】
適当な通常のUV−Aフィルターは、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、およびエナミン化合物である。勿論、UV−AおよびUV−Bフィルターを、混合物で使用することもできる。特に好ましい組合せは、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)および2−シアノ−3,3−フェニルケイ皮酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン)からなり、ケイ皮酸のエステル、好ましくは4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルおよび/または4−メトキシケイ皮酸プロピルおよび/または4−メトキシケイ皮酸イソアミルと組合せる。有利には、このような組合せを、水溶性フィルター、例えば、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルクアンモニウム塩と組合せる。
【0067】
上記した可溶性物質に加えて、不溶性の光保護顔料、すなわち、微細に分散させた金属酸化物または塩も、この目的に適当である。適当な金属酸化物の例は、特に、酸化亜鉛および二酸化チタン、ならびに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物およびこれらの混合物である。使用しうる塩は、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛である。これらの酸化物および塩を、皮膚ケアおよび皮膚保護エマルジョンおよび美容化粧品のための顔料の形態で使用する。ここで、これらの粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に15〜30nmの平均直径を有しているべきである。これらは球の形状を有していてよいが、楕円形の粒子または球形からいくらかはずれた形状の粒子を使用することもできる。また、顔料を、表面処理すること、すなわち親水性化または疎水性化することもできる。その代表例は、被覆した二酸化チタン、例えば、Titandioxid T 805(Degussa)およびEusolex(登録商標)T2000(Merck)である。ここで、適当な疎水性被覆材料は、主にシリコーンであり、特にこの場合、トリアルコキシオクチルシランまたはシメチコーンである。日焼け止め剤において、いわゆるミクロまたはナノ顔料を使用することが好ましい。ミクロ化した酸化亜鉛を使用することが好ましい。
【0068】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの生物起源の活性成分および/または酸化防止剤をさらに含有する。
【0069】
生物起源の活性成分とは、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、偽セラミド、精油、植物抽出物、例えば、プラナス抽出物、バンバラナッツ抽出物およびビタミン複合体などを意味すると理解される。
【0070】
酸化防止剤は、UV線が皮膚を貫通したときに開始される光化学反応連鎖を遮断する。その代表例は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびその誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびその誘導体、クロロゲニン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、および極めて少ない許容用量(例えば、pモル〜μモル/kg)で用いるスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタ−チオニンスルホキシイミン)、ならびに、(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸Mgアスコルビル、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)およびガムベンゾインのコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアシン酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)および本発明に従って適当なこれら活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
【0071】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの抗菌剤および/または防腐剤をさらに含有する。
【0072】
適当な抗菌剤は、原則として、グラム陽性菌に対して効果的である全ての物質であり、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸およびその塩およびエステル、N−(4−クロロフェニル)−N'−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2'−メチレンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗菌性香料、チモール、タイム油、オイゲノール、丁子油、メントール、ハッカ油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸N−アルキルアミド、例えば、N−オクチルサリチルアミドまたはN−デシルサリチルアミドである。
【0073】
適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、およびSurfacins(登録商標)の名称で知られる銀錯体、ならびにCosmetics DirectiveのAnnex6、Part AおよびBに記載される他の種類の物質である。
【0074】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの被膜形成剤をさらに含有する。
【0075】
通常の被膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系のポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびそれらの塩、および同様の化合物である。
【0076】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つの膨潤剤をさらに含有する。
【0077】
水相のための膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土鉱物物質、Pemulen、およびアルキル変性カーボポールグレード(Goodrich)であってよい。他の適当なポリマーおよび膨潤剤は、R.Lochheadによる報告である、Cosm. Toil.、108、95(1993)に記載されている。
【0078】
本発明の1つの態様において、化粧品組成物は、少なくとも1つのヒドロトロープ剤をさらに含有する。
【0079】
流動挙動を改良するために、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、またはポリオールなどのヒドロトロープ剤を使用することもできる。ここで、適当なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子、および、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する。ポリオールはさらなる官能基を、特にアミノ基を含有することもでき、または窒素で修飾されていてよい。代表例は以下である:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、および100〜1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール;
・1.5〜10の自己縮合度を有する工業用グレードのオリゴグリセロール混合物、例えば、40〜50重量%のジグリセロール含量を有する工業用グレードのジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えば、特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール;
・低アルキルグルコシド、特に、アルキル基に1〜8個の炭素原子を有するアルキルグルコシド、例えば、メチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトールまたはマンニトール、
・5〜12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えば、グルカミン;
・ジアルコールアミン、例えば、ジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオール。
【0080】
さらなる成分の総量は、組成物に基づいて、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であり得る。組成物を、通常の冷間法または熱間法によって製造することができる。相反転温度法を使用することが好ましい。
【実施例】
【0081】
〔メラニン形成阻害試験〕
メラノサイト(B16セルライン)を、ウシ胎仔血清(FCS)を含む標準の細胞培養培地に接種した。37℃およびCO2=5%で3日間インキュベートした後、増殖培地を、試験する化合物を広範な濃度で含む標準培地および成分を含まない対照と交換した。3日間のインキュベートの後、メラニンのレベルを、475nmにおいて光学密度を記録することによって測定した。細胞をバランス塩によって洗浄し、0.1M NaOH溶液中でホモジナイズした後、生存細胞数を、細胞タンパク質レベルの評価(Bradford法)によって測定した。
【0082】
結果を、1〜3回アッセイ(それぞれ3重)における平均として、対照(化合物を含まない細胞培養培地)に対する%で表した。
【0083】
【表1】

【0084】
1−アミノ−3−フェニル尿素(別名:4−フェニルセミカルバジド)[CAS 537-47-3]、1−アミノ−3−(2,4−ジメチルフェニル)尿素(別名:4−(2−4−キシリル)セミカルバジド)[CAS 201137-86-2]、および1−アミノ−1−メチル−3−フェニル尿素(別名:2−メチル−4−フェニルセミカルバジド)[CAS 19102-24-0]は、Sigma−Aldrichより入手可能である。
【0085】
本結果は、試験した式(I)で表される化合物が、用量依存的にメラノサイトにおけるメラニン合成の割合を、何らの細胞毒性の作用もなく、低下させることを示すものであった。
【0086】
〔マッシュルームチロシナーゼ阻害試験〕
チロシナーゼは、メラニン生合成経路において、初期段階:チロシンのジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)への酸化、および、DOPAのドーパキノンへの酸化を触媒する重要な酵素である。
【0087】
pH6.8のリン酸緩衝液中で、試験化合物の濃度の範囲で、および化合物を含まない対照で、DOPAを混合した。マッシュルームチロシナーゼを添加した後、DOPAの酸化を、475nmで30秒間、ODを測定することにより記録した。
【0088】
チロシナーゼ阻害の%を、2〜3回アッセイの平均として、対照に対する%で表した。
【0089】
【表2】

【0090】
本結果は、式(I)で表される試験化合物が、用量依存的にチロシナーゼを阻害することを示すものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
−R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキルおよびC6アルキルからなる群から選択され、および、
−XおよびYは、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキルおよびC6アルキル、ハロゲン、ニトロ(−NO)、ヒドロキシ(−OH)、メトキシ(−OCH)、エトキシ(−OCHCH)、C3アルコキシ、C4アルコキシ、C5アルコキシおよびC6アルコキシ、フェニル(−C)、ベンジル(−CH)、およびベンジルオキシ(−OCH)からなる群から選択される〕
で表される物質またはその塩の、
(a)化粧品組成物および/または局所性組成物の製造
のための、
および/または
(b)化粧品組成物および/または局所性組成物における
(i)皮膚のライトニングおよび/または
(ii)皮膚の美白および/または
(iii)皮膚の色素沈着の低減および/または
(iv)皮膚の高色素沈着の低減および/または
(v)皮膚におけるメラニン形成の阻害および/または
(vi)老化の兆候の防止および/または遅延、および/または、老化皮膚の皮膚外観の改善
のための使用。
【請求項2】
式(I)の物質またはその塩が、組成物の総量に基づいて0.0001〜10重量%の量で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
−R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、n−プロピル(−CHCHCH)およびイソプロピル(−C(CH)からなる群から選択され、および/または、
−XおよびYは、独立して、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、フルロイル(−F)、ヒドロキシ(−OH)、メトキシ(−OCH)およびエトキシ(−OCHCH)からなる群から選択される、
請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
−R1=R2=水素(−H)
−R3およびR4は同一であり、水素(−H)、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)からなる群から選択され、および、
−X=Y=水素(−H)
である、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
R1=R2=R3=R4=X=Y=水素(−H)である、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
皮膚の色素沈着における異常症に関する疾患の治療のための、請求項1〜5のいずれかに記載される式(I)の物質またはその塩。
【請求項7】
前記疾患が異常メラニン合成および/または分泌を示す、請求項6に記載の物質。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載される式(I)の物質またはその塩を含有する化粧品および/または局所性組成物。

【公表番号】特表2012−510959(P2012−510959A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538881(P2011−538881)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008463
【国際公開番号】WO2010/063415
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】