説明

皮膚美白用化粧料組成物

【課題】メラニンを根本的に少なく生成させ、さらに容易に排出させて、窮極的に、優れた美白効能を与えることができ、皮膚色素沈着及び皮膚のトーンダウン現象を改善または防止することができる皮膚美白用化粧料組成物の提供。
【解決手段】モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物よりなる群から選択された2種以上を含有し、メラノサイトを鎮静させて、炎症、UV、シミ性血管による刺激を遮断し、メラノサイトを保持するDEJを元気にし、皮膚斑点及び太陽光線による皮膚黒化などの皮膚色素沈着現象を抑制し、皮膚トーンと色を元気で且つ明るく改善させる皮膚美白用化粧料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚美白用化粧料組成物に関し、より詳細には、モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物よりなる群から選択された2種以上を含有し、皮膚色素沈着(pigmentation)及び皮膚のトーンダウン現象を改善または防止し、メラニン形成を根源的に遮断することによって、美白効果を具現するようにする皮膚美白用化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚色を決定し、シミ、斑点が生成される現象には、様々な要因が関与するが、メラニン色素を作るメラノサイトの活動性、血管の分布、皮膚の厚さ、カロチノイド、ビリルビンなど様々な因子が複合的に関与している。これらのうち最も重要な因子は、人体内のメラノサイトで様々な酵素が作用して生成するメラニン色素である。このメラニン色素の形成には、遺伝的要因、ホルモン分泌、ストレス、紫外線などのような生理的要因及び環境的要因などが影響を及ぼすと知られている。
【0003】
ヒトの皮膚色を決定するメラニンは、メラノサイトで生成され、このメラノサイトには、チロシナーゼなどの酵素が存在し、これらが一緒に作用し、生体内に常に存在するチロシンというアミノ酸を基質として重合化酸化反応をすることによって、黒褐色の色素であるメラニンが形成される。このように形成されたメラニンは、メラノサイトの樹枝状突起を通じてケラチノサイトという表皮細胞に移動する。ここで、メラニンは、核の周りに帽子のような構造を形成し、紫外線から遺伝子を保護し、自由ラジカルを除去し、細胞内タンパク質を保護するなど重要な役目をする。生体内には、メラニンを分解する酵素がなく、メラニンは、ただケラチノサイトが老化し、本来の機能を果たし、表皮から脱離する時に、ケラチノサイトとともに皮膚から除去される。しかし、メラニンが必要以上に過多に生成されれば、シミやそばかす、斑点などのような過色素沈着症を誘発し、美容上、良くない結果をもたらす。また、レジャー人口の増加に伴い、外部で活動することを楽しむ人々が多くなり、これにより、紫外線によるメラニン色素沈着現象はさらに深化されていて、このような過色素沈着は、皮膚美容の観点から、深刻な精神的負担を与え、正常な社会活動の妨げになることがある。また、昔から東洋圏の女性は、白くて且つきれいな皮膚を好んでおり、これを美の重要な基準として見なすことによって、皮膚色素異常症状や過色素沈着などの予防と改善に対する欲求がさらに増加していて、これにより、過度なメラニン生成を防ぐ美白剤の開発が必要になり、その間多くの努力が続けられた。その具体的な例として、コウジ酸、アルブチンなどのようなチロシナーゼ活性を阻害する抑制剤、また、ヒドロキノン、ビタミンAなどをはじめとして代表的な抗酸化剤であるビタミンC及びこれらの誘導体などがある。しかし、これらは、皮膚に対する安全性、剤形内での安定性及び美白効果の不十分さに起因してその使用が制限されている。また、その効果が一時的であり、皮膚健康を総合的にケアしないという点も、根源的な美白効果を希望する最近の顧客の要求を満足させなかった。
【0004】
最近、メラニンの生成抑制とメラニン排出促進という1次元的美白技術では、美白効果を根源的に具現しないという事実が徐々に明らかにされている。特に、生命工学の発展に伴い、色素沈着機作がかなり複雑なメカニズムであることが明らかになり、これにより、多様なターゲット経路を同時に攻略し、より根源的なホワイトニングを追求するバイオ概念の美白研究が注目されている。1つまたは2つのターゲットの攻略では効果的な美白効果を示すことが困難であり、複数のターゲットを総合的に管理することができる場合のみに、ホワイトニング化粧品の効能をさらに効果的にすることができるという主張が、あちこちでされている。特に、最近では、美白もやはり老化現象と密接に関連しているという研究結果が出ることによって、皮膚内の健康を根本的に管理して改善させる程度によって皮膚色とシミ、斑点のような色素関連トラブルを解決しなければならないという主張が説得力を得ている。これにより、メラニン形成細胞を取り囲むマイクロ環境を分析して管理することによって、メラニンが必要以上に過度に生成されるか、または除去が難しくて色素沈着された部位の問題を根本的に改善しようとする研究が最近活発に進行されている。
【0005】
人種間の皮膚内メラノサイトの数を比較してみれば、差異はほとんどないが、紫外線の照射後に生成されたメラニンの量を比較してみれば、黒人皮膚で顕著に多いメラニンが生成される。すなわち、皮膚色を決定するものは、メラノサイトのメラニン生成量によると見られる。これに基づいてメラノサイトとその周辺のマイクロ環境を精密分析してみた結果、メラノサイトの敏感度、メラノサイトのDNA変性、炎症物質のメラノサイト刺激、メラノサイト付近のシミ性血管、メラノサイトを保持するDEJ(Dermal−Epidermal Junction)コラーゲン繊維の、これら5つがメラニン生成段階に非常に深く関与するという事実が知見されるようになった。この5つに問題が発生すれば、外部有害環境の刺激に敏感に反応し、さらに多いメラニンを作るようになり、作られたメラニンも部分部分が下方に垂れ、そのため、メラニンが皮膚内に深く浸透し、除去が困難になる。
【0006】
その例として、メラノサイトが小さい刺激にも多くのメラニンを生成するか、炎症性刺激が増加するか、メラノサイトのDNA変性が容易に生じるか、シミ性血管がよく生成されるか、またはメラノサイトが位置するDEJの弾力が劣化するなどを挙げることができる。このようにメラノサイトとその周辺環境が元気でなければ、小さい刺激でもメラニンが過生産され、皮膚外に容易に脱落しないようになり、皮膚は、斑点やトーンダウンのような色素関連トラブルを経験するようになるため、皮膚内メラニン生態系を根本的に元気にすることに関する研究が至急である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これより、本発明者らは、最新のバイオ研究動向と美白化粧品の効能を改善するために、メラニン形成細胞とメラニン形成細胞を取り囲むマイクロ環境とを集中的に研究した結果、老化と美白が密接に関連していて、年を取るほど皮膚本然の元気な色を失うようになる事実を知見し、メラノサイト鎮静効果があるモクレン抽出物、炎症物質中和効果に優れたミカン抽出物、シミ性血管の生成を抑制するイチョウ葉抽出物、DNA変性を防止する豆抽出物、DEJ弾力繊維の合成を促進するハニーサックル抽出物を混合使用すれば、美白効能が非常に優れることを知見するようになった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、外部に現われるメラニン色素の隠された皮膚内原因が、メラノサイトとその周辺マイクロ環境の健康さという点に着目し、これを改善させることによって、メラニンを根本的に少なく生成させ、さらに容易に排出させて、窮極的に、優れた美白効能を与えることができ、皮膚色素沈着及び皮膚のトーンダウン現象を改善または防止することができる皮膚美白用化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物よりなる群から選択された2種以上を有効成分として含有する美白用化粧料組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって提供される化粧料組成物は、モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物を混合含有し、皮膚内のメラニン生態系を根本的に元気にさせることによって、皮膚色素沈着及び皮膚のトーンダウン現象を改善させ、優れた美白効果を得ることができると共に、皮膚安全性にも優れている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による皮膚美白用化粧料組成物は、モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物よりなる群から選択された2種以上を有効成分として含有する。
【0012】
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明に有効成分として使用されたモクレン抽出物(Magnolia Obovata Bark Extract)は、金鳳花目モクレン科落葉喬木の日本特産種であり、漢方でモクレンの皮は、腹痛、喘息などの疾病治療に使用されてきた。マヒロール(Machilol)、マグノロール(Magnolol)、ホノキオール(Honokiol)などの成分に富むものと知られている。メラノサイトにモクレン抽出物を処理した結果、活性化されたメラノサイトを鎮静させて、メラニン生成能力を最小化させる効果に優れていることを確認した。すなわち、外部刺激によるメラニン生成プロセスを遮断し、皮膚内から元気で且つきれいな細胞環境を作るのに役立つ。
【0013】
本発明において有効成分として使用されるモクレン抽出物は、モクレンの皮から抽出したものであり、これは、通常の抽出及び分離方法によって収得することができる。好ましくは、きれいな水で洗浄したモクレンの樹皮を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、活性成分を抽出する。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、モクレン抽出物を得ることができる。
【0014】
本発明において有効成分として使用されたミカン抽出物(Citrus Unshiu Peel Extract)は、ミカンの果肉より皮にビタミンCが約4倍程度さらに多いという点に着目して開発した成分であって、やはりバイオフラボノイド成分が多いと知られている。最新美白皮膚科学によれば、代表的な炎症物質であるIL−8(Interleukin−8)がメラノサイトを刺激し、メラニン生成を促進させると知られている。ミカン抽出物を利用して細胞実験をしてみれば、炎症物質IL−8を中和させる効果が非常に優れていることを確認することができた。すなわち、メラノサイトを刺激する物質を中和させることによって、メラニン生成を抑制させて、根本的に元気で且つきれいな皮膚を作るのに役立つ。
【0015】
本発明において有効成分として使用されるミカン抽出物は、ミカンの皮から抽出したものであり、これは、通常の抽出及び分離方法によって収得することができる。好ましくは、きれいな水で洗浄したミカンの皮を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、活性成分を抽出する。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、ミカン抽出物を得ることができる。
【0016】
本発明において有効成分として使用される豆抽出物(Wild Soybean Extract)は、抗酸化効果に優れていて、UV防御効果に優れていると知られている。メラノサイトも他の細胞と同様に、紫外線が照射されれば、細胞DNAが変性され、チミン二量体(thymine dimer)、すなわちDNA突然変異のうち1つが生成されることを確認した。メラノサイトに本発明の豆抽出物を処理すれば、UVによるメラノサイトDNA変性が濃度依存的に減少した。通常、細胞DNAが変性されれば、その細胞は、正常な機能をしないため、メラノサイトも過度なメラニンを生成しやすい。したがって、豆抽出物は、メラノサイトのDNA変性を抑制させることによって、皮膚自体を元気に作り、きれいな皮膚を作るのに役立つ。
【0017】
本発明において有効成分として使用される豆抽出物は、野生豆から抽出したものであり、これは、通常の抽出及び分離方法によって収得することができる。好ましくは、きれいな水で洗浄した野生豆を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、活性成分を抽出する。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、豆抽出物を得ることができる。
【0018】
本発明において有効成分として使用されたイチョウ葉抽出物(Ginko Biloba Leaf Extract)は、クェルセチン(Quercetin)、ケンペロール(Kaempferol)、イソラムネチン(Isorhamnetin)のようなバイオフラボノイドが多量含有されているが、落葉になる前、最も完熟な青い葉を9〜10月に採取する時、その効能成分が最も多いものと知られている。イチョウ葉抽出物は、シミ部位に特に多く発見されるシミ性血管の発現を抑制し、非正常的にメラノサイトが活性化されることを防止する。細胞実験の結果、UVB 50mJが皮膚に照射されれば、通常2.5倍程度シミ性血管が増加するが、イチョウ葉抽出物で処理すれば、UVを照射しても、シミ性血管の生成が全然増加しないことを確認することができた。このようにシミ性血管の生成が抑制されれば、メラノサイトの活性は減少し、根本的にメラニン生成能力が減少しながら皮膚トーンが明るくなるなど美白効果が現われるようになる。
【0019】
本発明において有効成分として使用されるイチョウ葉抽出物は、イチョウ木の葉から抽出したものであり、これは、通常の抽出及び分離方法によって収得することができる。好ましくは、きれいな水で洗浄したイチョウ木の葉を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、活性成分を抽出する。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、イチョウ葉抽出物を得ることができる。
【0020】
本発明において有効成分として使用されたハニーサックル抽出物(HoneysuckleFlower Extract)は、金銀花抽出物と呼ばれることがあり、金銀花は、金色、銀色の花が仲良く混じって咲くと言って命名されたものである。ハニーサックル抽出物は、DEJ(Dermal−Epidermal Junction)内の弾力繊維の合成を促進させて、メラノサイトを保持する支持層を堅固にする。DEJが弱くなれば、メラノサイトで生成されたメラニンは、真皮層に容易に浸透し、除去がほとんど不可能になるので、ハニーサックル抽出物は、メラニンの除去が不可能になることを防止し、さらに容易に除去されることができるようにする。すなわち皮膚弾性が強化されると共に、皮膚トーンが元気で且つ明るく早く回復するように助ける。
【0021】
本発明において使用されるハニーサックル抽出物は、ハニーサックルの葉や茎から抽出したものであり、これは、通常の抽出及び分離方法によって収得することができる。好ましくは、きれいな水で洗浄したハニーサックルの葉または茎を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、活性成分を抽出する。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、ハニーサックル抽出物を得ることができる。
【0022】
本発明による化粧料組成物は、上記モクレン抽出物を組成物の全体質量に対して0.01〜10.0質量%、豆抽出物を組成物の全体質量に対して0.01〜10.0質量%、ミカン抽出物を組成物の全体質量に対して0.01〜10.0質量%、イチョウ葉抽出物を組成物の全体質量に対して0.01〜10.0質量%、ハニーサックル抽出物を組成物の全体質量に対して0.01〜10.0質量%含有することを特徴とする。5つの成分は、各々の含有量が0.01%質量未満の場合には、各成分が有している皮膚効能を期待しにくいし、10.0質量%を超過する場合には、これ以上効能が大きく増加しないため、その原料効率性が低下するようになり、剤形使用感を大きく損傷させるようになるので、化粧品としての価値を低減させるようになる。
【0023】
本発明の皮膚美白用化粧料組成物は、モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物よりなる群から選択された2種以上を混合したメラデファイングコンプレックス(Meladefying complex)を含有し、有効成分間の相昇作用を利用することによって、各々の成分が単独使用されるものより有意に向上した美白効能を示す。
【0024】
また、本発明の組成物は、美白効果を示す公知の物質をさらに含有することができ、具体的には、アスコルビルグルコシド、甘草抽出物、アルブチン、アスコルビン酸、及びコウジ酸よりなる群から選択された1種以上をさらに含有することができ、これは、組成物の全体質量に対して0.5〜5.0質量%で含有される。これは、0.5質量%未満なら、皮膚に吸収され、効能を示しにくいし、5.0質量%超過なら、皮膚に毒性を示したり、皮膚べたつきが大きく増加し、化粧品としての価値を示しにくいからである。
【0025】
本発明の化粧料組成物は、損傷されたメラノサイトを鎮静させて保護するだけでなく、その周辺のマイクロ環境まで元気にさせて、メラニン生成を根本的に抑制すると同時に、メラニン除去を容易にすることによって、優れた美白効果を提供し、皮膚色素沈着及び皮膚のトーンダウン現象を改善することができ、皮膚角質量を減少させるのに効果的である。したがって、本発明の化粧料組成物は、シミ、斑点などの皮膚スポット部位と皮膚トーンを総合的に管理するのに効果的に使用されることができる。
【0026】
本発明の化粧料組成物は、その剤形において特に限定されるものではなく、例えば、柔軟化粧水、栄養化粧水、マッサージクリーム、栄養クリーム、パック、ジェルまたは皮膚粘着タイプ化粧料の剤形を有する化粧料組成物であることができる。
【実施例】
【0027】
以下、実施例及び試験例により本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明の範囲が下記実施例及び試験例に限定されるものではない。
[製造例1]モクレン抽出物の製造
きれいな水で洗浄したモクレンの樹皮を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、抽出した。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、モクレン抽出物を得た。
【0028】
[製造例2]ミカン抽出物の製造
きれいな水で洗浄したミカンの皮を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、抽出した。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、ミカン抽出物を得た。
【0029】
[製造例3]豆抽出物の製造
きれいな水で洗浄した野生豆を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、抽出した。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、豆抽出物を得た。
【0030】
[製造例4]イチョウ葉抽出物の製造
きれいな水で洗浄したイチョウ木の葉を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、抽出した。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、イチョウ葉抽出物を得た。
【0031】
[製造例5]ハニーサックル抽出物の製造
きれいな水で洗浄したハニーサックルの葉と茎を、精製水70%、アルコール30%溶媒に入れ、25℃で6時間放置し、抽出した。抽出後、3μm空隙を有するフィルタで1回、1μm空隙を有するフィルタで1回フィルタリングをし、異物を除去し、最後に除菌フィルタで微生物を除去し、ハニーサックル抽出物を得た。
【0032】
[実施例1〜4及び比較例1〜6]
人体皮膚に対する美白効果を実験するために、実施例1〜4及び比較例1〜6を下記表1の組成で製造した。
【0033】
【表1】

【0034】
〈実施例1〜4及び比較例1〜6の製造方法〉
1)上記表1の原料1〜9を混合溶解し、水パートを製造した。
2)別途の容器で上記表1の原料10〜14を50℃で溶解し、アルコールパートを製造した。
3)上記2)段階のアルコールパートを上記1)段階の水パートに添加し、撹拌混合機で撹拌し、混合した。
4)上記3)の混合物の気泡を除去し、化粧料を製造した。
【0035】
[試験例1]人体皮膚に対する美白効果試験
元気な12名の男性を対象にして被検者の上膊部に直径1.5cmの穴6個が穿設された不透明テープを付着した後、各被検者の最小紅斑量(Minimal Erythema Dose)の1.5〜2倍程度の紫外線(UVB)を照射し、皮膚の黒化を誘導し、各々の穴に上記実施例1〜4及び比較例1〜6を各々朝、夕方2回ずつ毎日塗布するようにし、2ヶ月後に色差計を利用して皮膚の明暗を測定した。
【0036】
効果の判定は、色差計(ミノルタCR2002)を使用して皮膚の黒白程度を測定し、判定した。色を表示するには、L、a、b表色系を使用し、本発明では、皮膚の明暗を示す“L”値を求め、分析した(焼かない韓国人の皮膚色は、一般的に50〜70の値を示す)。L値は、標準プレートで補正し、測定は、1個部位に5回以上測定を繰り返すことによって、均等に測定した。
【0037】
試験物質を塗布し、効果がある場合は、L値が徐々に増加するようになり、試験物質間の比較は、塗布開始時点と完了時点での皮膚色の差異(△L)を下記数式1によって計算し、その結果を下記表2に示した。
[数式1]
△L*=塗布後50日後のL*値−塗布開始時のL*値
【0038】
【表2】

【0039】
上記表2から明らかなように、モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物よりなる群から選択された2種以上を一緒に含有する実施例1〜4の場合、本発明の有効成分を含有しないか、または単独で含有する比較例1〜6よりも、有効成分間の相昇効果によって美白効果がさらに優れていることが分かる。
【0040】
したがって、本発明の化粧料組成物は、損傷されたメラノサイトを鎮静させ、保護するだけでなく、その周辺のマイクロ環境まで元気にさせて、メラニン生成を根本的に抑制すると同時に、メラニン排出を容易にすることによって、優れた美白効果を提供することができた。
【0041】
[試験例2]角質量減少効果
本発明による美白化粧料組成物の角質量減少効果を調べるために、実施例1〜4及び比較例1〜6の皮膚角質量減少効果を調べた。
皮膚疾患がない20〜30代の大人男性及び女性50名に実施例1〜4と比較例1〜6の化粧料組成物を下膊(forearm)内側に塗布した後、24時間が経過した後、チャームビュー(Charm view;Moritex、Japan)を利用して角質減少量を測定した。あらかじめ塗布開始前に恒温、恒湿条件(24℃、湿度40%)でチャームビューを利用して初期皮膚角質量を測定して基本値とし、24時間経過後の変化を測定し、その結果を下記表3に示した。
【0042】
【表3】

【0043】
上記表3から明らかなように、本発明による美白化粧料組成物である実施例1〜4の場合、モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、ハニーサックル抽出物を含有しないか、または単独で含有する比較例1〜6に比べて皮膚角質減少効果が非常に優れていることが分かった。
【0044】
したがって、本発明の組成物は、モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物間の相昇効果によって皮膚角質を効果的に減少させることによって、肌がきれいで、皮膚につやがある清くて元気な皮膚を作ることができた。
【0045】
[試験例3]皮膚安全性評価
本発明による美白化粧料組成物の皮膚に対する安全性を評価するために、実施例1〜4の皮膚に対する刺激程度を測定した。
刺激程度の測定は、韓国の忠北大学校皮膚科病院で実施した。平均年齢33.2歳の元気な大人30名を対象にして背中部位に48時間単回閉鎖貼布し、除去後24時間皮膚反応を目視で判読した。皮膚刺激の評価基準は、CTFAガイドライン(1981年)とFrosch&Kligmanの判定基準とを参考した。反応検査判読基準は、下記表4に示した。
【0046】
【表4】

【0047】
本発明の化粧料組成物である実施例1〜4を貼布した30名全部が皮膚平均反応度の数値スコアが0であって、これから皮膚刺激が誘発されないことを確認することができた。皮膚平均反応スコアが1以下であるとき、非常に安全と判断するので、本発明は、皮膚安全性が非常に優れた組成物であると判断することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、及びハニーサックル抽出物よりなる群から選択された2種以上を、有効成分として含有する皮膚美白用化粧料組成物。
【請求項2】
上記モクレン抽出物、ミカン抽出物、豆抽出物、イチョウ葉抽出物、またはハニーサックル抽出物は、組成物の全体質量に対して各々0.01〜10質量%の量で含有されることを特徴とする請求項1に記載の皮膚美白用化粧料組成物。
【請求項3】
上記組成物は、アスコルビルグルコシド、甘草抽出物、アルブチン、アスコルビン酸、及びコウジ酸よりなる群から選択された1種以上を、さらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚美白用化粧料組成物。
【請求項4】
上記組成物は、皮膚内メラニンの生成を遮断するか、または皮膚内メラニンを除去することができる請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚美白用化粧料組成物。
【請求項5】
上記組成物は、皮膚色素沈着及び皮膚のトーンダウン現象を改善することができる請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚美白用化粧料組成物。
【請求項6】
上記組成物は、皮膚角質量を減少させることができる請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚美白用化粧料組成物。

【公開番号】特開2012−171960(P2012−171960A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30153(P2012−30153)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【出願人】(503327691)株式會社アモーレパシフィック (73)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】181,Hangang−ro 2ga,Yongsan−gu,Seoul 140−777,Republic of Korea
【Fターム(参考)】