説明

皮膚貼付用具

【課題】簡易な構造で、筋肉が疲労する部分を瞬時に、確実に、劇的に回復させて最適化するようにした。
【解決手段】シート部材10の片面10aに設けられた粘着層11に、複数の硬質な金属粒体12が配列されて隆起している粘着シート13と、前記各金属粒体12に対応する位置に小孔14が設けられ、前記各小孔14から前記各金属粒体12が突出して前記粘着シート13の粘着層11に剥離可能に設けられている剥離シート15とを備え、前記剥離シート15を粘着シート13から剥離して金属粒体12を有する面を人体の皮膚表面に貼着することにより、皮膚表面に生じている生体電位を変換させて神経の機能低下に基づく損傷を改善するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打撲、その他の外的衝撃を受けて人体に障害が発生すると、急激に、しかも瞬時にして劇的に障害を回復させて最適化するようにしたことを特徴とする皮膚貼付用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体が、打撲、捻挫により痛んだり、スポーツによって急性外傷や障害疾患等による痛み等の諸症状が生じるのは、筋肉、靱帯、腱等に損傷を受けることにより、神経が浅く、広く若しくは深く損傷して機能低下することが原因である。したがって、痛みを解消させるには、神経の損傷や機能低下を改善する必要がある。その改善のための簡易な手段として、従来では、安静、冷却、圧迫、挙上などが基本的治療である。
上記した安静による治療は、損傷部を固定したり損傷を招くリスクを防止して人体の組織が回復に向かうための静的な措置であり、冷却による治療は、コールドパックやアイスパックを患部周辺に当てて血管を収縮させることによる炎症や腫れるのを抑制するものであり、圧迫による治療は、包帯または弾性包帯で組織を圧迫して患部の安静を図るものであり、挙上による治療は、損傷部位を高く上げて心臓へと戻る血流を促して体液の貯留を軽減することによる腫れを抑制するものである。
しかし、これらの改善手段は、人体に基づく自然の治癒力を期待するだけであって、完治するまでに長期間を要する。
そして、人体の一部を外的に治療するための家庭用の簡易な皮膚用治療具として、例えば純金等の粉体から成る金属固形材と、石英成分を75%以上含有する鉱石材とから成る重合粒状物を、金属固形材を外側に、鉱石材を内側にしてシート部材の中心部に固着して成る貼付治療具が知られている。
【特許文献1】特開2002−209973号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の貼付治療具は、人体の経絡やツボに貼付すると、シートの中心部にある重合粒状物の鉱石材が発生する遠赤外線の熱作用とマイナスイオンのエネルギーを伝導性の良い純金等の金属固形材を通して人体のツボに直接伝達することを目的とするものである。
しかし、シートの中心部にある重合粒状物の鉱石材が発生する遠赤外線の熱作用の強さとマイナスイオンのエネルギーの強さによって効果に差異がでてしまうし、人体の皮膚に点状にしか使用することができない。また、遠赤外線を発生する重合粒状物の鉱石材や、純金等の金属固形材はコスト
がかかるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明は、前記課題を解決するために提案されたもので、人体に捻挫、打撲、肉離れ、その他の外的衝撃を受けて筋肉、筋膜、腱、靱帯、骨膜、骨等に障害が発生すると、筋肉、その他の部分を管理している神経が、その障害の度合いによって浅く、広くまたは深く損傷して痛み、若しくはその他の諸症状が発生する。また、神経に機能低下が発生すると、筋肉、腱、靱帯などが硬くなって血行が悪くなり、特に肉離れや筋、腱、靱帯の断裂が起こりやすい状態になる。
このような状態の時に本発明の皮膚貼付用具を貼付すると、瞬時にしかも確実な作用によって劇的に、驚異的に前記神経の機能低下を回復させることにより神経を最適化するようにしたことにある。
更に具体的には、健康な人体の皮膚表面には常にマイナスの生体電位があり、例えば打撲、捻挫、その他の前記外的衝撃を受けると、その部分の筋肉が損傷し、またはその筋肉を管理する神経も浅く、広くまたは深く損傷することになる。神経が損傷すると、その神経の機能が低下するので皮膚表面のマイナスの生体電位がプラスに変換するとともに、強い痛み、重み、痺れ等が発生する。
したがって、その部分の皮膚の表面の生体電位を、金属粒体が持っているミネラルのイオンでプラスからマイナスに変換させ、神経を最適化することによって、瞬時に、劇的に、しかも驚異的に痛み、その他の諸症状を改善させるものである。
【0005】
本発明は、傷害・外傷などが発生した場合の人体の皮膚の表面に存在する生体電位を、プラスからマイナスに変換されるようにしたものであり、請求項1に記載の発明は、シート部材の片面に設けられた粘着層に、ミネラルを有し、前記ミネラルにより皮膚表面に生じている生体電位を変換させ、神経の機能低下を最適化することにより神経を最善化させるとともに痛みの改善をする複数の硬質な金属粒体が隆起して配列状に設けてある粘着シートと、前記粘着シートの粘着層に剥離可能に設けられている剥離シートとを備え、前記剥離シートを粘着シートから剥離して金属粒体を有する面を人体の皮膚表面に貼着して神経の機能低下を最適化するようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記粘着層から隆起する複数の金属粒体は、前記シート部材の粘着層に行方向と列方向に配列して設けられ、前記金属粒体に有するミネラルのイオンによって前記皮膚表面に存在する生体電位をプラスからマイナスに変換させるようにした請求項1に記載の皮膚貼付用具に関するものである。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記シート部材は強度と柔軟性のある紙、不織布、布または可撓性を有する樹脂のシートからなり、人体の部位に貼着できる面積である請求項1又は2に記載の皮膚貼付用具に関するものである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記各金属粒体は、前記シート部材の粘着層に0〜12mm間隔で配列して隆起している請求項1又は2に記載の皮膚貼付用具に関するものである。
【0009】
また請求項5に記載の発明は、前記金属粒体は、粒径が0.1〜1.8mmである請求項1、2又は4に記載の皮膚貼付用具に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の皮膚貼付用具によれば、打撲、捻挫、肉離れ、衝撃などの外的原因によって筋肉、靱帯、腱等に障害が発生すると、神経が広く、浅く若しくは深く損傷する。また、障害が発生した部分の神経が機能低下することにより皮膚の表面の生体電位が通常のマイナスからプラスになるので、その人体の部位に貼り付けるだけできわめて効果的に生体電位をマイナスに変換することができるので、人体の一部を確実に回復させて最適化することができる。また、金属粒体は半永久的に使用することができるので、シート部材の粘着機能が低下した場合に、新たなシート部材を使用して再利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
図1は本発明に係る皮膚貼付用具の平面図、図2は図1のA−A線の一部の拡大断面図である。
【0013】
図1において、本発明の皮膚貼付用具1は、シート部材10の片面に設けてある粘着層11に隆起する複数の硬質な金属粒体12が所定間隔で配列して設けてある粘着シート13と、各金属粒体12に対応する位置に小孔14が設けられ、各小孔14から前記各金属粒体12が突出して粘着層11に剥離可能に設けてある剥離シート15とを有して構成されている。
【0014】
前記シート部材10は、強度と柔軟性のある紙、不織布、布または可撓性を有する樹脂のシートなどからなって厚さが1mm以下のシート状であり、その片面10aには、粘着剤の塗布による粘着層11が設けてある。
前記硬質な金属粒体12は、鉄、銅、ニッケル、クロム、金、銀、鉛、錫、アルミニウム、ステンレス、ゲルマニウム、チタン等からなってミネラルを含んで有する金属の素材であり、粒径が0.1〜1.8mm程度である。0.1mm以下では小さすぎて神経を最適化効果が期待できないし、また1.8mm以上では大きすぎて使用時に人体の皮膚に食い込み、痛みを感じることがある。
そして、前記金属粒体12は、シート部材10の粘着層11に行方向と列方向に配列されて隆起するように設けてある。
前記金属粒体12は、球状のものが望ましいが、半球状、円柱状、多角錐状等特に形状に限定されるものではない。
【0015】
前記剥離シート15は、屈曲性、柔軟性及び強度の有る紙とか樹脂のシートなどからなって片面が前記粘着層11から容易に剥離できるように処理されている。そして、前記剥離シート15には、シート部材10の粘着層11における複数の金属粒体12の配列位置に対応するように複数の小孔14が設けられている。
また前記剥離シート15は、複数の各小孔14からシート部材10の複数の金属粒体12が突出するようにしてシート部材10の粘着層11に粘着するのであって、前記シート部材10及び剥離シート15とにより本発明の皮膚貼付用具1が構成されている。
【0016】
本発明の実施例におけるシート部材10は、人体の皮膚表面に貼り付けることができる寸法であればどの様な大きさでもよいが、例えば1辺が8〜10cm四方程度の正方形又は長方形のものが最適で、使用時には、筋肉が疲労して神経が機能低下している部位に対応する大きさに切断すればよい。
また、複数の金属粒体12は、前記の通り粒径が0.1〜1.8mmのものであり、シート部材10の粘着層11の表面に、行方向と列方向に0〜12mm間隔で規則正しく配列するように配置してある。
そして、前記間隔が0mmであれば隣り合う金属粒体12が接触状態であり、効率的に指圧効果とミネラルのイオンを発生することができる。また、12mm以下であれば機能低下している神経を最適化するのに達成できる間隔であるし、12mm以上であれば、隣り合う金属粒体の間隔が長すぎるので神経の最適化を達成できない。
なお、シート部材10として樹脂のシートを使用する場合には、複数の金属粒体12を予めシート部材に接着して固定しておき、その面に粘着剤を塗布して粘着層11を形成してもよい。
【0017】
前記剥離シート15は、シート部材10の粘着層11に剥離可能に粘着されているので、剥離シート15の複数の小孔14のそれぞれから各金属粒体12が突出するようになっている。
【0018】
前記した本発明の皮膚貼付用具1の使用方法について説明する。
人体の皮膚表面に存在する生体電位は常にマイナスであって、マイナスが正常な状態である。しかし、例えばスポーツ時に打撲、捻挫などをすると、その部分の筋肉が疲労したり挫傷して神経が浅く、広く損傷する。
上記のように人体に何等かの外的要因で神経が損傷すると、神経の機能が低下するので皮膚表面のマイナスの生体電位がプラスに変換するとともに、痛みが発生する。したがって、皮膚の表面の生体電位がマイナスからプラスに変換した場合に、その部分に、適宜の寸法に切断するとともに剥離シート15を剥がしたシート部材10を、金属粒体12が皮膚面に接触するようにして貼着すると、前記金属粒体12によって生体電位をプラスからマイナスに変換させることにより、神経を回復させて最適化することができる。
【0019】
なお、本発明の皮膚貼付用具1は、症状が急性症・慢性症のいずれの場合であっても使用することができるが、特に、急性の場合には、皮膚貼付用具1を患部の皮膚に直接貼り付けるとともに冷湿布、または、患部を冷却作用させることにより、神経の回復による最適化を高めたり促進することができる。
【0020】
本発明の皮膚貼付用具1は、小型、軽量であるため、スポーツ、旅行に参加するときには、携帯に便利であり、また家庭では救急箱に入れて保管することができる。
【0021】
本発明の皮膚貼付用具は、患部の皮膚に貼り付けると金属粒体が皮膚に当接して、皮膚表面を適度に押圧することで皮膚反応面を刺激し、指圧の代用として機能し、同時に皮膚表面の生体電位を調整する作用により、人体の生体電位を変換して神経を回復することができるので、慢性・急性を問わず、外的衝撃に対する捻挫、打撲等の症状に対する回復に著しく有効である。
【0022】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を逸脱することがなければ、種々の設計変更が可能であり、前記実施例に限定されないことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る皮膚貼付用具の平面図である。
【図2】図1のA−A線の一部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 皮膚貼付用具
10 シート部材
10a シート部材の片面
11 粘着層
12 金属粒体
13 粘着シート
14 小孔
15 剥離シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部材の片面に設けられた粘着層に、ミネラルを含んで有し、前記ミネラルにより皮膚表面に生じている生体電位を変換させ、神経の機能低下を最適化することにより神経を最善化させるとともに痛みの改善をする複数の硬質な金属粒体が隆起して配列状に設けてある粘着シートと、
前記粘着シートの粘着層に剥離可能に設けられている剥離シートとを備え、
前記剥離シートを粘着シートから剥離して金属粒体を有する面を人体の皮膚表面に貼着して神経の機能低下を最適化するようにしたことを特徴とする皮膚貼付用具。
【請求項2】
前記粘着層から隆起する前記複数の金属粒体は、前記シート部材の粘着層に行方向と列方向に配列して設けられ、前記金属粒体に有するミネラルのイオンによって前記皮膚表面に存在する生体電位をプラスからマイナスに変換させるようにした請求項1に記載の皮膚貼付用具。
【請求項3】
前記シート部材は強度と柔軟性のある紙、不織布、布または可撓性を有する樹脂のシートからなり、人体の部位に貼着できる面積である請求項1又は2に記載の皮膚貼付用具。
【請求項4】
前記各金属粒体は、前記シート部材の粘着層に0〜12mm間隔で配列して隆起している 請求項1又は2に記載の皮膚貼付用具。
【請求項5】
前記金属粒体は、粒径が0.1〜1.8mmである請求項1、2又は4に記載の皮膚貼付用具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−194117(P2008−194117A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30165(P2007−30165)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(505298319)
【Fターム(参考)】