説明

監視システム及び動画配信方法

【課題】ネットワークカメラの制御や撮影された動画像の管理のための負担をユーザから分離した形で利用可能な監視システムを提供する
【解決手段】監視システムは、動画像撮影装置及び動画像記憶装置を含む監視システムであって、動画像撮影装置は、設置された場所の動画像を撮影する動画像撮影手段(監視カメラ10)と、動画像撮影手段(監視カメラ10)によって撮影された動画像を、IPネットワーク20Aを通じて動画像記憶装置(サーバ30)に送信する動画像送信手段とを有し、動画像記憶装置(サーバ30)は、動画像撮影装置(監視カメラ10)から送信された動画像を格納する動画像格納手段と、動画像格納手段により格納された動画像を、IPネットワーク20Bを通じてユーザ(PC40、携帯41)に配信する動画像配信手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ネットワークカメラを自動設定する管理サーバを備えた監視システムが開示されている。
【特許文献1】特開2006−80596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の背景技術にもあるように、ネットワークカメラを使用した監視システムでは、ネットワークカメラの制御や撮影された動画像をいつでも閲覧可能な状態で、かつ安全に管理、維持するために費やすコストや人的な負担がユーザにとって大きいという問題がある。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ネットワークカメラの制御や撮影された動画像の管理のための負担をユーザから分離した形で利用可能な監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る監視システムは、動画像撮影装置及び動画像記憶装置を含む監視システムであって、前記動画像撮影装置は、設置された場所の動画像を撮影する動画像撮影手段と、前記動画像撮影手段によって撮影された動画像を、IPネットワークを通じて前記動画像記憶装置に送信する動画像送信手段とを有し、前記動画像記憶装置は、前記動画像撮影装置から送信された動画像を格納する動画像格納手段と、前記動画像格納手段により格納された動画像を、IPネットワークを通じてユーザに配信する動画像配信手段とを有する。
【0005】
好適には、前記動画像送信手段は、使用するIPネットワークにおいて前記動画像撮影装置と前記動画像記憶装置間で仮想専用線(VPN)を構築し、その仮想専用線を通じてユーザに動画像を配信する。
【0006】
好適には、前記動画像送信手段は、使用するIPネットワークにおいて前記動画像撮影装置と前記動画像記憶装置間でテレビ電話網を構築し、そのテレビ電話網を通じてユーザに動画像を配信する。
【0007】
好適には、前記動画像記憶装置は、前記動画像撮影装置を登録する動画像撮影装置登録手段と、前記動画像撮影装置登録手段によって登録された前記動画像撮影装置と関連付けてユーザを登録するユーザ登録手段とをさらに有し、前記動画像配信手段は、前記ユーザ登録手段によって登録されたユーザのみに、そのユーザに関連付けられた前記動画像撮影装置によって撮影された動画像を配信する。
【0008】
好適には、前記動画像送信手段は、光通信網におけるIPネットワークを使用する。
好適には、前記動画像配信手段は、Webブラウザによって表示可能な形式で動画像を配信する。
【0009】
また、本発明に係る動画配信方法は、動画像撮影装置及び動画像記憶装置を含む監視システムにおいて、前記動画像撮影装置が、設置された場所の動画像を撮影するステップと、前記動画像撮影装置が、撮影された動画像を、IPネットワークを通じて前記動画像記憶装置に送信するステップと、前記動画像記憶装置が、前記動画像撮影装置から送信された動画像をデータベースに格納するステップと、前記動画像記憶装置が、前記データベースに格納された動画像を、IPネットワークを通じてユーザに配信するステップとを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ネットワークカメラの制御や撮影された動画像の管理のための負担をユーザから分離した形で利用可能な監視システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、本実施形態に係る映像監視システム1の構成について以下図面に従って説明する。
図1は、映像監視システム1の構成を例示する構成ブロック図である。
図1に例示するように、映像監視システム1は、監視カメラ10A、10B、10Cと、IPネットワーク20A、20Bと、サーバ30と、PC(パーソナルコンピュータ)40と、携帯電話41と、ルータ50A、50B、50Cとを含む。なお、IPネットワーク20A、20Bは、同一のIPネットワーク上に存在し、相互接続されていてもよい。
監視カメラ10A、10B、10Cは、ルータ50に接続される。
ルータ50Aは、CTUとONUを介して、IPネットワーク20Aに接続される。IPネットワーク20Aは、例えば、光通信網上に構築される。
【0012】
また、サーバ30は、ルータ50B及びルータ50Cに接続される。
ルータ50Bは、CTUとONUを介してネットワーク20Aに接続され、ルータ50Cは、CTUとONUを介してネットワーク20Bに接続される。サーバ30は、監視カメラ10A、10B、10Cや監視カメラ10A、10B、10Cで撮影された動画像を閲覧するユーザを登録することができ、登録された監視カメラ10A、10B、10Cから送信されてくる動画像を蓄積すると共に、登録されたユーザにその動画像を配信する。なお、ルータ50Aとルータ50Bの間には、例えば、テレビ電話通信網が構築される。これにより、高品質な動画像や音声を送信することができる。さらに、ルータ50Aとルータ50Bの間には、例えば、仮想専用線(VPN)が構築される。これにより、第三者に監視カメラ10A、10B、10Cで撮影された動画像が漏洩することを防止できる。
【0013】
また、ユーザは端末機器(例えば、PC40、携帯電話41など)で起動される動画像閲覧ソフト(例えば、Webブラウザなど)を利用して、サーバ30から配信される動画像データ(監視カメラ10A、10B、10Cで撮影された動画像)を閲覧することができる。なお、ユーザの端末機器とルータ50Cの間には、例えば、仮想専用線(VPN)が構築されてもよく、これにより、第三者に監視カメラ10A、10B、10Cで撮影された動画像が漏洩することを防止できる。
【0014】
上記のシステム構成において、ユーザはサーバ30から送信される動画像を閲覧するための手段(例えば、Webブラウザを起動できる端末機器)を用意するだけでよく、監視カメラ10A、10B、10Cと、サーバ30と、その他ネットワーク設備の運用管理を別の業者に委託することが可能となる。これにより、ユーザの映像監視システム1を構築するための設備投資や運用コストを軽減することができる。
【0015】
次に、本実施形態に係る動画像配信プログラム2の機能構成について以下図面に従って説明する。
図2は、動画像配信プログラム2の機能構成を例示するブロック図である。
動画像配信プログラム2は、サーバ30において動作するプログラムである。図2に例示するように、動画像配信プログラム2は、動画像受信部100、動画像登録部101、入力データ受信部102、監視カメラ登録部103、ユーザ登録部104、データ格納部105、ユーザ認証部106、及び、動画像配信部107を有する。
【0016】
動画像受信部100は、監視カメラ10から送信される動画像データを受信する。動画像登録部101は、動画像受信部100により受信された動画像データをデータ格納部105に格納する。
【0017】
入力データ受信部102は、オペレータによって入力された監視カメラ10やユーザの情報を受信する。監視カメラ登録部103は、入力データ受信部102により受信された監視カメラの情報をデータ格納部105に格納する。ユーザ登録部104は、入力データ受信部102により受信されたユーザの情報をデータ格納部105に格納する。なお、監視カメラ登録部103は、監視カメラ10の情報にユーザ登録部104によって登録されたユーザの情報を関連付けて監視カメラ10の情報をデータ格納部105に格納する。
【0018】
ユーザ認証部106は、ユーザからの接続を受け付け、ユーザから受信した認証情報(ユーザIDやパスワードなど)とデータ格納部105に格納されているユーザ情報とを照合して、ユーザ認証を行う。動画配信部107は、ユーザ認証部106によるユーザ認証の結果に応じて、そのユーザに関連付けられている監視カメラ10で撮影された動画像をそのユーザに配信する。
【0019】
次に、データ格納部105内に構成される配信データベース(監視カメラ情報)3及び配信データベース(ユーザ情報)4を説明する。
図3は、配信データベース(監視カメラ情報)3と配信データベース(ユーザ情報)4を例示する図である。
配信データベース(監視カメラ情報)3は、動画像登録部101により登録された動画像と、監視カメラ登録部103により登録された監視カメラの情報とを互いに対応付けるデータベースである。すなわち、配信データベース3は、図3に例示するように、監視カメラと、その監視カメラで撮影された動画像データと、その動画像データの閲覧が許可されるユーザとを互いに対応付けて保持する。
配信データベース(ユーザ情報)4は、ユーザ登録部104により登録されたユーザ情報を保持するデータベースである。すなわち、配信データベース4は、図3に例示するように、ユーザ(ユーザIDなど)と、パスワードとを互いに対応付けて保持する。
【0020】
次に、動画配信プログラム2の動作を説明する。
図4は、動画配信プログラム2の配信動作を例示するフローチャートである。
図4に例示するように、ステップ100(S100)において、ユーザ認証部106は、ユーザからの接続を、検知し、受け付ける。
【0021】
ステップ110(S110)において、ユーザ認証部106は、ユーザから送信されるユーザ情報(ユーザIDやパスワードなど)を受信する。
【0022】
ステップ120(S120)において、ユーザ認証部106は、受信したユーザ情報と、データ格納部105に格納されるユーザ情報とを照合して、登録されているユーザからの接続であれば、ステップ130へ進み、登録されていないユーザからの接続であれば、そのユーザからの接続を切断して終了する。
【0023】
ステップ130(S130)において、動画配信部107は、このユーザに関連付けられている監視カメラ10で撮影された動画像のリストを、データ格納部105から読み出し、読み出された動画像のリストをユーザの端末機器に配信する。ユーザの端末機器は、ウェブブラウザで、動画配信部107から配信された動画像のリストを表示する。
【0024】
ステップ140(S140)において、動画像配信部107は、ユーザが動画像リストの中から所望の動画像を選択すると、選択された動画像のデータをユーザの端末機器に配信する。ユーザの端末機器は、ウェブブラウザで、動画配信部107から配信された動画像のデータに基づいて動画像を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】映像監視システム1のハードウェア構成を例示する図である。
【図2】動画像配信プログラム2の機能構成を例示するブロック図である。
【図3】配信データベース(監視カメラ情報)3と配信データベース(ユーザ情報)4を例示する図である。
【図4】動画像配信プログラム2の動作を例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
1・・・映像監視システム
2・・・動画像配信プログラム
3・・・配信データベース(監視カメラ情報)
4・・・配信データベース(ユーザ情報)
10・・・監視カメラ
20・・・IPネットワーク
30・・・サーバ
40・・・PC
41・・・携帯電話
50・・・ルータ
100・・・動画像受信部
101・・・動画像登録部
102・・・入力データ受信部
103・・・監視カメラ登録部
104・・・ユーザ登録部
105・・・データ格納部
106・・・ユーザ認証部
107・・・動画像配信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像撮影装置及び動画像記憶装置を含む監視システムであって、
前記動画像撮影装置は、
設置された場所の動画像を撮影する動画像撮影手段と、
前記動画像撮影手段によって撮影された動画像を、IPネットワークを通じて前記動画像記憶装置に送信する動画像送信手段と
を有し、
前記動画像記憶装置は、
前記動画像撮影装置から送信された動画像を格納する動画像格納手段と、
前記動画像格納手段により格納された動画像を、IPネットワークを通じてユーザに配信する動画像配信手段と
を有する
監視システム。
【請求項2】
前記動画像送信手段は、使用するIPネットワークにおいて前記動画像撮影装置と前記動画像記憶装置間で仮想専用線を構築し、その仮想専用線を通じてユーザに動画像を配信する
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記動画像送信手段は、使用するIPネットワークにおいて前記動画像撮影装置と前記動画像記憶装置間でテレビ電話網を構築し、そのテレビ電話網を通じてユーザに動画像を配信する
請求項1又は2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記動画像記憶装置は、
前記動画像撮影装置を登録する動画像撮影装置登録手段と、
前記動画像撮影装置登録手段によって登録された前記動画像撮影装置と関連付けてユーザを登録するユーザ登録手段と
をさらに有し、
前記動画像配信手段は、前記ユーザ登録手段によって登録されたユーザのみに、そのユーザに関連付けられた前記動画像撮影装置によって撮影された動画像を配信する
請求項1から3のいずれかに記載の監視システム。
【請求項5】
前記動画像送信手段は、光通信網におけるIPネットワークを使用する
請求項1から4のいずれかに記載の監視システム。
【請求項6】
前記動画像配信手段は、Webブラウザによって表示可能な形式で動画像を配信する
請求項1から5のいずれかに記載の監視システム。
【請求項7】
動画像撮影装置及び動画像記憶装置を含む監視システムにおいて、
前記動画像撮影装置が、設置された場所の動画像を撮影するステップと、
前記動画像撮影装置が、撮影された動画像を、IPネットワークを通じて前記動画像記憶装置に送信するステップと、
前記動画像記憶装置が、前記動画像撮影装置から送信された動画像をデータベースに格納するステップと、
前記動画像記憶装置が、前記データベースに格納された動画像を、IPネットワークを通じてユーザに配信するステップと
を有する動画配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−124440(P2010−124440A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298677(P2008−298677)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(508347030)株式会社遠隔システム (1)
【Fターム(参考)】