説明

監視プログラム、監視装置、及び監視方法

【課題】障害発生箇所としての再送要求が生じた箇所又は障害発生区間を推定すること。
【解決手段】監視プログラムは、所定の時間間隔で送信元装置から送信されるデータを、受信エラーに応じてそれぞれ再送要求を行う複数の中継装置を経由して受信し、順番に受信したデータ間の受信時間間隔を計測し、計測した前記時間間隔の長さに基づいて、前記複数の中継装置のうち、いずれの中継装置によってデータの再送が要求されたかを判定する処理をコンピュータに実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視プログラム、監視装置、及び監視方法に関し、特にネットワークの監視を行う監視プログラム、監視装置、及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報技術の発展に伴い、パケット通信ネットワークを介しての双方向通信が活発である。例えば、パケット化した音声データを、パケット通信ネットワークを介して送受信することによって、インターネット経由での音声通話を可能にするVoIP(Voice over Internet Protocol)を使用したIP電話が普及している。今後、パケット通信ネットワークを介して通信されるIP電話の通話量は増大していくと考えられる。斯かる状況に鑑みれば、IP電話のサービス事業者等にとって、IP電話の通話品質の監視及び管理等の重要性は益々増大していくと考えられる。
【0003】
また、携帯電話の世界においても、パケット通信ネットワークを流れるパケットの消失率や遅延等の通信品質値を計測し、通信品質に応じた運用や、通信品質に応じたサービスの提供等が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−167347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、障害発生箇所の特定が困難といった問題があった。
【0006】
そこで、1つの側面では、本発明は、障害発生箇所としての再送要求が生じた箇所又は障害発生区間を推定可能な監視プログラム、監視装置、及び監視方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、監視プログラムは、所定の時間間隔で送信元装置から送信されるデータを、受信エラーに応じてそれぞれ再送要求を行う複数の中継装置を経由して受信し、順番に受信したデータ間の受信時間間隔を計測し、計測した前記時間間隔の長さに基づいて、前記複数の中継装置のうち、いずれの中継装置によってデータの再送が要求されたかを判定する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
障害発生箇所としての再送要求が生じた箇所又は障害発生区間を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態におけるネットワーク構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における監視装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における監視装置の機能構成例を示す図である。
【図4】第一の実施の形態の概要を説明するための図である。
【図5】再送時間を説明するための図である。
【図6】第一の実施の形態において監視装置が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】第一の実施の形態における再送時時間間隔記憶部の構成例を示す図である。
【図8】再送処理時間を考慮した再送時間を説明するための図である。
【図9】再送処理時間を考慮した場合の再送時時間間隔記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
【図10】第二の実施の形態の概要を説明するための図である。
【図11】第二の実施の形態における再送時時間間隔記憶部の構成例を示す図である。
【図12】第三の実施の形態の概要を説明するための図である。
【図13】再送が複数回行われる場合の再送時間を説明するための図である。
【図14】第三の実施の形態における再送時時間間隔記憶部の構成例を示す図である。
【図15】第四の実施の形態の概要を説明するための図である。
【図16】第四の実施の形態における再送時時間間隔記憶部の構成例を示す図である。
【図17】分岐を有するネットワーク構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるネットワーク構成例を示す図である。同図において、送信端末20と基地局30aとは、無線ネットワークを介して接続されている。基地局30a、中継装置30b、及び中継装置30c等は、有線のネットワークを介して接続されている。なお、本実施の形態において、当該無線のネットワーク及び有線のネットワークを含むネットワークを「ネットワークn1」という。
【0011】
送信端末20は、例えば、携帯電話又はスマートフォン等の携帯型の通信端末である。本実施の形態において、送信端末20は、データの送信元となる。但し、データの送信元となる装置は、必ずしも携帯型の端末、又は無線通信によって通信を行う端末でなくてもよい。例えば、PC(Personal Computer)、IP電話機等であってもよい。なお、送信端末20より送信されるデータの送信先は、ネットワークn2に属する通信機器であるとする。すなわち、ネットワークn2は、送信端末20より送信されるデータの送信先となる通信機器が接続されている、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワークである。
【0012】
基地局30aは、送信端末20との間で直接無線通信を行う装置である。基地局30aは、送信端末20より受信されるデータを中継装置30bに転送する。
【0013】
中継装置30b及び30cは、例えば、基地局制御装置、ゲートウェイ装置、又はルータ等の中継装置である。すなわち、中継装置30bは、送信側(基地局30a)より転送されるデータを中継装置30cに転送する。中継装置30cは、送信側(中継装置30b)より転送されるデータをネットワークn2に転送する。
【0014】
なお、基地局30a、中継装置30b、及び中継装置30cを区別しない場合、「中継装置30」という。
【0015】
TAP40は、ネットワークn1を流れる信号を監視装置10に分岐させる装置(ネットワーク・タップ)である。
【0016】
監視装置10は、TAP40によって分岐される信号に基づいてネットワークn1を流れるデータを監視する。監視装置10は、データを監視することにより、データの消失(ロス)が発生した中継区間を判定又は特定する。中継区間とは、ネットワークn1が中継装置30によって区切られることにより形成される区間である。本実施の形態では、送信端末20と基地局30aとの間の中継区間を「区間A」という。基地局30aと中継装置30bとの間の中継区間を「区間B」という。中継装置30bと中継装置30cとの間の中継区間を「区間C」という。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態における監視装置のハードウェア構成例を示す図である。図2の監視装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100と、補助記憶装置102と、メモリ装置103と、CPU104と、インタフェース装置105とを有する。
【0018】
監視装置10での処理を実現するプログラムは、記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0019】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムを実行することで、監視装置10として動作する。インタフェース装置105は、TAP40によって分岐されたネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0020】
なお、監視結果を表示させる液晶ディスプレイ等の表示装置や、監視指示の入力を受け付けるためのマウスやキーボート等の入力装置が監視装置10に接続されていてもよい。但し、監視装置10は、ネットワークを介するコンピュータより操作されてもよい。この場合、当該コンピュータが表示装置や入力装置等を有していればよい。
【0021】
また、記録媒体101の一例としては、CD−ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態における監視装置の機能構成例を示す図である。同図において、監視装置10は、データ解析部11、受信時刻取得部12、実時間間隔計測部13、受信履歴記憶部14、再送時時間間隔記憶部15、再送時時間間隔取得部16、再送時時間間隔設定部17、及びロス発生区間判定部18等を有する。データ解析部11、受信時刻取得部12、実時間間隔計測部13、再送時時間間隔取得部16、再送時時間間隔設定部17、及びロス発生区間判定部18は、監視装置10にインストールされたプログラムが監視装置10によって実行させる処理によって実現される。受信履歴記憶部14及び再送時時間間隔記憶部15は、例えば、メモリ装置103又は補助記憶装置102を用いて実現することができる。
【0023】
データ解析部11は、インタフェース装置105より受信されるデータの中から監視対象とされるデータ(以下、「対象データ」という。)を取り出し、対象データをセッション毎に分類する。本実施の形態において、データ解析部11は、受信部の一例である。対象データは、監視対象とする通信プロトコルに応じて異なる。例えば、RTP(Real-time Transport Protocol)であれば、RTPにおいて規定されているヘッダを有するデータ(パケット)が対象データとなる。また、TCP(Transmission Control Protocol)であれば、TCPにおいて規定されているヘッダを有するデータ(パケット)が対象データとなる。本実施の形態において、監視対象の通信プロトコルは限定されないが、一定間隔でデータが流れる(転送される)ことが望ましい。
【0024】
なお、セッションとは、通信主体間において通信が開始されてから終了するまでの一連のやりとり、又は当該やりとりを区別するための単位をいう。セッションの区別の仕方は、通信プロトコルに応じて適宜選択されればよい。例えば、RTPであれば、RTPが有するセッションによってセッションが区別されてもよいし、TCPにおけるポート番号とIPにおけるIPアドレスとの組み合わせによってセッションが区別されてもよい。
【0025】
受信時刻取得部12は、対象データが受信された際の時刻(受信時刻)を、監視装置10のタイマー(時計)より取得する。
【0026】
実時間間隔計測部13は、受信時刻取得部12によって取得された受信時刻と受信履歴記憶部14に記憶されている受信履歴に含まれている、同一セッションに係る一つ前の対象データの受信時刻とに基づいて、対象データ間の時間間隔を計測する。対象データ間の時間間隔とは、同一セッションに係る対象データについて、新たに受信されたデータの受信時刻と一つ前に受信されたデータの受信時刻との差分である。すなわち、実時間間隔計測部13は、対象データ間の受信時刻の差分を算出することにより、対象データ間の時間間隔を計測する。実時間間隔計測部13によって計測される時間間隔を、以下、「実時間間隔」という。実時間間隔計測部13は、また、新たに受信された対象データに関して取得された受信時刻と、データ解析部11によって分類されたセッションの識別子(セッションID)とを含む受信履歴を、受信履歴記憶部14に記録する。なお、本実施の形態において、実時間間隔計測部13は、計測部の一例である。
【0027】
受信履歴記憶部14は、受信履歴を記憶する。受信履歴記憶部14は、セッションごとに、少なくとも最後に受信された対象データに関する受信履歴を記憶する。
【0028】
再送時時間間隔記憶部15は、各中継区間において対象データの再送が行われた場合(ロスが発生した場合)の対象データ間の時間間隔(以下、「再送時時間間隔」という。)を中継区間ごとにリファレンス情報として記憶する。対象データの再送は、基本的に、対象データのロス(消失)が発生したと判断された場合に、対象データの受信を待ち受けている装置から要求によって行われる。たとえば、基地局30aは、送信端末20から受信すべきデータが受信予定時刻までに受信されない場合に送信端末20に再送要求を行い、送信端末20からのデータの再送信が実行される。同様に、中継装置30bが受信すべきデータが受信予定時刻までに受信されない場合に基地局30aに再送要求を行い、更に、基地局30aが送信端末20に再送要求を転送することで、結果的に、送信端末20からデータの再送信が実行される。
【0029】
再送時時間間隔取得部16は、再送時時間間隔記憶部15において中継区間ごとに記憶されている再送時時間間隔を読み出す。
【0030】
ロス発生区間判定部18は、実時間間隔計測部13によって計測された実時間間隔と、再送時時間間隔取得部16によって取得された再送時時間間隔とを比較することにより、対象データの再送が行われた(対象データのロスが発生した)中継区間を判定する。なお、本実施の形態において、ロス発生区間判定部は、判定部の一例である。
【0031】
再送時時間間隔設定部17は、中継区間ごとの再送時時間間隔の設定を受け付ける。再送時時間間隔設定部17は、受け付けられた設定内容を再送時時間間隔記憶部15に記録する。
【0032】
第一の実施の形態について説明する。第一の実施の形態では、いずれかの中継区間において対象データのロスが発生した場合、当該対象データの再送は、送信元である送信端末20によって行われるケースを想定する。
【0033】
図4は、第一の実施の形態の概要を説明するための図である。同図では、対象データのロスが発生した中継区間に応じて、対象データの再送に関する通信内容及びデータ間の時間間隔の例が示されている。
【0034】
(1)は、対象データのロスが発生しなかった場合を示す。この場合、送信端末20から送信された対象データd1、d2、及びd3に関して、監視装置10において計測される各実時間間隔は、20msであるとする。なお、ここでは、VoIPのように、20msなどの所定の時間間隔でデータの送信が規則的に行われることとする。
【0035】
(2)は、区間Aにおいて対象データd2に関してロスが発生した場合を示す。この場合、基地局30aから送信端末20に対して再送要求が送信される(S101)。送信端末20は、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S102)。
【0036】
ここで、ステップS101〜S102の実行に3msを要するとする。すなわち、対象データd2の転送に関して3msの再送時間(遅延)が発生するとする。そうすると、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、23msとなる。
【0037】
なお、再送時間とは、図5に示されるように、再送要求判断時間+再送伝送時間である。再送要求判断時間とは、同一セッションに関して、データが到着すべき時刻になっても到着しないときに、再送要求の送信(再送の要求)を判断するまでの時間である。再送伝送時間とは、再送要求を行ってから、再送データが到着するまでの時間である。図4では、便宜上、各中継装置30の再送要求判断時間は、一定(例えば、20ms+α)であるとする。
【0038】
(3)は、区間Bにおいて対象データd2に関してロスが発生した場合を示す。この場合、中継装置30bから基地局30aに対して再送要求が送信される(S111)。基地局30aは、再送要求を送信端末20に転送する(S112)。送信端末20は、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S113)。基地局30aは、再送された対象データd2を中継装置30bに転送する(S114)。
【0039】
ここで、ステップS111〜S114の実行に6msを要するとする。すなわち、対象データd2の転送に関して6msの再送時間(遅延)が発生するとする。そうすると、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、26msとなる。
【0040】
(4)は、区間Cにおいて対象データd2に関してロスが発生した場合を示す。この場合、中継装置30cから中継装置30bに対して再送要求が送信される(S121)。中継装置30bは、再送要求を基地局30aに転送する(S122)。基地局30aは、再送要求を送信端末20に転送する(S123)。送信端末20は、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S124)。基地局30aは、再送された対象データd2を中継装置30bに転送する(S125)。中継装置30bは、再送された対象データd2を中継装置30cに転送する(S126)。
【0041】
ここで、ステップS121〜S126の実行に9msを要するとする。すなわち、対象データd2の転送に関して9msの再送時間(遅延)が発生するとする。そうすると、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、29msとなる。
【0042】
第一の実施の形態では、上記のように、ロスが発生した中継区間に応じて、再送伝送時間(ひいては実時間間隔)が異なることを利用する。すなわち、ロスの発生区間が送信端末20から離れているほど、再送伝送時間は大きくなる。第一の実施の形態では、このような現象を利用して、データの再送が行われた(データのロスが発生した)中継区間が判定される。
【0043】
以下、監視装置10の処理手順について説明する。図6は、第一の実施の形態において監視装置が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。同図の処理は、監視装置10において対象データが受信されるたびに実行される。
【0044】
ステップS11において、データ解析部11は、インタフェース装置105を介して、対象データを受信(検出)する。続いて、データ解析部11は、対象データのヘッダ部等を参照して、当該対象データの属するセッションを判定する(S12)。判定結果としてセッションIDが特定される。なお、セッションの区別の必要の無い場合は、セッションの判定は行われなくてもよい。セッションの区別の必要の無い場合とは、例えば、ネットワークn1が、一つのセッションによって占有される場合等である。
【0045】
続いて、受信時刻取得部12は、監視装置10のタイマーより現在時刻を取得する(S13)。
【0046】
続いて、実時間間隔計測部13は、データ解析部11によって判定されたセッションIDに係る受信履歴が受信履歴記憶部14に記録されているか否か判定する(S14)。すなわち、当該セッションIDに係るセッションに関して、過去に対象データが受信されているか否かが判定される。該当する受信履歴が無い場合(S14でNo)、実時間間隔計測部13は、今回受信された対象データに関してデータ解析部11によって判定されたセッションIDと、受信時刻取得によって取得された受信時刻とを含む受信履歴を受信履歴記憶部14に記録し(S15)、図6の処理を終了させる。
【0047】
該当する受信履歴が有る場合(S14でYes)、実時間間隔計測部13は、当該受信履歴に含まれる受信時刻と、今回受信された対象データに関して受信時刻取得部12によって取得された受信時刻との差分を算出する(S16)。なお、当該受信履歴に含まれる受信時刻は、過去において最後に受信された対象データの受信時刻である。換言すれば、同一セッションに関して、今回の対象データの一つ前に受信された対象データの受信時刻である。また、算出された差分が、実時間間隔である。
【0048】
続いて、実時間間隔計測部13は、今回受信された対象データに関するセッションID及び受信履歴を含む受信履歴を受信履歴記憶部14に記録する(S17)。受信履歴記憶部14において、セッションごとに記憶可能な履歴数の上限値が「1」である場合、既存の受信履歴は、今回の受信履歴によって更新される。
【0049】
続いて、再送時時間間隔取得部16は、中継区間ごとの再送時時間間隔を再送時時間間隔記憶部15より取得する(S18)。
【0050】
図7は、第一の実施の形態における再送時時間間隔記憶部の構成例を示す図である。同図において、再送時時間間隔記憶部15は、中継区間ごとに、再送時時間間隔をリファレンス情報として記憶する。同図における再送時時間間隔の値は、図4の例に従っている。なお、再送時時間間隔の情報は、試験データについて各区間で意図的に再送を発生させた場合の時間間隔をモニタして得てもよいし、伝送パラメータから演算により伝送遅延時間を求めてもよい。
【0051】
続いて、ロス発生区間判定部18は、実時間間隔計測部13によって計測された実時間間隔と、再送時時間間隔取得部16によって取得された、中継区間ごとの再送時間間隔とを比較又は照合することにより、ロスが発生した(再送が行われた)中継区間を判定する(S19)。
【0052】
例えば、図7の例に基づけば、実時間間隔が23ms±10μsecであった場合、区間Aでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。実時間間隔が26ms±10μsecであった場合、区間Bでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。実時間間隔が29ms±10μsecであった場合、区間Cでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。±10μsecは、対象データ間の時間間隔のゆらぎの大きさ(β)を考慮したものである。すなわち、対象データ間の時間間隔は、必ずしも厳密に一定であるとは限らないことを考慮したものである。ゆらぎ(β)の大きさは、適宜決定されればよい。
【0053】
なお、実時間間隔がいずれの再送時間間隔にも該当しない場合、ロスの発生は無かったと判定される。但し、23ms+β<実時間間隔<26ms−βである場合、又は、26ms+β<実時間間隔<29ms−βである場合は、ロスの発生の可能性は高いと考えられる。したがって、前者の場合は、区間A又はBにおいてロスが発生したと判定され、後者の場合は、区間B又はCにおいてロスが発生したと判定されてもよい。また、29ms+βを超える場合に、区間Cにおいてロスが発生したと判定されてもよい。すなわち、実時間間隔が、中継区間ごとの再送時間間隔±βの間に当てはまる場合は、当該間に係る二つの中継区間がロスの発生区間として判定されてもよい。また、再送時間間隔の最大値+βを超える場合は、当該最大値に係る中継区間がロスの発生区間として判定されてもよい。いずれにしても、実時間間隔とロス発生箇所との対応関係を記憶しておき、実時間間隔に対応するロス発生箇所を求める点でかわりない。その際、実時間間隔が長いほど、図1において、よりn2に近い区間でロス(障害)が発生し、再送要求を行う中継装置であってより送信元から離れた中継装置で再送要求が生成され、送信されたと判定することができる。
【0054】
なお、判定結果は、補助記憶装置102に記録されてもよいし、表示装置等に適時的に表示されてもよい。
【0055】
また、再送時時間間隔記憶部15に中継区間ごとに記憶される時間は、再送時間(遅延時間)であってもよい。再送時間が記憶される場合、図4の例に従えば、区間Aに対しては3(ms)、区間Bに対しては6(ms)、区間Cに対しては9(ms)が記憶される。この場合、実時間間隔から標準時間間隔が差し引かれた値と、中継区間ごとに記憶された再送時間とがロス発生区間判定部18によって比較されればよい。したがって、この場合、各中継区間の再送時間が、各中継区間に対応付けて記憶部が記憶している時間の一例となる。なお、再送時時間間隔記憶部15に中継区間ごとに記憶される時間が、再送時間でもよい点は、以降の実施形態においても共通に当てはまる。
【0056】
上述したように、第一の実施の形態によれば、各中継区間の両端に監視装置10が配置される必要は無い。したがって、監視装置10の台数(すなわち、監視箇所)を削減することができる。また、中継区間の増加に応じた監視装置10が増加を抑制することができる。
【0057】
なお、第一の実施の形態は、各中継装置30の再送要求判断時間が一定であり、再送伝送時間が再送要求判断時間に対して相対的に大きい場合に好適である。
【0058】
また、再送時時間間隔、再送時間、又は前者二つの元となる再送伝送時間は、実際に対象データに関して計測されてもよいし、pingコマンドを利用したRTT(Round-Trip Time:ラウンドトリップタイム)の計測に基づいて決定されてもよい。又は、ネットワークn1の回線速度や各中継区間の距離等に基づいて理論値が算出されてもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、再送時間に関して、図5に示されるように、再送要求判断時間+再送伝送時間として決定される例を説明した。これは、便宜上、再送処理時間が、再送時間に対して無視できる程度に小さいことを前提としたものである。再送処理時間とは、再送を行う装置が、再送要求を受信してから再送データを送信するまでに要する時間をいう。
【0060】
但し、再送処理時間が、再送時間に対して無視できない程度に大きい場合は、再送処理時間を考慮して再送時間が決定されてもよい。この場合、図8に示されるように、再送時間=再送要求判断時間+再送処理時間+再送伝送時間となる。
【0061】
例えば、区間Aに関して、基地局30aの再送要求判断時間が1msであり、送信端末20の再送処理時間が1msであり、再送伝送時間は3msであるとする。この場合、区間Aの再送時間は、1+1+3=5msとなる。
【0062】
また、区間Bに関して、中継装置30bの再送要求判断時間が1msであり、基地局30aの再送処理時間が2msであり、再送伝送時間は6msであるとする。この場合、区間Bの再送時間は、1+2+6=9msとなる。
【0063】
更に、区間Cに関して、中継装置30cの再送要求判断時間が2msであり、中継装置30bの再送処理時間が3msであり、再送伝送時間は9msであるとする。この場合、区間Cの再送時間は、2+3+9=14msとなる。
【0064】
上記の場合の、再送時時間間隔記憶部15の記憶内容は、例えば、図9に示される通りである。図9は、再送処理時間を考慮した場合の再送時時間間隔記憶部の記憶内容の一例を示す図である。同図では、標準時間間隔は20msであることが前提とされている。したがって、上記において算出された再送時間に対して、20msが加算された値が、再送時時間間隔とされている。
【0065】
次に、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では、第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第一の実施の形態と同様でよい。
【0066】
第二の実施の形態では、対象データの再送は、再送要求を受けた最初の装置によって行われることとする。また、再送要求判断時間は、中継装置30ごとに異なることとする。
【0067】
図10は、第二の実施の形態の概要を説明するための図である。同図において、再送伝送時間は、便宜上、一定であるとする。
【0068】
(1)は、対象データのロスが発生しなかった場合を示す。この場合、送信端末20から送信された対象データd1、d2、及びd3に関して、監視装置10において計測される各実時間間隔は、20msであるとする。
【0069】
(2)は、区間Aにおいて対象データd2に関してロスが発生した場合を示す。この場合、基地局30aから送信端末20に対して再送要求が送信される(S201)。送信端末20は、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S202)。
【0070】
ここで、基地局30aの再送要求判断時間は、5msであるとする。すなわち、基地局30aは、対象データd1の受信後、25ms経過してもデータが受信されない場合に、再送要求を送信するとする。そうすると、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、25msとなる。
【0071】
(3)は、区間Bにおいて対象データd2に関してロスが発生した場合を示す。この場合、中継装置30bから基地局30aに対して再送要求が送信される(S211)。基地局30aは、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S212)。
【0072】
ここで、中継装置30bの再送要求判断時間は、2msであるとする。すなわち、中継装置30bは、対象データd1の受信後、22ms経過してもデータが受信されない場合に、再送要求を送信するとする。そうすると、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、22msとなる。
【0073】
(4)は、区間Cにおいて対象データd2に関してロスが発生した場合を示す。この場合、中継装置30cから中継装置30bに対して再送要求が送信される(S221)。中継装置30bは、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S222)。
【0074】
ここで、中継装置30cの再送要求判断時間は、10msであるとする。すなわち、中継装置30cは、対象データd1の受信後、30ms経過してもデータが受信されない場合に、再送要求を送信するとする。そうすると、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、30msとなる。
【0075】
第二の実施の形態では、上記のように、ロスが発生した中継区間に応じて再送伝送時間(ひいては実時間間隔)が異なることを利用する。
【0076】
第二の実施の形態において、監視装置10が実行する処理手順は、図6を用いて説明した通りである。但し、再送時時間間隔記憶部15の記憶内容は、例えば、図11に示されるようになる。
【0077】
図11は、第二の実施の形態における再送時時間間隔記憶部の構成例を示す図である。同図における再送時時間間隔の値は、図10の例に従っている。
【0078】
図11の例に基づけば、実時間間隔が25ms±10μsecであった場合、区間Aでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。実時間間隔が22ms±10μsecであった場合、区間Bでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。実時間間隔が30ms±10μsecであった場合、区間Cでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。
【0079】
上述したように、第二の実施の形態によれば、第一の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、第二の実施の形態は、各中継区間の再送伝送時間が一定であり、再送伝送時間が再送要求判断時間に対して相対的に小さい場合に好適である。
【0080】
また、再送要求判断時間は、各中継装置30において、実際に対象データに関して計測されてもよいし、各中継装置30の仕様等に基づいて理論値が算出されてもよい。
【0081】
次に、第三の実施の形態について説明する。第三の実施の形態では、第二の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第二の実施の形態と同様でよい。
【0082】
第三の実施の形態では、再送要求がリトライ(再試行)されること、及びリトライ回数には上限が有ることを考慮する。
【0083】
図12は、第三の実施の形態の概要を説明するための図である。同図において、再送伝送時間は、便宜上、一定であるとする。また、区間Bにおける再送時間は、2msであるとする。
【0084】
(1)は、区間Bにおけるロスの発生に応じ、中継装置30bから基地局30aに対して再送要求が送信されている(S301)。基地局30aは、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S302)。その結果、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、22msとなる。
【0085】
(2)は、区間Bにおけるロスの発生に応じ、中継装置30bから基地局30aに対して再送要求が送信されている(S311)。基地局30aは、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S312)。当該再送においてロスが発生したため、中継装置30bは、再送要求を再度送信する(S313)。なお、破線の矢印は、再送においてロスが発生したことを示す。基地局30aは、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S314)。
【0086】
(2)では、再送は2回行われている。その結果、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、24msとなる。
【0087】
(3)は、区間Bにおけるロスの発生に応じ、中継装置30bから基地局30aに対して再送要求が送信されている(S321)。基地局30aは、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S322)。当該再送においてロスが発生したため、中継装置30bは、再送要求を再度送信する(S323)。基地局30aは、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S324)。当該再送においてロスが発生したため、中継装置30bは、再送要求を再再度送信する(S325)。基地局30aは、再送要求に応じて対象データd2の再送を行う(S326)。
【0088】
(3)では、再送は3回行われている。その結果、監視装置20において計測される、対象データd1と対象データd2との実時間間隔は、26msとなる。
【0089】
すなわち、同一中継区間において、同一データに関して再送が複数回行われる場合、当該データにかかる再送時間は、1回あたりの再送時間×再送回数となる。例えば、図13には、3回の再送が行われた場合の再送時間が示されている。
【0090】
第三の実施の形態では、以上のことを考慮して、ロスが発生した(再送が行われた)中継区間が判定される。
【0091】
第三の実施の形態において、監視装置10が実行する処理手順は、図6を用いて説明した通りである。但し、再送時時間間隔記憶部15の記憶内容は、例えば、図14に示される通りである。
【0092】
図14は、第三の実施の形態における再送時時間間隔記憶部の構成例を示す図である。同図における再送時時間間隔の値は、図12の例に従っている。また、同図では、区間Aに対して1つ、区間Bに対して3つ、区間Cに対して1つの再送時時間間隔が設定されている。これは、各中継区間の再送回数の上限に依存している。すなわち、同図は、区間Aにおける上限は1回であり、区間Bにおける上限は3回であり、区間Cにおける上限は1回である例に対応する。したがって、区間A又は区間Cに関して、上限が2以上である場合、2以上の再送時間間隔が設定される。
【0093】
図14の例に基づけば、実時間間隔が25ms±10μsecであった場合、区間Aでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。実時間間隔が22ms±10μsec、24ms±10μsec、又は26ms±10μsecであった場合、区間Bでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。実時間間隔が30ms±10μsecであった場合、区間Cでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。
【0094】
上述したように、第三の実施の形態によれば、再送のリトライが行われる場合においても、適切にロスが発生した(再送が行われた)中継区間を判定することができる。
【0095】
次に、第四の実施の形態について説明する。第四の実施の形態では、第三の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第三の実施の形態と同様でよい。
【0096】
図15は、第四の実施の形態の概要を説明するための図である。同図において、再送伝送時間は、便宜上、一定であるとする。また、区間Bにおける再送時間は、2msであるとする。また、図15中、図12と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0097】
同図の(3)では、再送が5回繰り返されている。すなわち、第四の実施の形態において、区間Bにおける再送回数の上限値は、「5」である。したがって、第四の実施の形態において、区間Bで再送が発生した場合に、監視装置10において計測されうる実時間間隔は、22ms、24ms、26ms、28ms、又は30msとなる。
【0098】
第四の実施の形態において、監視装置10が実行する処理手順は、図6を用いて説明した通りである。但し、再送時時間間隔記憶部15の記憶内容は、例えば、図16に示される通りである。
【0099】
図16は、第四の実施の形態における再送時時間間隔記憶部の構成例を示す図である。同図における再送時時間間隔の値は、図15の例に従っている。同図では、区間Bに関して、再送回数ごとの再送時時間間隔が列挙されているのではなく、その最小値と最大値とによって範囲が指定されている。最小値は、再送回数が1回の場合の再送時時間間隔である。最大値は、再送時が5回の場合の再送時時間間隔である。
【0100】
図16の例に基づけば、実時間間隔が25ms±10μsecであった場合、区間Aでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。実時間間隔が22ms−10μsec以上30ms+10μsec以下であった場合、区間Bでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。実時間間隔が30ms±10μsecであった場合、区間Cでロスが発生した(再送が行われた)と判定される。
【0101】
なお、25ms±10μsecについては、区間Aと区間Bとで重複している。したがって、当該実時間間隔が計測(観測)された場合、ロスの発生区間は、区間A又は区間Bであると判定されればよい。また、30ms±10μsecについては、区間Bと区間Cとで重複している。したがって、当該実時間間隔が計測(観測)された場合、ロスの発生区間は、区間B又は区間Cであると判定されればよい。重複が発生した場合に、二以上の中継区間を判定結果とする点については、第三の実施の形態においても同様でよい。
【0102】
上述したように、第四の実施の形態によれば、再送回数の上限が大きい場合、再送時時間間隔を範囲指定とすることにより、再送時時間間隔の設定作業等を簡便化することができる。
【0103】
なお、上記各実施の形態は、相互に排他的又は選択的な関係ではなく、組み合わされてもよい。具体的には、各中継区間における再送動作が同じでなくてもよい。例えば、区間Aでロスが発生した場合は、再送は行われない。区間Bでロスが発生した場合は、再送要求を受けた最初の装置(基地局30a)が再送を行う。区間Cでロスが発生した場合は、送信端末20が再送を行う。このような振る舞いをするネットワークシステムに対しては、第一及び第二の実施の形態を組み合わせることができる。また、いずれかの中継区間において、再送が複数回行われうる場合は、更に、第三又は第四の実施の形態を組み合わせることができる。
【0104】
各実施の形態が組み合わされた場合であっても、監視装置10の処理手順は図6において説明した通りでよい。また、再送時時間間隔記憶部15には、上記各実施の形態と同様に、中継区間ごとに、当該中継区間の再送時時間間隔が記憶されていればよい。
【0105】
また、上記各実施の形態は、ネットワークn1が、分岐されている場合に関しても適用可能である。
【0106】
図17は、分岐を有するネットワーク構成例を示す図である。同図では、中継装置30bが分岐点となっている。すなわち、中継装置30bと無線LANアクセスポイント50との間に、区間Dを形成するネットワークが接続されている。この場合、再送時時間間隔記憶部15には、区間Dに対する再送時時間間隔が追加されればよい。同様に、ネットワークn1が更なる分岐、又は分岐の分岐を有する場合、それぞれの中継区間に対する再送時時間間隔が、再送時時間間隔記憶部15に追加されればよい。この場合、中継区間ごとの再送時時間間隔に関して、一部又は全部が相互に重複するケースが発生する可能性が高くなる。重複する範囲において実時間間隔が計測(観測)された場合は、当該重複する範囲に係る、2以上の中継区間が、ロスの発生の可能性の有る区間として判定されればよい。
【0107】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0108】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
所定の時間間隔で送信元装置から送信されるデータを、受信エラーに応じてそれぞれ再送要求を行う複数の中継装置を経由して受信し、
順番に受信したデータ間の受信時間間隔を計測し、
計測した前記時間間隔の長さに基づいて、前記複数の中継装置のうち、いずれの中継装置によってデータの再送が要求されたかを判定する処理をコンピュータに実行させる監視プログラム。
(付記2)
前記複数の中継装置のうち、第1の中継装置によってデータの再送が要求されたと判定された場合に、該第1の中継装置と、該第1の中継装置の前段の装置に対応する送信元装置又は中継装置との間で障害が発生したと判定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記1記載の監視プログラム。
(付記3)
計測した前記時間間隔が長いほど、前記複数の中継装置のうち、前記送信元装置を基準にして、より後段の中継装置によってデータの再送が要求されたと判定する処理をコンピュータに実行させる付記1記載の監視プログラム。
(付記4)
所定の時間間隔で送信元装置から送信されるデータを、受信エラーに応じてそれぞれ再送要求を行う複数の中継装置を経由して受信する受信部と、
順番に受信したデータ間の受信時間間隔を計測する計測部と、
計測した前記時間間隔の長さに基づいて、前記複数の中継装置のうち、いずれの中継装置によってデータの再送が要求されたかを判定する判定部とを有する監視装置。
(付記5)
前記判定部は、前記複数の中継装置のうち、第1の中継装置によってデータの再送が要求されたと判定された場合に、該第1の中継装置と、該第1の中継装置の前段の装置に対応する送信元装置又は中継装置との間で障害が発生したと判定することを特徴とする付記4記載の監視装置。
(付記6)
前記判定部は、計測した前記時間間隔が長いほど、前記複数の中継装置のうち、前記送信元装置を基準にして、より後段の中継装置によってデータの再送が要求されたと判定する付記4記載の監視装置。
(付記7)
所定の時間間隔で送信元装置から送信されるデータを、受信エラーに応じてそれぞれ再送要求を行う複数の中継装置を経由して受信し、
順番に受信したデータ間の受信時間間隔を計測し、
計測した前記時間間隔の長さに基づいて、前記複数の中継装置のうち、いずれの中継装置によってデータの再送が要求されたかを判定する処理をコンピュータが実行する監視方法。
(付記8)
前記複数の中継装置のうち、第1の中継装置によってデータの再送が要求されたと判定された場合に、該第1の中継装置と、該第1の中継装置の前段の装置に対応する送信元装置又は中継装置との間で障害が発生したと判定する処理をコンピュータが実行することを特徴とする付記7記載の監視方法。
(付記9)
計測した前記時間間隔が長いほど、前記複数の中継装置のうち、前記送信元装置を基準にして、より後段の中継装置によってデータの再送が要求されたと判定する処理をコンピュータが実行する付記7記載の監視方法。
【符号の説明】
【0109】
10 監視装置
11 データ解析部
12 受信時刻取得部
13 実時間間隔計測部
14 受信履歴記憶部
15 再送時時間間隔記憶部
16 再送時時間間隔取得部
17 再送時時間間隔設定部
18 ロス発生区間判定部
20 送信端末
30a 基地局
30b、30c 中継装置
40 TAP
50 無線LANアクセスポイント
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
B バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の時間間隔で送信元装置から送信されるデータを、受信エラーに応じてそれぞれ再送要求を行う複数の中継装置を経由して受信し、
順番に受信したデータ間の受信時間間隔を計測し、
計測した前記時間間隔の長さに基づいて、前記複数の中継装置のうち、いずれの中継装置によってデータの再送が要求されたかを判定する処理をコンピュータに実行させる監視プログラム。
【請求項2】
前記複数の中継装置のうち、第1の中継装置によってデータの再送が要求されたと判定された場合に、該第1の中継装置と、該第1の中継装置の前段の装置に対応する送信元装置又は中継装置との間で障害が発生したと判定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1記載の監視プログラム。
【請求項3】
計測した前記時間間隔が長いほど、前記複数の中継装置のうち、前記送信元装置を基準にして、より後段の中継装置によってデータの再送が要求されたと判定する処理をコンピュータに実行させる請求項1記載の監視プログラム。
【請求項4】
所定の時間間隔で送信元装置から送信されるデータを、受信エラーに応じてそれぞれ再送要求を行う複数の中継装置を経由して受信する受信部と、
順番に受信したデータ間の受信時間間隔を計測する計測部と、
計測した前記時間間隔の長さに基づいて、前記複数の中継装置のうち、いずれの中継装置によってデータの再送が要求されたかを判定する判定部とを有する監視装置。
【請求項5】
所定の時間間隔で送信元装置から送信されるデータを、受信エラーに応じてそれぞれ再送要求を行う複数の中継装置を経由して受信し、
順番に受信したデータ間の受信時間間隔を計測し、
計測した前記時間間隔の長さに基づいて、前記複数の中継装置のうち、いずれの中継装置によってデータの再送が要求されたかを判定する処理をコンピュータが実行する監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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