説明

監視処理システム、監視処理方法及び監視処理プログラム

【課題】監視対象システムにおいて発生した障害を、的確な担当者に対して効率的に通知するための監視処理システム、監視処理方法及び監視処理プログラムを提供する。
【解決手段】統合監視システム20の制御部21は、監視対象システム10から、監視対象メッセージを取得する。この場合、制御部21は、監視対象メッセージのマシンID、メッセージIDを特定し、パターン管理情報を取得する。そして、制御部21は、パターン管理情報を用いてパターン化メッセージを作成する。次に、制御部21は、パターン化メッセージを用いて通知先判断コードを作成し、通知先判断情報を登録する。そして、制御部21は、通知先判断コードに基づいて通知先コードを特定し、通知処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホストコンピュータやサーバ等の監視対象システムにおいて発生した障害を、的確な担当者に対して効率的に通知するための監視処理システム、監視処理方法及び監視処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、確実な業務運用のために、運用に用いられるシステムについての稼働状態を監視している。このような監視において障害の発生を検知した場合には、担当者に通知して復旧作業を行なわせる。そこで、障害が発生したときに、複数の管理者に対して順番に通知を行なう技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載された発明では、各管理者の管理権限に基づいてアラートの通知順番を決定する。そして、アラート通知システムが、アプリケーションにアラートを通知すべき事象が発生したことを検出した場合、このアプリケーションの管理者の中で、所定の管理権限を有する管理者へアラートを通知する。アラートの通知を受けた管理者が対応できない場合には、通知順に次の管理者へアラートを通知する。
【0003】
又、監視対象機器の障害に対して効率的に通報を行ない、煩雑さを低減させるための障害通報システムも検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この文献に記載された障害通報システムにおいては、監視対象機器における障害を検知した場合には、障害事象データ記憶部を用いて通報グループを特定する。そして、この通報グループにおいて通報管理処理中又は確認済みの場合には、障害の記録のみを行なう。一方、通報管理処理中でなく、また確認済みでない場合には、新たな通報データを記録し、新たな通報を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−250760号公報(第1頁、図10)
【特許文献2】特開2007−264907号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のシステムを利用して、各種サービスの運用を行なうことがある。そして、各システムから出力される各種メッセージにより、システムの稼動状態を把握するとともに、異常が発生した場合には、各システムの担当者に通知する。この場合、各システムを構成するハードウェアやソフトウェアにより、管理する担当者が異なることもある。
【0006】
しかしながら、監視対象の各システムのハードウェアの種類やソフトウェアの種類が共通していることがあり、システムから出力される多様な障害メッセージの内容だけに基づいて、通知すべき担当者を判断することは困難である。特に、手作業により、各システムの担当者を判断し、各担当者に対してシステム異常を通知する場合には、判断作業や通知作業の負担が大きくなる。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、この目的は、監視対象システムにおいて発生した障害を、的確な担当者に対して効率的に通知するための監視処理システム、監視処理方法及び監視処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、監視対象システムの送信元識
別子及びメッセージ識別子に関連付けて、メッセージ区分を含むパターン管理情報を記憶したパターン情報記憶手段と、メッセージ区分に関連付けて、通知先判断識別子を生成するための項目を記憶した区分情報記憶手段と、通知先判断識別子に関連付けて、通知先を特定するための情報を記憶した通知先情報記憶手段と、監視対象システムに接続された制御手段とを備えた監視処理システムであって、前記制御手段が、監視対象システムからメッセージ識別子を含めた監視対象メッセージを取得する手段と、監視対象メッセージを送信した監視対象システムの送信元識別子及びメッセージ識別子を用いて、前記パターン情報記憶手段から、メッセージ区分を含むパターン管理情報を取得し、このパターン管理情報に基づいてパターン化メッセージを生成する手段と、前記区分情報記憶手段を用いて、前記メッセージ区分に関連付けられた項目を前記パターン化メッセージにおいて特定し、特定された項目の内容を用いて通知先判断識別子を生成する手段と、前記通知先情報記憶手段において通知先判断識別子に関連付けられた通知先に通知を行なう手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の監視処理システムにおいて、前記区分情報記憶手段には、メッセージ区分に関連付けて、監視対象メッセージに対応する方法を決めるための対応区分が更に記憶されており、前記制御手段が、受信した監視対象メッセージに基づいて取得したメッセージ区分に関連付けられた対応区分を特定し、この対応区分をパターン化メッセージの中に設定し、この対応区分に応じて送信方法を特定する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の監視処理システムにおいて、前記制御手段が、前記パターン情報記憶手段において、監視対象メッセージのメッセージ識別子を抽出できない場合には、送信元識別子に関連付けられたデフォルト通知先に通知を行なうとともに、このメッセージ識別子を含む監視対象メッセージの出力履歴を記録する手段と、前記出力履歴において出力回数が基準回数を超えた場合には、パターン管理情報の登録を指示する手段とを更に備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の監視処理システムにおいて、前記制御手段が、前記パターン情報記憶手段において、監視対象メッセージのメッセージ識別子を抽出できない場合には、送信元識別子が共通し、前記メッセージ識別子が類似する他のメッセージ識別子に関連付けられたメッセージ区分を特定する手段を更に備え、特定したメッセージ区分を用いて通知先判断識別子を生成することを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の監視処理システムにおいて、前記制御手段が、送信元識別子及びメッセージ識別子毎に出力履歴を記録し、前記出力履歴において出力回数が基準回数を超えた場合には、通知先の細分化を促すためのアラームを出力する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、監視対象システムの送信元識別子及びメッセージ識別子に関連付けて、メッセージ区分を含むパターン管理情報を記憶したパターン情報記憶手段と、メッセージ区分に関連付けて、通知先判断識別子を生成するための項目を記憶した区分情報記憶手段と、通知先判断識別子に関連付けて、通知先を特定するための情報を記憶した通知先情報記憶手段と、監視対象システムに接続された制御手段とを備えた監視処理システムを用いて、監視処理を実行する方法であって、前記制御手段が、監視対象システムからメッセージ識別子を含めた監視対象メッセージを取得する段階と、監視対象メッセージを送信した監視対象システムの送信元識別子及びメッセージ識別子を用いて、前記パターン情報記憶手段から、メッセージ区分を含むパターン管理情報を取得し、このパターン管理情報に基づいてパターン化メッセージを生成する段階と、前記区分情報記憶手段を用いて、前記メッセージ区分に関連付けられた項目を特定し、特定された項目の内容を用いて
通知先判断識別子を生成する段階と、前記通知先情報記憶手段において通知先判断識別子に関連付けられた通知先に通知を行なう段階とを実行することを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、監視対象システムの送信元識別子及びメッセージ識別子に関連付けて、メッセージ区分を含むパターン管理情報を記憶したパターン情報記憶手段と、メッセージ区分に関連付けて、通知先判断識別子を生成するための項目を記憶した区分情報記憶手段と、通知先判断識別子に関連付けて、通知先を特定するための情報を記憶した通知先情報記憶手段と、監視対象システムに接続された制御手段とを備えた監視処理システムを用いて、監視処理を実行するためのプログラムであって、前記制御手段を、監視対象システムからメッセージ識別子を含めた監視対象メッセージを取得する手段、監視対象メッセージを送信した監視対象システムの送信元識別子及びメッセージ識別子を用いて、前記パターン情報記憶手段から、メッセージ区分を含むパターン管理情報を取得し、このパターン管理情報に基づいてパターン化メッセージを生成する手段、前記区分情報記憶手段を用いて、前記メッセージ区分に関連付けられた項目を特定し、特定された項目の内容を用いて通知先判断識別子を生成する手段、前記通知先情報記憶手段において通知先判断識別子に関連付けられた通知先に通知を行なう手段として機能させることを要旨とする。
【0015】
(作用)
請求項1、6、7に記載の発明によれば、制御手段が、監視対象メッセージを送信した監視対象システムの送信元識別子を特定し、この送信元識別子及びメッセージ識別子を用いて、パターン情報記憶手段から、メッセージ区分を含むパターン管理情報を取得し、このパターン管理情報に基づいてパターン化メッセージを生成する。これにより、各種監視対象システムから取得したメッセージを規格化して一元的に取扱うことができる。更に、メッセージ区分に基づいて、区分情報記憶手段から、通知先判断識別子を生成するための項目をパターン化メッセージにおいて特定し、特定された項目の内容を用いて通知先判断識別子を生成し、通知先情報記憶手段において通知先判断識別子に関連付けられた通知先に通知を行なう。これにより、各種監視対象システムから提供される多様なメッセージを、的確な担当者に通知することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が、受信した監視対象メッセージに基づいて取得したメッセージ区分に関連付けられた対応区分を特定し、この対応区分をパターン化メッセージの中に設定し、この対応区分に応じて送信方法を特定する。これにより、監視対象システムの状況に応じて、通知するタイミングを変更することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、パターン情報記憶手段において、監視対象メッセージのメッセージ識別子を抽出できない場合には、送信元識別子に関連付けられたデフォルト通知先に通知を行なうとともに、このメッセージ識別子を含む監視対象メッセージの出力履歴を記録する。出力履歴において出力回数が基準回数を超えた場合には、パターン管理情報の登録を指示する。これにより、メッセージの出力回数が多い場合には、自動的に通知先が特定され、デフォルト通知先の担当者の負荷を軽減することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、制御手段が、監視対象メッセージのメッセージ識別子を抽出できない場合には、送信元識別子が共通し、メッセージ識別子が類似する他のメッセージ識別子に関連付けられたメッセージ区分を特定する。これにより、メッセージ識別子が登録されていない場合にも、確からしい通知先を特定することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、制御手段が、送信元識別子及びメッセージ識別子毎に出力履歴を記録し、出力履歴において出力回数が基準回数を超えた場合には、アラームを出力する。これにより、メッセージの出力頻度が高い場合には、各メッセージに対応する
担当者を分散化させることにより、各担当者の負担軽減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、監視対象システムにおいて発生した障害を、的確な担当者に対して効率的に通知するための監視処理システム、監視処理方法及び監視処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】本発明の実施形態の各記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は受信管理情報記憶部、(b)はパターン管理情報記憶部、(c)はキー区分管理情報記憶部、(d)は通知先判断情報記憶部、(e)は通知先管理情報記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本発明の実施形態のメッセージの説明図。
【図6】本発明の実施形態のメッセージの説明図。
【図7】他の実施形態の処理手順の説明図。
【図8】他の実施形態の処理手順の説明図。
【図9】他の実施形態の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した監視処理システムの一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では、図1に示すように、業務運用のために、複数の監視対象システム10を用いる場合を想定する。これらの監視対象システム10の稼働状態を監視するために、監視処理システムとしての統合監視システム20を用いる。
【0023】
監視対象システム10は、業務を運用するためのホストコンピュータ等から構成されており、統合監視システム20にメッセージを送信する。本実施形態では、各監視対象システム10は、個別に統合監視システム20の各通信ポートに接続されている。統合監視システム20は、監視対象メッセージを受信した通信ポートに基づいて、メッセージを送信した監視対象システム10を特定することができる。
【0024】
監視対象システム10は、メッセージ送信部11、ジョブログ記憶部12、未済可否判定情報記憶部13を備えている。このメッセージ送信部11は、後述するように、アベンドジョブ検索処理、未済可否特定処理、メッセージ追加処理、メッセージ登録処理を実行する。
【0025】
ジョブログ記憶部12には、終了したジョブの実行履歴であるログファイルが記録される。このジョブログ記憶部12には、ジョブ実行履歴として、正常終了した場合の履歴や、異常終了した場合の履歴が記録される。ログファイルは、制御パラメータが記録されたレコードを含んで構成される。このジョブ制御パラメータにおいては、ジョブが異常終了した場合の対応方法(未済不可又は未済可)を判断するためのフラグが記録されている。ここで、「未済不可」フラグは、速やかに対応すべきジョブであることを示す。一方、「未済可」フラグは、後で(例えば翌営業日に)まとめて対応可能なジョブであることを示す。
【0026】
未済可否判定情報記憶部13には、未済可否を判定するための条件が記録されている。具体的には、ジョブ制御パラメータを記録したレコードに含まれる判定対象文字が記録されている。更に、判定対象文字を検出した位置(カラム)に応じて、「未済不可」、「未
済可」を判定するフラグが記録されている。
【0027】
各監視対象システム10は、ネットワークを介して統合監視システム20に接続されている。
この統合監視システム20は、各監視対象システム10の稼働状態の監視を行ない、障害が発生した場合には、各監視対象システム10の担当者に状況を通知する。
【0028】
この統合監視システム20は、制御部21、受信管理情報記憶部22、パターン管理情報記憶部23、キー区分管理情報記憶部24、通知先判断情報記憶部25、通知先管理情報記憶部26、通知情報記憶部27を備えている。
【0029】
制御部21は、CPU、RAM、ROM(図示せず)等から構成された制御手段を備えており、後述する処理(メッセージ取得段階、パターン化段階、通知先特定段階、通知段階等を含む処理)を行なう。このための監視処理プログラムを実行することにより、制御部21は、メッセージ取得手段211、パターン化手段212、通知先特定手段213、通知手段214として機能する。
【0030】
メッセージ取得手段211は、監視対象システム10から、ネットワークを介して監視対象メッセージを取得する処理を実行する。このメッセージ取得手段211は、各監視対象システム10に接続された通信ポートに対応して、各監視対象システム10のマシンIDを関連付けて記憶したマシン特定テーブルを保持している。
【0031】
パターン化手段212は、監視対象システム10から取得した監視対象メッセージに含まれる情報や監視対象メッセージに基づいて取得した情報を、所定のフォーマットを用いてパターン化する処理を実行する。本実施形態では、パターン化手段212は、パターン化のためのフォーマットとして、メッセージID、メッセージテキスト、マシンID、プロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分、メッセージワードを格納する各データ領域を備えたフォーマットを保持している。
【0032】
通知先特定手段213は、パターン化されたメッセージに基づいて、通知先判断コードを作成する処理を実行する。そして、通知先特定手段213は、後述する通知先管理情報記憶部26を用いて、通知先判断コードに対応する通知先コードを特定する。
通知手段214は、通知先コードに基づいて、各担当者にメッセージを通知する処理を実行する。
【0033】
受信管理情報記憶部22には、図2(a)に示すように、各監視対象システム10から受信したメッセージについての受信管理レコード220が記録される。この受信管理レコード220は、各監視対象システム10からメッセージを受信した場合に記録される。受信管理レコード220は、受信日時、マシンID、受信メッセージに関するデータを含んで構成される。
【0034】
受信日時データ領域には、各監視対象システム10からメッセージを受信した日時(年月日、時刻)に関するデータが記録される。
マシンIDデータ領域には、メッセージを送信した監視対象システム10を特定するための識別子(送信元識別子)に関するデータが記録される。本実施形態では、監視対象メッセージを受信した通信ポートに対応するマシンIDが記録される。
受信メッセージデータ領域には、監視対象システム10から受信した監視対象メッセージの内容に関するデータが記録される。
【0035】
パターン管理情報記憶部23は、パターン情報記憶手段として機能する。このパターン
管理情報記憶部23には、図2(b)に示すように、各監視対象システム10から受信したメッセージを所定のパターンに変換するためのパターン管理レコード230が記録されている。このパターン管理レコード230は、各監視対象システム10において送信されるメッセージについての重大度やメッセージキー区分が決定されて登録された場合に記録される。パターン管理レコード230は、マシンID、メッセージID、プロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分に関するデータを含んで構成されている。
【0036】
マシンIDデータ領域には、メッセージを送信する監視対象システム10を特定するための識別子(送信元識別子)に関するデータが記録される。
メッセージIDデータ領域には、この監視対象システム10において送信されるメッセージにおいて、障害内容等を特定するための識別子(メッセージ識別子)に関するデータが記録される。本実施形態では、メッセージIDに含まれる必須文字列及び任意文字列から構成された文字列が記録される。この必須文字列を用いて、相互に類似するメッセージIDを特定することができる。
【0037】
プロダクト名データ領域には、メッセージIDに対応して、監視対象メッセージが発生したプロダクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
アラートタイプデータ領域には、メッセージIDに対応して、障害等の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0038】
重大度データ領域には、この障害等の影響の大きさを特定するための識別子に関するデータが記録される。
メッセージキー区分データ領域には、通知先判断コードを作成する場合のパターンを特定するための識別子に関するデータが記録される。この通知先判断コードにより、監視対象システム10から受信したメッセージを通知する通知先を特定することができる。
【0039】
キー区分管理情報記憶部24は、区分情報記憶手段として機能する。このキー区分管理情報記憶部24には、図2(c)に示すように、通知先判断コードを作成する場合のパターンを特定するためのキー区分管理レコード240が記録されている。このキー区分管理レコード240は、通知先判断コードを作成するためのパターンを登録した場合に記録される。キー区分管理レコード240は、メッセージキー区分、通知先判断パターン、対応区分に関するデータを含んで構成されている。
【0040】
メッセージキー区分データ領域には、通知先判断コードを作成するためのパターンを特定するための識別子に関するデータが記録される。
通知先判断パターンデータ領域には、通知先判断コードの生成方法に関するデータが記録される。本実施形態では、通知先判断パターンとして、監視対象システム10から受信したメッセージに含まれるパラメータや、予め定められたパラメータ等が登録されている。この通知先判断パターンとしては、例えば、「プロダクト名」や「プロダクト名+マシンID」、「メッセージID+マシンID」等のように、多様な組み合わせが登録されている。
【0041】
対応区分データ領域には、各監視対象メッセージに対応する方法を特定するための識別子に関するデータが記録される。この対応区分により、各担当者に通知するタイミングを決定することができる。障害の重大度が高い場合には「即時」が設定されており、重大度が低い場合には、「オペレータ対応」、「事後対応」等が設定されている。
【0042】
通知先判断情報記憶部25は、通知先情報記憶手段として機能する。この通知先判断情報記憶部25には、図2(d)に示すように、メッセージを通知するための通知先判断レコード250が記録される。この通知先判断レコード250は、各監視対象システム10
からメッセージを取得し、通知先を決定した場合に記録される。通知先判断レコード250は、メッセージ番号、受信日時、メッセージID、メッセージテキスト、マシンID、プロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分、対応区分、通知先判断コードに関するデータを含んで構成される。
【0043】
メッセージ番号データ領域には、各担当者に送信する各通知を特定するための識別子に関するデータが記録される。
受信日時データ領域には、各監視対象システム10から監視対象メッセージを受信した日時(年月日、時刻)に関するデータが記録される。
【0044】
メッセージIDデータ領域には、監視対象システム10から受信した監視対象メッセージに含まれるメッセージIDに関するデータが記録される。
メッセージテキストデータ領域には、監視対象システム10から受信した監視対象メッセージに含まれる各項目のテキストを結合したデータが記録される。
【0045】
マシンIDデータ領域には、監視対象メッセージを送信した監視対象システム10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
プロダクト名〜重大度の各データ領域には、パターン管理レコード230から抽出した各識別子に関するデータが記録される。
【0046】
メッセージキー区分データ領域には、通知先を特定した場合のメッセージキー区分に関するデータが記録される。
対応区分データ領域には、キー区分管理レコード240から抽出した対応区分を特定するための識別子に関するデータが記録される。
通知先判断コードデータ領域には、メッセージの通知先コードを特定するための識別子(通知先判断識別子)に関するデータが記録される。
【0047】
通知先管理情報記憶部26には、図2(e)に示すように、通知先を特定するための通知先管理レコード260が記録されている。この通知先管理レコード260は、各通知先判断コードに対応した通知先コードが登録された場合に記録される。通知先管理レコード260は、通知先判断コード、通知先コードに関するデータを含んで構成されている。
【0048】
通知先判断コードデータ領域には、メッセージキー区分に基づいて作成される通知先判断コードに関するデータが記録される。
通知先コードデータ領域には、メッセージの通知先を特定するための識別子に関するデータが記録される。統合監視システム20には、この通知先コードに対して、通知を行なう担当者(例えば、監視対象システムの担当者や管理者)の氏名や連絡先(例えば、電子メールアドレス)が記録された連絡先情報記憶部(図示せず)に接続されている。そして、通知先コードを用いることにより、連絡先情報記憶部から担当者情報(氏名や連絡先)を取得することができる。
【0049】
通知情報記憶部27には、各通知先に通知するメッセージについての通知情報が記録される。この通知情報は、メッセージの通知先を決定した場合に記録される。通知情報は、メッセージ番号、プロダクト名、マシンID、メッセージテキスト、対応区分、通知先コードに関するデータを含んで構成される。
【0050】
メッセージ番号データ領域には、各担当者に対する通知を特定するための識別子に関するデータが記録される。
プロダクト名データ領域には、パターン管理レコード230を用いて特定されたプロダクト名に関するデータが記録される。
【0051】
マシンIDデータ領域には、監視対象メッセージを送信した監視対象システム10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
メッセージテキストデータ領域には、受信した監視対象メッセージに含まれる各項目のテキストを結合したデータが記録される。
【0052】
対応区分データ領域には、キー区分管理レコード240を用いて特定された対応区分に関するデータが記録される。
通知先コードデータ領域には、通知先判断コードに基づいて、通知先管理レコード260を用いて特定した通知先コードに関するデータが記録される。
【0053】
また、統合監視システム20は、ネットワークを介して複数の担当者端末(図示せず)に接続されている。この担当者端末は、障害に対して対処する担当者が用いる端末である。本実施形態では、この担当者端末として、障害に対応する担当者が使用するコンピュータ端末を用いる。
【0054】
次に、上記のように構成されたシステムにおいて、障害が発生したときの統合監視システム20の処理手順について、図3〜図6を用いて説明する。
(監視対象システム10における通知処理)
まず、図3を用いて、監視対象システム10における通知処理を説明する。
監視対象システム10は、ジョブを終了した場合、ジョブログ記憶部12にログファイルを記録する。
【0055】
そして、監視対象システム10のメッセージ送信部11は、ジョブの実行履歴を示すジョブログにおいて、アベンドジョブの検索処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、メッセージ送信部11は、ジョブログ記憶部12に記録されたログファイルにおいて、異常終了を示すアベンドジョブのログファイルを検索する。アベンドジョブのログファイルを検出した場合には、メッセージ送信部11は、障害を通知するための監視対象メッセージを生成する。この監視対象メッセージには、障害内容を特定するためのメッセージIDを含める。
【0056】
次に、監視対象システム10のメッセージ送信部11は、アベンドジョブのジョブ制御パラメータにおいて未済可否情報の特定処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、メッセージ送信部11は、アベンドジョブのログファイルにおいて、ジョブ制御パラメータが記録されたレコードを抽出し、このレコードの中で未済可否判定情報記憶部13に記録されている判定対象文字を検索する。そして、判定対象文字を検出できた場合、メッセージ送信部11は、判定対象文字を検出した位置(カラム)を特定する。
【0057】
次に、監視対象システム10のメッセージ送信部11は、ジョブ制御パラメータを用いて、「未済可」、「未済不可」を決定し、この決定に基づいてメッセージの追加処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、メッセージ送信部11は、判定対象文字を検出した位置に基づいて、未済可否判定情報記憶部13に記録された「未済不可」フラグ、「未済可」フラグのいずれか一方を取得する。そして、メッセージ送信部11は、取得したフラグに基づいて、「未済不可」、「未済可」を示す情報を監視対象メッセージに追加する。
【0058】
次に、監視対象システム10のメッセージ送信部11は、メッセージ出力処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、メッセージ送信部11は、監視対象メッセージを、ネットワークを介して統合監視システム20に送信する。
【0059】
(統合監視システム20における通知管理処理)
次に、図4〜図6を用いて、統合監視システム20における通知管理処理を説明する。
統合監視システム20の制御部21は、監視対象メッセージの取得処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21のメッセージ取得手段211は、監視対象システム10から、ネットワークを介して、監視対象メッセージを取得する。この監視対象メッセージは、メッセージID及び未済可否を判定するための情報を含んでいる。ここでは、例えば、図5に示すメッセージ500を送信する場合を想定する。このメッセージ本文に「未済可」又は「未済不可」を特定するための情報が含まれる。そして、メッセージ取得手段211は、受信時刻及び監視対象メッセージをそれぞれ受信時刻データ領域及び受信メッセージデータ領域に記録した受信管理レコード220を生成し、受信管理情報記憶部22に記録する。
【0060】
次に、統合監視システム20の制御部21は、送信元の特定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のメッセージ取得手段211は、マシン特定テーブルから、監視対象メッセージを受信した通信ポートに対応するマシンIDを抽出することにより、送信元の監視対象システム10を特定する。そして、メッセージ取得手段211は、受信管理レコード220にマシンIDを記録する。なお、監視対象メッセージに、送信元を特定するためのマシンIDを含めておき、このマシンIDにより監視対象システム10を特定するようにしてもよい。
【0061】
次に、統合監視システム20の制御部21は、送信元識別子及びメッセージ識別子が記録されたレコードの検索処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のパターン化手段212は、パターン管理情報記憶部23において、監視対象メッセージを送信した監視対象システム10のマシンIDが記録されたパターン管理レコード230を抽出する。そして、パターン化手段212は、抽出したパターン管理レコード230の中から、監視対象メッセージに含まれるメッセージIDと、必須文字が一致しているメッセージIDが記録されているパターン管理レコード230を特定する。
【0062】
次に、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の取得を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21のパターン化手段212は、パターン管理情報記憶部23から抽出したパターン管理レコード230に記録されたプロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分を取得する。ここでは、例えば、図5に示す抽出情報501を取得する。
【0063】
次に、統合監視システム20の制御部21は、メッセージテキストの生成処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21のパターン化手段212は、受信した監視対象メッセージに含まれる各項目のテキストを結合することにより、メッセージテキストを生成する。ここでは、図5に示すメッセージテキスト502が生成される。
【0064】
次に、統合監視システム20の制御部21は、パターン化メッセージの作成処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21のパターン化手段212は、パターン化メッセージに含めるパラメータ値を取得する。本実施形態では、パターン化フォーマットに含まれるパラメータ(ここでは、メッセージID、マシンID、プロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分)の値を取得する。ここで、マシンIDは、メッセージを送信した監視対象システム10のマシンIDを用いる。プロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分は、抽出したパターン管理レコード230に記録されている値を用いる。そして、パターン化手段212は、取得したパラメータ値及びメッセージテキストを、パターン化フォーマットに挿入して、パターン化メッセージを作成する。ここでは、図5に示すように、メッセージ503が生成される。更に、パターン化手段212は、メッセージテキストをワード単位に分解してスペースを介して結合した
メッセージワードを生成し、このメッセージワードをパターン化メッセージに結合する。この場合、図5に示すメッセージ504が生成される。
【0065】
次に、統合監視システム20の制御部21は、通知先判断コードの作成処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21の通知先特定手段213は、パターン化メッセージに含まれるメッセージキー区分が記録されたキー区分管理レコード240を、キー区分管理情報記憶部24から抽出する。ここでは、例えば、図5に示すように、通知先判断パターン及び対応区分を含む抽出情報505を抽出する。そして、通知先特定手段213は、この対応区分をパターン化メッセージに結合する。この場合、図6に示すメッセージ510が生成される。そして、通知先特定手段213は、キー区分管理レコード240に記録された通知先判断パターンにおいて設定されたパラメータを特定し、このパラメータ値をパターン化メッセージから取得する。そして、通知先特定手段213は、このパラメータ値を結合して通知先判断コードを作成する。
【0066】
次に、統合監視システム20の制御部21は、通知先判断情報の登録処理を実行する(ステップS2−8)。具体的には、制御部21の通知先特定手段213は、メッセージ番号を付与する。そして、通知先特定手段213は、メッセージ番号、受信日時、メッセージID、メッセージテキスト、マシンID、プロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分、対応区分、通知先判断コードを含めた通知先判断レコード250を作成する。ここでは、例えば、図6に示すメッセージ511が作成される。そして、通知先特定手段213は、作成したメッセージを含めた通知先判断レコード250を通知先判断情報記憶部25に記録する。
【0067】
次に、統合監視システム20の制御部21は、通知先判断コードに基づいて通知先コードの特定処理を実行する(ステップS2−9)。具体的には、制御部21の通知先特定手段213は、通知先判断コードが記録された通知先管理レコード260を通知先管理情報記憶部26から抽出する。そして、通知先特定手段213は、抽出した通知先管理レコード260を用いて通知先コードを特定する。更に、通知先特定手段213は、メッセージ番号、プロダクト名、マシンID、メッセージテキスト、対応区分、通知先コードを含めた通知情報を生成し、通知情報記憶部27に記録する。ここでは、図6に示す通知情報512が記録される。
【0068】
次に、統合監視システム20の制御部21は、通知処理を実行する(ステップS2−10)。具体的には、制御部21の通知手段214は、定期的に通知情報記憶部27にアクセスし、通知情報記憶部27から通知情報を抽出する。そして、通知手段214は、この通知情報に記憶されている対応区分に基づいて通知を行なうタイミングを決定する。具体的には、「即時」となっている通知情報については、速やかに送信を行なう。一方、「即時」となっていない通知情報については、予め定められた定時に送信を行なう。この場合、通知手段214は、通知先コードに対応する通知先を連絡先情報記憶部から取得し、各通知先に通知情報を送信する。
【0069】
本実施形態の監視処理システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、監視対象システム10のメッセージ送信部11は、アベンドジョブのジョブ制御パラメータにおいて未済可否情報の特定処理を実行する(ステップS1−2)。そして、監視対象システム10のメッセージ送信部11は、ジョブの終了状況や種類に応じて、「未済可」、「未済不可」を決定し、この決定に基づいてメッセージの追加処理を実行する(ステップS1−3)。これにより、メッセージを取得した担当者は、ジョブの未済可否を判定することができる。
【0070】
(2)上記実施形態では、統合監視システム20の制御部21は、メッセージテキスト
の生成処理(ステップS2−5)、パターン化メッセージの作成処理(ステップS2−6)を実行する。これにより、各種監視対象システム10から多様なメッセージを取得した場合にも、同じフォーマットで規格化することができる。
【0071】
そして、統合監視システム20の制御部21は、通知先判断コードの作成処理を実行する(ステップS2−7)。これにより、複数の監視対象システム10から同じメッセージIDが付与されたメッセージを取得した場合にも、各監視対象システム10の利用状況に応じて、的確な担当者に通知することができる。更に、対応区分により通知を行なうタイミングを特定されるため、各監視対象システム10の稼動状況に応じて、障害の重大度等に応じて適切なタイミングで通知を行なうことができる。
【0072】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態においては、統合監視システム20の制御部21は、送信元識別子及びメッセージ識別子が記録されたレコードの検索処理を実行する(ステップS2−3)。第2の実施形態は、第1の実施形態の通知管理処理において、送信元識別子及びメッセージ識別子が記録されたパターン管理レコード230を検出できない場合には、監視対象システム10を管理するオペレータに対応を促す構成であり、同様の部分については詳細な説明を省略する。
【0073】
ここでは、メッセージの発生状況に応じて、パターン管理情報の登録を促す。このために、制御部21は、パターン管理情報の登録を促すための通知先管理手段及び未登録パターン記憶部を設ける。通知先管理手段は、パターン管理情報の登録要否を判定するための基準回数に関するデータを保持している。
【0074】
また、未登録パターン記憶部には、マシンID及びメッセージIDに関連付けられて、メッセージの出力回数が記録された未登録パターンレコードが登録される。
更に、パターン管理情報記憶部23には、マシンIDに関連付けて、デフォルト通知先(例えば、この監視対象システムのオペレータの連絡先)を登録しておく。この実施形態の処理を、図7を用いて説明する。
【0075】
まず、統合監視システム20の制御部21は、ステップS2−1〜S2−3と同様に、監視対象メッセージの取得処理(ステップS3−1)〜送信元識別子及びメッセージ識別子が記録されたレコードの検索処理(ステップS3−3)を実行する。
【0076】
次に、統合監視システム20の制御部21は、該当レコードが登録されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、監視対象メッセージに含まれるマシンID及びメッセージIDが記録されたパターン管理レコードの抽出の有無により判定する。
【0077】
該当レコードを抽出できた場合(ステップS3−4において「YES」の場合)には、ステップS2−4〜S2−10と同様に、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の取得(ステップS3−5)〜通知処理(ステップS3−11)を実行する。
【0078】
一方、該当レコードを抽出できなかった場合(ステップS3−4において「NO」の場合)には統合監視システム20の制御部21は、出力回数が基準回数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−12)。具体的には、制御部21の通知先管理手段は、通知先を特定できなかったメッセージについて、マシンID及びメッセージIDが記録された未登録パターンレコードを未登録パターン記憶部において検索する。既に、未登録パターンレコードを検出した場合には、通知先管理手段は、この未登録パターンレコードの出力回数に「1」を加算する。一方、未登録パターンレコードを検出できない場
合には、通知先管理手段は、マシンID及びメッセージIDを記録した未登録パターンレコードを生成し、未登録パターン記憶部に記録する。この場合、出力回数には「1」を設定する。そして、通知先管理手段は、未登録パターンレコードに記録された出力回数と基準回数とを比較する。
【0079】
出力回数が基準回数以上の場合(ステップS3−12において「YES」の場合)、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の登録依頼処理を実行する(ステップS3−13)。具体的には、制御部21の通知先管理手段は、オペレータ端末において、マシンID及びメッセージIDについてのパターン管理レコード230の登録を促すアラームを出力する。この場合、オペレータは、このマシンID、メッセージIDに対して、プロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分を決定する。そして、マシンID、メッセージIDに対して、プロダクト名、アラートタイプ、重大度、メッセージキー区分を記録した新たなパターン管理レコード230をパターン管理情報記憶部23に登録する。
【0080】
一方、出力回数が基準回数未満の場合(ステップS3−12において「NO」の場合、)、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の登録依頼処理(ステップS3−13)をスキップする。
【0081】
次に、統合監視システム20の制御部21は、オペレータ通知処理を実行する(ステップS3−14)。具体的には、制御部21の通知先特定手段213は、デフォルト通知先であるオペレータ端末に対して、通知先を特定できなかったことを通知する。この場合、オペレータは、監視対象メッセージを確認して、所定の担当者に通知する。
【0082】
本実施形態の監視処理システムによれば、上記の(1)、(2)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(3)上記実施形態では、統合監視システム20の制御部21は、出力回数が基準回数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−12)。そして、出力回数が基準回数以上の場合(ステップS3−12において「YES」の場合、)、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の登録依頼処理を実行する(ステップS3−13)。これにより、予めすべてのメッセージについてのパターン管理レコード230が登録されていない場合であっても、受信するメッセージの頻度に応じて、新たにパターン管理レコード230を蓄積していくことができる。
【0083】
<第3の実施形態>
上記第2の実施形態においては、送信元識別子及びメッセージ識別子が記録されたパターン管理レコード230を検出できない場合には、監視対象システム10を管理するオペレータに対応を促す。第3の実施形態は、第2の実施形態における通知管理処理において、送信元識別子及びメッセージ識別子が記録されたパターン管理レコード230を検出できない場合に、監視対象メッセージに含まれるメッセージ識別子に類似するメッセージ識別子に基づいて通知先を特定する構成であり、同様の部分については詳細な説明を省略する。この実施形態の処理を、図8を用いて説明する。
【0084】
統合監視システム20の制御部21は、ステップS3−1〜S3−4と同様に、監視対象メッセージの取得処理(ステップS4−1)〜該当レコードの登録の有無についての判定処理を実行する(ステップS4−4)。
【0085】
該当レコードを抽出できた場合(ステップS4−4において「YES」の場合)には、ステップS3−5〜S3−11と同様に、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の取得(ステップS4−5)〜通知処理(ステップS4−11)を実行する。
【0086】
一方、該当レコードを抽出できなかった場合(ステップS4−4において「NO」の場合)には、次に、統合監視システム20の制御部21は、類似したパターン管理レコードの検索処理を実行する(ステップS4−12)。具体的には、制御部21の通知先特定手段213は、監視対象メッセージを送信した監視対象システム10のマシンIDと共通するパターン管理レコード230を特定する。次に、通知先特定手段213は、監視対象メッセージに含まれるメッセージIDにおいて基準数以上の文字列が共通するとともに、共通している文字数が最も多いメッセージIDが記録されたパターン管理レコード230を検索する。
【0087】
次に、統合監視システム20の制御部21は、類似登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−13)。具体的には、通知先特定手段213は、監視対象メッセージに含まれるメッセージIDにおいて基準数以上の文字列が共通するとともに、共通している文字数が最も多いメッセージIDが記録されたパターン管理レコード230を抽出できた場合には、類似登録があると判定する。
【0088】
類似登録がある場合(ステップS4−13において「YES」の場合)、統合監視システム20の制御部21は、ステップS3−13と同様に、パターン管理情報の登録依頼処理を実行する(ステップS4−14)。そして、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の取得(ステップS4−5)〜通知処理(ステップS4−11)を実行する。
【0089】
一方、類似登録がない場合(ステップS4−13において「NO」の場合)、統合監視システム20の制御部21は、ステップS3−14と同様に、オペレータ通知処理を実行する(ステップS4−15)。
【0090】
本実施形態の監視処理システムによれば、上記の(1)、(2)、(3)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(4)上記実施形態では、該当レコードを抽出できなかった場合(ステップS4−4において「NO」の場合)には、統合監視システム20の制御部21は、類似したパターン管理レコードの検索処理を実行する(ステップS4−12)。類似登録がある場合(ステップS4−13において「YES」の場合)、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の登録依頼処理(ステップS4−14)に引き続き、パターン管理情報の取得(ステップS4−5)〜通知処理(ステップS4−11)を実行する。これにより、マシンID及びメッセージIDについてのパターン管理レコード230が登録されていない場合にも、類似したメッセージIDを利用して通知先を特定することができる。
【0091】
<第4の実施形態>
上記第1の実施形態においては、統合監視システム20の制御部21は、送信元識別子及びメッセージ識別子が記録されたレコードの検索処理を実行する(ステップS2−3)。第4の実施形態は、第1の実施形態の通知管理処理において、特定の監視対象メッセージの発生頻度が高い場合には、通知先の再検討を促す構成であり、同様の部分については詳細な説明を省略する。ここでは、制御部21に、通知先の再検討を促す通知先管理手段を設ける。この通知先管理手段は、メッセージの発生頻度を算出するための評価対象期間に関するデータや、パターン管理情報の細分化要否を判定するための基準回数に関するデータを保持している。この実施形態の処理を、図9を用いて説明する。
【0092】
まず、統合監視システム20の制御部21は、ステップS2−1〜S2−3と同様に、監視対象メッセージの取得処理(ステップS5−1)〜送信元識別子及びメッセージ識別子が記録されたレコードの検索処理(ステップS5−3)を実行する。
【0093】
次に、統合監視システム20の制御部21は、同じパターンの頻度の取得処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の通知先管理手段は、受信管理情報記憶部22から、直近の評価対象期間において、同じパターン(ここでは、マシンID、メッセージID)が記録された受信管理レコード220を抽出する。そして、通知先管理手段は、抽出した受信管理レコード220のレコード数をカウントすることにより、同じパターンのメッセージの発生頻度を算出する。
【0094】
次に、統合監視システム20の制御部21は、基準回数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部21の通知先管理手段は、同じパターンのメッセージの発生頻度と基準回数とを比較する。
【0095】
ここで、発生頻度が基準回数以上の場合(ステップS5−5において「YES」の場合)、統合監視システム20の制御部21は、通知先コードの細分化確認の依頼処理を実行する(ステップS5−6)。具体的には、制御部21の通知先管理手段は、オペレータ端末に対して、このパターンの発生頻度が高いこと及び通知先コードの細分化についての要否を確認する依頼を通知する。この場合、オペレータは、メッセージの内容に応じて、通知先の担当者の負担を考慮して、通知先を再検討する。担当者の負担が大きい場合には、通知先を分散するように、パターン管理情報記憶部23に記録されたパターン管理レコード230や、通知先管理情報記憶部26に記録された通知先管理レコード260を変更する。
【0096】
そして、統合監視システム20の制御部21は、ステップS2−4〜S2−10と同様に、統合監視システム20の制御部21は、パターン管理情報の取得(ステップS5−7)〜通知処理(ステップS5−13)を実行する。
【0097】
本実施形態の監視処理システムによれば、上記の(1)〜(4)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)上記実施形態では、統合監視システム20の制御部21は、基準回数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−5)。ここで、基準回数以上の場合(ステップS5−5において「YES」の場合)、統合監視システム20の制御部21は、通知先コードの細分化確認の依頼処理を実行する(ステップS5−6)。これにより、通知が集中している通知先の分散化を図ることができる。
【0098】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記各実施形態では、監視対象システム10における通知処理において、監視対象システム10のメッセージ送信部11は、ジョブの終了状況や種類に応じて、「未済可」、「未済不可」を決定し(ステップS1−2)、この決定に基づいてメッセージの追加処理(ステップS1−3)を実行する。ここで、メッセージを追加することなく、障害情報を統合監視システム20に通知するようにしてもよい。
【0099】
・ 上記各実施形態では、統合監視システム20の制御部21は、通知先判断コードの作成処理を実行する(ステップS2−7、S3−8、S4−8、S5−10)。具体的には、制御部21の通知先特定手段213は、パターン化メッセージに含まれるメッセージキー区分が記録されたキー区分管理レコード240を、キー区分管理情報記憶部24から抽出する。そして、キー区分管理レコード240に記録された対応区分を取得する。対応区分の特定方法は、これに限定されるものではない。例えば、監視対象メッセージを受信した時刻に応じて対応区分を設定するようにしてもよい。この場合には、キー区分管理情報記憶部24のキー区分管理レコード240に、受信時刻帯に応じた対応区分を記憶させておく。そして、通知先特定手段213は、キー区分管理情報記憶部24から、監視対象
システム10から監視対象メッセージを受信した時刻に対応する時刻帯の対応区分を取得する。これにより、監視対象メッセージの受信時刻に応じて、担当者に対する通知の送信方法を変更することができる。
【0100】
・ 上記各実施形態では、対応区分に応じて送信方法を特定する。具体的には、通知先特定手段213は、対応区分に基づいて、異なる送信方法を設定する。本実施形態では、対応区分に基づいて通知タイミングを決定する。送信方法の変更は、対応区分に応じた通知のタイミングの変更に限定されるものではない。例えば、対応区分に応じて通信チャネルを変更してもよい。具体的には、重大度が高い対応区分の場合には、即時性の高い通信手段(例えば、電話コール)を用いる。
【0101】
・ 上記各実施形態では、監視対象システム10は、ジョブログ記憶部12を設けた。異常が生じた場合に、監視対象システム10が、メッセージを統合監視システム20に送信する構成においても適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
10…監視対象システム、11…メッセージ送信部、12…ジョブログ記憶部、13…未済可否判定情報記憶部、20…統合監視システム、21…制御部、211…メッセージ取得手段、212…パターン化手段、213…通知先特定手段、214…通知手段、22…受信管理情報記憶部、23…パターン管理情報記憶部、24…キー区分管理情報記憶部、25…通知先判断情報記憶部、26…通知先管理情報記憶部、27…通知情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象システムの送信元識別子及びメッセージ識別子に関連付けて、メッセージ区分を含むパターン管理情報を記憶したパターン情報記憶手段と、
メッセージ区分に関連付けて、通知先判断識別子を生成するための項目を記憶した区分情報記憶手段と、
通知先判断識別子に関連付けて、通知先を特定するための情報を記憶した通知先情報記憶手段と、
監視対象システムに接続された制御手段とを備えた監視処理システムであって、
前記制御手段が、
監視対象システムからメッセージ識別子を含めた監視対象メッセージを取得する手段と、
監視対象メッセージを送信した監視対象システムの送信元識別子を特定し、この送信元識別子及びメッセージ識別子を用いて、前記パターン情報記憶手段から、メッセージ区分を含むパターン管理情報を取得し、このパターン管理情報に基づいてパターン化メッセージを生成する手段と、
前記区分情報記憶手段を用いて、前記メッセージ区分に関連付けられた項目を前記パターン化メッセージにおいて特定し、特定された項目の内容を用いて通知先判断識別子を生成する手段と、
前記通知先情報記憶手段において通知先判断識別子に関連付けられた通知先に通知を行なう手段と
を備えたことを特徴とする監視処理システム。
【請求項2】
前記区分情報記憶手段には、メッセージ区分に関連付けて、監視対象メッセージに対応する方法を決めるための対応区分が更に記憶されており、
前記制御手段が、受信した監視対象メッセージに基づいて取得したメッセージ区分に関連付けられた対応区分を特定し、この対応区分をパターン化メッセージの中に設定し、この対応区分に応じて送信方法を特定する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の監視処理システム。
【請求項3】
前記制御手段が、
前記パターン情報記憶手段において、監視対象メッセージのメッセージ識別子を抽出できない場合には、送信元識別子に関連付けられたデフォルト通知先に通知を行なうとともに、このメッセージ識別子を含む監視対象メッセージの出力履歴を記録する手段と、
前記出力履歴において出力回数が基準回数を超えた場合には、パターン管理情報の登録を指示する手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の監視処理システム。
【請求項4】
前記制御手段が、前記パターン情報記憶手段において、監視対象メッセージのメッセージ識別子を抽出できない場合には、送信元識別子が共通し、前記メッセージ識別子が類似する他のメッセージ識別子に関連付けられたメッセージ区分を特定する手段を更に備え、
特定したメッセージ区分を用いて通知先判断識別子を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の監視処理システム。
【請求項5】
前記制御手段が、送信元識別子及びメッセージ識別子毎に出力履歴を記録し、前記出力履歴において出力回数が基準回数を超えた場合には、通知先の細分化を促すためのアラームを出力する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の監視処理システム。
【請求項6】
監視対象システムの送信元識別子及びメッセージ識別子に関連付けて、メッセージ区分
を含むパターン管理情報を記憶したパターン情報記憶手段と、
メッセージ区分に関連付けて、通知先判断識別子を生成するための項目を記憶した区分情報記憶手段と、
通知先判断識別子に関連付けて、通知先を特定するための情報を記憶した通知先情報記憶手段と、
監視対象システムに接続された制御手段とを備えた監視処理システムを用いて、監視処理を実行する方法であって、
前記制御手段が、
監視対象システムからメッセージ識別子を含めた監視対象メッセージを取得する段階と、
監視対象メッセージを送信した監視対象システムの送信元識別子を特定し、この送信元識別子及びメッセージ識別子を用いて、前記パターン情報記憶手段から、メッセージ区分を含むパターン管理情報を取得し、このパターン管理情報に基づいてパターン化メッセージを生成する段階と、
前記区分情報記憶手段を用いて、前記メッセージ区分に関連付けられた項目を前記パターン化メッセージにおいて特定し、特定された項目の内容を用いて通知先判断識別子を生成する段階と、
前記通知先情報記憶手段において通知先判断識別子に関連付けられた通知先に通知を行なう段階と
を実行することを特徴とする監視処理方法。
【請求項7】
監視対象システムの送信元識別子及びメッセージ識別子に関連付けて、メッセージ区分を含むパターン管理情報を記憶したパターン情報記憶手段と、
メッセージ区分に関連付けて、通知先判断識別子を生成するための項目を記憶した区分情報記憶手段と、
通知先判断識別子に関連付けて、通知先を特定するための情報を記憶した通知先情報記憶手段と、
監視対象システムに接続された制御手段とを備えた監視処理システムを用いて、監視処理を実行するためのプログラムであって、
前記制御手段を、
監視対象システムからメッセージ識別子を含めた監視対象メッセージを取得する手段、
監視対象メッセージを送信した監視対象システムの送信元識別子を特定し、この送信元識別子及びメッセージ識別子を用いて、前記パターン情報記憶手段から、メッセージ区分を含むパターン管理情報を取得し、このパターン管理情報に基づいてパターン化メッセージを生成する手段、
前記区分情報記憶手段を用いて、前記メッセージ区分に関連付けられた項目を前記パターン化メッセージにおいて特定し、特定された項目の内容を用いて通知先判断識別子を生成する手段、
前記通知先情報記憶手段において通知先判断識別子に関連付けられた通知先に通知を行なう手段
として機能させることを特徴とする監視処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−53680(P2012−53680A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195967(P2010−195967)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】