説明

監視制御装置

【課題】表示パネルに同一の画像が長時間表示され続けることによる残像の発生を防止しながらも、操作入力部が一定時間操作されなくても表示パネルに負荷状態を表示することができる監視制御装置を提供する。
【解決手段】制御部20は、操作入力部3での操作入力の有無を検知する検知手段21と、前記操作入力が所定の第1設定時間以上検出されなければ動作モードを通常モードから監視モードに切り替えるモード切替手段22とを具備する。制御部20は、通常モードにおいて、通信回路11で取得される負荷状態を表示パネル2に表示し、且つ当該表示内容に関連付けられている操作入力部3の操作に応じた負荷制御を行う。監視モードにおいては、制御部20は、通信回路11で取得される負荷状態を示す監視画面を表示パネル2に表示し、表示対象の負荷を順次切り替えることで監視画面を時間経過に伴って変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信によって負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられる監視制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、負荷の遠隔監視制御を行うために信号線を通してスイッチのオンオフ情報を含む伝送信号を伝送し、負荷の電源を入切するリレーを伝送信号によって開閉させる技術が知られている。
【0003】
この種の遠隔監視制御システムとしては、スイッチを有する操作端末器と負荷への電源を入切するリレーを有する制御端末器とを端末装置として備え、伝送ユニットをセンタ装置として備えた集中制御型のものがある。操作端末器および制御端末器はそれぞれ複数台ずつ設けられていてもよい。伝送ユニットと操作端末器と制御端末器とは2線式の信号線に接続されており、操作端末器および制御端末器に個別に設定されている端末アドレスを用いて伝送ユニットが操作端末器および制御端末器を各別に認識する。
【0004】
伝送ユニットは、操作端末器と制御端末器とをアドレスによって対応付けたデータテーブルである制御テーブルを格納したメモリを備えている。この伝送ユニットは、いずれかの操作端末器におけるスイッチのオンオフ情報が伝送信号(時分割多重伝送信号を用いている)を用いて通知されると、制御テーブルによって当該操作端末器に対応付けられている制御端末器に対して伝送信号を用いてリレーを開閉する指示を伝送する。この指示を受けた制御端末器においてリレーが開閉される。そのため、スイッチのオンオフに応じて負荷が制御されることになる。
【0005】
上述した遠隔監視制御システムに操作端末器として用いられる監視制御装置として、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路と、液晶表示器よりなる表示パネルと、表示パネルの画面に重ねて配置された透明なタッチスイッチからなる操作入力部とを備え、表示パネルの表示内容に関連付けられている操作入力部の操作入力に応じた負荷制御および負荷状態に応じた画面表示を行うものが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
この監視制御装置は、表示パネルの表示内容(画面表示)および操作入力部の操作に対する応答(負荷制御)に関して任意に設定可能に構成されているため、設定内容に応じて操作入力部に種々の機能を持たせることができる。しかも、操作入力部の機能に合わせて表示パネルの表示内容を変更することができるから、限られたスペースで多機能の操作が可能になり、多数の負荷を操作する場合であっても操作端末器の占有スペースを小さくすることができる。
【0007】
ところで、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置は、同一の画像が長時間表示され続けた場合に残像を生じる(CRTディスプレイでは焼き付き、液晶ディスプレイではセル内に生じる残留直流電圧成分により残像が発生する)ことがある。そこで、たとえばパーソナルコンピュータの技術分野においては、操作入力が一定時間なければ、表示装置にブランク表示(画面を黒くする表示)や文字・図形等の動的表示を行わせるスクリーンセーバを起動して、表示装置における残像の発生を防止することが知られている。
【0008】
そこで、上述した監視制御装置においても、表示パネルに同一の画像が長時間表示され続けることによる残像の発生を防止するために、操作入力部での操作入力が一定時間なければ、スクリーンセーバを起動することが考えられる。この場合、スクリーンセーバは、操作入力部の操作入力が検出されれば終了するものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−243478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記構成の監視制御装置では、表示パネルに負荷状態を表示する機能が備わっているにもかかわらず、スクリーンセーバが起動すると、表示パネルの表示にて負荷状態を確認することができなくなる。そのため、ユーザは負荷状態を確認するために、スクリーンセーバの作動中にあっては1度操作入力部を操作してスクリーンセーバを終了する必要があり、利便性に欠くという問題がある。
【0011】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、表示パネルに同一の画像が長時間表示され続けることによる残像の発生を防止しながらも、操作入力部が一定時間操作されなくても表示パネルに負荷状態を表示することができる監視制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明では、通信によって負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられる監視制御装置であって、文字および図形を表示可能な表示パネルと、ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力部と、表示パネルの表示制御および操作入力部の操作入力に応じた負荷制御を行う制御部と、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路とを備え、制御部は、少なくとも通常モードおよび監視モードの2つの動作モードで動作可能であって、通常モードにおいて操作入力部の操作入力が所定の第1設定時間以上検出されなければ監視モードに切り替え、且つ、監視モードにおいて操作入力部の操作入力が検出されれば通常モードに復帰させるモード切替手段を有し、通常モードでは、通信回路で取得される負荷状態を表示パネルに表示するとともに当該表示内容に関連付けられている操作入力部の操作に応じた負荷制御を行い、監視モードでは、通信回路で取得される負荷状態を示す監視画面を表示パネルに表示するとともに、負荷状態の変化に関わらず監視画面を時間経過に伴って変化させることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、制御部は、操作入力部の操作入力が第1設定時間以上検出されずに動作モードが監視モードに切り替わったとしても、通信回路で取得される負荷状態を表示パネルに表示することができる。つまり、操作入力部が第1設定時間以上操作されなくても、表示パネルに負荷状態を表示することができる。そのため、制御部が通常モードと監視モードとのいずれにあっても、ユーザにおいては、表示パネルの表示にて負荷状態を確認することができる。また、監視モードでは、制御部は負荷状態の変化に関わらず監視画面を時間経過に伴って変化させるので、表示パネルに同一の画像が長時間表示され続けることはない。つまり、操作入力部が第1設定時間以上操作されずに監視モードに切り替わった場合、スクリーンセーバを起動させるのと同様に、表示パネルに同一の画像が長時間表示され続けることによる残像の発生を防止することができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記制御部が、監視制御対象となる前記複数の負荷を複数の負荷群に分類し、前記通常モードにおいては、負荷群ごとに負荷状態を前記表示パネルに表示するとともに前記操作入力部での所定の操作入力に応じて表示対象の負荷群を切り替え、前記監視モードにおいては、負荷群ごとに負荷状態を表示パネルに表示するとともに表示対象の負荷群を順次切り替えることで前記監視画面を時間経過に伴って変化させていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、通常モードと監視モードとのいずれにおいても、負荷群ごとに負荷状態を表示パネルに表示するので、監視制御対象となる負荷の数が多くても同時に表示される負荷の数を抑えることができ、負荷状態の表示を見やすく且つ負荷制御の際の操作性をよくすることができる。そして監視モードでは、表示対象の負荷群を順次切り替えることで監視画面を時間経過に伴って変化させているので、ユーザは、表示対象が一巡する間に全ての負荷について負荷状態を確認することができる。なお、負荷群の分類は、たとえば負荷の設置されている部屋や負荷の種類など、関連性のある負荷同士を同一の負荷群に分類することが望ましい。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記モード切替手段が、前記監視モードから前記通常モードに復帰させる際、監視モードで表示中の負荷群を表示する状態から通常モードを開始することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、監視モードから通常モードに復帰する際に、監視モードで表示中の負荷群を表示する状態から通常モードが開始するので、ユーザにおいては、監視モードで表示中の負荷を操作しようとしたときに、操作入力部を操作して通常モードに復帰させた後すぐに所望の負荷制御を行うことができ、操作性がよいという利点がある。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記モード切替手段が、前記監視モードから前記通常モードに復帰させる際、監視モードに切り替わる直前に通常モードで表示されていた画面から通常モードを開始することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、監視モードから通常モードに復帰する際に、監視モードに切り替わる前に表示されていた負荷群を表示する状態から通常モードが開始するので、ユーザにおいては、通常モードでの操作途中で一旦監視モードに切り替わったとしても、操作入力部を操作して通常モードに復帰させることにより、監視モードに切り替わる前の続きから操作を行うことができ、操作性がよいという利点がある。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明において、前記表示パネルが液晶表示器とバックライトとを有し、前記制御部が、前記監視モードにおいて前記操作入力部での操作入力が所定の第2設定時間以上検出されなければ、バックライトを消灯する自動消灯手段を有することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、監視制御モードにおいて操作入力部が第2設定時間以上操作されないと、バックライトが自動的に消灯するので、バックライトを点灯させ続ける場合に比べて表示パネルの寿命を延ばすことができる。また、表示パネルでの電力消費を低減できるという利点もある。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、操作入力部が第1設定時間以上操作されなければ、制御部が通常モードから監視モードに切り替わり、この監視モードにおいて表示パネルに負荷状態を表示することができる。また、監視モードでは、制御部は負荷状態の変化に関わらず監視画面を時間経過に伴って変化させるので、表示パネルに同一の画像が長時間表示されることを避けて表示パネルに残像が生じることを防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同上を用いた遠隔監視制御システムの構成を示す図である。
【図3】同上の概略ブロック図である。
【図4】同上の斜視図である。
【図5】同上の通常モードでの表示パネルの表示例を示す動作説明図である。
【図6】同上の監視モードでの表示パネルの表示例を示す動作説明図である。
【図7】同上の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図8】同上の設定画面の一例を示す動作説明図である。
【図9】本発明の実施形態2における設定画面の一例を示す動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の実施形態において説明する監視制御装置は、図2に示す遠隔監視制御システムに操作端末器として用いられるものである。この遠隔監視制御システムの基本構成は背景技術の欄で説明した遠隔監視制御システムと同様である。
【0025】
具体的に説明すると、図2の例では、負荷Lとして白熱灯L、インバータ式の点灯装置を有した蛍光灯L、空調機のファンコイルL、スピーカLを備えている。白熱灯Lは、灯数に応じた容量の白熱灯調光用制御端末器(1500W,800W,500W)33A〜33Cにより制御される。蛍光灯Lは、点灯・消灯を制御するリレーを有した制御端末器33Dおよび光出力を制御する蛍光灯調光用制御端末器33Eにより制御される。ファンコイルLはファンコイル制御端末器33Fにより動作強度が強中弱の3段階に制御され、スピーカLはボリューム制御端末器33Gにより音量が制御される。その他の負荷として電動カーテン、電動スクリーン、換気用のファンなどを用いることも可能である。
【0026】
操作端末器としては、スイッチSを備えた操作端末器31A、および調光用操作端末器31B,31C、接点出力が得られる各種センサを接続する接点入力操作端末器31Dが設けられる。さらに、ワイヤレス送信器34aに操作部を設け、ワイヤレス受信機34bと組み合わせることで操作端末器を構成することができる。また、信号線Lsを延長するために図示例では信号線Ls上に中継器(増幅器)35を挿入して伝送信号を減衰させずに伝送できるようにしてある。操作端末器としての監視制御装置1A,1B(以下、両者を区別しないときは単に監視制御装置1という)は図示例では2台接続してあり、一方の監視制御装置1Aには、商用電源(たとえば交流100V)を降圧して出力する降圧トランスであるリモコントランス36から交流24Vの電源が供給されている。以下、操作端末器1A,1B,31A〜31Dを区別しないときには単に操作端末器31とし、制御端末器33A〜33Gを区別しないときには単に制御端末器33とする。
【0027】
ここでは、伝送ユニット30が伝送信号を信号線Lsに定期的に送出しており、伝送信号としてはたとえば±24Vの双極性のパルス幅変調信号が用いられる。監視制御装置1以外の操作端末器31および制御端末器33では、この伝送信号を全波整流することによって内部電源を確保している。また、伝送ユニット30には商用電源によって電源が供給されている。
【0028】
ここに、各操作端末器31はそれぞれ複数回路の入力部(スイッチS、センサ等)を有し、また各制御端末器33にはそれぞれ複数回路の負荷Lが接続される。伝送ユニット30に設けた制御テーブルでは入力部および負荷Lの回路別に対応付けが可能になっている。つまり、たとえば操作端末器31Aのように複数のスイッチSを有する場合、操作端末器31Aに固有の端末アドレスだけでは、当該操作端末器31Aに設けられたスイッチSが全て該当することになり、実際に操作された唯一のスイッチSを特定することはできない。そこで、操作端末器31Aにおいては、それぞれスイッチSごとに負荷番号を割り振り、操作端末器31の端末アドレスの後に負荷番号を付加したものをスイッチSのアドレスとして用いることによって、実際に操作された唯一のスイッチSを特定できるようにしてある。同様に、制御端末器33においては負荷Lごとに負荷番号を割り振り、各制御端末器33の端末アドレスの後に負荷番号を付加したものを負荷Lのアドレスとする。なお、1台の制御端末器33に接続される複数の負荷Lで1つの負荷回路を構成してもよく、この場合には各制御端末器33の端末アドレスが負荷Lのアドレスとして用いられる。
【0029】
ところで、制御テーブルでは、スイッチSと負荷Lとを一対一に結びつけるほか、一対多に結びつけることも可能になっている。たとえば、上記遠隔監視制御システムにて負荷Lとしての蛍光灯Lへの電源を入切するとすれば、伝送ユニット30では、1個のスイッチSで1回路の蛍光灯Lの点灯と消灯とを行う個別制御と、1個のスイッチSで複数回路の蛍光灯Lの点灯と消灯とを一括して行う一括制御との設定が可能になっている。言い換えると、個別制御は1指示で1回路の負荷Lを制御することを意味し、一括制御は1指示で複数回路の負荷Lを制御することを意味する。このような一括制御には、グループ制御とパターン制御とがある。グループ制御では、制御対象となる負荷Lの範囲をスイッチSに予め対応付けておき、1個のスイッチSの操作によって当該範囲の負荷Lを一括してオンまたはオフにする。パターン制御では、制御対象となる負荷Lのアドレスの範囲と各アドレスに対応する負荷Lのオンとオフとの別とをスイッチSに予め対応付けておき、1個のスイッチSの操作によって当該範囲の負荷Lをそれぞれオンまたはオフにする。
【0030】
上述したグループ制御あるいはパターン制御を行うため、伝送ユニット30の制御テーブルにおいては、グループ制御あるいはパターン制御を行うスイッチSに対応するグループ番号またはパターン番号に、制御対象となる範囲の負荷Lのアドレスを対応付けてある。そして、グループ制御あるいはパターン制御を行うスイッチSが操作されたときに、伝送ユニット30では、制御テーブルと照合することにより制御対象となる負荷Lのアドレスを展開し、さらに負荷Lのオンおよびオフの状態を決定した後、制御テーブルの参照により得られたアドレスを持つ制御端末器33に指示を与える。
【0031】
すなわち、たとえば会議室のように多数の負荷Lが存在する場所で各負荷Lの動作を個別制御しようとすると、多数のスイッチSが必要となり、操作端末器31の占有スペースが大きくなるという問題がある。ここで、グループ制御やパターン制御を行えば、複数の負荷Lの個々の動作を1つのスイッチ操作で制御することが可能である。
【0032】
ここにおいて、グループ制御を行うには、どの負荷Lを一括して制御するかを予め設定する必要があり、パターン制御を行うには、どの負荷Lをどのような状態に制御するかを予め設定する必要がある。以下の実施形態で説明する監視制御装置1では、表示パネルの表示内容に関連付けられている操作入力部の操作に応答して負荷を制御する通常モードと、負荷制御(グループ制御やパターン制御の内容)に関する設定を行う設定モードとが切替可能になっている。
【0033】
以下に、上述の遠隔監視制御システムの動作について簡単に説明する。
【0034】
伝送ユニット30は、常時、端末アドレスをサイクリックに変更した伝送信号を周期的に信号線Lsに送出する常時ポーリングを行っている。伝送信号には、信号送出開始を示すスタートパルス、信号モードを示すモードデータ、操作端末器31や制御端末器33を各別に呼び出すための端末アドレスを伝送するアドレスデータ、負荷Lを制御するための制御データを伝送する制御データ(負荷番号を含む)、伝送エラーを検出するためのチェックサムデータ、操作端末器31や制御端末器33からの返送信号を受信するタイムスロットである信号返送期間を含む双極性の信号を用いている。
【0035】
いずれかの操作端末器31においてスイッチ操作等による監視入力が発生すると、当該操作端末器31は伝送信号のスタートパルスに同期する割込信号を信号線Lsに送出する。割込信号を発生した操作端末器31は割込フラグを設定したラッチ状態になる。一方、伝送ユニット30は割込信号を検出すると、モードデータをサーチモードとした伝送信号を送出する。ラッチ状態になっている操作端末器31は、サーチモードの伝送信号を受信すると信号返送期間において端末アドレスを返送し、端末アドレスを受け取った伝送ユニット30は、当該端末アドレスの操作端末器31にラッチ状態の返送を要求する伝送信号を伝送し、ラッチ状態か否かを確認することによって割込信号を発生した操作端末器31であることを確認する。割込信号を発生した操作端末器31であることが確認されると、ラッチ状態を解除させる伝送信号を伝送し、当該操作端末器31のラッチ状態を解除させる。
【0036】
伝送ユニット30は、上述の動作によって操作端末器31からの要求を受け取ると、制御テーブルに従って当該操作端末器31に対応付けられた制御端末器33に対して負荷Lの制御を要求する。次に、制御対象である負荷Lの状態を確認するための伝送信号を送出し、制御端末器33から負荷状態を返送させる。制御端末器33から受け取った負荷状態は、伝送ユニット30で確認され、現状の負荷状態がオフであれば負荷状態をオンに反転させる内容の伝送信号を監視入力があった操作端末器31に送信するとともに、制御端末器33にも同内容の伝送信号を送信する。なお、制御端末器33を制御する内容の伝送信号を操作端末器31にも伝送するのは、操作端末器31に設けたオンオフ表示用の表示灯などの表示状態に反映させるためである。負荷状態を指示する伝送信号を受け取った制御端末器33は、受信確認を返送する。
【0037】
以上説明した遠隔監視制御システムでは、操作端末器31のスイッチSが操作されると、伝送ユニット30においてこのスイッチSのアドレス(端末アドレス+負荷番号)が制御テーブルで照合され、スイッチSとの対応関係が設定されている負荷Lに接続された制御端末器33に対して、負荷Lの制御を指示する伝送信号が伝送ユニット30から伝送される。このような動作によって、スイッチSのオンオフ情報を負荷Lの制御に反映させることができる。
【0038】
(実施形態1)
本実施形態の監視制御装置1は、図3に示すように、半透過型液晶表示器にバックライトを一体化した表示パネル2と、表示パネル2の画面(前面)に重ねて配置された透明な板状のタッチスイッチからなる操作入力部3とを備えている。半透過型液晶表示器は、外光の反射で表示を行う反射型液晶と、背面側に設けたバックライトの光で表示を行う透過型液晶との両方の機能を備えた液晶表示器である。表示パネル2には多数の画素を縦横にマトリクス状に配列したマトリクス表示型のものを用い、画素の組み合わせによって図形を表示するようになっている。操作入力部3は、透明なシート状部材に透明電極からなる接点部を多数個配列し、シート状部材に指などが触れた際にどの部位に触れたのかを出力する抵抗感圧方式のタッチスイッチであり、表示パネル2と共にタッチパネルディスプレイを構成する。
【0039】
この監視制御装置1は、内部回路に直流電源を供給する電源回路10と、伝送ユニット30に接続された信号線Lsに接続され伝送信号(通信コマンド)を授受する通信回路11とを備えている。通信回路11は制御部20(図1参照)を構成するメインマイコン12に接続され、メインマイコン12は、監視制御装置1の内蔵メモリとして設けられたフラッシュメモリ13に書き込まれているプログラムおよびデータに従って動作する。フラッシュメモリ13には少なくとも操作端末器31としてのアドレスが書き込まれる。
【0040】
さらにフラッシュメモリ13には、少なくともSDメモリカード(登録商標)からなるメモリカードのデータをコピーするための領域が確保されている。メモリカードはソケット4に対して着脱自在に装着される。このメモリカードには、表示パネル2の画面表示および負荷制御に関する設定情報が記憶されており、当該設定情報を用いて各種設定が行われることで設定作業を簡略化することができる。
【0041】
メインマイコン12は、表示パネル2の表示内容を指示するデータをラッチ回路14を通して液晶コントローラ15に出力する。液晶コントローラ15は、DRAM16に予め登録してあるデータを用いて表示パネル2の所定位置に所定の内容を表示する。なお、表示パネル2のコントラストやバックライトの明るさは、メインマイコン12がコントラスト調整部17やバックライト用インバータ回路18を制御することによって自動的に調節される。さらに、メインマイコン12は操作入力部3の操作に応じてブザー19を鳴動させる機能を有している。
【0042】
ここにおいて、本実施形態の監視制御装置1は、図4に示すように略直方体状の器体5を備え、埋込型の配線器具と同様に、器体5の後部を壁内に埋め込む形で壁に取り付けられる。この監視制御装置1は、壁に固定される本体ユニット6と、本体ユニット6の前面側に着脱可能に装着されるパネルユニット7とに分離可能である。なお、本体ユニット6とパネルユニット7とは図示しないコネクタによって電気的に接続される。以下では、監視制御装置1を壁に取り付けた状態での上下左右を上下左右として監視制御装置1の構成を説明する。
【0043】
監視制御装置1は、器体5の前壁の一部に矩形状の表示窓74が形成されており、表示パネル2および操作入力部3を表示窓74内に備えている。器体5の前壁における表示窓74の下方においては、左右方向の中央部に機械スイッチ(図示せず)を操作するための操作部75が設けられ、当該操作部75の左側方にLED77(図3参照)からの光を取り出すためのLED窓76が設けられている。LED77は監視制御装置1の電源がオンになっていれば常時点灯し、室内が暗いときなどに監視制御装置1の位置をユーザに示す機能を持つ。機械スイッチは、たとえば操作入力部3の操作を強制的に無効にするために設けられる。つまり、機械スイッチが押操作されると以降は操作入力部3の操作が無効になって、パネルユニット7前面の拭き掃除などを行う際に操作入力部3が誤操作されることを回避可能となる。この状態で機械スイッチが再度押操作されると、以降は操作入力部3の操作が有効となる。
【0044】
ここで、本実施形態の監視制御装置1は、壁面からの器体5の突出量を小さく抑え、且つ、一般に普及している埋込型の配線器具との外観上の統一感を出すとともに、取り付けに用いる部材の低コスト化を図るために、壁内に設置された埋込型の配線器具用の埋込ボックス(図示せず)を用いて壁に取り付けられる。
【0045】
つまり、本体ユニット6は、壁面に設けた施工孔を通して前方から埋込ボックスに取り付けられるのであって、後部を埋込ボックス内に収納可能な形状および寸法に形成されている。また、本実施形態では、本体ユニット6は1連用の取付枠(図示せず)を2個まで取付可能な埋込ボックスに対応する大きさに形成されている。ここでいう1連用の取付枠とは、埋込型の配線器具用にJISで規格化されている単位寸法の配線器具を幅方向(上下方向)に3個並べて取付可能な取付枠を意味しており、1連用の取付枠が左右方向に2個連設された寸法を「2連用」と呼ぶ。すなわち、本実施形態の本体ユニット6は2連用の埋込ボックスに取付可能な寸法に設定される。
【0046】
より具体的に説明すると、器体5は、上下方向の各端面のそれぞれから互いに離れる向きに延設された一対の取付片63を連続一体に有する。一対の取付片63は、本体ユニット6の前端部から上下方向に突出する形で設けられており、本体ユニット6の左右方向の略全長に亘って形成される。各取付片63には、埋込型の配線器具を埋込ボックスに固定する際に用いられる取付枠と同様に、取付ねじを挿通するボックス用孔64がそれぞれ複数個(ここでは2個)ずつ形成されている。なお、上下方向において取付片63におけるボックス用孔64の外側には、器体5の前端部の周囲に取付片63を覆う形で取着される化粧プレート(図示せず)をねじ固定するためのプレート取付孔65が形成されている。
【0047】
パネルユニット7は前面の左右方向の寸法が本体ユニット6と略同等の大きさに形成され、上下方向の寸法が本体ユニット6よりやや小さく設定されている。そのため、パネルユニット7を本体ユニット6に装着した状態で、本体ユニット6の前面の全域がパネルユニット7に覆われることはなく、取付片63のうちのプレート取付孔65が形成された部分がパネルユニット7の上下両側に露出する。ただし、この露出した部分は取付片63に化粧プレートを装着することで隠れることになる。ここに、パネルユニット7の厚み寸法(前後方向の寸法)は、化粧プレートを装着した状態で当該化粧プレートとパネルユニット7との壁面からの突出量が略同じになるように設定される。
【0048】
ところで、本実施形態の監視制御装置1は、図1に示すように、操作入力部3での操作入力の有無を検知する検知手段21と、検知手段21において操作入力が所定の第1設定時間以上検出されなければ動作モードを通常モードから監視モードに切り替えるモード切替手段22とを制御部20に具備している。なお、図1では、メインマイコン12およびその周辺回路を制御部20として図示し、以下の説明に関係のない構成要素の図示を省略している。
【0049】
すなわち、制御部20は少なくとも通常モードと監視モードとの2つの動作モードで動作可能であって、通常モードで動作中に検知手段にて操作入力が第1設定時間に亘って検出されなければ、モード切替手段により動作モードが監視モードに切り替えられる。また、監視モードで動作中に検知手段21で操作入力が検出されれば、モード切替手段22により動作モードが通常モードに切り替えられる。以下に、通常モード、監視モードのそれぞれにおける制御部20の動作について説明する。
【0050】
通常モードにおいては、制御部20は、通信回路11で取得される負荷状態(負荷の動作状態)を表示パネル2に表示し、且つ当該表示内容に関連付けられている操作入力部3の操作に応じた負荷制御を行う。つまり、表示パネル2には、監視制御対象となる各負荷の現在の動作状態が表示され、ユーザにおいては、当該表示に応じて操作入力部3を操作することで負荷を制御することが可能となる。
【0051】
具体的には、図5に示すように、表示パネル2の画面上にそれぞれ監視制御対象の負荷に対応する複数の図形d1〜d8が表示され、ユーザは、操作入力部(タッチスイッチ)3のうち表示パネル2に表示された各図形d1〜d8に対応する位置に触れることで負荷制御のための操作入力を与えることができる。たとえば、「負荷A1」と表記された図形d1に触れることで、負荷A1のオンオフを切り替えることができる。各図形d1〜d8はそれぞれ対応する負荷の負荷状態を表しており、ここでは、負荷がオフの状態では図形左端部のオフマークMoffが緑色に点灯して見えるように表示(図5では斜線部とする)し、負荷がオンの状態では図形右端部のオンマークMonが赤色に点灯して見えるように表示(図5では斜線部とする)する。
【0052】
ここで、監視制御装置1は多数の負荷を監視制御対象としており、全ての負荷に対応する図形を表示パネル2の1画面上に表示すると、各図形の表示サイズが小さくなって負荷状態の表示が見にくくなったり、操作入力部3の各操作部(各図形に対応する部分)の面積が小さくなって操作しにくくなったりする可能性がある。そこで、本実施形態では表示パネル2の1画面当たりの図形の表示量を比較的少なくし、画面の表示内容を切り替えることで多数の負荷に対応する図形を表示可能としてある。つまり、監視制御対象となる負荷は複数の負荷群に分類され、表示パネル2の1画面中には各負荷群ごとに負荷状態が表示され、画面右端部に表示されるタブTa〜Tcを操作することで、表示対象の負荷群を切り替えるようになっている。
【0053】
なお、負荷群の分類に関しては、たとえば負荷の設置されている部屋や負荷の種類などに基づいて、関連性のある負荷同士を同一の負荷群に分類することが望ましい。本実施形態では、負荷の設置されているエリアA,B,Cごとに異なる負荷群に分類し、図5のように「エリアA」のタブTaが選択されている状態ではエリアAに設置されている負荷A1〜A8の負荷状態が表示され、同様に「エリアB」、「エリアC」の各タブTb,Tcが選択されている状態ではそれぞれ負荷B1〜B8、負荷C1〜C8の負荷状態が表示されるものとする。
【0054】
一方、監視モードにおいては、制御部20は、通信回路11で取得される負荷状態を表示パネル2に表示するものの、通常モードのように操作入力部3の操作に応じた負荷制御は行わない。つまり、表示パネル2には、監視制御対象となる各負荷の現在の動作状態を示す監視画面が表示され、ユーザにおいては、当該監視画面から負荷状態を知ることができる。具体的には、監視画面においては図6に示すように負荷に対応する図形d1〜d8が表示され、通常モードと同様にオンマークMon、オフマークMoffによって負荷状態を表示する。ただし、監視モードでは、通常モードに比べると図形d1〜d8を全体的に縮小して表示し、表示パネル2の画面の上端部にできた余白部分に所定のメッセージ(ここでは「操作できません!」の文字)M1を表示しており、これにより通常モードとの見分けがつくようにしてある。
【0055】
ここに、監視モードでは、表示パネル2に各負荷群ごとに負荷状態を表示しつつ、タブTa〜Tcの操作に関係なく表示対象の負荷群を所定時間経過するごとに順次切り替えることで、負荷状態の変化に関わらず監視画面を時間経過に伴って変化させている。要するに、表示対象の負荷群がエリアA,B,Cの順に一定時間(たとえば10秒)で一巡するように自動的に切り替えられ、エリアCまで表示されると再びエリアAから表示される。しかして、制御部20が監視モードで動作中にあっては、ユーザは、操作入力部3に対して何の操作をすることもなく、順次切り替えられる表示パネル2の表示を表示対象の負荷群が一巡する間に、監視制御対象となる全ての負荷について負荷状態を一通り確認することができる。
【0056】
次に、本実施形態の監視制御装置1の動作について、制御部20の処理の流れを示した図7のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
監視制御装置1の電源が投入されると、制御部20はタイマ値tを0にリセットし(S1)、操作入力部3での操作入力の有無を判断する(S2)。ここで、何らかの操作入力があると判断されれば(S2:Yes)、ステップS1の処理に戻る。一方、操作入力がなければ(S2:No)、タイマ値tをインクリメントし(S3)、第1設定時間t1と比較する(S4)。
【0058】
このとき、タイマ値tが第1設定時間以上であれば(S4:Yes)、動作モードを監視モードへ切り替えた後(S5)、操作入力部3での操作入力の有無を判断する(S6)。ここで、何らかの操作入力ありと判断されれば(S6:Yes)、動作モードを通常モードへ切り替え(S7)、ステップS1の処理に戻る。
【0059】
以上説明した構成によれば、制御部20が通常モードで動作中に操作入力部3がしばらくの間(第1設定時間以上)操作されずに監視モードに切り替わったとしても、表示パネル2には負荷状態を継続して表示することができる。要するに、制御部20の動作モードが通常モードと監視モードとのいずれにあっても、ユーザにおいては、表示パネル2の表示にて負荷状態を確認することができる。したがって、操作入力部3がしばらく操作されずに監視モードに切り替わった後でも、ユーザが負荷状態を確認するために操作入力部3を操作する必要はなく、利便性が高いという利点がある。
【0060】
また、監視モードでは、表示パネル2に表示された監視画面が負荷状態の変化に関わらず時間経過に伴って変化している(表示対象の負荷群が順次切り替えられている)から、表示パネル2に同一の画像が長時間表示され続けることはない。その結果、表示パネル2に文字・図形等の動的表示を行わせるスクリーンセーバを起動する場合と同様に、表示パネル2に同一画像が長時間表示され続けることによる残像の発生を防止できるという効果が期待できる。
【0061】
ここにおいて、制御部20は、通常モードから監視モードに動作モードを切り替える際、予め決められている負荷群を表示する状態から監視モードを開始させる。一方、監視モードから通常モードに動作モードを切り替える際には、監視モードにて表示パネル2に表示中の負荷群を表示する状態から通常モードを再開させる。そのため、ユーザにおいては、監視モードで表示中の負荷を操作しようとしたときに、操作入力部3を操作して通常モードに復帰させた後すぐに所望の負荷制御を行うことができ、操作性がよいという利点がある。
【0062】
具体例を挙げると、監視モードでエリアAの負荷群の負荷状態が表示パネル2に表示され、この表示を見たユーザが、負荷A2の電源がオンになっていることに気付いて当該負荷A2の電源をオフしようとする場合、まず操作入力部3に一度タッチすることで通常モードに復帰させることとなる。このとき、通常モードはエリアAの負荷群を表示する画面から復帰するので、ユーザにおいては、通常モードの復帰後、タブを操作して表示対象の負荷群を切り替えることなく、操作入力部3を操作して所望の負荷A2の負荷制御を行うことができる。
【0063】
ただし、上述したように監視モードで表示中の負荷群を表示する状態から通常モードを再開させる構成に限るものではなく、たとえば、監視モードから通常モードに切り替える際、最後(つまり監視モードに切り替わる直前)に通常モードで表示されていた画面から通常モードを再開させる構成とすることも考えられる。この場合、通常モードから監視モードに切り替わる際、通常モードで表示中の画面の情報を一時記憶部(図示せず)に格納し、通常モードを再開する際に一時記憶部内の情報から表示画面を決定する。
【0064】
この構成では、通常モードから監視モードに動作モードが切り替わった後、操作入力部3に対して何らかの操作入力を与えて動作モードを通常モードに復帰させることにより、監視モードに切り替わる前の画面に戻すことができる。したがって、ユーザにおいては、操作入力部3を操作途中であるにもかかわらず、一旦操作を中断したことによって監視モードに切り替わってしまったような場合に、操作入力部3に一度タッチして通常モードに復帰させることにより、操作途中の状態から操作を再開することができる。
【0065】
ところで、制御部20は通常モードで動作中に操作入力部3で所定の操作入力がされることにより、各種設定を行うための設定モードに動作モードを切り替える。設定モードに切り替わると、まず複数の設定項目が表示されたメニュー画面が表示され、この画面上で所望の設定項目を選択することにより、たとえば図8に示すような設定画面に移行する。
【0066】
図8の設定画面では、操作入力部3が操作されなくなってから監視モードに切り替わるまでの待ち時間となる第1設定時間などが設定される。この設定画面では、画面下段に「待ち時間」の項目があり、「1分」、「2分」、「3分」、「4分」、「5分」の中から所望の第1設定時間を選択できるようになっている。各項目の左横にチェック欄Mcが設けられており、選択中の項目のチェック欄Mcには黒丸が表示される(図8では「1分」が選択されている)。
【0067】
図8の設定画面の上段には、通常モードで第1設定時間以上操作入力がなかった場合の表示パネル2の表示内容を決定するための項目が表示されている。ここで「スイッチ状態表示」の項目を選択すると、上述したように通常モードから負荷状態を表示する監視モードに切り替わることになる。一方、「ブランク」の項目を選択すると、通常モードで第1設定時間以上操作入力がなかった場合にスクリーンセーバが起動してブランク表示が行われる。また、「伝言板」の項目を選択すると、通常モードで第1設定時間以上操作入力がなかった場合にスクリーンセーバが起動して予め設定されたメッセージ(「伝言板」の項目の右横に表示されている文字であって、右端の「変更」釦により任意に変更可能)が動的表示される。なお、「なし」の項目が選択されていると、監視モードに切り替わることもなく、スクリーンセーバが起動することもない。
【0068】
上記設定を行った後、設定画面上の「プレビュー」を選択すれば、スクリーンセーバ等のプレビューが実行され、「中止」を選択すれば、設定内容が変更されることなく上記設定画面が終了する。「決定」を選択すれば、設定内容が実際の動作に反映されて上記設定画面が終了する。
【0069】
なお、監視モードでの制御部20の動作は、通信回路11で取得される負荷状態を示す監視画面を表示パネル2に表示するとともに、負荷状態の変化に関わらず監視画面を時間経過に伴って変化させるものであればよく、上述したように表示対象となる負荷群を順次切り替えるものに限らない。一例として、各負荷についての負荷状態をスクロール表示したり、表示パネル2の画面の一部に負荷状態を表示するウィンドウを設定し当該ウィンドウを画面上で移動させたりすることが考えられる。
【0070】
(実施形態2)
本実施形態の監視制御装置1は、制御部20が、監視モードで動作中に操作入力部3での操作入力が所定の第2設定時間以上検出されなければ、表示パネル2のバックライトを消灯させる自動消灯手段としての機能を具備する点が実施形態1の監視制御装置1と相違する。
【0071】
自動消灯手段は、モード切替手段にて動作モードが監視モードに切り替えられた後さらに操作入力がないまま第2設定時間が経過すると、バックライト用インバータ回路18の動作を停止させることでバックライトを自動的に消灯する。ここで、表示パネル2には半透過型液晶表示器を用いているため、このようにバックライトを消灯しても、表示パネル2は視認性が低下するものの外光の反射で表示を行うことが可能である。
【0072】
ここにおいて、制御部20が動作モードを監視モードに切り替えてからバックライトが消灯するまでの待ち時間となる第2設定時間は、設定モードで表示可能となる図9に示すような設定画面にて設定される。図9の設定画面では、「10秒」、「30秒」、「5分」、「30分」、「2時間」の中から所望の第2設定時間を選択できるようになっている。各項目の左横にはチェック欄が設けられており、選択中の項目のチェック欄に黒丸が表示される(図9では「10秒」が選択されている)。
【0073】
上述のように、操作入力部3が長時間操作されない場合にはバックライトを消灯することにより、バックライトを点灯させ続ける構成に比べてバックライトの累積点灯時間を短くすることができ、バックライトの点灯寿命を延ばすことができる。ここで、表示パネル2の寿命はバックライトの寿命が大きく関係しているので、結果的に表示パネル2の長寿命化につながる。また、バックライトを消灯すると、バックライトを点灯させ続ける場合に比べて表示パネル2での電力消費を低減することができ、低消費電力化にもつながるという利点がある。
【0074】
なお、監視モードで動作中において、バックライトを消灯させた後さらに操作入力がないまま所定の第3設定時間が経過した場合に、液晶コントローラ15から表示パネル2への出力を停止して表示パネル2の表示をオフする構成としてもよい。これにより、表示パネル2の更なる長寿命化を図ることができ、また、表示パネル2での電力消費を一層低減することができる。さらに、表示パネル2に同一の画像が長時間表示され続けることによる残像の発生を確実に防止することができる。
【0075】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0076】
ところで、上記各実施形態では、本体ユニット6を埋込型とした監視制御装置1について説明したが、本体ユニット6は埋込型に限るものではなく、壁面に背面を対向させる形で壁に固定される露出型の本体ユニット6を備えた監視制御装置1に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 監視制御装置
2 表示パネル
3 操作入力部
10 電源回路
11 通信回路
12 メインマイコン
20 制御部
22 モード切替手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信によって負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられる監視制御装置であって、文字および図形を表示可能な表示パネルと、ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力部と、表示パネルの表示制御および操作入力部の操作入力に応じた負荷制御を行う制御部と、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路とを備え、制御部は、少なくとも通常モードおよび監視モードの2つの動作モードで動作可能であって、通常モードにおいて操作入力部の操作入力が所定の第1設定時間以上検出されなければ監視モードに切り替え、且つ、監視モードにおいて操作入力部の操作入力が検出されれば通常モードに復帰させるモード切替手段を有し、通常モードでは、通信回路で取得される負荷状態を表示パネルに表示するとともに当該表示内容に関連付けられている操作入力部の操作に応じた負荷制御を行い、監視モードでは、通信回路で取得される負荷状態を示す監視画面を表示パネルに表示するとともに、負荷状態の変化に関わらず監視画面を時間経過に伴って変化させることを特徴とする監視制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、監視制御対象となる前記複数の負荷を複数の負荷群に分類し、前記通常モードにおいては、負荷群ごとに負荷状態を前記表示パネルに表示するとともに前記操作入力部での所定の操作入力に応じて表示対象の負荷群を切り替え、前記監視モードにおいては、負荷群ごとに負荷状態を表示パネルに表示するとともに表示対象の負荷群を順次切り替えることで前記監視画面を時間経過に伴って変化させていることを特徴とする請求項1記載の監視制御装置。
【請求項3】
前記モード切替手段は、前記監視モードから前記通常モードに復帰させる際、監視モードで表示中の負荷群を表示する状態から通常モードを開始することを特徴とする請求項2記載の監視制御装置。
【請求項4】
前記モード切替手段は、前記監視モードから前記通常モードに復帰させる際、監視モードに切り替わる直前に通常モードで表示されていた画面から通常モードを開始することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の監視制御装置。
【請求項5】
前記表示パネルは液晶表示器とバックライトとを有し、前記制御部は、前記監視モードにおいて前記操作入力部での操作入力が所定の第2設定時間以上検出されなければ、バックライトを消灯する自動消灯手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の監視制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−199683(P2010−199683A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39122(P2009−39122)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】