説明

監視支援プログラム、携帯型端末、監視支援装置、および監視支援システム

【課題】可及的速やかに矯正施設内でのトラブルの沈静化を図ること。
【解決手段】刑務官の現在位置が閉鎖領域100内とすると、その刑務官は、閉鎖領域100aまたは閉鎖領域100bのいずれかにいると考えられる。この場合、刑務官の携帯型端末140が受かった基地局の履歴が“BS−1⇒BS−4⇒BS−3”とすると、刑務官は、経路Raを通って出入口101から閉鎖領域100aに進入したと推測される。一方、“BS−1⇒BS−2⇒BS−3”とすると、経路Rbを通って出入口102から閉鎖領域100bに進入したと推測される。トラブル発生を通報した刑務官がどの経路(Ra、Rb)をたどって閉鎖領域100に進入したか、どの出入口(101、102)から進入したかを自動特定することで、他の刑務官に通報し、迅速に現場に出動できるようにする。これにより、トラブルを可及的速やかに沈静化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者(以下、「被収容者」という)を収容する矯正施設内の監視を支援する監視支援プログラム、携帯型端末、監視支援装置、および監視支援システムに関する。本明細書において、矯正施設とは、法務省所管の刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院のほか、厚生労働省所管の児童自立支援施設や、民間団体運営の犯罪者厚生施設、またはこれらに類する施設(たとえば、国内の矯正施設に相当する外国の施設)も含む。また、これらの施設のうち、特に、刑務所、少年刑務所、および拘置所を刑事施設と称す。
【背景技術】
【0002】
図20は、刑事施設における現状の運用形態を示す説明図である。刑事施設2000には、複数の建屋2001,2002と処遇本部2003が設置されている。(1)ある建屋2001内でトラブルが発生すると、その建屋2001を監視している刑務官2010がその携帯型端末2011で処遇本部2003に対し非常通報をおこなう。
【0003】
(2)システム2030は、非常通報を受けると、待機所2031に設置されている回転灯2032、表示盤2033、拡声器2034により、非常通報の発生、発生時刻、非常通報の通報者(刑務官2010)などの情報を出力する。このあと、刑務官2010はその携帯型端末2011を使用して管理者2037と音声通話し、(3)トラブルが発生した場所を確認し、(4)確認した場所を待機所に待機している刑務官2035に拡声器2034により口頭で指示する。
【0004】
これにより、(5)待機所で待機している刑務官2035は、指示された場所に出動する。また、(6)刑務官2010は、携帯型端末2011で現場状況を管理者2037に伝え、管理者2037は現場状況を確認する。(7)そのあと、管理者2037は、システム2030を利用して、他の建屋2002にいる刑務官2021の携帯型端末2022に一斉指令(誤報、現場状況、増員の有無、情報共有のための注意)を送る。
【0005】
このように、現状の刑事施設2000のシステム2030では、(2)で非常通報の発生、発生時刻、非常通報の通報者(刑務官2010)などの情報が伝えられたあとに、(3)でトラブルが発生した場所が確認され、(4)および(7)で、他の刑務官2035、2021に場所が伝えられる。また、従来から、既存の移動通信システムを利用して携帯型端末の位置を特定できる自動通報システムが数多く開示されている(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開2005−33697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
被収容者の中には、一般社会にくらべて喧嘩や傷害沙汰などの暴力行為、奇声や大声を発する者、その他不審な行動をとったりする者が多く、ささいなことでトラブルが発生する。その反面、内部の規則は厳格であり、一般社会にくらべて行動が非常に制約される。
【0008】
したがって、暴力行為はもちろんのこと不審な行動をとったりするなどの規則違反によりトラブルが発生すると、トラブルを発見した刑務官2010が非常通報するとともに、他の刑務官2035が急行して迅速に沈静化しなければならない。
【0009】
しかしながら、上述したシステム2030を用いた現状の運用形態では、トラブル発生場所の確認が遅れてしまうため、待機所2031で待機している刑務官2035のトラブル発生場所への出動が遅れてしまう。これにより、トラブルの長期化および拡大化を招くという問題があった。
【0010】
また、被収容者の人数の方が多いため、刑務官2035の現場への出動が遅れると、現場にいる刑務官2010がトラブルに巻き込まれてしまうという問題があった。この場合、たとえ、あとから刑務官2035が現場に到着して沈静化できたとしても、その前にトラブルに巻き込まれているために威厳が保てず、被収容者の規律に影響を及ぼす場合があるという問題があった。
【0011】
また、上述したように、建屋内において特許文献1により現在位置を特定する方法もある。しかしながら、一般社会の建屋とは異なり、刑事施設は、広くて長い通路の両側に各部屋が並列する箇所が多く、交差点間の距離が非常に長い(50m〜100m以上)という特徴がある。この場合、上述した特許文献1を用いて非常通報した刑務官2010の現在位置が確認されたとしても、刑務官2035がどの出入口から進入すればトラブル発生場所に最も早く到着できるかがわからない。
【0012】
すなわち、現在位置がわかっていてもトラブル発生場所までのルート、特に直近の出入口を誤ると、上述した長い通路を引き返さなくてはならない。したがって、トラブル発生場所への到着が遅れるとともに、刑務官2035が無駄な体力を消耗することとなり、トラブルの長期化および拡大化を招くという問題があった。
【0013】
また、建屋内において三点測位により現在位置を特定する方法もある。しかしながら、刑事施設内の建屋は、一般社会の建屋にくらべて鉄筋コンクリートで頑強につくられているため、建屋内においての三点測位では、刑務官2010の現在位置すら特定することができないという問題があった。また、上述した問題点は、刑事施設のみならず、矯正施設についても同様である。
【0014】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、可及的速やかに矯正施設内でのトラブルの沈静化を図ることができる監視支援プログラム、携帯型端末、監視支援装置、および監視支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この携帯型端末および監視支援プログラムは、犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介してサーバーと通信可能な監視員用の携帯型端末であって、前記基地局群のうち前記携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得し、取得された一連の時系列な識別情報を、前記サーバーへの非常通報情報に埋め込み、前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記現在通信可能な基地局を介して前記サーバーに送信することを要件とする。
【0016】
この携帯型端末および監視支援プログラムによれば、監視員が現在位置に至るまでの経路をサーバーに通報することができる。
【0017】
また、上記携帯型端末および監視支援プログラムにおいて、前記基地局群から送信されてくる前記各基地局の識別情報が受信されたときの電波強度を検出し、検出された電波強度に基づいて、前記基地局群の中から通信可能な基地局を選択し、選択される都度、選択された基地局の識別情報を記憶領域に時系列に書き込み、前記記憶領域に書き込まれた現在選択された基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得することとしてもよい。
【0018】
この携帯型端末および監視支援プログラムによれば、監視員の存在確率が高い通信エリアの基地局により監視員の経路を特定することができる。
【0019】
また、上記携帯型端末および監視支援プログラムにおいて、前記非常通報情報の送信指示を受け付け、送信指示が受け付けられた場合、前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記サーバーに送信することとしてもよい。
【0020】
この携帯型端末および監視支援プログラムによれば、監視員が現在位置に至るまでの経路を非常通報情報の送信と同時にサーバーに通報することができる。
【0021】
また、上記携帯型端末および監視支援プログラムにおいて、前記送信指示が受け付けられた場合、前記一連の時系列な識別情報を前記非常通報情報に埋め込むこととしてもよい。
【0022】
この携帯型端末および監視支援プログラムによれば、非常通報情報を送信する場合にのみ、一連の時系列な識別情報を埋め込むことができる。
【0023】
また、このサーバーおよび監視支援プログラムは、犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介して監視員用の携帯型端末群と通信可能なサーバーおよび監視支援プログラムであって、前記携帯型端末群のうち一の監視員用の携帯型端末から送信されてきた非常通報情報の中から、前記一の監視員用の携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を抽出し、抽出された一連の基地局の時系列な識別情報に基づいて、前記矯正施設内における前記一の監視員の現在位置を含む閉鎖領域の出入口のうち、前記現在位置に最短でたどり着く出入口を特定し、特定された特定結果を出力することを要件とする。
【0024】
このサーバーおよび監視支援プログラムによれば、一の監視員の現在位置に直結する閉鎖領域の出入口を自動的に特定することができる。
【0025】
また、上記サーバーおよび監視支援プログラムにおいて、前記監視員が待機可能な待機所に設置されている警報装置に前記特定結果を送信することとしてもよい。
【0026】
このサーバーおよび監視支援プログラムによれば、待機所にいる監視員に、一の監視員の現在位置に直結する閉鎖領域の出入口を報知することができる。
【0027】
また、上記サーバーおよび監視支援プログラムにおいて、特定された情報を、一の監視員以外の他の監視員用の携帯型端末への警報情報に埋め込み、埋め込まれた警報情報を、前記基地局群を介して前記他の監視員用の携帯型端末に送信することとしてもよい。
【0028】
このサーバーおよび監視支援プログラムによれば、矯正施設内にいる監視員に、一の監視員の現在位置に直結する閉鎖領域の出入口を報知することができる。
【0029】
また、上記携帯型端末、サーバーおよび監視支援プログラムにおいて、前記矯正施設は、刑事施設であってもよい。
【0030】
この携帯型端末、サーバーおよび監視支援プログラムによれば、一般の建屋とは異なる刑事施設においてトラブル発生場所を早期に特定することができる。
【0031】
また、上記携帯型端末、サーバーおよび監視支援プログラムにおいて、前記携帯型端末は、PHSであることとしてもよい。
【0032】
この携帯型端末、サーバーおよび監視支援プログラムによれば、低廉かつ高速なデータ通信により矯正施設内の監視支援をおこなうことができる。
【発明の効果】
【0033】
この監視支援プログラム、監視支援装置、および監視支援システムによれば、可及的速やかに矯正施設内でのトラブルの沈静化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に添付図面を参照して、この監視支援プログラム、携帯型端末、監視支援装置(サーバー)、および監視支援システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。監視支援プログラム、携帯型端末、監視支援装置(サーバー)、および監視支援システムは、矯正施設に適用可能であるが、ここでは、刑事施設を例にあげて説明する。
【0035】
(本監視支援の概要)
図1は、刑事施設内の建屋の概略見取り図である。閉鎖領域100は、閉鎖領域100aと閉鎖領域100bとが連結された領域である。閉鎖領域とは、被収容者が居住する舎房、被収容者が労働する工場など、被収容者が行動する区域である。閉鎖領域100aの西側の壁には通路110に面した出入口101が設置されている。同様に、閉鎖領域100bの東側の壁には通路120に面した出入口102が設置されている。
【0036】
通路130は、閉鎖領域100の北側の壁に面しており、通路110および通路120と交差する。また、閉鎖領域100aと閉鎖領域100bは、出入口103でつながっている。建屋には、携帯型端末140の基地局BS−1〜BS−4が点在している。閉鎖領域100内のエリアは、基地局BS−3によりカバーされている。
【0037】
刑務官の現在位置が閉鎖領域100内とすると、その刑務官は、閉鎖領域100aまたは閉鎖領域100bのいずれかにいると考えられる。この場合、刑務官の携帯型端末140が受かった基地局の履歴が“BS−1⇒BS−4⇒BS−3”とすると、刑務官は、経路Raを通って出入口101から閉鎖領域100aに進入したと推測することができる。一方、刑務官の携帯型端末140が受かった基地局の履歴が“BS−1⇒BS−2⇒BS−3”とすると、刑務官は、経路Rbを通って出入口102から閉鎖領域100bに進入したと推測することができる。
【0038】
ここで、出入口103が、施錠、荷物の配置、被収容者の意図的な封鎖などにより開閉しない場合、閉鎖領域100aと閉鎖領域100bとの間は通行不能となる。この場合、閉鎖領域100a内でトラブルが発生した場合、他の刑務官が経路Rbから駆けつけると、閉鎖領域100bに到着することとなり、閉鎖領域100aに入れない。したがって、通路110まで戻って出入口101から閉鎖領域100aに進入することとなる。
【0039】
同様に、閉鎖領域100b内でトラブルが発生した場合、他の刑務官が経路Raから駆けつけると、閉鎖領域100aに到着することとなり、閉鎖領域100bに入れない。したがって、通路120を通って迂回して出入口102から閉鎖領域100bに進入することとなる。このように、トラブル発生を通報した刑務官(携帯型端末140の所有者)の経路がRaかRbかの違いによって、他の刑務官は現場に駆けつける際に、通路130を通って迂回しなければならないケースが生じる。
【0040】
通路110と通路120との間の通路130の距離は、50m〜100m以上あるため、トラブル発生を通報した刑務官がどの経路(Ra、Rb)をたどって閉鎖領域100に進入したか、どの出入口(101、102)から進入したかが、駆けつける刑務官にとって重要である。本実施の形態では、トラブル発生を通報した刑務官がどの経路(Ra、Rb)をたどって閉鎖領域100に進入したか、どの出入口(101、102)から進入したかを自動特定することで、他の刑務官に通報し、迅速に現場に出動できるようにする。これにより、トラブルを可及的速やかに沈静化することができる。
【0041】
(監視支援システムのシステム構成)
図2は、監視支援システムのシステム構成図である。本実施の形態では、携帯型端末140としてPHS(Personal Handyphone System)を用いて説明する。携帯型端末140としてPHS端末を用いる場合、監視支援システムにかかるコストが低廉化できるとともに、高速なデータ通信が可能となるため、トラブル発生などの緊急時に有用である。
【0042】
図2において、監視支援システム200は、PHS端末201と、基地局202と、交換機203と、アプリケーションサーバー(以下、単に、「APサーバー」という)204と、監視端末205と、警報装置206と、が接続されて構成されている。PHS端末201は、各刑務官が携行する携帯型端末であり、基地局202からのデータを受信したり、基地局202を介して送信先にデータを送信する。また、PHSであるため、通常の通話や電子メールも可能である。なお、非常通報の簡素化のため、ショートカットボタンの押下だけで、非常通報情報を、基地局202を介してAPサーバー204に送信することとしてもよい。
【0043】
基地局202は、刑事施設内に点在しており、PHS端末201と無線接続が可能である。基地局202はCS−IDと呼ばれる固有の識別情報を周期的に配信しており、その基地局202の通信エリア内にあるPHSにより受信するようになっている。したがって、PHS端末201は、自端末がどの通信エリア内にいるかが、受信したCS−IDにより特定することができる。
【0044】
交換機203は、基地局202間または基地局202−APサーバー204間を接続する中継装置である。APサーバー204は、PHS端末201から非常通報情報を受けると、その刑務官、厳密にはそのPHS端末201の現在位置、現在位置にいたるまでの経路、および現在位置にアクセス可能な直近の出入口を特定する。監視端末205は、APサーバー204からの出力を制御する。監視端末205はオペレータにより操作される。警報装置206は、回転灯、表示盤、サイレンなどにより非常通報を報知する機器である。警報装置206は、待機所などに設置されている。待機している刑務官は、警報装置206による警報により、現場へ急行する。
【0045】
ここで、CS−IDについて説明する。図3は、基地局202から配信されるCS−IDのデータ構造を示す説明図である。CS−IDは、PBX特定コード301と、エリア特定コード302と、BS特定コード303が連続する文字列である。PBX特定コード301とは、交換機203の識別コードであり、このコードと同一コードであれば、同一の交換機203に属していることとなる。エリア特定コード302とは、刑事施設内のエリアに対応したコードであり、このコードが同一であれば、同一のエリアに属していることとなる。BS特定コード303とは、基地局202固有の識別コードであり、PBX特定コード301、エリア特定コード302およびBS特定コード303をつなげることで、固有のCS−IDとなる。
【0046】
(PHS端末201のハードウェア構成)
図4は、PHS端末201のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、PHS端末201は、CPU401と、メモリ402と、制御IC403と、通信I/F404と、入力部405と、ディスプレイ406と、マイク407と、スピーカ408と、がバス410により接続されている。CPU401は、PHS端末201の全体の制御を司る。メモリ402は、CPU401のワークエリアとして使用されたり、各種データを保存する。制御IC403は、送信波の電波強度の測定処理や描画処理など特定の処理を実行するLSIである。
【0047】
通信I/F404は、PHSによるデータ通信をおこなう。無線LANモジュールを搭載していてもよい。入力部405は、テンキーその他の押しボタンやタッチパネルにより構成され、ユーザ(刑務官)が操作可能である。ディスプレイ406は、各種情報を表示する。マイク407は、ユーザの音声を集音して信号変換されて通信I/F404に渡される。スピーカ408は、通信I/F404からの音声データを音声出力する。
【0048】
(CS−ID特定シーケンス)
図5は、CS−ID特定シーケンスを示す説明図である。図5において、アプリケーション側の処理は、メモリ402に格納されたプログラムをロードしてCPU401が実行する処理であり、PHS制御は、通信I/F404または制御IC403が実行する処理である。
【0049】
基地局202群は、周期的にCS−IDを配信する。基地局202のエリア内にあるPHS端末201は、通信I/FによりCS−IDを受信する(ステップS501)。アプリケーションは、周期的に、CS−ID/電波強度リクエストをPHS制御側に送る(ステップS502)。CS−ID/電波強度リクエストとは、CS−IDの取得リクエストとそのCS−IDの送信波の電波強度の測定リクエストである。
【0050】
PHS制御は、受信したCS−IDと測定した電波強度をアプリケーション側に送る(ステップS503)。CS−IDおよび電波強度の組は、受信したCS−ID分得られることとなる。そして、アプリケーションは、CS−ID選択処理を実行する(ステップS504)。CS−ID選択処理とは、受信したCS−IDの中から最も電波強度が高いCS−IDを選択する。電波強度が強ければ強いほどその近傍にPHS端末201があることとなるため、そのようにして選ばれたCS―IDを時系列に並べれば、PHS端末201が移動した経路を特定することができる。
【0051】
このあと、履歴更新処理を実行する(ステップS505)。履歴更新処理とは、CS−ID選択処理で選択されたCS−IDを順次書き込む処理である。選択されたすべてのCS−IDを保存しておいてもよいが、少なくとも現在から直近の3個程度のCS−IDがあればよい。たとえば、現在、前回、前々回のCS−IDが登録されている場合、あらたなCS−IDが選択されると、今回選択されたCS−ID、現在のCS−ID、および前回のCS−IDが残され、前々回のCS−IDは消去される。
【0052】
図6は、履歴更新処理を示す説明図である。図6において、更新前のCS−IDテーブル600には、4個のCS−IDが登録されている。番号の若い方から現在、前回、前々回、前々々回のCS−IDとなる。そして、CS−ID選択処理により、3個のCS−IDのうち電波強度が最も高い(図では80)のCS−ID“123456789AB”を選択する。そして、選択されたCS−ID“123456789AB”と、CS−IDテーブル600で番号が最も若い先頭のCS−ID“123456789CD”とを比較する。
【0053】
CS−IDが一致すれば、PHS端末201はその場にとどまっていることになるため、選択したCS−IDを破棄するが、図6のように、CS−IDが異なる場合、選択CS−ID“123456789AB”を番号が最も若いCS−IDとしてCS−IDテーブル600に登録して、以下順次繰り下げる。図6の例では、5番目以降のCS−IDは保存しない構成であるため、更新前の4番目のCS−ID“123456789IJ”が削除される。
【0054】
図7は、図5に示した履歴更新処理のフローチャートである。図7において、まず、CS−IDテーブル600の最新(番号1)のCS−IDと選択CS−IDを取得する(ステップS701)。つぎに、両CS−IDが一致するか否かを判断し(ステップS702)、一致する場合(ステップS702:Yes)、選択CS−IDを破棄する(ステップS703)。これにより履歴更新処理を終了して、次回CS−IDを選択するまで待ち受ける。
【0055】
一方、不一致である場合(ステップS702:No)、最新のCS−IDとして登録する(ステップS704)これにより履歴更新処理を終了して、次回CS−IDを選択するまで待ち受ける。このように、CS−ID選択処理(ステップS504)と履歴更新処理(ステップS505)を順次繰り返すことにより、時系列な一連のCS−IDを最新の状態に保つことができ、緊急時に対応することができる。
【0056】
(APサーバー204および監視端末205のハードウェア構成)
図8は、APサーバー204および監視端末205のハードウェア構成を示すブロック図である。APサーバー204および監視端末205は、CPU801と、ROM802と、RAM803と、HDD(ハードディスクドライブ)804と、HD(ハードディスク)805と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)806と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)807と、ディスプレイ808と、I/F(インターフェース)809と、キーボード810と、マウス811と、スキャナ812と、プリンタ813と、を備えている。また、各構成部はバス800によってそれぞれ接続されている。
【0057】
ここで、CPU801は、APサーバー204および監視端末205の全体の制御を司る。ROM802は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM803は、CPU801のワークエリアとして使用される。HDD804は、CPU801の制御にしたがってHD805に対するデータのリード/ライトを制御する。HD805は、HDD804の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0058】
FDD806は、CPU801の制御にしたがってFD807に対するデータのリード/ライトを制御する。FD807は、FDD806の制御で書き込まれたデータを記憶したり、FD807に記憶されたデータをAPサーバー204および監視端末205に読み取らせたりする。
【0059】
また、着脱可能な記録媒体として、FD807のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリーカードなどであってもよい。ディスプレイ808は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ808は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0060】
I/F809は、ネットワーク814(交換機203よび基地局202)に接続され、このネットワーク814を介して他のPHS端末201に接続される。そして、I/F809は、ネットワーク814と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F809には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0061】
キーボード810は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス811は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0062】
スキャナ812は、画像を光学的に読み取り、APサーバー204および監視端末205内に画像データを取り込む。なお、スキャナ812は、OCR機能を持たせてもよい。また、プリンタ813は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ813には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0063】
(位置特定テーブルの記憶内容)
APサーバー204は位置特定テーブルを有する。位置特定テーブルは、基地局202ごとに設けられている。ここでは、n個の基地局202のうちk番目の基地局202(CS−ID:csk)の位置特定テーブルについて説明する。
【0064】
図9は、k番目の基地局202(CS−ID:csk)の位置特定テーブルの記憶内容を示す説明図である。位置特定テーブル900は、k番目の基地局202のCS−IDを現在のCS−IDとした場合、過去2番目(前回)のCS−IDと過去3番目(前々回)のCS−IDとの交差する箇所により、PHS端末201の位置情報を特定する。すなわち、現在、過去2番目(前回)、および過去3番目(前々回)のCS−IDは、図6に示したCS−IDテーブル600により特定する。
【0065】
たとえば、CS−IDテーブル600の番号1(現在)のCS−IDがcsk、番号2(前回)のCS−IDがcsi、番号3(前々回)のCS−IDがcsjとすると、PHS端末201の現在位置情報Pkijが選ばれる。
【0066】
図10は、位置情報Pkijのデータ構造を示す説明図である。図10において、位置情報Pkijは、建屋特定コード1001と、ゾーン特定コード1002と、出入口特定コード1003が連続する文字列である。建屋特定コード1001とは、建屋の識別コードであり、このコードと同一コードであれば、同一の建屋に属していることとなる。ゾーン特定コード1002とは、建屋内のある領域(ゾーン)に対応したコードであり、このコードが同一であれば、同一のゾーンに属していることとなる。
【0067】
たとえば、図1に示した閉鎖領域100aと閉鎖領域100bは、建屋特定コード1001は同一であるが、ゾーン特定コード1002は異なる。出入口特定コード1003とは、出入口固有の識別コードであり、建屋特定コード1001、ゾーン特定コード1002および出入口特定コード1003をつなげることで、PHS端末201の現在位置に最短でたどり着く出入口を特定することができる。
【0068】
図11は、建屋特定コード/文字列の対応テーブルを示す説明図である。本テーブル1100において、建屋特定コード1001では、コードごとに建屋の名称をあらわす文字列に対応付けられている。
【0069】
図12は、ゾーン特定コード/文字列の対応テーブルを示す説明図である。本テーブル1200において、ゾーン特定コード1002では、コードごとにゾーンの名称をあらわす文字列に対応付けられている。
【0070】
図13は、出入口特定コード/文字列の対応テーブルを示す説明図である。本テーブル1300において、出入口特定コード1003では、コードごとに出入口の名称をあらわす文字列に対応付けられている。
【0071】
たとえば、図1に示した建屋を第3訓練棟、閉鎖領域100aを第2作業室とすると、西側の出入口101の位置情報Pkijは、“000310022002”となる。図11〜図13に示したテーブル1100〜1300は、APサーバー204、監視端末205、PHS端末201にそれぞれ保持されている共通のテーブルである。
【0072】
(呼設定信号の信号フォーマット)
図14は、呼設定信号の信号フォーマットを示す説明図である。呼設定信号とは、PHS端末201とAPサーバー204間の呼を設定するための信号であるが、本実施の形態では、刑務官がトラブルを発見した場合に、非常通報情報としてAPサーバー204に対して送信することができる。この場合、CS−IDテーブル600に記憶されている番号1〜番号3のCS−IDを、発サブアドレスのフィールドまたは着サブアドレスのフィールドに埋め込んで、呼設定信号をAPサーバー204に送信する。なお、サブアドレスフィールドでの送信に代わり、回線非対応UUI機能を代用してもよい。
【0073】
具体的には、サブアドレスのオクテット4〜9のフィールドに番号1(現在)のCS−ID(図14では、“CS−ID(1)”)を埋め込み、サブアドレスのオクテット10〜15のフィールドに番号2(前回)のCS−ID(図14では、"CS−ID(2)")を埋め込み、サブアドレスのオクテット16〜23のフィールドに番号3(前々回)のCS−ID(図14では、“CS−ID(3)”)を埋め込む。このように、空き領域であるサブアドレスのフィールドを有効活用することができるため、呼設定信号のフォーマットを修正したり変換したりする必要がないため、監視支援システム200の簡素化を実現することができる。
【0074】
また、APサーバー204により位置情報Pkijが得られると、この位置情報Pkijをサブアドレスに埋め込んだ呼設定信号を警報情報としてAPサーバー204からPHS端末201に対して送信することもできる。
【0075】
(警報シーケンス)
図15は、警報シーケンスを示す説明図である。まず、刑務官のPHS端末201aにおいてそのアプリケーションが通報操作を受け付けると(ステップS1501)、CS−IDテーブル600から番号1〜番号3のCS−IDを取得する(ステップS1502)。そして、呼設定信号のサブアドレスに、取得したCS−IDを埋め込むことでサブアドレス設定をおこなう(ステップS1503)。そして、PHS制御に発呼要求をおこない(ステップS1504)、PHS制御から最寄の基地局202、交換機203を経由してAPサーバー204に呼設定信号を送信する(ステップS1505)。
【0076】
APサーバー204は、アプリケーションが、I/F809により受信した呼設定信号からサブアドレスに埋め込まれたCS−IDを抽出し(ステップS1506)、位置特定テーブル900によりPHS端末201aの現在位置をあらわす位置情報Pkijを特定する(ステップS1507)。そして、アプリケーションは、特定した位置情報Pkijを監視端末205および警報装置206に出力する(ステップS1508)。
【0077】
監視端末205では、変換処理(ステップS1509)および表示処理(ステップS1510)を実行する。変換処理とは、位置情報Pkijを、図11〜図13に示したテーブルを用いて対応する文字列に置き換える処理であり、表示処理とは、変換後の文字列により表示する処理である。変換処理および表示処理は、APサーバー204が実行してもよい。変換処理および表示処理の具体例については図16で後述する。
【0078】
また、警報装置206は、位置情報Pkijを受け付けると、報知処理をおこなう(ステップS1511)。具体的には、回転灯の回転および点灯、サイレンによる警報音の出力、表示盤の表示をおこなう。なお、表示盤による表示は、表示させる文字列を受け付けないと表示できないため、監視端末205(またはAPサーバー204)の変換処理および表示処理により表示させる文字列が生成された場合に、監視端末205から受け付ける構成としてもよい。
【0079】
また、APサーバー204のアプリケーションでは、サブアドレス設定をおこなう(ステップS1512)。このサブアドレス設定は、発サブアドレスまたは着サブアドレスの空き領域となるオクテットに、位置情報Pkijを埋め込む処理である。
【0080】
そして、アプリケーションは、I/Fに対して発呼要求をし(ステップS1513)、位置情報Pkijが埋め込まれた呼設定信号を交換機203および基地局202を経由して、他のPHS端末201bに送信する(ステップS1514)。他のPHS端末201bでは、PHS制御によりサブアドレスに埋め込まれた位置情報Pkijを抽出し(ステップS1515)、アプリケーションにより、変換処理(ステップS1516)および表示処理(ステップS1517)を実行する。
【0081】
変換処理とは、ステップS1509と同様、位置情報Pkijを、図11〜図13に示したテーブルを用いて対応する文字列に置き換える処理であり、表示処理とは、ステップS1510と同様、変換後の文字列により表示する処理である。
【0082】
(変換処理および表示処理の内容)
図16は、変換処理および表示処理の内容を示す説明図である。図16では、変換処理(ステップS1516)および表示処理(ステップS1517)を例に挙げて説明するが、変換処理(ステップS1509)および表示処理(ステップS1510)についても同様である。
【0083】
PHS端末201bには、テンプレート1601が保持されており、APサーバー204からの呼設定信号から抽出された位置情報Pkijを、図11〜図13に示したテーブルにより、コードごとに文字列に変換する。そして、建屋特定コード1001の変換文字列“第3訓練棟”をテンプレートの(A)の位置に、ゾーン特定コード1002の変換文字列“第2作業室”をテンプレートの(B)の位置に、出入口特定コード1003の変換文字列“西”をテンプレートの(C)の位置に挿入する。これにより、今回の非常通報に関する表示情報1602が生成され、非常通報をした刑務官の現在位置に最短でたどり着く出入口が特定されることとなる。
【0084】
なお、図15に示したシーケンスでは、APサーバー204から他のPHS端末201bに送信する呼設定信号のサブアドレスに位置情報Pkijを埋め込む構成としたが、図16に示した表示情報1602をAPサーバー204で生成して、その表示情報1602を呼設定信号のサブアドレスに埋め込んで他のPHS端末201bに送信することとしてもよい。この場合、PHS端末201bでは変換処理(ステップS1516)が不要となり、呼設定信号から抽出された表示情報1602を表示すればよい。
【0085】
(PHS端末201の機能的構成)
図17は、PHS端末201の機能的構成を示すブロック図である。図17において、PHS端末201は、受信部1701と、検出部1702と、選択部1703と、書込部1704と、記憶領域1705と、取得部1706と、受付部1707と、埋込部1708と、送信部1709と、変換部1710と、表示部1711とから構成されている。
【0086】
受信部1701は、各種データを受信する機能を有する。具体的には、基地局202からのCS−ID、APサーバー204からの呼設定信号を受信する。受信部1701は、図4に示した通信I/F404または制御IC403によりその機能を実現する。
【0087】
検出部1702は、基地局202群から送信されてくる各基地局202のCS−IDが受信されたときの電波強度を検出する機能を有する。基地局202からは周期的にCS−IDが配信されるため、その送信波の電波強度を測定する。検出部1702は、具体的には、たとえば、図4に示した制御IC403により、または図4に示したメモリ402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することにより、その機能を実現する。
【0088】
選択部1703は、電波強度が測定されたCS−IDの中から電波強度が最大のCS−IDを選択する機能を有する。選択CS−IDは書込部1704に送られる。選択部1703は、具体的には、たとえば、図4に示したメモリ402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することによりその機能を実現する。
【0089】
書込部1704は、選択CS−IDを記憶領域1705内のCS−IDテーブル600に書き込む機能を有する。具体的には、たとえば、図6および図7に示したように、選択CS−IDがCS−IDテーブル600の番号1のCS−IDと一致する場合には選択CS−IDを破棄し、不一致の場合には、選択CS−IDを現在の最新のCS−IDとしてCS−IDに書き込む。既に書き込まれているCS−IDは番号が1ずつ繰り下がる。書込部1704は、具体的には、たとえば、図4に示したメモリ402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することによりその機能を実現する。
【0090】
取得部1706は、記憶領域1705内からCS−IDを取得する機能を有する。具体的には、CS−IDテーブル600から番号1〜番号3のCS−IDを読み出す。取得部1706は、図4に示したメモリ402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することによりその機能を実現する。
【0091】
受付部1707は、非常通報情報(呼設定信号)の送信指示を受け付ける機能を有する。具体的には、刑務官が図4に示した入力部405を操作することで、送信指示を受け付ける。この送信指示をトリガにして取得部1706は、CS−IDテーブル600から番号1〜番号3のCS−IDを読み出す。受付部1707は、具体的には、たとえば、図4に示したメモリ402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することによりその機能を実現する。
【0092】
埋込部1708は、呼設定信号のサブアドレスのフィールドに、取得部1706により取得された番号1〜番号3のCS−IDを埋め込む機能を有する。CS−IDが埋め込まれた呼設定信号でAPサーバー204と呼設定するように、アプリケーションはPHS制御に呼設定要求をおこなう。埋込部1708は、具体的には、たとえば、図4に示したメモリ402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することによりその機能を実現する。
【0093】
送信部1709は、CS−IDが埋め込まれた呼設定信号をAPサーバー204に送信する機能を有する。呼設定信号は、非常通報情報として、番号1のCS−IDの基地局202から交換機203を経由して、APサーバー204に送信される。送信部1709は、具体的には、たとえば、図4に示した通信I/F404または制御IC403によりその機能を実現する。
【0094】
変換部1710は、位置情報を構成するコードを文字列に変換する機能を有する。具体的には、たとえば、図11〜図13に示したテーブルを参照して、文字列に変換する。変換部1710は、具体的には、たとえば、図4に示したメモリ402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することによりその機能を実現する。
【0095】
表示部1711は、変換部1710による変換文字列をディスプレイに表示する機能を有する。具体的には、たとえば、図16に示した表示情報をディスプレイに表示する。表示部1711は、具体的には、たとえば、図4に示した制御IC403により、または図4に示したメモリ402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することにより、その機能を実現する。
【0096】
(APサーバー204の機能的構成)
図18は、APサーバー204の機能的構成を示すブロック図である。図18において、APサーバー204は、受信部1801と、抽出部1802と、特定部1803と、埋込部1804と、送信部1805と、変換部1806と、表示部1807と、から構成されている。
【0097】
受信部1801は、各種データを受信する機能を有する。具体的には、PHS端末201からの呼設定信号を受信する。受信部1801は、具体的には、たとえば、図8に示したI/F809によりその機能を実現する。
【0098】
抽出部1802は、PHS端末201からの呼設定信号からサブアドレスに埋め込まれた一連のCS−IDを抽出する機能を有する。抽出された一連の時系列なCS−IDは、特定部1803に渡される。抽出部1802は、具体的には、たとえば、図8に示したROM802、RAM803、HD805に記憶されたプログラムをCPU801が実行することによりその機能を実現する。
【0099】
特定部1803は、図9に示した位置特定テーブル900を参照することにより、非常通報情報となる呼設定信号の送信元となるPHS端末201の位置情報を特定する機能を有する。具体的には、たとえば、一連の時系列なCS−IDのうち、現在のCS−IDの位置特定テーブル900を呼び出し、過去2番目のCS−IDと過去3番目のCS−IDとで特定される位置情報Pkijを読み出す。この読み出された位置情報Pkijにより、現在位置に最短でたどり着く出入口を特定することができる。特定部1803は、具体的には、たとえば、図8に示したROM802、RAM803、HD805に記憶されたプログラムをCPU801が実行することによりその機能を実現する。
【0100】
埋込部1804は、呼設定信号のサブアドレスのフィールドに、特定部1803により特定された位置情報Pkijを埋め込む機能を有する。位置情報Pkijが埋め込まれた呼設定信号で他のPHS端末201bと呼設定するように、アプリケーションはI/F809に呼設定要求をおこなう。埋込部1804は、具体的には、たとえば、図8に示したROM802、RAM803、HD805に記憶されたプログラムをCPU801が実行することによりその機能を実現する。
【0101】
送信部1805は、各種データを送信する機能を有する。具体的には、たとえば、位置情報Pkijを監視端末205や警報装置206に送信する。また、位置情報Pkijが埋め込まれた呼設定信号を他のPHS端末201bに送信する。呼設定信号は、警報情報として、基地局202から交換機203を経由して、他のPHS端末201bに送信される。送信部1805は、具体的には、たとえば、図8に示したI/F809によりその機能を実現する。
【0102】
変換部1806は、位置情報を構成するコードを文字列に変換する機能を有する。具体的には、たとえば、図11〜図13に示したテーブルを参照して、文字列に変換する。変換部1806は、具体的には、たとえば、図8に示したROM802、RAM803、HD805に記憶されたプログラムをCPU801が実行することによりその機能を実現する。
【0103】
表示部1807は、変換部1806による変換文字列をディスプレイに表示する機能を有する。具体的には、たとえば、図16に示した表示情報をディスプレイに表示する。表示部1807は、具体的には、たとえば、図8に示したROM802、RAM803、HD805に記憶されたプログラムをCPU801が実行することによりその機能を実現する。
【0104】
(適用例)
図19は、本実施の形態の適用例を示す説明図である。なお、図1に示した構成と同一構成については同一符号を付し、その説明を省略する。PHS端末201aからみて、現在最も電波強度が強い基地局202のCS−IDは、BS−3である。閉鎖領域100aと閉鎖領域100bとは出入口が異なるため、PHS端末201aの現在位置によっては、どちらの出入口101,102から進入すればよいかを特定する。
【0105】
呼設定信号のサブアドレスに埋め込まれた一連の時系列なCS−IDが、“BS−1⇒BS−4⇒BS−3”である場合には、PHS端末201aは、経路Raをたどって閉鎖領域100aに位置することがわかる。したがって、その呼設定信号を送信したPHS端末201aの現在位置に最短でたどり着く出入口として、出入口101が特定されることとなる。
【0106】
一方、呼設定信号のサブアドレスに埋め込まれた一連の時系列なCS−IDが、“BS−1⇒BS−2⇒BS−3”である場合には、PHS端末201aは、経路Rbをたどって閉鎖領域100bに位置することがわかる。したがって、その呼設定信号を送信したPHS端末201aの現在位置に最短でたどり着く出入口として、出入口102が特定されることとなる。
【0107】
これにより、非常通報をした刑務官が閉鎖領域100aにいるにもかかわらず、他の刑務官が閉鎖領域100bの出入口102から進入したり、非常通報をした刑務官が閉鎖領域100bにいるにもかかわらず、他の刑務官が閉鎖領域100aの出入口101から進入したりするような無駄な行動がなくなり、現場に迅速に急行することができる。したがって、トラブルを可及的速やかに沈静化することができる。
【0108】
以上説明したように、本実施の形態によれば、非常警報を発した刑務官と口頭で会話することなく、その刑務官が現在位置にたどり着くまでの経路や現在位置に最短でたどり着く出入口を自動的に特定することができる。したがって、他の刑務官に現場への最適な進入経路を報知することができるとともに、非常警報を発した刑務官も通報操作のみで現場対応に集中することができる。したがって、トラブルを可及的速やかに沈静化することができる。
【0109】
なお、上述した実施の形態では、携帯型端末140としてPHS端末201を例に挙げて説明したが、無線LAN内蔵の携帯型端末により実現することもできる。また、上述した実施の形態では、刑事施設を例に挙げて説明したが、他の矯正施設についても同様に適用することができる。
【0110】
なお、本実施の形態で説明した監視支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。
【0111】
また、本実施の形態で説明したPHS端末201およびAPサーバー204は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けIC(以下、単に「ASIC」と称す。)やFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。具体的には、たとえば、上述したPHS端末201およびAPサーバー204の機能をHDL記述によって機能定義し、そのHDL記述を論理合成してASICやPLDに与えることにより、PHS端末201およびAPサーバー204を製造することができる。
【0112】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0113】
(付記1)犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介してサーバーと通信可能な監視員用の携帯型端末を、
前記基地局群のうち前記携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された一連の時系列な識別情報を、前記サーバーへの非常通報情報に埋め込む埋込手段、
前記埋込手段によって前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記現在通信可能な基地局を介して前記サーバーに送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする監視支援プログラム。
【0114】
(付記2)前記携帯型端末を、
前記基地局群から送信されてくる前記各基地局の識別情報が受信されたときの電波強度を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された電波強度に基づいて、前記基地局群の中から通信可能な基地局を選択する選択手段、
前記選択手段によって選択される都度、選択された基地局の識別情報を記憶領域に時系列に書き込む書込手段として機能させ、
前記取得手段は、
前記記憶領域に書き込まれた現在選択された基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得することを特徴とする付記1に記載の監視支援プログラム。
【0115】
(付記3)前記携帯型端末を、
前記非常通報情報の送信指示を受け付ける受付手段として機能させ、
前記送信手段は、
前記受付手段によって送信指示が受け付けられた場合、前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記サーバーに送信することを特徴とする付記1または2に記載の監視支援プログラム。
【0116】
(付記4)前記埋込手段は、
前記送信指示が受け付けられた場合、前記一連の時系列な識別情報を前記非常通報情報に埋め込むことを特徴とする付記3に記載の監視支援プログラム。
【0117】
(付記5)犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介して監視員用の携帯型端末群と通信可能なサーバーを、
前記携帯型端末群のうち一の監視員用の携帯型端末から送信されてきた非常通報情報の中から、前記一の監視員用の携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を抽出する抽出手段、
前記抽出手段によって抽出された一連の基地局の時系列な識別情報に基づいて、前記矯正施設内における前記一の監視員の現在位置を含む閉鎖領域の出入口のうち、前記現在位置に最短でたどり着く出入口を特定する特定手段、
前記特定手段によって特定された特定結果を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする監視支援プログラム。
【0118】
(付記6)前記出力手段は、
前記監視員が待機可能な待機所に設置されている警報装置に前記特定結果を送信することを特徴とする付記5に記載の監視支援プログラム。
【0119】
(付記7)前記サーバーを、
前記特定手段によって特定された情報を、一の監視員以外の他の監視員用の携帯型端末への警報情報に埋め込む埋込手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記埋込手段によって埋め込まれた警報情報を、前記基地局群を介して前記他の監視員用の携帯型端末に送信することを特徴とする付記5または6に記載の監視支援プログラム。
【0120】
(付記8)前記矯正施設は、刑事施設であることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の監視支援プログラム。
【0121】
(付記9)前記携帯型端末は、PHSであることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の監視支援プログラム。
【0122】
(付記10)犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介してサーバーと通信可能な監視員が携行する携帯型端末であって、
前記基地局群のうち過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された一連の時系列な識別情報を、前記サーバーへの非常通報情報に埋め込む埋込手段と、
前記埋込手段によって前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記現在通信可能な基地局を介して前記サーバーに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする携帯型端末。
【0123】
(付記11)犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介して監視員用の携帯型端末群と通信可能な監視支援装置であって、
前記携帯型端末群のうち一の監視員用の携帯型端末から送信されてきた非常通報情報の中から、前記一の監視員用の携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された一連の基地局の時系列な識別情報に基づいて、前記矯正施設内における前記一の監視員の現在位置を含む閉鎖領域の出入口のうち、前記現在位置に最短でたどり着く出入口を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された現在位置に関する情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする監視支援装置。
【0124】
(付記12)犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介してサーバーと監視員用の携帯型端末とが通信可能な監視支援システムであって、
前記基地局群のうち前記携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された一連の時系列な識別情報を、前記サーバーへの非常通報情報に埋め込む埋込手段と、
前記埋込手段によって前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記現在通信可能な基地局を介して前記サーバーに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信されてきた非常通報情報の中から、前記一連の基地局の時系列な識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された一連の基地局の時系列な識別情報に基づいて、前記矯正施設内における前記一の監視員の現在位置を含む閉鎖領域の出入口のうち、前記現在位置に最短でたどり着く出入口を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された特定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする監視支援システム。
【産業上の利用可能性】
【0125】
以上のように、監視支援プログラム、監視支援装置、および監視支援システムは、矯正施設内の監視業務に有用であり、特に、刑事施設内の監視業務に適している。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】刑事施設内の建屋の概略見取り図である。
【図2】監視支援システムのシステム構成図である。
【図3】基地局から配信されるCS−IDのデータ構造を示す説明図である。
【図4】PHS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】CS−ID特定シーケンスを示す説明図である。
【図6】履歴更新処理を示す説明図である。
【図7】図5に示した履歴更新処理のフローチャートである。
【図8】APサーバーおよび監視端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図9】k番目の基地局の位置特定テーブルの記憶内容を示す説明図である。
【図10】位置情報のデータ構造を示す説明図である。
【図11】建屋特定コード/文字列の対応テーブルを示す説明図である。
【図12】ゾーン特定コード/文字列の対応テーブルを示す説明図である。
【図13】出入口特定コード/文字列の対応テーブルを示す説明図である。
【図14】呼設定信号の信号フォーマットを示す説明図である。
【図15】警報シーケンスを示す説明図である。
【図16】変換処理および表示処理の内容を示す説明図である。
【図17】PHS端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図18】APサーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図19】本実施の形態の適用例を示す説明図である。
【図20】刑事施設における現状の運用形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0127】
Pkij 位置情報
Ra,Rb 経路
100,100a,100b 閉鎖領域
101〜103 出入口
110,120,130 通路
140 携帯型端末
200 監視支援システム
201,201a,201b PHS端末
202 基地局
203 交換機
204 APサーバー
205 監視端末
206 警報装置
900 位置特定テーブル
1001 建屋特定コード
1002 ゾーン特定コード
1003 出入口特定コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介してサーバーと通信可能な監視員用の携帯型端末を、
前記基地局群のうち前記携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された一連の時系列な識別情報を、前記サーバーへの非常通報情報に埋め込む埋込手段、
前記埋込手段によって前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記現在通信可能な基地局を介して前記サーバーに送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする監視支援プログラム。
【請求項2】
前記携帯型端末を、
前記基地局群から送信されてくる前記各基地局の識別情報が受信されたときの電波強度を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された電波強度に基づいて、前記基地局群の中から通信可能な基地局を選択する選択手段、
前記選択手段によって選択される都度、選択された基地局の識別情報を記憶領域に時系列に書き込む書込手段として機能させ、
前記取得手段は、
前記記憶領域に書き込まれた現在選択された基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の監視支援プログラム。
【請求項3】
前記携帯型端末を、
前記非常通報情報の送信指示を受け付ける受付手段として機能させ、
前記送信手段は、
前記受付手段によって送信指示が受け付けられた場合、前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記サーバーに送信することを特徴とする請求項1または2に記載の監視支援プログラム。
【請求項4】
前記埋込手段は、
前記送信指示が受け付けられた場合、前記一連の時系列な識別情報を前記非常通報情報に埋め込むことを特徴とする請求項3に記載の監視支援プログラム。
【請求項5】
犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介して監視員用の携帯型端末群と通信可能なサーバーを、
前記携帯型端末群のうち一の監視員用の携帯型端末から送信されてきた非常通報情報の中から、前記一の監視員用の携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を抽出する抽出手段、
前記抽出手段によって抽出された一連の基地局の時系列な識別情報に基づいて、前記矯正施設内における前記一の監視員の現在位置を含む閉鎖領域の出入口のうち、前記現在位置に最短でたどり着く出入口を特定する特定手段、
前記特定手段によって特定された特定結果を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする監視支援プログラム。
【請求項6】
犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介してサーバーと通信可能な監視員が携行する携帯型端末であって、
前記基地局群のうち過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された一連の時系列な識別情報を、前記サーバーへの非常通報情報に埋め込む埋込手段と、
前記埋込手段によって前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記現在通信可能な基地局を介して前記サーバーに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする携帯型端末。
【請求項7】
犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介して監視員用の携帯型端末群と通信可能な監視支援装置であって、
前記携帯型端末群のうち一の監視員用の携帯型端末から送信されてきた非常通報情報の中から、前記一の監視員用の携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された一連の基地局の時系列な識別情報に基づいて、前記矯正施設内において前記一の監視員の現在位置に到達するまでの経路を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された現在位置に関する情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする監視支援装置。
【請求項8】
犯罪者、非行のある者、またはそれらの疑いのある者を収容する矯正施設に点在する基地局群のうちいずれかの基地局を介してサーバーと監視員用の携帯型端末とが通信可能な監視支援システムであって、
前記基地局群のうち前記携帯型端末と過去に通信可能であった基地局から現在通信可能な基地局までの一連の基地局の時系列な識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された一連の時系列な識別情報を、前記サーバーへの非常通報情報に埋め込む埋込手段と、
前記埋込手段によって前記一連の時系列な識別情報が埋め込まれた非常通報情報を前記現在通信可能な基地局を介して前記サーバーに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信されてきた非常通報情報の中から、前記一連の基地局の時系列な識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された一連の基地局の時系列な識別情報に基づいて、前記矯正施設内において前記一の監視員の現在位置に到達するまでの経路を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された特定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする監視支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−135699(P2009−135699A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309279(P2007−309279)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】