説明

監視用ダミーカメラシステム

【課題】設置場所に拘わらず容易に制御でき、かつ緊急時においてもダミーカメラ本体を即座に動作させることのできる監視用ダミーカメラシステムを提供する。
【解決手段】無線送受信部2を有し、入力された所定のサウンドメッセージ及び管理データを記録するデータ記録部5と、記録されたサウンドメッセージを再生するサウンド生成・増幅部4と、人の存在を感知する人感知センサー44と、人感知センサーの反応に対応し管理データに基づきサウンド生成・増幅部をコントロールしてサウンドメッセージを出力させる制御処理部6とを有するダミーカメラ本体40と、無線送受信部12を有し、ダミーカメラ本体に対しサウンドメッセージ及び管理データの送信や各種制御を行うとともにダミーカメラ本体からの情報を受信する外部制御装置10とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の存在を感知し、その反応に基づいて音声や警報音によるサウンドメッセージを出力する機能を備えた監視用ダミーカメラ本体(以下、「ダミーカメラ本体」という。)を有し、外部制御装置からの無線通信によりダミーカメラ本体を制御することができる監視用ダミーカメラシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダミーカメラとは、本物の監視用カメラに似た形状をしており、その外観からあたかも撮影しているかのように見せるダミー品のことを言う。
ダミーの監視カメラを設置する目的は、数多くの監視カメラを設置すると費用が嵩むので、一部をダミーの監視カメラに置き換え、全て本物の監視カメラが設置され監視されていると思わせることにより、いたずらや犯罪を抑止することにある。
一般にダミーカメラは、本体にLEDを設けて点灯や点滅をさせたり、回転台に設置したりするなどして、ダミーカメラが動作し本当に撮影しているかのように見せ、視覚的な観点から出来る限りそれが偽物と見破られないように工夫されている。
【0003】
これに関連する先行技術として、特許文献1がある。この特許文献1には本体に赤外照射を含む照明器を内蔵したダミーカメラが開示されている。このダミーカメラは、昼問はそれ自身の外観から監視カメラとしてあたかも監視しているかのように見せ、夜間は照明器として動作し、他の監視カメラの撮影範囲を赤外照射するように構成されている。
この他に、特許文献2、特許文献3があり、いずれも視覚的にあたかも監視カメラが動作しているかのように見せる工夫が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記のようにダミーカメラ本体にLEDを設けて点灯させる等をして外観だけを似せたダミーの監視カメラはそれ自身が動作や機能をしないため、本物の監視カメラと認識されにくく、偽物と見破られてしまうことも往々にしてある。そのため、外観だけでなく別の感覚、例えば聴覚の観点からあたかも監視カメラが動作しているように認識させる工夫も必要であり、それと上記の外観を似せたダミー監視カメラと本物の監視カメラとを組合せれば、これらを設置することによる犯罪等の抑止効果がより顕著なものになると思う。
【0005】
そこで、本出願人はこの観点からのアプローチとしてサウンド出力機能を備えた監視用ダミーカメラを既に提案している(特願2008−020210(特許文献4))。この監視用ダミーカメラは、本体に所定のサウンドメッセージ(音声や警告音等の非音声等)を登録し再生するサウンドユニット及びサウンド出力手段を備え、ダミーカメラ本体に設けられている人感知センサーの反応に基づいて特定のサウンドメッセージを出力させるようにしたものである。
【0006】
このサウンド出力機能を備えた監視用ダミーカメラは、パソコン等の外部制御装置からサウンドメッセージを入力するとき、ダミーカメラ本体の設置前であればRS−232C等の制御用ケーブルを使用して、有線によるシリアル通信を用いて行うことが可能である。
【0007】
【特許文献1】特開平5−252428号公報
【特許文献2】特開2002−32871号公報
【特許文献3】特開平7−239518号公報
【特許文献4】特願2008−020210
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ダミーカメラ本体を設置した後、特に高所に設置した後に本体の設定を変える場合(メッセージの変更や日時に応じてどのメッセージを出力するかの管理データの変更)、ダミーカメラ本体を取外したり再度取付けたり、または設置されているダミーカメラ本体に直接制御用ケーブルを接続したり外したり等の煩わしい作業が必要となり、ダミーカメラ本体が複数になるとその作業も大変な労力を必要とする。
また、制御用のケーブルを敷設すれば常時制御は可能となるが、通線のための設置場所の制約や工事費等のコストがかかり、複数台設置する場合にはさらにコストが増大する。
また、緊急時に警報音を鳴動させたい場合は、鳴動させるスイッチが設置されている場所まで行かないと、警報出力の動作が行えないといった不都合も生じる。
【0009】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は既に設置したダミーカメラ本体に対し、設置場所に拘わらず容易に制御することができ、、かつ緊急時においてもダミーカメラ本体を即座に動作させることのできる監視用ダミーカメラシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため次のような手段を採用した。
請求項1記載の監視用ダミーカメラシステムは、無線送受信部を有し、入力された所定のサウンドメッセージ及び管理データを記録するデータ記録部と、記録されたサウンドメッセージを再生するサウンド生成・増幅部と、人の存在を感知する人感知センサーと、前記人感知センサーの反応に対応し前記管理データに基づき前記サウンド生成・増幅部をコントロールしてサウンドメッセージを出力させる制御処理部とを有するダミーカメラ本体と、無線送受信部を有し、前記ダミーカメラ本体に対し前記サウンドメッセージ及び管理データの送信や各種制御を行うとともに前記ダミーカメラ本体からの情報を受信する外部制御装置とを備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の監視用ダミーカメラシステムは、請求項1に記載の発明において、ダミーカメラ本体を複数備え、前記外部制御装置は、状況に応じて順次前記ダミーカメラ本体の各々に対し、同一又は異なるサウンドメッセージや管理データを送信するように構成したことを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の監視用ダミーカメラシステムは、請求項1又は2記載の発明において、前記ダミーカメラ本体は、前記外部制御装置からの制御により前記人感知センサーの感知データを集計するとともに、その集計結果を定期的に前記外部制御装置へ送信するように構成したことを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の監視用ダミーカメラシステムは、請求項1〜3記載の発明において、無線送受信部を有する携帯型のリモートコントローラを備え、無線通信により制御信号を前記外部制御装置へ送信し、外部制御装置はその制御信号に基づいて通常とは異なるサウンドメッセージを特定の前記ダミーカメラ本体又は複数の前記ダミーカメラ本体へ同時に送信するように構成するとともに外部制御装置からの情報も受信できるようにしたことを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の監視用ダミーカメラシステムは、請求項1〜4記載の発明において、外部制御装置は、インターネット回線網または携帯電話回線網に接続されパソコンまたは携帯電話端末との間で情報通信が行われるように構成したことを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の監視用ダミーカメラシステムは、請求項1〜5の何れか1項記載の発明において、外部制御装置とダミーカメラ本体、携帯無線リモコン機器と外部制御装置との間の無線通信方式は、ZigBee(IEEE802.15.4)又はBluetooth(IEEE802.15.1)方式により行われることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、ダミーカメラ本体に人が近づくと、センサーが感知してダミーカメラ本体から直接音声が発話されたり或いは警報音が鳴ったりすることにより、単に監視カメラが設置されて動作しているよりも監視されているということを強く印象付け、犯罪抑止効果が大きく期待できる。
また、一旦ダミーカメラ本体を高所に設置した場合でも、外部制御装置からダミーカメラ本体に対し音声メッセージの変更や季節・日時に応じてどのメッセージを出力するか等の管理データの変更を行う際に、設置されたダミーカメラ本体の取り外しや再度の取り付けや、または設置されているダミーカメラ本体への直接制御用ケーブルを接続したり外したりせずに可能となるので、作業の手間が省け、コストの削減を図ることができると共に、便宜性を高めることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、複数のダミーカメラ本体に対し、外部制御装置から、状況に応じてそれぞれ同一又は異なるサウンドメッセージや管理データを送信することができるので、ダミーカメラ本体の設置場所毎に、サウンドメッセージの内容や時刻による変更を行うことができ、例えば店舗の場合では入口と出口の違いや、開店時と閉店時の違い等、異なる場所と時間で適切なサウンドメッセージを出力させることができる。
また、複数のダミーカメラ本体のうち必要とするものには、人感知センサーの検知の有無にかかわらず、状況に応じてサウンドメッセージを連続的に送信して出力させることができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、外部制御装置からの制御により前記人感知センサーの感知データを集計するとともに、その集計結果を定期的に前記外部制御装置へ送信するので、外部制御装置側で人の動きを把握することができ、人数カウントや、人の出入りの方向が判別可能な人感知センサーを使用すれば、人の出入り状況も把握することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、管理者は携帯型リモートコントローラを保持していれば、例えば事務所や倉庫の併設された店舗で管理者が店舗内を移動中でも、事務所や倉庫に設置されたダミーカメラ本体の人感知センサーが人を感知して人感知信号を外部制御装置を介して携帯型リモートコントローラへ音声や電子音としてアラーム通報を送信させることができ、これにより管理者は対応したサウンドメッセージを外部制御装置を介して事務所や倉庫に設置されたダミーカメラ本体に送信することができる。このように、管理者が電波の届く任意の場所を移動していてもダミーカメラ本体の操作が可能であるという利点がある。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、店舗の閉店時や休日において、ダミーカメラ本体にて人の侵入検知がなされた場合に、外部制御装置を介しインターネット回線網あるいは携帯電話回線網を通して携帯電話端末に連絡が入るので、遠方にいても状況を把握することができ、また遠方からでも携帯電話端末からダミーカメラ本体に対し必要と考えられる音声や警報音を発生させることが可能となる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、赤外線通信のように送信機を受信機の方向に直接向ける必要がないので操作性を向上させることができるとともに、中間にある程度の障害物が入って見通し外であっても通信が可能となり、ダミーカメラ本体の設置場所の制限を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本実施の形態に係る監視用ダミーカメラシステム100のダミーカメラ本体40の一例として、図4に示すように、前面にダミーレンズ41を備えた箱形の筐体42を有している。該筐体42の側面内部にはスピーカー43が取り付けれられており、下面には人感知センサー44が設けられていて、筐体42内部には種々の電子回路基板が収納されたものである。
【0023】
前記監視用ダミーカメラシステム100は、図1に示すように、図4に示すダミーカメラ本体40の他に外部制御装置10を備えている。
ダミーカメラ本体40の回路は、図1に示すように構成されており、1はアンテナ、2は無線送受信部(RF送受信部)、3はデータI/F部、4は所定のサウンドメッセージを登録し再生するサウンド生成・増幅部、5は入力されたサウンドメッセージや管理情報を記録するデータ記録部、6は前記サウンド生成・増幅部4をコントロールしてサウンドメッセージを出力させる制御処理部、44は人感知センサー、43はスピーカーである。また、8は人感知センサー44が人を感知したときなどに発光するLED等で、7は制御処理部6とLEDとに介在する表示I/F部である。
【0024】
一方、外部制御装置10は、図1に示すように、ダミーカメラ本体40に対し前記サウンドメッセージ及び管理データや各種制御を行うための制御部11を備えているとともに、アンテナ1及び無線送受信部(RF送受信部)12を有していて、ダミーカメラ本体40との間では無線通信によるデータの送受を行う。
【0025】
外部制御装置10はパソコン等で構成されており、ダミーカメラ本体40に対して無線通信によって、サウンドメッセージや管理データ(発話させる複数の音声メッセージの中から、日時に対応して選択するためのデータ等)を送ると、ダミーカメラ本体40側では、外部制御装置10から送られたサウンドメッセージや管理データを無線送受信部2を介してデータ記録部(メモリ)5に記録する。
データ記録部5に記録されたサウンドメッセージは、人感知センサー44の検知信号や管理データに基づいて制御処理部6によりサウンド生成・増幅部4を介してスピーカー43から発話や警報音として発せられる。
【0026】
また、外部制御装置10から送られたサウンドメッセージはデータ記録部5に記録せずに、直接サウンド生成部・増幅部4で音声メッセージに変換してスピーカー43を通して直接発話等をおこなうこともできる。
来客等への案内や異常時の誘導等の音声メッセージは、人感知センサー44の検知にかかわらず出力が行われる必要があり、外部制御装置10からの無線により行えるようにしたものである。
【0027】
本実施形態にかかる監視用ダミーカメラシステム100は、複数のダミーカメラ本体40を有しており、設置された場所毎に、サウンドメッセージの内容をと時間を変えることにより、例えば店舗の場合では入口と出口の違いや、開店時と閉店時の違い等、異なる場所・時間で適切な音声メッセージを出力することができる。
【0028】
この場合に、前もって通信を行う各々の無線送受信部2、12にIDを割り振りしておく(一例として、外部制御装置10の無線送受信部12をID0001、ダミーカメラ本体40の無線送受信部2側をID0101等とする)。また、使用する無線方式はZigBee(IEEE802.15.4)又はBluetooth(IEEE802.15.1)方式とする。BluetoothのClass 1(出力100mw)を用いれば、100m以内の無線通信が低コストで可能となる。また、ZigBeeを使用することにより、低消費電力でスターネットワークやメッシュネットワークでの通信が可能となる。
【0029】
サウンドメッセージや管理データに通信相手のIDや無線通信を行うためのデータを付加し、通信を行う相手との間で通信手順を実行し、通信相手のIDが一致することで、外部制御装置10とダミーカメラ本体40のRF送受信部2との通信が可能となる。
RF送受信部2からデータI/F部3に送られたサウンドメッセージや管理データは、無線通信を行うために付加された余分のデータが取り除かれ、データ記録部(フラッシュメモリ等)5に記憶され、人感知センサー44で人を感知するとサウンドメッセージデータをデータ記録部5から読み出して、サウンド生成・増幅部4でサウンドメッセージに変換してスピーカーから出力する。
【0030】
外部制御装置10から複数のダミーカメラ本体40へサウンドメッセージや管理データを送る場合、前もって通信を行う複数のダミーカメラ本体40のRF送受信部2にIDを割り振りしておき(一例として、ダミーカメラ本体40側をID0101、ID0102、・・・ID01nn等とする。)、最初にID0101の通信相手と通信を行い、サウンドメッセージや管理データを送信後、次のID0102の通信相手と通信を行い、ID0101と同一または異なったデータを送信する。これを順次行って、最後の通信相手ID01nnまでおこなう。
【0031】
また、一方、ダミーカメラ本体40側の人感知センサー44の情報は、外部制御装置10側に送り人の動きを外部制御装置10側で把握可能である。
外部制御装置10側でダミーカメラ本体40側の人感知センサー44の情報を取得する場合は、予め外部制御装置10側から該当するダミーカメラ本体40と通信して、人の動きを集計する時間や集計結果を定期的に送信する時間間隔等の情報を、ダミーカメラ本体40に通知してデータ記録部5に設定登録しておき、集計の開始時は外部制御装置10側からダミーカメラ本体40と通信して通知する。
【0032】
ダミーカメラ本体40の人感知センサー44で感知した人の動きの情報は、制御処理部6からの制御によりRF送受信部2から通信相手である外部制御装置10のRF送受信部12との通信を行い、人の動きの情報を外部制御装置10側へ送信する。外部制御装置10側で人の動きを把握できれば、人の動きに応じて、人の動きの多い場所のダミーカメラ本体40のサウンドメッセージを、通常とは異なる注意を促すサウンドメッセージに変更して出力することもできる。
【0033】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施の形態について、図2を参照し説明する。
第2の実施の形態は、監視用ダミーカメラシステム100に携帯無線リモコン機器20が備わるものである。
携帯無線リモコン機器(以下、無線リモコンという。)20は、図2に示すように、ダミーカメラ本体40と近似した回路を備えている。人感知センサーが存在しなく、その代わりに操作スイッチ部21及びセンサーの代わりをするスイッチ22を備えている。ダミーカメラ本体40の回路と同一または相当する部分は同一符号を付けて機能説明を省略する。
【0034】
次に、使用方法について説明する。
無線リモコン20は外部制御装置10との間で情報交換を無線通信によって行う。
管理者が異常を発見して、無線リモコン20の操作スイッチ22を押し下げると、操作スイッチ部21を経由して、制御処理部6の制御によりRF送受信部2からID0201の通信相手である外部制御装置10のRF送受信部12との通信を行い、操作スイッチ22の接点信号データを外部制御装置10側に送信する。
【0035】
外部制御装置10側では、無線リモコン20からの異常信号を受信し、複数のダミーカメラ本体40から警報音を出力させるため、ID0101から順に最後の通信相手ID01nnまで、警報音を鳴動させるためのデータをダミーカメラ本体40へ送信する。
【0036】
ダミーカメラ本体40のデータI/F部3に送信された警報音を鳴動させるためのデータは、無線通信を行うために付加された余分のデータを取り除いて制御処理部6に転送され、制御処理部6でサウンド生成・増幅部4の音声出力から警報音出力に優先的に切り換え、ID0101からID01nnまでの全てのダミーカメラ本体40で警報音を鳴らすことができる。
【0037】
また、管理者が登録されているサウンドメッセージ(音声メッセージ等)を変更したい場合、無線リモコン20の操作スイッチ22を押し下げることで、選択されたメッセージデータが外部制御装置10を介してID0101からID01nnの該当するダミーカメラ本体40の制御処理部6に転送されデータ記録部5の該当するメッセージデータを呼び出して、サウンド生成・増幅部4から出力する。
【0038】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、図3に示すように、第2の実施の形態の監視用ダミーカメラシステム100の外部制御装置10に外部センサー16が接続され、外部センサー16からの情報を、管理者の無線リモコン20に音声メッセージとして出力できるようにしたものである。
別のセンサーからアラーム情報が外部センサー16や或いは真性の監視カメラからの画像情報処理出力からのアラーム信号等がセンサーI/F部15を通して外部制御装置10に入力されると、RF送受信部12から通信相手である管理者のID0201と通信を行い、予め外部センサーからのアラーム情報を受けた場合に出力するサウンドメッセージデータを外部制御装置10側に登録しておき、外部制御装置10側から該当するサウンドメッセージデータや緊急状態を表示するLED表示データを送信する。
【0039】
無線リモコン20のデータI/F部3に送信されたサウンドメッセージデータやLED表示データは、無線通信を行うために付加された余分のデータが取り除かれ、LED表示データは制御処理部6を通して表示I/F部7からLED8を点灯または点滅させてアラーム状態を表示する。次に、サウンドメッセージデータは一度データ記録部5に記憶されてから、サウンド生成・増幅部4でサウンドメッセージに変換されスピーカー43へ出力される。操作スイッチ22によって操作スイッチ部21から制御処理部6を通して繰り返しメッセージを聞くこともできる。
管理者は、この情報を基に第2の実施形態である無線リモコン20の操作スイッチ22を押し下げ、ダミーカメラ本体40で警報音を鳴らすこともできる。
【0040】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、第3の実施の形態に係る監視用ダミーカメラシステム100の外部制御装置10がインターネット回線網または携帯電話回線網或いはその両方の回線網に接続されているものである。
ダミーカメラ本体40側の人感知センサー44の情報により、例えば店舗等の閉店時に侵入者を検知して、外部制御装置10側から管理者の携帯電話端末への通報が可能となる。
【0041】
外部制御装置10側でダミーカメラ本体40側の人感知センサー44による侵入者検知情報を取得する場合は、予め外部制御装置10側から該当するダミーカメラ本体40と通信して、人の侵入検知情報をすぐに外部制御装置10側に送信するようにダミーカメラ本体40に通知してデータ記録部5に設定・記憶しておき、検知開始時は外部制御装置10からダミーカメラ本体40と通信して通知する。
【0042】
ダミーカメラ本体40の人感知センサー44で感知した人の動きの情報は、制御処理部6からの制御により、RF送受信部2から通信相手である外部制御装置10のRF送受信部12と通信して通知を行い、人検知のデータを外部制御装置10側に送信する。
外部制御装置10側では、人の侵入検知情報を取得次第、インターネット及び携帯電話回線網を経由して管理者の携帯電話端末へ音声メッセージまたはメールにより通報する。
管理者は携帯電話端末を操作して、回線網を利用し外部制御装置の制御部11にアクセスし、外部制御装置10を介して該当するダミーカメラ本体40とやりとりを行い、ダミーカメラ本体40から侵入者等に警報を与えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明による監視用ダミーカメラシステムは、スーパーマーケット等の店舗や種々の工場など本物の監視カメラと併用して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る監視用ダミーカメラシステムの第1の実施形態の電気回路ブロック図である。
【図2】監視用ダミーカメラシステムの第2の実施形態の電気回路ブロック図である。
【図3】本発明に係る監視用ダミーカメラシステムの他の実施形態の電気回路ブロック図である。
【図4】ダミーカメラ本体の外観図の一例である。
【符号の説明】
【0045】
1 アンテナ
2 無線送受信部(RF送受信部)
3 データI/F部
4 サウンド生成・増幅部
5 データ記録部
6 制御処理部
7 表示I/F部
8 LED等
10 外部制御装置
11 制御部
12 無線送受信部(RF送受信部)
20 携帯無線リモコン機器
21 操作スイッチ部
22 操作スイッチ
40 監視用ダミーカメラ本体
41 ダミーレンズ
43 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信部を有し、入力された所定のサウンドメッセージ及び管理データを記録するデータ記録部と、記録されたサウンドメッセージを再生するサウンド生成・増幅部と、人の存在を感知する人感知センサーと、前記人感知センサーの反応に対応し前記管理データに基づき前記サウンド生成・増幅部をコントロールしてサウンドメッセージを出力させる制御処理部とを有するダミーカメラ本体と、
無線送受信部を有し、前記ダミーカメラ本体に対し前記サウンドメッセージ及び管理データの送信や各種制御を行うとともに前記ダミーカメラ本体からの情報を受信する外部制御装置と、
を備えたことを特徴とする監視用ダミーカメラシステム。
【請求項2】
前記ダミーカメラ本体を複数備え、前記外部制御装置は、状況に応じて順次前記ダミーカメラ本体の各々に対し、同一又は異なるサウンドメッセージや管理データを送信するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の監視用ダミーカメラシステム。
【請求項3】
前記ダミーカメラ本体は、前記外部制御装置からの制御により前記人感知センサーの感知データを集計するとともに、その集計結果を定期的に前記外部制御装置へ送信するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の監視用ダミーカメラシステム。
【請求項4】
無線送受信部を有する携帯型のリモートコントローラを備え、無線通信により制御信号を前記外部制御装置へ送信し、前記外部制御装置は前記制御信号に基づいて通常とは異なるサウンドメッセージを特定の前記ダミーカメラ本体又は複数の前記ダミーカメラ本体へ同時に送信するように構成するとともに前記外部制御装置からの情報も受信できるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の監視用ダミーカメラシステム。
【請求項5】
前記外部制御装置は、インターネット回線網または携帯電話回線網に接続されパソコンまたは携帯電話端末との間で情報通信が行われるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の監視用ダミーカメラシステム。
【請求項6】
前記外部制御装置とダミーカメラ本体、前記携帯無線リモコン機器と前記外部制御装置との無線通信方式は、ZigBee(IEEE802.15.4)又はBluetooth(IEEE802.15.1)方式により行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の監視用ダミーカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−62698(P2010−62698A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224308(P2008−224308)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Bluetooth
【出願人】(000209751)池上通信機株式会社 (123)
【Fターム(参考)】