監視装置
【課題】 撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する際に、監視員の労力の負担を軽減しつつ、監視の利便性を向上させる。
【解決手段】 撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する際に、生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較し、また輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較結果に応じて表示すべき画像につき所定の情報を付加する。また表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行された場合には、当該実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させる。
【解決手段】 撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する際に、生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較し、また輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較結果に応じて表示すべき画像につき所定の情報を付加する。また表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行された場合には、当該実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視装置及び方法、プログラム並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一つの建物の中に複数のスクリーンを設置したいわゆるシネマコンプレックスと呼ばれる複合映画館が各地でオープンしている。この複合映画館において観客が持参した入場券を確認する担当者は、通常、建物の入口付近に配置されているが、各スクリーンが設置された映写室毎には配置されていない場合が多い。このため、館内に入場した観客による映写室間の自由な出入りを許すことになり、特に映写室毎に別途入場料金を課す料金体系を採用する複合映画館において極めて不合理となる。
【0003】
従って各複合映画館では、入場料金を払うことなく映写室間を自由に出入りする観客を随時監視すべく監視員の増員等を図らんとしてきたが、コストパフォーマンス性が悪かった。
【0004】
また各複合映画館では、各座席に設置されたスイッチを介して、着席状況の自動的な判別を試みようとしてきた。この方法では、上記スイッチを、押圧入力により電気信号を生成する圧電素子として構成し、観客の着席に応じた押圧入力により生成された電気信号を後段のシステムで検出することにより着席状況を自動的に判別する。しかしながら、各映写室の座席数に応じたスイッチを購入し、これを座席毎に設置する必要があるため、コストや労力の削減を図ることができなかった。また圧電素子としてのスイッチの信頼性にばらつきがあるため、着席状況を精度よく判別することができなかった。
【0005】
このため、信頼性が高くコストパフォーマンス性にも優れた監視を実現するために、カメラの撮影方向を順にシフトさせながら撮影対象を撮影し、これらを合成してパノラマ画像を得ることにより、広範囲の状況を監視することができるモニタリングシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、設置された複数の監視用ビデオカメラから監視映像を集めてビデオテープ等の記録媒体に記録し、監視を行うことを可能とする集中監視記録システムも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−108163号公報
【特許文献2】特開2000−243062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の如く記録媒体に記録された画像を利用して、撮影範囲における何らかの変化を検出する場合に、監視員は、1スキャン毎に刻々と入力される監視画像の状況を隅々まで観察しなければならなかった。特に監視員は、細かい画像の変化や、微小な対象物の出現等につき常に識別しなければならず、過大な労力や時間を必要とし、さらには、かかる監視員の眼に依存するシステムであるが故に、かかる状況変化の見落としが生じる危険性もあった。
【0008】
また、撮影範囲を撮像することにより生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある画像との間で輝度レベルの差異を比較し、かかる輝度レベルにつき差異が生じた場合に、撮影範囲に何らかの変化が生じたものとして監視員に注意を喚起する監視方法も提案されている。この監視方法によれば、注意喚起された場合に初めてその詳細につき画像を介して確認すれば足りるため、監視労力を大幅に低減させることができる。
【0009】
しかしながら、この監視方法では、図11に示すように、現在表示されている画像において、輝度レベルの差異が検出された枠101につきマーキングして表示することになる。枠101が設定された領域につき、先に撮像された同一撮影方向上にある画像から確認するためには、現在表示されている画像からの切り替え処理を実行する必要があるところ、ユーザの労力の軽減を図ることができない。また両画像を並べてこれを直接的に対比する対比監視ができないために、ユーザ自身がかかる差異の原因を効率よく識別することができないという問題点もあった。
【0010】
さらにこれら両画像を並べて対比監視するときに、画像の表示位置や表示倍率等を変更させて画像内容の確認を望む場合もある。かかる場合において、一方の画像に対して施された表示位置や表示倍率等を変更するための処理動作を、他方の画像に反映させることにより、監視の利便性の向上を図る必要もある。
【0011】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する際に、監視員の労力の負担を軽減しつつ、監視の利便性を向上させた監視装置及び方法、プログラム、記録媒体並びに監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る監視装置は、上述した課題を解決するために、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視装置において、生成された画像と当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出手段と、差異検出手段により検出された輝度レベルの差異を予め設定された閾値と比較する比較手段と、差異検出手段により輝度レベルの差異が検出された2枚以上の画像を同一画面上に並べて表示するとともに比較手段による比較結果に応じて表示すべき上記画像につき差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示手段と、表示手段により表示されている何れか一の画像に対して処理動作を実行するための操作手段とを備え、表示手段は、上記操作手段により実行された一の画像に対する処理動作を同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させる。
【0013】
本発明に係る監視方法は、上述した課題を解決するために、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視方法において、生成された画像と当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を予め設定された閾値と比較する比較ステップと、差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに比較ステップにおける比較結果に応じて表示すべき画像につき差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作を実行させるための操作ステップとを有し、表示ステップでは、上記操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させる。
【0014】
本発明に係るプログラムは、上述した課題を解決するために、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、生成された画像と当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を予め設定された閾値と比較する比較ステップと、差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに比較ステップにおける比較結果に応じて表示すべき画像につき差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行される操作ステップとを有し、表示ステップでは、操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させることをコンピュータに実行させる。
【0015】
本発明に係る記録媒体は、上述した課題を解決するために、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体において、生成された画像と当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を予め設定された閾値と比較する比較ステップと、差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに比較ステップにおける比較結果に応じて表示すべき画像につき差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行される操作ステップとを有し、表示ステップでは、操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させることをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、異なる時刻に撮影された同一撮影方向にある複数の画像を並べてこれを直接的に対比するいわゆる対比監視を行なうことができるため、従来と比較して表示画像を随時切り換える必要がなくなり、ユーザの労力の軽減を図ることができる。また、この対比監視を可能とする本発明では、ユーザ自身が輝度レベルの差異の原因を効率よく識別することができる。さらに、本発明では、画面上において表示した各画像につき、一方の画像に対して施された処理動作を、他方の画像に反映させることにより、監視の利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本発明を適用した監視システム1は、例えば図1に示すように、被写体を撮像して画像信号を生成するカメラユニット2と、上記画像信号が伝送される監視装置5と、監視装置5に接続されるディスプレイ6と、複数のユーザがアプリケーションを実行するための端末装置9と、端末装置9に接続される端末ディスプレイ10と、カメラユニット2並びに監視装置5,端末装置9間で双方向通信を実現するためのネットワーク8とを備えている。
【0018】
この監視システム1におけるカメラユニット2は、図2に示すように、パンチルタ部3と、カメラ部4とが一体的に構成されてなる。パンチルタ部3は、例えばパン、チルトの2軸につき撮影方向を自在に変更するための回転台として構成される。
【0019】
カメラ部4は、パンチルタ部3を構成する回転台上に配設され、監視装置5による制御に応じて、撮影方向を水平方向或いは垂直方向に調整しつつ、被写体を撮像する。またこのカメラ部4は、監視装置5による制御に応じて、撮影画角を順次変更することにより、撮影倍率を拡大又は縮小して被写体を撮像する。このカメラ部4を一の監視装置5に対して複数設置することにより、同一の被写体につき、互いに異なる撮影角度で撮像することができ、多面的な画像情報を得ることも可能となる。
【0020】
監視装置5は、図2に示すように、カメラユニット2より伝送された画像信号に所定の処理を施す画像入出力部13と、この画像入出力部13に接続され、上記画像信号に基づく動画像を生成する演算処理部15と、演算処理部15に接続され上記画像信号を記録するサーバ53と、ユーザが監視装置5を制御するための操作部16とを備えている。
【0021】
この監視装置5は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器により構成され、カメラユニット2から伝送される画像信号を記録し、また記録した画像信号につきディスプレイ6を介してユーザに表示する。またこの監視装置5は、ユーザから所望の画像領域又は画像位置が指定された場合には、記録した画像信号の中から最適なものを選択してこれを表示するように制御する。この監視装置5は、このネットワーク8全体を制御するためのいわゆる中央制御装置としての役割も担い、他の端末装置9からの要求に応じて画像を送信する。なお監視装置5の構成の詳細については、後述する。
【0022】
ネットワーク8は、例えば監視装置5と電話回線を介して接続されるインターネット網を始め、TA/モデムと接続されるISDN(Integrated Services Digital Network)/B(broadband)−ISDN等のように、情報の双方向送受信を可能とした公衆通信網である。ちなみにこの監視システム1を、一定の狭いエリア内で運用する場合には、このネットワーク8を、LAN(Local Area Network)で構成してもよい。さらにこのネットワーク8は、静止画像に加えてMPEG画像をも送信できるようにしてもよい。かかる場合には、インターネットプロトコル(IP)に基づき、MPEGデータがある一つのチャネルから継続的に送信され、静止画像データは別のチャネルから一定時間毎に送信されることになる。
【0023】
端末装置9は、各家庭や企業等に待機するユーザがネットワーク8を介して監視装置5から画像を取得し、所望の処理を実行するためのPCである。複数の端末装置9をネットワーク8に接続することにより、複数のユーザに対してこの監視システム1のアプリケーションを同時に提供することが可能となる。この端末装置9は、監視装置5から取得した画像を、端末ディスプレイ10に対して表示する。またこの端末装置9は、ユーザによる指定操作に応じて要求信号を生成し、これを監視装置5に対して送信する。なお端末装置9のブロック構成については、後述する監視装置5の構成を引用し、説明を省略する。
【0024】
次に、本発明を適用した監視システム1におけるカメラユニット2,監視装置5について詳細に説明する。
【0025】
図3は、カメラユニット2,監視装置5の詳細な構成を示している。この図2では、共通のコントローラバス21に対して、カメラユニット2並びに監視装置5の各構成要素が接続されている。
【0026】
カメラユニット2を構成するパンチルタ部3は、撮像方向を変更するための回転台を制御するTilt部3a、Pan部3bとを有する。また、カメラユニット2を構成するカメラ部4は、主としてレンズ部22の画角を変更するためのレンズ制御部23と、レンズ部22の光軸に直交する位置に配設される撮像部24と、撮像部24により生成された画像信号を画像入出力部13へ送信するためのIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394インターフェース25と、カメラユニット2の現在位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信部28と、GPS受信部28に装着されるメタデータ生成部29とを備えている。ちなみに、IEEE1394インターフェース25は、イーサネット(登録商標)に代替してもよい。
【0027】
また画像入出力部13は、IEEE1394インターフェース25に接続されるバッファメモリ51と、バッファメモリ51に接続されるエンコーダ52とを備えている。
【0028】
また演算処理部15は、サーバ53から読み出された画像を圧縮するための画像圧縮部54と、サーバ53及び画像圧縮部54に接続され、ディスプレイ6上に表示する画像を作り出すグラフィックコントローラ55と、コントローラバス21を介して各部を制御するためのCPU56と、I/Oポート58にそれぞれ接続されるメモリカード61並びに時計62とを備えている。
【0029】
また操作部16は、ディスプレイ6上に表示されている画像からユーザが所望の画像領域、画像位置を指定するためのキーボード59並びにマウス60を備えている。
【0030】
Tilt部3a並びにPan部3bは、CPU56からの駆動信号に基づき、回転台の駆動源として構成されているステッピングモータを回転させる。これにより回転台上に載置されてなるカメラ部4の撮影方向を水平方向、或いは垂直方向に変更することができる。
【0031】
レンズ制御部23は、CPU56からの駆動信号に基づき、レンズ部22に対して自動絞り制御動作や自動焦点制御動作を実行する。またこのレンズ制御部23は、かかる駆動信号に基づき、被写体に対する撮影画角を変更する。これにより、カメラ部4は、撮影倍率を順次調整して被写体を撮像することも可能となる。
【0032】
撮像部24は、例えばCCD(Charge Coupled Device )等の固体撮像素子により構成され、レンズ部22を介して入射される被写体像を撮像面上に結像させ、光電変換により画像信号を生成し、これをIEEE1394インターフェース25へ送信する。
【0033】
GPS受信部28は、GPSシステムにより送出される信号に基づき、カメラユニット2の設置場所や撮影方向を検出する。このGPS受信部28を設けることにより、特に複数のカメラユニット2を設置する場合において、双方の撮影方向を連動して制御することが可能となる。GPS受信部28からの出力信号は、メタデータ生成部29に供給され、GPSによる測位結果に基づく、緯度、経度、方位、高度等の位置情報、並びに時刻や各種パラメータ等からなるメタデータが生成される。メタデータ生成部29は、この生成した位置情報やメタデータをエンコーダ52へ供給する。なお本発明では、このGPS受信部28、メタデータ生成部29の構成を省略してもよい。
【0034】
バッファメモリ51は、CPU56からの制御信号に基づき、IEEE1394インターフェース25から供給される画像信号を一時的に格納する。このバッファメモリ51において一時的に格納された画像信号は、エンコーダ52に供給され、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の規格に基づいて圧縮符号化される。ちなみに、このエンコーダ52は、圧縮符号化する画像信号に対して、メタデータ生成部29から供給される位置情報やメタデータを付加してもよい。エンコーダ52は、圧縮符号化した画像信号をサーバ53或いは画像圧縮部54へ出力する。なお供給される画像信号につき、圧縮符号化を行わない場合には、このエンコーダ52における処理は省略される。
【0035】
サーバ53は、エンコーダ52から出力される画像信号を位置情報やメタデータと関連付けて順次記録する。ちなみに、このサーバ53は、例えばハードディスクや、着脱自在なディスク状記録媒体に代替してもよい。サーバ53に記録された画像信号は、CPU56による制御に基づき、画像圧縮部54やグラフィックコントローラ55へ読み出される。なおサーバ53に記録される画像信号をメモリカード61へ記録するように制御することにより、ユーザは、かかる撮像した画像を他のPCへ移し換えることも可能となる。また、このサーバ53に記録されている画像信号を上述した図示しないネットワークサーバに記録するように制御することにより、サーバ53を図示しないネットワークサーバに代替することも可能となる。
【0036】
画像圧縮部54は、サーバ53から読み出したJPEG形式の画像信号につき、それぞれ圧縮画像又はサムネイル画像を生成する。また、この画像圧縮部54は、CPU56による制御に従い、サーバ53に記録されている画像を読み出して、動画像を生成する。ちなみにこの動画像を生成する際の圧縮方法としては、例えばMPEG、Motion−JPEG、Motion−JPEG2000等に基づき実行してもよい。
【0037】
グラフィックコントローラ55は、サーバ53から読み出した画像信号、又は画像圧縮部54から出力される画像信号に基づき、ディスプレイ6への絵画処理を実行する。また、このグラフィックコントローラ55は、CPU56による制御に基づき、ディスプレイ6におけるコントラスト、輝度の制御を実行する。
【0038】
CPU56は、ユーザによりキーボード59やマウス60を介して画像領域、画像位置が指定された場合に、パンチルタ部3やレンズ制御部23を駆動するための駆動信号や、監視装置5内の各部を制御するための制御信号を、コントローラバス21を介して送信する。また、このCPU56は、端末装置9から所定の要求信号を受けて、サーバ53に記録されている最適な静止画像、動画像、或いは各種情報を選択し、これを当該端末装置9へ送信するように制御する。
【0039】
次に本発明を適用した監視システム1における撮像動作について説明をする。
【0040】
図4は、カメラユニット2により、黒枠で示される撮影範囲内を撮影画角uで撮像する場合について示している。撮影範囲を撮影画角uで全て撮像するためには、撮影方向を水平方向又は垂直方向へ順にシフトさせて撮像する必要がある。仮に撮影範囲のサイズが、任意の撮影画角uで撮像することにより得られるフレーム(以下、単位画像という。)のサイズのi×j倍で表せるときには、少なくともi×j通りの撮影方向を設定する必要がある。この撮影画角uで撮像したi×j個の単位画像を貼り合わせることにより撮影範囲全体を表した全体画像を合成することができる。
【0041】
ここで、撮影範囲の各単位画像の座標(M,N)を、水平方向につき、左端から順に1、2、・・M・、iとし、垂直方向につき上端から順に1、2、・・N・、jとしたとき、CPU56は、Tilt部3a並びにPan部3bに対して駆動信号を送信することにより、カメラ部4の撮影方向を、先ず左上に位置する座標(1,1)に合わせて撮像を実行させる。この座標(1,1)について撮像することにより生成された単位画像に基づく画像信号は、バッファメモリ51に一時的に格納され、エンコーダ52において、JPEG規格に基づいて圧縮符号化される。そしてこの画像信号は、GPS28から送信される撮影方向等を示す位置情報やメタデータが同時に付加され、サーバ53に記録される。
【0042】
同様にCPU56は、Tilt部3a並びにPan部3bに対して駆動信号を送信することにより、カメラ部4の撮影方向を、右側に1画枠分シフトさせて座標(2,1)に合わせて撮像を実行する。この座標(2,1)について撮像することにより生成された画像信号も同様にサーバ53へ記録される。CPU56による制御に基づき、カメラ部4は、撮影方向を座標(3,1)、(4,1)・・(i,1)と水平方向へ順次変更させて撮像を実行する。
【0043】
カメラ部4は、1列目の撮像を終了させた後、CPU56による制御に基づき、撮影方向を2列目の座標(1,2)に調整して撮像を実行し、その後、水平方向へ順次シフトさせながら撮像を実行する。かかる動作を繰り返して座標(i,j)まで撮像を終了させた時、サーバ53は、座標毎に撮像したi×j個の単位画像に基づく画像信号が記録されている状態になる。
【0044】
ちなみに、このサーバ53に記録されている各単位画像に基づく画像信号は、画像圧縮部54により順次読み出されて、ディスプレイ6の表示画面のサイズに適合するように縮小される。この縮小された各単位画像は、グラフィックコントローラ15を経てディスプレイ6に表示される。サーバ53に記録されたi×j個の単位画像を全てディスプレイ6に表示させることにより、1枚のパノラマ状の全体画像(パノラマ画像)が合成されることになる。上述の撮像動作を一定の間隔で実行することにより、撮影範囲の最新の状況を示す全体画像を取得することが可能となる。
【0045】
図5は、撮像したi×j個の単位画像を貼り合わせることにより合成した全体画像を、ディスプレイ6の全体画像表示部70に表示する例を示している。なお、この監視装置5は、全体画像表示部70に対して、全体画像を構成する各単位画像間の境界を表示させてもよいし、シームレスな全体画像のみを表示させてもよい。また監視装置5は、パノラマ状の全体画像の代替として、撮影範囲全体を捉えることができる撮影画角で撮影した1枚の全体画像を、この全体画像表示部70に表示させてもよい。
【0046】
ちなみに表示画面45には、単位画像を拡大した拡大画像を表示するための拡大画像表示部71がさらに設けられている。この拡大画像表示部71は、全体画像表示部70に表示される全体画像を構成する単位画像のうち、ユーザにより指定された一の単位画像を拡大して表示してもよいし、またかかる一の単位画像の撮影方向につき、動画を順次表示してもよい。これによりユーザは、指定した単位画像における撮影方向の状況につき、リアルタイムに確認することもできる。
【0047】
ユーザは、全体画像表示部70や拡大画像表示部71に対して、キーボード59やマウス60を用いて、所望の画像領域、画像位置を指定することができる。なお、各表示部70,71には、マウス60等の動きに連動させて上述の指定操作を実行するための照準線やポインタをさらに表示させてもよい。
【0048】
また表示画面45上においてマウス60を介した入力動作を実行することにより、拡大画像表示部71に表示されている単位画像につき撮影倍率を拡大又は縮小させ、カメラ部4の撮影方向を水平、垂直方向において調整するための撮影方向制御、各種モードの設定を行うことができる。ちなみに、全体画像表示部70において表示される全体画像の履歴は、履歴表示部81を介して表示され、全体画像表示部70に表示される全体画像の濃淡については、濃淡表示部82を介して表示される。また拡大画像表示部71に表示されている単位画像につき変更された撮影倍率は、倍率表示部83を介して表示される。
【0049】
また、この表示画面45上に表示されている差異検出ボタン84がマウス60を介してクリックされると、生成された全体画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異が検出される。
【0050】
この差異検出は、サーバ53に記録されている単位画像から構成される全体画像につき、基準となる全体画像との間で輝度レベルを比較することにより実行する。ここで画像上の差異を検出する全体画像を比較全体画像といい、基準となる全体画像を基準全体画像という。
【0051】
図6(a)に示すように、基準全体画像を全体画像a1とした場合において、比較全体画像としての全体画像a2につき画像上に生じた差異を検出する場合には、全体画像a2を構成する単位画像と、全体画像a1を構成する単位画像との間で輝度レベルを比較する。この輝度レベルの比較は、図6(a)に示すように、同一座標(1,1)、(2,1)、(3,1)、・・・、(M,N)にある単位画像間で、換言すれば同一撮影方向にある単位画像間で実行する。これにより、基準全体画像に対する比較全体画像の輝度レベルの変化を、各撮影方向に応じて検出することができる。
【0052】
CPU56は、比較全体画像(全体画像a2)と基準全体画像(全体画像a1)との間で、例えば座標(M,N)にある単位画像の輝度レベルを比較する場合には、先ず、これら二つの単位画像をサーバ53から読み出す。次にCPU56は、例えば図6(b)に示すように、読み出した二つの単位画像間において同一位置にある各画素(m,n)につき輝度レベルを比較する。この輝度レベルの比較は、同一位置にある画素(m,n)につき、輝度レベルの差分を求めるようにしてもよい。CPU56は、読み出した単位画像間の輝度レベルの差異を、各画素につき求めた輝度レベルの差分値を介して検出することができる。ちなみに、この各画素間の輝度レベルの比較は、単位画像を構成する全ての画素につき実行してもよいし、単位画像を構成する一部の画素のみに対して実行するようにしてもよい。
【0053】
ちなみに、本発明では、比較全体画像を構成する一部の単位画像のみについて、上述の如く輝度レベルを比較してもよい。このときユーザは、マウス60等を用いて、所望の単位画像を指定することにより、かかる指定された単位画像のみにつき輝度レベルの差異を検出することが可能となる。
【0054】
なお、次のタイミングにおいてサーバ53に全体画像a3を構成する単位画像が記録された場合には、当該全体画像a3が比較全体画像となり、基準全体画像としての全体画像a2の間で、同一撮影方向における単位画像間で差異が検出されることになる。さらに次のタイミングにおいて、サーバ53に全体画像a4を構成する単位画像が記録された場合には、当該全体画像a4が比較全体画像となり、基準全体画像としての全体画像a3の間で、同一撮影方向における単位画像間で差異が検出されることになる。
【0055】
上述の如く輝度レベルの差異が比較されるに基準全体画像と比較全体画像は、ディスプレイ6の画面90上において、図7に示すように並べて表示してもよい。この画面90では、より以前に撮像された基準全体画像を表示するための基準画像表示部91と、より直近に撮像された比較全体画像を表示するための比較全体画像表示部92と、基準全体画像表示部91に表示されている基準全体画像を水平方向にスクロールさせるための水平スクロールバー93と、この基準全体画像を垂直方向へスクロールさせるための垂直スクロールバー94と、比較全体画像表示部92に表示されている比較全体画像を水平方向にスクロールさせるための水平スクロールバー95と、比較全体画像を垂直方向へスクロールさせるための垂直スクロールバー96と、各画像を拡大又は縮小させるためのズーム指定部97と、表示切換指定部99により構成されている。
【0056】
また、この図7に示す例において、空席状態の基準全体画像並びに比較全体画像の同一位置に対して差異検出枠(ID−1〜ID−4)が設定されている。この差異検出枠については任意に設定することができ、例えば指定席についてのみ着席状況を監視する場合には、かかる指定席のみに差異検出枠を設定するようにしてもよい。
【0057】
表示画面45上に表示されている差異検出ボタン84がマウス60を介してクリックされると、基準全体画像と比較全体画像との間で、かかる差異検出枠を構成する画素における輝度レベルの差異が抽出される。求められた輝度レベルの差異は、予め設定された閾値と比較され、その閾値を超える場合にその差異検出枠において輝度レベルの差異が生じたものと判断し、図7に示すように色付き表示することで、ユーザに対して注意を促す。ちなみに、輝度レベルの差異が生じた差異検出枠については、所定の情報が付加されていれば、色付き表示を行う場合に限定されるものではない。
【0058】
ユーザは、ディスプレイ6上に表示されている色付きの差異検出枠を視認することにより、差異が生じた箇所を容易に識別することができる。また、基準全体画像並びに比較全体画像は、同一画面上において互いに並べて表示されるため、差異が検出された画像領域につき、輝度レベルが具体的にどのように変化したのかをユーザ自身が容易に識別することができ、また両画像間において何らかの動きが生じた結果、輝度レベルが変化した場合には、かかる動きの対象物や要因を効率よく解析することができる。
【0059】
即ち、本発明を適用した監視システム1では、異なる時刻に撮影された同一撮影方向にある複数の画像を並べてこれを直接的に対比するいわゆる対比監視を行なうことができるため、従来と比較して表示画像を随時切り換える必要がなくなり、ユーザの労力の軽減を図ることができる。また、この対比監視を可能とする監視システム1では、ユーザ自身が輝度レベルの差異の原因を効率よく識別することができる。
【0060】
なお、この図7に示す例において、マウス60を介して水平スクロールバー93が操作され、基準全体画像表示部91に表示されている基準全体画像が水平方向へスクロール表示されるが、かかるスクロール表示を比較全体画像表示部95に表示されている比較全体画像に反映させるようにしてもよい。かかる場合には、マウス60を介して水平スクロールバー93の位置が変更されることになるが、かかる変更後の水平スクロールバー93の位置を取得し、これを水平スクロールバー95の位置として設定し直す。これにより、比較全体画像の水平方向の動きを、ユーザによりなされた基準全体画像の水平方向への動きに同期させることができ、違和感も解消することができる。
【0061】
またマウス60を介して水平スクロールバー95が操作された場合には、これを水平スクロールバー93の動きに反映させるようにしてもよい。これにより、ユーザにより指示された比較全体画像の動きを、基準全体画像の動きに反映させることができる。
【0062】
同様に、マウス60を介して垂直スクロールバー94が操作され、基準全体画像表示部91に表示されている基準全体画像が垂直方向へスクロール表示されるが、かかるスクロール表示を比較全体画像表示部95に表示されている比較全体画像に反映させるようにしてもよい。かかる場合には、マウス60を介して垂直スクロールバー94の位置が変更されることになるが、かかる変更後の垂直スクロールバー94の位置を取得し、これを垂直スクロールバー96の位置として設定し直す。これにより、比較全体画像の垂直方向の動きを、ユーザによりなされた基準全体画像の垂直方向への動きに同期させることができる。
【0063】
またマウス60を介して垂直スクロールバー96が操作された場合には、これを垂直スクロールバー94の動きに反映させるようにしてもよい。
【0064】
このように、本発明を適用した監視システム1では、同一画面上に並べて表示した各画像をスクロールさせるためのスクロールバー93〜96を表示し、マウス60により実行された一の画像に対するスクロールバー93〜96の処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した他の画像をスクロールさせる。これにより、一方の画像につき所望の画像位置へスクロール表示させた場合に、これを他方の画像に反映させることができるため、監視の利便性を向上させることができる。
【0065】
また、この図7に示す例において、画像の表示倍率の拡大又は縮小につき、ズーム指定部97を介して指定された場合には、これに応じて、同一画面上に並べて表示した基準全体画像並びに比較全体画像の表示倍率を同時に変更するようにしてもよい。ズーム指定部97におけるスライドスイッチ98の上下方向への操作を受け付けた場合に、これに応じた画像のズーム処理を、基準全体画像表示部91並びに比較全体画像表示部92に表示されている各全体画像につき同時に実行する。これにより、監視の利便性をさらに向上させることができる。
【0066】
また、この図7に示す例において、基準全体画像表示部91又は比較全体画像表示部92に表示されている何れかの全体画像につき、マウス60を介して表示位置がピンポイントで指定された場合には、同一画面上に並べて表示した各全体画像を当該指定された表示位置へ移動させるようにしてもよい。かかる場合には、基準全体画像表示部91又は比較全体画像表示部92の何れかにつき指定された表示位置を識別し、これを他の双方の全体画像の表示位置となるように移動させることで、監視の利便性を向上させることができる。
【0067】
このように、本発明を適用した監視システム1では、画面90上において基準全体画像と比較全体画像につき、表示位置や表示倍率等を変更させて画像内容の確認する場合に、一方の画像に対して施された表示位置や表示倍率等を変更するための処理動作を、他方の画像に反映させることにより、いわば両画像間でなされる処理動作を互いに連動させることができ、監視の利便性の向上を図ることができる。
【0068】
ちなみに、表示切換部99をマウス60を介してクリックすることにより、比較全体画像表示部92に表示されている比較全体画像のみを画面90上に拡大表示させることができ、詳細を確認することもできる。
【0069】
なお、この監視システム1において、各画像に対して施される処理動作は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の如何なる画像に対する処理動作も含まれる。
【0070】
また、上述した実施の形態では、あくまで基準全体画像と比較全体画像の2枚を画面90上に表示する例につき説明をしたが、これに限定されるものではなく、3枚以上の画像を表示するようにしてもよい。かかる場合には、各タイミングにつき取得された全体画像を時系列で表示するようしてもよい。
【0071】
また、この監視システム1は、パノラマ状の全体画像を構成する各単位画像間で輝度レベルの差異を比較する場合に限定するものではない。即ち、この監視システム1は、撮像された一枚の画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を検出し、その輝度レベルの差異が検出された2枚以上の画像を同一画面上に並べて表示するものであってもよい。換言すれば、上述した同一撮影方向にある単位画像のみを画面90上に並べて表示し、何れか一の単位画像に対して実行された処理動作を、他の単位画像に反映させるものであってもよい。これにより、単位画像のみに焦点をあてて監視を行なう場合においても、その利便性を向上させることが可能となる。
【0072】
また、本発明は、上述した処理をコンピュータに実行させるためのプログラムや、かかるプログラムが記録された記録媒体に適用してもよいことは勿論である。
【0073】
また、本発明では、図8に示すように、輝度レベルの差異の検出結果を上記差異検出枠毎に比較全体画像表示部92に表示してもよい。かかる場合において、差異検出枠(ID−4)における差異の検出結果を枠100内に示すようにしてもよい。ユーザは、かかる比較全体画像表示部92を枠100とともに視認することにより、差異が検出された色付きの差異検出枠については、輝度レベルが具体的にどの程度変化したか容易に識別することができる。また差異が検出されなかった差異検出枠についても、その枠100において検出結果を表示させることにより、色付きの差異検出枠の検出結果との間で容易に比較することもできる。
【0074】
ちなみに、この比較全体画像表示部92では、マウス60によるポインタが合わせられた差異検出枠につき、検出結果が書き込まれた枠100を順次表示させるようにしてもよい。
【0075】
また、これら差異検出枠に検出結果を同時に表示することにより、以下に説明する各種設定時に、これを参照させることもできる。
【0076】
図9は、かかる各種設定を実行する際に表示される設定画面110を示している。この設定画面110は、原色成分毎に輝度レベルの差異を検出する場合につき各種設定を行うためのRGB設定部111と、差異検出枠の分割数並びに形状を選択するための選択部114と、輝度レベルの差異を比較する際に用いる上述の閾値を設定するための閾値設定部115と、画面を照明する光源を選択するための光源選択部116とにより構成されている。
【0077】
RGB設定部111には、R,G,Bの原色成分の何れかを選択するためのチェック項目が設けられている。ユーザは、R,G,Bの原色成分のうち、いかなる原色成分に基づいて輝度レベルの差異を検出するかを決定した場合には、当該決定した原色成分のチェック項目のみに対し、マウス60を用いてチェックを入れる。例えば原色成分としてR(赤)を選択する場合には、RGB設定部111における“Red”のチェック項目にチェックを入れることにより、輝度レベルの差異は、原色成分としてのR(赤)毎に比較されることになる。
【0078】
即ち、R,G,B毎に単独で差異を検出することにより、実際に表示画面45上において表示される比較全体画像において、視覚的に検出することが不可能な微小な状況変化までも高精度に検出することができる。
【0079】
なお、原色成分の全てを使用する場合には、ユーザは、このRGB設定部111に関しては、R,G,Bの全てにつきチェックを入れるように設定することになる。
【0080】
選択部114は、差異検出枠をブロック単位で設定するための入力項目が設けられている。この入力項目において、例えば図9に示すようにXにつき2が、Yにつき3が入力された場合には、図10に示すようなX方向につき2ブロック、Y方向につき3ブロックで構成される縦長の差異検出枠が設定されることになる。即ち、この選択部114においてX、Yを設定することにより、差異検出枠がX方向、Y方向につき入力された数に応じて分割されることになる。即ち、この選択部114においては、差異検出枠のサイズ、形状に加えて、差異検出枠の分割数、換言すれば差異検出枠をいかなる数のブロックで構成するかにつき、設定することができる。
【0081】
ちなみに、分割されたブロック毎に差異検出結果が平均化されることになるため、この差異検出枠の分割数を適度に設定することにより、画像に生じたノイズを軽減させることも可能となる。特にナイトショット等で撮影した時や、カメラ部4の設定においてゲインを上げた時には、得られる画像につきノイズがかなり発生するため、差異検出枠の分割数を減らすことにより、輝度レベルを比較する画像間の各ノイズ情報を平均化し、より正確な差異検出を行うことが可能となる。また、輝度レベルの比較を望む対象や場所に応じて、この選択部114における設定値を変えることにより、差異検出枠の形状をより最適化することで、正確な差異検出を行うことが可能となる。
【0082】
閾値設定部115は、差異検出を行う画素数や色情報に応じて、ユーザ自身が閾値を適宜変更することができるように設けられたものである。この閾値設定部115では、上記設定した差異検出枠毎に異なる閾値を設定するようにしてもよいし、また原色成分毎に異なる閾値を設定するようにしてもよい。
【0083】
光源選択部116は、比較する画像の周囲の明るさ等に応じてユーザ自身がディスプレイ6上の画面の照明方法を選択できるようにするために設けられたものである。この光源選択部116において、“Regularity”が選択された場合には、CPU56は、通常の方法でディスプレイ上の画面を照明するように制御する。これに対して、“Random”が選択された場合には、CPU56は、ディスプレイ6上の画面につきランダムな位置を照明するように制御する。この光源選択部116では、比較する画像の周囲の明るさが同じ場合に、“Regularity”が選択され、また比較する画像の周囲の明るさが異なる場合に、“Random”が選択されることにより、ディスプレイ6上の視認性を向上させることができる。
【0084】
次に、上述の如き設定画面110を介した各種設定例につき説明をする。
【0085】
先ず、駐車場における車の駐車状態を夜間監視する場合には、周囲の明るさは、比較全体画像と基準全体画像間で互いに同等であるため、光源選択部は“Regularity”に設定する。また画像の比較時において、R,G,Bの各原色成分を使用することからRGB設定部111は、全ての原色成分につきチェックする。また選択部114では、差異検出枠があまりに大きいと、同一の差異検出枠内において複数の車が入ることになり、監視の実効が保てなくなることから、例えばXにつき2、Yにつき3となるように設定を行う。また閾値設定部115についても、駐車場の輝度レベルと車の輝度レベルを参照しつつ、最適な値となるように設定を行う。
【0086】
また、映画館における観客の着席状態を監視する場合には、周囲の明るさは、比較全体画像と基準全体画像間で互いに異なるため、光源選択部は“Random”に設定する。また画像の比較時において、R,G,Bの各原色成分を使用することからRGB設定部111は、全ての原色成分につきチェックする。また選択部114では、差異検出枠があまりに縦長であると、同一の差異検出枠内において、監視対象の座席に着席している観客に加えて、その前列或いは後列の座席に着席している観客も入ることになり、監視の実効が保てなくなることから、例えばXにつき10、Yにつき1となるように設定を行う。また閾値設定部115についても、座席の輝度レベルと観客の輝度レベルを参照しつつ、最適な値となるように設定を行う。
【0087】
このように、本発明を適用した監視システム1では、上述の如くユーザが監視方法の詳細を任意に設定することができるため、監視環境に応じてより正確な差異検出を行うことができ、監視の実効性を高めることが可能となる。特にユーザは、枠100に記載されている以前の検出結果を参照することもできるため、監視方法の設定を容易に実行することも可能となる。また、これら画像を監視する際に、上述の如く基準全体画像と比較全体画像間で処理動作を互いに連動させることにより、より精度の高い監視を、より利便性を高めつつ実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明を適用した監視システムの構成を示す図である。
【図2】本発明を適用した監視システムの構成につき更に説明するための図である。
【図3】カメラユニット,監視装置のブロック構成図である。
【図4】カメラユニットにより、黒枠で示される撮影範囲内を撮影画角uで撮像する場合について説明するための図である。
【図5】ディスプレイ上の表示画面の構成例を示す図である。
【図6】本発明を適用した監視システムの動作について説明するための図である。
【図7】生成した全体画像を時系列に同一画面上に並べて表示する例につき説明するための図である。
【図8】輝度レベルの差異の検出結果を差異検出枠毎に比較全体画像表示部に表示する例を示す図である。
【図9】各種設定を実行する際に表示される設定画面につき説明するための図である。
【図10】X方向につき2ブロック、Y方向につき3ブロックで構成される縦長の差異検出枠を設定する例につき示す図である。
【図11】現在表示されている画像において、輝度レベルの差異が検出された枠につきマーキングして表示する例につき説明するための図である。
【符号の説明】
【0089】
1 監視システム、2 カメラユニット、3 パンチルタ部、4 カメラ部、5 監視装置、6 ディスプレイ、8 ネットワーク、9 端末装置、10 端末ディスプレイ、22 レンズ部、23 レンズ制御部、24 撮像部、25 IEEE1394インターフェース、28 GPS受信部、29 メタデータ生成部、51 バッファメモリ、52 エンコーダ、53 サーバ、54 画像圧縮部、55 グラフィックコントローラ、56 CPU、58 I/Oポート、59 キーボード、60 マウス
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視装置及び方法、プログラム並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一つの建物の中に複数のスクリーンを設置したいわゆるシネマコンプレックスと呼ばれる複合映画館が各地でオープンしている。この複合映画館において観客が持参した入場券を確認する担当者は、通常、建物の入口付近に配置されているが、各スクリーンが設置された映写室毎には配置されていない場合が多い。このため、館内に入場した観客による映写室間の自由な出入りを許すことになり、特に映写室毎に別途入場料金を課す料金体系を採用する複合映画館において極めて不合理となる。
【0003】
従って各複合映画館では、入場料金を払うことなく映写室間を自由に出入りする観客を随時監視すべく監視員の増員等を図らんとしてきたが、コストパフォーマンス性が悪かった。
【0004】
また各複合映画館では、各座席に設置されたスイッチを介して、着席状況の自動的な判別を試みようとしてきた。この方法では、上記スイッチを、押圧入力により電気信号を生成する圧電素子として構成し、観客の着席に応じた押圧入力により生成された電気信号を後段のシステムで検出することにより着席状況を自動的に判別する。しかしながら、各映写室の座席数に応じたスイッチを購入し、これを座席毎に設置する必要があるため、コストや労力の削減を図ることができなかった。また圧電素子としてのスイッチの信頼性にばらつきがあるため、着席状況を精度よく判別することができなかった。
【0005】
このため、信頼性が高くコストパフォーマンス性にも優れた監視を実現するために、カメラの撮影方向を順にシフトさせながら撮影対象を撮影し、これらを合成してパノラマ画像を得ることにより、広範囲の状況を監視することができるモニタリングシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、設置された複数の監視用ビデオカメラから監視映像を集めてビデオテープ等の記録媒体に記録し、監視を行うことを可能とする集中監視記録システムも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−108163号公報
【特許文献2】特開2000−243062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の如く記録媒体に記録された画像を利用して、撮影範囲における何らかの変化を検出する場合に、監視員は、1スキャン毎に刻々と入力される監視画像の状況を隅々まで観察しなければならなかった。特に監視員は、細かい画像の変化や、微小な対象物の出現等につき常に識別しなければならず、過大な労力や時間を必要とし、さらには、かかる監視員の眼に依存するシステムであるが故に、かかる状況変化の見落としが生じる危険性もあった。
【0008】
また、撮影範囲を撮像することにより生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある画像との間で輝度レベルの差異を比較し、かかる輝度レベルにつき差異が生じた場合に、撮影範囲に何らかの変化が生じたものとして監視員に注意を喚起する監視方法も提案されている。この監視方法によれば、注意喚起された場合に初めてその詳細につき画像を介して確認すれば足りるため、監視労力を大幅に低減させることができる。
【0009】
しかしながら、この監視方法では、図11に示すように、現在表示されている画像において、輝度レベルの差異が検出された枠101につきマーキングして表示することになる。枠101が設定された領域につき、先に撮像された同一撮影方向上にある画像から確認するためには、現在表示されている画像からの切り替え処理を実行する必要があるところ、ユーザの労力の軽減を図ることができない。また両画像を並べてこれを直接的に対比する対比監視ができないために、ユーザ自身がかかる差異の原因を効率よく識別することができないという問題点もあった。
【0010】
さらにこれら両画像を並べて対比監視するときに、画像の表示位置や表示倍率等を変更させて画像内容の確認を望む場合もある。かかる場合において、一方の画像に対して施された表示位置や表示倍率等を変更するための処理動作を、他方の画像に反映させることにより、監視の利便性の向上を図る必要もある。
【0011】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する際に、監視員の労力の負担を軽減しつつ、監視の利便性を向上させた監視装置及び方法、プログラム、記録媒体並びに監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る監視装置は、上述した課題を解決するために、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視装置において、生成された画像と当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出手段と、差異検出手段により検出された輝度レベルの差異を予め設定された閾値と比較する比較手段と、差異検出手段により輝度レベルの差異が検出された2枚以上の画像を同一画面上に並べて表示するとともに比較手段による比較結果に応じて表示すべき上記画像につき差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示手段と、表示手段により表示されている何れか一の画像に対して処理動作を実行するための操作手段とを備え、表示手段は、上記操作手段により実行された一の画像に対する処理動作を同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させる。
【0013】
本発明に係る監視方法は、上述した課題を解決するために、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視方法において、生成された画像と当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を予め設定された閾値と比較する比較ステップと、差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに比較ステップにおける比較結果に応じて表示すべき画像につき差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作を実行させるための操作ステップとを有し、表示ステップでは、上記操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させる。
【0014】
本発明に係るプログラムは、上述した課題を解決するために、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、生成された画像と当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を予め設定された閾値と比較する比較ステップと、差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに比較ステップにおける比較結果に応じて表示すべき画像につき差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行される操作ステップとを有し、表示ステップでは、操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させることをコンピュータに実行させる。
【0015】
本発明に係る記録媒体は、上述した課題を解決するために、撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体において、生成された画像と当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を予め設定された閾値と比較する比較ステップと、差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに比較ステップにおける比較結果に応じて表示すべき画像につき差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行される操作ステップとを有し、表示ステップでは、操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させることをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、異なる時刻に撮影された同一撮影方向にある複数の画像を並べてこれを直接的に対比するいわゆる対比監視を行なうことができるため、従来と比較して表示画像を随時切り換える必要がなくなり、ユーザの労力の軽減を図ることができる。また、この対比監視を可能とする本発明では、ユーザ自身が輝度レベルの差異の原因を効率よく識別することができる。さらに、本発明では、画面上において表示した各画像につき、一方の画像に対して施された処理動作を、他方の画像に反映させることにより、監視の利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本発明を適用した監視システム1は、例えば図1に示すように、被写体を撮像して画像信号を生成するカメラユニット2と、上記画像信号が伝送される監視装置5と、監視装置5に接続されるディスプレイ6と、複数のユーザがアプリケーションを実行するための端末装置9と、端末装置9に接続される端末ディスプレイ10と、カメラユニット2並びに監視装置5,端末装置9間で双方向通信を実現するためのネットワーク8とを備えている。
【0018】
この監視システム1におけるカメラユニット2は、図2に示すように、パンチルタ部3と、カメラ部4とが一体的に構成されてなる。パンチルタ部3は、例えばパン、チルトの2軸につき撮影方向を自在に変更するための回転台として構成される。
【0019】
カメラ部4は、パンチルタ部3を構成する回転台上に配設され、監視装置5による制御に応じて、撮影方向を水平方向或いは垂直方向に調整しつつ、被写体を撮像する。またこのカメラ部4は、監視装置5による制御に応じて、撮影画角を順次変更することにより、撮影倍率を拡大又は縮小して被写体を撮像する。このカメラ部4を一の監視装置5に対して複数設置することにより、同一の被写体につき、互いに異なる撮影角度で撮像することができ、多面的な画像情報を得ることも可能となる。
【0020】
監視装置5は、図2に示すように、カメラユニット2より伝送された画像信号に所定の処理を施す画像入出力部13と、この画像入出力部13に接続され、上記画像信号に基づく動画像を生成する演算処理部15と、演算処理部15に接続され上記画像信号を記録するサーバ53と、ユーザが監視装置5を制御するための操作部16とを備えている。
【0021】
この監視装置5は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器により構成され、カメラユニット2から伝送される画像信号を記録し、また記録した画像信号につきディスプレイ6を介してユーザに表示する。またこの監視装置5は、ユーザから所望の画像領域又は画像位置が指定された場合には、記録した画像信号の中から最適なものを選択してこれを表示するように制御する。この監視装置5は、このネットワーク8全体を制御するためのいわゆる中央制御装置としての役割も担い、他の端末装置9からの要求に応じて画像を送信する。なお監視装置5の構成の詳細については、後述する。
【0022】
ネットワーク8は、例えば監視装置5と電話回線を介して接続されるインターネット網を始め、TA/モデムと接続されるISDN(Integrated Services Digital Network)/B(broadband)−ISDN等のように、情報の双方向送受信を可能とした公衆通信網である。ちなみにこの監視システム1を、一定の狭いエリア内で運用する場合には、このネットワーク8を、LAN(Local Area Network)で構成してもよい。さらにこのネットワーク8は、静止画像に加えてMPEG画像をも送信できるようにしてもよい。かかる場合には、インターネットプロトコル(IP)に基づき、MPEGデータがある一つのチャネルから継続的に送信され、静止画像データは別のチャネルから一定時間毎に送信されることになる。
【0023】
端末装置9は、各家庭や企業等に待機するユーザがネットワーク8を介して監視装置5から画像を取得し、所望の処理を実行するためのPCである。複数の端末装置9をネットワーク8に接続することにより、複数のユーザに対してこの監視システム1のアプリケーションを同時に提供することが可能となる。この端末装置9は、監視装置5から取得した画像を、端末ディスプレイ10に対して表示する。またこの端末装置9は、ユーザによる指定操作に応じて要求信号を生成し、これを監視装置5に対して送信する。なお端末装置9のブロック構成については、後述する監視装置5の構成を引用し、説明を省略する。
【0024】
次に、本発明を適用した監視システム1におけるカメラユニット2,監視装置5について詳細に説明する。
【0025】
図3は、カメラユニット2,監視装置5の詳細な構成を示している。この図2では、共通のコントローラバス21に対して、カメラユニット2並びに監視装置5の各構成要素が接続されている。
【0026】
カメラユニット2を構成するパンチルタ部3は、撮像方向を変更するための回転台を制御するTilt部3a、Pan部3bとを有する。また、カメラユニット2を構成するカメラ部4は、主としてレンズ部22の画角を変更するためのレンズ制御部23と、レンズ部22の光軸に直交する位置に配設される撮像部24と、撮像部24により生成された画像信号を画像入出力部13へ送信するためのIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394インターフェース25と、カメラユニット2の現在位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信部28と、GPS受信部28に装着されるメタデータ生成部29とを備えている。ちなみに、IEEE1394インターフェース25は、イーサネット(登録商標)に代替してもよい。
【0027】
また画像入出力部13は、IEEE1394インターフェース25に接続されるバッファメモリ51と、バッファメモリ51に接続されるエンコーダ52とを備えている。
【0028】
また演算処理部15は、サーバ53から読み出された画像を圧縮するための画像圧縮部54と、サーバ53及び画像圧縮部54に接続され、ディスプレイ6上に表示する画像を作り出すグラフィックコントローラ55と、コントローラバス21を介して各部を制御するためのCPU56と、I/Oポート58にそれぞれ接続されるメモリカード61並びに時計62とを備えている。
【0029】
また操作部16は、ディスプレイ6上に表示されている画像からユーザが所望の画像領域、画像位置を指定するためのキーボード59並びにマウス60を備えている。
【0030】
Tilt部3a並びにPan部3bは、CPU56からの駆動信号に基づき、回転台の駆動源として構成されているステッピングモータを回転させる。これにより回転台上に載置されてなるカメラ部4の撮影方向を水平方向、或いは垂直方向に変更することができる。
【0031】
レンズ制御部23は、CPU56からの駆動信号に基づき、レンズ部22に対して自動絞り制御動作や自動焦点制御動作を実行する。またこのレンズ制御部23は、かかる駆動信号に基づき、被写体に対する撮影画角を変更する。これにより、カメラ部4は、撮影倍率を順次調整して被写体を撮像することも可能となる。
【0032】
撮像部24は、例えばCCD(Charge Coupled Device )等の固体撮像素子により構成され、レンズ部22を介して入射される被写体像を撮像面上に結像させ、光電変換により画像信号を生成し、これをIEEE1394インターフェース25へ送信する。
【0033】
GPS受信部28は、GPSシステムにより送出される信号に基づき、カメラユニット2の設置場所や撮影方向を検出する。このGPS受信部28を設けることにより、特に複数のカメラユニット2を設置する場合において、双方の撮影方向を連動して制御することが可能となる。GPS受信部28からの出力信号は、メタデータ生成部29に供給され、GPSによる測位結果に基づく、緯度、経度、方位、高度等の位置情報、並びに時刻や各種パラメータ等からなるメタデータが生成される。メタデータ生成部29は、この生成した位置情報やメタデータをエンコーダ52へ供給する。なお本発明では、このGPS受信部28、メタデータ生成部29の構成を省略してもよい。
【0034】
バッファメモリ51は、CPU56からの制御信号に基づき、IEEE1394インターフェース25から供給される画像信号を一時的に格納する。このバッファメモリ51において一時的に格納された画像信号は、エンコーダ52に供給され、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の規格に基づいて圧縮符号化される。ちなみに、このエンコーダ52は、圧縮符号化する画像信号に対して、メタデータ生成部29から供給される位置情報やメタデータを付加してもよい。エンコーダ52は、圧縮符号化した画像信号をサーバ53或いは画像圧縮部54へ出力する。なお供給される画像信号につき、圧縮符号化を行わない場合には、このエンコーダ52における処理は省略される。
【0035】
サーバ53は、エンコーダ52から出力される画像信号を位置情報やメタデータと関連付けて順次記録する。ちなみに、このサーバ53は、例えばハードディスクや、着脱自在なディスク状記録媒体に代替してもよい。サーバ53に記録された画像信号は、CPU56による制御に基づき、画像圧縮部54やグラフィックコントローラ55へ読み出される。なおサーバ53に記録される画像信号をメモリカード61へ記録するように制御することにより、ユーザは、かかる撮像した画像を他のPCへ移し換えることも可能となる。また、このサーバ53に記録されている画像信号を上述した図示しないネットワークサーバに記録するように制御することにより、サーバ53を図示しないネットワークサーバに代替することも可能となる。
【0036】
画像圧縮部54は、サーバ53から読み出したJPEG形式の画像信号につき、それぞれ圧縮画像又はサムネイル画像を生成する。また、この画像圧縮部54は、CPU56による制御に従い、サーバ53に記録されている画像を読み出して、動画像を生成する。ちなみにこの動画像を生成する際の圧縮方法としては、例えばMPEG、Motion−JPEG、Motion−JPEG2000等に基づき実行してもよい。
【0037】
グラフィックコントローラ55は、サーバ53から読み出した画像信号、又は画像圧縮部54から出力される画像信号に基づき、ディスプレイ6への絵画処理を実行する。また、このグラフィックコントローラ55は、CPU56による制御に基づき、ディスプレイ6におけるコントラスト、輝度の制御を実行する。
【0038】
CPU56は、ユーザによりキーボード59やマウス60を介して画像領域、画像位置が指定された場合に、パンチルタ部3やレンズ制御部23を駆動するための駆動信号や、監視装置5内の各部を制御するための制御信号を、コントローラバス21を介して送信する。また、このCPU56は、端末装置9から所定の要求信号を受けて、サーバ53に記録されている最適な静止画像、動画像、或いは各種情報を選択し、これを当該端末装置9へ送信するように制御する。
【0039】
次に本発明を適用した監視システム1における撮像動作について説明をする。
【0040】
図4は、カメラユニット2により、黒枠で示される撮影範囲内を撮影画角uで撮像する場合について示している。撮影範囲を撮影画角uで全て撮像するためには、撮影方向を水平方向又は垂直方向へ順にシフトさせて撮像する必要がある。仮に撮影範囲のサイズが、任意の撮影画角uで撮像することにより得られるフレーム(以下、単位画像という。)のサイズのi×j倍で表せるときには、少なくともi×j通りの撮影方向を設定する必要がある。この撮影画角uで撮像したi×j個の単位画像を貼り合わせることにより撮影範囲全体を表した全体画像を合成することができる。
【0041】
ここで、撮影範囲の各単位画像の座標(M,N)を、水平方向につき、左端から順に1、2、・・M・、iとし、垂直方向につき上端から順に1、2、・・N・、jとしたとき、CPU56は、Tilt部3a並びにPan部3bに対して駆動信号を送信することにより、カメラ部4の撮影方向を、先ず左上に位置する座標(1,1)に合わせて撮像を実行させる。この座標(1,1)について撮像することにより生成された単位画像に基づく画像信号は、バッファメモリ51に一時的に格納され、エンコーダ52において、JPEG規格に基づいて圧縮符号化される。そしてこの画像信号は、GPS28から送信される撮影方向等を示す位置情報やメタデータが同時に付加され、サーバ53に記録される。
【0042】
同様にCPU56は、Tilt部3a並びにPan部3bに対して駆動信号を送信することにより、カメラ部4の撮影方向を、右側に1画枠分シフトさせて座標(2,1)に合わせて撮像を実行する。この座標(2,1)について撮像することにより生成された画像信号も同様にサーバ53へ記録される。CPU56による制御に基づき、カメラ部4は、撮影方向を座標(3,1)、(4,1)・・(i,1)と水平方向へ順次変更させて撮像を実行する。
【0043】
カメラ部4は、1列目の撮像を終了させた後、CPU56による制御に基づき、撮影方向を2列目の座標(1,2)に調整して撮像を実行し、その後、水平方向へ順次シフトさせながら撮像を実行する。かかる動作を繰り返して座標(i,j)まで撮像を終了させた時、サーバ53は、座標毎に撮像したi×j個の単位画像に基づく画像信号が記録されている状態になる。
【0044】
ちなみに、このサーバ53に記録されている各単位画像に基づく画像信号は、画像圧縮部54により順次読み出されて、ディスプレイ6の表示画面のサイズに適合するように縮小される。この縮小された各単位画像は、グラフィックコントローラ15を経てディスプレイ6に表示される。サーバ53に記録されたi×j個の単位画像を全てディスプレイ6に表示させることにより、1枚のパノラマ状の全体画像(パノラマ画像)が合成されることになる。上述の撮像動作を一定の間隔で実行することにより、撮影範囲の最新の状況を示す全体画像を取得することが可能となる。
【0045】
図5は、撮像したi×j個の単位画像を貼り合わせることにより合成した全体画像を、ディスプレイ6の全体画像表示部70に表示する例を示している。なお、この監視装置5は、全体画像表示部70に対して、全体画像を構成する各単位画像間の境界を表示させてもよいし、シームレスな全体画像のみを表示させてもよい。また監視装置5は、パノラマ状の全体画像の代替として、撮影範囲全体を捉えることができる撮影画角で撮影した1枚の全体画像を、この全体画像表示部70に表示させてもよい。
【0046】
ちなみに表示画面45には、単位画像を拡大した拡大画像を表示するための拡大画像表示部71がさらに設けられている。この拡大画像表示部71は、全体画像表示部70に表示される全体画像を構成する単位画像のうち、ユーザにより指定された一の単位画像を拡大して表示してもよいし、またかかる一の単位画像の撮影方向につき、動画を順次表示してもよい。これによりユーザは、指定した単位画像における撮影方向の状況につき、リアルタイムに確認することもできる。
【0047】
ユーザは、全体画像表示部70や拡大画像表示部71に対して、キーボード59やマウス60を用いて、所望の画像領域、画像位置を指定することができる。なお、各表示部70,71には、マウス60等の動きに連動させて上述の指定操作を実行するための照準線やポインタをさらに表示させてもよい。
【0048】
また表示画面45上においてマウス60を介した入力動作を実行することにより、拡大画像表示部71に表示されている単位画像につき撮影倍率を拡大又は縮小させ、カメラ部4の撮影方向を水平、垂直方向において調整するための撮影方向制御、各種モードの設定を行うことができる。ちなみに、全体画像表示部70において表示される全体画像の履歴は、履歴表示部81を介して表示され、全体画像表示部70に表示される全体画像の濃淡については、濃淡表示部82を介して表示される。また拡大画像表示部71に表示されている単位画像につき変更された撮影倍率は、倍率表示部83を介して表示される。
【0049】
また、この表示画面45上に表示されている差異検出ボタン84がマウス60を介してクリックされると、生成された全体画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異が検出される。
【0050】
この差異検出は、サーバ53に記録されている単位画像から構成される全体画像につき、基準となる全体画像との間で輝度レベルを比較することにより実行する。ここで画像上の差異を検出する全体画像を比較全体画像といい、基準となる全体画像を基準全体画像という。
【0051】
図6(a)に示すように、基準全体画像を全体画像a1とした場合において、比較全体画像としての全体画像a2につき画像上に生じた差異を検出する場合には、全体画像a2を構成する単位画像と、全体画像a1を構成する単位画像との間で輝度レベルを比較する。この輝度レベルの比較は、図6(a)に示すように、同一座標(1,1)、(2,1)、(3,1)、・・・、(M,N)にある単位画像間で、換言すれば同一撮影方向にある単位画像間で実行する。これにより、基準全体画像に対する比較全体画像の輝度レベルの変化を、各撮影方向に応じて検出することができる。
【0052】
CPU56は、比較全体画像(全体画像a2)と基準全体画像(全体画像a1)との間で、例えば座標(M,N)にある単位画像の輝度レベルを比較する場合には、先ず、これら二つの単位画像をサーバ53から読み出す。次にCPU56は、例えば図6(b)に示すように、読み出した二つの単位画像間において同一位置にある各画素(m,n)につき輝度レベルを比較する。この輝度レベルの比較は、同一位置にある画素(m,n)につき、輝度レベルの差分を求めるようにしてもよい。CPU56は、読み出した単位画像間の輝度レベルの差異を、各画素につき求めた輝度レベルの差分値を介して検出することができる。ちなみに、この各画素間の輝度レベルの比較は、単位画像を構成する全ての画素につき実行してもよいし、単位画像を構成する一部の画素のみに対して実行するようにしてもよい。
【0053】
ちなみに、本発明では、比較全体画像を構成する一部の単位画像のみについて、上述の如く輝度レベルを比較してもよい。このときユーザは、マウス60等を用いて、所望の単位画像を指定することにより、かかる指定された単位画像のみにつき輝度レベルの差異を検出することが可能となる。
【0054】
なお、次のタイミングにおいてサーバ53に全体画像a3を構成する単位画像が記録された場合には、当該全体画像a3が比較全体画像となり、基準全体画像としての全体画像a2の間で、同一撮影方向における単位画像間で差異が検出されることになる。さらに次のタイミングにおいて、サーバ53に全体画像a4を構成する単位画像が記録された場合には、当該全体画像a4が比較全体画像となり、基準全体画像としての全体画像a3の間で、同一撮影方向における単位画像間で差異が検出されることになる。
【0055】
上述の如く輝度レベルの差異が比較されるに基準全体画像と比較全体画像は、ディスプレイ6の画面90上において、図7に示すように並べて表示してもよい。この画面90では、より以前に撮像された基準全体画像を表示するための基準画像表示部91と、より直近に撮像された比較全体画像を表示するための比較全体画像表示部92と、基準全体画像表示部91に表示されている基準全体画像を水平方向にスクロールさせるための水平スクロールバー93と、この基準全体画像を垂直方向へスクロールさせるための垂直スクロールバー94と、比較全体画像表示部92に表示されている比較全体画像を水平方向にスクロールさせるための水平スクロールバー95と、比較全体画像を垂直方向へスクロールさせるための垂直スクロールバー96と、各画像を拡大又は縮小させるためのズーム指定部97と、表示切換指定部99により構成されている。
【0056】
また、この図7に示す例において、空席状態の基準全体画像並びに比較全体画像の同一位置に対して差異検出枠(ID−1〜ID−4)が設定されている。この差異検出枠については任意に設定することができ、例えば指定席についてのみ着席状況を監視する場合には、かかる指定席のみに差異検出枠を設定するようにしてもよい。
【0057】
表示画面45上に表示されている差異検出ボタン84がマウス60を介してクリックされると、基準全体画像と比較全体画像との間で、かかる差異検出枠を構成する画素における輝度レベルの差異が抽出される。求められた輝度レベルの差異は、予め設定された閾値と比較され、その閾値を超える場合にその差異検出枠において輝度レベルの差異が生じたものと判断し、図7に示すように色付き表示することで、ユーザに対して注意を促す。ちなみに、輝度レベルの差異が生じた差異検出枠については、所定の情報が付加されていれば、色付き表示を行う場合に限定されるものではない。
【0058】
ユーザは、ディスプレイ6上に表示されている色付きの差異検出枠を視認することにより、差異が生じた箇所を容易に識別することができる。また、基準全体画像並びに比較全体画像は、同一画面上において互いに並べて表示されるため、差異が検出された画像領域につき、輝度レベルが具体的にどのように変化したのかをユーザ自身が容易に識別することができ、また両画像間において何らかの動きが生じた結果、輝度レベルが変化した場合には、かかる動きの対象物や要因を効率よく解析することができる。
【0059】
即ち、本発明を適用した監視システム1では、異なる時刻に撮影された同一撮影方向にある複数の画像を並べてこれを直接的に対比するいわゆる対比監視を行なうことができるため、従来と比較して表示画像を随時切り換える必要がなくなり、ユーザの労力の軽減を図ることができる。また、この対比監視を可能とする監視システム1では、ユーザ自身が輝度レベルの差異の原因を効率よく識別することができる。
【0060】
なお、この図7に示す例において、マウス60を介して水平スクロールバー93が操作され、基準全体画像表示部91に表示されている基準全体画像が水平方向へスクロール表示されるが、かかるスクロール表示を比較全体画像表示部95に表示されている比較全体画像に反映させるようにしてもよい。かかる場合には、マウス60を介して水平スクロールバー93の位置が変更されることになるが、かかる変更後の水平スクロールバー93の位置を取得し、これを水平スクロールバー95の位置として設定し直す。これにより、比較全体画像の水平方向の動きを、ユーザによりなされた基準全体画像の水平方向への動きに同期させることができ、違和感も解消することができる。
【0061】
またマウス60を介して水平スクロールバー95が操作された場合には、これを水平スクロールバー93の動きに反映させるようにしてもよい。これにより、ユーザにより指示された比較全体画像の動きを、基準全体画像の動きに反映させることができる。
【0062】
同様に、マウス60を介して垂直スクロールバー94が操作され、基準全体画像表示部91に表示されている基準全体画像が垂直方向へスクロール表示されるが、かかるスクロール表示を比較全体画像表示部95に表示されている比較全体画像に反映させるようにしてもよい。かかる場合には、マウス60を介して垂直スクロールバー94の位置が変更されることになるが、かかる変更後の垂直スクロールバー94の位置を取得し、これを垂直スクロールバー96の位置として設定し直す。これにより、比較全体画像の垂直方向の動きを、ユーザによりなされた基準全体画像の垂直方向への動きに同期させることができる。
【0063】
またマウス60を介して垂直スクロールバー96が操作された場合には、これを垂直スクロールバー94の動きに反映させるようにしてもよい。
【0064】
このように、本発明を適用した監視システム1では、同一画面上に並べて表示した各画像をスクロールさせるためのスクロールバー93〜96を表示し、マウス60により実行された一の画像に対するスクロールバー93〜96の処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した他の画像をスクロールさせる。これにより、一方の画像につき所望の画像位置へスクロール表示させた場合に、これを他方の画像に反映させることができるため、監視の利便性を向上させることができる。
【0065】
また、この図7に示す例において、画像の表示倍率の拡大又は縮小につき、ズーム指定部97を介して指定された場合には、これに応じて、同一画面上に並べて表示した基準全体画像並びに比較全体画像の表示倍率を同時に変更するようにしてもよい。ズーム指定部97におけるスライドスイッチ98の上下方向への操作を受け付けた場合に、これに応じた画像のズーム処理を、基準全体画像表示部91並びに比較全体画像表示部92に表示されている各全体画像につき同時に実行する。これにより、監視の利便性をさらに向上させることができる。
【0066】
また、この図7に示す例において、基準全体画像表示部91又は比較全体画像表示部92に表示されている何れかの全体画像につき、マウス60を介して表示位置がピンポイントで指定された場合には、同一画面上に並べて表示した各全体画像を当該指定された表示位置へ移動させるようにしてもよい。かかる場合には、基準全体画像表示部91又は比較全体画像表示部92の何れかにつき指定された表示位置を識別し、これを他の双方の全体画像の表示位置となるように移動させることで、監視の利便性を向上させることができる。
【0067】
このように、本発明を適用した監視システム1では、画面90上において基準全体画像と比較全体画像につき、表示位置や表示倍率等を変更させて画像内容の確認する場合に、一方の画像に対して施された表示位置や表示倍率等を変更するための処理動作を、他方の画像に反映させることにより、いわば両画像間でなされる処理動作を互いに連動させることができ、監視の利便性の向上を図ることができる。
【0068】
ちなみに、表示切換部99をマウス60を介してクリックすることにより、比較全体画像表示部92に表示されている比較全体画像のみを画面90上に拡大表示させることができ、詳細を確認することもできる。
【0069】
なお、この監視システム1において、各画像に対して施される処理動作は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の如何なる画像に対する処理動作も含まれる。
【0070】
また、上述した実施の形態では、あくまで基準全体画像と比較全体画像の2枚を画面90上に表示する例につき説明をしたが、これに限定されるものではなく、3枚以上の画像を表示するようにしてもよい。かかる場合には、各タイミングにつき取得された全体画像を時系列で表示するようしてもよい。
【0071】
また、この監視システム1は、パノラマ状の全体画像を構成する各単位画像間で輝度レベルの差異を比較する場合に限定するものではない。即ち、この監視システム1は、撮像された一枚の画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を検出し、その輝度レベルの差異が検出された2枚以上の画像を同一画面上に並べて表示するものであってもよい。換言すれば、上述した同一撮影方向にある単位画像のみを画面90上に並べて表示し、何れか一の単位画像に対して実行された処理動作を、他の単位画像に反映させるものであってもよい。これにより、単位画像のみに焦点をあてて監視を行なう場合においても、その利便性を向上させることが可能となる。
【0072】
また、本発明は、上述した処理をコンピュータに実行させるためのプログラムや、かかるプログラムが記録された記録媒体に適用してもよいことは勿論である。
【0073】
また、本発明では、図8に示すように、輝度レベルの差異の検出結果を上記差異検出枠毎に比較全体画像表示部92に表示してもよい。かかる場合において、差異検出枠(ID−4)における差異の検出結果を枠100内に示すようにしてもよい。ユーザは、かかる比較全体画像表示部92を枠100とともに視認することにより、差異が検出された色付きの差異検出枠については、輝度レベルが具体的にどの程度変化したか容易に識別することができる。また差異が検出されなかった差異検出枠についても、その枠100において検出結果を表示させることにより、色付きの差異検出枠の検出結果との間で容易に比較することもできる。
【0074】
ちなみに、この比較全体画像表示部92では、マウス60によるポインタが合わせられた差異検出枠につき、検出結果が書き込まれた枠100を順次表示させるようにしてもよい。
【0075】
また、これら差異検出枠に検出結果を同時に表示することにより、以下に説明する各種設定時に、これを参照させることもできる。
【0076】
図9は、かかる各種設定を実行する際に表示される設定画面110を示している。この設定画面110は、原色成分毎に輝度レベルの差異を検出する場合につき各種設定を行うためのRGB設定部111と、差異検出枠の分割数並びに形状を選択するための選択部114と、輝度レベルの差異を比較する際に用いる上述の閾値を設定するための閾値設定部115と、画面を照明する光源を選択するための光源選択部116とにより構成されている。
【0077】
RGB設定部111には、R,G,Bの原色成分の何れかを選択するためのチェック項目が設けられている。ユーザは、R,G,Bの原色成分のうち、いかなる原色成分に基づいて輝度レベルの差異を検出するかを決定した場合には、当該決定した原色成分のチェック項目のみに対し、マウス60を用いてチェックを入れる。例えば原色成分としてR(赤)を選択する場合には、RGB設定部111における“Red”のチェック項目にチェックを入れることにより、輝度レベルの差異は、原色成分としてのR(赤)毎に比較されることになる。
【0078】
即ち、R,G,B毎に単独で差異を検出することにより、実際に表示画面45上において表示される比較全体画像において、視覚的に検出することが不可能な微小な状況変化までも高精度に検出することができる。
【0079】
なお、原色成分の全てを使用する場合には、ユーザは、このRGB設定部111に関しては、R,G,Bの全てにつきチェックを入れるように設定することになる。
【0080】
選択部114は、差異検出枠をブロック単位で設定するための入力項目が設けられている。この入力項目において、例えば図9に示すようにXにつき2が、Yにつき3が入力された場合には、図10に示すようなX方向につき2ブロック、Y方向につき3ブロックで構成される縦長の差異検出枠が設定されることになる。即ち、この選択部114においてX、Yを設定することにより、差異検出枠がX方向、Y方向につき入力された数に応じて分割されることになる。即ち、この選択部114においては、差異検出枠のサイズ、形状に加えて、差異検出枠の分割数、換言すれば差異検出枠をいかなる数のブロックで構成するかにつき、設定することができる。
【0081】
ちなみに、分割されたブロック毎に差異検出結果が平均化されることになるため、この差異検出枠の分割数を適度に設定することにより、画像に生じたノイズを軽減させることも可能となる。特にナイトショット等で撮影した時や、カメラ部4の設定においてゲインを上げた時には、得られる画像につきノイズがかなり発生するため、差異検出枠の分割数を減らすことにより、輝度レベルを比較する画像間の各ノイズ情報を平均化し、より正確な差異検出を行うことが可能となる。また、輝度レベルの比較を望む対象や場所に応じて、この選択部114における設定値を変えることにより、差異検出枠の形状をより最適化することで、正確な差異検出を行うことが可能となる。
【0082】
閾値設定部115は、差異検出を行う画素数や色情報に応じて、ユーザ自身が閾値を適宜変更することができるように設けられたものである。この閾値設定部115では、上記設定した差異検出枠毎に異なる閾値を設定するようにしてもよいし、また原色成分毎に異なる閾値を設定するようにしてもよい。
【0083】
光源選択部116は、比較する画像の周囲の明るさ等に応じてユーザ自身がディスプレイ6上の画面の照明方法を選択できるようにするために設けられたものである。この光源選択部116において、“Regularity”が選択された場合には、CPU56は、通常の方法でディスプレイ上の画面を照明するように制御する。これに対して、“Random”が選択された場合には、CPU56は、ディスプレイ6上の画面につきランダムな位置を照明するように制御する。この光源選択部116では、比較する画像の周囲の明るさが同じ場合に、“Regularity”が選択され、また比較する画像の周囲の明るさが異なる場合に、“Random”が選択されることにより、ディスプレイ6上の視認性を向上させることができる。
【0084】
次に、上述の如き設定画面110を介した各種設定例につき説明をする。
【0085】
先ず、駐車場における車の駐車状態を夜間監視する場合には、周囲の明るさは、比較全体画像と基準全体画像間で互いに同等であるため、光源選択部は“Regularity”に設定する。また画像の比較時において、R,G,Bの各原色成分を使用することからRGB設定部111は、全ての原色成分につきチェックする。また選択部114では、差異検出枠があまりに大きいと、同一の差異検出枠内において複数の車が入ることになり、監視の実効が保てなくなることから、例えばXにつき2、Yにつき3となるように設定を行う。また閾値設定部115についても、駐車場の輝度レベルと車の輝度レベルを参照しつつ、最適な値となるように設定を行う。
【0086】
また、映画館における観客の着席状態を監視する場合には、周囲の明るさは、比較全体画像と基準全体画像間で互いに異なるため、光源選択部は“Random”に設定する。また画像の比較時において、R,G,Bの各原色成分を使用することからRGB設定部111は、全ての原色成分につきチェックする。また選択部114では、差異検出枠があまりに縦長であると、同一の差異検出枠内において、監視対象の座席に着席している観客に加えて、その前列或いは後列の座席に着席している観客も入ることになり、監視の実効が保てなくなることから、例えばXにつき10、Yにつき1となるように設定を行う。また閾値設定部115についても、座席の輝度レベルと観客の輝度レベルを参照しつつ、最適な値となるように設定を行う。
【0087】
このように、本発明を適用した監視システム1では、上述の如くユーザが監視方法の詳細を任意に設定することができるため、監視環境に応じてより正確な差異検出を行うことができ、監視の実効性を高めることが可能となる。特にユーザは、枠100に記載されている以前の検出結果を参照することもできるため、監視方法の設定を容易に実行することも可能となる。また、これら画像を監視する際に、上述の如く基準全体画像と比較全体画像間で処理動作を互いに連動させることにより、より精度の高い監視を、より利便性を高めつつ実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明を適用した監視システムの構成を示す図である。
【図2】本発明を適用した監視システムの構成につき更に説明するための図である。
【図3】カメラユニット,監視装置のブロック構成図である。
【図4】カメラユニットにより、黒枠で示される撮影範囲内を撮影画角uで撮像する場合について説明するための図である。
【図5】ディスプレイ上の表示画面の構成例を示す図である。
【図6】本発明を適用した監視システムの動作について説明するための図である。
【図7】生成した全体画像を時系列に同一画面上に並べて表示する例につき説明するための図である。
【図8】輝度レベルの差異の検出結果を差異検出枠毎に比較全体画像表示部に表示する例を示す図である。
【図9】各種設定を実行する際に表示される設定画面につき説明するための図である。
【図10】X方向につき2ブロック、Y方向につき3ブロックで構成される縦長の差異検出枠を設定する例につき示す図である。
【図11】現在表示されている画像において、輝度レベルの差異が検出された枠につきマーキングして表示する例につき説明するための図である。
【符号の説明】
【0089】
1 監視システム、2 カメラユニット、3 パンチルタ部、4 カメラ部、5 監視装置、6 ディスプレイ、8 ネットワーク、9 端末装置、10 端末ディスプレイ、22 レンズ部、23 レンズ制御部、24 撮像部、25 IEEE1394インターフェース、28 GPS受信部、29 メタデータ生成部、51 バッファメモリ、52 エンコーダ、53 サーバ、54 画像圧縮部、55 グラフィックコントローラ、56 CPU、58 I/Oポート、59 キーボード、60 マウス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視装置において、
上記生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出手段と、
上記差異検出手段により検出された輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較する比較手段と、
上記差異検出手段により輝度レベルの差異が検出された2枚以上の画像を同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較手段による比較結果に応じて、表示すべき上記画像につき上記差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示手段と、
上記表示手段により表示されている何れか一の画像に対して処理動作を実行するための操作手段とを備え、
上記表示手段は、上記操作手段により実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させること
を特徴とする監視装置。
【請求項2】
上記表示手段は、同一画面上に並べて表示した各画像をスクロールさせるためのスクロールバーを表示し、上記操作手段により実行された一の画像に対する上記スクロールバーの処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した他の画像をスクロールさせること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
上記表示手段は、上記操作手段により各画像の表示倍率を変更するための処理動作が実行された場合には、当該処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した各画像の表示倍率を同時に変更させること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項4】
上記表示手段は、上記操作手段を介して一の画像につき表示位置が指定された場合には、同一画面上に並べて表示した各画像を当該指定された表示位置へ移動させること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項5】
撮影方向を変化させて上記撮影範囲を撮像することにより、複数の単位画像からなるパノラマ画像を順次生成する撮像手段をさらに備え、
上記差異検出手段は、上記生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出すること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項6】
上記表示手段は、上記差異検出手段による輝度レベルの差異の検出結果を上記差異検出枠毎に所定の情報とともに付加すること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項7】
上記差異検出手段は、原色成分毎に輝度レベルの差異を順次検出すること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項8】
上記差異検出枠の分割数並びに形状を選択するための選択手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項9】
上記閾値を設定するための閾値設定手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項10】
上記表示手段における画面の照明方法を選択するための照明選択手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項11】
撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視方法において、
上記生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、
上記差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較する比較ステップと、
上記差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較ステップにおける比較結果に応じて、表示すべき上記画像につき上記差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、
上記表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作を実行させるための操作ステップとを有し、
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させること
を特徴とする監視方法。
【請求項12】
上記表示ステップでは、同一画面上に並べて表示した各画像をスクロールさせるためのスクロールバーを表示し、上記操作手段により実行された一の画像に対する上記スクロールバーの処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した他の画像をスクロールさせること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項13】
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて、各画像の表示倍率を変更するための処理動作が実行された場合には、当該処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した各画像の表示倍率を同時に変更すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項14】
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて、一の画像につき表示位置が指定された場合には、同一画面上に並べて表示した各画像を当該指定された表示位置へ移動させること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項15】
撮影方向を変化させて上記撮影範囲を撮像することにより、複数の単位画像からなるパノラマ画像を順次生成する撮像ステップをさらに有し、
上記差異検出ステップでは、上記生成したパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項16】
上記表示ステップでは、上記差異検出手段による輝度レベルの差異の検出結果を上記差異検出枠毎に所定の情報とともに付加すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項17】
上記差異検出ステップでは、原色成分毎に輝度レベルの差異を順次検出すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項18】
上記差異検出枠の分割数並びに形状を選択するための選択ステップを更に有すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項19】
上記閾値を設定するための閾値設定ステップを更に有すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項20】
上記表示手段における画面の照明方法を選択するための照明選択ステップを更に有すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項21】
撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
上記生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、
上記差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較する比較ステップと、
上記差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較ステップにおける比較結果に応じて、表示すべき上記画像につき上記差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、
上記表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行される操作ステップとを有し、
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させることをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体において、
上記生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、
上記差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較する比較ステップと、
上記差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較ステップにおける比較結果に応じて、表示すべき上記画像につき上記差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、
上記表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行される操作ステップとを有し、
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させることをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【請求項1】
撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視装置において、
上記生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出手段と、
上記差異検出手段により検出された輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較する比較手段と、
上記差異検出手段により輝度レベルの差異が検出された2枚以上の画像を同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較手段による比較結果に応じて、表示すべき上記画像につき上記差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示手段と、
上記表示手段により表示されている何れか一の画像に対して処理動作を実行するための操作手段とを備え、
上記表示手段は、上記操作手段により実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させること
を特徴とする監視装置。
【請求項2】
上記表示手段は、同一画面上に並べて表示した各画像をスクロールさせるためのスクロールバーを表示し、上記操作手段により実行された一の画像に対する上記スクロールバーの処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した他の画像をスクロールさせること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
上記表示手段は、上記操作手段により各画像の表示倍率を変更するための処理動作が実行された場合には、当該処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した各画像の表示倍率を同時に変更させること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項4】
上記表示手段は、上記操作手段を介して一の画像につき表示位置が指定された場合には、同一画面上に並べて表示した各画像を当該指定された表示位置へ移動させること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項5】
撮影方向を変化させて上記撮影範囲を撮像することにより、複数の単位画像からなるパノラマ画像を順次生成する撮像手段をさらに備え、
上記差異検出手段は、上記生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出すること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項6】
上記表示手段は、上記差異検出手段による輝度レベルの差異の検出結果を上記差異検出枠毎に所定の情報とともに付加すること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項7】
上記差異検出手段は、原色成分毎に輝度レベルの差異を順次検出すること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項8】
上記差異検出枠の分割数並びに形状を選択するための選択手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項9】
上記閾値を設定するための閾値設定手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項10】
上記表示手段における画面の照明方法を選択するための照明選択手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項11】
撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視する監視方法において、
上記生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、
上記差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較する比較ステップと、
上記差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較ステップにおける比較結果に応じて、表示すべき上記画像につき上記差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、
上記表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作を実行させるための操作ステップとを有し、
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させること
を特徴とする監視方法。
【請求項12】
上記表示ステップでは、同一画面上に並べて表示した各画像をスクロールさせるためのスクロールバーを表示し、上記操作手段により実行された一の画像に対する上記スクロールバーの処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した他の画像をスクロールさせること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項13】
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて、各画像の表示倍率を変更するための処理動作が実行された場合には、当該処理動作に応じて、同一画面上に並べて表示した各画像の表示倍率を同時に変更すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項14】
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて、一の画像につき表示位置が指定された場合には、同一画面上に並べて表示した各画像を当該指定された表示位置へ移動させること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項15】
撮影方向を変化させて上記撮影範囲を撮像することにより、複数の単位画像からなるパノラマ画像を順次生成する撮像ステップをさらに有し、
上記差異検出ステップでは、上記生成したパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項16】
上記表示ステップでは、上記差異検出手段による輝度レベルの差異の検出結果を上記差異検出枠毎に所定の情報とともに付加すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項17】
上記差異検出ステップでは、原色成分毎に輝度レベルの差異を順次検出すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項18】
上記差異検出枠の分割数並びに形状を選択するための選択ステップを更に有すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項19】
上記閾値を設定するための閾値設定ステップを更に有すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項20】
上記表示手段における画面の照明方法を選択するための照明選択ステップを更に有すること
を特徴とする請求項11記載の監視方法。
【請求項21】
撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
上記生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、
上記差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較する比較ステップと、
上記差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較ステップにおける比較結果に応じて、表示すべき上記画像につき上記差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、
上記表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行される操作ステップとを有し、
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させることをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
撮影範囲を撮像することにより生成された画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体において、
上記生成された画像と、当該画像よりも先に撮像された同一撮影方向上にある少なくとも1枚の画像との間で輝度レベルの差異を差異検出枠毎に順次検出する差異検出ステップと、
上記差異検出ステップにおいて検出した輝度レベルの差異を、予め設定された閾値と比較する比較ステップと、
上記差異検出ステップにおいて輝度レベルの差異を検出した2枚以上の画像につき同一画面上に並べて表示するとともに、上記比較ステップにおける比較結果に応じて、表示すべき上記画像につき上記差異検出枠毎に所定の情報を付加する表示ステップと、
上記表示ステップにおいて表示する何れか一の画像に対して処理動作が実行される操作ステップとを有し、
上記表示ステップでは、上記操作ステップにおいて実行された一の画像に対する処理動作を、同一画面上に並べて表示した他の画像に反映させることをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−14215(P2006−14215A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191936(P2004−191936)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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