説明

監視装置

【課題】通信回線を介して外部装置と接続可能であり、監視対象領域の状況をセンタ装置から把握可能とする監視装置において、他の利用者端末と通話中であるとセンタ装置が状況確認を行えない。
【解決手段】監視装置は異常事象の発生を感知すると(S60)、センタ装置へ異常通報を行うと共に(S68)、着信制限モードを設定する(S70)。監視装置は、着信制限モード中は、センタ装置以外の外部装置からの接続要求を着信拒否し、センタ装置からの接続要求を優先的に着信許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を介して外部装置と接続可能であり、監視対象領域の状況を外部装置から把握可能とする監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術では、車内を撮影するカメラ及び携帯電話等の移動体通信を組み合わせて、車載テレビ電話を実現することが可能である。さらに当該車載テレビ電話を用いて、車両の盗難防止のための監視装置、事故発生時に監視センタ等の緊急連絡先に車両の状況等を自動的に連絡する監視装置を実現することも考えられている(特許文献1)。
【0003】
このような車載の監視装置を用いた監視システムでは、監視装置は事故等の緊急状態を検知すると車内の状況を撮影し、通信回線を介して監視センタ等へ自動通報を行ったり、監視センタ等から車載の監視装置へテレビ電話の発呼を行い、車内の画像を取得したり搭乗者と通話して状況確認等を行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−112580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような監視システムでは、監視センタ等のセンタ装置が監視対象領域側に置かれた監視装置へ発呼した際、当該監視装置のテレビ電話と第三者の利用者端末との間で通話中となっていると、センタ装置は監視装置と通信できない。したがって、例えば、事故等の緊急通報を受けたセンタ装置から、事故等の異常事象の状況を確認できないおそれがあるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、異常事象の発生時にセンタ装置と監視装置との間の通信回線を介した接続を確保し、センタ装置側で監視対象領域の状況を確実に把握することを可能とする監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る監視装置は、通信回線を介して外部装置と接続可能であり、監視対象領域の状況を前記外部装置から把握可能とする装置であって、前記監視対象領域から前記状況を示す状況情報を取得する状況取得部と、前記監視対象領域における所定の異常事象の発生を感知する異常感知部と、前記外部装置からの取得要求に応じて、前記状況情報を要求元の前記外部装置へ送信する制御部と、を有し、前記制御部が、前記異常事象の発生時には、それぞれ前記外部装置であるセンタ装置及び利用者端末のうち、前記センタ装置からの前記取得要求を優先して扱うセンタ優先動作状態となる。
【0008】
例えば、前記制御部は、前記センタ優先動作状態では、前記利用者端末からの前記取得要求を拒否することが可能である。
【0009】
本発明の好適な態様では、前記制御部は、前記異常事象の発生を前記センタ装置へ通報し、その後、前記センタ優先動作状態になる。
【0010】
また、本発明の他の好適な態様では、前記制御部は、前記センタ優先動作状態の設定後に前記センタ装置との通信が終了すると前記センタ優先動作状態を解除する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る監視装置によれば、異常事象の発生時にセンタ装置と監視装置との間の通信回線を介した接続を確保し、センタ装置側で監視対象領域の状況を確実に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る監視システムの概略の構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る監視システムにおける監視装置の概略のブロック構成図である。
【図3】異常検知時における監視装置の動作を示す概略のフロー図である。
【図4】着呼時の監視装置の動作を示す概略のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)である監視システムについて、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、実施形態に係る監視システム2の概略の構成図である。監視システム2は、監視装置4、センタ装置6、ユーザ端末(利用者端末)8を含んで構成される。監視装置4は、基本的に監視対象領域内又はその近くに配置される。本実施形態では、監視装置4は自動車等の車両10に搭載され、当該車両10の周囲や車内を監視対象領域とする。センタ装置6は、例えば、監視サービスを提供する事業者の施設に設置される。ユーザ端末8は、監視装置4が搭載された車両10の所有者や監視サービスの提供を受ける者によって操作される携帯電話、固定電話等の通信装置である。
【0015】
監視装置4、センタ装置6、ユーザ端末8は、公衆回線網等のネットワーク12を介して互いに通信可能に構成される。ネットワーク12には、移動体通信の基地局14も接続される。車両10に搭載された監視装置4は移動体通信機能を有し、監視装置4と、センタ装置6及びユーザ端末8とはネットワーク12及び移動体通信を介して通信することができる。なお、図1ではユーザ端末8が移動体通信装置である場合を示している。
【0016】
図2は、監視装置4の概略のブロック構成図である。監視装置4は、車両10の衝突事故等の異常検出機能、及び外部装置との通信機能を有し、撮像部20、センサ22、操作部24、通信部26、記憶部28、マイク30、スピーカ32、電源切替部34、予備バッテリ36、及び制御部38を備える。
【0017】
撮像部20は車外カメラ40と車内カメラ42とを有する。車外カメラ40及び車内カメラ42は例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを撮像素子として備え、レンズ等の光学系を介して撮像面に形成される画像を電気信号に変換し出力する。車外カメラ40は、車外を撮影するカメラである。車外カメラ40として、基本的には車両10の前方領域を撮影するものが設けられるが、この他、車両10の後方領域を撮影するカメラや側方領域を撮影するカメラを併設してもよい。車外カメラ40は車体外面に取り付けるものであってもよいし、車内に取り付け窓を介して車外を撮影するものであってもよい。車内カメラ42は、車内を撮影するカメラであり、車内に取り付けられる。例えば、車内カメラ42は運転席より前に取り付けられ、運転席の搭乗者を含む範囲を撮影する。車外カメラ40及び車内カメラ42は制御部38から電力供給及び制御を受けて動作し、それらから出力される画像信号は制御部38に入力される。
【0018】
センサ22は、車両事故発生を検出する事故検出手段として設けられる。例えば、衝突事故等を検出するためにセンサ22として加速度センサが用いられる。センサ22は制御部38から電力供給を受けて動作し、その出力信号は制御部38に入力される。
【0019】
操作部24は非常ボタン44と取消ボタン46とを有し、基本的にそれぞれ搭乗者により操作される。非常ボタン44は、非常事態の発生をセンタ装置6へ通報する際に操作される。非常事態として例えば、強盗に襲われた場合など、搭乗者に身の危険を感じさせる状況が挙げられる。取消ボタン46は、センサ22により誤って事故が検出された場合や、非常ボタン44を誤って操作した場合に、それら誤検出・誤操作によるセンタ装置6への通報を取り消すキャンセル操作に用いられる。非常ボタン44及び取消ボタン46の出力信号はそれぞれ制御部38に入力される。
【0020】
通信部26は、移動体通信を行うための手段であり、基地局14と無線回線で接続され、制御部38から入力された信号を送信し、また基地局14から受信した信号を制御部38に入力し、ネットワーク12を介して監視装置4と外部装置との通信を可能とする。例えば、通信部26は画像・音声の伝送を行い、センタ装置6やユーザ端末8との間で音声通話又はテレビ電話による通話を可能とする。
【0021】
記憶部28は、半導体メモリやハードディスクを用いて構成され、監視装置4の動作に必要な各種プログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部28は、監視装置4にアクセス可能な相手先の登録情報を予め記憶する。当該登録情報は、センタ装置6の電話番号、ユーザ端末8の電話番号を含む。また、記憶部28は撮像部20により撮影された画像を記録することができる。記憶部28へのデータの格納及び記憶部28からのデータの読み出しは制御部38により行われる。例えば、記憶部28に記憶される画像は制御部38によってFIFO方式で更新され、制御部38はセンサ22や非常ボタン44により異常を感知すると、一定時間後に当該更新処理を停止する。
【0022】
マイク30、スピーカ32は、電話機能における相手方との通話に用いられる。また、スピーカ32は、監視装置4からのメッセージを報知するためにも用いられる。例えば、制御部38は、センサ22や非常ボタン44からの信号により事故発生や非常事態を検知すると車内への報知処理を行い、事故発生や非常事態の検知を知らせるメッセージの音声信号を記憶部28から読み出してスピーカ32へ出力する。
【0023】
電源切替部34は、監視装置4の動作に用いる電源の供給を車載バッテリから受けるか、予備バッテリ36から供給するかを切り替える。電源切替部34は車載バッテリからの電源供給が存在する通常の状態では、当該電源を制御部38へ供給する。一方、大事故等によって車載バッテリからの電源供給が途絶えた場合には、予備バッテリ36から制御部38へ電力を供給する。予備バッテリ36は、リチウムイオン電池等の二次電池からなる。
【0024】
制御部38は、マイクロプロセッサ(MPU)等を用いて構成され、実行されるプログラムに応じて、監視装置4の各部の動作を制御する。具体的には、制御部38は、撮像部20、センサ22、操作部24、通信部26、記憶部28、マイク30、スピーカ32、電源切替部34と接続され、各部から入力される信号を処理し、また各部の動作を制御する。
【0025】
上述の構成にて、撮像部20及びマイク30は、監視対象領域からその状況を示す状況情報を取得する状況取得部としての機能を有する。具体的には車外カメラ40、車内カメラ42はそれぞれ状況情報として車外、車内の画像を取得し、マイク30は状況情報として車内の音声を取得する。また、センサ22及び非常ボタン44は、監視対象領域の状況に関連がある所定の異常事象の発生を感知する異常感知部としての機能を有する。具体的には、センサ22は制御部38と共に異常事象として上述したように車両事故発生を検出し、また、非常ボタン44は、搭乗者等の操作により非常事態を感知する。
【0026】
図3は、異常検知時の監視装置4の動作を示す概略のフロー図である。
【0027】
制御部38は、センサ22の出力信号に基づいて事故発生を検出する。例えば、制御部38は、加速度センサであるセンサ22の出力信号を監視し、所定値以上の大きな加速度が生じた場合や急な加速度変化が生じた場合に衝突等の事故が発生したと判定する。
【0028】
制御部38は、事故発生と判定した場合、及び非常ボタン44の操作を検知した場合に、異常検知時の動作を行う。異常を検知すると(S60)、制御部38は車内への報知処理を実行してスピーカ32から、上述した内容のメッセージを出力する(S62)。そして、制御部38は、異常検知が誤検出や誤操作によるものであった場合のキャンセル操作(S64)を搭乗者等から受け付けるための遅延処理を行った後(S66)、センタ装置6へ異常通報を行う(S68)。
【0029】
具体的には、制御部38は取消ボタン46の操作の有無を監視し、取消ボタン46の操作を検知した場合はキャンセル操作あり(S64にて「Yes」)、取消ボタン46の操作がない状態はキャンセル操作なし(S64にて「No」)と判断する。そして、キャンセル操作がないまま、遅延時間として設定した時間Tが経過した場合は(S66にて「Yes」)、通信部26からセンタ装置6へ事故又は非常事態の発生を通報する異常通報処理を行う(S68)。また、制御部38は、ネットワーク12を介した外部装置からの接続要求に関して着信制限モードを設定する(S70)。なお、センタ装置6への異常通報の際、GPS等を利用して自装置の現在位置情報を取得し、併せて送信させてもよい。
【0030】
制御部38は、遅延時間Tが経過するまでに、キャンセル操作があった場合は(S64にて「Yes」)、センタ装置6への異常通報処理S68及び着信制限モードの設定S70を行わない(S72)。
【0031】
なお、センタ装置6への異常通報はパケット通信で行うことができる。例えば、電子メールを利用することができる。監視サービスを提供する1つのセンタ装置6に対して、当該監視サービスの提供を受ける監視装置4は多数存在し得る。それら多数の監視装置4からの異常発生の通報をパケット通信で行えば、センタ装置6側でのトラフィック軽減を図ることが可能である。
【0032】
ここで、センタ装置6は多数の監視装置4へ監視サービスを提供するために、一般に複数の回線(電話番号)を有している。異常検知時に監視装置4からセンタ装置6へ接続要求する構成とした場合には、監視装置4はセンタ装置6の複数の電話番号のどれが空き状態であるかが発呼前に分からないので、発呼した電話番号が使用中であり、他の電話番号に発呼し直す必要が生じ得る。そのため、監視装置4とセンタ装置6との間の回線接続に時間がかかり、センタ装置6での状況情報の取得及び異常事象への対応に遅れが生じたり、予備バッテリ36が無駄に消費されたりする場合がある。このような観点から、本実施形態では、監視装置4からセンタ装置6へ一旦、通信負荷の小さい異常通報のみをパケット通信等で行って、それを受けてセンタ装置6が監視装置4へ接続要求を行う構成としている。
【0033】
着信制限モードとは、外部装置から電話回線接続の要求に対し、外部装置であるセンタ装置6及びユーザ端末8のうち、センタ装置6との接続を優先的に扱い、ユーザ端末8との接続を相対的に制限するというセンタ優先動作状態である。すなわち、外部装置は監視装置4との例えばテレビ電話による通話により、監視装置4の監視対象領域の状況を示す状況情報として、車外カメラ40や車内カメラ42が撮影した画像やマイク30からの音声をネットワーク12を介して取得することが可能であるが、着信制限モードでの状況情報の取得要求、つまり接続要求に関しては、ユーザ端末8よりもセンタ装置6からの要求が優先される。
【0034】
さて、パケット通信により異常通報を行う場合、監視装置4は回線接続で外部装置と通話状態であっても当該回線接続を切断する必要はない。しかし、異常通報時には着信制限モードを設定するという点から、異常通報時の通話相手がユーザ端末8である場合にはこの時点で当該通話を強制切断し、センタ装置6からの接続が可能な状態としてもよい。なお、通話相手がセンタ装置6である場合には当該通話を継続させることができる。
【0035】
着信制限モードは、優先的に扱われるセンタ装置6との通話、つまり回線接続が終了した場合には解除することができる。なお、着信制限モードの設定は異常検知の時点(S60)で行い、キャンセル操作があった場合に(S64にて「Yes」)解除する構成とすることもできる。
【0036】
また本実施形態では、センタ装置6との接続が確立されないが故、接続終了という事象が発生しない場合を考慮して、所定時間経過後には自動解除する構成とする。さらに、所定の異常復旧操作がなされた場合には強制解除される構成とする。例えば、異常復旧操作は、遅延時間T内にキャンセル操作をし損ない、センタ装置6への異常通報がなされた場合に行われる。例えば、異常復旧操作は、取消ボタン46の長押しとすることができる。
【0037】
なお、センタ装置6との接続が回線の不具合等で意図せず中断した場合にはセンタ装置6は再接続要求を行うことができる。この再接続要求も優先的に扱うことを可能とするために、センタ装置6との接続終了の有無にかかわらず、センタ装置6が或る程度の状況情報の取得に必要な時間は着信制限モードを継続するようにしてもよい。
【0038】
着信制限モードでの監視装置4の動作については後述する。
【0039】
なお、上述の構成とは別の構成として、制御部38は、電源切替部34の状態を監視し、予備バッテリ36への切り替えが行われた場合にのみ着信制限モードの設定S70を行い、車載バッテリからの電源供給が行われている場合には着信制限モードの設定S70を行わないようにしてもよい。この構成では、容量が限られている予備バッテリ36による駆動時に、ユーザ端末8との通話による電力消費が回避されるので、いわゆるバッテリ切れによってセンタ装置6からの接続要求に応えられない事態が起こりにくくなる。
【0040】
図4は、着呼時の監視装置4の動作を示す概略のフロー図である。
【0041】
制御部38は、外部装置から接続要求を受けると(S90)、要求元(発信者)の電話番号が記憶部28に登録しているアクセス可能な相手先(登録要求元)の番号か判定する(S92)。発信者番号が登録されたものではない場合は(S92にて「No」)、着信を拒否する(S94)。例えば、着信拒否S94は、通信部26がオフフックに続いてオンフックを行うことでなされ、これにより、単に接続要求元が発呼を断念するのを待つよりも回線が話中となる時間が短縮され、センタ装置6からの接続要求を速やかに受けられる。
【0042】
また、発信者が登録要求元である場合には(S92にて「Yes」)、制御部38はさらに、着信制限モード中か否か(S96)、及び発信者がセンタ装置6であるか否か(S98)を判定する。着信制限モードであり、かつ発信者がセンタ装置6以外、つまりユーザ端末8である場合は(S96にて「Yes」かつS98にて「No」)、着信を拒否する(S94)。この場合は、発信者のユーザ端末8は登録要求元であるが、着信制限モード中、すなわちセンタ優先動作状態であるので、制御部38はセンタ装置6からの接続要求をユーザ端末8よりも優先するために着信拒否とする。これにより、車両10側での異常事象の発生時にセンタ装置6と監視装置4との間の通信回線を介した接続が確保され、センタ装置6側で監視対象領域の状況を確実に把握することが可能となる。
【0043】
なお、登録要求元であるユーザ端末8からの着信を拒否する場合には、当該ユーザ端末8へその理由を通知してもよい。例えば、車両10側の異常発生である旨のメッセージを通知することができる。例えば、当該通知はパケット通信で行うことができる。
【0044】
着信制限モード中ではない場合(S96にて「No」)、及び発信者がセンタ装置6である場合(S98にて「Yes」)は、着信を許可し(S100)、通話を開始して音声の送受を行う(S102)。また、撮像部20から得られる画像を送信する(S104)。画像送信は監視装置4とセンタ装置6又はユーザ端末8との通話、つまり回線接続が維持されている間(S106にて「No」)、基本的に一定の時間間隔で周期的に行われる(S104,S106)。例えば、制御部38は画像送信処理S104にてデフォルトとして車内カメラ42の画像を送信し、センタ装置6やユーザ端末8からの画像切替の制御信号に応じて車外カメラ40の画像と車内カメラ42の画像とを切り替えて送信する。
【0045】
なお、センタ装置6やユーザ端末8から監視装置4への制御信号として例えば、DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号を用いる。監視装置4側では制御部38が予め定められたシーケンスでDTMF信号を解釈し、要求元に対して予め設定された許可範囲内で、例えば、カメラ切り替えや、記憶部28に蓄積された画像の再生・消去等の動作を実行する。
【0046】
通話が終了すると(S106にて「Yes」)、制御部38はまだ着信制限モードであれば(S108にて「Yes」)、これを解除した上で(S110)着呼時の動作を終了する(S112)。また、自動解除の時間として設定された一定の時間が経過していたり、所定の異常復旧操作がなされていることにより、着信制限モードがすでに解除されている場合には(S108にて「No」)、制御部38は改めて着信制限モードの解除処理S110を行わずに着呼時の動作を終了する(S112)。
【0047】
上述の実施形態では、センタ優先動作状態として、制御部38がユーザ端末8からの接続を拒否する構成を説明したが、センタ装置6からの接続要求を優先して扱う態様はこれに限られない。例えば、センタ装置6から接続要求が未だない状態でのユーザ端末8からの接続要求に対しては、時間制限を付したり、センタ装置6から接続要求があった時点で強制切断する条件の下でユーザ端末8との通話を許容してもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では異常通報をしない場合でも監視装置4はセンタ装置6へ着信許可する構成を示したが、異常通報をした場合だけセンタ装置6の着信を許可するようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、通信方式に移動体通信網を利用したテレビ電話を採用した構成を示したが、本発明はこれ以外の構成にも適用することができる。特に、画像や映像などの状況情報の伝送に際し、通信の占有率が高くなるような場合に本発明は好適である。
【0050】
上述の実施形態では監視装置4を車両10に搭載した監視システム2を説明したが、監視装置4を住居、事務所、店舗等に配置し、その屋内を監視対象領域とする監視システムに本発明を適用することもできる。例えば、住居の屋内及び屋外を監視対象領域とし、センサにて、監視対象領域への侵入行為を検出し、センタ装置へ異常通報する構成とすることができる。
【符号の説明】
【0051】
2 監視システム、4 監視装置、6 センタ装置、8 ユーザ端末、10 車両、12 ネットワーク、14 基地局、20 撮像部、22 センサ、24 操作部、26 通信部、28 記憶部、30 マイク、32 スピーカ、34 電源切替部、36 予備バッテリ、38 制御部、40 車外カメラ、42 車内カメラ、44 非常ボタン、46 取消ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して外部装置と接続可能であり、監視対象領域の状況を前記外部装置から把握可能とする監視装置であって、
前記監視対象領域から前記状況を示す状況情報を取得する状況取得部と、
前記監視対象領域における所定の異常事象の発生を感知する異常感知部と、
前記外部装置からの取得要求に応じて、前記状況情報を要求元の前記外部装置へ送信する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記異常事象の発生時には、それぞれ前記外部装置であるセンタ装置及び利用者端末のうち、前記センタ装置からの前記取得要求を優先して扱うセンタ優先動作状態となること、
を特徴とする監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の監視装置において、
前記制御部は、前記センタ優先動作状態では、前記利用者端末からの前記取得要求を拒否すること、を特徴とする監視装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の監視装置において、
前記制御部は、前記異常事象の発生を前記センタ装置へ通報し、その後、前記センタ優先動作状態になること、を特徴とする監視装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の監視装置において、
前記制御部は、前記センタ優先動作状態の設定後に前記センタ装置との通信が終了すると前記センタ優先動作状態を解除すること、を特徴とする監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−192196(P2011−192196A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59732(P2010−59732)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】