目封止ハニカム構造体
【課題】DPFとしての使用時及び再生時において、隔壁にクラックが生じ難い目封止ハニカム構造体を提供すること。
【解決手段】目封止部10と隔壁4との間に、ハニカム構造体の端面2bの近傍のみに存在し、その内部側では目封止部とハニカム構造体の隔壁4とは密着しており存在しない、端面2bの側に開いた隙間41を有する目封止ハニカム構造体40であり、その隙間41の幅を0.1mm以上とし、且つ、隙間41の深さを0.1mm以上4mm以下とする。
【解決手段】目封止部10と隔壁4との間に、ハニカム構造体の端面2bの近傍のみに存在し、その内部側では目封止部とハニカム構造体の隔壁4とは密着しており存在しない、端面2bの側に開いた隙間41を有する目封止ハニカム構造体40であり、その隙間41の幅を0.1mm以上とし、且つ、隙間41の深さを0.1mm以上4mm以下とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタとして好適に使用される目封止ハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
公害を防止し環境の改善を図るため、排気ガスの処理にフィルタが適用され、その排気ガス処理用のフィルタとして、目封止ハニカム構造体が多用されている。例えば、ディーゼルエンジン等からの排気ガスに含まれている粒子状物質(Particulate Matter(PM)、有機溶媒可溶成分とスートとサルフェートの3成分として検出されるもの)を捕捉して除去するために、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)がディーゼルエンジンの排気系等に組み込まれて使用されており、このDPFに目封止ハニカム構造体が使用されている。
【0003】
目封止ハニカム構造体をDPFとして使用する場合には、PMを捕捉して除去する時(使用時)、及び内部に経時的に堆積したPMによる圧力損失の増大を取り除くため内部に堆積したPMを燃焼させて除去する時(再生時)に、温度上昇が不均一になり易く、熱応力によってクラック等の欠陥が発生することがある点に、留意すべきである。特に、近時、DPFが大型化してきたことから、使用時及び再生時に発生する熱応力は、従来よりも著しく増大してきており、その熱応力に基づく欠陥の発生の頻度及びその程度は、より深刻化している。
【0004】
これに対し、接合材層を介して互いの接合面で複数のハニカムセグメントを一体的に接合させた構造を有する目封止ハニカム構造体が提案されている。このような目封止ハニカム構造体では、接合材層が熱膨張を抑制するクッション材的役割を果たすので、熱応力が緩和される。又、セグメント構造の採用により、温度の高いところと低いところとの距離が短くなり、温度勾配が小さくなる。そのため、セグメント構造を有する目封止ハニカム構造体は、クラック等の欠陥が発生し難いという優れた性能を有する。
【0005】
尚、後述する本発明の課題と同一又は近似する課題を解決した先行文献は存在しないようである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、セグメント構造を有する目封止ハニカム構造体であっても、DPFとして用いた場合に、クラックを引き起こす場合があり、更なる対策を講ずべき問題に直面することとなった。本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、排気ガス用のフィルタとして、特に、ディーゼルエンジンの排気ガス中のPM等を捕集するDPFとして、有用であり、使用時及び再生時において、隔壁にクラックが生じ難い目封止ハニカム構造体を提供することを課題とする。
【0007】
調査がなされた結果、端面上の目封止部の間における隔壁の交点部分において、特にクラックが多発していることが確認された。この事実に基づき、研究がなされた結果、特に排気ガスの燃焼の最終端である出口端面近傍では、再生時におけるPMの燃焼によって最も温度上昇するので、その端面近傍が熱膨張によって変形し、隔壁の端面に引張応力が発生して、クラックが引き起こされるものと考えられ、この排気ガス出口側の端面近傍の熱膨張は、セグメント構造の採用に基づく接合材層の存在だけでは、更に望むべき耐クラック性向上に対し、十分に吸収することが出来ないものであることが突き止められた。そして、対策を施すべく更なる研究が重ねられた結果、本発明を完成するに至った。具体的には、上記課題の解決という目的を達成するため、本発明によって、以下の目封止ハニカム構造体が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、先ず、本発明によれば、二の端面の間を連通する複数のセルを形成する多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、セルを端面で目封止する目封止部とを備え、その目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に、端面の側に開いた隙間を有する目封止ハニカム構造体が提供される。
【0009】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、外形上は概ねハニカム構造体そのものであるから柱状を呈するものである。本発明に係る目封止ハニカム構造体は、目封止自体は確りとなされているものであり、DPFとして用いたときに、PM等を捕集する機能を発揮するものであることを前提とし、その上で、端面近傍の隔壁にクラックを生じ難くしたものである。本発明に係る目封止ハニカム構造体には、目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に隙間があるが、その隙間は端面近傍のみに存在し、ハニカム構造体の内部側では目封止部とハニカム構造体の隔壁とは密着しており隙間は存在せず、DPFとして使用したときにPM等を通過させることはない。隙間は、端面の側に開いているから、換言すれば、この隙間は、(端面を見たときに)端面に形成された凹部であるということが出来る。
【0010】
隙間は、端面近傍において目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に常に存在しなければならないわけではなく、端面近傍であってもその一部において、目封止部とハニカム構造体の隔壁との間が密着されていてもよい。この場合、1つのセルにおいて、隙間は複数に区画されることになる。
【0011】
本発明に係る目封止ハニカム構造体においては、上記隙間の幅が0.1mm以上であり、且つ、上記隙間の深さが0.1mm以上4mm以下であることが好ましい。
【0012】
隙間の幅は、0.3mm以上であることが、より好ましい。隙間の深さは、1.0mm以上4mm以下であることが、より好ましい。
【0013】
本発明に係る目封止ハニカム構造体における隙間の幅とは、端面においてセルの中心(端面に現れるセルの形状の中心)とハニカム構造体の隔壁とを結ぶ線上に現れる、目封止部とハニカム構造体の隔壁との最大距離をいうものとする。端面近傍における目封止部とハニカム構造体の隔壁との間の距離は、一定ではない場合があるが、この場合でも、隙間の幅は特定される。又、本発明に係る目封止ハニカム構造体における隙間の深さとは、ハニカム構造体の二の端面の間を連通するセルの連通方向(柱状であるハニカム構造体の中心軸方向)に平行であって、端面と隙間の最深部との最大距離をいうものとする。既述のように、隙間は端面近傍のみに存在するが、この隙間の深さによって、近傍の程度(端面から隙間が存在する範囲)が示される。
【0014】
本発明に係る目封止ハニカム構造体においては、目封止部の長さをLとしたとき、隙間の深さDと目封止部の長さLとの比であるD/Lが、2/3以下であることが好ましい。又、目封止部の長さLと隙間の深さDとの差によって目封止部と隔壁との接着長さが規定されるが、この差(L−D)が2mm以上であることが好ましい。例えば、隙間の深さDを4mmとした場合には、好ましい目封止部の長さLは6mm以上である。このような条件を満たせば、接着面積が確保され、隔壁と目封止部との接着強度が維持されて、目封止部の抜けが起き難くなる。
【0015】
本発明に係る目封止ハニカム構造体においては、二の端面を結ぶ方向に垂直な断面に現れるセルの形状(断面形状)が、多角形又は円形であることが好ましい。
【0016】
セルの断面形状(単にセルの形状ともいう)の多角形とは、具体的に、四角形、六角形、八角形等を指す。
【0017】
本発明に係る目封止ハニカム構造体においては、目封止部が、端面から突出していることが好ましい。
【0018】
目封止部の端面から突出する態様は、特に限定されるものではない。端面から突出した目封止部の形状は、端面近傍におけるセル内部の目封止部の形状から連続して滑らかに盛り上がった山型、凸型であることが好ましい。
【0019】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、セグメント構造を有するものであってもなくてもよい。セグメント構造には、熱膨張による変形抑制効果が認められることから、本発明に係る目封止ハニカム構造体は、セグメント構造を採ることが、そうでない場合に比して、より好ましい。セグメント構造とは、二の端面の間を連通する複数のセルを形成する多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体を1つのハニカムセグメントとして捉え、これを、セルの連通方向(柱状であるハニカムセグメントの中心軸方向)と垂直の方向において複数個組み合わせ、接合一体化することにより構成されたものである。
【0020】
本発明に係る目封止ハニカム構造体では、多くの場合、二の端面は、流体の入口側となる入口端面と流体の出口側となる出口端面とで構成され、本発明に係る目封止ハニカム構造体は、目封止部によって、それら入口端面と出口端面との間を連通する複数のセルのうちの所定のセル(の開口)を入口端面で目封止するとともに残余のセル(の開口)を出口端面で目封止し、入口端面及び出口端面に千鳥模様あるいは市松模様が表れる態様を採る。又、本発明に係る目封止ハニカム構造体では、入口端面と出口端面とでセル(の開口)の大きさを異なるものとし、入口端面と出口端面とで開口率を異なるものとすることが可能である。
【0021】
本発明に係る目封止ハニカム構造体において、隙間の幅及び隙間の深さは、全ての隙間において一定であることが好ましい。又、本発明に係る目封止ハニカム構造体をDPFとして使用したときに、DPF内のPMは入口端面側から出口端面側へと、順次、燃焼していくので、燃焼の最終端となる出口端面近傍が、最も温度上昇することとなり、当該部分において、PMを燃焼させたときの熱膨張も大きくなると考えられることから、流体の出口側となる出口端面近傍であって当該端面の中心側において隙間の幅及び隙間の深さを相対的に大きくし、当該端面の外周側において隙間の幅及び隙間の深さを相対的に小さくする、といった態様を採ることが可能である。流体の入口側となる入口端面の側には、隙間を設けない態様を採ってもよい。
【0022】
次に、本発明によれば、上記した何れかの目封止ハニカム構造体を用いたディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に、端面の側に開いた隙間を有するので、DPFとして用いたときに、特に再生時に端面近傍部分が膨張し変形した際の引張応力が緩和され、クラックが生じ難い。具体的には、DPFの特に再生時には、PMを燃焼させることに伴って発生する高い熱応力が、ハニカム構造体の特に出口端面近傍において大きくなり、セルを形成する隔壁の交点に引張応力の負荷を生じさせ、クラック発生に到ると考えられる。これに対し、本発明に係る目封止ハニカム構造体は、目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に、端面の側に開いた隙間を設けることによって、引張応力を緩和し、クラックの発生を抑制している。
【0024】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、その好ましい態様において 隙間の幅が0.1mm以上であり、且つ、隙間の深さが0.1mm以上4mm以下であるので、上記クラック防止効果を得つつ、隙間以外の部分における目封止部とハニカム構造体の隔壁との間も接合強度は、十分に確保され、DPFとして用いたときに目封止部が抜けるといった不具合を生じ難い。
【0025】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、その好ましい態様において、目封止部が、端面から突出しているので、端面からの突出した分、突き出していない場合より、端面近傍における熱容量が大きくなって、再生時の端面近傍での熱膨張による変形が起こり難くなる。そして、その結果、端面における隔壁への引張応力が低減され、クラックが、より発生し難くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明に係る要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明に係る実施形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
【0027】
[目封止ハニカム構造体の形状、構造、特性及び機能]先ず、本発明に係る目封止ハニカム構造体を含む目封止ハニカム構造体の形状、構造、特性及び機能について説明する。図1は、目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す正面図であり、外形が円柱状の目封止ハニカム構造体の端面を表した図である。図2は、目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図であり、外形が円柱状の目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な断面を表した図である。
【0028】
図1及び図2に示される目封止ハニカム構造体1は、外周壁20で囲われた内部に、流体の流路となる複数のセル3を(区画して)形成する、多孔質の隔壁4を備えたハニカム構造体50において、目封止ハニカム構造体1の二つの端面2a,2bで、セル3の端部を目封止する目封止部10を形成したものである。
【0029】
隔壁4は、二つの端面2a(入口端面)、端面2b(出口端面)の間を連通する複数のセル3が形成されるように配置され、目封止部10は、目封止ハニカム構造体1の何れかの端面2a,2bにおいて、セル3を目封止するように配置されている。目封止部10は、隣接するセル3が、互いに反対側のセル3の端部(目封止ハニカム構造体1の端面2a,2bの何れか側の端部)で目封止されるように存在し、その結果、図1に示されるように、目封止ハニカム構造体1の端面は市松模様状(千鳥模様状)を呈する。従って、端面2a(入口端面)と端面2b(出口端面)は、開口率が同等である。
【0030】
目封止ハニカム構造体1は、そのDPFとしての使用時においては、排気ガス(流体)は、一の端面2a(入口端面)側から、開口しているセル3内に流入し、濾過層となる隔壁4を通過し、透過流体として、他の端面2b側が開口したセル3へ流出させ、他方の端面2b(出口端面)側から外部へと流出する。この隔壁4を通過する際に、排気ガスに含まれるPMが隔壁4で捕集される。
【0031】
目封止ハニカム構造体1のセル3の密度(セル密度)は、15個/cm2以上65個/cm2未満であることが好ましく、且つ、隔壁4の厚さは、200μm以上600μm未満であることが好ましい。DPFとして用いたときのPM堆積時の圧力損失は、濾過面積が大きいほどに低減されるから、セル密度は大きい方が、PM堆積時の圧力損失は低下する。一方、初期の圧力損失は、セルの水力直径を小さくすることによって増加する。よって、PM堆積時の圧力損失低減の観点からはセル密度は大きい方がよいが、初期圧損低減の観点からはセル密度を小さくした方がよい。隔壁4の厚さは、厚くすれば捕集効率が向上するが、初期の圧力損失は増加する。初期の圧力損失、PM堆積時の圧力損失、及び捕集効率のトレードオフを考慮して、全てを満足するセル密度及び隔壁の厚さの範囲が、上記した範囲である。
【0032】
目封止ハニカム構造体1の(ハニカム構造体50の)、40〜800℃における、セル3の連通方向の熱膨張係数は、1.0×10−6/℃未満であることが好ましく、0.8×10−6未満/℃であることが更に好ましく、0.5×10−6未満/℃であることが特に好ましい。40〜800℃におけるセルの連通方向の熱膨張係数が1.0×10−6/℃未満であると、DPFとして用いて高温の排気ガスに晒された際の発生熱応力を許容範囲内に抑えることが出来、熱応力破壊が防止されるからである。
【0033】
図1及び図2に示されるように、目封止ハニカム構造体1は、その全体形状が円柱形(円筒形)であり、セル3の形状(セル3の連通方向に垂直な面(目封止ハニカム構造体1の径方向に平行な面)で切断したときに表れる断面の形状)が四角形であるが、本発明に係る目封止ハニカム構造体において、その全体形状及びセルの形状は、特に制限されない。例えば、全体形状は、楕円柱状、長円柱状、四角柱状、三角柱状、その他の多角柱状の形状であってよく、セルの形状は、八角形、六角形、三角形等を採用し得る。
【0034】
目封止ハニカム構造体1の最外周に位置する外周壁20は、製造時に(成形時に)、隔壁4で構成される部分と一体的に成形する成形一体壁であってもよく、成形後に隔壁4で構成される部分の外周を研削して所定形状としセメント等で外周壁を形成するセメントコート壁であってもよい。
【0035】
[目封止ハニカム構造体におけるクラックの発生態様]続いて、従来の目封止ハニカム構造体におけるクラックの発生態様について、一例を示して説明する。図3は、従来の目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す図であり、図1に相当する端面の一部を表した図である。
【0036】
従来の目封止ハニカム構造体30では、DPFとして用いたときに、特に再生時(捕集されたPMを燃焼して除去する際)において、内部で急激に温度が上昇し、出口端面(図2における端面2b相当の端面)の近傍が熱膨張することによって変形する。そして、目封止部10の有無によって、その熱膨張(変形)の程度が異なることから、目封止部10で目封止されたセル3aを形成する隔壁4の交点に(図3中における矢印方向に)引張応力を生じさせ、目封止されていないセル3bを貫通するように、隔壁4を破壊するクラック31が発生し易い。
【0037】
[本発明に係る目封止ハニカム構造体の特徴]次に、隙間を有することによって上記のようなクラック発生防止を図った、本発明に係る目封止ハニカム構造体の特徴について、実施形態を掲げて説明する。尚、以下に示す本発明に係る目封止ハニカム構造体の実施形態は、その形状、構造、特性及び機能については、以下に説明する点を除き、既述の目封止ハニカム構造体1に準じるものである。
【0038】
(実施形態その1)図4〜図6は、本発明に係る目封止ハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す図である。図4は、端面の一部を表した図であり、図1に相当する正面を表した図である。図5は、図4の一部を拡大した図であり、目封止部で目封止されたセルを表した図である。図6は、図5と同じ部分を表す図であり、図5におけるAA線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【0039】
図4〜図6に示される目封止ハニカム構造体40では、セルの断面形状は四角形である。この目封止ハニカム構造体40は、目封止部10で目封止されたセル3aにおいて、目封止部10と(ハニカム構造体の)隔壁4との間に、隙間41を有している。
【0040】
目封止部10と隔壁4との間の隙間41は、クラックの発生し易い隔壁4の交点Q1の側で広く取られており、目封止部10と隔壁4との距離は、端面2bにおいてセル3aの中心Pと隔壁4の交点Q1とを結ぶ線上において最大になっている。端面2bに表れる隙間41の形状は三角形(二等辺三角形)を呈し、端面2bに表れる目封止部10の形状は四角形(正方形)になっている。目封止部10は、この四角形の角で隔壁4と接しているので(図5を参照)、1つのセル3aにつき、セル3aの中心Pから4つの隔壁4の交点Q1の方向に4つの隙間41が存在することになる。
【0041】
隙間41は、目封止ハニカム構造体40の内部の側(図6における下側)から端面2bの側に開いており、端面2bと隙間41の最深部との最大距離で定義される隙間41の深さDは、0.1mm以上4mm以下であり、有限である。即ち、隙間41は、端面2bの近傍のみに存在するものであり、目封止ハニカム構造体40の内部の側では目封止部10と隔壁4とは密着していて、隙間は存在しない。この目封止ハニカム構造体40において、4つの隙間41の深さDは一定である(図6を参照)。又、隙間41の幅Wは、端面2bにおいてセル3aの中心Pと隔壁4の交点Q1とを結ぶ線上の、目封止部10と隔壁4との距離で示されるが、この隙間の幅Wは、0.1mm以上であり、4つの隙間41の幅Wは一定である(図5を参照)。
【0042】
(実施形態その2)図7〜図9は、本発明に係る目封止ハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す図である。図7は、端面の一部を表した図であり、図1に相当する正面を表した図である。図8は、図7の一部を拡大した図であり、目封止部で目封止されたセルを表した図である。図9は、図8と同じ部分を表す図であり、図8におけるBB線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【0043】
図7〜図9に示される目封止ハニカム構造体70では、セルの断面形状は四角形及び八角形であり、それらセル(の開口)の大きさが異なっている。図7に示された端面2bの側では八角形のセルが目封止部されているが、その端面2bとは反対側の端面2a(図示せず、図2に準じる)では四角形のセルが目封止部されるので、その反対側の端面2aの方が、端面2bよりも、開口率が大きくなる。この目封止ハニカム構造体70は、端面2bの側で目封止部10で目封止された八角形のセル3aにおいて、目封止部10と(ハニカム構造体の)隔壁4との間に、隙間71を有している。
【0044】
目封止部10と隔壁4との間の隙間71は、クラックの発生し易い隔壁4の交点Q2の側で広く取られており、目封止部10と隔壁4との距離は、端面2bにおいて、セル3aの中心Pと、隔壁4の近接する2つの交点Q2の中間点Mと、を結ぶ線上において最大になっている。端面2bに表れる隙間41の形状は台形を呈し、端面2bに表れる目封止部10の形状は四角形(正方形)になっている。目封止部10は、この四角形の角で隔壁4と接しているので(図8を参照)、1つのセル3aにつき、セル3aの中心Pから、(4つ存在する)近接する2つの交点Q2(あるいはそれらの中間点M)の方向に、4つの隙間71が存在することになる。
【0045】
隙間71は、目封止ハニカム構造体70の内部の側(図9における下側)から端面2bの側に開いており、端面2bと隙間71の最深部との最大距離で定義される隙間71の深さDは、0.1mm以上4mm以下であり、有限である。即ち、隙間71は、端面2bの近傍のみに存在するものであり、目封止ハニカム構造体70の内部の側では目封止部10と隔壁4とは密着していて、隙間は存在しない。この目封止ハニカム構造体70において、4つの隙間71の深さDは一定である(図9を参照)。又、隙間71の幅Wは、端面2bにおいて、セル3aの中心Pと、隔壁4の近接する2つの交点Q2の中間点Mと、を結ぶ線上の、目封止部10と隔壁4との距離で示されるが、この隙間の幅Wは、0.1mm以上であり、4つの隙間71の幅Wは一定である(図8を参照)。
【0046】
(実施形態その3)図10〜図12は、本発明に係る目封止ハニカム構造体の更に他の実施形態を模式的に示す図である。図10は、端面の一部を表した図であり、図1に相当する正面を表した図である。図11は、図10の一部を拡大した図であり、目封止部で目封止されたセルを表した図である。図12は、図11と同じ部分を表す図であり、図11におけるCC線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【0047】
図10〜図12に示される目封止ハニカム構造体100では、セルの断面形状は円形である。この目封止ハニカム構造体100は、目封止部10で目封止されたセル3aにおいて、目封止部10と(ハニカム構造体の)隔壁4との間に、隙間101を有している。
【0048】
目封止部10と隔壁4との間の隙間101は、クラックの発生し易い、隔壁4の最狭点Q3の側で広く取られており、目封止部10と隔壁4との距離は、端面2bにおいてセル3aの中心Pと隔壁4の最狭点Q3とを結ぶ線上において最大になっている。端面2bに表れる隙間101の形状は弓形を呈し、端面2bに表れる目封止部10の形状は四角形(正方形)になっている。目封止部10は、この四角形の角で隔壁4と接しているので(図11を参照)、1つのセル3aにつき、セル3aの中心Pから、(4つ存在する)最狭点Q3の方向に、4つの隙間101が存在することになる。
【0049】
隙間101は、目封止ハニカム構造体100の内部の側(図12における下側)から端面2bの側に開いており、端面2bと隙間101の最深部との最大距離で定義される隙間101の深さDは、0.1mm以上4mm以下であり、有限である。即ち、隙間101は、端面2bの近傍のみに存在するものであり、目封止ハニカム構造体100の内部の側では目封止部10と隔壁4とは密着していて、隙間は存在しない。この目封止ハニカム構造体100において、4つの隙間101の深さDは一定である(図12を参照)。又、隙間101の幅Wは、端面2bにおいて、セル3aの中心Pと隔壁4の最狭点Q3とを結ぶ線上の、目封止部10と隔壁4との距離で示されるが、この隙間の幅Wは、0.1mm以上であり、4つの隙間101の幅Wは一定である(図12を参照)。
【0050】
(実施形態その4)図13及び図14は、本発明に係る目封止ハニカム構造体の更に他の実施形態を模式的に示す図である。図13は、端面の一部を拡大した図であり、目封止部で目封止されたセルを表した図である。図14は、図13と同じ部分を表す図であり、図13におけるEE線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【0051】
図13及び図14に示される目封止ハニカム構造体130では、目封止部11は、隙間41を形成する断面において(図14を参照)、隔壁4と接するところから連続して滑らかに盛り上がった山型を呈していて、端面2bから突出している。この点を除き、目封止ハニカム構造体130は、既述の目封止ハニカム構造体40と同態様であるので、説明は省略する。
【0052】
[本発明に係る目封止ハニカム構造体の製造方法]次に、本発明に係る目封止ハニカム構造体を製造する方法について説明する。先ず、目封止していないハニカム構造体(又はハニカムセグメント)を作製するが、この手段として、従来公知の方法を用いることが出来る。一例として、主材料に、バインダ、造孔材、界面活性剤、溶媒としての水等を添加して、可塑性の坏土とし、この坏土を所定のハニカム形状となるように押出成形し、次いで、マイクロ波、熱風等によって乾燥した後、焼成する方法を挙げることが出来る。尚、ハニカム構造体の焼成は、次に述べるセルを目封止する(目封止部を形成する)前に行ってもよいし、セルに目封止をした後で、目封止部の焼成と一緒に行うことも可能である。
【0053】
セルを目封止する方法も、従来公知の方法を用いることが出来る。一例として、ハニカム構造体の端面にシートを貼り付けた後、そのシートの、形成しようとする目封止部の形状に合った大きさ及び位置に、穴を開け、シートを貼り付けたままの状態で、目封止部の材料をスラリー化した目封止用スラリーに、ハニカム構造体の端面を浸漬し、シートに開けた穴を通じて、目封止しようとするセル内に目封止用スラリーを充填し、それを乾燥し、焼成して、硬化させる方法を挙げることが出来る。シートに穴を開ける際に、隙間になるところを開けなければ、目封止用スラリーがセルに入っていかず、隙間を形成することが可能である。
【0054】
主材料は、ハニカム構造体(隔壁)を構成する材料であり、強度、耐熱性の観点から、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、Fe−Cr−Al系金属からなる材料群から選択される少なくとも一種の材料を用いることが好ましい。中でも、炭化珪素(SiC)又は珪素−炭化珪素系複合材料から構成されてなるものが、特に好ましい。バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールを用いることが出来る。
【0055】
目封止部の材料は、ハニカム構造体との熱膨張差を小さくするため、ハニカム構造体と同じ材料を用いることが好ましい。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
(実施例1)[目封止ハニカム構造体の作製]炭化珪素粉末及び金属珪素粉末を75:25の質量割合で混合し、これにメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、界面活性剤及び水を添加して混練し、可塑性の坏土を得た。次いで、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、セルの形状が四角形で、全体形状が円柱状のハニカム成形体を得た。次いで、得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。そして、ハニカム成形体の一の端面のセルの開口に、のちに目封止部と隔壁との間に隙間が形成されるように穴を開けたシートで、市松模様状(千鳥模様状)に交互にマスクを施し、マスクを施した端面の側を炭化珪素を含有する目封止スラリーに浸漬し、穴に対応した位置のセル内に目封止スラリーを充填した。他の端面については、一の端面において目封止部を形成しなかったセルが、のちに目封止部と隔壁との間に隙間が形成されるように開けた穴に対応した位置になるように、シートでマスクを施し、マスクを施した端面の側を炭化珪素を含有する目封止スラリーに浸漬し、穴に対応した位置のセル内に目封止スラリーを充填した。その後、目封止スラリーを充填したハニカム成形体を熱風乾燥機で乾燥し、更に、1410〜1440℃で、5時間、焼成することによって、直径がφ143.8mm、(中心軸方向の)長さが152.4mmの目封止ハニカム構造体を得た。得られた目封止ハニカム構造体は、図4〜図6に示される目封止ハニカム構造体40に準じた構造を有し、隙間を有し、セルの形状は四角形であり、隙間の深さDは0.1mm、隙間の幅Wは0.1mmであった。
【0058】
[再生限界試験]DPFとして用い、順次、スートの堆積量を増加させて、再生を行い、クラックが発生する限界を確認する試験を行った。具体的には、先ず、得られた目封止ハニカム構造体の外周に、保持材としてセラミック製無膨張マットを巻き、SUS409製のキャニング用缶体に押し込んで、キャニング構造体とした。その後、ディーゼル燃料軽油の燃焼により発生させたスートを含む燃焼ガスを、目封止ハニカム構造体の一の端面より流入させ、他の端面より流出させることによって、スートを目封止ハニカム構造体内に堆積させた。そして、一旦、室温まで冷却した後、目封止ハニカム構造体の一の端面より、680℃で一定割合の酸素を含む燃焼ガスを流入させ、目封止ハニカム構造体の圧力損失が低下したときに燃焼ガスの流量を減少させることによって、スートを急燃焼させ、その後の目封止ハニカム構造体におけるクラックの発生の有無を確認した。この試験は、スートの堆積量が4g/Lから始め、クラックの発生が認められるまで、1g/Lずつ増加して、繰り返し行った。又、この試験は、同じ仕様の目封止ハニカム構造体3体について行った。各スート堆積量における評価は、試験後にクラックの発生が認められない場合を○、クラックの発生が認められた場合を×で表すこととした。評価の結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
(実施例2〜16)目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wの何れか又は両方を変更した他は、実施例1と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表1に示す。
【0061】
(比較例1)目封止ハニカム構造体に、隙間を形成しなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表1に示す。
【0062】
(実施例17)目封止ハニカム構造体を、図7〜図9に示される目封止ハニカム構造体70に準じた構造を有するものであり、隙間を有し、セルの形状は四角形及び八角形であり、それらセル(の開口)の大きさが異なっているものとした。それ以外は、実施例1と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
(実施例18〜32)目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wの何れか又は両方を変更した他は、実施例17と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表2に示す。
【0065】
(比較例2)目封止ハニカム構造体に、隙間を形成しなかった。それ以外は、実施例17と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表2に示す。
【0066】
(実施例33)目封止ハニカム構造体を、図10〜図12に示される目封止ハニカム構造体100に準じた構造を有するものであり、隙間を有し、セルの形状が丸形であるものとした。それ以外は、実施例1と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
(実施例34〜48)目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wの何れか又は両方を変更した他は、実施例33と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表3に示す。
【0069】
(比較例3)目封止ハニカム構造体に、隙間を形成しなかった。それ以外は、実施例33と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表3に示す。
【0070】
(考察)表1〜表3に示される実施例1〜48及び比較例1〜3の結果より、目封止部と隔壁との間に隙間を設けることによって、クラックが発生するまでのスート堆積量が多くなることがわかる。一般に、DPFとして用いたとき、スート堆積量が多いほど、再生時の発熱は大きく、目封止ハニカム構造体の端面近傍における熱膨張とそれに伴う変形は拡大する傾向にあるので、再生限界試験によるクラックが発生するスート堆積量が多いほど、耐熱衝撃性は高いと考えられる。又、この観点から、実施例1〜48の結果より、隙間の深さDを0.1mm以上、隙間の幅Wを0.1mm以上にすると、耐熱衝撃性が高くなり、好ましいことがわかる。更に、同じ隙間の深さDの場合に、隙間の幅Wを0.3以上にすると耐熱衝撃性が高くなり、好ましいことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタとして好適に使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す正面図である。
【図2】目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】従来の目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す図であり、正面から見た端面を表す図である。
【図4】本発明に係る目封止ハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す図であり、正面から見た端面を表す図である。
【図5】図4における目封止部で目封止された1つのセルの部分を拡大して表した図である。
【図6】図5と同じ部分を表す図であり、図5におけるAA線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【図7】本発明に係る目封止ハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す図であり、正面から見た端面を表す図である。
【図8】図7における目封止部で目封止された1つのセルの部分を拡大して表した図である。
【図9】図8と同じ部分を表す図であり、図8におけるBB線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【図10】本発明に係る目封止ハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す図であり、正面から見た端面を表す図である。
【図11】図10における目封止部で目封止された1つのセルの部分を拡大して表した図である。
【図12】図11と同じ部分を表す図であり、図11におけるCC線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【図13】本発明に係る目封止ハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す図であり、正面から見た端面における、目封止部で目封止された1つのセルの部分を拡大して表した図である。
【図14】図13と同じ部分を表す図であり、図13におけるEE線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1:目封止ハニカム構造体、2a,2b:端面、3:セル、3a:(目封止された)セル、3b:(目封止されていない)セル、4:隔壁、10,11:目封止部、20:外周壁、30:(従来の)目封止ハニカム構造体、31:クラック、40,70,100,130:(本発明に係る)目封止ハニカム構造体、41,71,101:隙間、50:ハニカム構造体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタとして好適に使用される目封止ハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
公害を防止し環境の改善を図るため、排気ガスの処理にフィルタが適用され、その排気ガス処理用のフィルタとして、目封止ハニカム構造体が多用されている。例えば、ディーゼルエンジン等からの排気ガスに含まれている粒子状物質(Particulate Matter(PM)、有機溶媒可溶成分とスートとサルフェートの3成分として検出されるもの)を捕捉して除去するために、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)がディーゼルエンジンの排気系等に組み込まれて使用されており、このDPFに目封止ハニカム構造体が使用されている。
【0003】
目封止ハニカム構造体をDPFとして使用する場合には、PMを捕捉して除去する時(使用時)、及び内部に経時的に堆積したPMによる圧力損失の増大を取り除くため内部に堆積したPMを燃焼させて除去する時(再生時)に、温度上昇が不均一になり易く、熱応力によってクラック等の欠陥が発生することがある点に、留意すべきである。特に、近時、DPFが大型化してきたことから、使用時及び再生時に発生する熱応力は、従来よりも著しく増大してきており、その熱応力に基づく欠陥の発生の頻度及びその程度は、より深刻化している。
【0004】
これに対し、接合材層を介して互いの接合面で複数のハニカムセグメントを一体的に接合させた構造を有する目封止ハニカム構造体が提案されている。このような目封止ハニカム構造体では、接合材層が熱膨張を抑制するクッション材的役割を果たすので、熱応力が緩和される。又、セグメント構造の採用により、温度の高いところと低いところとの距離が短くなり、温度勾配が小さくなる。そのため、セグメント構造を有する目封止ハニカム構造体は、クラック等の欠陥が発生し難いという優れた性能を有する。
【0005】
尚、後述する本発明の課題と同一又は近似する課題を解決した先行文献は存在しないようである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、セグメント構造を有する目封止ハニカム構造体であっても、DPFとして用いた場合に、クラックを引き起こす場合があり、更なる対策を講ずべき問題に直面することとなった。本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、排気ガス用のフィルタとして、特に、ディーゼルエンジンの排気ガス中のPM等を捕集するDPFとして、有用であり、使用時及び再生時において、隔壁にクラックが生じ難い目封止ハニカム構造体を提供することを課題とする。
【0007】
調査がなされた結果、端面上の目封止部の間における隔壁の交点部分において、特にクラックが多発していることが確認された。この事実に基づき、研究がなされた結果、特に排気ガスの燃焼の最終端である出口端面近傍では、再生時におけるPMの燃焼によって最も温度上昇するので、その端面近傍が熱膨張によって変形し、隔壁の端面に引張応力が発生して、クラックが引き起こされるものと考えられ、この排気ガス出口側の端面近傍の熱膨張は、セグメント構造の採用に基づく接合材層の存在だけでは、更に望むべき耐クラック性向上に対し、十分に吸収することが出来ないものであることが突き止められた。そして、対策を施すべく更なる研究が重ねられた結果、本発明を完成するに至った。具体的には、上記課題の解決という目的を達成するため、本発明によって、以下の目封止ハニカム構造体が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、先ず、本発明によれば、二の端面の間を連通する複数のセルを形成する多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、セルを端面で目封止する目封止部とを備え、その目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に、端面の側に開いた隙間を有する目封止ハニカム構造体が提供される。
【0009】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、外形上は概ねハニカム構造体そのものであるから柱状を呈するものである。本発明に係る目封止ハニカム構造体は、目封止自体は確りとなされているものであり、DPFとして用いたときに、PM等を捕集する機能を発揮するものであることを前提とし、その上で、端面近傍の隔壁にクラックを生じ難くしたものである。本発明に係る目封止ハニカム構造体には、目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に隙間があるが、その隙間は端面近傍のみに存在し、ハニカム構造体の内部側では目封止部とハニカム構造体の隔壁とは密着しており隙間は存在せず、DPFとして使用したときにPM等を通過させることはない。隙間は、端面の側に開いているから、換言すれば、この隙間は、(端面を見たときに)端面に形成された凹部であるということが出来る。
【0010】
隙間は、端面近傍において目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に常に存在しなければならないわけではなく、端面近傍であってもその一部において、目封止部とハニカム構造体の隔壁との間が密着されていてもよい。この場合、1つのセルにおいて、隙間は複数に区画されることになる。
【0011】
本発明に係る目封止ハニカム構造体においては、上記隙間の幅が0.1mm以上であり、且つ、上記隙間の深さが0.1mm以上4mm以下であることが好ましい。
【0012】
隙間の幅は、0.3mm以上であることが、より好ましい。隙間の深さは、1.0mm以上4mm以下であることが、より好ましい。
【0013】
本発明に係る目封止ハニカム構造体における隙間の幅とは、端面においてセルの中心(端面に現れるセルの形状の中心)とハニカム構造体の隔壁とを結ぶ線上に現れる、目封止部とハニカム構造体の隔壁との最大距離をいうものとする。端面近傍における目封止部とハニカム構造体の隔壁との間の距離は、一定ではない場合があるが、この場合でも、隙間の幅は特定される。又、本発明に係る目封止ハニカム構造体における隙間の深さとは、ハニカム構造体の二の端面の間を連通するセルの連通方向(柱状であるハニカム構造体の中心軸方向)に平行であって、端面と隙間の最深部との最大距離をいうものとする。既述のように、隙間は端面近傍のみに存在するが、この隙間の深さによって、近傍の程度(端面から隙間が存在する範囲)が示される。
【0014】
本発明に係る目封止ハニカム構造体においては、目封止部の長さをLとしたとき、隙間の深さDと目封止部の長さLとの比であるD/Lが、2/3以下であることが好ましい。又、目封止部の長さLと隙間の深さDとの差によって目封止部と隔壁との接着長さが規定されるが、この差(L−D)が2mm以上であることが好ましい。例えば、隙間の深さDを4mmとした場合には、好ましい目封止部の長さLは6mm以上である。このような条件を満たせば、接着面積が確保され、隔壁と目封止部との接着強度が維持されて、目封止部の抜けが起き難くなる。
【0015】
本発明に係る目封止ハニカム構造体においては、二の端面を結ぶ方向に垂直な断面に現れるセルの形状(断面形状)が、多角形又は円形であることが好ましい。
【0016】
セルの断面形状(単にセルの形状ともいう)の多角形とは、具体的に、四角形、六角形、八角形等を指す。
【0017】
本発明に係る目封止ハニカム構造体においては、目封止部が、端面から突出していることが好ましい。
【0018】
目封止部の端面から突出する態様は、特に限定されるものではない。端面から突出した目封止部の形状は、端面近傍におけるセル内部の目封止部の形状から連続して滑らかに盛り上がった山型、凸型であることが好ましい。
【0019】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、セグメント構造を有するものであってもなくてもよい。セグメント構造には、熱膨張による変形抑制効果が認められることから、本発明に係る目封止ハニカム構造体は、セグメント構造を採ることが、そうでない場合に比して、より好ましい。セグメント構造とは、二の端面の間を連通する複数のセルを形成する多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体を1つのハニカムセグメントとして捉え、これを、セルの連通方向(柱状であるハニカムセグメントの中心軸方向)と垂直の方向において複数個組み合わせ、接合一体化することにより構成されたものである。
【0020】
本発明に係る目封止ハニカム構造体では、多くの場合、二の端面は、流体の入口側となる入口端面と流体の出口側となる出口端面とで構成され、本発明に係る目封止ハニカム構造体は、目封止部によって、それら入口端面と出口端面との間を連通する複数のセルのうちの所定のセル(の開口)を入口端面で目封止するとともに残余のセル(の開口)を出口端面で目封止し、入口端面及び出口端面に千鳥模様あるいは市松模様が表れる態様を採る。又、本発明に係る目封止ハニカム構造体では、入口端面と出口端面とでセル(の開口)の大きさを異なるものとし、入口端面と出口端面とで開口率を異なるものとすることが可能である。
【0021】
本発明に係る目封止ハニカム構造体において、隙間の幅及び隙間の深さは、全ての隙間において一定であることが好ましい。又、本発明に係る目封止ハニカム構造体をDPFとして使用したときに、DPF内のPMは入口端面側から出口端面側へと、順次、燃焼していくので、燃焼の最終端となる出口端面近傍が、最も温度上昇することとなり、当該部分において、PMを燃焼させたときの熱膨張も大きくなると考えられることから、流体の出口側となる出口端面近傍であって当該端面の中心側において隙間の幅及び隙間の深さを相対的に大きくし、当該端面の外周側において隙間の幅及び隙間の深さを相対的に小さくする、といった態様を採ることが可能である。流体の入口側となる入口端面の側には、隙間を設けない態様を採ってもよい。
【0022】
次に、本発明によれば、上記した何れかの目封止ハニカム構造体を用いたディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に、端面の側に開いた隙間を有するので、DPFとして用いたときに、特に再生時に端面近傍部分が膨張し変形した際の引張応力が緩和され、クラックが生じ難い。具体的には、DPFの特に再生時には、PMを燃焼させることに伴って発生する高い熱応力が、ハニカム構造体の特に出口端面近傍において大きくなり、セルを形成する隔壁の交点に引張応力の負荷を生じさせ、クラック発生に到ると考えられる。これに対し、本発明に係る目封止ハニカム構造体は、目封止部とハニカム構造体の隔壁との間に、端面の側に開いた隙間を設けることによって、引張応力を緩和し、クラックの発生を抑制している。
【0024】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、その好ましい態様において 隙間の幅が0.1mm以上であり、且つ、隙間の深さが0.1mm以上4mm以下であるので、上記クラック防止効果を得つつ、隙間以外の部分における目封止部とハニカム構造体の隔壁との間も接合強度は、十分に確保され、DPFとして用いたときに目封止部が抜けるといった不具合を生じ難い。
【0025】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、その好ましい態様において、目封止部が、端面から突出しているので、端面からの突出した分、突き出していない場合より、端面近傍における熱容量が大きくなって、再生時の端面近傍での熱膨張による変形が起こり難くなる。そして、その結果、端面における隔壁への引張応力が低減され、クラックが、より発生し難くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明に係る要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明に係る実施形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
【0027】
[目封止ハニカム構造体の形状、構造、特性及び機能]先ず、本発明に係る目封止ハニカム構造体を含む目封止ハニカム構造体の形状、構造、特性及び機能について説明する。図1は、目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す正面図であり、外形が円柱状の目封止ハニカム構造体の端面を表した図である。図2は、目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図であり、外形が円柱状の目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な断面を表した図である。
【0028】
図1及び図2に示される目封止ハニカム構造体1は、外周壁20で囲われた内部に、流体の流路となる複数のセル3を(区画して)形成する、多孔質の隔壁4を備えたハニカム構造体50において、目封止ハニカム構造体1の二つの端面2a,2bで、セル3の端部を目封止する目封止部10を形成したものである。
【0029】
隔壁4は、二つの端面2a(入口端面)、端面2b(出口端面)の間を連通する複数のセル3が形成されるように配置され、目封止部10は、目封止ハニカム構造体1の何れかの端面2a,2bにおいて、セル3を目封止するように配置されている。目封止部10は、隣接するセル3が、互いに反対側のセル3の端部(目封止ハニカム構造体1の端面2a,2bの何れか側の端部)で目封止されるように存在し、その結果、図1に示されるように、目封止ハニカム構造体1の端面は市松模様状(千鳥模様状)を呈する。従って、端面2a(入口端面)と端面2b(出口端面)は、開口率が同等である。
【0030】
目封止ハニカム構造体1は、そのDPFとしての使用時においては、排気ガス(流体)は、一の端面2a(入口端面)側から、開口しているセル3内に流入し、濾過層となる隔壁4を通過し、透過流体として、他の端面2b側が開口したセル3へ流出させ、他方の端面2b(出口端面)側から外部へと流出する。この隔壁4を通過する際に、排気ガスに含まれるPMが隔壁4で捕集される。
【0031】
目封止ハニカム構造体1のセル3の密度(セル密度)は、15個/cm2以上65個/cm2未満であることが好ましく、且つ、隔壁4の厚さは、200μm以上600μm未満であることが好ましい。DPFとして用いたときのPM堆積時の圧力損失は、濾過面積が大きいほどに低減されるから、セル密度は大きい方が、PM堆積時の圧力損失は低下する。一方、初期の圧力損失は、セルの水力直径を小さくすることによって増加する。よって、PM堆積時の圧力損失低減の観点からはセル密度は大きい方がよいが、初期圧損低減の観点からはセル密度を小さくした方がよい。隔壁4の厚さは、厚くすれば捕集効率が向上するが、初期の圧力損失は増加する。初期の圧力損失、PM堆積時の圧力損失、及び捕集効率のトレードオフを考慮して、全てを満足するセル密度及び隔壁の厚さの範囲が、上記した範囲である。
【0032】
目封止ハニカム構造体1の(ハニカム構造体50の)、40〜800℃における、セル3の連通方向の熱膨張係数は、1.0×10−6/℃未満であることが好ましく、0.8×10−6未満/℃であることが更に好ましく、0.5×10−6未満/℃であることが特に好ましい。40〜800℃におけるセルの連通方向の熱膨張係数が1.0×10−6/℃未満であると、DPFとして用いて高温の排気ガスに晒された際の発生熱応力を許容範囲内に抑えることが出来、熱応力破壊が防止されるからである。
【0033】
図1及び図2に示されるように、目封止ハニカム構造体1は、その全体形状が円柱形(円筒形)であり、セル3の形状(セル3の連通方向に垂直な面(目封止ハニカム構造体1の径方向に平行な面)で切断したときに表れる断面の形状)が四角形であるが、本発明に係る目封止ハニカム構造体において、その全体形状及びセルの形状は、特に制限されない。例えば、全体形状は、楕円柱状、長円柱状、四角柱状、三角柱状、その他の多角柱状の形状であってよく、セルの形状は、八角形、六角形、三角形等を採用し得る。
【0034】
目封止ハニカム構造体1の最外周に位置する外周壁20は、製造時に(成形時に)、隔壁4で構成される部分と一体的に成形する成形一体壁であってもよく、成形後に隔壁4で構成される部分の外周を研削して所定形状としセメント等で外周壁を形成するセメントコート壁であってもよい。
【0035】
[目封止ハニカム構造体におけるクラックの発生態様]続いて、従来の目封止ハニカム構造体におけるクラックの発生態様について、一例を示して説明する。図3は、従来の目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す図であり、図1に相当する端面の一部を表した図である。
【0036】
従来の目封止ハニカム構造体30では、DPFとして用いたときに、特に再生時(捕集されたPMを燃焼して除去する際)において、内部で急激に温度が上昇し、出口端面(図2における端面2b相当の端面)の近傍が熱膨張することによって変形する。そして、目封止部10の有無によって、その熱膨張(変形)の程度が異なることから、目封止部10で目封止されたセル3aを形成する隔壁4の交点に(図3中における矢印方向に)引張応力を生じさせ、目封止されていないセル3bを貫通するように、隔壁4を破壊するクラック31が発生し易い。
【0037】
[本発明に係る目封止ハニカム構造体の特徴]次に、隙間を有することによって上記のようなクラック発生防止を図った、本発明に係る目封止ハニカム構造体の特徴について、実施形態を掲げて説明する。尚、以下に示す本発明に係る目封止ハニカム構造体の実施形態は、その形状、構造、特性及び機能については、以下に説明する点を除き、既述の目封止ハニカム構造体1に準じるものである。
【0038】
(実施形態その1)図4〜図6は、本発明に係る目封止ハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す図である。図4は、端面の一部を表した図であり、図1に相当する正面を表した図である。図5は、図4の一部を拡大した図であり、目封止部で目封止されたセルを表した図である。図6は、図5と同じ部分を表す図であり、図5におけるAA線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【0039】
図4〜図6に示される目封止ハニカム構造体40では、セルの断面形状は四角形である。この目封止ハニカム構造体40は、目封止部10で目封止されたセル3aにおいて、目封止部10と(ハニカム構造体の)隔壁4との間に、隙間41を有している。
【0040】
目封止部10と隔壁4との間の隙間41は、クラックの発生し易い隔壁4の交点Q1の側で広く取られており、目封止部10と隔壁4との距離は、端面2bにおいてセル3aの中心Pと隔壁4の交点Q1とを結ぶ線上において最大になっている。端面2bに表れる隙間41の形状は三角形(二等辺三角形)を呈し、端面2bに表れる目封止部10の形状は四角形(正方形)になっている。目封止部10は、この四角形の角で隔壁4と接しているので(図5を参照)、1つのセル3aにつき、セル3aの中心Pから4つの隔壁4の交点Q1の方向に4つの隙間41が存在することになる。
【0041】
隙間41は、目封止ハニカム構造体40の内部の側(図6における下側)から端面2bの側に開いており、端面2bと隙間41の最深部との最大距離で定義される隙間41の深さDは、0.1mm以上4mm以下であり、有限である。即ち、隙間41は、端面2bの近傍のみに存在するものであり、目封止ハニカム構造体40の内部の側では目封止部10と隔壁4とは密着していて、隙間は存在しない。この目封止ハニカム構造体40において、4つの隙間41の深さDは一定である(図6を参照)。又、隙間41の幅Wは、端面2bにおいてセル3aの中心Pと隔壁4の交点Q1とを結ぶ線上の、目封止部10と隔壁4との距離で示されるが、この隙間の幅Wは、0.1mm以上であり、4つの隙間41の幅Wは一定である(図5を参照)。
【0042】
(実施形態その2)図7〜図9は、本発明に係る目封止ハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す図である。図7は、端面の一部を表した図であり、図1に相当する正面を表した図である。図8は、図7の一部を拡大した図であり、目封止部で目封止されたセルを表した図である。図9は、図8と同じ部分を表す図であり、図8におけるBB線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【0043】
図7〜図9に示される目封止ハニカム構造体70では、セルの断面形状は四角形及び八角形であり、それらセル(の開口)の大きさが異なっている。図7に示された端面2bの側では八角形のセルが目封止部されているが、その端面2bとは反対側の端面2a(図示せず、図2に準じる)では四角形のセルが目封止部されるので、その反対側の端面2aの方が、端面2bよりも、開口率が大きくなる。この目封止ハニカム構造体70は、端面2bの側で目封止部10で目封止された八角形のセル3aにおいて、目封止部10と(ハニカム構造体の)隔壁4との間に、隙間71を有している。
【0044】
目封止部10と隔壁4との間の隙間71は、クラックの発生し易い隔壁4の交点Q2の側で広く取られており、目封止部10と隔壁4との距離は、端面2bにおいて、セル3aの中心Pと、隔壁4の近接する2つの交点Q2の中間点Mと、を結ぶ線上において最大になっている。端面2bに表れる隙間41の形状は台形を呈し、端面2bに表れる目封止部10の形状は四角形(正方形)になっている。目封止部10は、この四角形の角で隔壁4と接しているので(図8を参照)、1つのセル3aにつき、セル3aの中心Pから、(4つ存在する)近接する2つの交点Q2(あるいはそれらの中間点M)の方向に、4つの隙間71が存在することになる。
【0045】
隙間71は、目封止ハニカム構造体70の内部の側(図9における下側)から端面2bの側に開いており、端面2bと隙間71の最深部との最大距離で定義される隙間71の深さDは、0.1mm以上4mm以下であり、有限である。即ち、隙間71は、端面2bの近傍のみに存在するものであり、目封止ハニカム構造体70の内部の側では目封止部10と隔壁4とは密着していて、隙間は存在しない。この目封止ハニカム構造体70において、4つの隙間71の深さDは一定である(図9を参照)。又、隙間71の幅Wは、端面2bにおいて、セル3aの中心Pと、隔壁4の近接する2つの交点Q2の中間点Mと、を結ぶ線上の、目封止部10と隔壁4との距離で示されるが、この隙間の幅Wは、0.1mm以上であり、4つの隙間71の幅Wは一定である(図8を参照)。
【0046】
(実施形態その3)図10〜図12は、本発明に係る目封止ハニカム構造体の更に他の実施形態を模式的に示す図である。図10は、端面の一部を表した図であり、図1に相当する正面を表した図である。図11は、図10の一部を拡大した図であり、目封止部で目封止されたセルを表した図である。図12は、図11と同じ部分を表す図であり、図11におけるCC線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【0047】
図10〜図12に示される目封止ハニカム構造体100では、セルの断面形状は円形である。この目封止ハニカム構造体100は、目封止部10で目封止されたセル3aにおいて、目封止部10と(ハニカム構造体の)隔壁4との間に、隙間101を有している。
【0048】
目封止部10と隔壁4との間の隙間101は、クラックの発生し易い、隔壁4の最狭点Q3の側で広く取られており、目封止部10と隔壁4との距離は、端面2bにおいてセル3aの中心Pと隔壁4の最狭点Q3とを結ぶ線上において最大になっている。端面2bに表れる隙間101の形状は弓形を呈し、端面2bに表れる目封止部10の形状は四角形(正方形)になっている。目封止部10は、この四角形の角で隔壁4と接しているので(図11を参照)、1つのセル3aにつき、セル3aの中心Pから、(4つ存在する)最狭点Q3の方向に、4つの隙間101が存在することになる。
【0049】
隙間101は、目封止ハニカム構造体100の内部の側(図12における下側)から端面2bの側に開いており、端面2bと隙間101の最深部との最大距離で定義される隙間101の深さDは、0.1mm以上4mm以下であり、有限である。即ち、隙間101は、端面2bの近傍のみに存在するものであり、目封止ハニカム構造体100の内部の側では目封止部10と隔壁4とは密着していて、隙間は存在しない。この目封止ハニカム構造体100において、4つの隙間101の深さDは一定である(図12を参照)。又、隙間101の幅Wは、端面2bにおいて、セル3aの中心Pと隔壁4の最狭点Q3とを結ぶ線上の、目封止部10と隔壁4との距離で示されるが、この隙間の幅Wは、0.1mm以上であり、4つの隙間101の幅Wは一定である(図12を参照)。
【0050】
(実施形態その4)図13及び図14は、本発明に係る目封止ハニカム構造体の更に他の実施形態を模式的に示す図である。図13は、端面の一部を拡大した図であり、目封止部で目封止されたセルを表した図である。図14は、図13と同じ部分を表す図であり、図13におけるEE線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【0051】
図13及び図14に示される目封止ハニカム構造体130では、目封止部11は、隙間41を形成する断面において(図14を参照)、隔壁4と接するところから連続して滑らかに盛り上がった山型を呈していて、端面2bから突出している。この点を除き、目封止ハニカム構造体130は、既述の目封止ハニカム構造体40と同態様であるので、説明は省略する。
【0052】
[本発明に係る目封止ハニカム構造体の製造方法]次に、本発明に係る目封止ハニカム構造体を製造する方法について説明する。先ず、目封止していないハニカム構造体(又はハニカムセグメント)を作製するが、この手段として、従来公知の方法を用いることが出来る。一例として、主材料に、バインダ、造孔材、界面活性剤、溶媒としての水等を添加して、可塑性の坏土とし、この坏土を所定のハニカム形状となるように押出成形し、次いで、マイクロ波、熱風等によって乾燥した後、焼成する方法を挙げることが出来る。尚、ハニカム構造体の焼成は、次に述べるセルを目封止する(目封止部を形成する)前に行ってもよいし、セルに目封止をした後で、目封止部の焼成と一緒に行うことも可能である。
【0053】
セルを目封止する方法も、従来公知の方法を用いることが出来る。一例として、ハニカム構造体の端面にシートを貼り付けた後、そのシートの、形成しようとする目封止部の形状に合った大きさ及び位置に、穴を開け、シートを貼り付けたままの状態で、目封止部の材料をスラリー化した目封止用スラリーに、ハニカム構造体の端面を浸漬し、シートに開けた穴を通じて、目封止しようとするセル内に目封止用スラリーを充填し、それを乾燥し、焼成して、硬化させる方法を挙げることが出来る。シートに穴を開ける際に、隙間になるところを開けなければ、目封止用スラリーがセルに入っていかず、隙間を形成することが可能である。
【0054】
主材料は、ハニカム構造体(隔壁)を構成する材料であり、強度、耐熱性の観点から、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、Fe−Cr−Al系金属からなる材料群から選択される少なくとも一種の材料を用いることが好ましい。中でも、炭化珪素(SiC)又は珪素−炭化珪素系複合材料から構成されてなるものが、特に好ましい。バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールを用いることが出来る。
【0055】
目封止部の材料は、ハニカム構造体との熱膨張差を小さくするため、ハニカム構造体と同じ材料を用いることが好ましい。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
(実施例1)[目封止ハニカム構造体の作製]炭化珪素粉末及び金属珪素粉末を75:25の質量割合で混合し、これにメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、界面活性剤及び水を添加して混練し、可塑性の坏土を得た。次いで、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、セルの形状が四角形で、全体形状が円柱状のハニカム成形体を得た。次いで、得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。そして、ハニカム成形体の一の端面のセルの開口に、のちに目封止部と隔壁との間に隙間が形成されるように穴を開けたシートで、市松模様状(千鳥模様状)に交互にマスクを施し、マスクを施した端面の側を炭化珪素を含有する目封止スラリーに浸漬し、穴に対応した位置のセル内に目封止スラリーを充填した。他の端面については、一の端面において目封止部を形成しなかったセルが、のちに目封止部と隔壁との間に隙間が形成されるように開けた穴に対応した位置になるように、シートでマスクを施し、マスクを施した端面の側を炭化珪素を含有する目封止スラリーに浸漬し、穴に対応した位置のセル内に目封止スラリーを充填した。その後、目封止スラリーを充填したハニカム成形体を熱風乾燥機で乾燥し、更に、1410〜1440℃で、5時間、焼成することによって、直径がφ143.8mm、(中心軸方向の)長さが152.4mmの目封止ハニカム構造体を得た。得られた目封止ハニカム構造体は、図4〜図6に示される目封止ハニカム構造体40に準じた構造を有し、隙間を有し、セルの形状は四角形であり、隙間の深さDは0.1mm、隙間の幅Wは0.1mmであった。
【0058】
[再生限界試験]DPFとして用い、順次、スートの堆積量を増加させて、再生を行い、クラックが発生する限界を確認する試験を行った。具体的には、先ず、得られた目封止ハニカム構造体の外周に、保持材としてセラミック製無膨張マットを巻き、SUS409製のキャニング用缶体に押し込んで、キャニング構造体とした。その後、ディーゼル燃料軽油の燃焼により発生させたスートを含む燃焼ガスを、目封止ハニカム構造体の一の端面より流入させ、他の端面より流出させることによって、スートを目封止ハニカム構造体内に堆積させた。そして、一旦、室温まで冷却した後、目封止ハニカム構造体の一の端面より、680℃で一定割合の酸素を含む燃焼ガスを流入させ、目封止ハニカム構造体の圧力損失が低下したときに燃焼ガスの流量を減少させることによって、スートを急燃焼させ、その後の目封止ハニカム構造体におけるクラックの発生の有無を確認した。この試験は、スートの堆積量が4g/Lから始め、クラックの発生が認められるまで、1g/Lずつ増加して、繰り返し行った。又、この試験は、同じ仕様の目封止ハニカム構造体3体について行った。各スート堆積量における評価は、試験後にクラックの発生が認められない場合を○、クラックの発生が認められた場合を×で表すこととした。評価の結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
(実施例2〜16)目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wの何れか又は両方を変更した他は、実施例1と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表1に示す。
【0061】
(比較例1)目封止ハニカム構造体に、隙間を形成しなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表1に示す。
【0062】
(実施例17)目封止ハニカム構造体を、図7〜図9に示される目封止ハニカム構造体70に準じた構造を有するものであり、隙間を有し、セルの形状は四角形及び八角形であり、それらセル(の開口)の大きさが異なっているものとした。それ以外は、実施例1と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
(実施例18〜32)目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wの何れか又は両方を変更した他は、実施例17と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表2に示す。
【0065】
(比較例2)目封止ハニカム構造体に、隙間を形成しなかった。それ以外は、実施例17と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表2に示す。
【0066】
(実施例33)目封止ハニカム構造体を、図10〜図12に示される目封止ハニカム構造体100に準じた構造を有するものであり、隙間を有し、セルの形状が丸形であるものとした。それ以外は、実施例1と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
(実施例34〜48)目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wの何れか又は両方を変更した他は、実施例33と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表3に示す。
【0069】
(比較例3)目封止ハニカム構造体に、隙間を形成しなかった。それ以外は、実施例33と同様にして、目封止ハニカム構造体を作製し、再生限界試験を行った。各スート堆積量における評価結果を、試験を行った目封止ハニカム構造体の隙間の深さD及び隙間の幅Wとともに、表3に示す。
【0070】
(考察)表1〜表3に示される実施例1〜48及び比較例1〜3の結果より、目封止部と隔壁との間に隙間を設けることによって、クラックが発生するまでのスート堆積量が多くなることがわかる。一般に、DPFとして用いたとき、スート堆積量が多いほど、再生時の発熱は大きく、目封止ハニカム構造体の端面近傍における熱膨張とそれに伴う変形は拡大する傾向にあるので、再生限界試験によるクラックが発生するスート堆積量が多いほど、耐熱衝撃性は高いと考えられる。又、この観点から、実施例1〜48の結果より、隙間の深さDを0.1mm以上、隙間の幅Wを0.1mm以上にすると、耐熱衝撃性が高くなり、好ましいことがわかる。更に、同じ隙間の深さDの場合に、隙間の幅Wを0.3以上にすると耐熱衝撃性が高くなり、好ましいことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る目封止ハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタとして好適に使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す正面図である。
【図2】目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】従来の目封止ハニカム構造体の一例を模式的に示す図であり、正面から見た端面を表す図である。
【図4】本発明に係る目封止ハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す図であり、正面から見た端面を表す図である。
【図5】図4における目封止部で目封止された1つのセルの部分を拡大して表した図である。
【図6】図5と同じ部分を表す図であり、図5におけるAA線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【図7】本発明に係る目封止ハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す図であり、正面から見た端面を表す図である。
【図8】図7における目封止部で目封止された1つのセルの部分を拡大して表した図である。
【図9】図8と同じ部分を表す図であり、図8におけるBB線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【図10】本発明に係る目封止ハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す図であり、正面から見た端面を表す図である。
【図11】図10における目封止部で目封止された1つのセルの部分を拡大して表した図である。
【図12】図11と同じ部分を表す図であり、図11におけるCC線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【図13】本発明に係る目封止ハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す図であり、正面から見た端面における、目封止部で目封止された1つのセルの部分を拡大して表した図である。
【図14】図13と同じ部分を表す図であり、図13におけるEE線上であって目封止ハニカム構造体の中心軸に平行な面に表れたセルの断面を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1:目封止ハニカム構造体、2a,2b:端面、3:セル、3a:(目封止された)セル、3b:(目封止されていない)セル、4:隔壁、10,11:目封止部、20:外周壁、30:(従来の)目封止ハニカム構造体、31:クラック、40,70,100,130:(本発明に係る)目封止ハニカム構造体、41,71,101:隙間、50:ハニカム構造体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二の端面の間を連通する複数のセルを形成する多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、前記セルを端面で目封止する目封止部と、を備え、その目封止部と前記ハニカム構造体の隔壁との間に、端面の側に開いた隙間を有する目封止ハニカム構造体。
【請求項2】
前記隙間の幅が0.1mm以上であり、且つ、前記隙間の深さが0.1mm以上4mm以下である請求項1に記載の目封止ハニカム構造体。
【請求項3】
前記目封止部が、端面から突出している請求項1又は2に記載の目封止ハニカム構造体。
【請求項4】
二の端面を結ぶ方向に垂直な断面に現れるセルの形状が、多角形又は円形である請求項1〜3の何れか一項に記載の目封止ハニカム構造体。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の目封止ハニカム構造体を用いたディーゼルパティキュレートフィルタ。
【請求項1】
二の端面の間を連通する複数のセルを形成する多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、前記セルを端面で目封止する目封止部と、を備え、その目封止部と前記ハニカム構造体の隔壁との間に、端面の側に開いた隙間を有する目封止ハニカム構造体。
【請求項2】
前記隙間の幅が0.1mm以上であり、且つ、前記隙間の深さが0.1mm以上4mm以下である請求項1に記載の目封止ハニカム構造体。
【請求項3】
前記目封止部が、端面から突出している請求項1又は2に記載の目封止ハニカム構造体。
【請求項4】
二の端面を結ぶ方向に垂直な断面に現れるセルの形状が、多角形又は円形である請求項1〜3の何れか一項に記載の目封止ハニカム構造体。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の目封止ハニカム構造体を用いたディーゼルパティキュレートフィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−178705(P2009−178705A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22923(P2008−22923)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】
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