説明

目標特徴線特定装置、情報出力装置、目標特徴線特定方法、及び目標特徴線特定処理プログラム

【課題】目標となる目標特徴線を正確に特定することを可能とした目標特徴線特定装置、情報出力装置、目標特徴線特定方法、及び目標特徴線特定処理プログラムを提供する。
【解決手段】本発明は、画像のデータを入力する入力手段と、入力された画像中における複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、前記画像中における複数の特徴線を抽出する特徴線抽出手段と、前記抽出された複数の特徴線のうちから、所定長以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数以上の前記特徴点と重なる又は隣り合う特徴線を、目標となる目標特徴線として特定する目標特徴線特定手段と、前記特定された目標特徴線を示す目標特徴線データを記憶する目標特徴線データ記憶手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された画像中における特徴線を抽出する装置及び方法等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネット上でサーバからクライアントに対して様々な情報提供サービスが行われているが、例えばクライアントから送信された画像中における特徴線を用いることで新たな情報サービス形態が考えられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、手相占いシステムが提案されている。この手相占いシステムでは、カメラ付き携帯端末からネットワークを介して送信された手相の画像の明暗および色彩を基に手相線(特徴線の一例)を示す手相線データを抽出し、データベースに記録された手相線データのうち、前記抽出された手相線データに合致する手相線データに関連付けられた占いデータをカメラ付き携帯端末に送信するようになっている。また、この手相占いシステムによれば、手相線の抽出は手相画像の明暗によるヒストグラム処理を行った後、明暗に基づいて行われるとされている。このような特徴線を抽出する技術として、一般に、Canny edge detectorと呼ばれる技術が知られている。
【特許文献1】特開2007−183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えばCanny edge detector等の特徴線抽出技術では、精度良く特徴線を抽出することができるものの、上述したように手相画像から手相線(つまり、掌線)のみを本来得たい目標となる目標特徴線として抽出したい場合には、不都合が生じる。すなわち、特徴線の抽出精度を上げれば上げるほど、目標特徴線以外のノイズとなる特徴線も多く抽出されてしまい、目標特徴線との区別がつかなくなる。
【0005】
本発明は、このような点等に鑑みてなされたものであり、目標となる目標特徴線を正確に特定することを可能とした目標特徴線特定装置、情報出力装置、目標特徴線特定方法、及び目標特徴線特定処理プログラムを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像のデータを入力する入力手段と、入力された画像中における複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、前記画像中における複数の特徴線を抽出する特徴線抽出手段と、前記抽出された複数の特徴線のうちから、所定長以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数以上の前記特徴点と重なる又は隣り合う特徴線を、目標となる目標特徴線として特定する目標特徴線特定手段と、前記特定された目標特徴線を示す目標特徴線データを記憶する目標特徴線データ記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、目標特徴線以外のノイズとなる特徴線を除去し、当該目標特徴線を正確に特定することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の目標特徴線特定装置において、前記特徴点又は前記特徴線が抽出された後の前記画像に対して複素対数極座標変換を行う極座標変換手段と、前記特定された目標特徴線を、前記変換された変換画像の一部所定領域内に位置する目標特徴線と、前記一部所定領域外に位置する目標特徴線とに区別する目標特徴線区別手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、一部所定領域内に位置する目標特徴線と、一部所定領域外に位置する目標特徴線とに区別して使用することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の目標特徴線特定装置において、前記特徴点又は前記特徴線が抽出された後の前記画像に対して複素対数極座標変換を行う極座標変換手段を更に備え、前記目標特徴線特定手段は、前記特定した目標特徴線から、前記変換された変換画像の一部所定領域内に位置する目標特徴線を更に特定することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、一部所定領域内に位置する目標特徴線のみを使用することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の目標特徴線特定装置において、前記画像は、手の平の画像を含み、前記目標特徴線は、前記手の平における掌線の候補であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の目標特徴線特定装置を有する情報出力装置であって、複数の掌線を示す掌線データと、各掌線データに対応付けられた手相占い内容を示す手相占いデータと、を予め記憶しておくデータベースと、前記データベースから前記複数の掌線データを取得する掌線データ取得手段と、前記目標特徴線データと、前記取得された複数の掌線データを比較することにより、当該目標特徴線データに示される目標特徴線に最も近い掌線を示す掌線データを特定する掌線データ特定手段と、前記特定された掌線データに対応付けられた手相占いデータを出力する手相占いデータ出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、上記特定された目標特徴線を用いて簡単に手相占いサービスを行うことができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の情報出力装置はネットワークに接続されたサーバ装置であり、前記入力手段は、前記ネットワークを介して接続された端末装置から送信されてきた前記画像のデータを入力し、前記手相占いデータ出力手段は、前記特定された掌線データに対応付けられた手相占いデータを前記端末装置に対して前記ネットワークを介して出力することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、ユーザは、自己の手相を端末装置により撮影して情報出力装置に送信すれば、簡単に手相占い結果を得ることができる。
【0017】
請求項7に記載の目標特徴線特定処理プログラムの発明は、コンピュータを、画像のデータを入力する入力手段、入力された画像中における複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段、前記画像中における複数の特徴線を抽出する特徴線抽出手段、前記抽出された複数の特徴線のうちから、所定長以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数以上の前記特徴点と重なる又は隣り合う特徴線を、目標となる目標特徴線として特定する目標特徴線特定手段、及び、前記特定された目標特徴線を示す目標特徴線データを記憶する目標特徴線データ記憶手段として機能させることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、コンピュータが、画像のデータを入力し、入力された画像中における複数の特徴点を抽出し、前記画像中における複数の特徴線を抽出し、前記抽出された複数の特徴線のうちから、所定長以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数以上の前記特徴点と重なる又は隣り合う特徴線を、目標となる目標特徴線として特定し、前記特定された目標特徴線を示す目標特徴線データを記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、目標特徴線以外のノイズとなる特徴線を除去し、当該目標特徴線を正確に特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、手相占い(手相鑑定、手相診断ともいう)システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0021】
[I.手相占いシステムの構成及び機能]
先ず、本実施形態に係る手相占いシステムSの構成及び機能について、図1を参照して説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る手相占いシステムSの概要構成例を示す図である。
【0023】
図1に示すように、手相占いシステムSは、手相占いサービスを行う情報提供サーバ1(情報出力装置の一例)と、当該手相占いサービスの提供を受けるユーザ端末2(端末装置の一例)と、を含んで構成されている。
【0024】
情報提供サーバ1は、インターネット等のネットワークNWに接続されており、ユーザ端末2は、例えばゲートウェイやインターネットサービスプロバイダのサーバを通じてネットワークNWに接続可能になっている。これにより、情報提供サーバ1と、ユーザ端末2とは、ネットワークNWを介して相互にデータの送受信(例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルによる送受信)を行うことができる。なお、図1の例では、一つの情報提供サーバ1を示したが、これに限定されるものではなく、複数のサーバに機能分散するように構成しても良い。
【0025】
また、ユーザ端末2は、Webブラウザ(ソフト)及びカメラ機能を有する通信端末からなり、情報提供サーバ1からネットワークNWを介して提供されたWebページをディスプレイ上に表示可能になっている。なお、ユーザ端末2としては、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、又はPDA(Personal Digital Assistant)を適用できる。
【0026】
ここで、情報提供サーバ1の構成及び機能について、図2を参照して具体的に説明する。
【0027】
図2は、情報提供サーバ1の概要構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供サーバ1は、ネットワークNWに接続するための通信部11、各種データ及びプログラムを記憶するための記憶部12、及びサーバ1全体を制御する制御部13等を備えて構成され、Webサーバ及びデータベースサーバ等として機能する。なお、上記プログラムには、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム(目標特徴線特定処理プログラムを含む)が含まれる。
【0028】
記憶部12は、例えばハードディスクドライブ等からなり、ここには、手相占いデータを登録するための手相占いデータベース120が構築されている。
【0029】
手相占いデータベース120には、複数の掌線を示す掌線データと、各掌線データに対応付けられた手相占い内容を示す手相占いデータと、が登録されている。各掌線データには、例えば、掌線の種類(生命線、知能線、感情線、運命線等の何れか)を示すデータと、その掌線画像を含む手の平の画像のデータ(掌線画像を構成する各画素の座標(例えば、手の平の輪郭線上の任意の位置を基準とした座標)を含む)等が含まれている。なお、掌線データの持ち方としてはその他種々が考えられ、例えば、各掌線データに、生命線、知能線、感情線、運命線等、複数の掌線の掌線画像を含む手の平の画像のデータ等が含まれるように構成してもよい。
【0030】
一方、手相占いデータには、掌線の種類、形、長さ、及び位置関係等に基づき、事前に手相占い師等により判断された人の運勢(結婚運、恋愛運、仕事運、金銭運等)や才能資質、更には健康状態の良否等の内容が例えばテキスト形式で規定されている。
【0031】
制御部13は、CPU,ROM,RAM等を備えて構成されており、CPUがオペレーティングシステム上でアプリケーションプログラムを実行することにより、本発明における入力手段、特徴線抽出手段、特徴点抽出手段、目標特徴線特定手段、目標特徴線データ記憶手段、極座標変換手段、目標特徴線区別手段、掌線データ取得手段、掌線データ特定手段、及び手相占いデータ出力手段として機能し、後述する処理を行うようになっている。
【0032】
[II.手相占いシステムの動作]
次に、本実施形態に係る手相占いシステムSの動作について、図3等を参照して説明する。
【0033】
図3は、情報提供サーバ1とユーザ端末2における処理を示すフローチャートである。
【0034】
先ず、ユーザが、ユーザ端末2のブラウザを起動させ、情報提供サーバ1により提供されるWebサイトのURLを指定することにより、当該ユーザ端末2と情報提供サーバ1とが接続されると、情報提供サーバ1の制御部13は、通信部11及びネットワークNWを介して手相占いの案内画面のWebページデータをユーザ端末2に送信する(ステップS1)。
【0035】
次いで、ユーザ端末2が、上記案内画面のWebページデータを受信すると(ステップS101)、当該案内画面をブラウザによりディスプレイ上に表示する(ステップS102)。そして、ユーザは、案内画面上に表示された説明にしたがって、ユーザ端末2のカメラ機能を起動させて自己の手の平を撮影し(ステップS103)た後、案内画面上に表示された手相占い実行ボタンを押下すると、ユーザ端末2は、撮影された手の平の画像のデータを、ネットワークNWを介して情報提供サーバ1に送信する(ステップS104)。なお、ユーザ端末2に記憶されている手の平の画像を利用することもできる。この場合、例えば、所定の電子メールアドレス宛を用いることで情報提供サーバ1に手の平の画像を送信することができる。
【0036】
次いで、情報提供サーバ1の制御部13は、ユーザ端末2から送信されてきた手の平の画像のデータを通信部11により受信、入力すると(ステップS2)、入力された画像中における複数の特徴点を抽出する(ステップS3)。
【0037】
画像中における特徴点は、例えば、局所領域毎に画像を分析していき、その領域のどの方向の微小移動に対しても特徴点は大きく濃度値が変化するという特徴を用いて抽出される。より具体的には、先ず、局所領域Wにおいて、輝度Iの勾配Ix,Iyを用いて以下の(1)式に示す行列Lが算出され、その行列Lの固有値α,βの最小値minが、画像中の全ての画素の座標oについて算出される。次に、局所領域Wより大きい所定サイズの領域内で最小値minが極大値となる点が特徴点として抽出される。
【数1】

【0038】
図4(A)は、特徴点の抽出結果の一例を示す図である。図4(A)の例では、手の平の画像上に、抽出された特徴点が“+”印で示されており、これらの特徴点は、掌線上、手の輪郭上、指の付根部分等に表れている。
【0039】
次いで、制御部13は、当該特徴点の抽出方法とは異なる抽出方法により上記入力された画像中における複数の特徴線(画素が連続する線)を抽出する(ステップS4)。なお、この特徴線の抽出は、特徴点の抽出より前と後の何れで行ってもよい。
【0040】
画像中における特徴線は、例えば、注目画素の周囲における濃淡値の変化量(例えば、0〜255の値)で表されるエッジ高さが画素毎に算出され、各画素のエッジ高さが閾値を超えるか否かにより2値化することで抽出される。なお、画像中における複数の特徴線は、Canny edge detector等、公知の種々の技術を適用できる。
【0041】
図4(B)は、特徴線の抽出結果の一例を示す図である。図4(B)の例では、手の平の画像を2値化した画像を示している。かかる画像上に、抽出された特徴線が表れており、これらの特徴線としては、掌線、手の輪郭線、指の付根部分の線、更に、細かいしわの線等が該当する。
【0042】
次いで、制御部13は、抽出された複数の特徴線のうちから、所定長(例えば、過去の掌線の長さの統計結果から予め決定される)以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数(少なくとも2つ)以上の上記特徴点と重なる(つまり、特徴線上の座標と、特徴点の座標が一致)又は隣り合う(つまり、特徴線上の座標と、特徴点の座標との差が閾値以内)特徴線を、目標となる目標特徴線として特定する(ステップS5)。
【0043】
図5(A)は、図4(B)に示す2値化した画像上に、図4(A)に示す特徴点を表した図であり、図5(B)は、目標特徴線の特定結果の一例を示す図である。図5(B)の例では、5つの目標特徴線51〜55が特定されており、これらは、手の平における掌線の候補である。しかし、この状態では、制御部13は、どれが掌線であるかを確実に判断することは困難(位置関係から推定することは可能であるが)である。従って、特定された目標特徴線から更に掌線を特定する(この例では、掌線と手の輪郭線とを区別する)ために、制御部13は、特徴点又は特徴線が抽出された後の上記画像に対して複素対数極座標変換(x-y座標系からLog-Polar座標系への変換)を行い、上記特定された目標特徴線を、変換された変換画像の一部所定領域内に位置する目標特徴線と、当該一部所定領域外に位置する目標特徴線とに区別する(ステップS6)。なお、このステップS6の処理は、ステップS3とステップS4の間、又はステップS4とステップS5の間で行うように構成しても良い。また、目標特徴線から掌線だけを特定できるのであれば、ステップS6の処理は不要である。
【0044】
ここで、x-y座標系の画像平面をJ(x,y)として、Log-Polar座標系の画像平面をL(u,v)とすると、その関係は、以下の(2)式となる。
J=exp(L), L=ln(J) ・・・(2)
【0045】
図6は、特徴点が抽出された手の平の画像を複素対数極座標変換した変換画像の一例を示す図である。図6に示す変換画像上には、長方形上の枠61が示されており、当該枠61内の領域Rが上記一部所定領域に該当する。この領域Rは、変換画像において、掌線が入り、且つ、手の輪郭線が入らないであろう領域として予め固定設定されるものである。そして、制御部13は、例えば、かかる領域R内に位置している上記特徴点の座標を特定しこれをx-y座標系に逆変換することにより、この特徴点と重なる又は隣り合う特徴線であって、所定長以上の長さを有する特徴線を、上記領域R内に位置する目標特徴線として特定し、当該領域R外に位置する目標特徴線と区別する。これにより、例えば、図5(B)において、目標特徴線51〜53を掌線として、目標特徴線54及び55を手の輪郭線として特定することができる。
【0046】
なお、複素対数極座標変換は、例えば、特徴線が抽出された後の図4(B)に示す画像、又は目標特徴線が特定された後の図5(B)に示す画像に対して行うように構成してもよく、この構成でも、上記領域R内に位置する目標特徴線を特定することができる。
【0047】
以上のように特定された目標特徴線を示す目標特徴線データは、例えば記憶部12に記憶される。
【0048】
次いで、制御部13は、手相占いデータベース120から複数の掌線データを取得し(ステップS7)、上記目標特徴線データと、当該複数の掌線データを比較することにより、当該目標特徴線データに示される上記領域R内に位置する各目標特徴線に最も近い掌線を示す掌線データを特定する(ステップS8)。例えば、制御部13は、上記領域R内に位置する各目標特徴線(掌線)と、上記領域R外に位置する目標特徴線との位置関係から、上記領域R内に位置する各目標特徴線(掌線)の種類を判別し、判別された夫々の目標特徴線の形状、長さ、及び位置等が最も近い掌線を、上記取得した複数の掌線データから検索する。
【0049】
次いで、制御部13は、特定された掌線データに対応付けられた手相占いデータを手相占いデータベース120から取得し、これを通信部11及びネットワークNWを介してユーザ端末2に送信(出力)する(ステップS9)。
【0050】
そして、ユーザ端末2が、上記手相占いデータを受信すると(ステップS105)、当該手相占いデータに示される手相占い内容をブラウザによりディスプレイ上に表示する(ステップS106)。
【0051】
以上説明したように、上記実施形態によれば、情報提供サーバ1は、入力された画像中における複数の特徴点を抽出し、さらに、当該画像中における複数の特徴線を抽出し、前記抽出された複数の特徴線のうちから、所定長以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数以上の前記特徴点と重なる又は隣り合う特徴線を、目標となる目標特徴線として特定するように構成したので、目標特徴線以外のノイズとなる特徴線を除去し、当該目標特徴線を正確に特定することができる。これにより、特定された掌線をインターネット上で提供される手相占いサービスに利用できるので、ユーザは、自己の手相をユーザ端末2により撮影して情報提供サーバ1に送信すれば、簡単に手相占い結果を得ることができる。
【0052】
また、情報提供サーバ1は、特徴点又は特徴線が抽出された後の上記画像に対して複素対数極座標変換を行い、上記特定された目標特徴線を、変換された変換画像の一部所定領域内に位置する目標特徴線と、当該一部所定領域外に位置する目標特徴線とに区別するように構成したので、目標特徴線の中に掌線以外の手の輪郭線等が含まれる場合であっても、掌線を正確に特定することができる。これにより、より正確な手相占いサービスを簡単に行うことができる。
【0053】
なお、上記実施形態においては、本発明における目標特徴線特定装置及び情報出力装置を情報提供サーバ1に対して適用した場合の例を示したが、これに限定されるものではなく、例えばスタンドアローン型のコンピュータに対して適用することもできる。
【0054】
また、上記実施形態においては、目標特徴線として人の掌線を特定する場合の例を示したが、この他にも、猫の肉球に係る線を特定し占うような場合等にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態に係る手相占いシステムSの概要構成例を示す図である。
【図2】情報提供サーバ1の概要構成例を示す図である。
【図3】情報提供サーバ1とユーザ端末2における処理を示すフローチャートである。
【図4】(A)は、特徴点の抽出結果の一例を示す図であり、(B)は、特徴線の抽出結果の一例を示す図である。
【図5】(A)は、図4(B)に示す2値化した画像上に、図4(A)に示す特徴点を表した図であり、(B)は、目標特徴線の特定結果の一例を示す図である。
【図6】特徴点が抽出された手の平の画像を複素対数極座標変換した変換画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 情報提供サーバ
2 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
S 手相占いシステム
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像のデータを入力する入力手段と、
入力された画像中における複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、
前記画像中における複数の特徴線を抽出する特徴線抽出手段と、
前記抽出された複数の特徴線のうちから、所定長以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数以上の前記特徴点と重なる又は隣り合う特徴線を、目標となる目標特徴線として特定する目標特徴線特定手段と、
前記特定された目標特徴線を示す目標特徴線データを記憶する目標特徴線データ記憶手段と、
を備えることを特徴とする目標特徴線特定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の目標特徴線特定装置において、
前記特徴点又は前記特徴線が抽出された後の前記画像に対して複素対数極座標変換を行う極座標変換手段と、
前記特定された目標特徴線を、前記変換された変換画像の一部所定領域内に位置する目標特徴線と、前記一部所定領域外に位置する目標特徴線とに区別する目標特徴線区別手段と、
を更に備えることを特徴とする目標特徴線特定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の目標特徴線特定装置において、
前記特徴点又は前記特徴線が抽出された後の前記画像に対して複素対数極座標変換を行う極座標変換手段を更に備え、
前記目標特徴線特定手段は、前記特定した目標特徴線から、前記変換された変換画像の一部所定領域内に位置する目標特徴線を更に特定することを特徴とする目標特徴線特定装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の目標特徴線特定装置において、
前記画像は、手の平の画像を含み、
前記目標特徴線は、前記手の平における掌線の候補であることを特徴とする目標特徴線特定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の目標特徴線特定装置を有する情報出力装置であって、
複数の掌線を示す掌線データと、各掌線データに対応付けられた手相占い内容を示す手相占いデータと、を予め記憶しておくデータベースと、
前記データベースから前記複数の掌線データを取得する掌線データ取得手段と、
前記目標特徴線データと、前記取得された複数の掌線データを比較することにより、当該目標特徴線データに示される目標特徴線に最も近い掌線を示す掌線データを特定する掌線データ特定手段と、
前記特定された掌線データに対応付けられた手相占いデータを出力する手相占いデータ出力手段と、
を備えることを特徴とする情報出力装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報出力装置はネットワークに接続されたサーバ装置であり、
前記入力手段は、前記ネットワークを介して接続された端末装置から送信されてきた前記画像のデータを入力し、
前記手相占いデータ出力手段は、前記特定された掌線データに対応付けられた手相占いデータを前記端末装置に対して前記ネットワークを介して出力することを特徴とする情報出力装置。
【請求項7】
コンピュータを、
画像のデータを入力する入力手段、
入力された画像中における複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段、
前記画像中における複数の特徴線を抽出する特徴線抽出手段、
前記抽出された複数の特徴線のうちから、所定長以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数以上の前記特徴点と重なる又は隣り合う特徴線を、目標となる目標特徴線として特定する目標特徴線特定手段、及び、
前記特定された目標特徴線を示す目標特徴線データを記憶する目標特徴線データ記憶手段として機能させることを特徴とする目標特徴線特定処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータが、
画像のデータを入力し、
入力された画像中における複数の特徴点を抽出し、
前記画像中における複数の特徴線を抽出し、
前記抽出された複数の特徴線のうちから、所定長以上の長さを有する特徴線であり、且つ、所定数以上の前記特徴点と重なる又は隣り合う特徴線を、目標となる目標特徴線として特定し、
前記特定された目標特徴線を示す目標特徴線データを記憶することを特徴とする目標特徴線特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−123020(P2010−123020A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297615(P2008−297615)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】