説明

直接駆動されるクランク機構を備えたプレス、このようなプレスを備えたプレスライン並びに少なくとも1つの直接駆動装置を備えたプレスを製造する方法

本発明は、直接駆動されるクランク機構を備えたプレス、プレスライン及び、少なくとも1つの直接駆動装置を備えたプレスを製造する方法に関する。少なくとも1つのプレスフレーム(9)と、該プレスフレーム(9)内に支承されたプレステーブル(8)と、少なくとも1つのクランク機構(12)を用いて駆動されるラム(5)とを備えたプレス(21)であって、工具上側部分(6)がラム(5)に配置され、かつ工具下側部分(7)がプレステーブル(8)に配置されており、クランク機構(12)として、少なくとも1つのクランクピン(2)と少なくとも1つのコンロッド(3)とを備えた少なくとも1つのクランク軸(1)が配置されており、該クランク軸(1)を駆動するためのモータ(14)として、クランク軸(1)を直に駆動する少なくとも1つの直接駆動装置が配置されていて、該直接駆動装置が少なくとも1つのロータ(10)及びステータ(4)から成っている形式のものにおいて、本発明によるプレス(21)の構成では、少なくともモータ(14)のステータ(4)は、少なくとも2つの出力担体(24)から成っており、出力担体(24)は、独立した交換可能な構成ユニットとして形成されており、出力担体(24)は、クランク軸(1)に対して半径方向に配置されていて、かつ出力担体(24)は個々に又は区分毎に、供給ライン(26)を用いて制御ユニット(25)と作用結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の、直接駆動されるクランク機構を備えたプレス、すなわち、工具のトライアウトのための又は少なくとも1つの製造方法を用いて工具内においてワークを製造するための、少なくとも1つのプレスフレームと、該プレスフレーム内に支承されたプレステーブルと、少なくとも1つのクランク機構を用いて駆動されるラムとを備えたプレスであって、工具上側部分がラムに配置され、かつ工具下側部分がプレステーブルに配置されており、クランク機構として、少なくとも1つのクランクピンと少なくとも1つのコンロッドとを備えた少なくとも1つのクランク軸が配置されており、該クランク軸を駆動するためのモータとして、クランク軸を直に駆動する少なくとも1つの直接駆動装置が配置されていて、該直接駆動装置が少なくとも1つのロータ及びステータから成っている形式のものに関する。
【0002】
本発明はさらに、請求項9の上位概念部に記載の形式のプレスライン、すなわち、上記形式の少なくとも2つのプレスを備えた、ワークを製造及び/又は変形するためのプレスラインに関する。
【0003】
本発明はさらにまた、請求項14の上位概念部に記載の形式の方法、すなわち、工具のトライアウトのための又は少なくとも1つの製造方法を用いて工具内においてワークを製造するための、少なくとも1つのプレスフレームと、該プレスフレーム内に支承されたプレステーブルと少なくとも1つのクランク機構を用いて駆動されるラムとを備えたプレスを製造する方法であって、工具上側部分がラムに配置され、かつ工具下側部分がプレステーブルに配置されており、クランク機構として、少なくとも1つのクランクピンと少なくとも1つのコンロッドとを備えた少なくとも1つのクランク軸が配置されており、該クランク軸を駆動するためのモータとして、クランク軸を直に駆動する少なくとも1つの直接駆動装置が配置されていて、該直接駆動装置が少なくとも1つのロータ及びステータから成っている、プレスを製造する方法に関する。
【0004】
往復動するラムを備えた製造機械は、通常、モータによる駆動装置とクランク機構とを有しており、このクランク機構は駆動装置の回転運動を直線的な往復動に変換する。通常、このような製造装置は、ワークを変形又は裁断するためのプレスとして使用される。特に自動車産業は、相前後して配置された複数のプレスと所属の搬送システムとから成るプレスラインを必要としており、これにより例えば提供された単純なコイル(金属製のフラット帯ロール)から、フェンダ、車両ドア、触媒カバー等のような複雑化された形状を製造することができる。
【0005】
特に高速のプレス装置は、上に述べたような機械式のプレスとして構成されている。
【0006】
従来技術では、種々様々に異なった専門用語が定着しているので、以下においては使用されている幾つかの概念を説明し、これらの概念の最も良く知られている同義語を、完全を期して説明する。
【0007】
クランク機構は、本発明によれば、回転運動(モータからの)を直線運動に変換することができる駆動装置であり、専門文献では、偏心駆動装置又はスライダクランク装置(Schubkurbelantrieb)又はこれに類したものとしても表現されている。上に述べたように、クランク機構の主たる役割は、並進運動への回転運動の変換であり、この場合偏心体軸又は以下におけるようにクランク軸が使用される。クランク軸には、該クランク軸の回転軸線の外側に支承された偏心ピン(以下においてはクランクピンと呼ぶ)が設けられており、このクランクピンには通常、スラストロッド(以下においてはコンロッドと呼ぶ)が配置されている。駆動装置の力伝達経路は、クランク機構、クランク軸及びクランクピンの最小公分母から、1つのラムに到るまで、複数のスライダクランク、リンク装置及びこれに類したもののような複数のステーションを介して、又はただ1つのコンロッドを介して延びている。
【0008】
さらにプレスフレームという概念は、プレスを支持する架台もしくはフレームに対するものである。本発明においてプレスフレームというのは、例えば複数の個別部材(上側の横方向主部材及び下側の横方向主部材、サイドスタンド)から構成されたプレスフレームやウインドフレーム構造又は抗張部材構造形式におけるプレスフレームのような、可能な実施形態におけるすべてのプレス架台が含まれている。
【0009】
直接駆動装置及びサーボプレスは、有利には直流モータの使用によって、プレス行程(上死点−下死点−上死点)に関して種々異なった速度勾配が調節可能であるということによって、傑出している。揺動行程運転もまた、もし部分的に複雑もしくは高価な歯車伝動装置又はクランク伝動装置が設けられているならば、このような歯車伝動装置又はクランク伝動装置の過負荷の絶え間ないおそれなしに可能である。
【0010】
DE2840710に基づいて公知の変形機械用の駆動系では、プレスの駆動系のための直接駆動装置が示されている。この公知の構成では直接駆動装置の軸出力はさらに伝動装置を介して減速され、その後で駆動力は軸を介してクランクディスクに伝達され、最終的にクランクピンに伝達されることができる。
【0011】
DE10260127A1に基づいて同様に公知の直接駆動装置は、外側において軸にフランジ結合されていて、直接駆動装置の駆動力を変速伝動装置の助けなしに直接的にクランク軸に与える。
【0012】
上記公知の構成はすべて、モータがプレスもしくはプレスヘッドの支持構造体の外側に配置されているという重大な欠点を有している。モータはそのために通常、クラッチを介して又は主駆動軸への直接的な装着(フランジ、クランピングセット又はスプライン軸)によって主駆動軸と結合される。
【0013】
別の問題としては、プレス力のトン数が高い大型プレスは単数又は複数の強力なモータが必要である、ということが挙げられる。変形プレスの場合、このようなモータは通常プレスヘッド(ラムの上における)に位置していて、歯車を介して単数又は複数のクランク軸を駆動する。このようなモータはその消費電力に関して、最高負荷時に合わせて設計されており、故障した場合には、一部しか交換することができない。通常、モータはクレーンを用いて上方に向かって持ち上げることができるようになっている。装置技術的な理由からプレスヘッドの内部もしくは側部にモータが配置されているプレスでは、上記のことは例えば不可能である。
【0014】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式のプレスを改良して、上に述べた欠点を減じる又は排除することができるプレスを提供することである。
【0015】
特に、迅速かつ簡単に種々異なった駆動出力を増減することができ、かつ特にモータを主要な駆動エレメントの交換によって簡単かつ迅速に修理することができる、プレス構造列の提供が可能であることが望まれている。
【0016】
さらに、1つの可能なプレス構造列に基づいて、個々のプレスのプレス構造がほぼ同様であるのみならず、直接駆動装置において同一形式のモータ及び/又はモータ保持体を使用し、それにもかかわらず直接駆動装置はその必要な出力に関して容易にかつ安価に変化させることができる、プレスラインの提供が望まれている。同時にまた、プレスが他の課題のためにその駆動出力に関して容易に交換もしくは変更できることが望まれている。
【0017】
最後にまた、少なくとも1つのクランク軸の中央において、プレスフレームの内部に又はプレスフレームに取り付けることができる直接駆動装置を有する、プレスを製造する方法を提供することが望まれている。
【0018】
本発明によるプレスのための上記課題の解決策では、少なくともロータが、クランク軸なしに、つまりクランク軸とは別個に又はクランク軸の少なくとも一部と共に、少なくとも部分的に組み立てられたプレス内にもたらされ、ほぼモータの領域において一時的に保持されるか又は作動準備状態で配置され、次いでステータが、モータの領域における個々の出力担体の取付けによって又は、モータの領域における、少なくとも2つの出力担体から成る予め製造された組立てグループの取付けによって、製造されるようにした。
【0019】
プレスラインの解決策では、プレスライン内に、直接駆動装置を備えた少なくとも2つのプレスが配置されており、各直接駆動装置のモータにおいてステータに、少なくとも2つの出力担体が配置されている。
【0020】
プレスラインは主として、ワークが所定の順序で個々のプレスを通過し、この際にワークは有利にはプレス間において1つの搬送装置によって移動させられることによって、傑出している。
【0021】
少なくとも1つの直接駆動装置を備えたプレスを製造するための本発明による方法のための解決策では、少なくともロータを、クランク軸なしに、つまりクランク軸とは別個に又はクランク軸の少なくとも一部と共に、少なくとも部分的に組み立てられたプレス内にもたらし、ほぼモータの領域において一時的に保持するか又は作動準備状態で配置し、次いでステータを、モータの領域における個々の出力担体の取付けによって又は、モータの領域における、組み合わせられた出力担体の予め製造された組立てグループとして、取り付けるようにした。
【0022】
本発明による構造によって以下の利点が得られる:すなわち、
形状、構造及び/又は消費電力に関して同様な出力担体を有利に使用すると、設置可能性、在庫管理及び修理可能性を改善することができる。特に、1つのプレス構造列において、後においても簡単かつ容易に変更可能である種々異なった出力コンセプト(モータの消費電力:キロワット)を提供することが可能である。例えば出力担体は、ステータの周囲に例えば多数の偶数の出力担体が配置され得るように、構成されていてよい。
【0023】
1実施形態において直接駆動装置のステータに、それぞれ10KWの出力を有する64個の出力担体が設置可能であると、例えば640、320、160、80KWのモータ出力を提供するプレス列を提供することができ、その結果顧客は160KWの小型プレスを注文し、後で、さらに出力担体を購入することによって、当該小型プレスを320KW又は640KWのプレスに拡張することができる。
【0024】
これに関連して修理も容易にすることができる。なぜならば、プレスの駆動装置における故障時に、もはやモータ全体を交換する必要はなく、1つの出力担体が故障した場合には、当該出力担体だけを取り出して新しい出力担体と交換すればよいからである。出力担体というのは、本発明では上述のことに関連して、例えば、ロータに固定された永久磁石のための駆動コイル巻線を意味している。本発明による利点は、例えばプレスラインに多数のプレスが設けられているような場合に、さらに大きな意味を持つことができる。例えば金属薄板を機械式に変形するための大型のプレスラインは、複数の加工段を有しており、これらの加工段は、単数又は複数段の粗変形、局部的な深絞り領域、後成形、貫通孔の打抜き及び/又はトリミング、縁曲げといった工程を有することができる。
【0025】
例えば6つのプレスが1つのプレスラインに設置される場合には、通常第1のプレスは、平らな金属薄板を粗変形するために、最大の駆動出力を必要とする。後続のプレスは多くの場合、第1のプレスに比べて減じられた駆動出力を有している。有利には、これらすべてのプレスが本発明による駆動系を備えていると有利であり、このようになっていると、当該プレスを、例えば自動車製造における1つのモデルの大量生産の変更時にも、駆動出力に関しては、問題なく引き続き使用することができる。例えば他の大量生産において例えば3つのプレスにおいて駆動出力を高めることが必要になった場合には、モータ全体を交換する必要はなく、単に出力担体の数を増やすだけでよい。出力担体は独立した機能部材であり、それ自体駆動ユニット、もしくはモータである。つまり特殊性は、有利には多数の駆動ユニットもしくは出力担体が半径方向でステータの周囲に取り付けられ、それぞれ独立して作用し、かつ場合によっては個々に又はセグメント毎にパッケージとして交換できることにある。
【0026】
この場合特に、モータが1つのユニットとしてではなく、多数のユニットから成っていて、これらのユニットが相応に交換可能又は後から設置可能であると有利である。このことは特に、狭い構造空間において又は特別な技術的なプレスにおいて役に立つ。
【0027】
従来の直接駆動装置は、従ってクランク軸の外側もしくは縁部にしか取り付けることができなかった。それというのは、直接駆動装置は駆動装置のメーカーから一体に納入されるからである。しかしながらまたクランク軸の縁部に、つまりプレスのハウジングの外側においても、このような直接駆動装置の使用は、特に段階付けされた駆動出力又は個々の出力担体の簡単な交換に関して、大きな意味がある。
【0028】
本発明によって特に、直接駆動装置をプレスフレームの内部に配置することも可能になる。それというのは、直接駆動装置は分割して設置されていて、出力担体もしくはステータ個別部材の損傷時に区分毎に問題なく交換することができるからである。
【0029】
特に、出力担体は予め製造されたセグメントに、例えば4つの45°エレメントに、ステータを形成するために予め取り付けられ、これら4つのセグメントは相前後してプレス内に又はトルク支持体に設置される。永久磁石が半径方向外側に配置されたロータでは、クラン軸は、出力担体の取付け前又は取付け後にプレスに配置することができ、このことには、プレス自体の構造発達に相応して利点がある。もちろん、例えば2つのセグメント又は複数の出力担体を平行して取付け、次いで軸を取付け、次に残りのエレメントを後から組み付けることも可能である。
【0030】
有利には、軸は初めに大まかにプレス内に支承され、次に残りの出力担体が組み付けられ、次いで軸もしくはロータは、部分的に又は完全に取り付けられたステータに対して適宜に方向付けられる。
【0031】
特別な解決策では、既に永久磁石を備えているロータが、場合によってはなおクランク軸と結合されずに、又はクランク軸の一部とだけ結合されて、プレス内に、有利には例えば駆動ヘッド又は駆動領域のようなプレスの一部内に設置される。次いでステータセグメントもしくは個々の出力担体が設置される。既に取付け中に行われていない場合には、クランク軸が取り付けられ、モータの内部構造の方向付け、つまりステータに対するロータの方向付けが実施される。
【0032】
クランク軸における直接駆動装置の利点:
コンロッドの直ぐ近傍におけるダイレクトモータの構成によって、クランク軸に対する種々様々な負荷を、被駆動側においてシステムを損傷することなしにさらに導くことができ、そして同時に駆動力伝達系の全体強度を著しく高め、かつ/又は駆動力伝達系の構造長さを最小にすることができる。直接駆動装置を備えたプレスの所要構造空間は、著しく最適化され、かつ小さくすることができ、さらにカプセル化によってほぼ駆動力伝達系全体の騒音を減少するための処置を簡単に実現することができる。プレスは短い構造長さで構成することができ、このことは、特に大量生産品を製造するためのプレスラインにおけるサーボプレスにおいて利点がある。プレス間における搬送路を可能な限り短く保つために、プレス同士は相前後して密に位置していなくてはならない。間隔が短くなればなるほど、搬送時間は速くなる。大型プレスは多くの場合、ラムにおける2つ、4つ・・・といった偶数の圧力ポイント(コンロッド又はリンク装置結合部)を備えて形成されている。圧力ポイントの間もしくはコンロッドの間における横方向及び長手方向の間隔は、任意に選択できるものではなく、ラムの湾曲の減少に関する観点に基づいて選択されねばならない。特に非対称的な工具幾何学形状又はワーク幾何学形状において、偏心的な力を確実に受け止めることは、プレスのラムにおけるコンロッドの接触箇所の配置のために重要である。プレスヘッドの長さ、通常、通過方向におけるプレスヘッドの長さは、主軸受及び支持構造体の必要な構造及びコンロッド間隔によって決定される。
【0033】
さらに、特にプレスの必要な支持構造体の内部における、直接駆動装置の有利な配置構成では、駆動系の剛性が著しく高められ、ひいてはクランク軸のねじれが減じられる。クランク軸が主駆動軸として外部から駆動される場合には、クランク軸のねじれは、駆動系全体に対して不都合な影響を及ぼす。モータとクランクピンもしくは偏心体アイとの間における距離が長ければ長いほど、クランク軸はトーションばねのように作用するので、駆動系は柔らかくなり、ひいては調整振動が生じる。特にこの場合、揺動行程時に制御及び調整に関してかなりの困難が発生する。支持構造体もしくはプレスフレームに対して相応な問題を有する、駆動系全体の振動に対する準備もまた、問題があり、プレスを構成する場合に設計を難しくする。1つの軸に2つのコンロッドもしくは2つのクランクピンを備えた片側駆動形式では、さらに角度ずれが発生し、これによってコンロッドは異なった行程位置を占めることになる。
【0034】
これによって制御及び調整技術上の、駆動系の改善された品質が生ぜしめられる。駆動系の高い剛性と、モータの正確に調節可能なトルク調整及び角度位置調整とによって、2つのクランクピンの間における測定可能な偏差、ひいてはクランク軸におけるコンロッドの測定可能な偏差は発生しない。プロセスデータは付加的に直接検出することができる。プレスは直接駆動装置によって付加的な機械的な伝達部材(例えば伝動装置段)を有していない。回転数、トルク及び角度位置といった、モータにおいて測定されたパラメータは、エラーなしにラム速度、プレス力及びラムポジションへと換算することができる。摩擦損失又はねじれ、ギヤの遊びつまりバックラッシュ等による劣化は著しく減じられる。
【0035】
特に、高い駆動出力の場合における永久磁石モータは、極めて高い騒音レベルを有している。プレスヘッド内への組込みにより、比較的単純な手段によって、例えば上側及び下側におけるプレスヘッドの閉鎖によって、騒音発生を簡単に減じることができる。
【0036】
また、モータが片持ち式に支承されている場合、軸受でのトルク受容及びねじれに起因する利用されない力は、著しく僅かになるので、プレスの全体効率も改善される。有利な実施態様では、直接駆動装置のステータはプレスヘッドに支持されること及び/又は相応なトルク支持装置を備えることができる。汎用の直接駆動装置とは異なり、これによってモータは固有の支承装置を有さず、ステータ内部におけるロータの支承装置はクランク軸の主支承装置によって一緒に引き受けられる。これにより付加的な損失がさらになくなる。
【0037】
特に高いトン数の大型プレスにおいて特に有利な実施態様では、直接駆動装置はクランク軸の支持部分に装着され、つまり直接駆動装置は、機械式の駆動装置の、プレス力を受け止める主軸受の間に位置している。この場合有利にはモータは、主支持機能を有する支持構造体(プレスの少なくとも2つのプレスフレーム)の間に、かつ主駆動軸(クランク軸)に対して同心的に位置している。コンロッド、もしくはリンク装置ではコンロッドに通じる旋回レバーは、この場合モータの左右に、ひいてはモータと主軸受(プレスヘッドの支持構造体)の間に位置していても、又は片側においてモータと主軸受のうちの1つとの間に位置していてもよい。
【0038】
本発明の対象の別の有利な処置及び実施形態は、従属請求項及び図面を参照した以下の記載に開示されている。
【0039】
次に図面を参照しながら本発明の有利な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】プレスフレーム及びプレステーブルを備えた機械式のプレスを概略的に示す図であって、プレスの上側領域、つまりヘッド領域に設けられた、各1つのクランク軸とクランクピンとラムに作用結合するコンロッドとを備えていて相前後して配置された2つのクランク機構から成る駆動系を示す図である。
【図2】図1に示したプレスと同じ実施形態を示す側面図であって、互いに並んで配置された2つのクランク機構が設けられていて、個別に駆動するために、別体の直接駆動装置がそれぞれのクランク機構に配置されている様子を示す図である。
【図3】2つのクランク機構が相前後して配置されていて、駆動される4つのコンロッドを備えた別の実施形態を示す図である。
【図4】ラムを平行運転させるための強制連結装置を示す平面図であって、図4左側は図3に対応する概略図であり、右側は図1及び図2に対応する概略図である。
【図5】クランク軸におけるロータとステータとから成っていて、異なった数の出力担体を備えている直接駆動装置の4つの形態を示す側面図である。
【図6】ロータの半径方向外側に配置された永久磁石を備えた、直接駆動されるクランク軸を示す図である。
【図7】U字形の出力担体によって取り囲まれていて2列に配置された永久磁石を備えた、直接駆動されるクランク軸の別の実施形態を示す図である。
【0041】
図1に示すようにプレス21は少なくとも、プレスフレーム9と、該プレスフレーム9に支承されたプレステーブル8と、少なくとも1つのクランク機構12によって駆動されるラム5とから成っている。有利にはこのプレス21は、金型のような工具15をトライアウト(Einarbeitung)するため、又は、金型のような工具15内において少なくとも1つの製造方法を用いてワーク(図示せず)を製造するために使用され、この場合工具は少なくとも、スライドとも呼ばれるラム5における工具上側部分6とプレステーブル8における工具下側部分7とから成っている。クランク機構12として、少なくとも1つのクランクピン2と少なくとも1つのコンロッド3とを備えた少なくとも1つのクランク軸1が配置されており、このクランク軸1を駆動するためのモータ14としては、保持体18に支承されていてクランク軸1を直接駆動する少なくとも1つの直接駆動装置が設けられている。偏心駆動装置とも呼ばれるクランク機構12には、コンロッド3の代わりに又はコンロッドとクランクピンとの間に、リンク装置(Gelenktrieb)又はスライダクランク(Schubkurbel)又は類似の中間装置が配置されていてよく、これらの装置は一般的に、行程高さ調節のため、安全性の理由から、又はラムの運動経過の正弦曲線の調節のために利用される。特に、トグルレバー伝動装置、リンク装置、別のクランク機構又はこれらの組合せ装置を駆動するために、クランク機構12は前記装置と作用結合されて配置されており、これらの装置はまた被駆動側においてラム5と作用結合されて配置されている。
【0042】
図2には、図1に示した実施形態が側面図で示されている。この特別な実施形態においてモータ14は直接駆動装置として、個々のラム結合部のコンロッド3の間に配置されている。この実施形態では両コンロッド3は、2つの別体のクランク軸1に配置されており、両クランク軸1は相応に、プレス21のプレスフレーム9に支承されている。両コンロッド3の間において場合によっては必要な強制連結装置19は、図面を見易くするために示されてはおらず、例えば図4の右側の図に示されている。
【0043】
図2から分かるように、モータ14は、プレスフレーム9に配置されたステータ4と、クランク機構12もしくはクランク軸1に配置されたロータ10とから成っている。有利にはプレス21の重心を最適化するために、2つの駆動装置がコンロッド3の間に配置されている。このようになっていると、プレスフレーム9に支承された中間軸受20によって効果的に、動作機構的に互いに切り離されている複数のモータ14の出力案内時に特別な利点が得られる。択一的にクランク軸はもちろん連続的に形成されていてよく、プレス21の仕様もしくは規格に応じて、ただ1つのモータ14が配置されていても、又は複数のモータが配置されていてもよい。両クランク軸1の強制連結装置は、相応な平歯車結合部を備えていてクランク軸1に対して平行に配置された連結軸として、個々のクランク軸に形成されていても、又は両クランク軸の直接的な端面結合部として形成されていてもよい。この直接的な端面結合部は、必ずしも中間軸受20の内部に配置されている必要はない。
【0044】
さらにプレス21の有利な態様では、別体の軸受17が設けられていて、これらの軸受17は、プレスフレーム9の相応に大きな取付け開口内に配置されていて、軸受カバー16を有している。
【0045】
図4の2つの図には、ラムの平行運転のための可能な2種類の強制連結装置が平面図で示されており、図3の実施形態のための強制連結装置は図4の左側の図に、かつ図1及び図2の実施形態のための強制連結装置は右側の図に示されている。この場合駆動装置つまりモータ14は少なくとも部分的に、しかしながら有利には完全に、コンロッド3の間にもしくはコンロッド3のクランクピン2の間に配置されている。強制連結装置はこの場合、クランク軸1の平歯車における相応な噛み合い可能性を備えた機械式の平歯車伝動装置によって実現することができる。択一的に又は組み合わせて、周波数変換器もしくはモータ14のための制御装置を備えた電子式の強制連結装置を用いることもできる。
【0046】
以下において別の有利な実施形態について述べるが、これらの実施形態は、図面において必ずしも詳しく示す必要がない。例えばモータ14はほぼ密接して、少なくともクランクピン2に隣接して又は有利にはクランクピン2と一体に、クランク軸1に配置されている。実施形態及び定義位置に応じて、いわゆるクランクディスクがモータ内に又はモータに組み込まれていてよい。この場合モータ14のステータ4は有利には、該ステータ4がクランクディスクの機能を引き受けて、クランクピン2をクランク軸1の中心軸線の外側において案内するように、構成されている。モータ14のトルク調整もしくは相殺及び/又は支承のために、保持体18が設けられており、この保持体18はプレスフレーム9と結合されている。モータ14は直接駆動装置として通常、駆動巻線23を備えたステータ4と、このステータ4内に配置されていて永久磁石22を備えているロータ10とを有しており、この場合永久磁石モータとして構成されている。基本的に、1つのクランク軸1に少なくとも2つのクランクピン2が配置されている場合には、少なくとも1つのモータ14がクランクピン2の間に配置されていてよい。特に、モータ14又はクランクピン2が複数存在する場合には、プレス21又はクランク軸1の内部における対称的な配置形式が有利である。つまり複数のモータ14と複数のクランクピン2が設けられている場合には、少なくとも2つのモータ14が、プレスフレーム9の中心軸線のうちの1つに対して対称的に及び/又はラム5の中心軸線のうちの1つに対して対称的に及び/又はクランク軸1の長手方向中心点に対して対称的に及び/又はクランク軸1におけるクランクピン2の配置形式に対して対称的に配置されていてよい。また、モータ14のロータ10及びクランク軸1及び/又はクランクピン2は一体の機械要素から成っていると有利である。さらにまたクランク機構12には、ラム5の行程のための高さ調節装置が配置されていてよい。過負荷防止装置11は、プレスを故障時に大きな損傷から保護し、損傷時にはコンロッド3をラム5から遮断する。
【0047】
トルク調整のために、モータ14のステータ4はロータ10における軸受に配置されていてよく、ステータ4において発生するトルクを補償もしくは相殺するためには、プレスフレーム9に結合されたトルク支持体が設けられていると有利である。特に、2つのクランク軸1が配置されている場合にはモータ14の各ステータ4は軸受でロータ10に配置されていて、ステータ4において発生するトルクを補償もしくは相殺するためには、モータ14に結合されたトルク支持体が隣接したクランク軸1に配置されていて、これによりトルクを相互に支持することができる。このことは特に、プレスフレーム9における振動伝達に関して利点がある。
【0048】
図示のようにモータ14及びクランク機構12は、プレスフレーム9によって形成された支持構造体の内部に配置することができ、この支持構造体は、特に200トンを越える、有利には500トンを越える、特に有利には800トンを越えるプレス力のために設計されている。特にこのようなプレスでは、300mmを越える、有利には600mmを越える、特に有利には900mmを越えるラム5の行程が可能である。このようなプレス21は有利には、少なくとも粗成形、分断、接合、被覆及び/又は変形、特に金属変形を含む製造方法のために使用される。特にプレス21は、プレスラインの第1プレスとして、プレスラインの工具のためのトライアウトプレス(試しプレスEinarbeitungspresse)として及び/又はトランスファプレスラインにおける少なくとも1つのトランスファプレスとして及び/又は仕上げ方向においてトランスファプレスラインの前における粗プレスとして配置されていてよい。
【0049】
有利にはクランク軸1の軸受17は、プレスフレーム9から取出し可能な軸受シールドに配置されており、これによって組付け直径を備えた開口をプレスフレームにおいて開けることができ、この開口の直径は有利には、クランク軸1におけるロータ10の直径もしくはクランク軸1における最大直径と同じか又はそれよりも大きい。長手方向軸において少なくとも1箇所分割されたクランク軸1がプレスに配置されていると、組立ての際に有利であり、このようなクランク軸1は例えばフランジ結合部、取外し可能な軸受ピン又は軸/ボス結合部を有している。ロータ10がクランク軸1に解離不能に配置されていると特に有利である。そのためにロータ10とクランク軸1とを結合するためには、収縮嵌め、溶接結合、ろう接結合、摩擦溶接結合、接着及び/又はその他の分離不能な結合形式を使用することができる。ロータ10の有利な構成としては、永久磁石22を受容するための溝及び/又は凹部が挙げられる。永久磁石22は、一体の機械要素の完成後に初めてその内部に挿入されることが望ましい。特に、2つの別体の、しかしながら軸方向において整合しているクランク軸1では、少なくとも1つのモータ14が直接駆動装置としてコンロッド3の間に配置されていると有利である。コンロッド装置の有利な幾何学形状では、2つの別体の、しかしながら一平面に位置しているクランク軸1において、1つの軸線への両クランク軸1の両軸線の同軸的な投影後に、少なくとも1つのモータが直接駆動装置としてコンロッド3の間に配置されると、有利である。同軸的な投影というのは、互いに間隔をおいて位置するクランク軸の、同軸的に配置された両軸線が、該両軸線が1つの軸線に位置するまで、互いに対して平行に移動させられることを意味している。これによってここにおいても、2つのクランク軸線が一体に形成されていない場合でも、いつ1つの直接駆動装置が2つのクランク軸の間に配置されるかを、認識することができる。
【0050】
図5には、種々異なった数の出力担体を備えた、クランク軸におけるロータとステータとから成る直接駆動装置の4つの実施形態が断面図で示されている。この場合モータ14のステータ4は、28個の出力担体24(図5a)、12個の出力担体24(図5b)、8個の出力担体24(図5c)又は選択的に6個の出力担体24(図5d)から成っており、これらの出力担体24は、独立した交換可能な構造ユニットとして構成されている。出力担体24はクランク軸1に対して半径方向に、すなわちクランク軸1の長手方向中心軸線を取り囲む同心円の円周上に、配置されていて、出力担体24は個々に又は部分的に供給ライン26を用いて制御ユニット25と作用結合されている。稲妻マークによってマーキングされていない、ひいては任意の出力担体24のための自由な領域は、互いに交換可能な出力担体24を見易くするため及び図示を良好にするためにある。もちろんまた、例えば常に3つの出力担体24が隣り合って、1つの自由な領域を残しながら配置されているような配置形式も可能である。
【0051】
特に有利な態様では、複数の出力担体24が設けられている場合に、等価の出力及び/又は等価の外側の形状(Formgebung)を有する少なくとも2つの出力担体24が配置されていると、有利である。この場合形状というのは、有意な取付けエレメントの外側寸法又は配置形態のことである。有利には出力担体24は、少なくとも2つの出力担体24から成るグループで配置されている。出力担体24を直接又は間接的に保持体18を介してプレスフレーム9と結合する可能性については図示されていない。図5b及ぶ図5cには、中央でステータ4に又は少なくとも1つの出力担体24に、少なくとも1つの冷却装置27が配置されている可能性が示されている。図5c及び図5dには個々の供給ラインが示され、かつ、有利には少なくとも周波数変換器から成る制御ユニット25への供給ラインの経路が例示されている。図5cでは複数の供給ライン26が供給区分28にまとめられていて、選択的に直に、又は制御ユニット25と冷却装置27とから成る組み合わせられたステーションに供給される。この構成は特に、制御ユニット25においても常に冷却が必要な場合に有利である。
【0052】
図示はされていない以下に記載の特別な構成では、プレス21のプレスフレーム9にステータ4が間接的に配置されている場合に、ステータ4の少なくとも一部が、1つ又は複数部分から成るトルク支持体に配置されていて、このトルク支持体はプレスフレーム9と作用結合しており、さらにステータ4の少なくとも一部、トルク支持体及び/又は供給ライン26が1つの組立てユニットを形成している。
【0053】
1つのプレスラインにおいて本発明によるプレス21を使用する場合には、直接駆動装置を備えた少なくとも2つのプレス21が配置されており、各直接駆動装置のモータ14内においてステータ4には少なくとも2つの出力担体24が配置されている。有利には駆動装置はプレス21内において、種々異なった数の出力担体24の配置によって、ダイレクトモータの種々異なった駆動出力を有している。
【0054】
特に有利には、製造方法において前に配置された第1プレスの直接駆動装置は、後続のプレスに対して高い出力を有している。既に述べたように、この場合少なくとも2つの直接駆動装置がプレスラインの単数又は複数のプレス21において、等価の出力担体24を備えて配置されており、これにより、特に1つのプレスラインの個々のプレス21の間において異なった数の出力担体24が直接駆動装置のステータ4に配置されている場合に、交換部品の在庫管理及びプレス21の生産を著しく安価にすることができる。
【0055】
図6及び図7には、直接駆動装置の通常の実施形態と特に有利な実施形態とが示されている。図6ではこの場合モータ14は直接駆動装置としてクランク軸1に配置されており、このクランク軸1は2つのクランクピン2を有していて、プレスフレーム9における軸受17に支承されている。クランク軸1の中央のエレメントには、有利にはクランク軸1の最大直径部には、永久磁石22を備えたロータが周囲に配置されている。ロータに向かい合って、クランク軸1に対して同軸的にステータ4が配置されており、このステータ4は複数の駆動ユニット、つまり出力担体24を有している。図7の実施形態では、出力担体24はU字形に形成されており、永久磁石を配置されたステータ4は、U字形の出力担体24の開口に係合している。この場合永久磁石22が両側に、つまりロータ4の軸線方向において外側の両端面に配置されていると、特に有利である。有利には出力担体24は、永久磁石に対して駆動モーメントをもたらすような特性をもって、電流を流される駆動巻線又はコイルを有している。
【0056】
図面には詳しく示されていない、プレス21を製造するための方法に関して言えば、少なくともロータ10は、クランク軸1の部分なしに又はクランク軸1の少なくとも一部と共に、少なくとも部分的に組み立てられたプレス21内にもたらされ、ほぼモータ14の領域において一時的に保持されるか又は作動準備状態で配置され、次いでステータ4は、モータ14の領域における個々の出力担体24の取付けによって又は、モータ14の領域における、少なくとも2つの出力担体24から成る予め製造された組立てグループの取付けによって、製造される。特に有利には出力担体24は、個々に又は区分毎に、供給ライン26を用いて制御ユニット25と接続される。ステータ4がプレス21のプレスフレーム9に間接的に配置されている場合には、ステータ4の少なくとも一部が、単数又は複数部分から成るトルク支持体に配置されていると有利であり、このトルク支持体はプレスフレーム9と作用結合される。
【符号の説明】
【0057】
1 クランク軸、 2 クランクピン、 3 コンロッド、 4 ステータ、 5 ラム、 6 工具上側部分、 7 工具下側部分、 8 プレステーブル、 9 プレスフレーム、 10 ロータ、 11 過負荷防止装置、 12 クランク機構、 14 モータ、 15 工具、 16 軸受カバー、 17 軸受、 18 保持体、 19 強制連結装置、 20 中間軸受、 21 プレス、 22 永久磁石、 23 駆動巻線、 24 出力担体、 25 制御ユニット、 26 供給ライン、 27 冷却装置、 28 供給区分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具(15)のトライアウトのための又は少なくとも1つの製造方法を用いて工具(15)内においてワークを製造するための、少なくとも1つのプレスフレーム(9)と、該プレスフレーム(9)内に支承されたプレステーブル(8)と、少なくとも1つのクランク機構(12)を用いて駆動されるラム(5)とを備えたプレス(21)であって、工具上側部分(6)がラム(5)に配置され、かつ工具下側部分(7)がプレステーブル(8)に配置されており、クランク機構(12)として、少なくとも1つのクランクピン(2)と少なくとも1つのコンロッド(3)とを備えた少なくとも1つのクランク軸(1)が配置されており、該クランク軸(1)を駆動するためのモータ(14)として、クランク軸(1)を直に駆動する少なくとも1つの直接駆動装置が配置されていて、該直接駆動装置が少なくとも1つのロータ(10)及びステータ(4)から成っている形式のものにおいて、
少なくともモータ(14)のステータ(4)は、少なくとも2つの出力担体(24)から成っており、
出力担体(24)は、独立した交換可能な構成ユニットとして形成されており、
出力担体(24)は、クランク軸(1)に対して半径方向に配置されていて、かつ出力担体(24)は個々に又は区分毎に、供給ライン(26)を用いて制御ユニット(25)と作用結合されていることを特徴とするプレス。
【請求項2】
複数の出力担体(24)が設けられている場合に、等価の出力及び/又は等価の外側形状を備えた少なくとも2つの出力担体(24)が配置されている、請求項1記載のプレス。
【請求項3】
出力担体(24)は、少なくとも2つの出力担体(24)から成るグループとして配置されている、請求項1又は2記載のプレス。
【請求項4】
出力担体(24)は直接的に又は間接的に保持体(18)を介してプレスフレーム(9)と作用結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のプレス。
【請求項5】
ステータ(4)の中央に又は少なくとも1つの出力担体(24)に、少なくとも1つの冷却装置(27)が配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のプレス。
【請求項6】
制御ユニット(25)として少なくとも1つの周波数変換器が配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のプレス。
【請求項7】
ステータ(4)がプレス(21)のプレスフレーム(9)に間接的に配置されている場合に、ステータ(4)の少なくとも一部が、単数又は複数部分から成るトルク支持体に配置されており、該トルク支持体はプレスフレーム(9)と作用結合されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のプレス。
【請求項8】
ステータ(4)の少なくとも一部、トルク支持体及び供給ライン(26)が、1つの組立てユニットを形成している、請求項1から7までのいずれか1項記載のプレス。
【請求項9】
請求項1記載の少なくとも2つのプレス(21)を備えた、ワークを製造及び/又は変形するためのプレスラインであって、プレスライン内に、直接駆動装置を備えた少なくとも2つのプレス(21)が配置されており、各直接駆動装置のモータ(14)においてステータ(4)に、少なくとも2つの出力担体(24)が配置されていることを特徴とする、ワークを製造及び/又は変形するためのプレスライン。
【請求項10】
種々異なった数の出力担体(24)を配置することによって、プレス(21)内に、種々異なった駆動出力を有するダイレクトモータが配置されている、請求項9記載のプレスライン。
【請求項11】
製造段階において前方に配置された第1プレスの直接駆動装置は、後続のプレスに対して高い出力を有している、請求項9記載のプレスライン。
【請求項12】
少なくとも2つの直接駆動装置が、プレスラインの単数又は複数のプレス(21)において、等価の出力担体(24)を備えて配置されている、請求項9記載のプレスライン。
【請求項13】
プレスラインの個々のプレス(21)の間において、異なった数の出力担体(24)が直接駆動装置のステータ(4)に配置されている、請求項9記載のプレスライン。
【請求項14】
工具(15)のトライアウトのための又は少なくとも1つの製造方法を用いて工具(15)内においてワークを製造するための、少なくとも1つのプレスフレーム(9)と、該プレスフレーム(9)内に支承されたプレステーブル(8)と、少なくとも1つのクランク機構(12)を用いて駆動されるラム(5)とを備えたプレス(21)を製造する方法であって、工具上側部分(6)がラム(5)に配置され、かつ工具下側部分(7)がプレステーブル(8)に配置されており、クランク機構(12)として、少なくとも1つのクランクピン(2)と少なくとも1つのコンロッド(3)とを備えた少なくとも1つのクランク軸(1)が配置されており、該クランク軸(1)を駆動するためのモータ(14)として、クランク軸(1)を直に駆動する少なくとも1つの直接駆動装置が配置されていて、該直接駆動装置が少なくとも1つのロータ(10)及びステータ(4)から成っている、プレス(21)を製造する方法において、
少なくともロータ(10)を、クランク軸(1)なしに又はクランク軸(1)の少なくとも一部と共に、少なくとも部分的に組み立てられたプレス(21)内にもたらし、ほぼモータ(14)の領域において一時的に保持するか又は作動準備状態で配置し、次いでステータ(4)を、モータ(14)の領域における個々の出力担体(24)の取付けによって又は、モータ(14)の領域における、少なくとも2つの出力担体(24)から成る予め製造された組立てグループの取付けによって、製造することを特徴とする、プレスを製造する方法。
【請求項15】
出力担体(24)を、個々に又は区分毎に、供給ライン(26)を用いて制御ユニット(25)と接続する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
ステータ(4)をプレス(21)のプレスフレーム(9)に間接的に配置するために、ステータ(4)の少なくとも一部を、単数又は複数部分から成るトルク支持体に配置し、該トルク支持体をプレスフレーム(9)と作用結合させる、請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−509999(P2013−509999A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537319(P2012−537319)
【出願日】平成22年10月30日(2010.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006648
【国際公開番号】WO2011/054486
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(512024314)ディーフェンバッハー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング マシーネン− ウント アンラーゲンバウ (3)
【氏名又は名称原語表記】Dieffenbacher GmbH Maschinen− und Anlagenbau
【住所又は居所原語表記】Heilbronner Strasse 20, D−75031 Eppingen, Germany
【Fターム(参考)】