説明

直流遮断器

【課題】電流零点を発生させる外部回路を必要とせず、事故時に発生する大きな直流電流であっても遮断可能な直流遮断器を提供することである。
【解決手段】液体窒素が充填された極低温恒温槽11の液体窒素中に遮断スイッチ13と超電導部14とを直列に接続して浸漬し、超電導部14は、電流が臨界電流値未満のときは超電導状態を保ち臨界電流値以上のときは電流を限流する。開閉機構部18は、極低温恒温槽11の外部から遮断スイッチ13の開閉操作を行い、その開閉機構部18による遮断スイッチ13の開操作時に、パッファ機構部19は、遮断スイッチ13の接点部にアークを吹き飛ばすための液体窒素の噴流を発生させる。遮断スイッチ13に接続された主導体16は極低温恒温槽11からブッシング17で引き出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流回路に流れる直流電流を遮断する直流遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、低圧の直流回路では、電流を遮断する機器として限流ヒューズやアークシュート型遮断器が使用されている。一方、直流の大電流を遮断するには直流遮断器が用いられている。
【0003】
直流においては、交流のように電流零点が周期的に発生することがないため、電流遮断を容易にするには電流零点を何らかの手段で発生させる必要がある。一般的な直流遮断器では、交流用遮断器に電流零点を発生させるためのコンデンサなどの外部回路を追加した構成(コンデンサ型)となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、本出願人は、液体窒素中に遮断スイッチを浸漬して接点を開いたときには、空気中で接点を開いたときよりアーク時間が大幅に短くなるという知見に基づき、液体窒素が充填された極低温恒温槽の液体窒素12中に遮断スイッチを浸漬し、遮断スイッチに接続された主導体及び遮断スイッチに開閉指令を伝送する伝送線を極低温恒温槽からブッシングにて引き出すように構成した直流遮断器を発明し、特願2008−22373号にて出願した。
【特許文献1】特開昭63−310529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のようなコンデンサ型の直流遮断器は、回路構成が複雑となり装置が大型化する。一方、限流ヒューズは、電流遮断後の再投入ができない。また、アークシュート型の直流遮断器は、動作が遅く故障電流の限流機能を持たないため、電流遮断までの間に、回路に大電流が流れ続けてしまう。
【0006】
本出願人の特願2008−22373号のものは、極低温恒温槽の液体窒素中に遮断スイッチを浸漬したので、遮断スイッチ開放時のアーク時間が短くなり直流の遮断性能が大幅に向上するという顕著な効果を有するが、事故電流が大きくなるにつれて遮断スイッチ開放時のアーク時間が長くなるので、大きな事故電流を遮断することが困難となる。
【0007】
本発明の目的は、電流零点を発生させる外部回路を必要とせず、事故時に発生する大きな直流電流であっても遮断可能な直流遮断器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係わる直流遮断器は、液体窒素が充填された極低温恒温槽と、前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬された遮断スイッチと、前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬されて前記遮断スイッチと直列に接続され電流が臨界電流値未満のときは超電導状態を保ち臨界電流値以上のときは電流を限流する超電導部と、前記極低温恒温槽の外部から前記遮断スイッチの開閉操作を行う開閉機構部と、前記開閉機構部による前記遮断スイッチの開操作時に前記遮断スイッチの接点部にアークを吹き飛ばすための液体窒素の噴流を発生させるパッファ機構部と、前記遮断スイッチに接続された主導体を前記極低温恒温槽から引き出すブッシングとを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係わる直流遮断器は、請求項1の発明において、前記遮断スイッチの接点部は、先端がチューリップの花びら型をした筒状の可動電極と、前記可動電極の先端部と接触する固定電極とを有したチューリップ型接点で形成され、前記パッファ機構部は、前記可動電極が取り付けられたピストンと、前記ピストンが収納されたシリンダと、前記シリンダと前記ピストンとで形成される圧力室と前記可動電極の筒状空洞部とを連通させる連通穴と、前記シリンダ内で前記ピストンを往復運動させる駆動部とを備え、前記圧力室には気体が封入されており、前記可動電極を前記固定電極から切り離す際には、前記駆動部は前記圧力室の気体を圧縮する方向に前記ピストンを駆動し、前記圧力室の気体を前記筒状空洞部を通して前記極低温恒温槽の液体窒素に供給して前記極低温恒温槽の液体窒素に圧力を加え、前記可動電極の先端部から前記極低温恒温槽の液体窒素に噴流を発生させることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明に係わる直流遮断器は、液体窒素が充填された極低温恒温槽と、前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬された遮断スイッチと、前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬されて前記遮断スイッチと直列に接続され電流が臨界電流値未満のときは超電導状態を保ち臨界電流値以上のときは電流を限流する超電導部と、前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬され前記遮断スイッチの開閉操作を行う開閉機構部と、前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬され前記開閉機構部による前記遮断スイッチの開操作時に前記遮断スイッチの接点部にアークを吹き飛ばすための液体窒素の噴流を発生させるパッファ機構部と、前記遮断スイッチに接続された主導体及び前記開閉機構部に前記遮断スイッチの開閉指令を伝送する伝送線を前記極低温恒温槽から引き出すブッシングとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、超電導部は臨界電流値の事故電流が流れたときは事故電流を限流して遮断スイッチを流れる電流を抑制し、また、パッファ機構部は遮断スイッチの開操作時に遮断スイッチの接点部にアークを吹き飛ばすための液体窒素の噴流を発生させるので、事故時に発生する大きな直流電流であっても遮断可能となる。
【0012】
また、パッファ機構部のシリンダとピストンとで形成される圧力室に気体が封入されているときは、可動電極を固定電極から切り離す際には、圧力室の気体を圧縮する方向にピストンを駆動するので、ピストンによる気体の圧縮後であっても圧縮気体により極低温恒温槽の液体窒素に圧力を加えることができるので、アークを吹き飛ばすための液体窒素の噴流を継続して供給できる。従って、効果的にアークを吹き飛ばすことができ、遮断性能を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例1の構成図であり、図2は本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例1の遮断スイッチの接点部の説明図である。図1に示すように、極低温恒温槽11には液体窒素12が充填され、極低温恒温槽11の液体窒素12中に遮断スイッチ13及び超電導部14が浸漬されている。遮断スイッチ13の接点部は、図2に示すように、チューリップ型接点で構成されており、図2では遮断スイッチ13が開いた状態を示している。接点部は、先端がチューリップの花びら型をした筒状の可動電極15aと、可動電極15aの先端部と接触する固定電極15bとを有し、可動電極15aが可動して固定電極15bに接触すると閉じた状態となる。
【0014】
超電導部14は、極低温恒温槽11の液体窒素12中で遮断スイッチ13と直列に接続され、電流が臨界電流値未満のときは超電導状態を保ち、臨界電流値以上のときは電流を限流するものであり、事故時に発生する大電流を限流する。また、遮断スイッチ13及び超電導部14は主導体16に接続され、主導体16はブッシング17を介して極低温恒温槽11から引き出されている。
【0015】
また、極低温恒温槽11の外部には、遮断スイッチ13を開閉操作するための開閉機構部18が設けられ、開閉機構部18はパッファ機構部19を有している。パッファ機構部19は、遮断スイッチ13の開操作時に遮断スイッチ13の接点部である電極15a、15bにアークを吹き飛ばすための液体窒素の噴流を発生させるものである。
【0016】
図3は実施例1での遮断スイッチ13が閉じている状態の開閉機構部18の構成図、図4は実施例1での遮断スイッチ13が開動作時の開閉機構部18の構成図である。図3に示すように、開閉機構部18は、可動電極15aが取り付けられたピストン20をシリンダ21に収納し、駆動部25によりピストン20を往復駆動するように構成されている。圧力室22には空気または窒素の気体が封入されている。
【0017】
また、パッファ機構部19は、可動電極15aを筒状空洞部23に形成し、シリンダ21とピストン20とで形成される圧力室22から連通穴24を通って可動電極15aの筒状空洞部23に連通するように構成されている。そして、ピストン20が駆動部25により駆動され、シリンダ21内で往復運動したとき、可動電極15aの先端部から液体窒素12aを固定電極15bに吹き付ける。
【0018】
図3に示すように、遮断スイッチ13が閉じている状態では、駆動部25によりピストン20に取り付けられた可動電極15aが固定電極15bに接触する位置に保持されている。この状態では、圧力室22には空気または窒素の気体が封入されていることから、可動電極15aの筒状空洞部23には気体と液体窒素12aとが入っている。
【0019】
この状態で、可動電極15aを固定電極15bから切り離す際には、図4に示すように、駆動部25により、矢印A方向(上方向)にピストン20を駆動する。これにより、ピストン20はシリンダ21内で圧力室22の気体が圧縮する方向に動く。このため、矢印B1のように、圧力室22の気体が連通穴24を通って可動電極15aの筒状空洞部23に入り、矢印B2のように筒状空洞部23内の液体窒素12aに圧力を加えて押し下げる。これにより、矢印Cのように、可動電極15aの先端部から極低温恒温槽11の液体窒素12に噴流を発生させる。
【0020】
このように、遮断スイッチ13の開放時には、圧力室22の加圧された気体が筒状空洞部23内の界面で液体窒素12aを押し、液体窒素12に流れを作り可動電極15aと固定電極15bとの間のアークに吹き付ける。
【0021】
また、圧力室22は連通穴24により筒状空洞部23と連通し、筒状空洞部23内の界面で液体窒素12aと接するので、圧力室22の気体が極低温恒温槽11の液体窒素12中に入り込むことはない。遮断スイッチ13の投入時には連通穴24を通して筒状空洞部23から圧力室22に気体が入るため、液体窒素12が逆流して圧力室22に入ることもなく、繰り返し使用が可能である。
【0022】
次に、図5は遮断スイッチ13の開動作時の特性図であり、ピストン20のストロークS、圧力室22の圧力P、遮断スイッチ13の電流I、電極15a、15b間の電圧Vを示している。いま、ピストン20のストロークSが最大である時間tを0[ms]とする。時間tが−10[ms]以前において、遮断スイッチ13の電極15a、15bは閉じており電流Iが流れている。この状態で、t=−10[ms]の時点で遮断が開始されたとする。t=−10[ms]以降においてピストン20のストロークSが増加し、これに伴って圧力室22の圧力Pも大きくなり、遮断スイッチ13の電流Iは減少し、電極15a、15b間の電圧Vは上昇する。
【0023】
時点(t=1[ms]近傍)でピストン20のストロークSが最大となり、圧力室22の圧力Pも最大となる。そして、それ以降の時点(t=17[ms]近傍)まで圧力室22の圧力Pは徐々に減少する。これは、圧力室22には気体が封入されているためである。これにより、気体の圧力がピークを迎えた後でも約17[ms]の間は、可動電極15aの筒状空洞部23内の液体窒素12aを加圧するので、可動電極15aの先端部から固定電極15bへの液体窒素12に噴流を発生させる。従って、可動電極15aと固定電極15bとの間のアークを約17[ms]の間継続して吹き飛ばすことができるので遮断性能が向上する。
【0024】
ここで、電流を遮断した際に発生するアークの温度は、数千度に達するため、アークと電極15a、15bとが接触する時間が長いと電極15a、15bが溶融するなどの弊害があるため、アークが発生している時間に相当するアーク時間は短いことが望ましい。また、直流配電において、事故時には過大な短絡電流が流れることが予想され、短い時間での過大な短絡電流の遮断が要求されている。
【0025】
図6は、本発明の実施の形態によるパッファ機構部19の有無による遮断スイッチ13のアーク時間と遮断電流との特性曲線を示すグラフである。特性曲線C0はパッファ機構部無しの場合の遮断スイッチ13のアーク時間と遮断電流との特性曲線であり、特性曲線C1はパッファ機構部有りの場合の遮断スイッチ13のアーク時間と遮断電流との特性曲線である。
【0026】
パッファ機構部無しの場合は、遮断電流を増加していくと、遮断電流が80[A]以上では遮断できなくなり、パッファ機構部19有りの場合は、遮断電流が250[A]でも遮断できた。また、同じ遮断電流で比較すると、例えば遮断電流が80[A]で比較すると、パッファ機構部有りの場合のアーク時間は10[ms]であり、パッファ機構部無しの場合のアーク時間は50[ms]であり、パッファ機構部有りの場合には優れた性能を発揮している。
【0027】
図7は本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例2の構成図である。この実施例2は、図1に示した実施例1に対し、開閉機構部18を極低温恒温槽11の液体窒素12中に浸漬したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0028】
図7に示すように、遮断スイッチ13及び超電導部14に加え、開閉機構部18も極低温恒温槽11の液体窒素12中に浸漬されている。開閉機構部18が極低温恒温槽11の液体窒素12中に浸漬されたことに伴いパッファ機構部19も極低温恒温槽11の液体窒素12中に浸漬されている。そして、遮断スイッチ13及び超電導部14は主導体16に接続され、主導体16はブッシング17を介して極低温恒温槽11から引き出され、また、開閉機構部18に遮断スイッチ13の開閉指令を伝送する図示省略の伝送線もブッシング17を介して極低温恒温槽11から引き出されている。
【0029】
図8は実施例2の開閉機構部18の構成図であり、図8(a)は実施例2での遮断スイッチ13が閉じている状態の開閉機構部18の構成図、図8(b)は実施例2での遮断スイッチ13が開動作時の開閉機構部18の構成図である。図8(a)に示すように、遮断スイッチ13が閉じている状態では、駆動部25によりピストン20に取り付けられた可動電極15aが固定電極15bに接触する位置に保持されている。この場合、開閉機構部18が極低温恒温槽11に浸漬されていることから、圧力室22及び可動電極15aの筒状空洞部23には液体窒素が入っている。
【0030】
この状態で、可動電極15aを固定電極15bから切り離す際には、図8(b)に示すように、駆動部25により、矢印A方向(上方向)にピストン20を駆動する。これにより、ピストン20は圧力室22内の液体窒素を押圧する方向に動くので、矢印B1のように、圧力室22の液体窒素が連通穴24を通って可動電極15aの筒状空洞部23に入り、矢印B2のように筒状空洞部23内の液体窒素を押圧して押し下げる。これにより、矢印Cのように、可動電極15aの先端部から極低温恒温槽11の固定電極15bに液体窒素12の噴流を発生させる。
【0031】
このように、遮断スイッチ13の開放時には、圧力室22の押圧された液体窒素が筒状空洞部23内の液体窒素を押し、液体窒素12に噴流を作り可動電極15aと固定電極15bとの間のアークに吹き付ける。
【0032】
このように、開閉機構部18を極低温恒温槽11の液体窒素12中に浸漬した場合であっても、液体窒素12に噴流を作り可動電極15aと固定電極15bとの間のアークに吹き付けることができる。
【0033】
本発明の実施の形態によれば、遮断スイッチ13を液体窒素12中に浸漬し遮断スイッチ13にアークを吹き飛ばすためのパッファ機構部19を設けたのでアーク時間が短くなり、遮断スイッチ13と超電導部14とを直列に接続して超電導部14で故障電流を限流するので大きな故障電流でも遮断できる。また、直流の遮断性能を大幅に向上させたことに伴い、電流零点を発生させる外部回路が不要となるので機器構成の簡素化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例1の構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例1の遮断スイッチの接点部の説明図。
【図3】本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例1での遮断スイッチが閉じている状態の開閉機構部の構成図。
【図4】本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例1での遮断スイッチが開動作時の開閉機構部の構成図。
【図5】本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例1での遮断スイッチの開動作時の特性図。
【図6】本発明の実施の形態によるパッファ機構部の有無による遮断スイッチのアーク時間と遮断電流との特性曲線を示すグラフ。
【図7】本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例2の構成図。
【図8】本発明の実施の形態に係わる直流遮断器の実施例2の開閉機構部の構成図。
【符号の説明】
【0035】
11…極低温恒温槽、12…液体窒素、13…遮断スイッチ、14…超電導部、15a…可動電極、15b…固定電極、16…主導体、17…ブッシング、18…開閉機構部、19…パッファ機構部、20…ピストン、21…シリンダ、22…圧力室、23…筒状空洞部、24…連通穴、25…駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体窒素が充填された極低温恒温槽と、
前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬された遮断スイッチと、
前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬されて前記遮断スイッチと直列に接続され電流が臨界電流値未満のときは超電導状態を保ち臨界電流値以上のときは電流を限流する超電導部と、
前記極低温恒温槽の外部から前記遮断スイッチの開閉操作を行う開閉機構部と、
前記開閉機構部による前記遮断スイッチの開操作時に前記遮断スイッチの接点部にアークを吹き飛ばすための液体窒素の噴流を発生させるパッファ機構部と、
前記遮断スイッチに接続された主導体を前記極低温恒温槽から引き出すブッシングとを備えたことを特徴とする直流遮断器。
【請求項2】
前記遮断スイッチの接点部は、先端がチューリップの花びら型をした筒状の可動電極と、前記可動電極の先端部と接触する固定電極とを有したチューリップ型接点で形成され、
前記パッファ機構部は、前記可動電極が取り付けられたピストンと、前記ピストンが収納されたシリンダと、前記シリンダと前記ピストンとで形成される圧力室と前記可動電極の筒状空洞部とを連通させる連通穴と、前記シリンダ内で前記ピストンを往復運動させる駆動部とを備え、前記圧力室には気体が封入されており、
前記可動電極を前記固定電極から切り離す際には、前記駆動部は前記圧力室の気体を圧縮する方向に前記ピストンを駆動し、前記圧力室の気体を前記筒状空洞部を通して前記極低温恒温槽の液体窒素に供給して前記極低温恒温槽の液体窒素に圧力を加え、前記可動電極の先端部から前記極低温恒温槽の液体窒素に噴流を発生させることを特徴とする請求項1記載の直流遮断器。
【請求項3】
液体窒素が充填された極低温恒温槽と、
前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬された遮断スイッチと、
前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬されて前記遮断スイッチと直列に接続され電流が臨界電流値未満のときは超電導状態を保ち臨界電流値以上のときは電流を限流する超電導部と、
前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬され前記遮断スイッチの開閉操作を行う開閉機構部と、
前記極低温恒温槽の液体窒素中に浸漬され前記開閉機構部による前記遮断スイッチの開操作時に前記遮断スイッチの接点部にアークを吹き飛ばすための液体窒素の噴流を発生させるパッファ機構部と、
前記遮断スイッチに接続された主導体及び前記開閉機構部に前記遮断スイッチの開閉指令を伝送する伝送線を前記極低温恒温槽から引き出すブッシングとを備えたことを特徴とする直流遮断器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−289646(P2009−289646A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142114(P2008−142114)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人電気学会、平成20年電気学会全国大会講演論文集、第6分冊、平成20年3月19日発行
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】