説明

直線偏波の制御方法及びその装置。

【課題】 構造や製造方法も簡単で低コストで、さらに高周波数帯においても使用可能で、高比強度、且つ、広帯域な直線偏波の制御方法及びその装置を提供すること。
【解決手段】 炭素繊維強化プラスチック板と、電波的に透明なガラス繊維強化プラスチック板とからなり、炭素繊維強化プラスチックの繊維方向は単方向であり、炭素繊維強化プラスチック板の両面又は片面にガラス繊維強化プラスチック板を積層し、これらの繊維強化プラスチック板が一体の繊維強化プラスチック板となるように成形してなる直線偏波を制御する偏波格子及びその偏波格子を有する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直線偏波の制御方法及びその装置に関し、特に、高周波数帯においても使用可能で、広帯域、且つ、高比強度な直線偏波の制御方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
偏波ダイバーシチにおいて用いられる偏波格子は、特定方向に偏波した電波に限って透過する偏波器である。偏波格子の代表的なものとしてワイヤーグリッドがあり、このワイヤーグリッドは多数の導電体のワイヤを平行に配列したものである。この多数の導電体のワイヤ(金属線や金属テープが一般的である)に直線偏波(垂直/水平偏波)が入射すると、偏波の方向と導電体のワイヤの方向とが直交した場合(透過偏波の場合)には電波は殆ど透過し、偏波の方向と導電体のワイヤの方向とが平行、即ち、同一方向の場合(遮蔽偏波の場合)には電波は減衰する。
【0003】
従来の偏波格子としては、他にもプリント基板上に線状の金属片をエッチングして形成されるものや、金属板を打ち抜いて形成するものがある。さらに、特許文献1に開示されているような合成樹脂と固着可能な非金属繊維を用いて形成される織布の経または緯のいずれか一方に、金属製の線条を所定間隔にて配置して織込んで、電磁波の偏波選択特性を持たせた偏波選択織布を形成し、該偏波選択織布を、単独で、または、合成樹脂と固着可能な非金属繊維のみからなる織布若しくは綿と組合せて、合成樹脂と共に硬化成形して構成することを特徴とする偏波格子がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61−149413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の偏波格子は帯域が狭いという問題点がある。また、従来の偏波格子は、上述の方法で構成されるため、製作工程数が多く、高コストとなる問題点もある。
【0006】
また、高周波数帯において、偏波格子の導電体のワイヤの線径が太い場合には透過偏波の透過量が減少するという問題点があり、導電体のワイヤの線間隔が広い場合には遮蔽偏波の遮蔽量が減少するという問題点がある。従って、高周波数帯において偏波格子として十分な特性を得るためには、即ち、透過時における低損失特性及び遮断時における遮蔽特性の両方を満足する場合には、線径を細くし、線間隔を狭くする必要がある。一般的には、線径を波長の10分の1以下、線間隔を波長の4分の1以下にする必要がある。
【0007】
この条件を高周波数帯において満たそうとした場合の問題点について、プリント基板上に線状の金属片をエッチングして形成しているものを例にとって説明する。高周波数帯として100GHz帯とした場合、単純に計算しても金属線の線径を300μm以下、線間隔を750μm以下とする必要がある。実際には、基板上で合成樹脂により波長短縮効果があることから、さらに細い線径、狭い線間隔が必要となる。従って、100GHz帯においてですら100μm以下のオーダでの加工が必要となることから、製造が困難になるとともに、さらに高コストとなるという問題点がある。
【0008】
また、特許文献1に記載の発明を例にとって、100GHz帯でこの条件を満たそうとした場合、同様の細い線径と狭い線間隔を満足するための微細な加工が必要になるが、この場合の線間隔とは金属製の線条の線間隔である。この特許文献1に記載の発明は、上述したように、非金属繊維の間に金属製の線条を一定間隔で織り込んでいることから、一番密に金属製の線条を配置した場合でも金属製の線条と非金属繊維とを交互に織り込む必要がある。従って、金属線の線条と非金属繊維との線間隔を考えた場合、さらに狭い線間隔が必要となり、製造が技術的にも困難であるという問題点がある。
【0009】
さらに、特許文献1に記載の発明は、金属製の線条を織り込む場合、織り込むことによる微少な凹凸が発生する。この凹凸が発生することにより、金属製の線条の線間隔が微妙に変化するという問題点がある。また、特に高周波数帯において偏波格子として十分な特性を得るためには、線間隔は均等に揃える必要があるとともに微少な隙間を保つ必要がある。従って、特許文献1に記載の発明は、高周波数帯において偏波制御が困難であるという問題点もある。
【0010】
また、この特許文献1には、金属製の線条としては炭素繊維も使用することが出来る旨開示されている。炭素繊維を合成樹脂に固着したものとしてはCFRP(Carbon Fiber
Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)が一般的である。このCFRPは、細かく切断した炭素繊維をプラスチック等の樹脂に均一にまぶしたり、炭素繊維を繊維に方向性を持たせたままプラスチック等の樹脂に浸潤させたりすることにより成形したものであり、軽量で強度の高い、即ち、比強度の高い材料である。
【0011】
しかしながら、CFRPは、使用する炭素繊維の繊維方向が単方向である場合、炭素繊維の繊維方向の引張りには強いものの、繊維と直角方向の引張りには弱い(強度に異方性がある)という問題点がある。このため、通常一般的に使用されているCFRPは、板状の繊維の層を、繊維方向が異なるように複数枚重ねて成形したり、繊維そのものを3次元化したり、繊維層間を縫うステッチング、即ち、炭素繊維の繊維方向が異なる複数の炭素繊維を組み合わせて、それらが直交するように編み込んでメッシュ状に成形したりして構成されている。このようにして成形されたCFRPは、その高比強度を生かして、金属の代わりに用いられ、例えば電波の反射鏡等のアプリケーションに利用されている。
【0012】
このCFRPで使用されている炭素繊維を、特許文献1に記載の発明において金属製の線条として炭素繊維を使用したとしても、単に金属製の線条の代わりに炭素繊維を置き換えただけでは特許文献1に記載の発明における上記の問題点の解決には何ら寄与することはない。従って、特許文献1に記載の発明において金属製の線条として炭素繊維を使用したとしても、高周波数帯では、製造が技術的にも困難となり、高コストであるとともに、偏波制御が困難であるという問題点がある。
【0013】
本願発明は、上記のような問題点を鑑みなされたもので、構造や製造方法も簡単で低コストで、さらに高周波数帯においても使用可能で、高比強度、且つ、広帯域な直線偏波の制御方法及びその装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に係る発明は、繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した繊維強化プラスチック板を用い、繊維は導電体であり、導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、直線偏波された電波が繊維強化プラスチック板に入射した時、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが直交する場合には電波は透過し、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には電波は減衰することを特徴とする直線偏波を制御する方法である。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、導電体の繊維は、炭素繊維である。
【0016】
請求項3に係る発明は、繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した繊維強化プラスチック板からなり、繊維は導電体であり、導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、直線偏波された電波が繊維強化プラスチック板に入射した時、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが直交する場合には電波は透過し、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には電波は減衰することを特徴とする直線偏波を制御する偏波格子である。
【0017】
請求項4に係る発明は、導電体の繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第1の繊維強化プラスチック板と、電波的に透明な誘電体の繊維を樹脂の中に混入して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第2の繊維強化プラスチック板とからなり、導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、第1の繊維強化プラスチック板の両面又は片面に第2の繊維強化プラスチック板を積層し、第1の繊維強化プラスチック板と第2の繊維強化プラスチック板とが一体の繊維強化プラスチック板となるように成形し、直線偏波された電波が一体となった繊維強化プラスチック板に入射した時、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが直交する場合には電波は透過し、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には電波は減衰することを特徴とする直線偏波を制御する偏波格子である。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項3〜請求項4の何れかに記載の発明において、導電体の繊維は、炭素繊維である。
【0019】
請求項6に係る発明は、板状に成形した導電体の繊維の層の両面又は片面に電波的に透明な誘電体の層を積層し、導電体の層と誘電体の層とを樹脂の中に浸して強度を向上させるように一体として板状に形成した繊維強化プラスチック板からなり、導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、直線偏波された電波が繊維強化プラスチック板に入射した時、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが直交する場合には電波は透過し、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には電波は減衰することを特徴とする直線偏波を制御するレドームである。
【0020】
請求項7に係る発明は、導電体の繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第1の繊維強化プラスチック板と、電波的に透明な誘電体の繊維を樹脂の中に混入して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第2の繊維強化プラスチック板とからなり、導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、第1の繊維強化プラスチック板の両面又は片面に第2の繊維強化プラスチック板を積層し、第1の繊維強化プラスチック板と第2の繊維強化プラスチック板とが一体の繊維強化プラスチック板となるように成形し、直線偏波された電波が一体となった繊維強化プラスチック板に入射した時、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが直交する場合には電波は透過し、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には電波は減衰することを特徴とする直線偏波を制御するレドームである。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項6〜請求項7の何れかに記載の発明において、導電体の繊維は、炭素繊維であり、電波的に透明な誘電体は、ガラス繊維である。
【0022】
請求項9に係る発明は、板状に成形した導電体の繊維の層の両面又は片面に電波的に透明な誘電体の層を積層し、導電体の層と誘電体の層とを樹脂の中に浸して強度を向上させるように一体として板状に形成した複数の繊維強化プラスチック板からなり、導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、複数の繊維強化プラスチック板を組み合わせて、一方の繊維強化プラスチック板の繊維方向と他方の繊維強化プラスチック板の繊維方向との角度が同一方向から互いに直交する方向まで変化可能に構成し、直線偏波された電波が複数の繊維強化プラスチック板に入射した時、一方の繊維強化プラスチック板の繊維方向と他方の繊維強化プラスチック板の繊維方向との角度の差により透過減衰量が変化することを特徴とする直線偏波を制御する偏波格子を用いた可変減衰器である。
【0023】
請求項10に係る発明は、導電体の繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第1の繊維強化プラスチック板と、電波的に透明な誘電体の繊維を樹脂の中に混入して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第2の繊維強化プラスチック板とからなり、導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、第1の繊維強化プラスチック板の両面又は片面に第2の繊維強化プラスチック板を積層し、第1の繊維強化プラスチック板と第2の繊維強化プラスチック板とが一体の繊維強化プラスチック板となるように成形し、複数の一体となった繊維強化プラスチック板を組み合わせて、一方の繊維強化プラスチック板の繊維方向と他方の繊維強化プラスチック板の繊維方向との角度が同一方向から互いに直交する方向まで変化可能に構成し、直線偏波された電波が複数の一体となった繊維強化プラスチック板に入射した時、一方の繊維強化プラスチック板の繊維方向と他方の繊維強化プラスチック板の繊維方向との角度の差により透過減衰量が変化することを特徴とする直線偏波を制御する偏波格子を用いた可変減衰器である。
【0024】
請求項11に係る発明は、請求項9〜請求項10の何れかに記載の発明において、導電体の繊維は、炭素繊維であり、電波的に透明な誘電体は、ガラス繊維である。
【発明の効果】
【0025】
請求項1、請求項3及び請求項4に係る発明は、上記のように構成したので、構造が簡単で容易に、且つ、低コストで直線偏波を制御することが出来る。さらに、広帯域である。また、繊維自体は導電性を持ちながら、一本一本の繊維は樹脂で囲まれていて導通しないため、細い線径と狭い線間隔を満足することができるので、高い周波数帯においても直線偏波を制御することができ、偏波格子として動作可能である。
【0026】
請求項2、請求項5及び請求項8に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1、請求項3及び請求項4に係る発明と同様の効果がある。さらに、高比強度に優れ、容易に20dB以上の偏波選択特性が得られる。また、繊維自体の直流抵抗は数Ωから数十Ωであるため、直流には導電性を有するが、交流に対しては一本一本が繊維として動作し導電性を有しない。従って、直線偏波に対しては遮断や透過をすることができるとともに、同時に静電気の放電や落雷した時などにはそれらの電流を安全に逃がすことができる。
【0027】
請求項6及び請求項7に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1、請求項3及び請求項4に係る発明の効果を有するレドームが得られる。
【0028】
請求項9及び請求項10に係る発明は、上記のように構成したので、構造が簡単で容易に、且つ、低コストで透過減衰量を制御することが出来る。さらに、広帯域である。また、繊維自体は導電性を持ちながら、一本一本の繊維は樹脂で囲まれていて導通しないため、細い線径と狭い線間隔を満足することができるので、高い周波数帯においても透過減衰量を制御することができ、可変減衰器として動作可能である。
【0029】
請求項11に係る発明は、上記のように構成したので、請求項9及び請求項10に係る発明と同様の効果がある。さらに、高比強度に優れ、容易に20dB以上の透過減衰量を制御可能な可変減衰器が得られる。また、繊維自体の直流抵抗は数Ωから数十Ωであるため、直流には導電性を有するが、交流に対しては一本一本が繊維として動作し導電性を有しない。従って、直線偏波に対しては遮断や透過をすることができるとともに、同時に静電気の放電や落雷した時などにはそれらの電流を安全に逃がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施例を示すもので、この発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子の透過減衰量の結果を示す図である。
【図2】この発明の実施例を示すもので、この発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子の透過減衰量の結果を示す図である。
【図3】この発明の実施例を示すもので、偏波格子を回転させた時の偏波格子の繊維方向と電波の偏波方向との角度に対する偏波格子の透過減衰量の測定方法を示す模式図である。
【図4】この発明の実施例を示すもので、偏波格子を回転させた時の偏波格子の繊維方向と電波の偏波方向との角度に対する偏波格子の透過減衰量の結果を示す図である。
【図5】この発明の実施例を示すもので、この発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子をレドームに応用した場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
導電体の繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第1の繊維強化プラスチック板と、電波的に透明な誘電体の繊維を樹脂の中に混入して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第2の繊維強化プラスチック板とからなり、導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、第1の繊維強化プラスチック板の両面又は片面に第2の繊維強化プラスチック板を積層し、第1の繊維強化プラスチック板と第2の繊維強化プラスチック板とが一体の繊維強化プラスチック板となるように成形し、直線偏波された電波が一体となった繊維強化プラスチック板に入射した時、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが直交する場合には電波は殆ど透過し、繊維方向と直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には電波は減衰することを特徴とする直線偏波を制御する偏波格子及びその偏波格子を有するレドーム。導電体の繊維は炭素繊維であり、電波的に透明な誘電体はガラス繊維である。
【実施例1】
【0032】
この発明の実施例を、図1に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明の実施例を示すもので、この発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子の透過減衰量の結果を示す図である。ここで、図1は測定周波数範囲が400MHz〜6GHz帯の場合の結果を示す図である。
【0033】
まず、発明者等は、この発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子を形成するのに必要なCFRP(Carbon Fiber
Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)板を準備した。このCFRP板は、一般的に使用されるCFRP板、即ち、炭素繊維の繊維方向が異なる複数の炭素繊維を組み合わせて、それらが直交するように編み込んでメッシュ状に成形されたものではない。この発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子を形成するのに必要なCFRP板は、炭素繊維の繊維方向が単方向のものを使用する。なお、上述したように、炭素繊維の繊維方向が単方向のものは、繊維と直角方向の引張りには弱い(強度に異方性がある)ため、この実施例で使用するCFRP板は、測定の為に便宜上一般的に使用されるメッシュ状に成形されたCFRP板を外枠に用いて補強してある。また、この実施例において、偏波格子に必要なCFRP板は、厚さが0.1mmのCFRP板を使用している。このCFRP板の炭素繊維の線径は10μm以下であり、炭素繊維はCFRP板上に一様に分布している。また、発明者等は、このCFRP板の炭素繊維の繊維方向と直交する方向の直流抵抗を測定したところ、直流抵抗は数Ω〜数十Ωであった。
【0034】
次に、発明者等は、電磁的に遮蔽したケース(以下、単に遮蔽ケースと記す。)を用意し、偏波格子を形成するのに必要なこのCFRP板の透過減衰量の測定を行った。遮蔽ケースには開口部を設け、この開口部を塞ぐようにCFRP板をセットするとともに、遮蔽ケース内部に発振器を設置し、遮蔽ケースの開口部からCFRP板を透過する電波を受信アンテナにより受信して、CFRP板による減衰量を測定した。このCFRP板による透過減衰量の測定結果を図1に示す。
【0035】
図1において、横軸は周波数、縦軸はCFRP板による透過減衰量である。図1は測定周波数範囲が400MHz〜6GHz帯の場合の結果である。図1において、
―○―○―は、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向が垂直の場合、即ち、偏波とCFRP板の繊維方向とが直交する場合の特性であり、
―■―■―は、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向も水平の場合、即ち、偏波とCFRP板の繊維方向とが同一方向の場合の特性であり、
―●―●―は、CFRP板の代わりにアルミ板を用いた際の特性である。このアルミ板はCFRP板と導電率がほぼ同じ値であり、一般的に使用されているCFRP板、即ち、メッシュ状に成形されているCFRP板の特性に相当するため、参考までに特性比較用として併せて示してある。
【0036】
図1に示す結果より、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向が垂直の場合には、透過減衰量は6dB以下となっており、一方、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向も水平の場合には、透過減衰量は20dB〜40dBとなっている。
【0037】
さらに、この図1において、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向が垂直の場合、即ち、偏波とCFRP板の繊維方向とが直交する場合の特性と、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向も水平の場合、即ち、偏波とCFRP板の繊維方向とが同一方向の場合の特性とを比較すると、その特性の差は測定周波数範囲400MHz〜6GHz帯のどの周波数帯域においても20dB以上ある。
【0038】
従って、この発明による直線偏波の制御方法は、CFRP板の繊維、即ち、偏波格子の繊維方向と直交する偏波は殆ど透過し、同一方向からの偏波は大幅に減衰させることが可能であるとともに、20dB以上の偏波選択特性を有している。また、この測定周波数範囲400MHz〜6GHz帯は4オクターブ程度の範囲であり、この範囲内で上記の様な偏波選択特性を有するので、これだけでもこの発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子は、十分に広帯域であることが判明した。
【実施例2】
【0039】
この発明の第2の実施例を、図2に基づいて詳細に説明する。この発明の第2の実施例は、第1の実施例において述べた通り、4オクターブの範囲の偏波選択特性を有する広帯域なこの発明による直線偏波の制御方法が、さらに広帯域であることを確認するために、ミリ波帯においても第1の実施例と同様の透過減衰量の測定を行ったものである。
なお、第1の実施例と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。
【0040】
図2は、この発明の実施例を示すもので、図1と同様にこの発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子の透過減衰量の結果を示す図である。ここで、図2は測定周波数範囲が75GHz〜110GHz帯の場合の結果を示す図である。
【0041】
この実施例では、第1の実施例と同様のCFRP板を用意した。また、測定法は電波無響室内で送信アンテナ及び受信アンテナを対向させて設置し、受信アンテナの前にCFRP板を設置することで透過減衰量を測定する自由空間法を用いた。そして、測定周波数範囲がミリ波帯(W帯75GHz〜110GHz)においてCFRP板による透過減衰量の測定を行った。
【0042】
図2において、図1と同様に横軸は周波数、縦軸はCFRP板による透過減衰量である。図2は測定周波数範囲が75GHz〜110GHz帯の場合の結果である。図2において、
実線部分は、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向が垂直の場合、即ち、偏波とCFRP板の繊維方向とが直交する場合の特性であり、
破線部分は、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向も水平の場合、即ち、偏波とCFRP板の繊維方向とが同一方向の場合の特性である。
【0043】
図2に示すように、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向が垂直の場合には、透過減衰量は5dB〜10dBである。一方、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向も水平の場合には、透過減衰量は40dB以上である。ただし、図2にも示すように、この実施例で測定に用いた測定系では、測定限界が約40dB程度にある。従って、実際には、電波が水平偏波でCFRP板の繊維方向も水平の場合、即ち、偏波とCFRP板の繊維方向とが同一方向の場合は、より大きな透過減衰量になるものと考えられる。
【0044】
さらに、この図2において、第1の実施例における図1と同様に、偏波とCFRP板の繊維方向とが直交する場合の特性と、偏波とCFRP板の繊維方向とが同一方向の場合の特性とを比較すると、その特性の差は測定周波数範囲75GHz〜110GHz帯のどの周波数帯域においても30dB〜40dB以上ある。従って、この発明による直線偏波の制御方法は、測定限界を考慮しても、測定周波数範囲75GHz〜110GHz帯においても、30dB〜40dB以上の偏波選択特性を有している。
【0045】
以上述べた第1の実施例、第2の実施例から、この発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子は、UHF帯(300MHz〜3GHz)からミリ波帯までの非常に広帯域な周波数範囲で偏波選択特性を有し、非常に広帯域な偏波格子として動作可能である。さらに、第1の実施例及び第2の実施例で偏波格子として使用しているCFRP板の炭素繊維の線径は、上述したように10μm以下であるため、理論上は3000GHz程度まで偏波格子として利用可能である。従って、理論上、数MHz〜3000GHzを動作範囲とする偏波格子として利用可能である。
【実施例3】
【0046】
この発明の第3の実施例を、図3及び図4に基づいて詳細に説明する。
この発明の第3の実施例は、第1の実施例及び第2の実施例の偏波格子を回転させた時の偏波格子の繊維方向と電波の偏波方向との角度に対する偏波格子の透過減衰量の推移について測定を行ったものである。
なお、第1の実施例及び第2の実施例と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。
【0047】
図3は、この発明の実施例を示すもので、第1の実施例及び第2の実施例の偏波格子を回転させた時の偏波格子の繊維方向と電波の偏波方向との角度に対する偏波格子の透過減衰量の測定方法を示す模式図であり、図4はその測定結果を示す図である。
【0048】
図3において、発明者等は、偏波格子1に直線偏波の電波2を入射し、偏波格子1を回転させて、この偏波格子1の繊維方向3と入射した電波2の偏波方向4との角度5における偏波格子1による透過減衰量を測定した。偏波格子1は、第1の実施例及び第2の実施例と同じもの(CFRP板)を使用している。この実施例では、偏波格子1への入射波の周波数は4.4GHzであり、偏波格子1を15度刻みで回転させて透過減衰量の測定を行っている。
【0049】
その測定結果を図4に示す。この図4において、横軸は偏波格子の繊維方向と電波の偏波方向との角度を示しており、偏波格子の繊維方向と電波の偏波方向とが平行、即ち、同一方向のときを0度、偏波格子の繊維方向と電波の偏波方向とが直交しているときを90度としている。また、図4において、縦軸は偏波格子1による透過減衰量を示している。
【0050】
この図4より、この発明による直線偏波の制御方法は、偏波格子1の繊維方向と偏波方向とが直交するときは殆ど透過し、偏波格子1の繊維方向と偏波方向とが同一方向のときは大幅に減衰させる特性を有するとともに、偏波格子1の繊維方向と偏波方向とが直交する場合から同一方向の場合までの間の透過減衰量の特性も段階的に変化していることが判明した。
【0051】
また、この第3の実施例では、1枚の偏波格子を回転させて、偏波格子の繊維方向と偏波格子に入射した電波の偏波方向との角度によって減衰量を変化させているが、この態様に限定されるものではない。例えば、2枚の偏波格子を組み合わせて、一方の偏波格子の繊維方向と他方の偏波格子の繊維方向とが、互いに同一方向から互いに直交する方向まで回転可能に構成して入射した電波に対する透過減衰量を変化させるようにしてもよい。
【実施例4】
【0052】
この発明の第4の実施例を、図5に基づいて詳細に説明する。
この発明の第4の実施例以降の実施例は、第1の実施例〜第3の実施例の偏波格子の応用例を説明した実施例である。なお、第1の実施例〜第3の実施例と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。
【0053】
この発明の第4の実施例は、第1の実施例〜第3の実施例の偏波格子をレドームに用いた応用例である。
【0054】
図5は、この発明の実施例を示すもので、この発明による直線偏波の制御方法を用いた偏波格子をレドームに応用した場合の模式図である。
図5において、レドーム10は、偏波格子11と補強部12とから構成されている。偏波格子11は、第1の実施例〜第3の実施例と同様に、炭素繊維の繊維方向が単方向のCFRPを使用している。しかしながら、この実施例の偏波格子11は、第1の実施例〜第3の実施例と異なり、一般的に使用されるメッシュ状に成形されたCFRP板を外枠に用いて補強してはいない。従って、偏波格子11は、このままでは上述の通り、炭素繊維の繊維方向と直交する方向の引張りには弱い(強度に異方性がある)状態である。
【0055】
補強部12は、この偏波格子11を補強するために、偏波格子11の両面に形成している。この補強部12は、この実施例では比較的安価で電波透過性に優れるGFRP(Glass Fiber
Reinforced Plastics:ガラス繊維強化プラスチック)板を使用している。なお、補強部12は、GFRPに限定されるものではなく、電波透過性に優れている、即ち、電波的に透明な誘電体部材で、強度に異方性のある偏波格子11の弱い方向の強度を補強する強度を有するものであればよい。
【0056】
このようにレドーム10を構成することにより、入射した電波2に対し、偏波格子11の繊維方向と直交する方向に偏波された直線偏波の電波のみを透過し、同一方向からの偏波は大幅に減衰させることが可能な偏波選択特性を有するとともに、広帯域で高比強度に優れたレドームが得られる。また、レドーム10が偏波選択特性を有することにより、偏波ダイバーシチ受信を行う際に偏波選択特性を有するアンテナを準備する必要がない。偏波選択特性を有するアンテナは、複雑な構造で高コストになるので、レドーム10が偏波選択特性を有することにより、アンテナとレドームとの全体において簡単な構造でコストを抑えることができる。
【0057】
また、上述のように偏波格子11で使用しているCFRP板の炭素繊維の繊維方向と直交する方向に直流抵抗があることから、偏波格子11はこの方向における導電性を有する。従って、直流には導電性を有するが、交流に対しては一本一本が繊維として動作し導電性を有しないため、直線偏波に対しては遮断や透過をすることができるとともに、同時に静電気の放電や落雷した時などにはそれらの電流を安全に逃がすことができる。一方、一般的に使用される金属線を用いた偏波格子は、金属線の線方向における導電性はあるが、金属線の線方向と直交する方向における導電性はない。従って、本願のように金属線の線方向と直交する方向における導電性を有するように構成した場合、この方向における導電性を確保するための金属線などの導電体が必要となる。しかしながら、このように構成した場合、一般的に使用される金属線を用いた偏波格子は、偏波格子として動作することは不可能である。
【0058】
なお、この実施例では、偏波格子11の両面に補強部12を形成したが、十分な強度を確保できるのであれば偏波格子11の片面にのみ補強部12を形成してもよい。また、レドーム10を構成する際に、偏波格子11で使用しているCFRP板における板状の炭素繊維(繊維方向が単方向のもの)の層の両面若しくは片面に、補強部12で使用しているGFRPにおける板状のガラス繊維の層を積層した上で、これらの炭素繊維の層とガラス繊維の層とを一体として樹脂に浸して強化プラスチックとして成形することによりレドーム10を構成してもよい。
【0059】
なお、第3の実施例以降の実施例においては、この発明による直線偏波を制御する偏波格子を用いた応用例を例示的に示しているが、これだけに限定されるものではない。この発明による直線偏波を制御する方法及びこの方法を用いた偏波格子は、偏波格子を使用する全てのアプリケーションに応用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
この発明による直線偏波の制御方法及びその装置は、偏波ダイバーシチ受信や特定の直線偏波のみを選択して送受信を行う技術分野で幅広く利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1、11 偏波格子
10 レドーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した繊維強化プラスチック板を用い、
前記繊維は導電体であり、
前記導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、
直線偏波された電波が前記繊維強化プラスチック板に入射した時、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが直交する場合には前記電波は透過し、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には前記電波は減衰すること
を特徴とする直線偏波を制御する方法。
【請求項2】
前記導電体の繊維は、炭素繊維であること
を特徴とする請求項1に記載の直線偏波を制御する方法。
【請求項3】
繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した繊維強化プラスチック板からなり、
前記繊維は導電体であり、
前記導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、
直線偏波された電波が前記繊維強化プラスチック板に入射した時、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが直交する場合には前記電波は透過し、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には前記電波は減衰すること
を特徴とする直線偏波を制御する偏波格子。
【請求項4】
導電体の繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第1の繊維強化プラスチック板と、
電波的に透明な誘電体の繊維を樹脂の中に混入して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第2の繊維強化プラスチック板とからなり、
前記導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、
第1の繊維強化プラスチック板の両面又は片面に第2の繊維強化プラスチック板を積層し、第1の繊維強化プラスチック板と第2の繊維強化プラスチック板とが一体の繊維強化プラスチック板となるように成形し、
直線偏波された電波が前記一体となった繊維強化プラスチック板に入射した時、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが直交する場合には前記電波は透過し、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には前記電波は減衰すること
を特徴とする直線偏波を制御する偏波格子。
【請求項5】
前記導電体の繊維は、炭素繊維であること
を特徴とする請求項3〜請求項4の何れかに記載の直線偏波を制御する偏波格子。
【請求項6】
板状に成形した導電体の繊維の層の両面又は片面に電波的に透明な誘電体の層を積層し、前記導電体の層と前記誘電体の層とを樹脂の中に浸して強度を向上させるように一体として板状に形成した繊維強化プラスチック板からなり、
前記導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、
直線偏波された電波が前記繊維強化プラスチック板に入射した時、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが直交する場合には前記電波は透過し、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には前記電波は減衰すること
を特徴とする直線偏波を制御するレドーム。
【請求項7】
導電体の繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第1の繊維強化プラスチック板と、
電波的に透明な誘電体の繊維を樹脂の中に混入して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第2の繊維強化プラスチック板とからなり、
前記導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、
第1の繊維強化プラスチック板の両面又は片面に第2の繊維強化プラスチック板を積層し、第1の繊維強化プラスチック板と第2の繊維強化プラスチック板とが一体の繊維強化プラスチック板となるように成形し、
直線偏波された電波が前記一体となった繊維強化プラスチック板に入射した時、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが直交する場合には前記電波は透過し、
前記繊維方向と前記直線偏波の偏波方向とが同一方向の場合には前記電波は減衰すること
を特徴とする直線偏波を制御するレドーム。
【請求項8】
前記導電体の繊維は、炭素繊維であり、
前記電波的に透明な誘電体は、ガラス繊維であること
を特徴とする請求項6〜請求項7の何れかに記載の直線偏波を制御するレドーム。
【請求項9】
板状に成形した導電体の繊維の層の両面又は片面に電波的に透明な誘電体の層を積層し、前記導電体の層と前記誘電体の層とを樹脂の中に浸して強度を向上させるように一体として板状に形成した複数の繊維強化プラスチック板からなり、
前記導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、
前記複数の繊維強化プラスチック板を組み合わせて、一方の繊維強化プラスチック板の繊維方向と他方の繊維強化プラスチック板の繊維方向との角度が同一方向から互いに直交する方向まで変化可能に構成し、
直線偏波された電波が前記複数の繊維強化プラスチック板に入射した時、一方の繊維強化プラスチック板の繊維方向と他方の繊維強化プラスチック板の繊維方向との角度の差により透過減衰量が変化すること
を特徴とする直線偏波を制御する偏波格子を用いた可変減衰器。
【請求項10】
導電体の繊維を樹脂の中に浸して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第1の繊維強化プラスチック板と、
電波的に透明な誘電体の繊維を樹脂の中に混入して強度を向上させるように形成した繊維強化プラスチックを板状に成形した第2の繊維強化プラスチック板とからなり、
前記導電体の繊維の繊維方向は単方向であり、
第1の繊維強化プラスチック板の両面又は片面に第2の繊維強化プラスチック板を積層し、第1の繊維強化プラスチック板と第2の繊維強化プラスチック板とが一体の繊維強化プラスチック板となるように成形し、
複数の一体となった繊維強化プラスチック板を組み合わせて、一方の繊維強化プラスチック板の繊維方向と他方の繊維強化プラスチック板の繊維方向との角度が同一方向から互いに直交する方向まで変化可能に構成し、
直線偏波された電波が前記複数の一体となった繊維強化プラスチック板に入射した時、一方の繊維強化プラスチック板の繊維方向と他方の繊維強化プラスチック板の繊維方向との角度の差により透過減衰量が変化すること
を特徴とする直線偏波を制御する偏波格子を用いた可変減衰器。
【請求項11】
前記導電体の繊維は、炭素繊維であり、
前記電波的に透明な誘電体は、ガラス繊維であること
を特徴とする請求項9〜請求項10の何れかに記載の直線偏波を制御する偏波格子を用いた可変減衰器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−231286(P2012−231286A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98137(P2011−98137)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、国土交通省、先端ICTを活用した安全・安心な交通システムの開発委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(501152352)独立行政法人電子航法研究所 (44)
【Fターム(参考)】