説明

直飲みボトル

【課題】保冷時の結露面が外部に露出せず、かつ、結露水の手入れが不要になり、構造が簡単かつ軽量で低コストな直飲みボトルを提供する。
【解決手段】ボトル体1内からの飲料を飲み口14に導き直飲みできる栓体5を備え、栓体は、その天板部5aからボトル体の口部1a内に入り込み下端部開口52aの外まわりで口部内壁との間をシール部材9によりシールされて下端部開口がボトル体内に通じる内栓部52を有し、飲み口は、天板部からの突出を低減されるか栓体に収容される格納位置で下端部開口をシール部材141を介し閉じ、天板部から突出する飲み位置にて下端部開口を開く弁部142を直接持ち、かつ、飲み位置にて弁部を避けてボトル体内に通じる迂回通路143を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル体と、このボトル体の上端に装着されてボトル体内からの飲料を飲み口に導き直飲みできるようにする栓体とを備え、飲み口は、栓体の天板部上に突出した飲み位置と、天板部からの突出度を小さくするか栓体に収容する格納位置とに選択的に保持されるようにした直飲みボトルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような直飲みボトルは既に知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。このような直飲みボトルは、飲み口を栓体の天板部から突出する飲み位置に保持することで直飲みしやすくしながら、格納位置とすることによりかさ低く取り扱いやすいものとすることができ、特許文献3、4で知られるような固定構造の飲み口にない利点はある。
【特許文献1】特開平9−313363号公報
【特許文献2】特開2002−191511号公報
【特許文献3】特開2006−158729号公報
【特許文献4】特開2006−160278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1、2に記載のものは、飲み口を飲み位置と格納位置とに選択的に保持するのに、栓が部品点数の多い複雑な構造になっている。特に、特許文献1に記載のものでは、特許文献2に記載のようなストローによる吸い飲み方式でないことにより、飲み口を使用位置と格納位置とに切り替えるのに連動して、栓体に形成している飲み口への栓体内通路を開閉する必要があり、より複雑な栓構造となっている。このため、コストが低減できない上に栓体部が重くかさ張るなどして、近時では、ユーザの選択が特許文献3、4に記載のような飲み口を飲み位置に固定して少々かさ張るが、飲み口を外観よく覆い隠す片開き蓋により飲み口を簡易に閉止することを含め構造をシンプルにした軽く低コストなものに移行し、マイボトル化による環境エコに寄与しつつある。
【0004】
ところが、特許文献3に記載のものは、図3に示すように栓体aが一重構造をした最もシンプルなものとなっているが、保冷使用の場合、栓体aの一重壁の内部と外部との温度差によって天板部bや飲み口cの基部の外面に結露が生じ、片開き蓋を開けると結露面が露出するので、触れたものがぬれてしまう問題がある。これを避けるには、片開き蓋dを開いたとき結露していると、それを拭い取るお手入れをするしかなく手間になる。
【0005】
また、特許文献4に記載のものは、栓体の飲み口が突出している部分から下が二重壁構造になっているので、栓体の天板部外面に結露することはないが、飲み口が突出した栓体の本体部が飲み口の突出部とは独立した二重構造とする必要があるので、特許文献1に記載のものに比べ構造が複雑で高価につき、重量も増す。また、栓体の本体部の二重壁の内壁外面への結露は防止できず、結露面の外部への露出はないが結露水の長期保持は雑菌の繁殖などの問題があるので特許文献4に記載された構造のように栓体の本体部の二重壁部分を分解してお手入れできるようにする必要があり、分解してのお手入れも、再組み立てしての再使用も、共に不便である。
【0006】
そこで、本発明者は、特許文献3、4の記載のものどうしの相容れない異なった問題を解決できる技術を開発した。
【0007】
本発明はそのような開発の基に、保冷時の結露面が外部に露出せず、かつ、結露水のお手入れが不要になり、構造が簡単かつ軽量で低コストな直飲みボトルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の直飲みボトルは、ボトル体と、このボトル体の上端に装着されてボトル体内からの飲料を飲み口に導き直飲みできるようにする栓体とを備え、飲み口は、栓体の天板部上に突出した飲み位置と、天板部からの突出度を小さくするか栓体に収容する格納位置とに選択的に保持されるようにした直飲みボトルであって、栓体は、その天板部からボトル体の口部内に入り込み下端部開口の外まわりで口部内壁との間をシール部材によりシールされて下端部開口がボトル体内に通じる内栓部を有し、飲み口は、格納位置で内栓部の下端部開口をシール部材を介し閉じ、飲み位置にて内栓部の下端部開口を開く弁部を直接持ち、かつ、飲み位置にて弁部を避けてボトル体内に通じる迂回通路を有したことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、栓体は直飲みできる飲み口を有して、その内栓部がボトル体の口部内に入り込みその下端部開口の外まわりで口部内壁との間をシール部材によりシールされて下端部開口がボトル体内に通じ、ボトル体内の飲料を飲み口に漏れなく、導いて直飲みできるようにするが、特に、飲み口が栓体の天板部上に突出して直飲みしやすい飲み位置と、突出度の低減または栓体に収納されてかさ低くなる格納位置との2つの態様が採れるのを利用して、格納位置の飲み口は、内栓部内に入り込んでその下端に直接保持している弁部が内栓部の下端開口を閉じるので、ボトル体内と内栓部内の空間とを一重壁が画して外面に結露する領域を、飲み口の弁部外面とその近傍、および内栓部の下部外面近傍、程度に規制し、それを超えた範囲への結露を防止することができ、飲み位置の飲み口は、内栓部から栓体の天板部上に突出して、下端の弁部が内栓部の下端部開口から上方へ離れて下端部開口を開くのに伴い、内栓部の下端部開口から飲み口に至る飲料の流出通路の一部として前記結露領域を開放し、直飲みと、飲料通路としてのお手入れとに供することができ、結露水が外部に漏れ出るほど蓄積することがなくなる。
【0010】
上記において、さらに、飲み口は、格納位置にて内栓部との間に空間を形成することを特徴とすることができる。
【0011】
このような構成では、上記に加え、さらに、格納位置での飲み口と内栓部との間の空間は、ボトル体内と栓体天板上とを空気断熱するので、栓体天板上に結露が及ぶのを確実に防止することができる。
【0012】
上記において、さらに、飲み口は、内栓部との間に働く弾性部材の付勢力によって飲み位置に弾性的に保持されることを特徴とすることができる。
【0013】
このような構成では、上記に加え、さらに、飲み口は格納位置への保持が解除されるだけで、弾性部材の付勢力によって自動的に飲み位置に突出させられる。
【0014】
上記において、さらに、弾性部材は、外周を内栓部に支持され、内周部で飲み口を支持した弾性膜部材であることを特徴とすることができる。
【0015】
このような構成では、上記に加え、さらに、飲み口を内栓部に外周を支持された1つの弾性膜部材による簡単な支持構造にて突出習性を与えるように支持し、かつ、弾性膜部材によって内栓部と飲み口との間の空間の空気の対流域を内外方向に二分して、内外の空気断熱効果を高められる。しかも、弾性膜部材は内栓部と飲み口との間をシールするので双方間を通じた飲料の漏れ出しを防止することができ、栓体の天板部の飲み口が出没する出没孔と飲み口との間のシールパッキンを省略することができる。
【0016】
上記において、さらに、迂回通路は、飲料の流出口と外気をボトル体内に導入する空気導入口とを有したことを特徴とすることができる。
【0017】
このような構成では、上記に加え、さらに、迂回通路は飲み口の上端から弁部にまでストレートに延びる流出路からの、弁部に対する迂回によって、弁部の邪魔なしにボトル体内に通じるようにすることができ、ボトル体内の飲料を飲み口に導くための迂回の向きが直飲み時のボトル体の前傾側となり、外気をボトル体内に導入するための迂回の向きが直飲み時のボトル体の前傾側と逆向きとなることに対応してそれぞれ個別に設けることで、飲料の直飲みとそれに伴う外気導入とを互いの邪魔なくスムーズに達成することができる。
【0018】
上記において、さらに、栓体の天板部片側へのヒンジ連結部を中心に栓体の天板部に被さる閉じ位置と、この閉じ位置から退避する片開き蓋と、この片開き蓋を閉じ位置にロックし、またそのロックを解除するロック機構とを備え、片開き蓋は、閉じ位置にて飲み口を格納位置に保持し、かつ飲み口の上端開口をシール部材を介し閉じるようにしたことを特徴とすることができる。
【0019】
このような構成によれば、上記に加え、さらに、飲み口が格納位置にあるときの外観を整える片開き蓋とそのロック機構による閉じ位置へのロックとを利用して、閉じ動作により飲み口をその突出習性に抗して格納位置とし、閉じ位置へのロックによってその格納位置への保持ができる。また、片開き蓋は閉じ位置で飲み口の上端開口をシール部材を介し閉じるので、飲み口内もボトル体の口部と内栓部との間の空間と共に空気断熱部となり、ボトル体の保温性を高めるし、飲み口内に飲料が万一残っても外部に漏れ出ることはない。
【0020】
本発明のそれ以上の特徴は、以下の具体的な説明および図面によって明らかになる。また、本発明の各特徴はそれ自体単独で、あるいは複合して種々な組み合わせで採用することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の直飲みボトルによれば、栓体がボトル体内の飲料を飲み口に漏れなく、導いて直飲みできるようにするのに、飲み口自体の内栓部内に入り込みかさ低くはる格納位置への移動で、下端の弁部で内栓部の下端開口を閉じて飲料の流出を阻止するのに併せ、保冷時の結露領域を飲み口の弁部外面とその近傍および内栓部の下部外面近傍、程度の小範囲に規制して結露水の外部への影響を防止することができる。また、飲み口自体の直飲みしやすく突出する飲み位置への移動で、内栓部の下端部開口を開いて飲料の流出による直飲みができるようにするのに併せ、飲料の流出通路の一部として結露領域を開放し直飲みと分解や再組み立ての必要のない通常の飲料通路としてのお手入れとに供することができる。しかも、内栓部と可動な飲み口との単純な組み合わせの栓構造にて実現し構造が簡単でかさ張らず、軽量かつ低コストなものとなる。
【0022】
上記に加え、さらに、格納位置での飲み口と内栓部との間を空間として、ボトル体内と栓体天板上とを空気断熱し、栓体天板上に結露が及ぶのを確実に防止することができる。
【0023】
上記に加え、さらに、飲み口が弾性部材により与えられている付勢力により、格納位置への保持を解除されるだけで自動的に飲み位置に突出させられる。
【0024】
上記に加え、さらに、飲み口が内栓部に外周を支持された1つの弾性膜部材による簡単な支持構造にて突出習性を与えるように支持され、かつ、弾性膜部材によって内栓部と飲み口との間の空間の空気の対流域を内外に二分して、内外の空気断熱効果を高められる。しかも、弾性膜部材は内栓部と飲み口との間をシールするので双方間を通じた飲料の漏れ出しを防止することができ、栓体の天板部の飲み口が出没する出没孔と飲み口との間のシールパッキンを省略することができる。
【0025】
上記に加え、さらに、迂回通路は飲み口の上端から弁部にまでストレートに延びる流出路からの、弁部に対する迂回によって、弁部の邪魔なしにボトル体内に通じるようにすることができ、ボトル体内の飲料を飲み口に導くための迂回の向きが直飲み時のボトル体の前傾側となり、外気をボトル体内に導入するための迂回の向きが直飲み時のボトル体の前傾側と逆向きとなることに対応してそれぞれ個別に設けることで、飲料の直飲みとそれに伴う外気導入とを互いの邪魔なくスムーズに達成することができる。
【0026】
上記において、さらに、栓体の天板部片側へのヒンジ連結部を中心に栓体の天板部に被さる閉じ位置と、この閉じ位置から退避する片開き蓋と、この片開き蓋を閉じ位置にロックし、またそのロックを解除するロック機構とを備え、片開き蓋は、閉じ位置にて飲み口を格納位置に保持し、かつ飲み口の上端開口をシール部材を介し閉じるようにしたことを特徴とすることができる。
【0027】
上記に加え、さらに、飲み口が格納位置にあるときの外観を整える片開き蓋とそのロック機構による閉じ位置へのロックとを利用して、閉じ動作により飲み口をその突出習性に抗して格納位置とし、閉じ位置へのロックによってその格納位置への保持ができる。また、片開き蓋は閉じ位置で飲み口の上端開口をシール部材を介し閉じるので、飲み口内もボトル体の口部と内栓部との間の空間と共に空気断熱部となり、ボトル体の保温性を高めるし、飲み口内に飲料が万一残っても外部に漏れ出ることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の直飲みボトルにつき図1、図2に示す実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0029】
本実施の形態の直飲みボトルは図1に示すように、ステンレス製の内壁及び外壁の間に真空断熱空間2を有する真空二重容器からなるボトル体1と、このボトル体1の口部1aの外壁に形成された雄ねじ3に螺合する雌ねじを有し、ボトル体1に装着された合成樹脂製の栓体5とによりボトル本体20をなしている。このボトル本体20にはその上端部の片側、具体的には栓体5の天板部5aの背面側に、回動軸6によるヒンジ連結部10を中心にボトル本体20の上端部に図1(a)に示すように被さって栓体5に有する直飲み用の飲み口14を閉じ、また図1(b)に示すように開く開閉動作をする合成樹脂製の片開き蓋7が設けられている。しかし、ボトル本体20は断熱性の有無、金属製、非金属製、片開き蓋7の有無、材質などは自由に設計でき、具体的な構造は特に問わない。また、片開き蓋7とボトル本体20との間には片開き蓋7を閉じ状態にロックし、またそのロックを解除するロック機構8が設けられている。
【0030】
図示例の上記ボトル体1は、片手持ちできる程度にスリム化した胴部1bを有し、この胴部1bの上部は、口部1aに装着された栓体5とほぼ同径に形成されている。ボトル体1の胴部1bや栓体5部を片手持ちして、片手持ちしている手の指によるロック機構8の操作や、これに伴う片開き蓋7の開き操作や、片開き蓋7の開放後に飲み口14による直飲み動作を行い易い形状になっている。図示例の片開き蓋7は回動軸6まわりに装着した蔓巻きばね131により開き方向に付勢してある。従って、片開き蓋7のロック機構8による閉じ位置へのロックは蔓巻きばね131の付勢に抗して行われ、このロックが解除されると片開き蓋7は蔓巻きばね131の付勢により自動的に開かれる。このような開き方向への付勢はボトル本体20の飲み口14まわりに設けた弾性体や、片開き蓋7に設けた飲み口14をシールする弾性を有したシールパッキン16によって代替することもできる。
【0031】
栓体5は、ボトル体1の口部1aの前記雄ねじ3に螺合して口部1aを覆うほぼ円筒形の外栓部51と、栓体5の天板部5aから口部1aの内側に入り込み下端部開口52aの外まわりで口部1a内壁との間をシールパッキン9によりシールされて下端部開口52aがボトル体1内に通じる内栓部52とを有し、飲み口14は、図1(b)に示す栓体5の天板部5a上に突出した飲み位置と、図1(a)に示す天板部5aからの突出度を小さくするか栓体5に収容する格納位置とに選択的に保持されるようにするのに、図1(a)に示す格納位置で内栓部52の下端部開口52aをシールパッキン141を介し閉じ、図1(b)に示す飲み位置にて内栓部52の下端部開口52aを開く弁部142を直接持ち、かつ、飲み位置にて弁部142を避けてボトル体1内に通じる迂回通路143を有したものとしている。ここで、飲み口14の飲み位置、格納位置への保持はどのような方式によっても行える。
【0032】
これにより、栓体5は直飲みできる飲み口14を有して、その内栓部52がボトル体1の口部1a内に入り込みその下端部開口52aの外まわりで口部1a内壁との間をシールパッキン9によりシールされて下端部開口52aがボトル体1内に通じ、ボトル体1内の飲料を飲み口14に漏れなく、導いて直飲みできるようにすることができる。特に、飲み口14が栓5体の天板部5a上に突出して直飲みしやすい図1(b)の飲み位置と、突出度の低減または栓体5に収納されてかさ低くなる図1(a)の格納位置との2つの態様が採れるのを利用して、格納位置の飲み口14は、図1(a)に示すように内栓部52内に入り込んでその下端に直接保持している弁部142が内栓部52の下端部開口52aを閉じるので、ボトル体1内と内栓部52内の空間とを一重壁が画して外面に結露する領域を、飲み口14の弁部142外面とその近傍、および内栓部52の下部外面近傍、の程度に規制し、それを超えた範囲への結露を防止することができる。また、飲み位置の飲み口14は、図1(b)に示すように内栓部52から栓体5の天板部5a上に突出して、下端の弁部142が内栓部52の下端部開口52aから上方へ離れて下端部開口52aを開くのに伴い、内栓部52の下端部開口52aから飲み口14に至る飲料の流出通路の一部として前記結露領域を開放し、直飲みと、飲料通路としてのお手入れとに供することができ、結露水が外部に漏れ出るほど蓄積することがなくなる。
【0033】
この結果、栓体5がボトル体1内の飲料を飲み口14に漏れなく、導いて直飲みできるようにするのに、飲み口14自体の内栓部52内に入り込みかさ低くなる格納位置への移動で、下端の弁部142で内栓部52の下端部開口52aを閉じて飲料の流出を阻止するのに併せ、保冷時の結露領域を飲み口14の弁部142外面とその近傍および内栓部52の下部外面近傍、程度の小範囲に規制して結露水の外部への影響を防止することができる。また、飲み口14自体の直飲みしやすく突出する飲み位置への移動で、内栓部52の下端部開口52aを開いて飲料の流出による直飲みができるようにするのに併せ、飲料の流出通路の一部として結露領域を開放し直飲みと分解や再組み立ての必要のない通常の飲料通路としてのお手入れとに供し、結露水を蓄積させないものとなる。しかも、内栓部52と可動な飲み口14との単純な組み合わせの栓構造にて実現し構造が簡単でかさ張らず、軽量かつ低コストなものとなる。
【0034】
なお、栓体5の外栓部51は金属製の真空二重構造であるボトル体1の口部1a外まわりを外装し、また着脱操作するのに好適であり、内栓部52は飲み口14を利用した飲料の直飲みと、飲み口14格納時の口部1aの閉止に好適である。内栓部52は下端部開口52aの外まわりに形成した溝52bにシールパッキン9を装着し、口部1aの内周基部に形成した上向き段部1b1に上方から圧着させて相互間をシールし、口部1aと内栓部52との間の隙間を通じて熱や飲料が漏れ出すのを防止している。また、下端部開口52aは上向きの弁口に形成され、格納位置とされた飲み口14の弁部142のシールパッキン141が上方から確実に圧着して閉じ、下端部開口52aにおいて隙間を通じて熱や飲料が漏れ出すのを防止している。シールパッキン141によるシール性を高めるために、弁口型の下端部開口52aとの圧着部をシールリップ141aとして、圧着間の寸法誤差や成形誤差、組み立て誤差を吸収しやすくしている。しかも、飲み口14は直線方向に出没するので出没構造が簡素になるうえ、ボトル体1の軸線上で出没するので、栓体5および飲み口14がボトル体1と同心でどの部分も同心円となるので、成形型の制作が容易になりこの面でも低コスト化が図れる。
【0035】
また、飲み口14は図1(a)に示すように、格納位置にて内栓部52との間に空間53を形成することができ、これにより、さらに、格納位置での飲み口14と内栓部52との間の空間53は、ボトル体1内と栓体5の天板部5a上とを空気断熱するので、栓体5の天板部5a上に結露が及ぶのを確実に防止することができる。迂回通路143は、飲み口14の上端から弁部にまでストレートに延びる流出路からの、弁部に対する迂回によって、弁部の邪魔なしにボトル体1内に通じるようにすることができ、ボトル体1内の飲料を飲み口14に導くための迂回の向きが直飲み時のボトル体1の前傾側となり、外気をボトル体1内に導入するための迂回の向きが直飲み時のボトル体1の前傾側と逆向きとなることに対応して、それぞれ前傾側迂回路143a、反前傾側迂回路143bとして個別に設けることで、飲料の直飲みとそれに伴う外気導入とを互いの邪魔なくスムーズに達成することができる。
【0036】
さらに、飲み口14は、内栓部52との間に働く弾性部材54の付勢力によって飲み位置に弾性的に保持されるようにしている。これにより、飲み口14は図1(a)に示す格納位置への保持が解除されるだけで、弾性部材54の付勢力によって自動的に図1(b)に示す飲み位置に突出させられる。しかも、飲み口14は、片開き蓋7が閉じられることによって図1(b)に示す飲み位置から図1(a)に示す格納位置に弾性部材54の付勢力に抗して押し込まれ、かつ片開き蓋7が閉じ位置に自動ロックされることによって飲み口14は格納位置に自動的に保持される。従って、飲み口14は片開き蓋7の閉じ位置へのロックの解除による片開き蓋7の自動開放と同時に飲み位置とされるので、即時に直飲みができる。また、片開き蓋7が閉じられるのと同時に飲み口14は自動的に格納位置とされ、片開き蓋7の閉じ位置への自動ロックによって格納位置およびそれによる口部1aの密閉状態が確固に保たれるので、特許文献3、4に開示された固定型の飲み口を持った片開きボトルと使用勝手や使用手間が特に変わらない利点がある。また、片開き蓋7は閉じ位置で飲み口14の上端開口14aをシールパッキン16を介し閉じるので、飲み口14内も空間53と共に空気断熱部となり、ボトル体1の保温性を高めるし、飲み口14内に飲料が万一残っても外部に漏れ出ることはない。
【0037】
シールパッキン141は、飲み口14の底部壁をなす弁部142の外周に装着してあるが、内栓部52の下端部開口52aに装着することもでき、飲み口14の直飲み後の水切れに有利な形態としやすい。この水きりのためには、飲み口14の弁部142の上面を図1(b)に示すように傾斜させるのが有効であり、直飲み後即時に飲み口14を格納しても残水が生じにくくなる利点がある。シールパッキン16は片開き蓋7の裏面に一体形成した筒部7eに弾性的に嵌め合わせて装着し、あるいはこれに接着や超音波溶着などにより固着してある。シールパッキン16もシール機能上は飲み口14の上端開口14aの側に設けてもよいが、直飲みの邪魔になるきらいがある。
【0038】
弾性部材54は各種形態のスプリングでもよいが、図示例では外周を内栓部52に支持され、内周部で飲み口部14を支持した弾性膜部材としてある。これにより、飲み口14を内栓部52に外周を支持された弾性部材54としての1つの弾性膜部材による簡単な支持構造にて突出習性を与えるように支持し、かつ、弾性膜部材によって内栓部52と飲み口14との間の空間53の空気の対流域を内外方向に二分して、内外の空気断熱効果を高められる。しかも、弾性膜部材は内栓部52と飲み口14との間をシールするので双方間を通じた飲料の漏れ出しを防止することができ、栓体5の天板部5aの飲み口14が出没する出没孔5bと飲み口14との間のシールパッキンを省略するこができる。
【0039】
弾性部材54を支持するのに、栓体5は、外栓部51と内栓部52とを図1(c)に示すように別体に形成し、外栓部51の内周上端に形成した雌ねじ55に内栓部52の外周上端に形成した雄ねじを螺合して双方を一体化し、内栓部52の上端と外栓部51に一体成形した栓体5の天板部5aとの間に弾性部材54である弾性膜部材の外周を図1(a)(b)に示すように挟みつけて保持し、内周を飲み口14の外周に形成した溝14bに弾性的に嵌め合わせて支持している。弾性部材54である弾性膜部材は、飲み口14に突出習性を与えるために、図1(b)(c)に示す外周側から内周側に斜め上となる形態を常態とし、飲み口14が格納位置とされると、図1(a)に示すように下向き傾斜となるように弾性変形し、上向き傾斜への復元力を蓄勢する。このような傾斜の反転は膜状の弾性部材54の飲み口14の出没ストロークに応動するための必要伸縮量を抑えるのに好適であり、膜状の弾性部材54の寿命を高められる。膜状の弾性部材54はシリコンゴムが好適である。弾性部材54の上向き傾斜の形態に合わせて栓体5の天板部5aに傾斜部5cを設けてデッドスペースが生じないようにしてあり、これによってもかさ張りを抑えている。
【0040】
ここで、ロック機構8は図1(a)〜(c)、図2(a)〜(c)に示してあり、ボトル本体20側に設けられたロック機構固定部である係合部31と、片開き蓋に外面同士が面一となるのを常態として設けられて片開き蓋7が閉じられたとき前記係合部31に一時的な係合部31からの退避動作を伴い係合してロックし、また、外面からの一時的な退避操作によりロックを解除するロック機構可動部であるロック部材32とで構成している。これにより、ボトル本体20の上端部片側へのヒンジ連結部10を中心に、直飲み用の飲み口14をボトル本体20の上端部と共に覆って閉じ内容液の流出を防止し、また、ボトル本体20の上端および飲み口14を開放するようにヒンジ連結部10側に片開きして飲み口14から直飲みできるようにする片開き蓋7に対し、ロック部材32はボトル本体20との間で片開き蓋7が閉じられたときロック部材32をボトル本体20側の係合部31に一時退避動作を伴い係合させて閉じ状態にロックし、また、ロック部材32に外面からの一時的な退避操作を受けて前記ロックを解除するが、このロック、ロック解除のための可動部であるロック部材32が、片開き蓋7の側に設けられて、ボトル本体20の側のロック機構8における固定部としての係合部31に係脱して、片開き蓋7を閉じ状態にロックし、またロックを解除することができ、片開き蓋7と飲み口14との間に得た十分な奥行きおよび縦方向範囲のデッドスペースSを得て、片開き蓋7と外面同士が面一になるように、また十分な縦方向寸法を持って設けられる。
【0041】
この結果、直飲み用の飲み口14をボトル本体20の上端部と共に覆って閉じ、また、それらを開放するように片開きする片開き蓋7を閉じ状態にロックし、また、ロックを解除するロック機構8において、その可動部であるロック部材32を片開き蓋7の側に設けて、ボトル本体20の側の係合部31との係脱により片開き蓋7の閉じ状態へのロック、ロック解除ができ、片開き蓋7と飲み口14との間に得た十分な奥行きおよび縦方向範囲のデッドスペースSを利用して、片開き蓋7と外面同士が面一になり洗浄や拭き取りの作業の邪魔にならず、かつ、かさ張らず単純かつすっきりした外観が得られるし、他との引っかかりや当りによる外力を受けにくくするのに併せ、十分な縦方向寸法を有して操作しやすいものとすることができる。
【0042】
また、ロック部材32は、前記係合部31と係脱する係脱部材321と、この係脱部材321を片開き蓋7と外面同士が面一であることを常態として覆い外面からの押圧操作で係脱部材321を退避動作させるロック解除操作部材322とで構成している。
【0043】
このように、ロック部材32が、ボトル本体20側の係合部31と係脱する係脱部材321を有することで、閉じられた片開き蓋7を係合部31からの一時的な退避動作を伴い係合して閉じ状態にロックすることができ、係脱部材321を片開き蓋7と外面同士が面一であることを常態として覆うロック解除操作部材322を有することで、ロック解除操作部材322とその動きだけが外観されるようにすることができる。従って、片開き蓋7と外面同士が面一であることを常態とするロック解除操作部材322のロック解除操作や復帰の動きだけを外観させて操作の単純さをユーザに直感させ使用しやすくすることができるし、係脱部材321を外力や異物の噛み込み、塵埃の付着などから保護できる。
【0044】
また、片開き蓋7には安全ストッパ33が設けられ、ロック解除操作部材322のロック解除操作を阻止する図2に示す操作阻止位置と、その阻止を解除する図8に示す操作阻止解除位置とに移動できるようにしている。これにより、安全ストッパ33が片開き蓋7上で操作阻止位置と操作阻止解除位置のどちらに移動させるかで、ロック解除操作部材322によるロック解除操作を阻止して不用意な操作が行われなくしたり、ロック解除操作して片開き蓋7の閉じ位置へのロックを解除できるようにしたりすることができる。
【0045】
従って、安全ストッパ33の片開き蓋7上での2つの位置間の選択的な移動操作だけで、ロック解除操作部材322によるロック解除操作を阻止して不用意な操作に対する安全を図りながら、必要に応じロック解除操作することができる。
【0046】
また、ボトル本体20の側に形成した栓体5の傾斜部5cが、ロック部材32ないしはその係脱部材321の退避動作完了後の延長動作で当接し合って片開き蓋7の開き方向側に誘導する案内機能を発揮するようにしてある。これにより、ロック部材32ないしは係脱部材321がロック解除操作による一時退避動作で係合部31から外れて以降の延長動作ができ、これによってロック部材32ないしは係脱部材321はボトル本体20側の傾斜部5cに当接して片開き蓋7を伴いそれが開く方向側に誘導されて、片開き蓋7を少なくともロック部材32ないしは係脱部材321によるロック位置から退避させるので、ロック部材32ないしは係脱部材321のロック解除操作からの解放時期が早すぎて再度ロックしてしまうようなことを回避することができる。従って、ロック部材32ないしは係脱部材321がロック解除操作により係合部31から外れて以降の延長動作でのボトル本体20側の傾斜部5cとの当接による誘導で、片開き蓋7を少なくともロック位置から退避させ、ロック部材32ないしは係脱部材321のロック解除操作の解放時期が早すぎ片開き蓋7を再度ロックしてしまい、再度のロック解除操作が必要となる不便をなくすことができる。
【0047】
さらに、係脱部材321およびロック解除操作部材322は、片開き蓋7に径方向に進退できるように支持され、係脱部材321を図1、図2(c)に示すようにばね35により外径側に付勢して係脱部材321がボトル本体20側の図1に示す内径側に向く係合部31との係合位置に常時位置し、かつロック解除操作部材322を係脱部材321により常態位置に保持するようにしている。これにより、係脱部材321およびロック解除操作部材322は共に片開き蓋7に対し径方向に進退するように単純に支持されて、しかも、ロック解除操作部材322による係脱部材321に対するばね35に抗し退避操作し、係脱部材321がばね35の付勢で復動するのにロック解除操作部材322を常態位置に復動させる、互いの動作伝達が摺動成分なしに行われる。従って、係脱部材321およびロック解除操作部材322は共に進退するだけの支持構造が簡単で安価なものとなる上、互いの必要な動作伝達が摺動成分や拗れなしにスムーズに行え、耐久性も向上する。
【0048】
片開き蓋7は、天板7a上の前後方向のほぼ中央部から前部側周壁7cに至る図1、図2に示すような鉤型のポケット41を設け、このポケット41にロック機構8を収容している。具体的には、ポケット41の天面前部の前方に開放した凹部42を形成して図1、図2に示すようなΓ型の係脱部材321の上辺321aを前後摺動できるように受け入れ、ばね35により前部側に付勢している。この付勢によって係脱部材321の下端にある前部に向いたフック321bがボトル本体20の外栓部51の前部上端に後部に向いて一体形成した図1に示すようなフック形の係合部31に係合する位置を保たせるようにしている。この係脱部材321を嵌め入れた図2(c)に示す状態のポケット41に、図1、図2に示すような鉤型のロック解除操作部材322を上方から嵌め入れて、上辺322aの下面の前後方向の中央部両側に下向きに一体形成した一対のフック片322bを、ポケット41の天面部両側壁面に内向きに一体形成した係合部41aを弾性係合させることにより、上方への抜け止め状態で前後にスライドできるように取り付け、同時に、ロック解除操作部材322によって係脱部材321をポケット41内に前後摺動できるように保持するようにしている。ロック解除操作部材322の上辺322aにおける下面の前記フック片322bの前部側に前記係合部41aの前端と対抗するストッパ322cを一体形成してあり、ロック解除操作部材322によって係脱部材321をばね35に抗して後退させ、係合部31との係合を外して片開き蓋7のロックを解除して、さらに、係脱部材321のフック321bを前記傾斜部5cに乗り上げさせて、片開き蓋7の初期開きを達成する時点で、ストッパ322cが係合部41aに当接し、それ以上の操作を防止するようにしている。また、ロック解除操作部材322はその上辺322aの前部から垂下する押し込み操作片322dの下端が図1に示すように片開き蓋7の天板7a、側壁7cに形成した鉤型のポケット41の底部から立ち上がる立ち上がり壁41cに内側から当接することで、復帰位置が規制され、またポケット41から前方へ抜け出るのを防止されている。またボトル本体20側の係合部31は外栓部51の上端から図1に示すように突出して形成され、片開き蓋7の側壁7cにはこれに対する逃げとなる図1、図2(b)(c)に示すような切り欠き7dを設けてあり、この切り欠き7dに係脱部材321のフック321bが図2(b)に示すように内側から臨んでいる。
【0049】
したがって、ロック解除操作部材322の過剰な操作を阻止してそれ自体や他の部材などの損傷を防止して、しかも、片開き蓋7はロック解除操作の最終段階での初期開きにより係脱部材321によるロック位置から上方へ退避しているので、ロック解除操作部材322や片開き蓋7が解放されて係脱部材321がばね35の付勢によってロック解除操作部材322を伴い係合位置に復帰したとき、片開き蓋7を再度ロックすることはなく、片開き蓋7はばね131の付勢によって自動的に確実に開かれる。片開き蓋7が開き位置から閉じられると、係脱部材321はボトル本体20側の係合部31との係合位置に復帰しているが、ロック解除操作部材322の内側で単独にスライドできるので、片開き蓋7の閉じの最終段階でフック321bが係合部31に上方から当接していくときに、それら一方または双方の斜面や曲面での滑りによって係脱部材321がばね35に抗し一時的に後方へ単独で退避させられながら係合部31との係合位置に達する。フック321bが係合部31との係合位置に達したとき、係脱部材321はばね35の付勢により係合位置に単独で復帰しフック321bが係合部31に図1に示すように係合するので、片開き蓋7を自動的に閉じ状態にロックする。なお、片開き蓋7を閉じるのに、自由端部の上面および前面に掛けて位置するロック解除操作部材322を押圧する形で閉じ操作すればよく、このように閉じ操作はロック解除操作部材322に対する押圧力を働かせるだけであるので、前後にスライドするロック解除操作部材322を不用意に移動させることはないし、ロック解除操作部材322はポケット41の底部に受けられて破損するようなことはない。
【0050】
しかも、図2に示すようにロック解除操作部材322は広く大きなものとして設けられるので、操作性が向上し動きが安定しがたつかない利点がある。また、その内側の係脱部材321も外部に露出させないで大きくすることができ、係合音を伴うロック感やロックの確実性が増す。また、片開き蓋7上の主要部材であるロック解除操作部材322は係脱部材321、安全ストッパ33と共に飲み口14とほぼ対応する位置にあって、しかも、ほぼ飲み口14に対応する鉤型面範囲内に収まって設けられる。
【0051】
前記安全ストッパ33は樹脂製の一体成形品で、図1、図2(a)(b)に示すような左右方向に長い操作頭部33aを有し、ロック解除操作部材322の上辺322aに形成した凹部61内を左右にスライドできるように収容される。安全ストッパ33は凹部61の底部に設けた図1、図2に示すような左右のスライド窓61aに操作頭部33aの下面の左右方向中央部の両側に一体成形した図1、図2(c)に示すようなフック片33bを上方から弾性係合させて抜け止めし、左右にスライドできるように支持される。操作頭部33aの下面にはさらに、図2(c)に示すようなストッパ33cが一体成形されている。安全ストッパ33のロック解除操作を阻止する図2(a)に示す阻止位置では、ストッパ33cがポケット41の天面部の後部に一体成形された受け止め突起41bと対向して、ロック解除部材322が後退操作されると、従って、ロック解除操作されると、それらストッパ33cと受け止め突起41bとが突っ張って、後退操作、従ってロック解除操作を阻止する。また、安全ストッパ33の図2(b)に示す阻止解除位置では、ストッパ33cが受け止め突起41bとの対向位置から外れ、ロック解除操作部材322が後退させられても、従って、ロック解除操作されても、ストッパ33cは受け止め突起41bに当接せず、後退操作、従ってロック解除操作を阻止しない。なお、図示しないがフック片33bの一方とこれが摺動するスライド窓61aの縁との間でクリック係合する係合部を前記阻止位置と阻止解除位置とに対応する2箇所に設け、安全ストッパ33をいずれかの位置に選択的に安定させられるようにする。なお、安全ストッパ33は横スライド方式の動作部材としたが、押し込み方向での動作部材とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は直飲みボトルに実用して、保冷時の結露面が外部に露出せず、かつ、結露水のお手入れが不要になり、構造が簡単かつ軽量で低コストなものとする。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態の直飲みボトルを示す、閉じ状態の全体断面図、開き状態の要部断面図、栓体の分解断面図である。
【図2】同直飲みボトルの栓体を示す、一部を除いた平面図、全体の斜視図、ロック機構を分解して見た全体の斜視図である。
【図3】特許文献3に記載の直飲みボトルを示す要部の断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 真空二重容器
1a 口部
5 栓体
5a 天板部
5b 出没孔
51 外栓部
52 内栓部
52a 下端部開口
53 空間
54 弾性部材
7 片開き蓋
8 ロック機構
9、16、141 シールパッキン
10 ヒンジ連結部
14 飲み口
20 ボトル本体
142 弁部
143 迂回通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル体と、このボトル体の上端に装着されてボトル体内からの飲料を飲み口に導き直飲みできるようにする栓体とを備え、飲み口は、栓体の天板部上に突出した飲み位置と、天板部からの突出度を小さくするか栓体に収容する格納位置とに選択的に保持されるようにした直飲みボトルであって、
栓体は、その天板部からボトル体の口部内に入り込み下端部開口の外まわりで口部内壁との間をシール部材によりシールされて下端部開口がボトル体内に通じる内栓部を有し、飲み口は、格納位置で内栓部の下端部開口をシール部材を介し閉じ、飲み位置にて内栓部の下端部開口を開く弁部を直接持ち、かつ、飲み位置にて弁部を避けてボトル体内に通じる迂回通路を有したことを特徴とする直飲みボトル。
【請求項2】
飲み口は、格納位置にて内栓部との間に空間を形成することを特徴とする請求項1に記載の直飲みボトル。
【請求項3】
飲み口は、内栓部との間に働く弾性部材の付勢力によって飲み位置に弾性的に保持されることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の直飲みボトル。
【請求項4】
弾性部材は、外周を内栓部に支持され、内周部で飲み口を支持した弾性膜部材であることを特徴とする請求項3に記載の直飲みボトル。
【請求項5】
迂回通路は、飲料の流出口と外気をボトル体内に導入する空気導入口とを有したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の直飲みボトル。
【請求項6】
栓体の天板部片側へのヒンジ連結部を中心に栓体の天板部に被さる閉じ位置と、この閉じ位置から退避する片開き蓋と、この片開き蓋を閉じ位置にロックし、またそのロックを解除するロック機構とを備え、片開き蓋は、閉じ位置にて飲み口を格納位置に保持し、かつ飲み口の上端開口をシール部材を介し閉じるようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の直飲みボトル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−260538(P2008−260538A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102579(P2007−102579)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】