説明

省燃費運転評価システム及び省燃費運転評価システム用プログラム

【課題】 省燃費運転に適した減速運転であるか否かを適切に評価可能とする。
【解決手段】 平均減速度D=[(Vo2−V12)/2/Ld]−[g・Hd/Ld]と定義され、この平均減速度Dは、減速期間に減少した車両の運動エネルギー、減速期間内に高低差がある区間を走行したことに起因する車両の「運動エネルギー変化量」、及び減速期間内に実際に車両が走行した距離に基づいて決定される。したがって、高低差がある区間を減速走行した場合であっても、これを反映させた評価指標にて減速運転を評価できるので、より適切な評価が可能となる。さらに、高低差による車両の位置エネルギーの変化量を走行状態に応じて補正して「運動エネルギー変化量」と相関関係を有する高低差Hdを算出するので、適切な評価が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省燃費運転に適した減速運転であるか否かを評価するための省燃費運転評価システム及び省燃費運転評価システム用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
省燃費運転に適した運転であるか否かを評価する指標として、例えば、特許文献1に記載の発明では、全走行距離に対するアクセルを閉じたまま慣性走行した走行距離(以下、この走行距離を空走距離という。)の占める割合を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−3372290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、全走行距離に対する空走距離の占める割合を評価指標とすると、アクセルの開閉作動が頻繁に繰り返される場合には、省燃費運転に適した運転であるか否かを適切に評価することが難しいことから、出願人は、アクセルが閉じられた状態で減速走行した距離を算出することにより、省燃費運転に適した減速運転であるか否かを評価する発明を出願している(平成21年3月11日出願の特願2009−058109号)。
【0005】
しかし、上記出願(特願2009−058109号)では、高低差がある区間を減速走行した場合には、省燃費運転に適した減速運転であるか否かを適切に評価できない可能性がある。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、省燃費運転に適した減速運転であるか否かを適切に評価可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、省燃費運転に適した減速運転であるか否かを評価するための省燃費運転評価システムであって、減速開始時から減速終了時までの期間(以下、減速期間という。)に減少した車両の運動エネルギー、減速期間内に高低差がある区間を走行したことに起因する車両の「運動エネルギー変化量」、及び減速期間内に実際に車両が走行した距離に基づいて、減速運転を評価するための評価指標を算出する指標算出手段を備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、請求項1に記載の発明では、高低差がある区間を減速走行した場合であっても、これを反映させた評価指標にて減速運転を評価できるので、より適切な評価が可能となる。
【0009】
なお、請求項1に記載の発明は、減速期間内における運動エネルギーの変化量の総和と減速期間内に実際に車両が走行した距離に基づいて減速運転を評価するものであるので、これと相関関係のあるパラメータも評価指標に含まれることは当然である。
【0010】
つまり、例えば、減速期間内における運動エネルギーの変化量の総和を減速期間内に実際に車両が走行した距離で除して得られる平均減速度等のパラメータも上記の評価指標に含まれる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、指標算出手段は、高低差による車両の位置エネルギーの変化量を走行状態に応じて補正して「運動エネルギー変化量」を算出することを特徴とする。
【0012】
これにより、請求項2に記載の発明では、適切な評価が可能となる。なお、補正をするに当たっては、例えば、高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量を補正した後に運動エネルギーに変換する手法、又は高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量を運動エネルギーに変換した後に補正する手法のいずれであってもよく、最終的に補正された量が得られればよい。
【0013】
また、請求項3に記載の発明では、指標算出手段は、高低差があることにより、車両の制動力を予め設定された制動力より大きくする必要があったと判断したときに、「運動エネルギー変化量」を補正・算出することを特徴とする。
【0014】
これにより、請求項3に記載の発明では、走行状態に応じて運動エネルギーの変化量を適切に評価することができる。
請求項4に記載の発明では、指標算出手段は、高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量により増大する車両の加速度が予め設定された所定加速度を超えると判断したときは、その高低差がある区間においては、所定加速度以下の加速度にて走行したものとみなして「運動エネルギー変化量」を補正・算出する機能を有することを特徴とする。
【0015】
これにより、請求項4に記載の発明では、走行状態に応じて運動エネルギーの変化量を適切に評価することができる。
請求項5に記載の発明では、指標算出手段は、高低差がある区間を走行したことにより、その高低差がある区間の終点から減速終了時の位置までの区間において、車両の減速度が予め設定された所定減速度を超えると判断したときは、所定減速度以下の減速度にて走行したものとみなして「運動エネルギー変化量」を補正・算出する機能を有することを特徴とする。
【0016】
これにより、請求項5に記載の発明では、走行状態に応じて運動エネルギーの変化量を適切に評価することができる。
なお、請求項6に記載の発明では、指標算出手段は、減速終了時の位置から減速開始時の位置まで区間を複数の区間に分割して区間毎に「運動エネルギー変化量」を算出し、これらの総和から減速期間内の「運動エネルギー変化量」を算出した後、減速期間についての評価指標を算出することを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に記載の発明では、指標算出手段は、(a)現実の高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量を「運動エネルギー変化量」として算出した場合、(b)請求項4により車両の加速度が所定加速度以下となるように補正して「運動エネルギー変化量」を算出した場合、及び(c)請求項5により車両の加速度が所定減速度以下となるように補正して「運動エネルギー変化量」を算出した場合のうち最大値を当該区間についての「運動エネルギー変化量」として算出することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明では、コンピュータを省燃費運転に適した減速運転であるか否かを評価するための省燃費運転評価システムとして作動させるためのプログラムであって、減速開始時から減速終了時までの期間(以下、減速期間という。)に減少した車両の運動エネルギー、減速期間内に高低差がある区間を走行したことに起因する車両の「運動エネルギー変化量」、及び減速期間内に実際に車両が走行した距離に基づいて、減速運転を評価するための評価指標を算出する指標算出手段として機能させることを特徴とする。
【0019】
これにより、請求項8に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様に、高低差がある区間を減速走行した場合であっても、これを反映させた評価指標にて減速運転を評価できるので、より適切な評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る省燃費運転評価システムを示す図である。
【図2】評価指標である平均減速度Dの概念を説明するための図である。
【図3】評価指標である平均減速度Dの概念を説明するための図である。
【図4】評価指標である平均減速度Dの概念を説明するための図である。
【図5】評価指標である平均減速度Dの概念を説明するための図である。
【図6】評価指標である平均減速度Dの概念を説明するための図である。
【図7】評価指標である平均減速度Dの概念を説明するための図である。
【図8】評価指標である平均減速度Dの概念を説明するための図である。
【図9】減速期間の概念を説明するための図である。
【図10】駆動・制動状態判定を示すフローチャートである。
【図11】減速期間開始判定を示すフローチャートである。
【図12】減速期間終了判定を示すフローチャートである。
【図13】分割区間の高低差と距離の算出を示すフローチャートである。
【図14】現実の高低差及び減速距離を算出するための説明図である。
【図15】省燃費運転評価システムの全体作動を示すフローチャートである。
【図16】減速評価マップを示す図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る省燃費運転評価システムを示す図である。
【図18】駆動・制動状態判定方法を示す図である。
【図19】減速期間の概念を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施形態は、本発明に係る省燃費運転評価システム及び当該システム用のプログラムを普通乗用車に適用したものであり、この省燃費運転評価システムは、省燃費運転に適した減速運転であるか否かを評価し、その評価結果を運転者等に音声又は画像にて通知するものである。以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0022】
(第1実施形態)
1.省燃費評価システムの構成
省燃費評価システム1は、図1に示すように、車載機本体3、音声出力用のスピーカ5、画像情報を表示する表示装置7、及び車両進行方向の加速度を検出する加速度センサ(以下、Gセンサと記す。)9等から構成されており、車載機本体3には、制御部3A及びカードスロット部3Bが設けられている。
【0023】
制御部3Aは、CPU、RAM及びROM等からなるマイクロコンピュータにて構成されたものであり、この制御部3Aには、Gセンサ9から出力信号及び車両に搭載された車速を検出する車速センサ11から出力等が入力されている。
【0024】
そして、制御部3Aは、これらの信号及びROM等の不揮発性記憶手段(以下、ROMという。)に予め記憶されているプログラムに従って減速運転を評価し、その結果をスピーカ5又は表示装置7を介して運転者等に通知するとともに、カードスロット部3Bに装着されたメモリカードに書き込む。
【0025】
なお、メモリカードとは、車載機本体3に対して着脱可能な記憶手段であり、通常、フラッシュメモリ等の半導体からなる不揮発性記憶手段が内蔵されたものである。一方、カードスロット部3Bは、少なくともメモリカードに情報(評価結果等)を書き込む機能を有する書き込み手段である。このため、運転者等は、メモリカードを介して自宅等に設置されているコンピュータに評価情報等を取り込むことができる。
【0026】
2.減速運転の評価手法
2.1.評価手法の概略
本実施形態では、減速開始時から減速終了時までの期間(以下、減速期間という。)に車両が走行した距離(以下、減速距離という。)Ldの平均減速度Dを評価指標として減速運転を評価するものであり、原則として、平均減速度Dが小さいほど肯定的な評価され、平均減速度Dが大きいほど否定的な評価がされる。なお、平均減速度Dは、速度が減速変化する場合を正とし、速度が加速変化する場合を負とする。
【0027】
つまり、平均減速度Dが大きいとは、運転者が大きな制動力を発生させたことにより、走行車両が有する運動エネルギーを走行に利用することなく、運動エネルギーの多くを熱エネルギーとして大気中に放出していることを意味することから、平均減速度Dが大きいほど否定的な評価がされる。
【0028】
このため、例えば、アクセルペダルから脚を離して減速が開始された時から次回、アクセルペダルを踏み込む(減速終了時)までブレーキペダルを踏まない場合には、平均減速度Dが小さくなるので肯定的な評価され、ブレーキペダルを踏んで積極的に減速した場合には、平均減速度Dが大きくなるので否定的な評価される。
【0029】
ところで、減速期間中に高低差がある場合と無い場合とでは当然に平均減速度が相違するので、減速開始時の車両の運動エネルギーKoと減速終了時の車両の運動エネルギーK1との差分ΔK(=Ko−K1)、及び車両の質量M、減速期間内に実際に車両が走行した距離Ldのみに基づいて平均減速度D(=ΔK/M/Ld)を算出するのは妥当ではない。
【0030】
つまり、減速開始時の車速をVoとし、減速終了時の車速をV1とすると、Ko及びK1は以下の通りとなる。
Ko=M・Vo2/2
K1=M・V12/2
このとき、平均減速度Dにて減速距離Ldだけ車両が移動したことにより消費されたエネルギーは、M・D・Ldとなるので、この消費エネルギー(M・D・Ld)が運動エネルギーの変化量とすると、平均減速度Dは以下の通りとなり(図2参照)、高低差による平均減速度Dが公正に反映されていると言い難い。なお、以下、減速距離Ldとは、水平方向の移動距離をいう。
【0031】
M・D・Ld=ΔK=M・Vo2/2−M・V12/2 式1
D=ΔK/M/Ld=(Vo2−V12)/2/Ld 式2
そこで、本実施形態では、(a)減速期間に減少した車両の運動エネルギー、(b)減速期間内に高低差がある区間を走行したことに起因する車両の「運動エネルギー変化量」、及び(c)減速期間内に実際に車両が走行した距離に基づいて平均減速度Dを算出する。以下、その詳細を説明する。
【0032】
すなわち、減速開始時に車両が位置する標高をHoとし、減速終了時に車両が位置する標高をH1とすると、減速開始時に車両が有するエネルギーUo及び減速終了時に車両が有するエネルギーU1は以下の通りとなる。
【0033】
Uo=(M・Vo2/2)+(M・g・Ho)
U1=(M・V12/2)+(M・g・H1)
したがって、平均減速度Dは以下の通りとなる(図3参照)。
【0034】
M・D・Ld=[M(Vo2−V12)/2]+[M・g(Ho−H1)] 式3
ここで、Hd≡Ho−H1として、標高が高くなる向きの変化を正の向きとすると、
D=(Vo2−V12−2・g・Hd)/(2・Ld)となり、以下、左式(式4)により算出される平均減速度Dを第1平均減速度Dという。そして、第1平均減速度Dは、その算出式(式4)からも明らかなように、現実の高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量を「運動エネルギー変化量」として算出・決定されたものである。
【0035】
2.2.評価指標(高低差Hd)の補正
上述したように、ブレーキペダルを踏んで積極的に減速した場合には平均減速度Dが大きくなるが、高低差が大きい区間を走行すると車速が増大するので、高低差が無い平坦な区間を走行する場合に比べて、安全上、大きな制動力をブレーキに発生させて減速せざるを得なく、第1平均減速度Dを評価指標とすると、否定的な評価となるので、妥当な評価とは言い難い。
【0036】
つまり、高低差が大きい区間においては、大きな制動力を発生させざるを得ないので、図4に示すように、減速区間全体の高低差が同じで減速途中に大きな高低差がある場合とない場合では、大きな高低差がある場合の第1平均減速度Dbは大きな高低差がない場合の第1平均減速度Daより大きく、かつ、大きな高低差がある場合の減速距離Ldbは大きな高低差がない場合の減速距離Ldaより小さくなり、評価が否定的となってしまう。
【0037】
また、高低差が大きい区間を走行したことによる増大した車速が、安全上、大きな制動力を発生させるほどの車速でないものの、その高低差がある区間の終点から停車予定位置等の減速終了時の位置までの区間において、制動力を増大せざるを得ない場合に、第1平均減速度Dを評価指標とすると、否定的な評価となるので、妥当な評価とは言い難い。
【0038】
つまり、この場合においては、図5に示すように、停車予定位置(減速終了時の位置)の直前で大きな制動力を発生させざるを得ないので、減速区間全体の高低差が同じで減速途中に大きな高低差がある場合とない場合では、大きな高低差がある場合の第1平均減速度Dbは大きな高低差がない場合の第1平均減速度Daより大きく、かつ、大きな高低差がある場合の減速距離Ldbは大きな高低差がない場合の減速距離Ldaより小さくなり、評価が否定的となってしまう。
【0039】
そこで、本実施形態では、高低差があることにより、車両の制動力を予め設定された制動力より大きくする必要があったと判断できる場合には、「運動エネルギー変化量」を表す高低差Hdを補正し、補正後の高低差を用いた平均減速度Dを評価指標としている。このとき、補正後の高低差を用いた平均減速度Dとして、以下の2種類の平均減速度D(第2平均減速度D2及び第3平均減速度D3)を考えることができる。
【0040】
2.3.第2平均減速度D2について
第2平均減速度D2は、高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量により増大する車両の加速度Aが予め設定された所定加速度Ahを超えると判断される場合(図4に示す場合)に用いられる平均減速度Dであって、その高低差がある区間においては、所定加速度Ah以下の加速度にて走行したものとみなして平均減速度Dを補正した値である。
【0041】
具体的には、図6に示すように、大きな高低差がある区間の高低差をHkとし、その区間の水平距離をLkとし、その区間における車両の平均加速度Akとすると、高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量が車両の速度を上昇させたエネルギー(仕事)であるので、M・Ak・Lk=−M・g・Hk(式5)となり、Ak=−g・Hk/Lk(式6)となる。
【0042】
そして、加速度Aが所定加速度Ahを超えないとは、Ak<Ah(式7)であるので、加速度Aが所定加速度Ahを超えるような大きな高低差とは、Hk>−Ah・Lk/g(式8)となる場合である。
【0043】
そこで、加速度Aが所定加速度Ahを超えると判断されるときには、平均減速度Dを算出するための高低差Hdとして、現実の高低差(以下、この現実の高低差を第1高低差という。)ではなく、−Ah・Lk/g(以下、この値を第2高低差という。)を用いて算出し、第2高低差を用いて算出した平均減速度Dを第2平均減速度D2という。因みに、第1高低差を用いて算出した平均減速度Dが第1平均減速度D1である。
【0044】
2.4.第3平均減速度D3について
第3平均減速度D3とは、高低差がある区間を走行したことにより、その高低差がある区間の終点から減速終了時の位置までの区間(以下、この区間を高低差後区間という。)において、車両の減速度が予め設定された所定減速度DLを超えると判断される場合(図5に示す場合)に用いられる平均減速度Dであって、高低差後区間を所定減速度DL以下の減速度にて走行したものとみなして平均減速度Dを補正したものである。
【0045】
具体的には、図6に示すように、高低差後区間の距離をLtとし、高低差後区間の高低差を−Htとすると、高低差後区間の減速により消費されるエネルギーは、高低差がある区間の高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量と高低差後区間の高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量との和であり、かつ、高低差後区間の減速度は所定減速度DL以下である必要があるので、以下の関係が成立する。
【0046】
M・Ak・Lk<M・DL・Lt+M・g・Ht 式9
Ak<(DL・Lt+M・g・Ht)/Lk 式10
ここで、上記したAk=−g・Hk/Lkを代入すると、以下の式を得ることができる。
【0047】
Hk>−[(DL・Lt/g)+Ht] 式11
そして、高低差後区間において、車両の減速度が予め設定された所定減速度DLを超えないとは、Hk>−[(DL/g・Lt)+Ht]の要件を満たすときであるので、この要件を満たさない場合には、平均減速度Dを算出するための高低差Hdとして、現実の高低差(第1高低差)ではなく、−[(DL・Lt/g)+Ht](以下、この値を第3高低差という。)を用いて算出し、この第3高低差を用いて算出した平均減速度Dを第3平均減速度D3という。
【0048】
2.4.車両の走行状態は逐次変化する場合の平均減速度D
ところで、上記説明では減速期間内に考慮すべき高低差が1つの場合を例に平均減速度Dの定義について説明したが、現実の走行状態においては、図7に示すように、減速開始時から減速終了時までの高低差が一定ではなく、車両の走行状態は逐次変化するので、単純に第1平均減速度D1〜第3平均減速度D3のいずれかを決定することはできない。
【0049】
そこで、本実施形態では、減速終了時の位置から減速開始時の位置まで区間を複数の区間に分割して区間毎に車両の「運動エネルギー変化量」を示す3種類の高低差(第1〜3高低差)を算出するとともに、これら3種類の高低差のうち最大となる高低差を当該分割期間の高低差とした後、各区間の高低差の総和を減速期間の高低差Hdとして、当該減速期間についての平均減速度Dを算出する。
【0050】
すなわち、平均減速度Dの算出は、減速期間の終了後(減速終了時後)に制御部3Aにて実行される。このとき、減速終了時の位置から減速開始時の位置まで区間を等時間間隔でm個に分割したときの第k番目の区間の減速距離をLkとし、現実の高低差(第1高低差)をHkrとすると、第k番目の区間の高低差Hkは、以下の3種類の高低差(第1〜3高低差)のうち最大となるものである。
【0051】
第1高低差Hk1=Hkr
第2高低差Hk2=−Ah・Lk/g
第3高低差Hk3
=−[DL/g・(L1+L2+・・+Lk−1)+(H1+H2+・・+Hk−1)]
なお、L1、Lk−1それぞれは、第1番目の区間の減速距離、第k−1番目の区間の減速距離を示し、H1、Hk−1それぞれは、第1番目の区間の高低差、第k−1番目の区間の高低差を示す。
【0052】
また、第2高低差Hk2は、その定義から明らかなように、常に負の値となるが、第3高低差Hk3は正の値となる場合がある。しかし、第2高低差Hk3及び第3高低差Hk3は、高低差に起因して車速が上昇し、制動力を大きくせざる得ない場合を想定した補正であるので、第3高低差Hk3を正の値とすることは妥当ではないので、第3高低差Hk3が正の値となる場合及びk=1の場合には、第3高低差Hk3を0とする。
【0053】
そして、各区間の高低差の総和を減速期間の高低差Hdとして、減速期間の平均減速度Dを算出すれば、以下の通りとなる(図8参照)。
D=[(Vo2−V12)/2/Ld]−[g・Hd/Ld] 式13
但し、Hd=H1+H2+・・・+Hm、Ld=L1+L2+・・+Lm 式12
3.省燃費運転評価システムの作動
3.1.作動の概略
省燃費運転評価システムを実行するためのプログラム等は、制御部3AのROMに記憶されている。そして、イグニッションスイッチ等の車両スイッチが投入されると、省燃費運転評価システムが起動され、車両の状態、つまり減速期間中であるか否かが判定され、減速期間の終了後、上記した判定手法に従って減速運転が評価される。
【0054】
3.2.減速期間の検出(図9参照)
<減速開始時>
本実施形態に係る減速期間とは、上述したように、減速開始時から減速終了時までの期間をいう。減速開始時とは、車両に駆動力が発生している状態(以下、駆動状態という。)から駆動力が消失した状態(以下、制動状態という。)に遷移した時であって、その遷移時の車速が減速診断開始速度下限値を超えている場合をいう。
【0055】
このため、駆動状態から制動状態に遷移した時の車速が減速診断開始速度下限値以下である場合には、「減速開始時」とはならない。また、制動状態とは、駆動力が消失した状態であるので、ブレーキによる制動力が発生していない場合(いわゆる、エンジンブレーキや排気ブレーキのみで減速している場合)も制動状態となり得る。
【0056】
なお、本実施形態では、「駆動状態」又は「制動状態」であるか否かの判定は、Gセンサ9の検出値に基づいて制御部3Aにて判定される。具体的には、図10に示すように、Gセンサ9から加速度が検出され(S1)、その検出された加速度が予め設定された制動判定閾値未満となったか否かが判定される(S2)。
【0057】
このとき、検出加速度が制動判定閾値未満であると判定された場合には(S2:YES)、制動状態であると判定されてその旨を示すフラグがRAMに設定され(S3)、一方、検出加速度が制動判定閾値以上であると判定された場合には(S2:NO)、検出加速度が予め設定された駆動判定閾値より大きいか否か判定される(S4)。
【0058】
そして、検出加速度が駆動判定閾値より大きいと判定された場合には(S4:YES)、駆動状態であると判定されてその旨を示すフラグがRAMに設定され(S5)、一方、検出加速度が駆動判定閾値以下であると判定された場合には(S4:NO)、前回の判定結果が維持される(S6)。
【0059】
なお、初回判定時には、前回の判定結果が無いので、未判定の状態が維持されるが、この判定制御は、後述するように、車両スイッチの投入後、幾度も繰り返されるので、初回判定時に未判定の状態となっても実用上問題ない。
【0060】
また、減速開始時であるか否かの判定も制御部3Aで実行されており、具体的には、図11に示すように、車速センサ11から車速が読み込まれた後(S7)、駆動状態から制動状態に遷移した時であって、その遷移時の車速が減速診断開始速度下限値を超えているか否か、つまり減速開始要件を満たしているか否かが判定される(S8)。このとき、減速開始要件を満たしていると判定された場合には(S8:YES)、減速期間中を検出した旨のフラグがRAMに設定される(S9)。
【0061】
因みに、図10に示す判定制御(以下、駆動・制動状態判定という。)及び図11に示す減速期間開始判定を実行するためのプログラムはROMに記憶されている。
<減速終了時>
減速終了時とは、駆動・制動状態判定により減速期間中が検出された時以降、車速が予め設定された停止・徐行状態検出速度以下の状態となり、かつ、その状態が予め設定された停止・徐行状態検出時間以上経過した時をいう。なお、減速開始時が検出された時以降に減速終了時を検出することなく、制動状態から駆動状態に遷移した場合には、その遷移時に減速期間が解除されたものとし、評価対象となる減速運転とならない。
【0062】
そして、減速終了時であるか否かの判定は制御部3Aで実行され、具体的には、図12に示すように、駆動・制動状態判定の終了後(S10)、車速センサ11から車速が読み込まれた後(S11)、S10による判定結果に基づき車両の状態が駆動状態に遷移したか否かが判定され(S12)、駆動状態に遷移したと判定された場合には(S12:YES)、減速期間が解除され、先に検出された減速開始時から現在までの期間は評価対象とならない無効な期間である旨のフラグがRAMに設定される(S13)。
【0063】
一方、駆動状態に遷移していない、つまり制動状態のままであると判定された場合には(S12:NO)、車速が予め設定された停止・徐行状態検出速度以下の状態となり、かつ、その状態が予め設定された停止・徐行状態検出時間以上経過したか否か、つまり、減速終了要件を満たすか否かが判定される(S14)。
【0064】
このとき、減速終了要件を満たすと判定された場合には(S14:YES)、減速終了時が検出されて減速期間が確定し、先に検出された減速開始時から現在検出された減速終了時までの期間が減速期間として有効な期間となった旨のフラグがRAMに設定される(S15)。一方、減速終了要件を満たさないと判定された場合には(S14:NO)、減速期間中である旨のフラグがRAMに設定される(S16)。
【0065】
因みに、図12に示す判定制御(以下、減速期間終了判定という。)を実行するためのプログラムはROMに記憶されている。
3.3.減速期間の処理(図13参照)
減速期間の平均減速度Dを算出するには、前述したように、減速終了時の位置から減速開始時の位置まで区間を複数の区間に分割し、各区間の第1高低差Hk1及び減速距離Lkが必要であるので、減速開始判定(図11)により減速期間中が検出されると、制御部3Aは、第1高低差Hk1及び減速距離Lkを予め設定された所定時間(本実施形態では、1秒)毎に算出し、これらをRAM及びメモリカードに記憶していく。
【0066】
具体的には、図13に示すように、減速期間を所定時間毎に複数の区間に分割するためのタイマカウンタの値が初期値に再設定された後(S20)、車速センサ11から車速が読み込まれた後(S21)、その値がRAMに一時的に記憶される(S22)。
【0067】
次に、Gセンサ9から加速度が読み込まれ(S23)、後述する算出手法にて第1高低差Hk1が算出されて(S24)、その値がRAMに一時的に記憶された後(S25)、タイマカウンタの値が初期値に再設定された時から所定時間(本実施形態では、1秒)が経過したか否かが判定される(S26)。
【0068】
そして、所定時間が経過していないと判定された場合には(S26:NO)、再び、S21が実行され、RAMに一時的に記憶されている車速及び第1高低差Hk1が追加記憶されていく。
【0069】
一方、所定時間が経過したと判定された場合には(S26:YES)、この所定時間毎に分割された区間(以下、分割区間という。)の第1高低差Hk1及び減速距離Lkが算出されて(S27、S28)、当該分割区間の第1高低差Hk1及び減速距離LkとしてRAMに一時的に記憶される(S29)。
【0070】
すなわち、所定時間が経過したと判定されると(S26:YES)、分割区間の開始時点から終了時点までの車速を積算して得られる分割区間に車両が走行した距離、及び第1高低差Hk1を算出する際に得られた勾配θの余弦に基づいて当該分割区間の減速距離Lkが算出される(S27)。
【0071】
そして、分割区間の開始時点から終了時点までの第1高低差Hkが積算されて当該分割区間の第1高低差Hkが算出された後(S28)、当該分割区間の第1高低差Hk1及び減速距離LkとしてRAMに一時的に記憶される(S29)。
【0072】
<第1高低差Hkの算出>
Gセンサ9が検出する加速度a1は、図14に示すように、車両進行方向の加速度aoと重力加速度に対する慣性力のうち車両進行方向と平行な方向成分gxとの合わせたものであるので、a1=ao+gxとなり、gx=g・sinθとなる。また、車両の走行距離(進行方向に沿った走行距離)をLとすると、その距離Lの高低差Hkは、Hk=L・sinθとなる。
【0073】
そして、車両進行方向の加速度aoは車速を微分することにより得られるので、上記の連立方程式を解くことにより、第1高低差Hk及び勾配θを得ることができる。
なお、図13及び図14に示す処理(以下、分割区間の高低差と距離の算出及び一次記憶という。)を実行するプログラムは、ROMに記憶されている。
【0074】
3.4.平均減速度Dの算出及び評価
図15は、省燃費運転評価システムの全体作動を示す制御フローであり、この制御フローを実行するためのプログラムはRAMに記憶されている。車両スイッチが投入されると、本制御を実行するプログラムが読み込まれて制御部3Aにて実行される。
【0075】
すなわち、本制御は起動されると、先ず、駆動・制動状態判定(図10)が実行された後(S30)、減速期間開始判定(図11)が実行されて(S31)、減速期間(減速開始時)が検出されたか否かが判定される(S32)。
【0076】
このとき、減速期間が検出されてない判定された場合には(S32:NO)、再び、S30が実行され、一方、減速期間が検出されたと判定された場合には(S32:YES)、分割区間の高低差と距離の算出及び一次記憶(図13、図14)が実行された後(S33)、減速期間終了判定(図12)が実行されて(S34)、減速期間が終了したか否かが判定される(S35)。
【0077】
このとき、減速期間が解除されたと判定された場合(S35:減速期間解除)、再び、S30が実行され、減速期間であると判定された場合には(S35:減速期間中)、再び、S33が実行され、減速期間が終了したと判定された場合には(S35:減速期間終了)、上記した手法により各区間の高低差が補正・決定された後(S36)、上記した手法により減速期間の平均減速度Dが算出される(S37)。
【0078】
次に、S37にて算出された平均減速度Dと図16に示す減速評価マップとに基づいて減速評価が決定された後(S38)、評価結果が運転者等に報知される(S39)。
具体的には、例えば、評価が1であれば、「減速距離が短い傾向があります。早めにアクセルを放し減速距離を延ばしましょう」、評価が5であれば、「燃費のよい減速操作ができています。」というような文言が音声や文字(画像)で報知される。
【0079】
なお、この際、評価結果は1回の運行で平均し、1回の運行毎に減速操作を評価したり、メモリカードに記憶された評価結果を事務所又は個人宅に持ち帰ることで、運転後に減速操作や運転レベルの推移を見ることもできる。
【0080】
4.本実施形態に係る省燃費運転評価システムの特徴
本実施形態では、平均減速度D=[(Vo2−V12)/2/Ld]−[g・Hd/Ld]と定義され、この平均減速度Dは、減速期間に減少した車両の運動エネルギー、減速期間内に高低差がある区間を走行したことに起因する車両の「運動エネルギー変化量」、及び減速期間内に実際に車両が走行した距離に基づいて決定される。
【0081】
つまり、減速期間内に高低差がある区間を走行すると、その高低差(位置エネルギー差)は、「運動エネルギー変化量」として計測されるので、減速期間内に高低差がある区間を走行したことに起因する車両の「運動エネルギー変化量」も考慮して運転を評価すれば、高低差がある区間を減速走行した場合であっても、これを反映させた評価指標にて減速運転を評価できるので、より適切な評価が可能となる。
【0082】
また、本実施形態では、高低差による車両の位置エネルギーの変化量を走行状態に応じて補正して「運動エネルギー変化量」と相関関係を有する高低差Hdを算出するので、適切な評価が可能となる。
【0083】
つまり、本実施形態では、高低差があることにより、車両の制動力を予め設定された制動力より大きくする必要があったと判断したときに、現実の高低差Hkrを第2高低差Hk2又は第3高低差Hk3に補正するので、適切な評価が可能となる。
【0084】
具体的には、高低差のある区間の加速度が予め設定された所定加速度Ahを超えると判断したときは、その高低差がある区間においては、所定加速度Ah以下の加速度にて走行したものとみなして現実の高低差Hkrを第2高低差Hk2に補正する。
【0085】
また、高低差がある区間を走行したことにより、その高低差がある区間の終点から減速終了時の位置までの区間において、車両の減速度が予め設定された所定減速度DLを超えると判断したときは、所定減速度DL以下の減速度にて走行したものとみなして高低差Hkrを第3高低差Hk3に補正する。
【0086】
したがって、本実施形態では、走行状態に応じて「運動エネルギー変化量」と相関関係を有する高低差Hdを算出するので、減速運転を適切に評価することが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、Gセンサ9により検出された加速度を用いて駆動状態又は制動状態を判定したが、本実形態では、図17に示すように、アクセルペダルの踏み込み量又はスロットルバルブの開度等のエンジンへの吸気量を調節する駆動力調整手段の操作量を検出する手段(アクセル開度センサ13)を設けるとともに、図18に示すように、アクセル開度センサ13により検出されたアクセル開度が予め設定された判定閾値を超えた場合に駆動状態と判定し、アクセル開度が判定閾値以下の場合に制動状態と判定するものである。
【0087】
なお、本実施形態では、GPSを用いたカーナビゲーションシステムを備えているので、地図データを用いて高低差Hkr及び減速距離Lkを算出している。
(第3実施形態)
減速期間とは、減速開始時から減速終了時までの期間として定義されることから、本実施形態は、第1実施形態にて定義された減速期間(以下、この減速期間を第1種減速期間という。)に加えて、以下の定義による減速期間(以下、第2種減速期間という。)も評価の対象となる減速期間としたものである。
【0088】
すなわち、第2種減速期間とは、「減速開始時から減速終了時までの期間であって、減速開始時の速度と減速終了時の速度との速度差ΔVが減速診断開始速度差ΔVs(例えば、40km/h)以上の場合をいう。
【0089】
このため、本実施形態では、第1種減速期間又は第2減速期間が評価の対象となる。なお、具体的な評価手法は上述の実施形態と同じである。
因みに、図19に示すように、速度差ΔVが減速診断開始速度差ΔVs未満である場合には第2種減速期間とならない。しかし、速度差ΔVが減速診断開始速度差ΔVs未満であっても、第1種減速期間に該当する場合には、評価の対象となる。
【0090】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、現実の高低差及びこれを補正した高低差を用いて運動エネルギーの変化量を評価したが、本発明はこれに限定されるものではなく、式13及び式13の算出過程からも明らかように、例えば、(a)「運動エネルギーの変化量」を高低差に基づいて直接的に補正した値を評価指標とする、又は(b)高低差に基づいて補正した減速距離を評価指標とする等してもよい。
【0091】
また、一般的な道路では、勾配θが小さいので、図13のS27においては、車両の走行距離をそのままLkとしても実用上問題ない。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0092】
1…省燃費評価システム、3…車載機本体、3A…制御部、
3B…カードスロット部、5…スピーカ、7…表示装置、9…Gセンサ、
11…車速センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
省燃費運転に適した減速運転であるか否かを評価するための省燃費運転評価システムであって、
減速開始時から減速終了時までの期間(以下、減速期間という。)に減少した車両の運動エネルギー、前記減速期間内に高低差がある区間を走行したことに起因する車両の「運動エネルギー変化量」、及び前記減速期間内に実際に車両が走行した距離に基づいて、減速運転を評価するための評価指標を算出する指標算出手段
を備えることを特徴とする省燃費運転評価システム。
【請求項2】
前記指標算出手段は、高低差による車両の位置エネルギーの変化量を走行状態に応じて補正して前記「運動エネルギー変化量」を算出することを特徴とする請求項1に記載の省燃費運転評価システム。
【請求項3】
前記指標算出手段は、高低差があることにより、車両の制動力を予め設定された制動力より大きくする必要があったと判断したときに、前記「運動エネルギー変化量」を補正・算出することを特徴とする請求項2に記載の省燃費運転評価システム。
【請求項4】
前記指標算出手段は、高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量により増大する車両の加速度が予め設定された所定加速度を超えると判断したときは、その高低差がある区間においては、前記所定加速度以下の加速度にて走行したものとみなして前記「運動エネルギー変化量」を補正・算出する機能を有することを特徴とする請求項3に記載の省燃費運転評価システム。
【請求項5】
前記指標算出手段は、高低差がある区間を走行したことにより、その高低差がある区間の終点から前記減速終了時の位置までの区間において、車両の減速度が予め設定された所定減速度を超えると判断したときは、前記所定減速度以下の減速度にて走行したものとみなして前記「運動エネルギー変化量」を補正・算出する機能を有することを特徴とする請求項4に記載の省燃費運転評価システム。
【請求項6】
前記指標算出手段は、前記減速終了時の位置から前記減速開始時の位置まで区間を複数の区間に分割して区間毎に前記「運動エネルギー変化量」を算出し、これらの総和から前記減速期間内の前記「運動エネルギー変化量」を算出した後、前記減速期間についての前記評価指標を算出することを特徴とする請求項5に記載の省燃費運転評価システム。
【請求項7】
前記指標算出手段は、[a]現実の高低差から一義的に決定される位置エネルギーの変化量を前記「運動エネルギー変化量」として算出した場合、[b]請求項4により車両の加速度が前記所定加速度以下となるように補正して前記「運動エネルギー変化量」を算出した場合、及び[c]請求項5により車両の加速度が前記所定減速度以下となるように補正して前記「運動エネルギー変化量」を算出した場合のうち最大値を当該区間についての前記「運動エネルギー変化量」として算出することを特徴とする請求項6に記載の省燃費運転評価システム。
【請求項8】
コンピュータを省燃費運転に適した減速運転であるか否かを評価するための省燃費運転評価システムとして作動させるためのプログラムであって、
減速開始時から減速終了時までの期間(以下、減速期間という。)に減少した車両の運動エネルギー、前記減速期間内に高低差がある区間を走行したことに起因する車両の「運動エネルギー変化量」、及び前記減速期間内に実際に車両が走行した距離に基づいて、減速運転を評価するための評価指標を算出する指標算出手段
として機能させることを特徴とする省燃費運転評価システム用プログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−189073(P2012−189073A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175028(P2011−175028)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】