説明

省電力配線回路

【課題】受電用の高圧変圧器と動力負荷を含む動力配線回路において、動力負荷に支障のない範囲で、動力負荷への入力電圧を高め、無効電力及び不要電力の発生を抑制し、受電電力の省電力を図る。
【解決手段】三相高圧変圧器で変換して得た2次電圧を動力負荷回路に供給する配線回路において、(a)三相高圧変圧器にて、通常使用する1次側端子の電圧値より高い電圧値の1次側端子で受電し、2次側端子に、通常の電圧値より低い2次電圧を出力し、(b)2次電圧を、低損失変圧器で、動力負荷の定格電圧値以上に高めて動力負荷回路に供給し、(c)三相高圧変圧器及び動力負荷回路を含む配線回路に生じる無効電力及び不要電力を総括的に抑制する、ことを特徴とする省電力配線回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機、コンプレッサー、冷蔵庫、空調機、工作機等の負荷を持つ電動機へ電力を供給する動力配線回路において、電動機の負荷に支障がない範囲で省電力を達成する省電力配線回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境対策面から、CO2排出量の削減に貢献するため、各種の省電力装置(節電装置)が、数多く提案されている(例えば、特許文献1〜4、参照)。省電力装置(節電装置)の多くは、負荷へ供給する2次側電圧を下げる方式や、一時的に、冷暖房設備への電力供給を停止する方式を採用している。
【0003】
しかし、高圧変圧器の2次側電圧を下げる方式を採用すると、定電力特性を有する電動機の場合、配線回路に流れる電流が増すので、上記方式は、動力回路には適さない。一方、単に、動力負荷に供給する電圧を上げる方式を採用すると、配線回路を流れる電流は減少するので、省電力効果が期待できそうであるが、配線回路が短いと、線路インピーダンスが小さいので、省電力効果は殆ど期待できない。
【0004】
特に、供給電力自体の変動や、負荷突入時の負荷変動によって、入力電力が大きく変動する場合、電動機への入力電圧を大幅に上げて省電力を図る方式では、電動機を安定的に駆動するための定電力運転幅が狭くなって、電動機の安定運転が難しくなり、負荷に影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
このように、電動機を含む動力配線回路において、動力負荷に支障のない範囲で、省電力を図ることは、技術的に難しい面があるが、将来にわたり、省エネルギーは不可避の重要課題であり、より優れた省電力技術の開発が強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−206127号公報
【特許文献2】特開平11−308768号公報
【特許文献3】特開2001−350526号公報
【特許文献4】特開2007−018420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、受電用の高圧変圧器と動力負荷を含む動力配線回路において、動力負荷に支障のない範囲で、動力負荷への入力電圧を高め、無効電力及び不要電力の発生を抑制し、受電電力の省電力を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
動力負荷(例えば、電動機)への入力電圧を大幅に上げて省電力を図る方式では、動力負荷に支障のない範囲で省電力効果を得ることは、技術的に難しい。本発明者らは、このことを踏まえ、上記課題を解決する手法について鋭意研究した。
【0009】
その結果、本発明者らは、「(x1)受電用の高圧変圧器の1次側端子として、通常使用する1次側端子より1タップ上の1次側端子を使い、2次側に、通常使用する値より低い2次電圧を発生させ、次いで、(x2)2次電圧を、受電用の高圧変圧器の2次側に接続した低損失単巻変圧器で、数%(2〜3%)以上高い電圧に昇圧して、動力負荷(例えば、電動機)に供給すると、(y)動力負荷に支障のない範囲で省電力を達成できる」ことを見いだした。
【0010】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
【0011】
(1)三相高圧変圧器で変換して得た2次電圧を動力負荷回路に供給する配線回路において、
(a)三相高圧変圧器にて、通常使用する1次側端子の電圧値より高い電圧値の1次側端子で受電し、2次側端子に、通常の電圧値より低い2次電圧を出力し、
(b)2次電圧を、低損失変圧器で、動力負荷の定格電圧値以上に高めて動力負荷回路に供給し、
(c)三相高圧変圧器及び動力負荷回路を含む配線回路に生じる無効電力及び不要電力を総括的に抑制する、
ことを特徴とする省電力配線回路。
【0012】
(2)前記低損失変圧器が、低損失の金属導体を巻回した直列巻線と、三相バランス機能を有する分路巻線を備える単巻変圧器であることを特徴とする前記(1)に記載の省電力配線回路。
【0013】
(3)前記単巻変圧器が、鉄心の回りに分路巻線を備え、その外側に、低損失の金属導体で作製した直列巻線を備えるものであることを特徴とする前記(2)に記載の省電力配線回路。
【0014】
(4)前記単巻変圧器の直列巻線が、二つのU字型金属導体コイルを接続導体で接続したものであることを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の省電力配線回路。
【0015】
(5)前記接続導体を、直列巻線と分路巻線間の漏れ磁束に、平行又はほぼ平行に配置したことを特徴とする前記(4)に記載の省電力配線回路。
【0016】
(6)前記金属導体が、銅バー、銅フィルム、アルミバー、及び、アルミフィルムのいずれかであることを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれかに記載の省電力配線回路。
【0017】
(7)前記接続導体が、銅バー、又は、アルミバーであることを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の省電力配線回路。
【0018】
(8)前記低損失変圧器による2次電圧の電圧上昇率を、(i)直列巻線数と分路巻線数の比率を定めて設定するか、又は、(ii)分路巻線に複数の短絡端子を設け、スイッチ機能で短絡端子を選択し、直列巻線数と分路巻線数の比率を調整することを特徴とする前記(2)〜(7)のいずれかに記載の省電力配線回路。
【0019】
(9)前記スイッチ機能による短絡端子の選択を、手動又は自動で行うことを特徴とする前記(8)に記載の省電力配線回路。
【0020】
(10)前記動力負荷回路が電動機を含むことを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の省電力配線回路。
【0021】
(11)前記動力負荷回路が、電動機と並列に、力率改善用コンデンサーを含むことを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の省電力配線回路。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、冷凍機、コンプレッサー、冷蔵庫、空調機、工作機などの負荷を有する動力負荷(例えば、電動機)へ電力を供給する動力配線回路において、低損失変圧器により省電力を確実に達成することができる。また、本発明によれば、低損失変圧器を配線回路中に組み込むだけですむので、設備が大型化せず、設備費が安価である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の省電力配線回路の一態様を示す図である。
【図2】従来の配線回路の態様を示す図である。
【図3】低損失単巻変圧器の一態様を示す図である。(a)は、典型的な態様を示し、(b)は、分路巻線が複数の短絡端子とスイッチ機能を備える態様を示す。
【図4】低損失単巻変圧器の電圧上昇率を示す図である。
【図5】低損失単巻変圧器における分路巻線と直列巻線の接続態様を示す図である。
【図6】実施例で確認した省電力効果を示す図である。
【図7】実施例で用いた配線回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の省電力配線回路(以下、「本発明回路」、又は、単に「本発明」ということがある。)は、電動機の定電力特性を損なわない範囲で、電動機への入力電圧を高めて、負荷電流を低減し、配線回路における損失と受電用の高圧変圧器における電力損失を低減することを基本思想とする。以下、本発明回路について、図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に、本発明回路の一態様を示す。なお、図1では、三相交流回路を一相回路で示した。図2に、従来の配線回路を示す。
【0026】
図1と図2の対比から明らかなように、本発明回路においては、受電用の高圧変圧器T1の2次側と、動力負荷M(例えば、電動機)の間に、低損失単巻変圧器T2が配置されている。
【0027】
本発明回路においては、高圧変圧器T1と低損失単巻変圧器T2の有機的な連携が、顕著な省電力効果の基である。以下、順次、説明する。
【0028】
なお、図1中、Z1は、高圧変圧器T1のインピーダンスと、低損失単巻変圧器T2までの配線回路のインピーダンスを加算したインピーダンスであり、Z2は、低損失単巻変圧器T2のインピーダンスと、低損失単巻変圧器T2から負荷Mまでの配線回路のインピーダンスを加算したインピーダンスであり、また、図2中、Z1は、高圧変圧器T1のインピーダンスと、負荷Mまでの配線回路のインピーダンスを加算したインピーダンスである。
【0029】
通常、高圧変圧器T1において、1次側端子は、6600V端子を使用するが、本発明回路においては、6600Vより1タップ上の6750V端子を使用し、2次側に、通常利用する電圧値より低い205Vを発生させる。この205Vを、低損失単巻変圧器T2に入力し、動力負荷Mの定格入力電圧値より5V高い215Vに昇圧して、動力負荷Mに供給する。
【0030】
本発明回路においては、このような、高圧変圧器T1と低損失単巻変圧器T2の、電圧の昇降に係る有機的な連携が、顕著な省電力効果をもたらすのである。
【0031】
一般に、高圧変圧器T1が受電する電力W1(図1、参照)は、電圧V1や、電流I1に比例するので、負荷電流I3が減少すれば、W1は減少して、省電力が達成される。
【0032】
多くの場合、動力負荷M(電動機)の負荷特性は定電力特性なので、動力負荷Mが受電する電圧V3が上昇すると、動力負荷Mに流入する電流I3が減少し、その結果、高圧変圧器T1での電力損失が減少するとともに、配線回路のインピーダンスZ1、Z2での電流による電力損失が減少する。
【0033】
この電力損失の減少は、低損失単巻変圧器T2を、高圧変圧器T1と動力負荷Mの間に配置したことによる電力損失を打ち消して余りあるので、電力W1は少なくて済むことになる。
【0034】
また、動力負荷M(電動機)の入力端子に、動力負荷Mと並列にコンデンサーを接続して力率を改善すれば、動力負荷への配線回路における皮相電力が軽減されて、省電力に貢献する。
【0035】
本発明回路を実際に構成する場合、低損失単巻変圧器T2の配置位置は任意であるが、高圧変圧器T1にできるだけ近接させて配置するのが好ましい。
【0036】
低損失単巻変圧器T2と高圧変圧器T1を近接させて配置すると、電圧V2(>V3)、電流I2(>I3)の部分が短縮されるので、電力損を抑制できるし、また、設備の小型化にも貢献する。なお、低損失単巻変圧器T2は、動力負荷Mに近接させて配置してもよい。この配置も、設備の小型化に貢献する。
【0037】
ここで、図3に、低損失単巻変圧器T2の一態様を示す。図3(a)は、低損失単巻変圧器の典型的な態様を示す。1次側と2次側の間に、低損失の直列巻線A(1次側端子:a1、b1、c1、2次側端子:a2、b2、c2)が接続され、三相の各相関には、Y結線で、中立点Oを中心とする分路巻線Bが連結されている。直列巻線Aの巻線数と分路巻線Bの巻線数の比率で、低損失変圧器T2における2次電圧の電圧上昇率が定まる。
【0038】
図3(b)は、分路巻線Bが複数の短絡端子S1とスイッチS2を備える態様を示す。この分路巻線Bを備える低損失単巻変圧器では、スイッチS2で短絡端子S2を選択して短絡することにより、直列巻線Aの巻線数と、分路巻線Bの巻線数の比率を変えて、低損失変圧器T2における2次電圧の電圧上昇率を調整することができる。
【0039】
ここで、図4に基づいて、低損失単巻変圧器による電圧上昇率(図中、α0)について説明する。
【0040】
2次電圧を、低損失単巻変圧器で、動力負荷M(電動機)の定格入力電圧値V0より5V高い215Vに昇圧して、負荷Mに供給する前出の例では、電圧上昇率α0≒2.4%である。α0を高く設定すると、省電力効果は向上するが、α0をより高めに設定すると、電動機の定電力調整幅を狭めることになり、電動機の安全運転上、好ましくない。
【0041】
即ち、α0は、配電電圧の変動や、動力負荷の変動による電力上昇や低下などを充分に把握して、安全側で運用できるように設定しなければならない。通常、定格電圧±10%の範囲は、定電力特性の範囲であるので、α0は、図4に示すように、10%以下とするが、5%以下が好ましい。
【0042】
低損失単巻変圧器における電圧上昇率α0は、前述したように、直列巻線数と分路巻線数の比率で、最初から決めておくことができるが、図3(b)に示すスイッチ機能を備える分路巻線Bを用いれば、適切な値を選択することができる。スイッチ機能の操作は、手動で行ってもよいし、適切な信号(例えば、負荷回路の電圧変動)を捉えて開閉するようにしてもよい。
【0043】
低損失単巻変圧器は、図5(a)〜(d)に示すように、鉄心1の回りに分路巻線Bが配置され、分路巻線Bの外側に、低鉄損の金属導体で作製した直列巻線Aが配置されて構成されている。直列巻線Aは、二つのU字型金属導体コイルA1が接続導体2(例えば、銅バー、アルミニウムバー等)で接続されて構成されている。
【0044】
金属導体及び接続導体は、電気伝導度の優れたものが好ましい。金属導体としては、銅バー、又は、銅フィルムが好ましいが、アルミバー、又は、アルミフィルムでもよい。接続導体は、金属導体が銅の場合、銅バーが好ましく、アルミバーの場合、アルミバーが好ましい。
【0045】
図5(a)に示すように、二つのU字型金属導体コイルA1が、くの字型の接続導体2で接続されている場合、該接続導体2と、直列巻線Aと分路巻線B間の漏れ磁束3が交差して、接続導体2に過流損が生じる。この過流損を低減し、より低損失の単巻変圧器とするためには、図5(b)〜(d)に示すように、接続導体2と漏れ磁束3を平行又はほぼ平行にするのが好ましい。
【0046】
また、図5(b)〜(d)に示す接続態様では、直列巻線Aと分路巻線Bが近接し、巻線間の漏れ磁束3の量が減少するので、接続導体2に生じる過流損を、より低減することができる。
【実施例】
【0047】
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
【0048】
(実施例1)
図1に示す配線回路を用いて、低損失単巻変圧器への入力電圧V2を変化させて、動力負荷Mへの入力電圧V3と電流I3を測定した。動力負荷Mには、11kWの誘導電動機コンプレッサーを用いた。
【0049】
その結果を、表1及び図6に示す。省電力効果は、V2の各値において、動力負荷の機械出力に対する電力W1との比率を算出し、従来方式と新方式を比較した。表1において、動力負荷への電圧V3が低下すれば、動力負荷は定電力特性を維持しようとして、電流I3が増え、逆に、電圧V3が上昇すれば、電流I3が減少する。表1から、3〜5.6%の省電力効果が得られていることが解る。
【0050】
【表1】

【0051】

(実施例2)
図7に示す配線回路を用いて、動力負荷Mへの入力電圧及び電流を測定し、本発明を検証した。図7に示す配線回路は、図1に示す配線回路において、動力負荷Mと並列に、力率改善用コンデンサーCを配置したものである。
【0052】
動力負荷Mには、22kWの誘導電動機コンプレッサーを用い、力率改善用コンデンサーは、850μFのコンデンサーを使用した。
【0053】
結果を表2に示す。なお、測定は、コンプレッサーの空気吐出し弁を固定した状態にして行った。
【0054】
【表2】

【0055】

表2において、従来方式は、6300Vを、高圧変圧器T1の6300V端子で受け、2次側で210Vを出力し、この210Vを負荷の誘導電動機に入力する方式である。
【0056】
本方式は、図7に示す配線回路を用いて、6300Vを、高圧変圧器の高圧側タップを1タップ上げて、6600V端子で受け、210Vより低い2次電圧を、低損失単巻変圧器で210V以上に昇圧し、負荷の電動機に入力する方式である。
【0057】
表2から、本方式では、2.8%の省電力効果が得られていることが解る。また、本方式に、850μFのコンデンサーを併用すると、4.6%の省電力効果が得られることが解る。
【0058】
以上のことから、本方式を採用すれば、動力負荷Mが受ける電流が減少し、かつ、力率が改善されることが解る。
【0059】
実施例では、定格電圧が210Vの電動機負荷を用いて、本発明の省電力効果を検証したが、他の定格電圧、例えば、400V入力の電動機に対しても、本発明を適用することができる。また、本発明によれば、定電力特性を持つ電動機でも、電動機負荷がそれほど変動しない限り、同様な省電力効果を期待することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
前述したように、本発明によれば、冷凍機、コンプレッサー、冷蔵庫、空調機、工作機などの負荷を有する動力負荷(例えば、電動機)へ電力を供給する動力配線回路において、低損失変圧器により省電力を確実に達成することができる。また、本発明によれば、低損失変圧器を配線回路中に組み込むだけですむので、設備が大型化せず、設備費が安価である。したがって、本発明は、電設産業において利用可能性が大きいものである。
【符号の説明】
【0061】
1 鉄心
2 接続導体
3 漏れ磁束
1 高圧変圧器
2 低損失単巻変圧器
1、Z2 インピーダンス
A 直列巻線
A1 U字型金属導体コイル
B 分路巻線
O 中立点
S1 短絡端子
S2 スイッチ
M 動力負荷
C 力率改善用コンデンサー
1 高圧変圧器T1が受ける電力
1 高圧変圧器T1が受ける電圧
1 高圧変圧器T1が受ける電流
2 低損失単巻変圧器T2が受ける電力
2 低損失単巻変圧器T2が受ける電圧
2 低損失単巻変圧器T2が受ける電流
3 動力負荷Mが受ける電力
3 動力負荷Mが受ける電圧
3 動力負荷Mが受ける電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相高圧変圧器で変換して得た2次電圧を動力負荷回路に供給する配線回路において、
(a)三相高圧変圧器にて、通常使用する1次側端子の電圧値より高い電圧値の1次側端子で受電し、2次側端子に、通常の電圧値より低い2次電圧を出力し、
(b)2次電圧を、低損失変圧器で、動力負荷の定格電圧値以上に高めて動力負荷回路に供給し、
(c)三相高圧変圧器及び動力負荷回路を含む配線回路に生じる無効電力及び不要電力を総括的に抑制する、
ことを特徴とする省電力配線回路。
【請求項2】
前記低損失変圧器が、低損失の金属導体を巻回した直列巻線と、三相バランス機能を有する分路巻線を備える単巻変圧器であることを特徴とする請求項1に記載の省電力配線回路。
【請求項3】
前記単巻変圧器が、鉄心の回りに分路巻線を備え、その外側に、低損失の金属導体で作製した直列巻線を備えるものであることを特徴とする請求項2に記載の省電力配線回路。
【請求項4】
前記単巻変圧器の直列巻線が、二つのU字型金属導体コイルを接続導体で接続したものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の省電力配線回路。
【請求項5】
前記接続導体を、直列巻線と分路巻線間の漏れ磁束に、平行又はほぼ平行に配置したことを特徴とする請求項4に記載の省電力配線回路。
【請求項6】
前記金属導体が、銅バー、銅フィルム、アルミバー、及び、アルミフィルムのいずれかであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の省電力配線回路。
【請求項7】
前記接続導体が、銅バー、又は、アルミバーであることを特徴とする請求項4又は5に記載の省電力配線回路。
【請求項8】
前記低損失変圧器による2次電圧の電圧上昇率を、(i)直列巻線数と分路巻線数の比率を定めて設定するか、又は、(ii)分路巻線に複数の短絡端子を設け、スイッチ機能で短絡端子を選択し、直列巻線数と分路巻線数の比率を調整することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の省電力配線回路。
【請求項9】
前記スイッチ機能による短絡端子の選択を、手動又は自動で行うことを特徴とする請求項8に記載の省電力配線回路。
【請求項10】
前記動力負荷回路が電動機を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の省電力配線回路。
【請求項11】
前記動力負荷回路が、電動機と並列に、力率改善用コンデンサーを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の省電力配線回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−200414(P2010−200414A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39760(P2009−39760)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(508079278)
【出願人】(509052687)
【出願人】(509052698)
【出願人】(599146369)
【出願人】(508079289)
【Fターム(参考)】