説明

真空ポンプ

【課題】ロータ軸の長さが長い真空ポンプ、特にはターボ分子ポンプ又は複数入口式ポンプを提供する。
【解決手段】真空ポンプ、特にはターボ分子ポンプ又は複数入口式ポンプが、少なくとも1つのロータ手段14を支持するロータ軸12を備えている。ロータ軸12は、吐出側軸受組立体56により吐出側で支持されて、吸込み側軸受組立体30により吸込み側で支持されている。吸込み側軸受組立体30は、電磁軸受36を含んでいる。吐出側軸受組立体56は、ロータ軸12の長さを長くできるように玉軸受58を含んでいる。玉軸受58は、好ましくは電磁軸受36によって付勢されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプ、特にはターボ分子ポンプ又は複数入口式ターボ分子ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ分子ポンプは、複数のロータディスクを有する少なくとも1つのロータを含むロータ手段を備えている。ステータリングによって保持されたステータディスクが、前記ロータディスク間に配置されている。前記ロータ手段は、高速回転式ロータ軸に配置されている。ターボ分子ポンプは、吸込み側に入口を備えて、吐出側に出口を備えている。前記吸込み側の入口では、任意には1×10-10 mbar未満の終圧が生成され得る。ターボ分子ポンプの前記吐出側の出口は、追加のプレ真空ポンプに接続されていることが多い。
【0003】
複数入口式ポンプは、吸込み側の主入口に加えて、少なくとも1つの中間入口を備えている。通常、複数入口式ポンプのロータは、例えばターボ分子段として形成された2つのポンプ段を含んで構成されており、前記中間入口は、2つのポンプ段の間に配置されている。例えばホルベック(Holweck )段のような更なるポンプ段が、ターボ分子段の送り方向の下流側に配置されていることが多い。複数入口式ポンプでは、前記主入口と前記少なくとも1つの中間入口とで異なる圧力レベルを生成することが可能になる。
【0004】
特に、例えばターボ分子ポンプ及び複数入口式ポンプのような高速回転式真空ポンプでは、吐出側、例えば圧力が高い領域でのロータ軸の支持が、電磁軸受によってなされ得る。公知の真空ポンプでは、このような電磁軸受が、120 mbarまでの圧力範囲内で使用されている。更に、受動型磁気軸受を用いて高真空範囲内でロータ軸を支持することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第202005019644号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
真空ポンプを吸込み側で支持するために、電磁軸受は、吸込み側の領域における低い圧力により、一般的にあまり使用されていない。特に、電磁軸受に用いられるコイル体及びセンサ装置は、表面が大きく中空空間を多数有する構成要素である。従って、連続的なガス放出のため、所望の終圧に達することが不可能であるか、又は少なくとも辛うじて可能になる。更に、高真空領域で永久的磁気軸受を使用することが知られている。
【0007】
ロータ軸全体を電磁的に支持するために、独国特許出願公開第202005019644号明細書に、2つの電磁軸受をカートリッジ内に配置することが提案されている。前記カートリッジ内では、ロータ軸が、電磁軸受及び電動機と共に配置されている。カートリッジ内に、大気圧が存在するか、又はポンプの吐出側で作用する少なくとも比較的高い圧力が存在するように、カートリッジは実質的に吐出側の方向に開放されている。ロータ軸は、カートリッジから突出してロータ手段を支持する延長部分を含んでいる。従って、ロータ手段は、ロータ軸の片持ち支持端部に固定されている。従って、ポンプの構造的長さが制限されている。更に、ロータ軸の前記片持ち支持端部にロータ手段が取り付けられることにより、大きな力が電磁軸受の箇所に生じ、従って、対応して複雑な電磁軸受を設ける必要性が伴う。更に、このタイプの構造的設計は、特に低い固有の振動数が生じるので、ロータの動的挙動によって非常に制限される。
【0008】
更に、例えば米国特許第6416290 号明細書から、ロータ軸の片持ち支持端部に吸込み側のロータを備えることが知られている。従って、吸込み側の軸受が、流れ方向で第1ロータの後ろに配置されて、従って、高真空側で非常に低い圧力にさらされていない。吸込み側の軸受に対して、ロータが、軸受の外側でロータ軸の片持ち支持端部に取り付けられているので、大きな力及びモーメントが軸受に生じる。
【0009】
ターボ分子ポンプ、特には複数入口式ポンプでは、ポンプの性能全体を高めて、任意にはより多くの中間入口を備えるために、ロータ軸の長さが可能な限り長いことが望まれている。公知の軸受配置では、ロータ軸の長さは、機械的且つ動的な制限のために規制されている。現在、ターボ分子ポンプ又は複数入口式ポンプの製造コスト及び運用コストが適正な範囲内で維持される場合、ロータの直径が約130 mmであり、ロータ軸の直径が約8mmである状態では、ロータ軸の最大長は約170 mmとすべきである。
【0010】
本発明は、ロータ軸の長さが更に長い真空ポンプ、特にはターボ分子ポンプ又は複数入口式ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、上記の目的は、少なくとも1つのロータ手段を支持するロータ軸と、該ロータ軸を支持するための吐出側軸受組立体及び吸込み側軸受組立体とを備えており、前記吸込み側軸受組立体は、前記ロータ軸を径方向に支持するための電磁軸受を有しており、前記吐出側軸受組立体は、前記ロータ軸を軸方向及び径方向に支持するための転がり軸受を有していることを特徴とする真空ポンプによって達成される。
【0012】
本発明の真空ポンプは、ロータ手段を支持するロータ軸を備えており、前記ロータ手段は、任意には複数のロータ又は他の吸込み若しくはポンプ手段を含んでいる。前記ロータ軸は、2つの吐出側軸受組立体及び吸込み側軸受組立体によって支持されている。本発明によれば、前記吸込み側軸受組立体は、ロータ軸を径方向に支持するための電磁軸受である。該電磁軸受を用いることにより、ロータ軸が二軸のみで支持されている。本発明では、ロータ軸の軸方向の支持が、電磁軸受によって行われていないことが好ましい。更に、本発明によれば、吐出側軸受組立体が、転がり軸受として、特には玉軸受として設計されている。本発明によれば、このような転がり軸受が用いられており、すなわち、転がり軸受が、ロータ軸を軸方向及び径方向の両方で支持する、つまりロータ軸を三軸で支持するように転がり軸受は配置されている。本発明の軸受組立体により、ターボ分子ポンプ又は複数入口式ポンプの特性、特には耐用寿命への高い要件を満たす長いロータ軸を提供することが可能になる。特には、このような配置により、その両端部で支持されたロータ軸が、適切な軸受間隙を考慮する必要性なしに、要望通りに軸受間で固定され得るという利点を有する。ロータ軸が撓まないために、曲げに関する固有の臨界振動数が、ポンプの公称振動数から十分離れているという効果的な利点がある。ロータ軸の固有振動数の近くで作動される軸受が、更なる動的応力にさらされるので、固有振動数から十分離れた振動数での作動は、軸受の耐用寿命に好ましい影響を及ぼす。
【0013】
吸込み側に電磁軸受を設けることにより、低い圧力でさえ処理ガスの汚染が回避されるという利点がある。高真空側で玉軸受を潤滑剤と共に使用した場合、低い圧力は、潤滑剤のガス放出を引き起こし、従って処理ガスの汚染の原因となる。
【0014】
特に好ましい実施形態によれば、吸込み側軸受組立体は、ロータ軸を径方向に支持するためにのみ機能する。このようにして、ロータ軸は、吸込み側で軸方向に支持されていないことが好ましい。しかしながら、吸込み側に設けられた電磁軸受は、吐出側に配置された転がり軸受を付勢するためにも使用され得ることが好ましい。これは、電磁軸受の構成部品を軸方向に僅かにオフセットすることにより達成され得る。吸込み側に設けられた電磁軸受を用いて転がり軸受を付勢することにより、別個の構成要素を設ける必要がないように別個の付勢手段の必要性が除去されることが利点である。代わりに、付勢手段は電磁軸受によって実現されている。
【0015】
更に、電動機を用いることにより転がり軸受の付勢を実現することが可能になる。前記電動機は、ロータ軸が電動機によって直接駆動されるようにロータ軸に直接作用すべく配置されていることが好ましい。従って、電動機の磁石及びコイル間の相当する軸方向のオフセットによって、付勢力を生成することが可能になる。電動機を使用して付勢力を生成するために、追加の構成部品を必要としないという利点がある。
【0016】
別の可能性として、別個の付勢手段が設けられ得る。このような付勢手段は、例えば、好ましくは転がり軸受の領域に配置された磁石の形態で設計され得る。この磁石は、明確に定められた付勢力を生成する永久磁石であることが好ましい。
【0017】
吸込み側軸受組立体及び/又は吐出側軸受組立体が夫々、ロータ軸の両端部に配置されていることが特に好ましい。従って、好ましい実施形態によれば、ロータ軸は、両者の内の一方で片持ち支持されていない。特に高真空の領域では、ロータ軸が片持ち支持されていない。これは、軸受の発明性がある配置及び設計により可能になる。片持ち支持されていないロータ軸では、比較的低い力及びモーメントのみが、ターボ分子ポンプ又は複数入口式ポンプのロータ軸の軸受で生じる。従って、更に小径のロータ軸が、特に電磁軸受の領域に設けられ得る。特に、このため、比較的小さな把持軸受を設けることが可能になり、それによってコストが抑えられるという利点がある。本発明のこの好ましい実施形態では、全てのロータ手段が軸受組立体間に配置されている。ロータ手段は軸方向では軸受を覆っているが、ロータ手段は、軸受組立体間でロータ軸に常時接続されている。
【0018】
軸受組立体の発明性がある構成により、ターボ分子ポンプ又は複数入口式ポンプで使用するために、吸込み側軸受組立体及び吐出側軸受組立体間のロータ軸の長さを、ロータ手段の直径以上とすることが可能になる。より好ましくは、ロータ手段の直径が100 乃至140 mmであり、特には約130 mmである状態で、ロータ軸の長さが少なくとも170 mmであり、特には200 mmより長いロータ軸を実現することが可能になる。
【0019】
吸込み側軸受組立体の電磁軸受は、吸込み側で閉じたカートリッジ内に配置されていることが好ましい。それによって、特に電磁軸受のコイルを、圧力が吸込み側での最小圧力より高い領域に配置することが可能になる。
【0020】
本発明によれば、吸込み側軸受組立体は、高真空領域に配置されることが可能であり、従って低い圧力にさらされ得る。更に、本発明によれば、吸込み側軸受組立体は電磁軸受である。この場合の高真空は、10-3mbar未満の圧力であり、好ましくは10-5mbar未満の圧力であり、最も好ましくは10-10 mbar未満の圧力であることが理解される。
【0021】
特に、電磁軸受が、吸込み側で生じる非常に低い圧力の領域に、つまりターボ分子ポンプの入口領域に配置されている場合、特に好ましい実施形態によれば、電磁軸受のコイルが、圧力をかけて密閉された凹部内に配置されている。圧力をかけて密閉された凹部内にコイルを配置することにより、コイル自体が直接高真空領域に設けられないことが保証される。そのため、コイル内の多数の中空空間によって生ずる連続的なガス放出により、終圧に達することが不可能になるか、又は非常に困難になるという欠点が回避される。電磁軸受を高真空領域に設けるという発明性によって、ロータ軸をその両端部の領域で支持することが可能になる。
【0022】
特に好ましい実施形態によれば、前記凹部は、ハウジング要素に、つまり、好ましくはハウジングに接続された静止要素に設けられている。凹部の開口部は、ロータ軸の方向に方向付けられていることが好ましい。特に、開口部は円形状であり、ロータ軸を完全に囲んでいる。従って、ソレノイドの環状コイルは、凹部に配置され得る。このような配置では、電力供給線が、ロータ軸に面して設けられた凹部の開口部側からではなくハウジングを通って凹部に導かれ得る。
【0023】
圧力をかけた密閉のために、つまり、凹部を密閉するために、例えば、凹部にコイルを配置した後、合成樹脂等を凹部内に鋳造することも可能である。しかしながら、圧力が非常に低い場合、合成樹脂の使用は、例えば高真空における軟化剤のガス放出を引き起こして、例えば分析結果の質を落とすという不利点がある。本発明の好ましい実施形態によれば、凹部の開口部は、好ましくは管状の閉鎖要素によって密に閉じられている。従って、好ましくはロータ軸の方向に内側で面する開口部は、管状の閉鎖要素によって簡易に閉じられ得る。凹部が好ましくは円形状である場合、凹部の開口部が円柱の内周面に相当する。閉鎖要素は、例えばOリングのような密閉要素を介してハウジング要素に密に接続され得ることが好ましい。
【0024】
当業者が本発明を実施することを可能にする最適なモードを含む本発明の十分且つ可能な開示が、添付図面を参照して以下に更に詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る軸受組立体を備えた複数入口式ポンプを示す断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に概略的に示されているように、複数入口式ポンプは、ハウジング10に配置されたロータ軸12を備えている。該ロータ軸12は、複数のロータ手段14を支持している。前記ロータ軸12の少なくとも吸込み側22の端部12a が、縮径されており、端部12a の直径が、ロータ手段14の直径の平方根の0.66倍以下であり、好ましくは6mm未満である。前記ロータ手段14は夫々、複数のロータディスク16を含んでいる。該ロータディスク16間に、ステータディスク18が配置されている。媒体が矢印24によって示されている方向に吸い込まれるように、ポンプの吸込み側22が高真空接続を構成している。通常、ターボ分子ポンプの出口26、つまり吐出側28がプレ真空ポンプに接続されている。
【0027】
本発明によれば、吸込み側22に配置された吸込み側軸受組立体30が電磁軸受36を含んでいる。この電磁軸受36は、ソレノイド状のコイル32と、ロータ軸12に固定されてロータ軸12と共に回転する軸受要素34とを含んでおり、該軸受要素34は、いわゆるベアリングプレートの形態で実現されている。前記コイル32は、ハウジング要素40の凹部38内に配置されている。示された実施形態では、前記凹部38は円柱状である。凹部38は、ロータ軸12をロータ軸12の端部の領域で囲んでいる。凹部38は、管状の閉鎖要素42と、好ましくはOリングとして形成された密閉要素44とによって閉じられている。このようにして、凹部38は圧力をかけて密閉されている。従って、凹部38内では、吸込み側22の領域に存在するような高真空が存在しない。そのために、コイル内に存在する多数の中空空間が、終圧に達することが困難になる、又は不可能にさえなることが回避される。
【0028】
更に、示された吸込み側軸受組立体30は、例えば、玉軸受として形成された機械的な把持軸受20を含んでいる。この把持軸受20は、前記ハウジング要素40内に配置されて、ロータ軸12のシャフトピンに対して小さな間隔を置いて設けられている。把持軸受20は、電磁軸受が故障した場合に、緊急の際の動作特性を保証するために十分機能する。示された実施形態では、ハウジング要素40は鉢状であり、ロータ軸12の吸込み側の端部の領域を囲んでいる。
【0029】
示された実施形態では、吐出側28に配置された吐出側軸受組立体56が、転がり軸受として、特には玉軸受58として形成されている。該玉軸受58が軸方向及び径方向の両方の力を吸収可能であるように前記玉軸受58は設計されて、ハウジングカバー60に接続されている。
【0030】
従って、本発明によれば、吸込み側軸受組立体30はロータ軸12を径方向に支持するためにのみ機能する一方、吐出側軸受組立体56は、ロータ軸12を軸方向及び径方向に支持するために機能する。
【0031】
径方向の付勢力が玉軸受58に作用することが特に好ましい。このような付勢力は、電磁軸受として構成された吸込み側軸受組立体30を用いることにより生成され得る。軸方向の付勢力が、コイル32及び軸受要素34間の軸方向の僅かなオフセットによって生成され得る。更に、電動機62を用いることにより吐出側軸受組立体56に対する軸方向の付勢力を生成することが可能である。示された実施形態では前記ハウジングカバー60に支持されているこの電動機62は、例えば、ロータ軸12に接続された永久磁石64とコイル組立体66とを含んでいる。更に、前記永久磁石64及び前記コイル組立体66間の軸方向のオフセットにより、玉軸受58に対する軸方向の付勢が適切に実現されている。
【0032】
複数入口式ポンプの場合には、ロータ軸12は、前記吸込み側軸受組立体30及び吐出側軸受組立体56によって両端部の領域で支持されて、複数の凝縮段76,78,80を含んでいる。示された実施形態では、2つの第1及び第2の凝縮段76,78 は、ターボ分子ポンプの形態で実現されて、第1及び第2の凝縮段76,78 は夫々ロータディスク16を有するロータ手段14を備えている。前記ロータディスク16間に、ステータディスク18が配置されている。2つのロータ手段14は、互いに間隔を置いてロータ軸12に配置されている。2つのロータ手段14間に、ハウジング10は、中間入口である入口開口部82を備えている。
【0033】
示された複数入口式ポンプは、高真空入口である主入口84を更に備えている。吸い込まれた媒体(ガス)が、主入口84を介して、矢印24によって示された方向に流れる。前記中間入口82の領域では、媒体が、矢印86によって示されているように中間入口82を介して更に吸い込まれて、吸い込まれた媒体は、図1における右側に向かって送られる。
【0034】
その後、第3の凝縮段80が、矢印88によって示されているように、吐出側28の方向に出口26に向かって媒体を送る。通常、プレ真空ポンプは出口26に接続されている。第3の凝縮段80は、例えばホルベック(Holweck )段等を含むことが可能である。
【0035】
吸込み側軸受組立体30の発明性がある構成によって、最大の軸受間隔が実現され得るようにロータ軸12の両端部に2つの吸込み側軸受組立体30及び吐出側軸受組立体56を設けることが可能になる。
【0036】
本発明は、その例証された特定の実施形態に関して述べられ図示されているが、本発明がこのような例証された実施形態に制限されることを意図していない。当業者は、以下の請求項によって定義されている本発明の本質的な範囲から逸脱せずに、様々な変更及び調整がなされ得ることを認識する。従って、添付されている請求項及びその均等物の範囲内に含まれるように、このような変更及び調整を全て本発明の範囲内に含むことを意図している。
【符号の説明】
【0037】
12 ロータ軸
14 ロータ手段
30 吸込み側軸受組立体(付勢手段)
32 コイル
34 軸受要素
36 電磁軸受
56 吐出側軸受組立体
58 玉軸受(転がり軸受)
62 電動機(付勢手段)
64 永久磁石(付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのロータ手段を支持するロータ軸と、
該ロータ軸を支持するための吐出側軸受組立体及び吸込み側軸受組立体と
を備えており、
前記吸込み側軸受組立体は、前記ロータ軸を径方向に支持するための電磁軸受を有しており、
前記吐出側軸受組立体は、前記ロータ軸を軸方向及び径方向に支持するための転がり軸受を有していることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項2】
前記吸込み側軸受組立体は、前記ロータ軸を径方向にのみ支持していることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項3】
前記転がり軸受を軸方向に付勢するための付勢手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項4】
前記付勢手段は、吸込み側軸受組立体によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
【請求項5】
前記付勢手段は、前記ロータ軸を駆動すべく設けられた電動機によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
【請求項6】
前記付勢手段は、前記転がり軸受の領域に配置されている磁石によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
【請求項7】
前記吸込み側軸受組立体及び/又は吐出側軸受組立体は、前記ロータ軸の端部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項8】
全てのロータ手段は、前記吸込み側軸受組立体及び吐出側軸受組立体間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項9】
前記吸込み側軸受組立体及び吐出側軸受組立体間の前記ロータ軸の長さは、前記ロータ手段の直径以上であることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項10】
前記吸込み側軸受組立体及び吐出側軸受組立体間の前記ロータ軸の長さは、前記ロータ手段の直径が100 乃至140 mmである状態で、少なくとも170 mmであることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項11】
前記吸込み側軸受組立体及び吐出側軸受組立体間の前記ロータ軸の長さは、前記ロータ手段の直径が100 乃至140 mmである状態で、少なくとも220 mmであることを特徴とする請求項10に記載の真空ポンプ。
【請求項12】
前記吸込み側軸受組立体及び吐出側軸受組立体間の前記ロータ軸の長さは、前記ロータ手段の直径が約130 mmである状態で、少なくとも170 mmであることを特徴とする請求項10に記載の真空ポンプ。
【請求項13】
前記吸込み側軸受組立体及び吐出側軸受組立体間の前記ロータ軸の長さは、前記ロータ手段の直径が約130 mm である状態で、少なくとも220 mmであることを特徴とする請求項12に記載の真空ポンプ。
【請求項14】
前記ロータ軸の少なくとも吸込み側の端部は、縮径されており、前記端部の直径は、前記ロータ手段の直径の平方根の0.66倍以下であり、好ましくは6mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項15】
前記吸込み側軸受組立体は、吸込み側で閉じたカートリッジ内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項16】
前記吸込み側軸受組立体は、圧力が10-5mbar未満であり、好ましくは10-10 mbar未満である高真空領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−112048(P2011−112048A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260714(P2010−260714)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【出願人】(508206070)オーリコン レイボルド バキューム ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】