説明

真空廃棄システムおよびその使用方法

航空機等の輸送機材内で使用するための真空廃棄システム。この真空廃棄システムは、軽量のベースアセンブリと、ベースアセンブリの上部に取り付けられた軽量の便器アセンブリとを備える。便器アセンブリは下方延長部材を有し、この部材は、ベースアセンブリの上部の水平延長部材とスライド式に係合し、それによって便器アセンブリがベースアセンブリに固定される。ボルトナットアセンブリ等の固定手段は、工具を使って便座アセンブリとベースアセンブリとに結合可能であり、それによって便器アセンブリをベースアセンブリに固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許との相互参照
本特許出願は、2008年10月3日に出願された米国特許仮出願第61/102,812号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は一般に、真空廃棄システム(vacuum waste system)に関する。より詳しくは、本発明は航空機等の輸送機材で使用される真空廃棄システムに関する。
【背景技術】
【0003】
真空廃棄システムは、航空機等の交通輸送機材で使用するものとして当業界で一般に知られている。真空廃棄システムは通常、真空配管によって汚物タンクに連結された便器を備える。洗浄バルブ(flush valve)が便器と真空配管の間に配置される。洗浄バルブが開くと、便器の内容物が差圧によって汚物タンクへと除去されるのだが、これは真空下の配管の中の気圧が便器内の周辺空気圧より低いからである。洗浄バルブは、便器内の周辺空気圧とそれより低い配管および汚物タンクの圧力との間の圧力境界を保持する。航空機では、配管は約16,000フィートの高度で真空力供給源によって真空圧力下に置かれるかもしれない。約16,000フィート以上の高度では、配管内の真空圧力は、客室と航空機の外部との大気圧の差によって供給されるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の真空廃棄システムは一般に、枠構造と、枠構造に取り付けられた便器からなる。これらの枠構造は大きくて重く、それによって航空機に不必要な重量が加わる。たとえば、枠構造は、便器アセンブリを枠構造に取り付けた状態で、一般的なトイレの高さとすることができる。便器を標準的な高さに支持するのに必要な、このような付加的な枠構造によって航空機の重量がより重くなり、このことは当然、燃料効率に不利な影響を与え、その影響は運航回数を重ねるほど増大し、その結果、航空会社にとっての年間燃料費は、特にこうした従来の真空廃棄システムを搭載した保有航空機材に関して、大幅に増加する。さらに、従来の廃棄システムは、工具を使わずに便器を外せるように構成することができ、不正変更がより行われやすい。
【0005】
そこで、より効果的で効率的な真空廃棄システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の一例は、航空機等の輸送機材で用いる真空廃棄システムを提供する。真空廃棄システムの一例は、軽量のベースアセンブリと、ベースアセンブリの上部に取り付けられる軽量の便器アセンブリを備える。便器アセンブリは下方延長部材を有していてもよく、これはベースアセンブリの上部の水平延長部材とスライド式に係合し、それによって便器アセンブリがベースアセンブリに固定される。ボルトナットアセンブリ等の固定手段は、便器アセンブリとベースアセンブリに工具を使って結合可能であり、それによって便器アセンブリはベースアセンブリに固定される。
【0007】
本明細書でより詳しく説明するように、本発明の実施形態の一例による真空廃棄アセンブリは、ベースアセンブリと便器アセンブリを備える。ベースアセンブリは、輸送機材に固定されたベースプレートに着脱自在に取り付けることができる。たとえば、ベースプレートは、ベースアセンブリの延長部を収容するための陥凹部を有することができ、これはベースアセンブリをベースプレートに着脱自在に固定する役割を果たす。さらに、ベースアセンブリは、複数のバヨネットマウント、またはその他その適当なあらゆるタイプの固定手段を含んでいてもよく、これはベースプレートの開口部と係合して、ベースアセンブリをベースプレートに着脱自在にロックするもので、当技術分野で理解されるとおりである。ベースアセンブリは少なくとも1つの側壁を備え、この側壁は側壁の上面から延びる垂直延長壁を有し、この垂直延長壁は、そこから延びる複数の水平延長部材を有する。水平延長部材は、水平延長部材同士の間にそれぞれの空間が形成されるように位置づけられる。便器アセンブリは、便器と、そこから延びる複数の下方延長部材を有し、下方延長部材の各々はその中にギャップを有する。便器アセンブリがベースアセンブリに取り付けられると、水平延長部材のそれぞれ1つは、それぞれの前記ギャップ内に収容され、それによって便器アセンブリはベースアセンブリに着脱自在に固定される。工具で操作される固定部材を使って、便器アセンブリをベースアセンブリにさらに確実に固定することができる。
【0008】
本発明の上記およびその他の利点は、添付の図面を参照しながら本明細書の中の本発明の説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による真空廃棄システムの正面斜視図である。
【図2】図1に示される真空廃棄システムの背面斜視図である。
【図3】図1に示される真空廃棄システムの正面図である。
【図4】図1に示される真空廃棄システムの側面図である。
【図5】図1に示される真空廃棄システムの別の側面図である。
【図6】図1に示される真空廃棄システムの背面図である。
【図7】図1に示される真空廃棄システムの上面図である。
【図8】図1に示される真空廃棄システムの底面図である。
【図9】図1に示される真空廃棄システムの詳細な背面斜視図である。
【図10】図1に示される真空廃棄システムの別の詳細な背面斜視図である。
【図11】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリの詳細な正面斜視図である。
【図12】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリの取付構造のさらに詳細な図である。
【図13】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリの取付構造の前端の詳細な図である。
【図14】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリの取付構造の前端のさらに詳細な図であり、取付構造の一部が破線で示されている。
【図15】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリの取付構造の後端のさらに詳細な図であり、取付構造の一部が破線で示されている。
【図16】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリの、便器アセンブリを取り外した状態の斜視図である。
【図17】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリの、便器アセンブリを取り外した状態の詳細な斜視図である。
【図18】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの背面斜視図である。
【図19】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの正面図である。
【図20】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの背面図である。
【図21】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの詳細な斜視図である。
【図22】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの側面図である。
【図23】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの別の側面図である。
【図24】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの上面図である。
【図25】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの底面図である。
【図26】図1に示される真空廃棄システムの便器アセンブリの詳細な側面斜視図である。
【図27】図1に示される真空廃棄システムの便器システムの詳細な底面斜視図である。
【図28】図1に示される真空廃棄システムの便器システムのさらに詳細な底面斜視図である。
【図29】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリに便器アセンブリを取り付ける方法の一例を示す詳細な側面図である。
【図30】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリに便器アセンブリを取り付ける方法の一例を示すさらに詳細な側面図である。
【図31】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリに便器アセンブリを取り付ける方法の一例を示す詳細な正面斜視図である。
【図32】図1に示される真空廃棄システムのベースアセンブリに便器アセンブリを取り付ける方法の一例を示す詳細な背面斜視図である。
【図33】本発明の一実施形態による真空廃棄システムの正面斜視図である。
【図34】図33に示される本発明の実施形態による真空廃棄システムの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する本発明の実施形態は、これらがすべてではなく、開示されている詳細な構造と動作に本発明を限定しようとするものでもない。むしろ、以下に詳細に説明する実施形態は、当業者がその教示によりよく従うことができるようにすることを目的として、本発明の原理とその応用、動作、使用を説明するために選択され、記載されている。
【0011】
図1−図8は、本発明の一実施形態による一例としての真空廃棄システム100を示す。真空廃棄システム100は、輸送機材および、特に航空機に据え付けることができる。図のように、真空廃棄システム100は、ベースアセンブリ102と、ベースアセンブリ102に着脱自在に取り付けられる便器アセンブリ104を備える。ベースアセンブリ102と便器アセンブリ104は、複合材料、プラスチック、金属またはその他、適当なあらゆる材料で作製することができる。ベースアセンブリ102と便器アセンブリ104は、できるだけ小型かつ軽量であり、それによって航空機の総重量に与える影響ができるだけ小さく、その結果、航空機の燃料効率に与えられるマイナスの影響が小さいことが望ましい。
【0012】
図1−図8に示され、図9−図17においてより詳細に示されるように、ベースアセンブリ102は枠構造106を備え、枠構造は、効率的な支持手段となるのと同時にベースアセンブリ102の総重量の軽減もできるように、格子型の構造として構成することができる。枠構造106は、側壁108と110、後壁112および前壁114を備え、これらは、たとえばスナップフィットまたは適当な、あらゆる固定機構によって相互に結合することができる。側壁108と110はそれぞれ前方延長構造116と118を備え、これらは便器アセンブリ104をさらに支持し、またそれぞれ後方延長構造120と122を有し、これはベースアセンブリ102全体をさらに支持する。図33−図34に示される真空廃棄システム100の別の実施形態においては、後方延長構造120と122がなくてもよい。この実施形態では、側壁108、110は、前方延長構造116と118を含んでいてもよい。一実施形態において、洗浄バルブアセンブリ125は、ベースアセンブリ102の後壁112の取付領域124に作り込んでもよく、これは2008年10月3日に出願された”Flush Valve and Vacuum Generator for Vacuum Waste System”と題する本願と同時係属中の米国特許出願第61/102,674号に記載されており、同出願の内容全体を引用によって本願に援用する。
【0013】
図12−図15においてより詳細に示されているように、真空廃棄システム100は、ネジ、ボルト、リベットまたはその他適当なあらゆる種類の固定手段によって、航空機等の輸送機材に固定される取付部材126(たとえば、ベースプレート)をさらに備える。取付部材126は、取付部128と130を備え、これにそれぞれ側壁108と110が着脱自在に嵌合し、それによってベースアセンブリ102、およびひいては真空廃棄システム100の全体が輸送機材に固定される。この例に示されるように、側壁108と110は、それぞれ取付用延長部132と134を備える。取付部128と130は陥凹部136と138を備え、これに取付用延長部132と134が着脱自在に嵌合することができる。
【0014】
すなわち、図12からわかるように、たとえば、ベースアセンブリ102を取付部材126に嵌合させるために、ベースアセンブリ102は取付部材126に対して角度をつけて設置され、図15に示されるように、取付用延長部132と134がそれぞれ陥凹部136と138によって収容されることができるようにする。すると、ベースアセンブリ102は、図12に示されるようにMOUNT(取付)の矢印の方向に回転させて、ベースアセンブリ102の前面を取付部材126との嵌合位置に移動させることができる。さらに図に示されるように、側壁108と110はそれぞれ下方突起142を含む(図12と図14では、側壁110の下方突起142しか見えない)。下方突起142は各々、取付部128と130の中のそれぞれの陥凹部144と嵌合し(図12と図14では、取付部130の陥凹部144しか見えない)、側壁108と110を取付部128と130にさらに確実に固定する。
【0015】
さらに示されているように、特に、図12と図14において、側壁108と110は、それぞれボタン150と152を有する柔軟なバヨネットマウント146と148を備える。図のように、ベースアセンブリ102がMOUNT(取付)の矢印の方向に回転され、下方突起142がそれぞれの陥凹部144の中に収容されると、それぞれ開口部158と160の前部を画定する縁辺154と156がバヨネットマウント146と148を後方に押す。ベースアセンブリ102が取付部材126の中にさらに収容されると、バヨネットマウント146と148のタブ162と164は縁辺154と156を通過させ、その状態で、バヨネットマウント146と148の弾性によってタブ162と164を前方に押して、それぞれ縁辺154と156の下の陥凹部166と168の中に嵌め込み、それによってベースアセンブリ102は、図のように、取付部材126と嵌合係合の状態で着脱自在にロックされる。
【0016】
当業者であれば理解できるように、ベースアセンブリ102を取付部材126から外すには、ボタン150と152に(たとえば、手で)圧力を加えて、バヨネットマウント146と148を後方に押し、タブ162と164がそれぞれ陥凹部166と168から外れるようにすることができる。ベースアセンブリ102は、すると、MOUNT(取付)の矢印の方向と反対の方向に回転させ、バヨネットマウント146と148が開口部158と160から外れ、下方突起142が陥凹部144から外れることができるようにすることができる。ベースアセンブリ102は、すると、INSERT(挿入)の矢印と反対の方向に移動させ、取付用延長部132と134がそれぞれ陥凹部136と138から外れるようにすることができ、この状態で、ベースアセンブリ102は取付部材126から外すことができる。
【0017】
図33に示される別の実施形態において、ベースアセンブリ102は、取付部材126の中に設置され、ボルト127、ナットまたはその他の固定手段が枠構造の側壁108と110を、上記の実施形態のバヨネットマウントではなく、取付部材126の中に固定する。好ましい実施形態において、固定手段は、セルフロッキングナットとともに使用される90°回転ロッキングネジである。
【0018】
次に、便器アセンブリ104の詳細を説明する。図1−図8に示されるように、便器アセンブリ104は、ベースアセンブリ102に着脱自在に取り付けられる。便器アセンブリ104は洗浄アセンブリ170に取り付けられ、これは図16においてより詳細に示されているほか、2008年10月3日出願の”Rinse Valve for Vacuum Waste System”と題する本願と同時係属中の米国仮特許出願第61/102,653号に詳細に記載されており、同出願の内容全体を引用によって本願に援用する。図18−図25においてより詳しく示されているように、便器アセンブリ104は、周縁174を有する便器172を備える。開口部176が便器の中に位置付けられ、洗浄アセンブリ170の洗浄水排出口178を収容しており、これは当業者により理解されるとおりである。図21においてより詳しく示されているように、便器アセンブリは取付部180を備え、ここに洗浄アセンブリ170の洗浄バルブを取り付けることができる。
【0019】
図18−図25にさらに示されているように、便器アセンブリ104は、前述の洗浄バルブと真空力生成アセンブリ125の制御に応じて便器172を排水する排水管182を備える。特に、たとえば図3と図4に示されているように、排水管182は、たとえば図17に示されている洗浄バルブアセンブリ125の洗浄バルブポートの中へと斜めに入る。便器アセンブリ104はまた、便器アセンブリ104をベースアセンブリ102に固定するための固定手段を収容するスロットまたは開口部186と188を有するフロントプレート184を備え、これについては詳しく後述する。便器アセンブリ104は取付アセンブリ190をさらに備え、これは、たとえば、便器172と一体の下方延長部材とすることができる。取付アセンブリ190は、図のように、便器172の外面から下方に延びる複数の支柱192を備える。支柱192は、この例のように中空とすることも、中実とすることもできる。さらに、各支柱192は、支柱192の底から所定の距離に位置付けられるギャップ194を備える。
【0020】
次に、便器アセンブリ104をベースアセンブリ102に着脱自在に取り付ける方法の一例を、図29−図32を参照しながら説明する。たとえば図17と図29−図32に詳細に示されているように、ベースアセンブリ102の枠構造106の側壁108と110は、それぞれ垂直延長壁196と198を備える。垂直延長壁196と198の各々は、垂直延長壁196と198の外面と内面から、垂直延長壁196と198の内面と外面に対して90°または約90°で延びる、それぞれ複数の垂直延長部材200と202を備える。また、垂直延長壁196と198はそれぞれ、垂直延長壁196と198の外面および内面から、垂直延長壁196と198の内面と外面に対して90°または約90°で延びる、それぞれ複数の水平延長部材204と206を備える。それによって、空間208と210が水平延長部材204と206の間に形成され、これは、たとえば図17、図29、図31と図32に詳細に示されている。
【0021】
便器アセンブリ104をベースアセンブリ102に取り付けるためには、便器アセンブリ104を、たとえば図29と図30に示されるように、支柱192が水平延長部材204と206の間の空間208と210の中に位置付けられ、支柱192の底が側壁108と110の上に載り、これによって支持される場所に設置される。すると、便器アセンブリ104は、図30に示される矢印Aの方向に移動して、それぞれの水平延長部材204または206が、図31と図32に示されているように、それぞれの支柱192の中のそれぞれのギャップ194(図29)の中に収容されるようにすることができる。それによって、水平延長部材204と206は支柱192と嵌合し、便器アセンブリ104がベースアセンブリ102から縦方向に持ち上がって外れることが防止される。さらに、垂直延長壁196と198は便器アセンブリ102の取付アセンブリ190と接触して、それによって便器アセンブリ102が左右に移動するのを防止することができる。
【0022】
さらに、図29に示されるように、それぞれのボルト212は、フロントプレート184のスロットまたは開口部186と188の各々と、枠アセンブリ106の側壁108と110の各々の前のそれぞれの開口部214を通過することができる。すると、それぞれのナット216は、セルフロッキングナット等とすることができ、これをボルト212の各々に取り付け、それによって便器アセンブリ104をベースアセンブリ102に固定することができる。特に注目すべき点として、ボルト212とナット216のアセンブリは、それによって、便器アセンブリ104をベースアセンブリ102に固定し、便器アセンブリ104をベースアセンブリ102から取り外すのに工具を必要とする。すなわち、ボルト212の頭部は、ボルト212をそのそれぞれのナット216から外すのに使用される平頭もしくはプラスネジドライバ、アレンボルト用レンチもしくは六角レンチ、または特注の工具を受けるように構成することができる。ボルト212を外している時に、ナット216を支えるためにもレンチを使用する必要があるかもしれない。それによって、ボルト212とナット216のアセンブリにより、便器アセンブリ104はベースアセンブリ102から素手では外せず、むしろ、ある種の工具の使用が必要となる。
【0023】
便器アセンブリ104をベースアセンブリ102から外すには、適当な工具または工具の組み合わせを使って、ボルト212を外す。ボルトが外されると、便器アセンブリ104は、図30の矢印Bの方向に移動させ、最終的に支柱192が各々空間208または210のそれぞれの1つの中に入るようにすることができる。この時点で、支柱192は水平延長部材204と206に係合していなくなり、それによって、便器アセンブリ104を持ち上げて、ベース102から外すことができる。
【0024】
本明細書で引用したすべての参考文献は、出版物、特許出願および特許を含め、各々の文献が個々に、明確に、引用によって本願に援用されると明記され、その全文が本明細書に記載された場合と同様に、ここに、引用によって援用される。
【0025】
本発明の説明文の中の冠詞(“a”と“an”および“the”)ならびに同様の用語の使用は、本明細書に別段の記載がないかぎり、あるいは文脈上、明確にこれに反しないかぎり、単数形と複数形の両方を含む。本明細書における数値の範囲の引用は、本明細書中に別段の記載がないかぎり、当該の範囲内に含まれる個々の数値を個別に挙げるための簡潔な方法としての役割を果たすものであり、各個別の数値は、それが本明細書中に個別に引用されたかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書で説明したすべての方法は、本明細書に別段の記載がないかぎり、または文脈上、明確にこれに反しないかぎり、適当であればどのような順序でも実行できる。いずれかの、およびすべての例、あるいは本明細書で使われる例示的な文言(たとえば、「等」)は、本発明をよりよく説明しようとしているにすぎず、別段の請求がないかぎり、本発明の範囲に制限を設定するものではない。本明細書中のいかなる文言も、請求されていない要素を、本発明の実施に不可欠であることを示していると解釈されるべきではない。
【0026】
本明細書では、本発明の好ましい実施形態を、本発明実行するために本発明者が知る最良の態様を含めて説明した。理解すべき点として、説明した実施形態は例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空廃棄アセンブリであって、
少なくとも1つの側壁であり、前記側壁の上面から延びる垂直延長壁を有する側壁を備えるベースアセンブリであって、前記垂直延長壁は、そこから延びる複数の水平延長部材を有し、前記水平延長部材は、前記水平延長部材の間にそれぞれの空間が形成されるベースアセンブリと、
便器と、そこから延びる複数の下方延長部材とを有する便器アセンブリであって、前記下方延長部材の各々はその中にギャップを有し、前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに取り付けられるとき、前記水平延長部材のそれぞれの1つはそれぞれの前記ギャップの中に収容されるようになっており、それによって前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに着脱自在に固定される便器アセンブリと、
を備える真空廃棄アセンブリ。
【請求項2】
前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに着脱自在に固定されたとき、前記下方延長部材の各々のそれぞれの底が前記側壁の表面と接触し、前記側壁が前記便器アセンブリを支持するようになっている、請求項1に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項3】
前記ベースアセンブリは前記側壁を複数備え、各々がそのそれぞれの上面から延びるそれぞれの前記垂直延長壁を有し、前記垂直延長壁は、そこから延びる前記水平延長部材を複数有し、前記水平延長部材は、前記それぞれの空間が前記水平延長部材の間に形成されるように位置づけられており、
前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに取り付けられるとき、前記垂直延長壁の各々から延びる前記水平延長部材のそれぞれの1つは、それぞれの前記ギャップの中に収容され、それによって前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに着脱自在に固定される、請求項1に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項4】
工具によって操作され、前記便器アセンブリを前記ベースアセンブリにさらに確実に固定する固定部材をさらに備える、請求項1に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項5】
前記真空廃棄アセンブリを輸送機材に取り付けるための取付部材をさらに備える、請求項1に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項6】
前記取付部材は、前記ベースアセンブリが着脱自在に連結される取付部を備える、請求項5に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項7】
前記ベースアセンブリは、前記取付部の陥凹部と嵌合する取付用延長部をさらに備える、請求項6に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項8】
前記ベースアセンブリは、前記取付部と嵌合するバヨネットマウントをさらに備える、請求項6に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項9】
前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに取り付けられるとき、前記便器アセンブリは前記ベースアセンブリに対してスライドされ、前記水平延長部材の前記それぞれの1つが前記それぞれの前記ギャップとスライド自在に係合し、それによって前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに着脱自在に固定される、請求項1に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項10】
前記垂直延長壁は、前記水平延長部材に関連付けられた複数の垂直延長部材をさらに備え、前記垂直延長部材は、前記下方延長部材が前記側壁の前記上面に接触したときに、前記便器アセンブリが前記側壁の表面に沿ってスライドできる量を制限する、請求項1に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項11】
真空廃棄アセンブリを使用する方法であって、
少なくとも1つの側壁であり、前記側壁の上面から延びる垂直延長壁を有する側壁を備えるベースアセンブリであって、前記垂直延長壁は、そこから延びる複数の水平延長部材を有し、前記水平延長部材は、前記水平延長部材の間にそれぞれの空間が形成されるように位置づけられている、ベースアセンブリを提供するステップと、
便器と、そこから延びる複数の下方延長部材とを有する便器アセンブリであって、前記下方延長部材の各々はその中にギャップを有する便器アセンブリを提供するステップと、
前記便器アセンブリを、前記水平延長部材のそれぞれの1つがそれぞれの前記ギャップに収容され、それによって前記便器アセンブリを前記ベースアセンブリに着脱自在に固定されるように位置づけることにより、前記便器アセンブリを前記ベースアセンブリに取り付けるステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに着脱自在に固定されたとき、前記下方延長部材の各々のそれぞれの底が前記側壁の表面と接触し、前記側壁が前記便器アセンブリを支持するようになっている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ベースアセンブリは前記側壁を複数備え、各々がそのそれぞれの上面から延びるそれぞれの前記垂直延長壁を有し、前記垂直延長壁は、そこから延びる前記水平延長部材を複数有し、前記水平延長部材は、前記それぞれの空間が前記水平延長部材の間に形成されるように位置づけられており、
前記取付ステップは、前記便器アセンブリを、前記垂直延長壁の各々から延びる前記水平延長部材のそれぞれの1つが、それぞれの前記ギャップの中に収容され、それによって前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに着脱自在に固定されるように位置づけるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
工具を使って、固定部材を前記ベースアセンブリと前記便器アセンブリに結合し、前記便器アセンブリを前記ベースアセンブリにさらに確実に固定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記真空廃棄アセンブリを輸送機材に取り付けるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ベースアセンブリは取付用延長部をさらに備え、
前記方法は、前記取付用延長部を、前記輸送機材に取り付けられる取付部の陥凹部と嵌合させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ベースアセンブリはバヨネットマウントをさらに備え、
前記方法は、前記バヨネットマウントを操作して、前記輸送機材に取り付けられた取付部と嵌合させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記取付ステップは、前記便器アセンブリを前記ベースアセンブリに対してスライドさせ、前記水平延長部材の前記それぞれの1つが前記それぞれの前記ギャップとスライド自在に係合し、それによって前記便器アセンブリが前記ベースアセンブリに着脱自在に固定されるようにするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記便器アセンブリを前記ベースアセンブリに対してスライドさせ、前記水平延長部材の前記それぞれの1つが前記それぞれの前記ギャップからスライドして外れるようにし、その後、前記便器アセンブリを前記ベースアセンブリから遠ざかるように略垂直方向に持ち上げることによって、前記便器アセンブリを前記ベースアセンブリから外すステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記垂直延長壁は、前記水平延長部材に関連付けられた複数の垂直延長部材をさらに備え、前記垂直延長部材は、前記下方延長部材が前記側壁の前記上面に接触したときに、前記便器アセンブリが前記側壁の表面に沿ってスライドできる量を制限する、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
真空廃棄アセンブリであって、
輸送機材に固定され、少なくとも1つの取付領域を有するベースプレートと、
ベースアセンブリであって、前記ベースアセンブリを前記ベースプレートに着脱自在に結合する固定手段を有するベースアセンブリと、
を備える真空廃棄アセンブリ。
【請求項22】
前記固定手段は、前記取付領域と嵌合するバヨネットマウントである、請求項21に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項23】
前記ベースプレートは、その中に少なくとも1つの陥凹部をさらに備え、
前記ベースアセンブリは、前記ベースアセンブリが前記ベースプレートに着脱自在に結合されたときに、前記陥凹部と嵌合する取付用延長部をさらに備える、請求項22に記載の真空廃棄アセンブリ。
【請求項24】
前記固定手段は、セルフロッキング機能とともに使用される90°回転ロッキングネジである、請求項21に記載の真空廃棄アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2012−504720(P2012−504720A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530116(P2011−530116)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/058145
【国際公開番号】WO2010/039567
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(500413696)ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド (20)
【Fターム(参考)】