説明

真空用ゲート弁

【課題】ゲート開口部を大型化しなければならないであっても、少ない部品点数でその構造をコンパクトにできる真空用ゲート弁を提供すること。
【解決手段】ツーアクションタイプのゲート弁であって、
弁体24は、ゲート開口部側方の離反位置および前記ゲート開口部と対面する対面位置との間の水平方向の移動のみを行なうサポートプレート82と、サポートプレート82と一体になって水平方向の移動を行った後、対面位置からゲート開口部26を気密に封止する封止位置までの垂直方向の移動を行なうシールプレート84と、を備え、サポートプレート82とシールプレート84との対向しあう内側面には、圧縮空気が供給された場合にシールプレート84をサポートプレート82から離反させるシール用膨張部材42a、42bならびに圧縮空気が供給された場合にシールプレート84をサポートプレート82に接近させるシール解除用膨張部材43a、43bがそれぞれ配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体製造装置等において、真空室と外部雰囲気との間、または真空室相互間に設けられる真空用ゲート弁に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェハなどの半導体製造、薄膜製造、液晶製造などにおいては、クリーンな環境下、高い真空中でスパッタリング、プラズマエッチングなどのデバイスの成膜処理が行われている。
【0003】
これらの製造装置において、例えば、真空室と外部雰囲気との間、または真空室相互間で、各チャンバ間を開放または閉止するために、真空用ゲート弁が使用されている。このような真空用ゲート弁は、ワンアクションタイプとツーアクションタイプとに大別することができる。
【0004】
ワンアクションタイプの真空用ゲート弁は、弁体が直線的に移動する単一の移動によりゲート開口部を封止する構造を備えたもので、ツーアクションタイプのゲート弁は、弁体が直線的に移動した後に、この動きと直交する方向に移動方向を変えることにより、ゲート開口部を封止する構造を備えている。
【0005】
一方、ツーアクションタイプのゲート弁として、ピストンシリンダ装置などの駆動装置により弁体を直線的に移動させた後に、例えば、インフラートシールのような膨張部材を膨張させることにより、これと直交する方向に弁板を移動させるようにした機構が本出願人により提案されている(例えば特許文献1)。
【0006】
図7は、特許文献1に採用されたツーアクションタイプの真空用ゲート弁を示したものである。
この真空用ゲート弁10では、図示しないピストンシリンダ装置などにより、図の左右方向に移動する略平板状の弁体14の一方の主面にOリング60が、他方の主面に圧縮空気の導入により内部空間が膨張するインフラートシール部材56(膨張部材56)が、それぞれ介装されている。Oリング60の配設域外方には、このOリング60と弁箱本体12の一方の側壁12bとの密着を解除するためにシール解除部材58が配置され、このシール解除部材58もインフラートシール部材56と略同様の構造を有している。
【0007】
そして、弁体14が図7における左方から矢印で示したように直線方向に移動して、第1の部屋11と第2の部屋13との間を遮る位置(対面位置)に到達した後に、インフラートシール部材56に圧縮空気を導入することにより、インフラートシール部材56の内部空間が膨張され、これにより弁体14が図7の上方、すなわち、弁箱本体12の一方の側面12b側に向かって移動する。これにより、例えば、断面円形のOリング60が弁箱本体12の一方の側壁12bに当接する。この当接状態は、インフラートシール部材56内に導入された圧縮空気の圧力により維持される。したがって、Oリング60によるシール機能によって第1の部屋11と第2の部屋13との間が封止される。
【0008】
一方、第1の部屋11と第2の部屋13との間の封止を解除するには、Oリング60を一方の側壁12bに圧接させた状態から、Oリング60と同じ側に設けたシール解除部材58内に圧縮空気を導入し、これと当時に、反対側のインフラートシール部材56から圧縮空気を吸引する。すると、シール解除部材58内が膨張するとともにインフラートシール部材56が収縮し、シール解除部材58が側壁12bを押圧することにより、Oリング
60が側壁12bから離反し、これにより、Oリング60による封止が解除される。このとき、弁体14は弁箱本体12の一方の側壁12bと他方の側壁12aとの間の中立位置に移動する。
【0009】
この状態から図示しないピストンシリンダ装置により弁体14を、図の左方すなわち矢印方向と反対方向に直線的に移動させれば、第1の部屋11と第2の部屋13間、すなわち弁箱本体12の側壁12a、12b間のゲート開口部を完全に開とすることができる。
【0010】
このように、本出願人は、図7に示したように、弁体14を弁箱本体12の側壁12a、12b間の連通路に沿って移動させ、第1の部屋11と第2の部屋13との間を遮る対面位置に来た弁体14に対して、ゲート開口部のシール座面12bに当接するようにインフラートシール部材56をアクチュエータとして機能させ、これにより弁体14を駆動させてシールするツーアクションタイプの真空用ゲート弁を開発した。
【0011】
また、特許文献1ではこの他にも、図8に示した真空用ゲート弁100が開示されている。すなわち、図8に示した真空用ゲート弁100では、開口16a,16b間を閉塞するために、第1の弁体72を中央に、その片側に第2の弁体74を、他方側に反力板78を備えた第3の弁体76をそれぞれ配置し、互いに対面しあう弁体部材間に膨張機能を備えた3つのインフラートシール部材90,92,94を設けている。このように特許文献1には、図7に示した1つの板体14を使用したものと、図8に示した3つの弁体72,74,76を使用したものとの2種類が開示されている。
【特許文献1】特開2005−163899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、近年ウェハなどの被処理体が大型化され、これに伴って、ゲート開口部も次第に大径化されている。しかしながら、この大径化されたゲート開口部に使用される真空用ゲート弁は、コンパクトな構造のものが要求される。
【0013】
しかしながら、図7に示した真空用ゲート弁10の構造では、インフラートシール部材56をゲート開口部の幅Hよりも外方域に配置する必要があるため、弁体14を全体的に大きく設定しなければならず、ひいては弁箱本体12を大きく設定しなければならない。
【0014】
また、図8に示した真空用ゲート弁100では、3つの弁体部材72,74,76を3つの膨張部材90,92,94を利用して移動させる構造であるため、部品点数が多くなるとともに厚さ方向にかなりのスペースが必要で、コンパクト化の達成が困難であるという問題があった。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑み、ゲート開口部を大型化しなければならないであっても、少ない部品点数でその構造をコンパクトにできる真空用ゲート弁を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係る真空用ゲート弁は、
弁箱の側方に配置された弁体がゲート開口部に側方から接近するように水平方向の移動を行なった後、前記弁体が前記ゲート開口部に密着するまでの垂直方向の移動を行なって前記ゲート開口部を封止するツーアクションタイプのゲート弁であって、
前記弁体は、前記ゲート開口部側方の離反位置および前記ゲート開口部と対面する対面位置との間の水平方向の移動のみを行なうサポートプレートと、
前記サポートプレートと一体になって水平方向の移動を行った後、前記対面位置から前
記ゲート開口部を封止する封止位置までの垂直方向の移動を行なうシールプレートと、を備え、
前記サポートプレートと前記シールプレートとの対向しあう内側面には、前記シールプレートを前記サポートプレートから離反させるシール用膨張部材、ならびに前記シールプレートを前記サポートプレートに接近させるシール解除用膨張部材がそれぞれ配置されていることを特徴としている。
【0017】
係る構成による本発明によれば、弁体が2枚の板体で構成されるともに膨張部材も2種類で良いので、厚さが小さくて部品点数も少なくて良い。また、膨張部材は、2枚の板体の間に配置できるので、弁体を必要以上に大きくする必要がない。したがって、本発明によれば、厚さを薄くすることができ、コンパクト化が達成される。
【0018】
さらに、本発明では、前記シール用膨張部材は、前記シールプレートの内側面に一体的に取り付けられ、このシール用膨張部材内に圧縮空気が導入された場合に、前記シールプレートが前記サポートプレートから離反する方向に移動されるとともに、
前記シール解除用膨張部材は、前記シールプレートの内側面と前記サポートプレートの内側面との一部の面同士が鎖状にリンクした小部屋内に収容されており、この小部屋内に収容された前記シール解除用膨張部材が膨張されたときに、互いにリンクした一部の面同士が離反する方向に移動して、これにより前記シールプレートと前記サポートプレートとが互いに接近する方向に移動されることが好ましい。
【0019】
このような構成であれば、鎖状にリンクした小部屋内に膨張部材を収容することにより、シールプレートとサポートプレートとを接近させる方向に移動させることができる。
さらに、本発明では、前記シールプレートと前記ゲート開口部とが当接したときに、前記ゲート開口部を封止するシール部材が介在され、
前記サポートプレートと前記シールプレートとの間には、面同士を接近あるいは離反させるための案内機構が介在されていることが好ましい。
【0020】
このような構成であれば、シールプレートの移動が案内機構で確実に案内されるので、所定の作動を安定して行なわすことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シールプレートとサポートプレートとの2つの板材により弁体が構成されているので、厚さ方向の寸法を小さくすることができ、また、膨張部材は2種類設置すれば良い。したがって、弁体の設置スペースを小さくすることができるとともに、部品点数を少なくすることができる。
【0022】
したがって、コンパクトな構造の真空ゲート弁を提供することができる。
また、シールプレートとサポートプレートとの間に案内機構が介在されていれば、シールプレートの移動を安定して行なわせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る真空用ゲート弁の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る真空用ゲート弁を示したもので、図2は、図1のA−A線方向の断面図で、図3は、図1の下面側から見た概略断面図で、図4は、図1の上面側から見た概略断面図である。
【0024】
この真空用ゲート弁20は、略矩形状の弁箱22を有しているとともに、弁箱22の内部に2枚の板体からなる弁体24が収容されている。また、弁箱22の図1における右方には、弁体24が移動した場合に、弁体24の収容部として機能する弁体ケース25が付
設されている。
【0025】
弁箱22には、互いに対向する二側壁22a、22b間に貫通して略矩形状のゲート開口部26が形成され、弁体ケース25は、弁箱22側の一端面を除く他の面は閉塞されている。なお、図1〜図4の状態では、弁体24が、弁体ケース25から左方向に水平移動して、弁体24がゲート開口部26を遮る位置、すなわちゲート開口部26に対する対面位置に到達した状態を示している。
【0026】
なお、本明細書では、図1において、弁体24の左右方向の移動を「水平方向の移動」とし、図1の紙面に対して直角な方向の移動を「垂直方向の移動」として説明するが、これは説明の都合上便宜的に用いたもので、ゲート弁の配設向きなどを限定したものではない。
【0027】
弁体24は、弁箱22内を水平移動するように構成され、図1に示したように、弁箱22の上部側方には、弁体24を水平方向に移動させるための駆動手段として、ピストンシリンダ装置18が設置されている。そして、このピストンシリンダ装置18のピストンロッド32にフランジ部材34が取り付けられている。なお、図1の断面では、このフランジ部材34とサポートプレート82とは離反しているが、実際には一体的に取り付けられている。
【0028】
一方、弁箱22の下方端部には、水平方向にガイドレール36が設けられている。そして、このガイドレール36にサポートプレート82の下端部が、摺動案内部材38,38を介して摺動自在に取り付けられている。サポートプレート82には、上記摺動案内部材38が取り付けられるので、シールプレート84より若干大きく形成されている。また、サポートプレート82は、ガイドレール36に沿って水平方向の移動のみが可能であり、図1の紙面に対する垂直方向へは移動することができない。
【0029】
このような真空用ゲート弁20では、ピストンシリンダ装置18のピストンロッド32の伸縮動作によりフランジ部材34が水平方向に移動されると、サポートプレート82と、シールプレート84との2つの板体から構成されている弁体24が常に一体に水平方向に移動する。
【0030】
なお、ピストンシリンダ装置18に代えて、電動モータ、ステッピングモータなど公知の駆動機構を採用することもできる。
シールプレート84の外周域には、Oリングからなるシール部材40が介在されており、このシール部材40がシールプレート84の移動によって、弁箱22の側壁22bに圧接されることにより、ゲート開口部26が封止される。
【0031】
ここでは、シールプレート84にシール部材40を設ける一例を説明したが、シールプレート84と弁箱22とが当接したときにゲート開口部を封止するためのシール部材40が介在していればよく、シール部材40はゲート開口部26を囲むように弁箱22の側壁22bに設けられていてもよい。
【0032】
なお、シール部材40の材質としては、フッ素系エラストマー、パーフルオロ系エラストマー、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三次元共重合体)などがあげられるが、パーティクルの発生が少なく、耐熱性などを考慮すれば、フッ素系エラストマーが好適である。
【0033】
サポートプレート82とシールプレート84との間には、圧縮空気により膨張するシール用膨張部材42a,42bと、シール解除用膨張部材43a、43bとが設置されてい
る。
【0034】
シール用膨張部材42a、42bは、図1において、弁体24の左右両端部に上下方向に配置され、シール解除用膨張部材43a、43bは、弁体24の上下両端部に水平方向に配置されている。
【0035】
そして、シール用膨張部材42a、42bには、チューブ77を介して圧縮空気が導入され、シール解除用膨張部材43a,43bには、チューブ79を介して圧縮空気が導入される。
【0036】
これらの膨張部材42a,42b,43a,43bは、略同一の構造を有している。すなわち、図5に示したように、例えば、シール用膨張部材42a、42bは、中空状の本体部56と、この本体部56を支持する基底部58とから構成されている。そして、この基底部58が、図7に示した場合と同様に、係止片を備えた取付部材61および螺子部材65などによってサポートプレート82側に取り付けられている。
【0037】
このようなシール用膨張部材42a、42bおよびシール解除用膨張部材43a、43bは、例えば、EPDM、フッ素ゴム等から形成されたものが使用可能である。しかしながら、経時により放出されるガス量の少ない材質を使用することが望ましい。
【0038】
シール解除用膨張部材43a、43bは、図6に拡大して示したように、サポートプレート82とシールプレート84との間の空間87内に介在されている。
すなわち、サポートプレート82には、図1に示したように、上下両側部に略矩形状の窓82a、82bが形成され、これらの窓82a、82b内にシールプレート84側から突出された解除プレート片84aが臨むように設置されている。また、この解除プレート片84aの空間87内には、ネジ部材89によりサポートプレート82に一体に取り付けられた固定用プレート片82cが配置されている。よって、空間87はシール解除用膨張部材43a、43bの膨張および収縮に伴って拡開あるいは縮小される。
【0039】
一方、この空間87において、シール解除用膨張部材43a、43bが膨張すれば、シールプレート84とサポートプレート82との間は接近することになる。すなわち、シール解除用膨張部材43a、43bに圧縮空気を導入すれば、シールプレート84がサポートプレート82側に接近する方向に移動し、これによりゲート開口部26が開となる。
【0040】
なお、この実施例では、上下に一個ずつのシール解除用膨張部材43a、43bが配置され、左右に一個ずつのシール膨張用部材42a、42bが配置されているが、これらの位置を逆に配置することも可能である。
【0041】
また、この実施例では、シール膨張用部材42a、42bおよびシール解除用膨張部材43a、43bがサポートプレート82側に固定されているが、シールプレート84側に固定することも可能である。
【0042】
このようなシール膨張用部材42a、42bおよびシール解除用膨張部材43a、43bは、例えば、EPDM、フッ素ゴム等から形成されたものが使用可能である。しかしながら、経時により放出されるガス量の少ない材質を使用することが望ましい。
【0043】
さらに、図1および図3に示したように、サポートプレート82とシールプレート84との間に案内機構Gが介在され、この案内機構Gによりシールプレート84がサポートプレート82に対して垂直方向に案内される。
【0044】
本実施例による真空用ゲート弁20は、上記のように構成されているが、以下に作用について説明する。
先ず、弁開から弁閉に至る動作について説明する。
【0045】
今、ゲート開口部26が開放した状態にある。すなわち、弁体24が弁体ケース25内の仮想線の位置にある。この位置を弁体24の離反位置とする。一方、図1に実線で示したように、弁体24がゲート開口部26を遮る位置にあるとき、弁体24の対面位置とする。
【0046】
弁開から閉弁にするには、図1に示したピストンシリンダ装置18を作動することによって、離反位置(図の右方)にある弁体24をガイドレール36に沿って同図の左方まで直線的に移動させる。このとき、弁体24を構成するサポートプレート82とシールプレート84とは一体的に水平方向に移動する。
【0047】
こうしてサポートプレート82とシールプレート84とが一体となって左方向に移動し、2枚で一対の弁体24が図1に実線で示した対面位置に到達する。その後、図示しない圧縮空気供給源に接続されたチューブ77を介して、シール用膨張部材42a、42bに圧縮空気を供給する。これにより、このシール用膨張部材42a、42bの中空状の本体部56が膨張される。
【0048】
すると、膨張したシール用膨張部材42a、42bの本体部56が、図5に示したように、シールプレート84の内壁を押圧することによって、シールプレート84は、サポートプレート82から離反する方向に移動する。すなわち、弁箱本体22の他方の側壁22b側に移動することになる。
【0049】
このように、シールプレート84がサポートプレート82から離反して、このシールプレート84のみが垂直方向の移動を行い。シールプレート84が所定距離移動すると、シール部材40が側壁22bに押し付けられる。これにより、Oリング40により、弁箱22のゲート開口部26が封止されることにより、第2の部屋30と第1の部屋28との間が封止される。
【0050】
次に、弁閉から弁開に至る動作について説明する。
今、ゲート開口部26がシールプレート84により封止された状態にある。
このように、ゲート開口部26が封止された状態からシール部材40による封止を解除する場合には、先ず、チューブ79を介してシール解除用膨張部材43a、43baに圧縮空気を導入するとともにシール用膨張部材42a、42bから圧縮空気を吸引または脱気すればよい。このように、シール解除用膨張部材43a、43bの圧力をシール用膨張部材42a、42bに対して相対的に大きくすれば、シールプレート84を、サポートプレート82側に向かって引き戻すことができる。すなわち、図2において説明すれば、シールプレート84を左方向に移動させることができる。これにより、ゲート開口部26が完全に開となる。
【0051】
以後、ピストンシリンダ装置18の駆動により、サポートプレート82とシールプレート84とからなる弁体24を、図1において右方向への移動を行なわせて弁体24を弁体ケース25内に収容する。
【0052】
本実施例による真空用ゲート弁10では、このようなサイクルが繰り返されて、開から閉、閉から開とすることができる。
このように、本実施例では、弁体24がサポートプレート82とシールプレート84の2枚の板材から構成され、かつ膨張部材も2種類あれば良い。また、膨張部材の設置場所
は、図7に示したゲート開口部の幅Hよりも狭い範囲に設置することができる。これにより、コンパクトな構造にすることができる。また、部品点数が少なくて良い。
【0053】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る真空用ゲート弁の概略正面図である。
【図2】図2は図1におけるA−A線方向の概略断面図である。
【図3】図3は図1におけるB−B線方向の概略断面図である。
【図4】図4は図1を上面側から見たときの概略上面図である。
【図5】図5は図3の一部を拡大して示した断面図である。
【図6】図6は図2の一部を拡大して示した断面図である。
【図7】図7は特開平2005−163899号公報に開示されている真空用ゲート弁の部分断面図である。
【図8】図8は同じく特開平2005−163899号公報に開示されている他の真空用ゲート弁の部分断面図である。
【符号の説明】
【0055】
18 ピストンシリンダ装置
20 真空用ゲート弁
22 弁箱
24 弁体
26 ゲート開口部
28 第1の部屋
30 第2の部屋
36 ガイドレール
40 シール部材
42a,42b シール用膨張部材
43a、43b シール解除用膨張部材
82 サポートプレート
84 シールプレート
G 案内機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁箱の側方に配置された弁体がゲート開口部に側方から接近するように水平方向の移動を行なった後、前記弁体が前記ゲート開口部に密着するまでの垂直方向の移動を行なって前記ゲート開口部を封止するツーアクションタイプのゲート弁であって、
前記弁体は、前記ゲート開口部側方の離反位置および前記ゲート開口部と対面する対面位置との間の水平方向の移動のみを行なうサポートプレートと、
前記サポートプレートと一体になって水平方向の移動を行った後、前記対面位置から前記ゲート開口部を封止する封止位置までの垂直方向の移動を行なうシールプレートと、を備え、
前記サポートプレートと前記シールプレートとの対向しあう内側面には、前記シールプレートを前記サポートプレートから離反させるシール用膨張部材、ならびに前記シールプレートを前記サポートプレートに接近させるシール解除用膨張部材がそれぞれ配置されていることを特徴とする真空用ゲート弁。
【請求項2】
前記シール用膨張部材は、前記シールプレートの内側面に一体的に取り付けられ、このシール用膨張部材内に圧縮空気が導入された場合に、前記シールプレートが前記サポートプレートから離反する方向に移動されるとともに、
前記シール解除用膨張部材は、前記シールプレートの内側面と前記サポートプレートの内側面との一部の面同士が鎖状にリンクした部屋内に収容されており、この部屋内に収容された前記シール解除用膨張部材が膨張されたときに、互いにリンクした一部の面同士が離反する方向に移動して、これにより前記シールプレートと前記サポートプレートとが互いに接近する方向に移動されることを特徴とする請求項1に記載の真空用ゲート弁。
【請求項3】
前記シールプレートと前記ゲート開口部とが当接したときに、前記ゲート開口部を封止するシール部材が介在され、
前記サポートプレートと前記シールプレートとの間には、面同士を接近あるいは離反させるための案内機構が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の真空用ゲート弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−170437(P2007−170437A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365248(P2005−365248)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000229564)日本バルカー工業株式会社 (145)
【Fターム(参考)】