説明

真菌の形質転換のためのプラスミドベクター、pCryptoRNAi

【課題】RNAi技法に用いられる病原性真菌の分子的研究を可能にするようなベクターを提供する。
【解決手段】真菌での第1のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第1のプロモーターに作動可能に連結する第1のシグナルタンパク質配列と、第2のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第2のプロモーターに作動可能に連結する第2のシグナルタンパク質配列と、第1のシグナルタンパク質配列3’非翻訳領域に位置する目的遺伝子のクローニングサイトとを有するプラスミドであって、目的遺伝子がクローニングサイトに挿入されると、該プラスミドが、第1のシグナルタンパク質と該目的遺伝子の両方をコードするmRNAを転写することができるプラスミドからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的には生物分野及び化学分野に関する。より詳細には、本発明は病原性真菌の研究に使用可能なベクターを対象としている。
【背景技術】
【0002】
病原性真菌におけるRNA干渉(RNAi)の研究に利用することができるベクターはなく、そのようなベクターが求められていた。哺乳類細胞におけるRNAiの研究に利用することができるプラスミドとしてp2FP-RNAiベクター(Evrogen, Moscow, Russia)が市販されている。しかし、病原性真菌において任意の目的遺伝子配列又は目的遺伝子(GOI)を用いるRNAi研究に応じる十分に利用できる汎用性のベクターは開発されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
RNAi技法に用いられる病原性真菌の分子的研究を可能にするようなベクターが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は真菌を形質転換するために開発されたベクターに関する。とりわけ、このベクターは病原性真菌においてRNA干渉を研究するのに利用することができる。1つ又は複数の実施の形態において、ベクターは第1のシグナルタンパク質をコードする第1のシグナルタンパク質遺伝子配列を含有するプラスミドを有することができる。第1のシグナルタンパク質配列は真菌での第1のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第1のプロモーターに作動可能に連結することができる。1つ又は複数の実施の形態において、所望のGOIが第1のシグナルタンパク質で標識されるように、GOIをプラスミド内にクローニングすることができる。例えば、GOIは第1のシグナルタンパク質配列の3'非翻訳領域(3'-UTR)にクローニングすることができる。細胞内に形質転換されると、プラスミドは、GOIの3'-UTR配列を有する第1のシグナルタンパク質のmRNAを産生することができる。1つ又は複数の実施の形態において、GOIを有するプラスミドを真菌にトランスフェクションし、第1のシグナルタンパク質の発現を観察及び/又は測定することができる。
【0005】
1つ又は複数の実施の形態において、プラスミドは第2のシグナルタンパク質遺伝子配列をさらに有することができ、該配列は真菌での第2のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第2のプロモーターに作動可能に連結される。第2のシグナルタンパク質配列は第1のシグナルタンパク質と区別可能なタンパク質をコードすることができる。
【0006】
1つ又は複数の実施の形態において、GOIを有するプラスミドで形質転換する真菌に、GOI配列に特異的な干渉RNA(siRNA)をさらにトランスフェクションすることができる。細胞のRNA依存型誘導サイレンシング複合体(RISC)によってGOIのmRNAを減らすことができ、こうしてクローニングしたGOIと内在性GOIの配列の両方の発現を抑制することができる。1つ又は複数の実施の形態において、クローニングしたGOIのmRNA配列をRISCにより分解することでGOI上流に連結している第1のシグナルタンパク質の翻訳も阻害することができる。
【0007】
1つ又は複数の実施の形態において、クローニングしたGOIのmRNA配列の分解および第1のシグナルタンパク質の翻訳の阻害により、「シャッターのような」効果を生み出すことができ、ここで、発現抑制された細胞は第1のシグナルタンパク質ではなく第2のシグナルタンパク質を発現する。一方、対照プラスミドで形質転換したか又はGOIのsiRNAが欠如した対照細胞は、第1のシグナルタンパク質及び第2のシグナルタンパク質を共に発現することができる。これは特に、基礎発現が低く、通常のノーザン若しくはサザン検出技法では見つけるのが難しい配列、又は明確な表現型の発現には至らないであろう配列において特に重要となり得る。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施の形態は、真菌でのRNA干渉を研究しようとしている科学者にとって有利な新しい道具を提供することができる。本発明の1つ又は複数の実施の形態は、バイオテクノロジー企業に確実な製品を提供することができる。
【0009】
本発明の特徴及び利点を以下の記載において明らかにする。本明細書は図面及び具体的な実施の形態の例を含み、本発明を広義な表現で記載している。本発明の本質及び範囲内にある各種変更と変更形態は本明細書及び本発明の実施により当業者には明らかだろう。本発明の範囲は開示された特定の形態に限定されることは意図されず、本発明は特許請求の範囲によって規定された本発明の本質及び範囲内にある全ての変更形態、均等物、及び代替形態に及ぶものである。
【0010】
添付の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成するものであり、本発明の具体的な実施の形態を明らかにし、そして上記の一般的説明及び具体的な実施の形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】1つ又は複数の実施の形態のベクターにより転写されたmRNA分子を示す図である。
【図2】緑色蛍光タンパク質及び/又は赤色蛍光タンパク質を発現するプラスミドで形質転換されたクリプトコッカス(Cryptococcus)の一連の写真である。
【図3】1つ又は複数の実施の形態のベクターにより転写されたmRNA分子を示す図である。
【図4】1つ又は複数の実施の形態のプラスミドを構築するのに使用するPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動の写真である。
【図5】1つ又は複数の実施の形態のプラスミドを構築するのに使用するPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動の写真である。
【図6】1つ又は複数の実施の形態のプラスミドを構築するのに使用する、制限酵素で消化したプラスミドDNAのアガロースゲル電気泳動の写真である。
【図7】1つ又は複数の実施の形態のプラスミドを構築するのに使用するPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動の写真である。
【図8】本発明の1つ又は複数の実施の形態による、制限酵素で消化したpCryptoRNAiプラスミドDNAのアガロースゲル電気泳動の写真である。
【図9】本発明の1つ又は複数の実施の形態による、pCryptoRNAiプラスミドを示す図である。
【図10】酵母のプリンサルベージ(salvage)及びプリン生合成のde novo経路を示す図である(Stepchenkova et al., BMC Genetics, 2005, 6:31)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面と以下の詳細な説明を参照して、本発明に関する情報を具体的な実施形態の記載を含んで提供し、そして詳細な説明により本発明の原理を説明する。本発明は変更及び代替することができ、開示されている特定の形態に限定されない。本発明は特許請求の範囲によって示された本発明の本質及び範囲内にある全ての変更形態、均等物、及び代替形態に及ぶものである。
【0013】
本発明は、一部では、配列番号1の核酸配列を有する核酸に関し、また、プラスミドにも関し、ここで該プラスミドは、真菌での第1のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第1のプロモーターに作動可能に連結する第1のシグナルタンパク質配列と、真菌での第2のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第2のプロモーターに作動可能に連結する第2のシグナルタンパク質配列と、第1のシグナルタンパク質配列の3'非翻訳領域に位置する目的遺伝子のクローニングサイトとを有し、目的遺伝子がクローニングサイトに挿入されると、第1のシグナルタンパク質と目的遺伝子の両方をコードするmRNAを転写することができる。プラスミドは、配列番号1の核酸配列を有することができる。プラスミドは、クローニングサイトに挿入される目的遺伝子をさらに有することができる。目的遺伝子は、RNA依存型誘導サイレンシング複合体(RISC)を活性化する能力を有する二重鎖RNA配列を含むことができる。本発明はまた、本発明のプラスミドを有する形質転換された真菌に関する。プラスミドは、真菌のゲノムに安定に取り込まれ得る。本発明はまた、本発明の核酸を有するベクターと、真菌を形質転換する方法とに関し、ここで、プラスミドは当該真菌のゲノムに導入される。また、本発明は、本発明のプラスミドで本発明の真菌を形質転換すること、1つ又は複数の第1のシグナルタンパク質と第2のシグナルタンパク質の有無を検出することを含む、真菌のRNA干渉効果の評価方法に関する。1つ又は複数のシグナルタンパク質は、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、オレンジ蛍光タンパク質、又は近赤外蛍光タンパク質であることができる。本発明はまた、真菌細胞組成物と、本発明のプラスミドと、画像装置とを有する、真菌におけるRNA干渉効果を測定するin vivo評価システムに関する。in vivo評価システムでは、真菌はクリプロコッカスを包含することができる。本発明はさらに真菌を形質転換することができるベクターに関する。1つ又は複数の実施形態において、ベクターは、例えば、図9に示したpCryptoRNAiのようなプラスミドを包含することができるがプラスミドに限定されず、プラスミド、ウイルス、ファージ、人工染色体等を包含することができる。
【0014】
図9を参照すると、プラスミドは第1のシグナルタンパク質配列を有することができ、該配列は真菌での第1のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第1のプロモーターに作動可能に連結される。第1のシグナルタンパク質配列は例えば、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、オレンジ蛍光タンパク質、又は近赤外蛍光タンパク質のようなシグナルタンパク質をコードすることができる。第1のシグナルタンパク質配列は「クリプトコッカス化(cryptocosized)」することができる。つまり、例えば、クリプトコッカスネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)等に特有の使用コドン(codon usage)を有するクリプトコッカス内で高度に発現されるように最適化することができる。図9に示すように、クリプトコッカス化されたシグナルタンパク質は緑色蛍光タンパク質を有することができる(Crypto GFP)。いくつかの実施形態においては、シグナルタンパク質は、カイアシ類のポンテリーナプルマータ(Pontellina plumata)よりクローニングした緑色蛍光タンパク質CopGFPの変異体である緑色蛍光タンパク質TurboGFPを有することができる(Shagin et al., "GFP-like proteins as ubiquitous metazoan superfamily: evolution of functional features and structural complexity." Mol. Biol. Evol. 2004; 21(5): 841-50)。1つ又は複数の実施形態において、第1のプロモーターは例えばクリプトコッカスアクチンプロモーター(Pact)を有することができる。
【0015】
1つ又は複数の実施形態において、プラスミドは第2のシグナルタンパク質配列をさらに有することができ、該配列は真菌での第2のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第2のプロモーターに作動可能に連結される。第2のシグナルタンパク質配列は例えば、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、オレンジ蛍光タンパク質、又は近赤外蛍光タンパク質のようなシグナルタンパク質をコードすることができる。第1のシグナルタンパク質と第2のシグナルタンパク質は互いに区別することができる。図9に示すように、第2のシグナルタンパク質配列は、花くらげ目(Anthomedusae jellyfish)の色素タンパク質の変異誘発により得られる赤色蛍光タンパク質JREDをコードすることができる(Shagin et al., "GFP-like proteins as ubiquitous metazoan superfamily: evolution of functional features and structural complexity." Mol. Biol. Evol. 2004; 21(5):841-50)。1つ又は複数の実施形態において、第2のプロモーターは例えばクリプトコッカスアクチンプロモーター(Pact)を有することができる。
【0016】
1つ又は複数の実施形態において、プラスミドは目的遺伝子のクローニングサイトをさらに有することができる。クローニングサイトは、マルチクローニングサイト(MCS)を有することができ、例えば、第1のシグナルタンパク質配列の3'非翻訳領域に位置することができる。1つ又は複数の実施形態において、GOIをクローニングサイトに挿入することができ、ここで、GOIをクローニングサイトに挿入するとプラスミドが第1のシグナルタンパク質とGOIの両方をコードしているmRNAを転写することができる。望ましい目的GOIは、例えば、PCR増幅産物であることができ、制限酵素を使用してクローニングサイトにクローニングすることができる。1つ又は複数の実施形態において、GOIは5'シグナルタンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識することができる。
【0017】
図9を参照すると、1つ又は複数の実施形態において、プラスミドは大腸菌内で増殖するための複製開始点(pUC ori)と一本鎖DNA生成のためのf1開始点(f1)を有することができる。プラスミドはさらに、薬剤耐性、例えば大腸菌のカナマイシン耐性(Kanr)及び/又は哺乳類細胞のネオマイシン耐性(Neor)を与える遺伝子を1つ又は複数含むことができる。シグナルタンパク質のmRNAの翻訳効率を上げるために、プラスミドはコザック(Kozak)コンセンサス翻訳開始部位を有することができ、該部位は第1及び/又は第2のシグナルタンパク質をコードする配列の上流に構築される。
【0018】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、ベクター、例えば、プラスミドは標的RNA配列をCrypto GFPを用いて視覚化することができる。GOIの遺伝子配列をコードするmRNAをCrypto GFPの3'-UTRに挿入することができ、これを細胞に形質転換すると、図1に示すように、目的RNA(ROI)の3'-UTR配列を有するCryptoGFPのmRNAが得られる。
【0019】
1つ又は複数の実施形態において、ROIの発現抑制を、ROI配列を特異的に分解する任意の技法(例えば、siRNA、dsRNA、逆方向RNA(inverted RNA)、miRNA等)を用いて行うことができる。1つ又は複数の実施形態において、全長GFP-ROI mRNAを分解して細胞がGFPを発現しないようにすることができ、それにより緑色の蛍光は観察されなくなる。図2は本発明の1つ又は複数の実施形態によるベクター、又は対照ベクターで形質転換したクリプトコッカス細胞内のGFP及び/又はJREDの発光を表している。pCryptoRNAiで形質転換したクリプトコッカスネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)B4500の血清型Dの単一コロニーを、0.05mg/mlのG418(真核生物のKan/Neo耐性を選択するのに使用するアミノグリコシド系ネオマイシン類似体)を含む15mlのYPG液体培地で一晩培養した。培養したばかりの培養液10μlを滅菌蒸留水で200分の1に希釈し、この希釈液10μlをUV顕微鏡観察に使用した。Olympus BH2 RFL T3バーナを備えたOlympus BX60顕微鏡を用いて、GFPとRFP蛍光によって細胞を視覚化し、Olympus DP11デジタルカメラシステムを用いて写真を撮った。
【0020】
1つ又は複数の実施形態によれば、プラスミドを機能的siRNAの非存在下でクリプトコッカス細胞に形質転換すると、プラスミドはJREDとGFPタンパク質の両方を発現することができる。この場合、GFPの輝度の方がかなり優勢であることがある。クローニングしたGOIを標的としたsiRNAの存在下では、GFPの発現と蛍光、例えば、CryptoGFPは消滅する(knocked down)可能性があるが、JREDの発現は変わらないか若しくは(或る実験系では)翻訳の競合により発現が増す。このように、1つ又は複数の実施形態のベクターでは、バックグラウンドである赤色蛍光に対して緑色の蛍光を光らせたり/消したりすることによって、形質転換した真菌でのRNA干渉を追跡することができる。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、ベクターをRNAi関連の用途に使用することができ、例えば、合成siRNAオリゴヌクレオチドについて真菌でのGOI発現を消滅させる能力を試験することができる。1つ又は複数の実施形態において、ベクター内に目的遺伝子をクローニングすることができ、そのベクターを、例えば、試験したsiRNAと共に真菌内に輸送することができる。図9で例示する実施形態において、第2のシグナルタンパク質(JRED)は、例えば、陽性の形質転換マーカーとして機能し、第1のシグナルタンパク質(CryptoGFP)はsiRNAの効率を示す指標として機能することができる。赤色/緑色蛍光の輝度比が対象実験に比べて増加すれば、siRNAが上手く機能していることを示すことができる。
【0022】
1つ又は複数の実施形態において、ベクターはGFP標識遺伝子の発現抑制(silecing)を可能にする。図3に示すように、GOIのdsRNA配列に相当する遺伝子配列をベクターのクローニングサイトに挿入することができる。したがって、図3の構造をmRNAに転写することができる。この構造により、クローニングしたROI配列のmRNAへのdsRNA干渉を生じさせることができる。dsRNAはRISCを活性化することができ、RISCはROIの相同配列(つまり、内在性ROI)を有するmRNAの分解、およびGFP標識したdsRNAの分解を生じさせることができる。これによって、相同的な内在性ROI配列がない表現型とGFP蛍光がない表現型の2種類の表現型を現わすことができる。このように、GFPを用いてRNA干渉を追跡することができる。
【0023】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、ベクター、例えば、図9に示すpCryptoRNAiプラスミドで真菌を形質転換することができる。真菌は当業者に既知の方法、例えば、逆トランスフェクション、電気穿孔法、遺伝子銃形質転換、ウイルス感染、及び/又はアグロバクテリウムツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)媒介形質転換によって形質転換することができる。いくつかの実施形態では、真菌のゲノムにプラスミドを安定に組み入れることができる。
【0024】
pCryptoRNAiプラスミドの構築
配列番号1の核酸配列を含むpCryptoRNAiプラスミドは次のようにして調製した。Electromaxクローニングキット(Invitrogen Corp., Carlsbad, California)を用いて、プラスミドであるp2FP-RNAi(Evrogen, Moscow, Russia)(配列番号2)を大腸菌DH5α細胞にクローニングし、製造業者の取扱説明書に従って電気穿孔法で形質転換した。細菌のコロニーを10μl/mlのカナマイシンを含むLB培地で一晩増殖させた。プラスミドDNAの単離をアルカリ溶解法を用いて行った(Sambrook, Joseph, Russell, David W., "Protocol 2: Preparation of plasmid DNA by Alkaline Lysis with SDS: Minipreparation", Molecular Cloning: A laboratory Manual, Third edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001, pages 1.35 - 1.37)。次いで、プラスミドDNAをBgl2で消化し、直鎖DNA分子を産生した。Bgl2で消化したプラスミドを、0.02μl/mlのエチジウムブロミド(ethidium bromide)を含有する0.8%のアガロースゲルで電気泳動し、UV-トランスイルミネーター(transiluminator)下で視覚化した。ちょうど5.8kbpに断片が観察された。
【0025】
第1のCMVプロモーター(PCMV IE)を以下のようにして置換した。1μlの直鎖状にしたプラスミドDNAを鋳型として用いた3つのPCR反応を設定した。第1のPCR産物(α-A)はプライマーp13KAN0S01Afl2(5'-GGCTTAAGGCGAGCATGCCCGA-3')(配列番号3)とプライマーp5p2FP0A01(5'-CGCAGCCTAAGGGCGAATTCTATCCACAGAATCAGGGGAT-3')(配列番号4)を用いて増幅し、およそ1589塩基対の産物を得た。このPCR反応で、一塩基変異を導入し共通の制限酵素部位(4301bpにあるSml1)を単一のAfl2制限部位(上記の太字(CTTAAG))に変えた。この一塩基変異で、元のプラスミドのカナマイシン配列におけるシトシン(C)をチミン(T)に変えた。こうして、転写されたカナマイシン耐性タンパク質のアミノ酸配列を変更せずに単一の制限部位を生じさせた。
【0026】
Afl2制限部位は次の理由より導入した。
1. p2FP-RNAiの2つのCMVプロモーター(PCMV IE)をPCR融合により置換するために、プラスミドを半分に切断して、融合したDNA断片が塩基相補性によりずれるのを防ぐ場合がある。その結果、互いに干渉し合う相同性配列を用いない独立反応で2つのCMVプロモーターを、例えば、2つのPactプロモーターに置換することができる。
2. 正しいDNA配列と結合した断片だけがKAN/NEO耐性遺伝子を再構築し(大腸菌では)カナマイシンおよび(クリプトコッカスでは)G418で選択することができる耐性形質型が生じるようにKAN遺伝子を破壊するため。
全長KAN配列はKAN配列にしかない単一の制限部位を欠いているので、Kanタンパク質の機能を変えないように制限部位を導入する必要があった。一塩基を変える(CTG→CTT)ことによってアミノ酸コドン(Leu)は同じだが、制限部位は、プラスミド配列の中で唯一のAfl2に変更することができる。
【0027】
クリプトコッカスアクチンプロモーターをB4500株の血清型DのゲノムDNAより増幅した。B4500血清型Dの接合型α株は、ヤマグチ博士の研究室(日本、千葉大学、真菌医学研究センター、分子機能研究部門)より入手可能である。B4500のDNA抽出は、ガラスビーズミニプレップの手順にいくつかの変更を加えて行った(Sambrook, Joseph, Russell, David W., "Rapid Isolation of Yeast DNA", Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001, page 6.31 - 6.32)。より具体的にはDNA抽出を次のように行った:(1)酸洗浄したガラスビーズ(Sigma-Aldrich, St. Louis, Missouri)を入れた2mlスクリューキャップチューブ内に、DNaseが含まれていない0.1μlのRNaseを含む150μlのDTAB(dodecyltrimethylammonium bromide:ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド)溶解液(8% DTAB、1.5M NaCl、100mM Tris-Cl(pH8.0)、50mM EDTA)を加え、白金耳で1回分の細胞を添加、(2)FastPrep(登録商標)FP100A細胞破壊機(Bio101, Inc., La Jolla, California)で、速さ4.5で30秒間の処理を2回、(3)68℃で20分間インキュベーション、(4)250μlのクロロホルムを添加し混合、(5)13000rpmで10分間遠心分離、(6)上清(100μl)を、(事前に300μlの蒸留水と50μlのCTAB(cetyltrimethylammonium bromoide:セチルトリメチルアンモニウムブロミド;5% CTAB、0.4M NaCl)を添加した)1.5μlの微量遠心管に移し、混合、(7)13000rpmで5分間遠心分離、(8)上清を廃棄し沈殿物を80μlの1.2M NaClに溶解、(9)500μlの氷冷100% エタノールを添加、(10)13000rpm、4℃で15分間遠心分離、(11)上清を廃棄、(12)250μlの70% エタノールを添加し混合、(13)13000rpm、4℃で10分間遠心分離、(14)上清を廃棄、(15)沈殿物を室温で15分間乾燥、(16)50μlのTEバッファー(10mM Tris-Cl pH7.5、1mM EDTA)を添加。
【0028】
クリプトコッカスアクチンプロモーターの増幅は、融合プライマーp1Pact0S02(5'-ATCCCCTGATTCTGTGGATAGAATTCGCCCTTAGGCTGCG-3')(配列番号5)、及びプライマーp2PactOA02(5'-GGCGACCGGTAGCGCTAGCGGTGGCGGCCGCCATAGACAT-3')(配列番号6)を使用して行い、900塩基対の増幅産物(α-B)を産生した。アクチンプロモーターに対応する配列は下線で示している。
【0029】
第3のPCR反応のために、プライマーp6p2FP0S01(5'-ATGTCTATGGCGGCCGCCACCGCTAGCGCTACCGGTCGCC-3')(配列番号7)、及びプライマーp4Bgl20A01(5'-GGGAGATCTTCCGGGATCATTCT-3')(配列番号8)を使用して反応を設定し、757塩基対のフラグメント(α-C)を産生した。
【0030】
1回目の融合増幅反応は全て、KODplusポリメラーゼ(東洋紡バイオロジックス株式会社、大阪、日本)を使用し、94℃で4分間を1サイクル、94℃で1分間、55℃で1分間、及び72℃で5分間を30サイクル、そして最後の伸張段階を72℃で7分間のPCRサイクルで行った。1回目の融合増幅産物(α-A、α-B及びα-C)はアガロースゲル電気泳動で確認した(図4)。
【0031】
増幅産物(α-A、α-B、及びα-C)は、QIAquickゲル抽出キット(Qiagen, Inc., Valencia, California)を用いて、ゲルから精製した。ゲルから精製した増幅産物それぞれ1μlずつを、プライマーp13KAN0S01Afl2とプライマーp4Bgl20A01を用いて、2回目の融合PCR反応で組み合わせ、3206塩基対の融合PCR増幅産物(2α)を作製した。2回目の融合増幅産物はアガロースゲル電気泳動で確認した(図5)。
【0032】
同様に、PCR反応を3回行い、p2FP-RNAi内のマルチクローニングサイト(MCS)の下流にある第2のCMVプロモーター領域(PCMV IE)を、1μlの直鎖状にしたプラスミドを鋳型として用い、融合PCR増幅により置換した。この場合、プライマーp3Bgl20S01(5'-GGGAGATCTCGAGCTCAAGCTTC-3')(配列番号9)、及びプライマーp9P2FP0A01(5'-CGCAGCCTAAGGGCGAATTCCTAACTGACACACATTCCAC-3')(配列番号10)を使用して第1のPCR反応を行い、915塩基対の産物(β-1)を産生した。プライマーp9PFP0A01の下線領域は、アクチンプロモーターの5'領域に対応する。
【0033】
第2のPCR反応においてプライマーp7Pact0S01(5'-GTGGAATGTGTGTCAGTTAGGAATTCGCCCTTAGGCTGCG-3')(配列番号11)、及びプライマーp8Pact0A01(5'-ATAATGGTTTCTTACTAGCGGTGGCGGCCGCCATAGACAT-3')(配列番号12)を使用してアクチンプロモーターをPCR増幅し、900塩基対の産物(β-2)を産生した。
【0034】
第3の融合PCR反応のために、プライマーp10RFP0S01(5'-ATGTCTATGGCGGCCGCCACCGCTAGTAAGAAACCATTAT-3')(配列番号13)、及びプライマーp14KAN0A01Afl2(5'-TCGGGCATGCTGGCCTTAAGCC-3')(配列番号14)を使用し、1516塩基対の産物(β-3)を産生した。
【0035】
増幅産物(β-1、β-2及びβ-3)はアガロースゲル電気泳動で確認した(図4)。プライマーp14KAN0A01Afl2のKanr/Neorオープンリーディングフレーム(ORF)は、転写したタンパク質のアミノ酸配列に影響を与えずにSml1制限部位を唯一のAfl2制限部位に変える相補的変異を有していた。
【0036】
2回目のPCR融合反応で、増幅産物(β-1、β-2及びβ-3)のそれぞれ1μlを鋳型として用い、プライマーp3Bgl20S01とプライマーp14KAN0A01Afl2を用いて増幅を行った。このPCR融合反応は、94℃で1分間を1サイクル、94℃で1分間、60℃で1分間、72℃で5分間を30PCRサイクル、及び72℃で7分間を最後の伸張として行った。3291塩基対の産物(2β)を融合PCR増幅反応より得た。
【0037】
2回目の融合増幅産物はアガロースゲル電気泳動で確認した(図5)。PCR反応は全て、KODplusポリメラーゼ酵素(東洋紡バイオロジックス株式会社、大阪、日本)を使用して行った。2αと2βは、QIAquickゲル精製キット(Qiagen, Inc., Valencia, California)を用いてゲルから精製した。そして、精製した各DNAを2μlずつ使用して、別々の反応で、Topo4-blunt-PCRクローニングベクター(Invitrogen Corp., Carlsbad, California)内にクローニングした。クローニングはTopo4-blunt-PCRクローニングキット(Invitrogen Corp., Carlsbad, California)を用い製造会社の推奨に従って行った。形質転換した大腸菌DH5α細胞を、カナマイシン含有LB培地にて37℃、2〜3日間で選別した。候補のコロニーを、個別のチューブ内で、5μl/mlのカナマイシンを含有する液体LB培地に播種し、37℃で一晩インキュベーションした。プラスミドの単離を、アルカリ溶解法を用いて通常の手順により行った。2つのコロニー(2b1と2a3)から抽出して得られたDNAをBgl2で消化し、期待していたおよそ7000塩基対の産物を得た(図6のレーン1とレーン2)。Bgl2で消化したものをさらにAfl2で消化し、期待していたおよそ4000塩基対とおよそ3000塩基対の2つの産物を得た。(図6のレーン3とレーン4)。
【0038】
さらに、クローニングした融合断片の正確な配列とPCR増幅により導入した一塩基変異を解析するために、クローニングしたDNAのシークエンシングを、プライマーT3 5'-GCAATTAACCCTCACTAAAG-3'(配列番号15)とT7 5'-TAATACGACTCACTATAGGG-3'(配列番号16)を使用し、そして標準プロトコルとしてTOPO4-blunt-PCRクローニングキットを用いて行った。試料のシークエンシングはシーケンサーABI3100(Applied Bioscience, Foster City, California)を用いて行い、添付のソフトウエアで解析した。シークエンシングデータにより、クローニングした断片の正確な配列、特に、Kanr/NeorORF中の一塩基変異が明らかになった。
【0039】
Topo4ベクターにクローニングした断片それぞれをBgl2で消化した後、QIAquick PCRヌクレオチド除去キット(Qiagen, Inc., Valencia, California)を用いて、消化産物をカラムで精製してバッファーを変え、そして再度Afl2で消化した。二重に消化したDNAを0.8% アガロースゲルに流したところ、4kbpと3kbpのバンドがそれぞれ一つずつ観察された。切り出した融合断片(2αと2β)に相当する3kbpのバンドをQIAquickゲル抽出キット(Qiagen, Inc., Valencia, California)を用いてゲルから精製し、回転蒸発させながら濃縮した。
【0040】
断片2αと断片2βを、T4DNA連結酵素を用いて4℃で一晩、36時間で連結させた。そして、連結反応液をSephadex-G50カラムに通し脱塩した。脱塩した連結産物1μlを使用して、標準的プロトコルのように、大腸菌DH5α細胞内にクローニングした。形質転換体を10μg/mlのカナマイシンLBプレートで37℃にて数日間培養し、ポジティブ選択を行った。形質転換体のコロニーは、900bpの増幅産物を与えるp1Pact0S02とp2PactOA02を用いたコロニーPCRによりスクリーニングした。具体的には、大腸菌DHαの形質転換体を、プライマーp1Pact0S02とp2PactOA02を用いたコロニーPCRにより、クリプトコッカスアクチンプロモーター(925bp)についてスクリーニングした。コロニー3.7、3.8、3.9、及び3.12(図7参照)を、アルカリ溶解法を用いるプラスミドDNA抽出用に選択した。プラスミドはアルカリ溶解法を用いて抽出し、製造会社の推奨に従いHind3で消化し、期待していた6.2kbpの消化産物を得た。抽出したプラスミドDNA番号3.8、3.9及び3.12はさらに、エキソヌクレアーゼ酵素のEcoRI(予想では2900、2506、及び1028塩基対の断片が得られる)、SphI(予想では2109、1893、1500、及び411塩基対の断片が得られる)、及びAfl2(予想では6415塩基対の産物が1つだけ得られる)で消化した。完成したpCryptoRNAiプラスミドの構築物の消化特性(digestion profile)を図8に示す。
【0041】
pCryptoRNAiプラスミドベクターの効果
クリプトコッカスでのRNAi研究のための分子ツールとしての効果についてpCryptoRNAiプラスミドベクターを試験した。試験にはpCrypto-RNAiプラスミドにクローニングしたクリプトコッカスネオフォルマンス ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ(phosphoribosyl aminoimidazole carboxylase)(ADE2)遺伝子をROIパリンドローム配列としてコードしている(図3に例として示した)構築物を用いた。ADE2遺伝子の発現は視覚的な色検定、および図10の参照により、モニターすることができる。ホスホリボシルアミノイミダゾールが蓄積されたためピンクに見える細胞が観察された。
【0042】
ADE2 ROIのパリンドロームmRNAによるRISCの活性化後、pCryptoRNAi ADE2 dsRNAは切断され、内在性のsiRNAが生じる。このsiRNAは内在性ADE2 mRNAを妨げADE2遺伝子の発現抑制(silencing)を起こす。この状況で、ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキラーゼ酵素(ADE2)に相当するmRNA量は減少し、ホスホリボシルアミノイミダゾール(AIR)が細胞内に蓄積されピンク色の細胞となる。ピンク色になったコロニーは、pCryptoRNAiのADE2のパリンドロームdsRNAが正確に発現していること、および内在性ADE2遺伝子の発現抑制(silencing)が機能していることを示している。
【0043】
出願人はとりわけ全ての引用文献の内容全体を本開示に取り入れる。さらに、量、濃度、又は他の値若しくはパラメーターが、範囲、好ましい範囲、又は上限の好ましい値および下限の好ましい値のリストとして示されている場合、範囲が別々に開示されているかに関わらず、それは任意の範囲上限または好ましい値および任意の範囲下限または好ましい値の任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示していると理解するべきである。本文において数値の範囲が列挙されている場合、特に断らない限り、その範囲は、その終了点と範囲内の全ての整数と分数とを含むことを意図している。範囲が定義されている場合に本発明の範囲は列挙された特定の値に限定されると解釈されるものではない。
【0044】
本発明の他の実施形態は、本文に開示された本発明の明細書及び実施を考慮することにより、当業者に明らかとなるであろう。本明細書及び実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲及び本質は添付の特許請求の範囲及びその均等物により示されることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1の核酸配列を有する核酸。
【請求項2】
真菌での第1のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第1のプロモーターに作動可能に連結する第1のシグナルタンパク質配列と、
真菌での第2のシグナルタンパク質の発現を制御することができる第2のプロモーターに作動可能に連結する第2のシグナルタンパク質配列と、
前記第1のシグナルタンパク質配列の3'非翻訳領域に位置する目的遺伝子のクローニングサイトと、
を有するプラスミドであって、
目的遺伝子が前記クローニングサイトに挿入されると、該プラスミドが、前記第1のシグナルタンパク質と該目的遺伝子の両方をコードするmRNAを転写することができる、プラスミド。
【請求項3】
配列番号1の核酸配列を有する、請求項2に記載のプラスミド。
【請求項4】
前記クローニングサイトに挿入される目的遺伝子をさらに有する、請求項2に記載のプラスミド。
【請求項5】
前記目的遺伝子が、RNA依存型誘導サイレンシング複合体(RISC)を活性化する能力を有する二重鎖RNA配列を含む、請求項4に記載のプラスミド。
【請求項6】
請求項2に記載の前記プラスミドを有する形質転換された真菌。
【請求項7】
前記プラスミドが、前記真菌のゲノムに安定に取り込まれる、請求項6に記載の形質転換された真菌。
【請求項8】
請求項1に記載の前記核酸を有する、ベクター。
【請求項9】
請求項2に記載の前記プラスミドを前記真菌のゲノムに導入する、真菌を形質転換する方法。
【請求項10】
請求項4に記載の前記プラスミドで真菌を形質転換すること、及び
1つ又は複数の前記第1のシグナルタンパク質と前記第2のシグナルタンパク質の有無を検出すること、
を含む、真菌でのRNA干渉効果の評価方法。
【請求項11】
前記1つ又は複数のシグナルタンパク質が、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、オレンジ蛍光タンパク質、又は近赤外蛍光タンパク質である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
真菌細胞の組成物と、
請求項4に記載の前記プラスミドと、
画像装置と、
を有する、真菌内でのRNA干渉効果を測定するインビボ(in vivo)評価システム。
【請求項13】
前記真菌がクリプロコッカスである、請求項12に記載のインビボ(in vivo)評価システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−232846(P2009−232846A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−75678(P2009−75678)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】