説明

眼瞼スクラブ用組成物

【解決手段】眼瞼スクラブ用組成物は、塩酸ポリへキサニド(PHMB)と、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液とを含んでいる。組成物は、更に、保湿剤と気泡安定剤とを含んでよい。組成物は、眼瞼スクラブとして使用するために、繊維性パッドに予め湿らされてよい。組成物は、眼瞼に付けられて擦られて、泡が生成されてもよい。組成物は、修正リンガー溶液を調整して、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、1種又は2種以上の効果的な量のpH安定化界面活性剤を加えることで生成される。その後、混合物は加熱されて、塩酸ポリへキサニドが加えられる前に冷却される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性組成物に関している。より詳細には、本発明は、眼瞼スクラブに使用できる組成物に関している。
【背景技術】
【0002】
接近する物体などの危険や、花粉、塵埃、又はその他の異物のような気中浮遊汚染物質(airborne contaminants)から眼を保護することから、眼瞼は、眼の健康全般にとって重要である。眼瞼は、幾つかの腺を含んでおり、それらに含まれる涙腺及びマイボーム腺は、健康な眼に欠かせない涙液膜の層を生成する。人がまばたきすると、新しい涙液膜が生成されて、涙が角膜に渡って分布して、眼の表面を潤滑化する。また、このまばたき動作は、眼から異物を「洗い流す(flush)」。
【0003】
しかしながら、眼瞼は、一般的であるが、特にコンタクトレンズの着用者には厄介である幾つかの問題を被りやすく、それらの問題は、その他のより深刻な合併症を引き起こすかも知れない。合併症の1つに、ブドウ球菌眼瞼炎(眼瞼炎)がある。眼瞼炎は、眼瞼の一般的な慢性炎症であって、眼瞼縁上の鱗状のクラストを特徴とする。その症状は、細菌感染で起こるか、アレルギーを原因とするか、又は、顔及び頭皮の脂漏症に関係しているであろう。治療には、定期的な眼瞼の洗浄が含まれており、問題になり得る過剰の脂、デブリ(debris)、及び落屑した皮膚が除去される。
【0004】
眼瞼縁における皮膚表面の細菌感染は、内麦粒腫として知られており、多くの場合、眼瞼炎に関係しており、又は、眼瞼炎に続発する。その他のこのような感染には、一般にものもらい(styes)と称されている外麦粒腫があり、それは、眼瞼縁に沿ってまつげを囲む微少な油脂分泌性マイボーム腺の感染である。ものもらいは、赤くて、触ると痛い隆起として発症し、通常、3日以内に完全に成長する。このような疾患は、眼瞼縁における疼痛、発赤、及び圧痛を伴う。ものもらいは、しばしば再発するが、定期的な眼瞼縁の洗浄は、このような疾患を少なくし得る。2番目の問題は、眼瞼内のマイボーム腺の炎症である霰粒腫(chalazion)である。通常、霰粒腫は、2乃至3週間に渡ってゆっくりと成長し、疼痛を起こさないが、治療しないままにすると、外科的処置がしばしば必要とされる。
【0005】
上述の問題に加えて、酒さ及び脂漏症のようなその他の医学的合併症の何れについても、眼瞼クレンザの使用によって眼瞼の衛生状態を適切にすることが、発生の程度を少なくし、又は、発見が早ければ完全に問題を防止するかも知れない。また、眼瞼クレンザは、まつげ、眼瞼、又は眼周囲の洗浄に使用されており、術前のスクラブとして使用してもよく、感染、炎症、又は眼内炎でさえも患者に引き起こし得る有害な細菌の存在を減少することを助ける。
【0006】
眼内炎は、眼球内感染症であって、一般に、白内障の手術後に起こる。術後の眼内炎の原因となる因子は、通常細菌であって、大抵の場合、原因となる細菌は、表皮ブドウ球菌である。術後の眼内炎に加えて眼瞼炎を防止するために、大抵の場合、眼瞼スクラブが使用されて、眼瞼が洗浄される。
【0007】
大抵の場合、単純な皮膚洗浄剤は、眼瞼への使用に適していない。眼瞼洗浄剤は、眼の周囲の敏感な皮膚と眼の組織自体とに非刺激性である一方で、抗菌効果を有している必要がある。眼への刺激を引き起こす因子の1つは、眼瞼洗浄剤用組成物の普通ではないpHレベルである。非刺激性の製剤は、中性、7.0に近いpHレベルを有するべきである。多くのスキン洗浄剤のpHは、この範囲の外である。皮膚洗浄剤のpHレベルを制御するために、大抵の場合、従来のpH調整剤が使用される。従来のpH調整剤には、アンモニア、モノ−、ジ−及びトリ−アルキルアミン、モノ−、ジ−及びトリ−アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物のような塩基性pH調整剤(例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、モノエタノールアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン)と、鉱酸及びポリカルボン酸のような酸性pH調整剤(例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、クエン酸、グリコール酸及び乳酸)とが含まれている。不幸にして、pH調整剤はまた、眼への刺激自体を起こし得る。それ故に、細菌を殺すのに効果的であるが、従来のpH調整剤を含んでおらず、眼の周囲で使用されるのに十分に優しい眼瞼スクラブ用組成物が必要とされている。
【発明の開示】
【0008】
本発明の組成物は、抗菌剤として効果的である一方で、眼に与える刺激を小さくする。組成物は、塩酸ポリへキサニド(polyhexamethylene biguanide)(PHMB)と、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液(pH stabilizing surfactant solution)とを含んでいる。従来のpH調整剤ではなく界面活性剤溶液を使用してpHを制御することで、眼に与える刺激が小さい組成物が作製される。また、組成物に含まれる界面活性剤溶液の起泡力が、洗浄能力を増加させる。
【0009】
ある実施例では、pH安定化界面活性剤溶液は、ココアンホジ酢酸2Na(cocoamphodiacetate disodium)と、ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエート(polyoxyethylene 80 sorbitan monolaurate)と、デシルポリグルコシド(decyl polyglucoside)と、修正リンガー溶液(modified Ringer's solution)とを含んでいる。
【0010】
別の実施例では、組成物はまた、メチルグルセス−20、ソルビトール(sorbital)、グリセリン、グリコール類、プロピレングリコール、カルボン酸類、アミノ酸類、グリコシド誘導体、尿素、乳酸塩類、及びパントテン酸誘導体のような保湿剤を含んでいる。
【0011】
組成物は、水に電解質を混合して修正リンガー溶液を調整し、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、有効な量の1種又は2種以上のpH安定化界面活性剤溶液とを、その修正リンガー溶液と混合することで作製される。その混合物は、その後加熱されるが、塩酸ポリへキサニドが加えられる前に冷却されてもよい。
【0012】
効果的な量の組成物を眼瞼に付けることで、眼瞼に組成物が付けられてよい。オプションとして、組成物は、眼瞼上にてこすられて、泡が形成されてよい。
【0013】
組成物は、繊維製パッドと組み合わされて、眼瞼スクラブとして使用され得る。繊維製パッドは、組成物で予め湿らされて(pre-moistened)、使用上パッケージされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の繊維製パッドの上面図である。
【図2】図2は、本発明の繊維製パッド用容器の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の組成物は、抗菌効果を有することで、眼瞼洗浄剤又はスクラブとして効果的であるが、更に、眼に対してほどんど非刺激性である。塩酸ポリへキサニド(PHMB)とシムジオール(Symdiol)の組合せによって、組成物は、これらの有益な特徴を得ている。シムジオールは、1,2−ヘキサンジオールと1,2−オクタンジオールの混合物である。PHMB−シムジオール混合物は、相乗的な抗菌効果を有している。更に、本発明の組成物は、pH安定化界面活性剤溶液を用いることで、従来のpH調整剤を避けている。従来のpH調整剤を排除することで、従前の眼瞼洗浄剤と比較して、本発明の組成物で生じる刺激の程度が低減されている。
【0016】
本発明の眼瞼スクラブ用組成物は、塩酸ポリへキサニド(PHMB)と、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液とを含んでいる。
【0017】
本発明の目的上、塩酸ポリへキサニド(PHMB)は、塩酸ポリへキサニド、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩(polyhexamethylene biguanide hydrochloride)、及びポリアミノプロピルビグアニド(polyaminopropyl biguanide)の変名(pseudonymous)である。PHMBには、アーチパーソナルケアプロダクツ エル.ピー.(Arch Personal Care Products L.P.)の商品名コスモシル(Cosmocil)(登録商標)として販売されている20%水溶液が利用できる。1,2−ヘキサンジオールと1,2−オクタンジオールの混合物は、シムライズ(Symrise)社の商品名シムジオール68として販売されている。また、1,2−オクタンジオールは、カプリリルグリコールとして知られている。PHMBを1,2−ヘキサンジオール及び1,2−オクタンジオールと組み合わせることで、相乗的な抗菌効果が得られる。
【0018】
従来のpH調整剤の刺激効果を避けるために、pH安定化界面活性剤溶液が調整されて、pHが安定した組成物がもたらされる。界面活性剤はまた、組成物の洗浄能力を増加させ、起泡力を有している。PHMBは、5.5と7.5の間のpH範囲で、抗菌剤として最も効果的である。それ故に、複数種の界面活性剤を混合したものを用いて、この範囲内に、組成物のpHレベルを制御するのが望ましい。また、本発明の眼瞼スクラブは、起泡能力を有しており、眼瞼の洗浄を物理的に促進するのが望ましい。結論として、界面活性剤は、PHMBが効果的な範囲内に組成物のpHを制御すると共に、眼瞼を物理的に洗浄するのに必要な起泡能力をもたらすように選択される必要がある。
【0019】
来のpH調整剤の多くは眼を刺激するので、従来のpH調整剤ではなく、界面活性剤溶液を用いて組成物のpHを制御することで安全性の利点を得るのが有利となる。一般的に、界面活性剤は、従来のpH調整剤よりも、眼への刺激性が少ない。従来のpH調整剤の例には、アンモニア、モノ−、ジ−及びトリ−アルキルアミン、モノ−、ジ−及びトリ−アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物のような塩基性pH調整剤(例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、モノエタノールアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン)と、鉱酸及びポリカルボン酸のような酸性pH調整剤(例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、クエン酸、グリコール酸及び乳酸)とがある。
【0020】
刺激性の低減に加えて、界面活性剤の多くは、泡を生成する機能を更に有しており、組成物の洗浄能力を助ける。pH安定化界面活性剤溶液を作るために、まず、起泡を生成できる1種又は2種以上の界面活性剤が選択されて、組成物に起泡能力が与えられる。適切な界面活性剤には、アニオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤が含まれる。ある実施例では、ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエート及びデシルポリグルコシドの両方が、泡生成界面活性剤として使用される。
【0021】
組成物のpHを制御するために、1種又は2種以上の更なる界面活性剤が、pH安定化界面活性剤溶液に必要とされて、泡生成界面活性剤のpHレベルが補われてもよい。pH補償界面活性剤が必要とされるか否かを決定するために、泡生成界面活性剤のpHが測定されて、pH補償界面活性剤が、所望の範囲内に溶液のpHを制御するように選択される。例えば、泡生成界面活性剤のpHレベルが酸性の範囲、つまり7.0未満である場合、pH補償界面活性剤が塩基性の範囲で選択される。適切なpH補償界面活性剤には、泡生成界面活性剤と泡を生成しない界面活性剤の両方が含まれており、更に、アニオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤が含まれる。ある実施例では、pH補償界面活性剤は、ココアンホジ酢酸2Naである。
【0022】
界面活性剤の組合せが、修正リンガー溶液に加えられる。本発明の目的上、修正リンガー溶液は、電解質の等張水溶液(isotonic aqueous solution)であって、人間の組織と生理的に相性が良い。ある実施例では、修正リンガー溶液は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び水を含んでいる。修正リンガー溶液は、界面活性剤溶液に加えられて、浸透作用によって、組成物が人間の組織から水を取り出さないことを保証する。
【0023】
界面活性剤と修正リンガー溶液の組合せは、PHMB、1,2−ヘキサンジオール、及び1,2−オクタンジオールと混合されて、眼瞼スクラブ用組成物を形成する。眼瞼スクラブ用組成物に含まれる界面活性剤の各々の適切な量を決定するために、組成物全体のpHと、組成物の起泡能力と、組成物の洗浄能力とが試験される。組成物のpHレベルは、pHメータを用いて測定される。個々の界面活性剤の量が調整されて、組成物のpHが所望のpH範囲に制御される。
【0024】
組成物の起泡力は、ロスマイルス(Ross Miles)法に従って測定される。この測定は、組成物から泡を生成して、泡の高さ及び安定性を経時的に測定することを含む。設定された高さから、組成物をそれ自身に5分間注ぐことで、泡が生じる。また、組成物の起泡能力が低い場合には、所定の時間、タービン型攪拌機を用いて組成物が撹拌されて、泡が生成される。泡の厚さは、時間間隔を開けて測定される。所望の起泡力を得るために、組成物における泡生成界面活性剤の量は変化させられる。
【0025】
最後に、組成物の洗浄力は、事例的な人体試験(anecdotal human testing)で試験される。人々は、組成物を眼瞼に付けて、眼瞼を洗浄する。それらの人々は、組成物によって生じる刺激のレベルと、皮膚の突っ張り感と、全体的な洗浄感とを報告する。使用される界面活性剤の量及び種類は、報告に応じて調整される。
【0026】
pHレベル、起泡力、及び洗浄力の試験結果に応じて、pH安定化界面活性剤溶液で使用される界面活性剤の量と種類が調整され、使用されるpH安定化界面活性剤組成物の効果的な量が決定される。PHMB、1,2−ヘキサンジオール、及び1,2−オクタンジオールとpH安定化界面活性剤溶液の組合せは、本発明の組成物を形成する。
【0027】
第1実施例では、本発明の組成物は、PHMB、1,2−ヘキサンジオール、及び1,2−オクタンジオールを含んでおり、それらは、pH安定化界面活性剤溶液と組み合わされる。pH安定化界面活性剤溶液内にて使用されるのに適切な界面活性剤には、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤がある。適切な両性界面活性剤には、アルキルジメチルベタイン類(alkyldimethyl betaines)、アルキルアミノベタイン類(alkylamido betaines)、スルホベタイン類(sulfobetaines)、及びイミダゾリン両性化合物(imidazoline amphoterics)が含まれるが、これらに限定されない。適切なアニオン性界面活性剤には、高級アルコール硫酸類(fatty alcohol sulfates)、アルファオレインスルホン酸塩類(alpha olein sulfonates)、スルホコハク酸塩類(sulfosuccinates)、サルコシン類(sarcosinates)、リン酸エステル類(phosphate esters)、及びカルボン酸類(carboxylates)が含まれるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤には、アルカノールアミド類(alkanolamids)、エトキシ化アミド類(ethoxylate amids)、エステル類(esters)、アルキル化アルコール類(alxylated alcohols)、アルキルポリグルコシド類(alkylpolyglucosides)、アミノオキシド類(amine oxides), ソルビタンエステル類(sorbitan esters)、及びエトキシレート類(ethoxylates)が含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
ある実施例では、pH安定化界面活性剤溶液は、ココアンホジ酢酸2Naと、ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、デシルポリグルコシドと、修正リンガー溶液とを含んでいる。ココアンホジ酢酸2Naは、両性界面活性剤である。ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエート及びデシルポリグルコシドは共に、非イオン性界面活性剤である。別の実施例では、組成物は、混合されると、0.1乃至25重量%のココアンホジ酢酸2Naと、0.1乃至10重量%のポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、0.2乃至10重量%のデシルポリグルコシドと、60乃至98重量%の修正リンガー溶液とを含んでいる。
【0029】
本発明の別の実施例では、修正リンガー溶液は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、及び水を含んでいる。水は、精製水であるのが好ましい。また、修正リンガー溶液は、0.05乃至1.2重量%の塩化ナトリウムと、0.005乃至0.5重量%の塩化カリウムと、0.005乃至0.5重量%の塩化カルシウムと、水とを含んでいてよい。更に別の実施例では、修正リンガー溶液は、約0.7重量%の塩化ナトリウムと、約0.03重量%の塩化カリウムと、約0.033重量%の塩化カルシウムと、精製水とを含んでいる。
【0030】
更に別の実施例では、本発明の組成物は、1種又は2種以上の保湿剤を更に含んでよい。保湿剤は、経皮水分蒸散(transepidermal water loss)を防止する化学物質である。保湿剤が皮膚を覆う層を形成して、皮膚から水が蒸発するのを防止することで、水分蒸散が防止される。また、保湿剤は、空気から皮膚へと水を引き込む吸水分子(hydroscopic molecules)であってもよい。適切な保湿剤には、メチルグルセス−20、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、カルボン酸類、アミノ酸類、グリコシド誘導体、尿素、乳酸塩類、及びパントテン酸誘導体が含まれるが、これらに限定されない。パントテン酸誘導体の例には、パンテノール、D−パンテノール、及びD,L−パンテノールが含まれる。
【0031】
更なる実施例では、組成物はまた、気泡安定剤を含んでいる。気泡安定剤は、泡の寿命を増加させる化学物質である。気泡安定剤は、メチルグルコースのポリエチレングルコールジエステル及び脂肪酸であってよい。適切な脂肪酸には、オレイン酸(oleic acid)、ステアリン酸(steric acid)、ラウリン酸(lauric acid)、カプリル酸(caprylic acid)、及びカプリン酸(capric acid)が含まれる。気泡安定剤は、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース(PEG-120 methyl glucose dioleate)とするのが適切であろう。
【0032】
組成物の具体的なある実施例は、塩酸ポリへキサニドと、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、D−パンテノールと、ココアンホジ酢酸2Naと、ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、デシルポリグルコシドと、メチルグルセス−20と、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコースとを含んでいる。デシルポリグルコシドは、セピック(Seppic)社より、商品名オラミックス(Oramix)NS10として販売されている。ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートは、BASF社より、商品名T−MAZ(登録商標)28として販売されている。ココアンホジ酢酸2Naは、マッキンタイヤグループ(Mcintyre Group)より、商品名マッカム(Mackam)2Cとして販売されている。メチルグルセス−20は、ダウより、商品名グルカム(Glucam)(登録商標)E−20として販売されている。ジオレイン酸PEG−120メチルグルコースは、ダウより、商品名グルカメート(Glucamate)DOE−120として販売されている。D−パンテノールは、デクスパンテノール(Dexpanthenol)としても知られており、ダウから入手できる。
【0033】
組成物の具体的な別の実施例は、約0.02重量%乃至約0.3重量%のPHMBと、約0.05重量%乃至約2.0重量%の1,2−ヘキサンジオールと、約0.05重量%乃至約2.0重量%の1,2−オクタンジオールと、約0.1重量%乃至約25重量%のココアンホジ酢酸2Naと、約0.1重量%乃至約10重量%のポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、約0.2重量%乃至約10重量%のデシルポリグルコシドと、約60重量%乃至約98重量%の修正リンガー溶液とを含んでいる。
【0034】
組成物の具体的な更に別の実施例は、約0.04重量%の塩酸ポリへキサニドと、約0.2重量%の1,2−ヘキサンジオールと、約0.2重量%の1,2−オクタンジオールと、約0.2重量%のD−パンテノールと、約0.215重量%のココアンホジ酢酸2Naと、約4.032重量%のポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、約0.275重量%のデシルポリグルコシドと、約4.3重量%のメチルグルセス−20と、約0.6重量%のジオレイン酸PEG−120メチルグルコースと、約87.985重量%の修正リンガー溶液と、水とを含んでいる。
【0035】
[無鉛]
亜鉛塩は、皮膚を引き締める収斂剤である。眼の周囲の領域の皮膚は、その他の領域の皮膚よりも敏感である。亜鉛塩の含有物は、その収斂特性によって組成物が眼瞼により刺激を与えるようになるので、望ましくない組成物である。それ故に、ある実施例では、組成物は、PHMBと、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、pH安定化界面活性剤溶液とを含んでいるが、実質的に亜鉛塩を含んでいない。亜鉛塩の例には、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酪酸亜鉛、及び ステアリン酸亜鉛(zinc sterate)が含まれる。
【0036】
[方法]
本発明の組成物を生成するために、修正リンガー溶液が、水に電解質を混合することで作られる。シムジオール、つまり、1,2−ヘキサンジオールと1,2−オクタンジオールの混合物が、界面活性剤を伴った修正リンガー溶液と混合される。界面活性剤を伴ったこの修正リンガー溶液は、pH安定化界面活性剤溶液を構成する。その後、混合物が加熱されて、溶液に固体が溶解する。その後、塩酸ポリへキサニドが加えられる前に、混合物は冷却されてよい。この方法のある形態では、混合物は、約60℃に加熱される。別の形態では、混合物は、約40度に達するまで冷却されてよい。
【0037】
組成物を生成する方法の別の実施例では、修正リンガー溶液は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化カルシウムを水と混合することで作られる。更に別の実施例では、1種又は2種以上の保湿剤が、修正リンガー溶液に更に加えられる。気泡安定剤も含められてよい。
【0038】
本発明の組成物は、眼瞼を洗浄するのに使用されてよい。眼瞼スクラブは、眼瞼の手術前消毒に使用でき、そして、眼瞼炎のような眼瞼の各種の疾病の予防に毎日使用できる。眼瞼を洗浄するために、効果的な量の眼瞼スクラブが眼瞼に付けられる。眼瞼スクラブは、塩酸ポリへキサニドと、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液とを含んでいる。眼瞼スクラブは擦られて、眼瞼の洗浄を促進する泡が引き起こされてもよい。本発明の眼瞼スクラブを十分に低刺激性とすることで、洗浄後に濯がれることなく、眼瞼スクラブが眼瞼に残されたままにするのが好ましい。濯がれることなく、眼瞼スクラブが眼瞼に放置されることで、組成物の抗菌効果は増加する。一般に、抗菌性組成物が病原菌とより長く接触するほど、より多くの病原菌が死ぬであろう。
【0039】
本発明の組成物を用いた方法の別の形態では、眼瞼スクラブは、繊維性パッドから眼瞼に付けられる。眼瞼スクラブが、繊維性パッドを用いて眼瞼上で擦られると、泡が引き起こされて、眼瞼スクラブの洗浄能力が支援される。
【0040】
[予め湿らされたバッド]
図1を参照すると、本発明の組成物が繊維性パッド(1)と組み合わされて、眼瞼を洗浄する器具が形成されてもよい。第1実施例では、その器具は、眼瞼スクラブ用組成物で予め湿らされた繊維性パッド(1)を備えている。眼瞼スクラブ用組成物は、塩酸ポリへキサニドと、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液とを含んでいる。ある形態では、繊維性パッド(1)は、レーヨンとポリプロピレンの混紡織物(fabric blend)である。別の形態では、繊維性パッドは、織目の写った表面(textured surface)(2)を備えている。
【0041】
図2を参照すると、別の実施例では、器具は、予め湿らされた繊維性パッドを入れる密閉容器(3)を更に備えている。ある形態では、密閉容器(3)は、箱又は包みであってよい。包みは、プラスチックや金属箔材料を含む適切な任意の材料で作られてよい。予め湿らされた繊維性パッドは、使用上、個々に包装されてよい。更に別の実施例では、器具は、1.3乃至1.5グラムの眼瞼スクラブを備えている。好ましくは、1.4グラムの眼瞼スクラブが使用される。
【0042】
[試験結果]
本発明の組成物は、抗菌効果を有しているが、他の抗菌性組成物よりも、刺激のレベルが低い。本発明の組成物の特性を確かめるために、組成物の刺激効果と抗菌効果の両方が試験された。これらの結果は、一般的に入手できる別の組成物であるステリリッド(Sterilid)(登録商標)と比較された。
【0043】
本発明の組成物のある実施例について、刺激効果と抗菌効果の両方が試験された。以後、組成物1と称する。組成物1は、塩酸ポリへキサニドと、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、D−パンテノールと、ココアンホジ酢酸2Naと、ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、デシルポリグルコシドと、メチルグルセス−20と、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコースと、修正リンガー溶液と、水とを含んでいた。
【0044】
比較のために、一般的に入手できる眼瞼スクラブもまた試験された。アドバンスドビジョン(Advanced Vision)から入手できるステリリッド(登録商標)は、水、PEG−80、ラウリン酸ソルビタン(sorbitan laurate)、トリデセス硫酸ナトリウム(sodium trideceth sulfate)、コカミドプロピルベタイン(cocamidopropyl betaine)、ラウロアンホ酢酸ナトリウム(sodium lauroamphacetate)、ジステアリン酸PEG−150(PEG-150 distearate)、ラウレス−13酢酸ナトリウム(sodium laureth -13 carboxylate)、リナロールオイル(linalool oil)、酢酸ペペス(hepes acetate)、過ホウ酸ナトリウム一水和物 (sodium perborate monohydrate)、パンテノール、アラントイン(allantoin)、塩化ナトリウム、ティーツリーオイル(tea tree oil)、トリス−EDTA(Tris-EDTA)、ホウ酸、コカミドプロピルPGジモニウムクロリド(cocamidopropyl PG-dimonium chloride)、エチドロン酸(etidronic acid)、ホスホン酸(phosphonic acid)、及び、pHを調整するためのクエン酸と水酸化ナトリウムを含んでいる。
【0045】
組成物の刺激レベルを決定するために、眼への刺激の調査が実行されて、その結果は、眼性病変をスコアリングするためのドレーズスケール(Draize Scale for Scoring Ocular Lerions)に記録された。この刺激性試験は、0.1mlの組成物をウサギの目の結膜嚢に付けて、1、24、48、及び72時間後に、眼球刺激の大きさと強さを記録することで実行された。その情報は、ドレーズスケール上でスコアに変換されて、組成物が起こした刺激を示す。
【0046】
組成物1とステリリッドの両方について刺激性を試験した結果は、表1に示されている。組成物1は、ドレーズスケール上で可能な110.0の中で1.67を記録した。1.67は、ドレーズスケール上で「ほぼ非刺激性」に分類される。ステリリッドは、ドレーズスケール上で、「微少な刺激性」に分類される4.0を記録した。
【0047】
【表1】

【0048】
組成物1とステリリッドの双方に、時間−殺菌調査が施されて、病原体である表皮ブドウ球菌(S. Epidermidis)に対する効果が測定された。表皮ブドウ球菌は、術後の眼内炎の主な原因であって、術後に感染するタイプである。時間−殺菌試験では、病原体のサスペンションに、組成物が60秒間施されて、その後、組成物は中和された。その後、病原体は、培地に塗られて、適当な時間培養された。培養後、病原体のコロニーの数がカウントされて、そのコロニーの数について、対照コロニーの数からの数減少(Log Reduction)が計算された。時間−殺菌調査の結果は、表2に示されている。
【0049】
【表2】

【0050】
組成物1では、表皮ブドウ球菌の対数減少は5.5であり、ステリリッドでは、表皮ブドウ球菌の対数減少は3.5であった。故に、表皮ブドウ球菌病原体を殺す能力は、ステリリッドよりも組成物1の方が高い。
【0051】
刺激性試験と時間−殺菌試験の結果は、組成物1は、ステリリッドよりも効果的であると共に刺激が少ないことを示している。ステリリッドは、本発明のpH安定化界面活性剤ではなく、pHを調整するためにクエン酸と水酸化ナトリウムを用いている。
【0052】
幾つかの実施例について本発明が説明されたが、当該分野における通常の知識を有する者には、形態と詳細に様々な変更が、本発明の精神と範囲から逸脱することなくなされて良いことを理解するであろう。また、組成物は、眼瞼洗浄剤として有用であるとして説明されているが、本発明の組成物は、その他の用途にも使用されてよいことは容易に理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩酸ポリへキサニドと、
1,2−ヘキサンジオールと、
1,2−オクタンジオールと、
組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液と、
を含んでいる組成物。
【請求項2】
pH安定化界面活性剤溶液は、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤から成る群から選択される1種又は2種以上の界面活性剤である、請求項1の組成物。
【請求項3】
両性界面活性剤は、アルキルジメチルベタイン類、アルキルアミノベタイン類、スルホベタイン類、及びイミダゾリン両性化合物から成る群から選択される、請求項2の組成物。
【請求項4】
アニオン性界面活性剤は、高級アルコール硫酸類、アルファオレインスルホン酸塩類、スルホコハク酸塩類、サルコシン類、リン酸エステル類、及びカルボン酸類から成る群から選択される、請求項2の組成物。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤は、アルカノールアミド類、エトキシ化アミド類、エステル類、アルキル化アルコール類、アルキルポリグルコシド類、アミノオキシド類、 ソルビタンエステル類、及びエトキシレート類から成る群から選択される、請求項2の組成物。
【請求項6】
pH安定化界面活性剤溶液は、
ココアンホジ酢酸2Naと、
ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、
デシルポリグルコシドと、
修正リンガー溶液と、
を含んでいる、請求項1の組成物。
【請求項7】
0.1乃至25重量%のココアンホジ酢酸2Naと、
0.1乃至10重量%のポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、
0.2乃至10重量%のデシルポリグルコシドと、
60乃至98重量%の修正リンガー溶液と、
を含んでいる、請求項6の組成物。
【請求項8】
修正リンガー溶液は、
塩化ナトリウムと、
塩化カリウムと、
塩化カルシウムと、
水と、
を含んでいる、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
修正リンガー溶液は、
0.05乃至1.2重量%の塩化ナトリウムと、
0.005乃至0.5重量%の塩化カリウムと、
0.005乃至0.5重量%の塩化カルシウムと、
水と、
を含んでいる、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
修正リンガー溶液は、
0.7重量%の塩化ナトリウムと、
0.03重量%の塩化カリウムと、
0.033重量%の塩化カルシウムと、
精製水と、
を含んでいる、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
D−パンテノールと、
メチルグルセス−20と、
ジオレイン酸PEG−120メチルグルコースと、
を更に含んでいる、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
1種又は2種以上の保湿剤を更に含んでいる、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
1種又は2種以上の保湿剤は、メチルグルセス−20、ソルビトール、グリセリン、グリコール類、プロピレングリコール、カルボン酸類、アミノ酸類、グリコシド誘導体、尿素、乳酸塩類、及びパントテン酸誘導体から成る群から選択される、請求項12の組成物。
【請求項14】
パントテン酸誘導体は、パンテノール、D−パンテノール、D,L−パンテノール、及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項13の組成物。
【請求項15】
気泡安定剤を更に含んでいる、請求項1の組成物。
【請求項16】
気泡安定剤は、メチルグルコースのポリエチレングルコールジエステル及び脂肪酸である、請求項15の組成物。
【請求項17】
脂肪酸は、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、カプリル酸、及びカプリン酸から成る群から選択される、請求項16の組成物。
【請求項18】
塩酸ポリへキサニドと、
1,2−ヘキサンジオールと、
1,2−オクタンジオールと、
組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液と、
を含んでおり、実質的に亜鉛塩を含んでいない組成物。
【請求項19】
pH安定化界面活性剤溶液は、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤から成る群から選択される1種又は2種以上の界面活性剤である、請求項19の組成物。
【請求項20】
1種又は2種以上の保湿剤を更に含んでいる、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
1種又は2種以上の保湿剤は、メチルグルセス−20、ソルビトール、グリセリン、グリコール類、プロピレングリコール、カルボン酸類、アミノ酸類、グリコシド誘導体、尿素、乳酸塩類、及びパントテン酸誘導体から成る群から選択される、請求項20の組成物。
【請求項22】
気泡安定剤を更に含んでいる、請求項18の組成物。
【請求項23】
気泡安定剤は、メチルグルコースのポリエチレングルコールジエステル及び脂肪酸である、請求項22の組成物。
【請求項24】
塩酸ポリへキサニドと、
1,2−ヘキサンジオールと、
1,2−オクタンジオールと、
ココアンホジ酢酸2Naと、
ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、
デシルポリグルコシドと、
修正リンガー溶液と、
を含んでいる組成物。
【請求項25】
1種又は2種以上の保湿剤を更に含んでいる、請求項24の組成物。
【請求項26】
保湿剤は、メチルグルセス−20、ソルビトール、グリセリン、グリコール類、プロピレングリコール、カルボン酸類、アミノ酸類、グリコシド誘導体、尿素、乳酸塩類、及びパントテン酸誘導体から成る群から選択される、請求項25の組成物。
【請求項27】
D−パンテノールと、
メチルグルセス−20と、
ジオレイン酸PEG−120メチルグルコースと、
を更に含んでいる、請求項24の組成物。
【請求項28】
塩酸ポリへキサニドと、
1,2−ヘキサンジオールと、
1,2−オクタンジオールと、
D−パンテノールと、
ココアンホジ酢酸2Naと、
ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、
デシルポリグルコシドと、
メチルグルセス−20と、
PEG−120メチルグルコースと、
を含んでいる組成物。
【請求項29】
0.02重量%乃至0.3重量%の塩酸ポリへキサニドと、
0.05重量%乃至2.0重量%の1,2−ヘキサンジオールと、
0.05重量%乃至2.0重量%の1,2−オクタンジオールと、
0.1重量%乃至25重量%のココアンホジ酢酸2Naと、
0.1重量%乃至10重量%のポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、
0.2重量%乃至10重量%のデシルポリグルコシドと、
60重量%乃至98重量%の修正リンガー溶液と、
を含んでいる組成物。
【請求項30】
0.05重量%乃至5.0重量%のD−パンテノールと、
1.0重量%乃至20重量%のメチルグルセス−20と、
0.1重量%乃至5重量%のジオレイン酸PEG−120メチルグルコースと、
を更に含んでいる、請求項29の組成物。
【請求項31】
0.04重量%の塩酸ポリへキサニドと、
0.2重量%の1,2−ヘキサンジオールと、
0.2重量%の1,2−オクタンジオールと、
0.2重量%のD−パンテノールと、
0.215重量%のココアンホジ酢酸2Naと、
4.032重量%のポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエートと、
0.275重量%のデシルポリグルコシドと、
4.3重量%のメチルグルセス−20と、
0.6重量%のジオレイン酸PEG−120メチルグルコースと、
87.985重量%の修正リンガー溶液と、
1.953重量%の水と、
を含んでいる組成物。
【請求項32】
眼瞼スクラブ用組成物を製造する方法において、
a)水で電解質を混合して修正リンガー溶液を生成する工程と、
b)1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、効果的な量の1種又は2種以上のpH安定化界面活性剤とを、修正リンガー溶液と混合する工程と、
c)混合物を加熱する工程と、
d)混合物を冷却する工程と、
e)冷却した混合物に塩酸ポリへキサニドを加える工程と、
を含む方法。
【請求項33】
工程(a)は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化カルシウムを水と混合する工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
工程(b)は、1種又は2種以上の保湿剤を修正リンガー溶液と混合する工程を更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
pH安定化界面活性剤は、塩酸ポリへキサニド、ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエート、デシルポリグルコシド、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項32の方法。
【請求項36】
工程(c)は、混合物を60℃に加熱する工程を含む、請求項32の方法。
【請求項37】
混合物を冷却する工程の前に、固体を溶解させる工程を更に含む、請求項36の方法。
【請求項38】
工程(d)は、混合物を40℃に冷却する工程を含む、請求項32の方法。
【請求項39】
請求項42の方法で作製された眼瞼スクラブ用組成物。
【請求項40】
眼瞼スクラブを用いて眼瞼を洗浄する方法において、
効果的な量の眼瞼スクラブを眼瞼に付ける工程を含んでおり、
眼瞼スクラブは、塩酸ポリへキサニドと、1,2−ヘキサンジオールと、1,2−オクタンジオールと、組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液とを含んでいる方法。
【請求項41】
眼瞼スクラブは、繊維性パッドから眼瞼に付けられる、請求項40の方法。
【請求項42】
眼瞼スクラブは、眼瞼上で擦られて、泡が生成される、請求項40の方法。
【請求項43】
眼瞼スクラブは、繊維性パッドを用いて眼瞼上で擦られる、請求項42の方法。
【請求項44】
眼瞼スクラブは、濯がれることなく眼瞼上に残されたままにされる、請求項40の方法。
【請求項45】
眼瞼を洗浄する器具において、
眼瞼スクラブ用組成物で予め湿らされた繊維性パッドを備えており、
眼瞼スクラブ用組成物は、塩酸ポリへキサニドと、1,2−ヘキサンジオールと、
1,2−オクタンジオールと、組成物のpHレベルを5.5と7.5の間で制御するのに効果的な量で存在するpH安定化界面活性剤溶液とを含んでいる器具。
【請求項46】
繊維性パッドは、レーヨンとポリプロピレンの混紡織物である、請求項45の器具。
【請求項47】
繊維性パッドは、織目の写った表面を備えている、請求項45の器具。
【請求項48】
予め湿らされた繊維性パッドを入れる密閉容器を更に備える、請求項45の器具。
【請求項49】
1.3グラム乃至1.5グラムの眼瞼スクラブ用組成物を備える、請求項45の器具。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−509220(P2010−509220A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535335(P2009−535335)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/023183
【国際公開番号】WO2008/057442
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509123633)オキュソフト,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】OCUSOFT, INC.
【Fターム(参考)】